以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の画像表示装置の構成を示す説明図である。
光源1は、発光素子10、偏光フィルタ11、フレネルレンズ12によって構成されている。発光素子10には白色発光ダイオード等の点状の光源を横に並べて用いたり、冷陰極管等の線状の光源を水平に配置して構成されている。偏光フィルタ11は右側領域11aと左側領域11bとで透過する光の偏光が異なる(例えば、右側領域11aと左側領域11bとで透過する光の偏光を90度ずらす)ように設定されている。フレネルレンズ12は一側面に同心円上の凹凸を有するレンズ面を有している。
発光素子10から放射された光は、偏光フィルタ11によって一定の偏光の光のみが透過される。すなわち、発光素子10から放射された光のうち、偏光フィルタ11の右側領域11aを通過した光と、左側領域11bを通過した光とが異なる偏光の光としてフレネルレンズ12に照射される。後述するように、偏光フィルタ11の右側領域11aを通過した光は観察者の左目に到達し、左側領域11bを通過した光は観察者の右目に到達するようになっている。
なお、発光素子と偏光フィルタを用いなくても、異なる偏光の光を異なる位置から照射するように構成すればよく、例えば、異なる偏光の光を発生する発光素子を二つ設けて、異なる偏光の光を異なる位置からフレネルレンズ12に照射するように構成してもよい。
偏光フィルタ11を透過した光はフレネルレンズ12に照射される。フレネルレンズ12は凸レンズであり、フレネルレンズ12では発光素子10から拡散するように放射された光の光路を略平行に屈折して微細位相差板2を透過して、液晶表示パネル4に照射する。
このとき、微細位相差板2から照射される光は、上下方向に広がることがないように出射され、液晶表示パネル4に照射される。すなわち、微細位相差板の特定の領域を透過した光が、液晶表示パネル4の特定の表示単位の部分を透過するようになっている。
また、液晶表示パネル4に照射される光のうち、偏光フィルタ11の右側領域11aを通過した光と左側領域11bを通過した光とは、異なる角度でフレネルレンズ12に入射し、フレネルレンズ12で屈折して左右異なる経路で液晶表示パネル4から放射される。
液晶表示パネル4は、2枚の透明板(例えば、ガラス板)の間に所定の角度(例えば、90度)ねじれて配向された液晶が配置されており、例えば、TFT型の液晶表示パネルを構成している。液晶表示パネルに入射した光は、液晶に電圧が加わっていない状態では、入射光の偏光が90度ずらして出射される。一方、液晶に電圧が加わっている状態では、液晶のねじれが解けるので、入射光はそのままの偏光で出射される。
液晶表示パネル4の光源1側には、微細位相差板2及び偏光板3(第2偏光板)が配置されており、観察者側には、偏光板5(第1偏光板)が配置されている。
微細位相差板2は、透過する光の位相を変える領域が、微細な間隔で繰り返して配置されている。具体的には、光透過性の基材22に、微細な幅の1/2波長板21が設けられた領域2aと、1/2波長板21の幅と同一の微細な間隔で、1/2波長板21が設けられていない領域2bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。すなわち、設けられた1/2波長板によって透過する光の位相を変える領域2aと、1/2波長板21が設けられていないために透過する光の位相を変えない領域2bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。この1/2波長板は、透過する光の位相を変化させる位相差板として機能している。
1/2波長板21は、その光学軸を偏光フィルタ11の右側領域11aを透過する光の偏光軸と45度傾けて配置して、右側領域11aを透過した光の偏光軸を90度回転させて出射する。すなわち、右側領域11aを透過した光の偏光軸を90度回転させて、左側領域11bを透過する光の偏光と等しくする。すなわち、1/2波長板21が設けられていない領域2bは左側領域11bを通過した、偏光板3と同一の偏光を有する光を透過し、1/2波長板21が設けられた領域2aは右側領域11aを通過した、偏光板3と偏光軸が直交した光を、偏光板3の偏光軸と等しくなるように回転させて出射する。
この微細位相差板2の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル4の表示単位と略同一のピッチとして、表示単位毎(すなわち、表示単位の横方向の水平ライン毎)に透過する光の偏光が異なるようにする。よって、液晶表示パネル4の表示単位の水平ライン(走査線)毎に対応する微細位相差板の偏光特性が異なるようになって、水平ライン毎に出射する光の方向が異なる。
又は、微細位相差板2の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル4の表示単位のピッチの整数倍のピッチとして、微細位相差板2の偏光特性が複数の表示単位毎(すなわち、複数の表示単位の水平ライン毎)に変わるようにして、複数の表示単位毎に透過する光の偏光が異なるように設定する。よって、液晶表示パネル4の表示単位の水平ライン(走査線)の複数本毎に微細位相差板の偏光特性が異なって、水平ラインの複数本毎に出射する光の方向が異なる。
このように、微細位相差板の偏光特性の繰り返し毎に異なる光を液晶表示パネル4の表示素子(水平ライン)に照射する必要があるため、微細位相差板2を透過して液晶表示パネル4に照射される光は、上下方向の拡散を抑制したものである必要がある。
すなわち、微細位相差板2の光の位相を変化させる領域2aは、偏光フィルタ11の右側領域11aを透過した光を、左側領域11bを透過した光の偏光と等しくして透過する。また、微細位相差板2の光の位相を変化させない領域2bは、偏光フィルタ11の左側領域11bを透過した光をそのまま透過する。そして微細位相差板2を出射した光は、左側領域11bを透過した光と同じ偏光を有して、液晶表示パネル4の光源側に設けられた偏光板3に入射する。
偏光板3は第2偏光板として機能し、微細位相差板2を透過した光と同一の偏光の光を透過する偏光特性を有する。すなわち、偏光フィルタ11の左側領域11bを透過した光は第2偏光板3を透過し、偏光フィルタ11の右側領域11aを透過した光は偏光軸を90度回転させられて第2偏光板3を透過する。また、偏光板5は第1偏光板として機能し、偏光板3と90度異なる偏光の光を透過する偏光特性を有する。
このような微細位相差板2、偏光板3及び偏光板5を液晶表示パネル4に貼り合わせて、微細位相差板2、偏光板3、液晶表示パネル4及び偏光板5を組み合わせて画像表示装置を構成する。このとき、液晶に電圧が加わった状態では、微細位相差板2を透過した光は偏光板5を透過する。一方、液晶に電圧が加わっていない状態では、微細位相差板2を透過した光は偏光が90度ねじれて液晶表示パネル4から出射されるので、偏光板5を透過しない。
ディフューザ6は、第1偏光板5の前面側(観察者側)に取り付けられており、液晶表示パネルを透過した光を上下方向に拡散する拡散手段として機能する。ディフューザ6の一例としては、縦方向にかまぼこ状の凹凸が繰り返し設けられたレンチキュラーレンズを用い液晶表示パネルを透過した光を、上下に拡散する。
図2は、本発明の実施の形態の画像表示装置の駆動回路を示すブロック図である。
本発明の実施の形態の画像表示装置8を駆動するための主制御回路100には、CPU101、プログラムなどを予め格納したROM102、CPU101の動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM103が設けられている。これらのCPU101、ROM102及びRAM103はバス108によって接続されている。このバス108はCPU101がデータの読み書きをするために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
また、外部との入出力を司る通信インターフェース105、入力インターフェース106及び出力インターフェース107が、バス108に接続されている。通信インターフェース105は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部である。入力インターフェース106、出力インターフェース107は、画像表示装置8に表示する画像データを入出力する。
また、バス108には、表示制御回路150のグラフィック・ディスプレイ・プロセッサ(GDP)156が接続されている。GDP156は、CPU101によって生成された画像データを演算し、RAM153に設けられたフレームバッファに書き込んで、画像表示装置8に対して出力する信号(画像信号RGB、垂直同期信号V_SYNC、水平同期信号H_SYNC、L/R信号)を生成する。GDP156には、ROM152及びRAM153が接続されており、RAM153には、GDP156が動作するためのワークエリア及び表示データを記憶するフレームバッファが設けられている。また、ROM152には、GDP156が動作するために必要なプログラム及びデータが記憶されている。
