以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図で、図2は制御系のブロック図である。
遊技機(パチンコ遊技機)1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。
遊技盤6の表面には、変動表示装置(変動表示手段)8、大入賞口を備えた変動入賞装置10、一般入賞口11〜15、始動口16、普通図柄始動ゲート27A、27B、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9(補助入賞手段)等が配設された遊技領域が形成される。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス18が取り付けられている。
変動表示装置(表示装置)8は、表示領域に、例えば、左、中、右の三つの表示図柄(識別情報)が表示される。これらの表示図柄には、例えば「0」〜「9」までの各数字と、「A」〜「E」のアルファベット文字等が割り当てられている。
変動表示装置8は、始動口16へ遊技球の入賞があると、前述した数字、文字で構成される表示図柄が順に表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当たり状態(特別遊技状態)となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、変動入賞装置10の大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、多くの遊技球を獲得することができる。
この始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、入賞検出時点での遊技制御装置100(図2参照)内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値)は、特別図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、最大で連続した所定回分を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、変動表示装置8の下側に設けられた複数のLEDからなる特別図柄記憶状態表示器17に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、変動表示装置8にて変動表示ゲームを行う。
普通図柄表示器7は、普通図柄始動ゲート27A、27Bへ遊技球の入賞があると、普通図柄(例えば一つの数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲート27A、27Bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9が所定の時間(例えば0.5秒)だけ大きく開き、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
この普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過は、普通図柄始動センサ29(図2参照)で検知される。この遊技球の通過タイミング(具体的には、遊技制御装置100内に備えられた普通図柄乱数カウンタの通過検出時点での値)は、普通図柄入賞記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普通図柄表示器7の左右に設けられた複数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は、普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。なお、普通図柄記憶状態表示器19の記憶数は任意の値に設定される。
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が配設される。
カバーガラス18の上部の前面枠3には、点灯により球の排出の異常等の状態を報知する第1報知ランプ31、第2報知ランプ32(図1参照)が設けられている。
カード球貸ユニット用の操作パネル26には、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)と、球貸しを指令する球貸しスイッチ28と、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
カード球貸ユニット2には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵され、カード球貸ユニット用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成される。