また、GDP156には、GDP156にクロック信号を供給する発振器158が接続されている。発振器158が生成するクロック信号は、GDP156の動作周期を規定し、GDP156から出力される同期信号(例えば、垂直同期信号V_SYNC)の周期を生成する。
GDP156から出力されるRGB信号は、γ補正回路159に入力されている。このγ補正回路159は、画像表示装置8の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、画像表示装置8の表示照度を調整して、画像表示装置8に対して出力するRGB信号を生成する。
合成変換装置170は、右目用フレームバッファ、左目用フレームバッファ及び立体視用フレームバッファが設けられており、GDP156から送られてきたL/R信号が「R」を示すときに右目用画像を右目用フレームバッファへ書き込み、L/R信号が「L」を示すときに左目用画像を左目用フレームバッファに書き込む。そして、右目用画像と左目用画像とを合成して立体視用画像を生成して立体視用フレームバッファに書き込んで、立体視用画像データをRGB信号として画像表示装置8に出力する。
この右目用画像と左目用画像との合成による立体視用画像の生成は、微細位相差板2の1/2波長板21の間隔毎に、右目用画像と左目用画像と組み合わせる。具体的には、本実施の形態の画像表示装置8の微細位相差板2の1/2波長板21は液晶表示パネル4の表示単位の間隔で配置されているので、液晶表示パネル4の表示単位の横方向ライン(走査線)毎に右目用画像と左目用画像とが交互に表示されるように立体視用画像を表示する。
L信号出力中にGDP156から送信されてきた左目用画像データを左目用フレームバッファに書き込み、R信号出力中にGDP156から送信されてきた右目用画像データを右目用フレームバッファに書き込む。そして、左目用フレームバッファに書き込まれた左目用画像データと、右目用フレームバッファに書き込まれた右目用画像データとを走査線一本毎読み出して、立体視用フレームバッファに書き込む。
画像表示装置8内には液晶ドライバ(LCD DRV)181、バックライトドライバ(BL DRV)182が設けられている。液晶ドライバ(LCD DRV)181は、合成変換装置170から送られてきたV_SYNC信号、H_SYNC信号及びRGB信号に基づいて、液晶表示パネルの電極に順次電圧をかけて、液晶表示パネルに立体視用の合成画像を表示する。
バックライトドライバ182は、GDP156から出力されたDTY_CTR信号に基づいて発光素子(バックライト)10に加わる電圧のデューティー比を変化させて、液晶表示パネル4の明るさを変化させる。
なお、発光素子10は、図5にも示すように、左目用発光素子10Lと右目用発光素子10Rの複数の発光素子で構成され、GDP156及びバックライトドライバ182は、これら左目用発光素子10Lと右目用発光素子10Rを、独立したデューティー比信号(DTY_CTR信号)によって制御し、左右の発光素子の輝度を任意に変更可能に構成される。
図3は、合成変換装置170を示し、マイクロプロセッサを備えた制御部171、RAM172、ROM173が設けられており、RAM172には右目用フレームバッファ175、左目用フレームバッファ174、立体視用フレームバッファ177が設定されている。
制御部171は、CPU151からのL/R信号及びGDP156からの垂直同期信号V_SYNCに基づいて、GDP156から送られてきた右目用画像を右目用フレームバッファ175に書き込み、左目用画像を左目用フレームバッファ174に書き込む。
次に、制御部171は、左右のフレームバッファ174、175に格納された画像データを垂直同期信号V_SYNCに同期して立体視用フレームバッファ177へ書き込んで右目用画像と左目用画像とを合成し、立体視用画像(3次元画像)を生成して、立体視用画像データをRGB信号等として画像表示装置8に出力する。
なお、L/R信号は、例えば、Hiレベル=1で左目用画像データを示し、Loレベル=0で右目用画像データを示す。
この右目用画像と左目用画像との合成による立体視用画像の生成は、図4で示すように、微細位相差板2に設けられた1/2波長板21の間隔毎に、右目用画像と左目用画像を組み合わせる。具体的には、本実施形態の画像表示装置8の微細位相差板2の1/2波長板821は、液晶表示パネル4の表示単位の間隔で配置されているので、液晶表示パネル4の表示単位の横方向ライン(走査線)毎に右目用画像と左目用画像とが交互に表示されるように立体視用画像を表示する。
通常の表示状態では、L信号出力中にGDP156から送信されてきた左目用画像データを左目用フレームバッファ174に書き込み、R信号出力中にGDP156から送信されてきた右目用画像データを右目用フレームバッファ175に書き込む。そして、左目用フレームバッファ174に書き込まれた左目用画像データと、右目用フレームバッファ175に書き込まれた右目用画像データとを走査線一本毎に読み出して、立体視用フレームバッファ177に書き込む。
図4は、本発明の実施の形態の画像表示装置の微細位相差板2を示す正面図である。
微細位相差板2は、1/2波長板が設けられており、透過する光の偏光を変える領域が、所定の間隔毎に微細な間隔で繰り返し連続して配置されている。この繰り返し連続して配置される領域に入射する光の偏光は、各々偏光フィルタ11の右側領域11a、左側領域11bで異なり、透過する光の偏光を変える領域では、入射光の偏光軸を90度回転させて出射する。この微細位相差板2の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル4の表示単位と略同ピッチとしてある。
すなわち、偏光フィルタ11の右側領域11aを透過して、微細位相板で偏光軸を90度回転させられた光と、偏光フィルタ11の左側領域11bを透過して、微細位相板をそのまま透過した光の偏光軸が等しくなり、これらの光が第2偏光板を透過する。微細位相差板2の、透過する光の偏光を変える領域と、透過する光の偏光を変えない領域とは、液晶表示パネル4の表示単位の水平ライン毎に繰り返し連続して配置されているので、微細位相差板2と第2偏光板3とを透過した光は、水平ライン毎に異なる方向へ向かう同一の偏光の光となる。
なお、前述したように、微細位相差板2の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル4の表示単位のピッチの整数倍のピッチとして、微細位相差板2の偏光特性が複数の表示単位毎に変わるようにして、複数の表示単位毎に透過する光の偏光が異なるようにしてもよい。
図5は、本発明の実施の形態の画像表示装置の光学系を示す平面図である。また、図6は、本発明の実施の形態の画像表示装置から放射される光の経路を説明する図であり、図6(a)が、偏光フィルタの右側領域11aを透過して左目に至る光の経路を、図6(b)が、偏光フィルタの左側領域11bを透過して右目に至る光の経路を示す。
図5に示すように、発光素子10から放射された光は偏光フィルタ11を透過して放射状に広がっている。光源から放射された光のうち左目用発光素子10Lから偏光フィルタ11の右側領域11aを透過した光(一点鎖線で光路の中心を示す)は、フレネルレンズ12に到達し、フレネルレンズ12で光の進行方向を変えられて、微細位相差板2、偏光板3、液晶表示パネル4、偏光板5を略垂直(やや右側から左側)に透過して左目に至る。
一方、光源から放射された光のうち右目用発光素子10Rから偏光フィルタ11の左側領域11bを透過した光(破線で光路の中心を示す)は、フレネルレンズ12に到達し、フレネルレンズ12で光の進行方向を変えられて、微細位相差板2、偏光板3、液晶表示パネル4、偏光板5を略垂直(やや左側から右側)に透過して右目に至る。
このように、発光素子10を構成する左右の発光素子10L、Rから放射され偏光フィルタ11を透過した光を、光学手段としてのフレネルレンズ12によって、液晶表示パネル4に略垂直に照射するようにしている。すなわち、発光素子10、偏光フィルタ11及びフレネルレンズ12によって、偏光面が異なる光を略垂直に、かつ、異なる経路で液晶表示パネル4に照射する光源1を構成し、液晶表示パネル4を透過した光を異なる経路で放射して、右目又は左目に到達させる。すなわち、液晶表示パネル4の走査線ピッチと、微細位相差板2の偏光特性の繰り返しピッチとを等しくして、液晶表示パネル4の走査線ピッチ毎に異なる方向から到来した光が照射され、異なる方向に光を出射する。