図2は、遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM、遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ14、一般入賞口センサ17A〜17N、カウントセンサ15、継続センサ16S、普通図柄始動センサ29)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、大入賞口ソレノイド36、普通電動役物ソレノイド90、普通図柄表示器7等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号またはカード球貸ユニット2からの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し、賞球または貸球の排出を行わせる。
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御すると共に、特別図柄記憶表示器(特図保留LED)17、普通図柄記憶表示器19の表示を制御する。
音制御装置300は、スピーカからの効果音出力を制御する。なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
表示制御装置150は、2次元または3次元画像の表示制御を行うもので、CPU(中央演算手段)151、VDC(Video DisplayControlerまたは描画演算手段)156、プログラム等を格納したROM152、ワークエリアやフレームバッファを格納するRAM153、インターフェース154、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画オブジェクトデータ、テクスチャデータ等)を格納したフォントROM158、RAM153等への書込読み出しを制御するDMAC(Direct Memory AccessControler)155、同期信号(基準クロック)やストローブ信号等を発生させるための発振器158等から構成される。なお、発振器158は、水晶振動子やオッシレータなどで構成される。
CPU151は、ROM152に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置100からの信号に基づいて所定の変動表示ゲームを変動表示装置8に出力するもので、2次元の画像情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画オブジェクト画面情報等)を作成したり、3Dの画像情報(スプライトデータやポリゴンデータ等で構成される図柄表示情報、背景画面情報、動画オブジェクト画面情報等)の作成等を行い、これらの演算結果をフレームバッファとしてのRAM153の所定の領域に格納する。
VDC156は、RAM153に格納した画像情報を所定のタイミング(垂直同期信号V_Sync、L/R信号、水平同期H_Sync)でLCD側(合成変換装置170)へ送信する。
なお、フォント(キャラクタ)ROM157には、変動表示ゲームに用いる識別情報などの各図柄、背景、キャラクタ等のスプライトデータまたはポリゴンデータ、テクスチャデータ等が格納されている。
VDC156が行う描画処理は、2次元と3次元の点描画、線描画、スプライト描画、トライアングル描画、ポリゴン描画を行い、さらに、テクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理、陰面消去(Zバッファ処理など)を行って、γ補正回路159を介して画像信号を合成変換装置170に出力する。
ここで、フレームバッファは、2次元画像のフレームバッファと3次元画像のフレームバッファをそれぞれRAM153の所定の記憶領域などに設定しておき、VDC156は、2次元画像を2次元画像に重ね合わせて(オーバーレイ)出力することも可能である。また、RAM153に設定したフレームバッファには、3次元画像表示用の右目用画像及び左目用画像をそれぞれ独立したフレームバッファに格納してもよい。
VDC156には、クロック信号を供給する発振器158が接続されている。発振器158が生成するクロック信号は、VDC156の動作周期を規定し、VDC156から出力される信号、例えば、垂直同期信号(V_SYNC)と、水平同期信号(H_SYNC)を生成し、合成変換装置170及び変動表示装置8へ出力される。
VDC156からの画像信号は、γ補正回路159に入力された後に合成変換装置170へ出力される。このγ補正回路159では、変動表示装置8の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、変動表示装置の表示照度を調整する。
また、表示制御装置150のCPU151は、発振器158のクロック信号に基づいて、合成変換装置170へ出力する画像データ(RGB)が、左目用の画像または右目用の画像の何れであるかを識別するL/R信号を出力する。
さらに、CPU151は、変動表示の状態(例えば、通常の変動表示ゲームか、大当たり中の表示か等)や遊技の状態に基づいて、変動表示装置8の発光量(輝度)を制御するため、デューティ制御信号DTY_CTRを発振器158のクロック信号に基づいて生成し、変動表示装置8へ出力する。