図6(a)に示すように、左目用発光素子10Lから放射され、偏光フィルタの右側領域11aを透過した光は、フレネルレンズ12を透過して、微細位相差板2に到達し、偏光を90度回転させて出射する(右側領域11aを透過した光を透過する)微細位相差板2の領域2aを透過し、さらに、偏光板3、液晶表示パネル4、偏光板5を透過して、左目に至る。すなわち、液晶表示パネル4の領域2aに対応する位置の表示素子によって表示された左目画像が左目に到達する。
この微細位相差板2の領域2aと交互に並んで配置されている領域2bは光の偏光を変化させないので、偏光フィルタの右側領域11aからの光は偏光板3を透過することなく、液晶表示パネル4の領域2bに対応する位置の表示素子に表示された右目画像は左目に到達しない。
一方、図6(b)に示すように、右目用発光素子10Rから放射され、偏光フィルタの左側領域11bを透過した光は、フレネルレンズ12を透過して、微細位相差板2に到達し、偏光フィルタの左側領域11b同一偏光の光を透過する微細位相差板2の領域2bを透過して、液晶表示パネル4、偏光板5を透過して、右目に至る。すなわち、液晶表示パネル4の領域2bに対応する位置の表示素子によって表示された右目画像が右目に到達する。
この微細位相差板2の領域2bと交互に並んで配置されている領域2aは光の偏光を変化させるので、偏光フィルタの左側領域11bからの光は偏光板3を透過することなく、液晶表示パネル4の領域2aに対応する位置の表示素子に表示された左目画像は右目に到達しない。
図7は、3次元画像の表示の一例を示し、図7(A)は、画像表示装置8の表示面8Aから観察者側の奥行き方向(図中Z軸方向)へ立体的な画像850(例えば、「3」の字)を表示する一例を示す斜視図で、表示面8Aから観察者側へ向けた図中Z1の位置まで画像850が飛び出すように虚像(3次元画像)を表示した場合で、画像850は表示面8Aのほぼ中央の位置である。
ここで、画像850は「3」の字で構成した場合を示し、図中X軸は表示面8Aの水平方向(水平走査方向)で、Y軸は上下方向(垂直走査方向)、Z軸は奥行き方向を示す。
また、画像850は、フォントROM157に格納されたデータで、相対的な座標(水平座標及び垂直座標)が予め定義されており、Z軸位置と大きさに応じて表示空間(視点座標系)上の座標(X−Y−Z座標)に変換したものである。
このように画像850を3次元画像として表示する場合、図7(B)、(C)で示すように右目で観察する右目用画像850Rと、左目で観察する左目用画像850Lが表示面8Aに実際に表示されており、これら画像850R、850Lは観察者が観察する3次元画像850の水平方向位置に対して、それぞれ所定量dxだけずれて表示される。
すなわち、左目用画像850Lは、図7(C)において、3次元画像850の水平方向位置(表示面8AのX軸の中央)から図中右側に+dxだけずれた位置に表示され、右目用画像850Rは、3次元画像850の水平方向位置から図中左側に−dxだけずれた位置に表示されて、表示面8Aに実際に表示される左右の画像850L、Rの位置は、3次元画像850の奥行き方向の位置(飛び出し量Z1)に応じたずれ量2dxだけずれて表示される。
したがって、図7(C)において、左目用画像850Lと右目用画像850RのX軸方向のずれ量(右目と左目の視差)2dxを変化させることによって、3次元画像850のZ軸方向位置を制御することができる。例えば、図7(A)の位置に表示されている3次元画像850を表示面8A側へ移動(観察者から遠ざかる方向)するには、ずれ量(座標パラメータ)2dxを減少させればよく、逆に観察者側へ移動するには、ずれ量2dxを増大させればよいのである。また、図7(A)の画像850を、表示面8Aから観察者側へ3次元画像850をさらに飛び出させるには、左目用画像850Lに正のずれ量(図中右側)+dxを増大し、右目用画像850Rには負のずれ量(図中右側)−dxを増大する。逆に、表示面8Aの反対側(液晶表示パネル4の奥側)に3次元画像850を表示させるには、左目用画像850Lに負のずれ量(図中左側)−dxを与え、右目用画像850Rには正のずれ量(図中左側)+dxを与えればよく、観察者が観測する立体的な画像(虚像)850は、左目用画像850Lと右目用画像850Rに水平方向のずれ量2dxを与えたものから生成される。
なお、上記図7(B)では、説明を簡易にするため左目用画像850Lと右目用画像850Rが同一ライン上で重なるように図示したが、実際には図7(C)で示すように、液晶表示パネル4の水平方向ラインの上下方向位置に応じて左目用画像850Lを表示するラインと右目用画像850Rを表示するラインが予め設定されており、左目用画像850Lと右目用画像850Rは交互(例えば、1ラインおき)に表示され、同一水平方向ライン上で重なることはない。
図8は、表示制御回路150(GDP156)から合成変換装置170と画像表示装置8における各信号のタイミングを示すグラフである。
垂直同期信号V_SYNCは、画像データの走査開始タイミングを示すために供給される。垂直同期信号V_SYNCは、所定の周期(例えば、16.7msec=1/60秒)毎にON(LOレベル)となる。
画像表示装置8では、垂直同期信号V_SYNC(図中V1、V2、V3…)に従って、垂直同期信号V_SYNCの立ち下がりタイミングによって走査線の走査を開始して、画像データを表示する。
L/R信号は、表示制御回路150から合成変換装置170に送信される信号で、現在GDP156から出力中の画像信号(図中DATA)が、左目用画像か右目用画像かを示し、Hi状態では左目用画像(L)を、Low状態では右目用画像(R)を意味している。
すなわち、表示制御回路150から合成変換装置170に送信される画像データは、L/R信号に合わせて左目用画像及び右目用画像が交互に送信される。
合成変換装置170では、L/R信号の切り替えタイミングに応じて、表示制御回路(GDP156)から送信される画像データを取り込んで、左目用フレームバッファ175又は左目用フレームバッファ174に書き込む。なお、合成変換装置170が画像データを取り込むためのトリガ信号を別に設けてもよい。
そして、左目用画像データの奇数番目の走査線(水平ライン)に対応するデータと、右目用画像データの偶数番目の走査線に対応するデータとを立体視用フレームバッファ177へ転送して立体視用画像データ合成する。
立体視用フレームバッファ177に格納された立体視用画像データは、次の垂直同期信号V_SYNCのタイミングに合わせて画像表示装置8(LCDドライバ181)に出力される。
こうして、垂直同期信号V_SYNC毎に左右の画像が交互に更新され、次の垂直同期信号V_SYNCでは更新された画像が画像表示装置8(液晶パネル4)へ出力される。
例えば、図8において、垂直同期信号V2で受信した右目用画像R1は、その前の垂直同期信号V1で受信した左目用画像L1と合成されてから、次の垂直同期信号V3でL1+R1の画像として合成変換装置170から画像表示装置8に出力され、右目用画像を新たな画像に置き換える。そして、この垂直同期信号V3で受信した新たな左目用画像L2は、次の垂直同期信号V4でL2+R1の画像として出力され、左目用画像を新たな画像に置き換える。こうして、画像表示装置8では、垂直同期信号V_SYNC毎に左目用画像又は右目用画像のどちらか一方が順次更新されていく。
次に、図9は、垂直同期信号毎に左右の画像を交互に出力し、画像が新たな画像へ切り替えられたときには、更新された画像に対応する発光素子の輝度(出力)を一時的に低減する発光制御の一例を示す。
図9は、GDP156から合成変換装置170を介して液晶パネル4で行われる左右画像の表示と、左目用発光素子10L(図中L光源)と右目用発光素子10R(図中R光源)の発光制御の様子を示すタイミングチャートである。
また、図中出力バッファは、図3に示した立体視用フレームバッファ177を示し、左目ラインは液晶表示パネル4の奇数番目の走査線に対応するデータの内容を示し、右目ラインは液晶表示パネル4の偶数番目の走査線に対応するデータの内容を示す。
そして、図中LCD_OUTは、液晶表示パネル4に出力されるデータの内容を示しており、LmRn(m、nは自然数)は表示される左目用画像データLmと右目用画像データRnの組み合わせを示す。
さらに、L光源、R光源は左目用発光素子10L及び右目用発光素子10Lのデューティ比信号(ここではONデューティとした)を示し、100%で完全点灯、50%で輝度半減、0%で消灯となり、左右の発光素子10L、10Rは、GDP156からの独立したDTY_CTR信号によりデューティ比をそれぞれ制御される。
この図9においては、図8で示した垂直同期信号V1で受信した左目用画像データL1と、垂直同期信号V2で受信した右目用画像データR1が立体視用フレームバッファ177に格納される垂直同期信号V3以降について示したものである。
垂直同期信号V3では、図3の右目用フレームバッファ175から垂直同期信号V2で受信した右目用画像データR1が立体視用フレームバッファ177の右目ラインに書き込まれ、液晶表示パネル4に左目用画像データL1と右目用画像データR1を合成した画像信号を送出する。