次に、合成変換装置170は、右目用フレームバッファ、左目用フレームバッファ及び立体視用フレームバッファが設けられており、VDC156から送られてきた右目用画像を右目用フレームバッファに書き込み、左目用画像を左目用フレームバッファに書き込む。そして、右目用画像と左目用画像とを合成して立体視用画像を生成して立体視用フレームバッファに書き込んで、立体視用画像データをRGB信号として画像表示装置に出力する。
この右目用画像と左目用画像との合成による立体視用画像の生成は、微細位相差板ポール802に貼り付けられた1/2波長板821の間隔毎に、右目用画像と左目用画像と組み合わせる。具体的には、本実施の形態の画像表示装置の微細位相差板802の1/2波長板821は液晶表示パネル804の表示単位の間隔で配置されているので、液晶表示パネル804の表示単位の横方向ライン(走査線)毎に右目用画像と左目用画像とが交互に表示されるように立体視用画像を表示する。
L信号出力中にVDC156から送信されてきた左目用画像データを左目用フレームバッファに書き込み、R信号出力中にVDC156から送信されてきた右目用画像データを右目用フレームバッファに書き込む。そして、左目用フレームバッファに書き込まれた左目用画像データと、右目用フレームバッファに書き込まれた右目用画像データとを走査線一本毎に読み出して、立体視用フレームバッファに書き込む。
変動表示装置8内には液晶ドライバ(LCD DRV)181、バックライトドライバ(BL DRV)182が設けられている。液晶ドライバ(LCDDRV)181は、合成変換装置170から送られてきたVBLANK信号、V_SYNC信号、H_SYNC信号及びRGB信号に基づいて、液晶表示パネルの電極に順次電圧をかけて、液晶表示パネルに立体視用の合成画像を表示する。
バックライトドライバ182は、CPU151から出力されたDTY_CTR信号に基づいて発光素子(バックライト)810に加わる電圧のデューティー比を変化させて、液晶表示パネル804の明るさを変化させる。
図3は、変動表示装置8の光学系の構成を示す説明図で、光源801は、発光素子810、偏光フィルタ(偏光手段)811、フレネルレンズ812によって構成されている。発光素子810には白色発光ダイオード(LED)等の点光源を用いたり、冷陰極管等の線光源を水平に配置して構成されている。偏光フィルタ811は、右側領域811aと左側領域811bとで透過する光の偏光が異なる(例えば、右側領域811aと左側領域811bとで透過する光の偏光を90度ずらす)ように設定されている。
発光素子810から放射された光は、偏光フィルタ811によって一定の偏光の光のみが透過される。すなわち、発光素子810から放射された光のうち、偏光フィルタ811の左側領域811bを通過した光と、右側領域811aを通過した光とが異なる偏光の光としてフレネルレンズ812に照射される。後述するように、偏光フィルタ811の左側領域811bを通過した光は観察者の右目に到達し、右側領域811aを通過した光は観察者の左目に到達するようになっている。
なお、発光素子と偏光フィルタを用いなくても、異なる偏光の光を異なる位置から照射するように構成すればよく、例えば、異なる偏光の光を発生する発光素子を二つ設けて、異なる偏光の光を異なる位置からフレネルレンズ812に照射するように構成してもよい。
偏光フィルタ811を透過した光はフレネルレンズ812に照射される。フレネルレンズ812は凸レンズであり、フレネルレンズ812では発光素子810から拡散するように放射された光の光路を略平行に屈折し、微細位相差板802を透過して、液晶表示パネル804に照射する。
このとき、微細位相差板802を透過して照射される光は、上下方向に広がることがないように出射され、液晶表示パネル804に照射される。すなわち、微細位相差板802の特定の領域を透過した光が、液晶表示パネル804の特定の表示単位の部分を透過するようになっている。
また、液晶表示パネル804に照射される光のうち、偏光フィルタ811の右側領域811aを通過した光と左側領域811bを通過した光とは、異なる角度でフレネルレンズ812に入射し、フレネルレンズ812で屈折して左右異なる経路で液晶表示パネル804から放射される。
液晶表示パネル804は、2枚の透明板(例えば、ガラス板)の間に所定の角度(例えば、90度)ねじれて配向された液晶が配置されており、例えば、TFT型の液晶表示パネルを構成している。液晶表示パネルに入射した光は、液晶に電圧が加わっていない状態では、入射光の偏光が90度ずらして出射される。一方、液晶に電圧が加わっている状態では、液晶のねじれが解けるので、入射光はそのままの偏光で出射される。
液晶表示パネル804の光源1側には、微細位相差板802及び偏光板803(第1偏光板)が配置されており、遊技者(観察者)側には、偏光板805(第2偏光板)が配置されている。
微細位相差板802は、透過する光の位相を変える領域が、微細な間隔で繰り返して配置されている。具体的には、光透過性の基材822に、微細な幅の1/2波長板821が設けられた領域802aと、1/2波長板821の幅と同一の微細な間隔で、1/2波長板821が設けられていない領域802bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。すなわち、設けられた1/2波長板によって透過する光の位相を変える領域802aと、1/2波長板821が設けられていないために透過する光の位相を変えない領域802bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。この1/2波長板821は、透過する光の位相を変化させる位相差板として機能している。