次に、垂直同期信号V4では、図3の左目用フレームバッファ174から垂直同期信号V3で受信した左目用画像データL2が立体視用フレームバッファ177の左目ラインに書き込まれ、液晶表示パネル4に左目用画像データL2と右目用画像データR1を合成した画像信号を送出する。
さらに、垂直同期信号V5では、右目用フレームバッファ175から垂直同期信号V4で受信した右目用画像データR2が立体視用フレームバッファ177の右目ラインに書き込まれ、液晶表示パネル4に左目用画像データL2と右目用画像データR2を合成した画像信号を送出する。
以降、垂直同期信号Viがi=偶数のときに立体視用フレームバッファ177の左目ラインが更新され、i=奇数のときに右目ラインが更新される。
ここで、GDP156は、垂直同期信号Viがi=偶数のときに左目用発光素子10Lのデューティ比を低減(例えば、50%)し、右目用発光素子10Rのデューティ比を完全点灯の100%とし、垂直同期信号Viがi=奇数のときには右目用発光素子10Rのデューティ比を低減(例えば、50%)し、左目用発光素子10Lのデューティ比を完全点灯の100%にし、左右の発光素子10L、10Rの輝度を交互に変更する。
これにより、更新された画像データを暗く表示することになり、更新のない明るい画像と比較して、更新された暗い画像の画像認識が遅れる。つまり、輝度による知覚反応時間の差(輝度が低いと知覚が遅れる)を利用し、1/60毎に交互に更新される画像の生成タイムラグを、知覚のタイムラグにより緩和するものである。したがって、新たに更新された左目用画像と右目用画像が異なる場合(例えば、垂直同期信号V4のL2R1やV6のL3R2など)では、観察者に違和感を与えるのを抑制することができるのである。
図10は、垂直同期信号毎に左右の画像を交互に出力し、画像が新たな画像へ切り替えられたときには、更新された画像に対応する発光素子の輝度(出力)を一時的に低減する表示の一例を示し、合成変換装置の入力データを図中左側に、液晶表示パネル4の表示状態を図中右側に示す。
垂直同期信号V3では、図中左側で示すように、垂直同期信号V1、V2で受信した左目用画像データL1と右目用画像データR1が、図中右側で示すように、液晶表示パネル4の表示領域に左目用画像L1’及び右目用画像R1’としてそれぞれ表示される。なお、図10においては、説明のため左目用画像と右目用画像を異なる表示領域として示したが、実際には図7(C)で示したように、左右の画像は同一の表示領域で左目用ラインと右目用ラインで交互に表示されるものである。
この垂直同期信号V3では、上記図9で示したように、垂直同期信号Viがi=奇数であるから右目用発光素子10Rのデューティ比を低減(例えば、50%)する一方、左目用発光素子10Lのデューティ比を完全点灯の100%として、左目用画像L1’は通常の輝度で明るく表示され、右目用画像R1’は通常よりも低い輝度で暗く表示される。
次に、垂直同期信号V4では、図中左側で示すように、垂直同期信号V2、V3で受信した左目用画像データL2と右目用画像データR1が、図中右側で示すように、液晶表示パネル4の表示領域に左目用画像L2’及び右目用画像R1’としてそれぞれ表示され、左目用画像はL1’からL2’に更新される。
そして垂直同期信号V4では、垂直同期信号Viがi=偶数であるから左目用発光素子10Lのデューティ比を低減する一方、右目用発光素子10Rのデューティ比を完全点灯の100%とし、更新された左目用画像L2’を通常よりも低い輝度で暗く表示する一方、右目用画像R1’は通常の輝度で明るく表示される。
これにより、更新タイミングの異なる左右の画像は、左右の画像が同一の画像となるまでタイムラグがあるが、新たに更新された画像は暗く表示されるため、観察者は新たな画像が古い画像よりも相対的に暗いために認識が遅れるのに対し、古い画像は新たな画像よりも相対的に明るく表示されるため、観察者は古い画像の方を迅速に認識するので、左右の画像が異なる表示内容であっても、観察者に違和感を与えるのを防止できるのである。
なお、上記において、左右の発光素子10L、10Rをデューティ制御により駆動する場合を示したが、電流の増減により左右の発光素子10L、10Rを独立して制御しても良い。この場合、デューティ制御によるフリッカの発生の恐れがない。
図11〜図13は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の左右の画像の輝度の変更をシーケンスデータなどの予め設定された手順に基づいて行うようにしたもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
図11は、パチンコ機などの遊技機の表示を制御するためのシーケンスデータの一例を示し、表示する背景や図柄、オブジェクト(キャラクタなど)の種類や位置などを時間の経過(あるいはフレーム)に基づいて指示する情報である。このシーケンスデータは、主制御回路100の記憶手段(ROM152、RAM103あるいは図示しないディスク装置等)に予め格納され、CPU101はシーケンスデータを読み込んで、シーケンスデータに基づくデータを上記記憶手段から読み込んで表示位置などを決定し、GDP156に描画及び光源制御の指令を行う。
ここでは、変動表示ゲーム(図形や文字などがスクロールなどにより変化する表示)が大当たり(予め設定した図形や文字が揃った状態)となった場合のシーケンスデータを示し、変動表示を開始すると所定のパターンで図形や文字等のオブジェクトの変動を所定時間行い、その後、図柄を仮停止(ほぼ停止している状態)させた後に、図柄切換指令160の後に大当たり発生報知画面へ移行する。
この図柄切換指令160は、オブジェクトが揃ったことが確定(図柄停止)した状態から大当たり発生報知の初期画面へ切り換える際、後述するように、左右の画像が一時的に異なることによって観察者に違和感を与えるのを抑制するため、新たに更新された画像に対応する左目用発光素子10Lまたは右目用発光素子10Rの一方を一時的に暗くする指令である。
さらに、シーケンスデータには、大当たり発生報知の画面から大当たり演出の画面へ移行する際にも、上記と同様に、新たに更新された画像に対応する左目用発光素子10Lまたは右目用発光素子10Rの一方を一時的に暗くする図柄切換指令161を介装し、画面が大きく変化するときに左右いずれかの画面を一時的に暗くして、2つの異なる画面を滑らかに接続する。
図12は、GDP156から合成変換装置170を介して液晶パネル4で行われる左右画像の表示と、左目用発光素子10L(図中L光源)と右目用発光素子10R(図中R光源)の発光制御の様子を示すタイミングチャートである。
また、図中出力バッファは、上記図3に示した立体視用フレームバッファ177を示し、左目ラインは液晶表示パネル4の奇数番目の走査線に対応するデータの内容を示し、右目ラインは液晶表示パネル4の偶数番目の走査線に対応するデータの内容を示す。
そして、図中LCD_OUTは、液晶表示パネル4に出力されるデータの内容を示しており、LmRn(m、nは自然数)は表示される左目用画像データLmと右目用画像データRnの組み合わせを示す。
さらに、L光源、R光源は左目用発光素子10L及び右目用発光素子10Lのデューティ比(ここではONデューティとした)を示し、100%で完全点灯、50%で輝度半減となり、左右の発光素子10L、10Rは、GDP156からの独立したDTY_CTR信号によりデューティ比をそれぞれ制御される。
この図12においては、前記第1実施形態の図8と同様に垂直同期信号毎の制御の様子を示し、説明を簡易にするため垂直同期信号V3以降について示したものである。
垂直同期信号V3では、図3の右目用フレームバッファ175から垂直同期信号V2で受信した右目用画像データR1が立体視用フレームバッファ177の右目ラインに書き込まれ、液晶表示パネル4に左目用画像データL1と右目用画像データR1を合成した画像信号を送出する。
次に、垂直同期信号V4では、図3の左目用フレームバッファ174から垂直同期信号V3で受信した左目用画像データL2が立体視用フレームバッファ177の左目ラインに書き込まれ、液晶表示パネル4に左目用画像データL2と右目用画像データR1を合成した画像信号を送出する。
さらに、垂直同期信号V5では、右目用フレームバッファ175から垂直同期信号V4で受信した右目用画像データR2が立体視用フレームバッファ177の右目ラインに書き込まれ、液晶表示パネル4に左目用画像データL2と右目用画像データR2を合成した画像信号を送出する。
そして、垂直同期信号V6では、左目用フレームバッファ174から垂直同期信号V5で受信した左目用画像データL3が、立体視用フレームバッファ177の左目ラインに書き込まれ、液晶表示パネル4に左目用画像データL2と右目用画像データR1を合成した画像信号を送出する。