1/2波長板821は、その光学軸を偏光フィルタ811の右側領域811aを透過する光の偏光軸と45度傾けて配置して、右側領域811aを透過した光の偏光軸を90度回転させて出射する。すなわち、右側領域811aを透過した光の偏光を90度回転させて、左側領域811bを透過する光の偏光と等しくする。
この微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位と略同一のピッチとして、表示単位毎(すなわち、表示単位の横方向の水平ライン毎)に透過する光の偏光が異なるようにする。よって、液晶表示パネル804の表示単位の水平ライン(走査線)毎に対応する微細位相差板802の偏光特性が異なるようになって、水平ライン毎に出射する光の方向が異なる。
あるいは、微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位のピッチの整数倍のピッチとして、微細位相差板802の偏光特性が複数の表示単位毎(すなわち、複数の表示単位の水平ライン毎)に変わるようにして、複数の表示単位毎に透過する光の偏光が異なるように設定してもよい。この場合において、液晶表示パネル804の表示単位の水平ライン(走査線)の複数本毎に微細位相差板の偏光特定が異なって、水平ラインの複数本毎に出射する光の方向が異なるようになる。
このように、微細位相差板802の偏光特性の繰り返し毎に異なる光を液晶表示パネル804の表示素子(水平ライン)に照射する必要があるため、微細位相差板802を透過して液晶表示パネル804に照射される光は、上下方向の拡散を抑制したものである必要がある。
すなわち、微細位相差板802の光の位相を変化させる領域802aは、偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光を、左側領域811bを透過した光の偏光と等しい傾きの光に変えて透過する。また、微細位相差板802の光の位相を変化させない領域802bは、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光をそのまま透過する。そして微細位相差板802を出射した光は、左側領域811bを透過した光と同じ偏光を有して、液晶表示パネル804の光源側に設けられた偏光板803に入射する。
偏光板803は、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光と同一の偏光の光を透過する偏光特性を有する。すなわち、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光は、微細位相差板802の光の位相を変化させない領域802bを透過してそのまま偏光板803を透過し、偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光は、微細位相差板802の光の位相を変化させる領域802aを透過する際に偏光軸を90度回転させられて偏光板803を透過する。したがって、微細位相差板802と偏光板803とを組み合わせることにより、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した偏光の光を透過する領域と、この偏光と90度ずれた偏光の光を透過する領域とを、縦方向に繰り返して設けた第1偏光板を構成することができる。また、偏光板805は第2偏光板として機能し、偏光板803と90度異なる偏光の光を透過する偏光特性を有する。
デフューザ806は、偏光板805の前面側(観察者側)に取り付けられており、液晶表示パネルを透過した光を上下方向に拡散する拡散手段として機能する。具体的には、縦方向にかまぼこ状の凹凸が繰り返し設けられたレンチキュラーレンズを用い液晶表示パネルを透過した光を、上下に拡散する。
なお、レンチキュラーレンズに代わって縦方向により強い拡散指光性を持つマット状拡散面を設けたものであってもよい。液晶表示パネル804を透過するまで上下方向の拡散を抑制したことにより視野角が狭くなっていることを改善することができる。
図4は、本発明の実施の形態の画像表示装置の微細位相差板802を示す正面図である。
微細位相差板802は、1/2波長板が設けられており、透過する光の偏光を変える領域が、所定の間隔毎に微細な間隔で繰り返し連続して配置されている。この繰り返し連続して配置される領域に入射する光の偏光は、各々偏光フィルタ811の右側領域811a、左側領域811bで異なり、透過する光の偏光を変える領域では、入射光の偏光軸を90度回転させて出射する。この微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位と略同ピッチとしてある。