ここで、左右の画像データL2、R2までは、上述の変動表示ゲームの最終段階である図柄停止状態の画像であり、左右の画像データL3、R3以降が大当たり発生報知の画像に切り替わる。このため、垂直同期信号V6ではGDP156がシーケンスデータの図柄切り替え指令を読み込んで、新たに更新された画像である、左目用画像L3’を暗くするために、次の垂直同期信号V7が発生するまでの間、左目用発光素子10Lのデューティ比を低減(例えば、50%)する。なお、右目用発光素子10Rのデューティ比は通常の輝度を維持するため100%を保持している。
すなわち、GDP156は、垂直同期信号V6を発生すると同時に、左目用発光素子10Lのデューティ比を低減し、この低減した状態を次の垂直同期信号V7まで維持し、大当たり発生報知の左目用画像L3’を本来の明るさよりも暗く表示する一方、変動表示ゲームの右目用画像R2’を通常の明るさを維持して表示し、観察者が左右の目で異なる画像を観察するのを抑制して、違和感を低減できるのである。
次に、GDP156は、垂直同期信号V7を発生する時点では、シーケンスデータの切換指令は終了しているので、左目用発光素子10Lのデューティ比を通常の値(ここでは100%)に復帰させ、左右の画像の輝度を等しくする。
この垂直同期信号V7では、左右の画像データはL3、R3で同一のフレームとなり、大当たり発生報知の画像を通常の輝度で表示する。
こうして、シーケンスデータには画像が大きく変化するときには切換指令を挿入し、画像を描画するとともに光源の輝度を制御するGDP156は、切換指令を受けたときには、新たに更新される画像に対応した左右の発光素子10L、10Rの一方の輝度を低減するようにしたので、更新タイミングの異なる左右の画像が大きく変化するときには、新たに更新される画像の輝度が一時的に低減されて、更新画像の知覚を遅延させることにより左右の目で異なる画像を観察するのを抑制し、観察者に与える違和感を低減できるのである。
図13は、垂直同期信号毎に左右の画像を交互に出力し、画像が変動表示ゲームから大当たり発生報知へ切り替えられる際に、切り換え時の画面で最新のものの輝度を一時的に低減する表示の一例を示し、合成変換装置の入力データを図中左側に、液晶表示パネル4の表示状態を図中右側に示す。
垂直同期信号V5までは、変動表示ゲームの確定した画像(図11の図柄停止)を表示しており、垂直同期信号V7以降は、数字「3」が揃ったことから大当たりとなったことを知らせる大当たり発生報知の画像が表示され、垂直同期信号V6の時点で、変動表示ゲームの図柄停止から大当たり発生報知の画像に切り換えられる。
垂直同期信号V6では、右目用画像R2’は垂直同期信号V4で受信した右目用画像データR2であり、変動表示ゲームの最終状態であるのに対し、左目用画像L3’は、垂直同期信号V5で受信した左目用画像データL3であり、大当たり発生報知画像の初期画面である。このため、右目では数字の「3」が揃った状態を観察するのに対し、左目では「大当たり」の文字を観察することになるが、シーケンスデータの切換指令によって、左目用発光素子10Lのデューティ比が一時的に低減されるため、左目用画像L3’は図示のように暗く表示される。
このため、観察者は相対的に暗い左目用画像L3’よりも明るい右目用画像を先に認識できることから、画像が大きく変化する際に左右の画像が全く異なることについての違和感を抑制できるのである。
ここで、遊技機について図14〜図16を参照しながら説明する。
図14は、本発明の一実施形態を示す遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図で、図2は制御系のブロック図である。
遊技機(パチンコ遊技機)1001の前面枠1003は本体枠(外枠)1004にヒンジ1005を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤1006は前面枠1003の裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。
遊技盤1006の表面には、変動表示装置(画像表示装置)1008、大入賞口を備えた変動入賞装置1010、一般入賞口1011〜1015、始動口16、普通図柄始動ゲート27A、27B、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9(補助入賞手段)等が配設された遊技領域が形成される。前面枠1003には、遊技盤1006の前面を覆うカバーガラス18が取り付けられている。
変動表示装置1008は、上記図2の画像表示装置と同様に構成され、液晶表示パネル4と図1に示した光学系を備えている。
この変動表示装置1008は表示領域に、例えば、左、中、右の三つの表示図柄(識別情報)が表示される。これらの表示図柄には、例えば「0」〜「9」までの各数字と、「A」〜「E」のアルファベット文字等が割り当てられている。
変動表示装置1008は、始動口16へ遊技球の入賞があると、前述した数字、文字で構成される表示図柄(特別図柄)が順に表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、変動入賞装置1010の大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、多くの遊技球を獲得することができる。
この始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ51(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、入賞検出時点での遊技制御装置1000(図2参照)内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値)は、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置1000内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、最大で連続した所定回分を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、変動表示装置1008の下側に設けられた複数のLEDからなる特別図柄記憶状態表示器17に表示される。遊技制御装置1000は、特別図柄入賞記憶に基づいて、変動表示装置1008にて変動表示ゲームを行う。
普通図柄表示器7は、普通図柄始動ゲート27A、27Bへ遊技球の入賞があると、普通図柄(例えば一つの数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲート27A、27Bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9が所定の時間(例えば0.5秒)だけ大きく開き、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
この普通図柄始動ゲート27A、27Bへの遊技球の通過は、普通図柄始動センサ52(図15参照)で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、遊技制御装置1000内に備えられた普通図柄乱数カウンタの通過検出時点での値)は、普通図柄入賞記憶として、遊技制御装置1000内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普通図柄表示器7の左右に設けられた複数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置1000は、普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。なお、普通図柄記憶状態表示器19の記憶数は任意の値に設定される。
前面枠1003の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿1021が、固定パネル1022には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が配設される。
カバーガラス18の上部の前面枠1003には、点灯により球の排出の異常等の状態を報知する第1報知ランプ31、第2報知ランプ32(図15参照)が設けられている。
カード球貸ユニット用の操作パネル26には、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)と、球貸しを指令する球貸しスイッチ28と、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
カード球貸ユニット1002には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵され、カード球貸ユニット用の操作パネル26は遊技機1の上皿1021の外面に形成される。
図15は、遊技制御装置1000を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