すなわち、偏光フィルタ811の右側領域811aを透過して、微細位相板で偏光軸を90度回転させられた光と、偏光フィルタ811の左側領域811bを透過して、微細位相板802をそのまま透過した光の偏光軸が等しくなり、これらの光が第2偏光板を透過する。微細位相差板802の、透過する光の偏光を変える領域と、透過する光の偏光を変えない領域とは、液晶表示パネル804の表示単位の水平ライン毎に繰り返し連続して配置されているので、微細位相差板802と第2偏光板803とを透過した光は、水平ライン毎に異なる方向へ向かう同一の偏光の光となる。
なお、前述したように、微細位相差板802の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル804の表示単位のピッチの整数倍のピッチとして、微細位相差板802の偏光特性が複数の表示単位毎に変わるようにして、複数の表示単位毎に透過する光の偏光が異なるようにしてもよい。
図5は、変動表示装置8の光学系を示す平面図である。
発光素子810から放射された光は偏光フィルタ811を透過して放射状に広がっている。光源から放射された光のうち偏光フィルタ811の右側領域811aを透過した光は、フレネルレンズ812に到達し、フレネルレンズ812で光の進行方向を変えられて、微細位相差板802、液晶表示パネル804、偏光板805に到達し、これらを略垂直(やや左側から右側)に透過して左目に至る。
一方、光源から放射された光のうち偏光フィルタ811の左側領域811bを透過した光は、フレネルレンズ812に到達し、フレネルレンズ812で光の進行方向を変えられて、微細位相差板802、液晶表示パネル804、偏光板805に到達し、これらを略垂直(やや右側から左側)に透過して右目に至る。
このように、発光素子810から放射され偏光フィルタ811と透過した光を光学手段としてのフレネルレンズ812によって、液晶表示パネル804に略垂直に照射し、発光素子810、偏光フィルタ811及びフレネルレンズ812によって、偏光面が異なる光を略垂直に、かつ、異なる経路で液晶表示パネル804に照射する光源1を構成し、液晶表示パネル804を透過した光を異なる経路で放出して、右目又は左目に到達させる。すなわち、液晶表示パネル804の走査線ピッチと、微細位相差板2の偏光特性の繰り返しピッチとを等しくして、液晶表示パネル804の走査線ピッチ毎に異なる方向から到来した光が照射され、異なる方向に光を出射する。
図6は遊技の流れ図を示し、以下、この図に従って遊技の概要を説明する。
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する信号が遊技制御装置100から表示制御装置150に送信され、変動表示装置8の表示面には客待ち画面(動画または静止画)が表示される。
そして、遊技領域に打ち出された遊技球が始動口16に入賞すると、その入賞に基づき、遊技制御装置100によって所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当たりの抽選が行われると共に、遊技制御装置100から表示制御装置150に変動表示を指令する信号が送信され、変動表示装置8の表示面に設定された変動表示領域の所定の位置に複数の図柄の変動表示が開始される(特定遊技状態の発生)。
この変動表示の開始後、所定時間経過すると、変動表示は例えば左、右、中の順に停止して確定していくが、この過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が揃った状態で確定し、中図柄がまだ変動している状態であって、いわば、大当たりの組合せを発生する可能性のある組合せが成立している状態)が発生すると、所定のリーチ演出が行われる。このリーチ演出では、例えば、中図柄の変動表示を極低速で行ったり、高速変動したり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ演出に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
なお、図柄は完全に停止表示されていなくても、ある一定の位置に長時間留まってしいるような表示(いわゆる仮停止)を行えば、遊技者には、図柄の変動表示が確定したものと認識されるのは当然である。例えば、一定の位置で微小に往復運動したり、一定の位置で図柄を拡大縮小したり、あるいは、一定の位置で図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させた場合には、図柄の変動表示が確定しているものとされる。
また、リーチ状態には、後述する第3の実施形態(図14参照)のように、左図柄が確定して、中図柄と右図柄が揃った状態で変動している場合も含まれる。要するに、左、右、中のうちの一部の識別情報が揃った状態で表示されていればよい。
そして、大当たり抽選の結果が大当たりであれば、最終的に左、右、中の図柄が所定の大当たりの組合せで停止され、大当たり(大当たり遊技)が発生する。
この、大当たり遊技が発生すると、変動入賞装置(大入賞口)10が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は、変動入賞装置10への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞または所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、変動入賞装置10内の継続入賞口への入賞(継続センサ16Sによる入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当たり遊技が発生すると、大当たりのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当たりの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当たり遊技の表示を指令する信号が送信され、変動表示装置8の画面に大当たり遊技の表示が行われる。
この場合、大当たりが特定の大当たりであれば、大当たり遊技後に特定遊技状態が発生され、次回の大当たりの発生確率を高確率(確率変動状態)にしたり、後述するように遊技球の始動口16への入賞に基づく変動表示装置8の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮等が行われる。
前記変動表示ゲーム中あるいは大当たり遊技中に遊技球が始動口16に入賞したとき(特別図柄始動記憶または始動記憶の発生時)には、変動表示ゲームが終了した後(ハズレのとき)にあるいは大当たり遊技が終了した後に、その特別図柄始動記憶に基づき、新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)、あるいは大当たり遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶がないときは、客待ち状態に戻される。
なお、普通図柄始動ゲート27A、27Bを遊技球が通過すると、その通過または普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器7に当たり表示が行われて、始動口16の普通変動入賞装置9が所定時間にわたって拡開され、始動口16への入賞が容易にされる。
図7は、表示制御装置150で行われる変動表示ゲームの一例を示す制御の流れ図である。また、図8、図9は、図7の制御による表示の状態を時系列的に示したものであり、図中左側の列は左目用画像の表示を示し、右側の列は右目用画像の表示を示す。この例では、図8に示す第1図柄(左図柄)80L、第2図柄(中図柄)80C、第3図柄(右図柄)80Rの3つの図柄で変動表示(ここでは、縦スクロール)を行う場合を示す。以下、図7の処理について図8、図9を参照しながら説明する。
まず、ステップS1では、前回の変動表示ゲームの停止図柄から変動表示(縦スクロール)を開始し、ステップS2では、全図柄の変動表示を所定時間まで継続した後、ステップS3で第1図柄80Lを停止(または仮停止)する。このとき、図8で示すように、第1図柄80Lを例えば「6」で停止する。
次に、ステップS4では、第3図柄80Rを停止する。このとき、図8で示すように、第3図柄80Rを例えば「7」で停止する。
ステップS5では、左目用画像の第3図柄80Rを第1図柄80Lと同一のものに置き換える。すなわち、ステップS3で第1図柄80Lが「6」の図柄で停止した場合、左目用画像の第3図柄80Rは「7」の図柄から「6」の図柄に置き換えられる。これにより、左目用画像は、第1図柄80Lが「6」、第3図柄80Rが「6」で停止して、第2図柄のみが変動するリーチ状態になる。
ステップS6では、右目用画像の第1図柄80Lを第3図柄80Rと同一のものに置き換える。すなわち、ステップS4で第3図柄80Rが「7」の図柄で停止した場合、右目用画像の第1図柄80Lは「6」の図柄から「7」の図柄に置き換えられる。これにより、右目用画像は、第1図柄80Lが「7」、第3図柄80Rが「7」で停止して、第2図柄のみが変動するリーチ状態になる。
上記ステップS5、S6の処理により、第2図柄80Cは左目用画像と右目用画像で同一の図柄で変動を続け、図8のS5で示すように、左目用画像では左右の図柄が「6」で揃ったリーチ状態となる一方、右目用画像は、左右の図柄が「7」で揃ったリーチ状態となる。
そして、ステップS7では、左右の目で観察する第1図柄と第3図柄が異なるリーチ状態で中図柄(第2図柄80C)のみを変動させるリーチ変動表示を所定時間行った後、ステップS8では、特別図柄乱数(大当たり乱数)の判定結果(大当たりかハズレか)に基づいて決定された第2図柄の停止図柄で停止させ、変動表示ゲームの結果を確定する。例えば、ハズレの場合では、図8で示すように第2図柄80Cを「5」で停止させ、大当たりの場合では、図9で示すように第2図柄80Cを「7」で停止させる。
ステップS9では、上記特別図柄乱数(大当たり乱数)の判定結果に基づいて大当たりかハズレかを判定し、ハズレであればステップS10に進む一方、大当たりであれば、ステップS13の処理に進む。
ハズレの場合ではステップS10では、上記ステップS8で第2図柄80Cが「5」で確定しており、左目用画像の第3図柄80Rを上記ステップS4で停止させた本来の「7」に戻す。
ステップS11では、右目用画像の第1図柄80Lを上記ステップS3で停止させた本来の「6」に戻す。