遊技制御装置1000は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM、遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ1101、入力インターフェース1102、出力インターフェース1103、発振器1104等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ1101は、入力インターフェース1102を介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ51、一般入賞口センサ55A〜55N、カウントセンサ54、継続センサ53、普通図柄始動センサ52)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース1103を介して、各種制御装置(表示制御装置1150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、大入賞口ソレノイド36、普通電動役物ソレノイド90、普通図柄表示器7等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
排出制御装置200は、遊技制御装置1000からの賞球指令信号またはカード球貸ユニット1002からの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し、賞球または貸球の排出を行わせる。
装飾制御装置250は、遊技制御装置1000からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御すると共に、特別図柄記憶表示器(特図保留LED)18、普通図柄記憶表示器19の表示を制御する。
音制御装置300は、スピーカからの効果音出力を制御する。なお、遊技制御装置1000から、各種従属制御装置(表示制御装置1150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置1000から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置1000に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
表示制御手段を構成する表示制御装置1150は、上記図2の表示制御回路と同様に画像の表示制御を行うもので、同一のものには同一の符号付した。この表示制御装置1150は、合成変換装置170と共に表示制御手段として機能する。
表示制御装置1150は、CPU151、GDP156、RAM153、インターフェース155、プログラム等を格納したROM152、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)を格納したフォントROM157、同期信号やストローブ信号を発生させるタイミング信号などを生成する発振器158等から構成される。
CPU151は、ROM152に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置1000からの信号に基づいて所定の変動表示ゲームのための画像制御情報(スプライトデータやポリゴンデータ等で構成される図柄表示情報、背景画面情報、動画オブジェクト画面情報等)を演算して画像生成をGDP156に指示する。
GDP156は、フォントROM157に格納された画像データ及びCPU151により画像制御情報を演算した内容に基づいて、例えば、画像のスプライト描画やポリゴン描画(または、通常のビットマップ描画)を行ってフレームバッファとしてのRAM153に格納する。
そして、GDP156は、RAM153の画像を所定のタイミング(垂直同期信号V_SYNC、水平同期信号H_SYNC)でLCD側(合成変換装置170)へ送信する。
GDP156が行う描画処理は、上記図2と同様であり、γ補正回路159を介して画像信号を合成変換装置170に出力する。
ここで、フレームバッファは、複数のフレームバッファをそれぞれRAM153の所定の記憶領域などに設定しておき、GDP156は、任意の画像に重ね合わせて(オーバーレイ)出力することも可能である。
GDP156には、クロック信号を供給する発振器158が接続されている。発振器158が生成するクロック信号は、GDP156の動作周期を規定している。GDP156は、このクロック信号を分周して垂直同期信号(V_SYNC)と、水平同期信号(H_SYNC)を生成し、合成変換装置170へ出力する。同時に、GDP156は、合成変換装置170を経由して、変動表示装置1008にも垂直同期信号(V_SYNC)と水平同期信号(H_SYNC)を出力する。
GDP156から出力されるRGB信号は、γ補正回路159に入力されている。このγ補正回路159は、変動表示装置1008の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、変動表示装置1008の表示照度を調整して、変動表示装置1008に対して出力するRGB信号を生成する。
また、表示制御装置1150のCPU151は、発振器158のクロック信号に基づいて、合成変換装置170へ出力する画像データ(RGB)が、左眼用の画像又は右眼用の画像の何れであるかを識別するL/R信号を出力する。
さらに、CPU151は、変動表示の状態(例えば、通常の変動表示ゲームか、大当たり中の表示か等)や遊技の状態(例えば、客待ち状態であるかなど)に基づいて、変動表示装置1008の発光量(輝度)を制御するため、デューティ制御信号DTY_CTRを発振器158のクロック信号に基づいて生成し、変動表示装置1008へ出力する。
合成変換装置170は、右眼用フレームバッファ、左眼用フレームバッファ及び立体視用フレームバッファが設けられており、GDP156から送られてきたL/R信号に基づいて、右眼用画像を右眼用フレームバッファに書き込み、左眼用画像を左眼用フレームバッファに書き込む。そして、右眼用画像と左眼用画像とを合成して立体視用画像を生成して立体視用フレームバッファに書き込んで、立体視用画像データをRGB信号として変動表示装置1008に出力する。
変動表示装置1008内には上記図2の画像表示装置と同様に、液晶ドライバ(LCD DRV)181、バックライトドライバ(BL DRV)182が設けられている。液晶ドライバ(LCD DRV)181は、合成変換装置170から送られてきたV_SYNC信号、H_SYNC信号及びRGB信号に基づいて、液晶表示パネル4の電極に順次電圧をかけて、液晶表示パネル804に立体視用の合成画像を表示する。
バックライトドライバ182は、CPU151から出力されたDTY_CTR信号に基づいて発光素子(バックライト)10に加わる電圧のデューティー比を変化させて、液晶表示パネル4の明るさを変化させる。
なお、遊技制御装置1000と表示制御装置1150は、変動表示ゲームを実行、出力する変動表示制御手段として機能する。あるいは、演出全般を制御する演出制御手段として機能する。
また、装飾制御装置250、音制御装置300は、表示制御装置1150の従属装置としても良く、あるいは、装飾制御装置250、音制御装置300を表示制御装置1150上に実装してもよい。
図16は遊技の流れ図を示し、以下、この図に従って遊技の概要を説明する。
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態(特定状態)となっており、客待ち画面の表示を指令する信号が遊技制御装置1000から表示制御装置1150に送信され、変動表示装置4の画面には客待ち画面(遊技機の機種名や、登場するキャラクタを用いたデモンストレーション用の動画または静止画)が表示され、遊技者に遊技を行うように喚起させる。
そして、遊技盤1006の遊技領域に打ち出された遊技球が始動口16に入賞すると、その入賞に基づき、遊技制御装置1000によって所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当たりの抽選が行われると共に、遊技制御装置1000から表示制御装置1150に変動表示を指令する信号が送信され、変動表示装置1008の画面の左、右、中の変動表示領域に複数の図柄の変動表示が開始される。
この変動表示の開始後、所定時間経過すると、変動表示は例えば左、右、中の順に仮停止(例えば、停止位置にて図柄を微少に変動させること等)されていくが、この過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が大当たりの組合せを発生する可能性のある組合せ)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。このリーチ遊技では、例えば中の図柄の変動表示を極低速で行ったり、高速変動したり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
なお、仮停止状態とは遊技者が図柄を略停止状態として認識可能な状態であり、最終停止態様が確定しない状態であり、停止状態とは、この仮停止状態と図柄が停止した状態を含む状態である。なお、仮停止状態の具体例としては、停止位置での微少変動の他に、図柄を拡大縮小表示したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
そして、大当たり抽選の結果が大当たりであれば、最終的に左、右、中の図柄が所定の大当たりの組合せで停止され、大当たり遊技(遊技者に有利な特別遊技状態)が発生する。 この、大当たり遊技が発生すると、変動入賞装置11010が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は、変動入賞装置11010への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞または所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、変動入賞装置11010内の継続入賞口への入賞(継続センサ53による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当たり遊技が発生すると、大当たりのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当たりの演出表示等、遊技制御装置1000から表示制御装置1150に大当たり遊技の表示を指令する信号が送信され、変動表示装置1008の画面に大当たり遊技の表示が行われる。
この場合、大当たりが特定の大当たりであれば、大当たり遊技後に高確率状態(確率変動状態)が発生し、次回の大当たりの発生確率を高確率にしたり、遊技球の始動口16への入賞に基づく変動表示装置1008の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮等が行われる。
前記変動表示ゲーム中あるいは大当たり遊技中に遊技球が始動口16に入賞したとき(特別図柄始動記憶の発生時)には、変動表示ゲームが終了した後(ハズレのとき)にあるいは大当たり遊技が終了した後に、その特別図柄始動記憶に基づき、新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)、あるいは大当たり遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶がないときは、客待ち状態に戻される。
なお、普通図柄始動ゲート27A、Bを遊技球が通過すると、その通過または普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器7に当たり表示が行われて、始動口16の普通変動入賞装置9が所定時間にわたって拡開され、始動口16への入賞が容易にされる。
図17、図18は、第3の実施形態を示し、前記第2実施形態のシーケンスデータなどの予め設定された手順に基づく光源制御に代わって、合成変換装置170において画像の明度または彩度を下げて更新された画像を暗く表示するようにしたもので、主制御回路100及び表示制御回路150の制御は、左右の発光素子10L、10Rのデューティ比を一定とする他は、前記第2実施形態と同様であり、上記図11のシーケンスデータに基づいて行われる。
図17は、合成変換装置170の立体視用フレームバッファ177の記憶領域177M、左目用フレームバッファ174の記憶領域174M及び右目用フレームバッファ175の記憶領域175Mを示す。
まず、立体視用フレームバッファ177の記憶領域177Mは、画像表示装置8に表示される画素を記憶した記憶領域M1と、実際には表示に使用されない領域を備えており、この表示に使用されない記憶領域には、左右の画像が大きく切り換えられるのを判定する判定情報を格納する記憶領域ML、MRが設定されている。
図中MLは左目用画像の判定情報を格納する記憶領域で、同じく図中MRは左目用画像の判定情報を格納する記憶領域であり、左目用画像判定情報記憶領域ML、右目用画像判定情報記憶領域MRに、黒が設定されていると合成変換装置170は、黒が設定された側のラインについて表示用記憶領域M1から画像表示装置8へ出力する際に、明度または彩度を低減するフィルタ処理を行って画像を暗く表示する一方、これら記憶領域に白が設定されていると表示用記憶領域M1の内容をそのまま出力する。
例えば、図示のように、左目用画像判定情報記憶領域MLに黒が設定され、右目用画像判定情報記憶領域MRに白が設定されている場合には、表示用記憶領域M1の画像データのうち、左目用画像データ(左目ライン)の明度または彩度を低下させるフィルタ処理を行って左目用画像を暗く表示する一方、右目用画像(右目ライン)についてはそのまま出力する。
なお、明度を下げていくと最終的に黒になり、また、彩度を下げていくと最終的に灰色になるが、予め設定された値又はシーケンスデータなどに設定された値を下限に低下させるものとする。
立体視用フレームバッファ177の記憶領域177Mに対応して、左目用フレームバッファ174の記憶領域174Mにも表示用記憶領域LM1と判定情報記憶領域LMLが設定され、右目用フレームバッファ175の記憶領域175Mにも表示用記憶領域RM1と判定情報記憶領域RMRが設定され、GDP156はシーケンスデータに応じて左右の画像データを左右のフレームバッファ174、175の表示用記憶領域LM1、RM1へ書き込むとともに、シーケンスデータの切換指令の有無に応じて判定情報記憶領域LMLまたはRMRに黒または白を書き込む。
次に、図18は、GDP156から合成変換装置170を介して液晶パネル4で行われる左右画像の表示と、左目用画像または右目用画像の制御の様子を示すタイミングチャートである。
前記第2実施形態と同様に、垂直同期信号V5までは変動表示ゲームの確定状態の表示を画像データL2、R2までで行い、垂直同期信号V7以降では、大当たり発生報知の表示を画像データL3、R3以降で行う場合を示し、垂直同期信号V6において、左目用画像L3は大当たり発生報知の画像に更新されるが、右目用画像は変動表示ゲームの確定状態である画像データR2のままで、左右の画像が大きく異なる。
ここで、GDP156はシーケンスデータを左右の画像を生成し、合成変換装置170に送信しており、シーケンスデータの切換指令を読み込むと、新たに更新する画像データL3に判定情報が黒に設定し、画像データL3とともに合成変換装置170へ送信し、画像データL3は左目用フレームバッファ174の表示用記憶領域LM1に書き込まれ、黒の判定情報は左目用フレームバッファ174の判定情報記憶領域LMLに書き込まれる。なお、この動作は図示はしないが、垂直同期信号V5で行われる。
GDP156が垂直同期信号V6を発生すると、合成変換装置170は左目用フレームバッファ174の表示用記憶領域LM1の内容を立体視用フレームバッファ177の表示用記憶領域M1の左目ラインに転送するとともに、左目用フレームバッファ174の判定情報記憶領域LMLの内容を、立体視用フレームバッファ177の左目用判定情報記憶領域MLに転送する。
そして、合成変換装置170は、表示用記憶領域M1の左右の画像データを合成して画像表示装置8へ出力する際に、左右の判定情報記憶領域ML、MRを読み込んで黒であるか否かを判定する。
この場合では、左目用判定情報記憶領域MLが黒に設定されるため、表示用記憶領域M1の左目ラインの画像データについて明度または彩度を低下させるフィルタ処理を行って出力する一方、右目ラインについてはそのまま出力する。
これにより、画像が大きく切り替わる垂直同期信号V6においては、前記第2実施形態の図13と同様に、画像表示装置8へ出力される画像データはL3+R2となって、左目用画像L3’は大当たり発生報知の新たな画像であるのに対し、右目用画像R2’は変動表示ゲームの確定状態となって、異なる画像が表示されるが、合成変換装置170は画像の切り換え時には、新たな画像の明度または彩度を一時的に低下させるため、図13の垂直同期信号V6と同様に、新たな画像L3’は一時的に暗く表示されることになって、観察者が認識しにくいようにしたので、画像が大きく切り替わるときの違和感を抑制できるのである。
この場合では、画像の切り換え時を判定する判定情報を画像データとともに非表示の領域に書き込むようにして合成変換装置170側で処理を行うようにしたので、表示制御回路150の制御内容を簡易にすることができる。
図19は、第4の実施形態を示し、前記第3実施形態のシーケンスデータなどの切換指令を複数段階としたものである。
この場合、シーケンスデータの切換指令には、変化量=「大」、変化量=「小」、変化なしの3段階とし、切換指令の際には、変化量=「大」であれば前記第3実施形態と同様に、左または右の判定情報記憶領域ML、MRに「黒」を書き込み、変化量=「小」であれば、左または右の判定情報記憶領域ML、MRに「グレー」を書き込み、変化なしであれば、左または右の判定情報記憶領域ML、MRに「白」を書き込むようにしたものである。
合成変換装置170では、左または右の判定情報記憶領域ML、MRに「黒」の判定情報が書き込まれていれば、該当する左目ラインまたは右目ラインの明度または彩度を大きく(例えば、50%)低下させるフィルタ処理を行い、「グレー」の判定情報が書き込まれていれば、該当する左目ラインまたは右目ラインの明度または彩度を若干(例えば、25%)低下させるフィルタ処理を行い、「白」の判定情報であれば明度または彩度のフィルタ処理を行わずにそのまま出力する。
これにより、画像の変化が大きいときには、新たに更新される左目または右目用画像を他方の画像よりも大幅に暗くして、左右の目で、全く異なる画像を認識する事の違和感を抑制し、画像の変化が小さいときには、新たに更新される左目または右目用画像を他方の画像よりも若干暗くして、左右の目で、若干異なる画像を認識する事の違和感を抑制し、明度または彩度の大幅な変化を抑制してより違和感のない表示を行うことができる。
図20は、第5の実施形態を示し、前記第1ないし第4実施形態における新たな画像を相対的に暗くすることを、古い画像を新たな画像に対して相対的に明るくして、左右の画像が異なるときに新たな画像の認識を抑制させるものである。
図20では、左右の発光素子10L、10Rを制御する場合を示しており、通常の表示時には左右の発光素子10L、10Rのデューティ比を定格(例えば、100%)よりも暗く(例えば、80%など)設定しておき、上述のようにシーケンスデータから切換指令を読み込むと、古い画像に対応する発光素子の輝度を画面切換用のデューティ比まで高めて(例えば、100%)新たな画像の認識を遅らせるようにしたものである。
つまり、図20において、垂直同期信号V5までは、左右の発光素子10L、10Rを80%などの通常時のデューティ比で駆動し、切換指令に対応する垂直同期信号V6では、左目用画像L3’が新たに更新された画像となるのに対し、右目用画像R2’は古い画像であるので、右目用発光素子10Lのデューティ比を画面切換用のデューティ比(100%)に設定する一方、左目用発光素子10Lのデューティ比は80%を維持することで、古い右目用画像R2’を認識しやすくする一方、新たな左目用画像L3’を認識しづらくする。
その後、垂直同期信号V7以降では、左右の発光素子10L、10Rのデューティ比を通常時のものに戻して、通常の明るさでの表示を継続する。
これにより、観察者は輝度の高い古い右目用画像R2’をはっきり認識するのに対し、輝度の低い左目用画像L3’は認識しにくいので、左右の画像が大きく変化する際には、古い画像をより鮮明に認識させることで左右の画像が全く異なることによる違和感を抑制するのである。
なお、上記では光源の輝度を制御する場合について示したが、前記第3または第4実施例のように、画像の明度又は彩度を合成変換装置170で変更しても良く、シーケンスデータに切換指令があったときには合成変換装置170で、古い画像の明度又は彩度を明るくするようにフィルタリング処理を行っても同様である。
図21は、第6の実施形態を示し、前記第2ないし第5の実施形態のシーケンスデータの切換指令に代わって、左右の画像データから求めた画像レベルに基づいて画面が大きく変化するときを判定する制御の一例を示す。
この図21は、合成変換装置170で実行される画面変化の判定制御のサブルーチンを示し、所定の周期(例えば、垂直同期信号ごと)に実行される。
まず、ステップS12では、RGBの画像データ及びL/R信号を読み込んで、受信した画像データをL/R信号に応じて左目用フレームバッファ174または右目用フレームバッファ175のいずれかに書き込む。
次に、ステップS13では、RGBの画像データをYCbCrの画像データに変換する。
ここで、YCbCrの画像データは、Y=輝度、Cb=青み(R−Y成分)、Cr=赤み(B−Y成分)をRGBの画像データから変換したものである。
すなわち、
Y=LrR+LgG+LbB
Cb=(B−Y)/2(1−Lb)
Cr=(R−Y)/2(1−Lr)
ただし、Lr、Lg、Lbは、白の輝度を1としたときのRGB各原色の輝度を示す係数である。
次に、ステップS14では、輝度Y、青Cb、赤Crの各成分について1画面の平均値を求め、輝度Yの平均値をdn(Y)とし、青Cbの平均値をdn(Cb)とし、赤Crの平均値をdn(Cr)として求める。
次に、ステップS15では、上記ステップS14で求めた現在の画像の輝度、青、赤の平均値dn(Y)、dn(Cb)、dn(Cr)を現在の画像レベルとし、前回の画像の輝度、青、赤の平均値dn−1(Y)、dn−1(Cb)、dn−1(Cr)の各平均値を前回の画像レベルとし、現在の画像レベルと前回の画像レベルの各要素について、それぞれ差分の絶対値を求める。なお、前回値は、左右のフレームバッファに格納されているものである。
前後の画像データの比較データの差分の絶対値は、輝度、青、赤について、次のように演算する。
輝度差分=|dn(Y)−dn-1(Y)|
青差分=|dn(Cb)−dn-1(Cb)|
赤差分=|dn(Cr)−dn-1(Cr)|
次に、ステップS16以降では、上記ステップS15で求めた各差分について所定のしきい値と比較を行い、画像変化が大きいか否かを判定する。
まず、ステップS16では、輝度差分が所定値Ykよりも大きいか否かを判定し、Ykよりも大きい場合には、前後の画像変化が大であると判定してステップS19に進み、そうでない場合にはステップS17へ進む。
ステップS17では、青差分が所定値bkよりも大きいか否かを判定し、bkよりも大きい場合には、前後の画像変化が大であると判定してステップS19に進み、そうでない場合にはステップS18へ進む。
ステップS18では、赤差分が所定値rkよりも大きいか否かを判定し、rkよりも大きい場合には、前後の画像変化が大であると判定してステップS19に進み、そうでない場合にはステップS20へ進む。
このステップS20では、輝度、青、赤の差分が所定値Yk、bk、rk以下で画像変化が小さいで場合であり、この場合には、画面切換の制御を行わないため画面変化なしと判定する。
一方、ステップS19では、輝度、青、赤のいずれかが所定のしきい値を超えているので画面変化が大と判定する。
そして、ステップS19またはステップS20で、画面変化の判定を行った後には、ステップS21でYCbCrの現在値を前回値としてフレームバッファの内容を更新する。
以上の処理により、画像データに基づいてシーケンスデータを用いることなく、画面変化が大きくなる時点を検出でき、前記第2ないし第5実施形態のように、新たな画像の明度または彩度を相対的に暗くすることができる。
あるいは、上記処理をGDP156で行って、画面変化の判定結果に応じて左右の発光素子10L、10Rのデューティ比を変更し、新たな画像の輝度を古い画像に比して相対的に暗くしてもよい。
なお、上記実施形態においては、2つの画像について比較を行ったが、多数の画像について比較データを算出し、さらにこれら比較データの平均値を求め、平均値に対する現在の比較データの差分の絶対値から画像変化であることを判定しても良い。
図22は、第7の実施形態を示し、前記第1ないし第5実施形態の輝度や明度または彩度の制御に代わって、液晶シャッタを用いて画面変化が大きいときには新たな画像を相対的に暗く表示するもので、前記第1実施形態の図1に示した光学系に液晶シャッタを追加したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
この図22の光学系では、前記第1実施形態の図1に示した液晶表示パネル4の観察者側に設けた偏光板5とデフューザ6との間に液晶シャッタ40を設けたもので、液晶シャッタ40とデフューザ6との間には偏光板3と同一の偏光方向の偏光板30が介装される。なお、偏光板3、30と偏光板5の偏光特性は互いに直交する。
また、画像の表示を行う液晶表示パネル4と液晶シャッタ40は、左目用画像を表示するラインと、右目用画像を表示するラインが一致するように配置される。
なお、この液晶シャッタ40は、前記第1実施形態の図2に示した、液晶ドライバ(LCD DRV)181によって駆動され、前記第1ないし第6の実施形態に適用すると、画面変化が大きいときには、新たに更新された画像に対応する左目用ラインまたは右目用ラインの一方の光の透過率を低減することで、新たな画像を相対的に暗くするのである。
なお、上記実施形態では、所定時間の間、新たに更新された画像が相対的に暗くなるように表示したが、光源を制御する場合においては、更新タイミングで暗くして所定時間をかけて元に戻すようにしてもよい。このようにすれば、画面全体が所定時間暗くするよりも画面を明るくすることができる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。