こうして、ハズレの場合では、第2図柄80Cが停止した後に、左目用画像の第3図柄80Rと右目用画像の第1図柄80Lは、最初に停止した図柄(ステップS3、S4)に戻り、図8のS10、S11で示すように、左目用画像と右目用画像を一致させて変動表示ゲームを終了する。
なお、変動表示ゲームの終了後には、ステップS12において始動記憶の有無を判定し、始動記憶があればステップS1へ戻って新たな変動表示ゲームを実行する。
一方、大当たりの場合では、上記ステップS8で第2図柄80Cを大当たりとなる図柄(例えば、「7」)で停止させ(図9のステップS8)、その後、ステップS13へ進んで、図9のS13で示すように、右目用画像と左目用画像の全図柄を「7」で位置させる。
すなわち、図9のS13で示すように、左目用画像の第1図柄80Lと第3図柄80Rを「6」から「7」に変更する。なお、右目用画像では、第1図柄80Lと第3図柄80Rが「7」であるため、変更の必要はない。
こうして、大当たりの場合では、第2図柄80Cが停止した後に、左目用画像と右目用画像の全ての図柄は、大当たりとなる図柄に統一され、左目用画像と右目用画像を一致させて変動表示ゲームを終了し、ステップS14(図9のS14)で大当たりの表示を行った後、ステップS12において始動記憶の有無を判定し、始動記憶があればステップS1へ戻って新たな変動表示ゲームを実行する。
以上のような表示制御によって、立体的な画像を表示可能な変動表示装置8を用いて、左目用画像と右目用画像を異なる画像で構成することにより、遊技者に新規な興趣を提供し、また、立体的な画像のみならず多様な演出を行うことで、製造コストが高い遊技機であっても、遊技店の期待に添った演出で集客を推進することができる。
すなわち、変動表示ゲームが始まって第1図柄80Lと第3図柄80Rが確定すると(図8のS4)、左目用画像では、第3図柄80Rが第1図柄80Lと同一の図柄「6」のリーチ状態となり(図8のS5)、右目用画像では、第1図柄80Rが第3図柄80Lと同一の図柄「7」のリーチ状態となり(図8のS6)、左右の目で異なるリーチ演出を2つ同時に視認することになり、遊技者は意外性のある演出により、変動表示ゲームに対する興趣を増大させることができる。また、同時に2つのリーチ演出を楽しめることから、遊技に対する意欲を向上させることも可能となる。
さらに、大当たりの場合では、全図柄が「6」で揃ったときに通常の大当たりとし、全図柄が「7」で揃ったときには特定の大当たり(確率変動)とすれば、左目用画像で通常の大当たりのリーチ演出が行われ、右目用画像で特定の大当たりのリーチ(変動)演出が行われるため、変動表示ゲームに期待感を大いに盛り上げることができる。なお、通常の大当たりと特定の大当たりは、上記乱数の値と予め設定したテーブルなどによって決定される。
なお、図8のS4までの変動表示では、左右の画像に視差を設けて図柄を立体的に表示してもよく、また、変動表示ゲームが確定した図8のS10、S11あるいは図9のS13以降では、左右の画像に視差を設けて図柄を立体的に表示してもよい。
図10〜図12は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の左目用画像の変動表示ゲーム(リーチ演出)又は右目用画像の異なる変動表示ゲーム(リーチ演出)から、いずれか一つを選択するようにしたものである。
図10は、遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図であり、変動表示ゲームを選択するための選択スイッチ(選択手段)400が表示制御装置150に接続され、表示制御装置150のCPU151は、選択スイッチ400の操作に応じて変動表示ゲームを選択し、表示制御を行う。その他の構成は、前記第1実施形態の図2と同様であるので、重複説明を省略する。なお、選択スイッチ400は、遊技者が操作可能な所定の位置、例えば、変動表示装置8近傍のカバーガラス18や打球発射装置の操作部24近傍に配置されて、遊技者が「左」または「右」のいずれかを選択可能に構成されたものである。
図11は、表示制御装置150で行われる変動表示ゲームの一例を示す制御の流れ図である。また、図12は、図11の制御による表示の状態を時系列的に示したものである。以下、図11の処理について図12を参照しながら説明する。
ステップS1〜S6は、前記第1実施形態の図7、図8と同様であり、ステップS5で、左目用画像の第3図柄80Rを第1図柄80Lと同一の図柄「6」に置き換えられ、S6では、右目用画像の第1図柄80Lを第3図柄80Rと同一の図柄「7」に置き換える。
次に、ステップS20では、左目用画像と右目用画像を交互に点滅させて表示し、遊技者に選択を促す。つまり、図12で示すように、左目用画像で第1図柄80Lと第3図柄80Rが「6」で揃ったリーチ状態20aを表示する一方、右目用画像を消去(または表示を停止)し、その後、所定時間間隔(例えば、1秒後)で右目用画像で第1図柄80Lと第3図柄80Rが「7」で揃ったリーチ状態20bを表示する一方、左目用画像を消去(または表示を停止)する。これら、左目用画像20aと右目用画像20bの表示を所定時間ごとに繰り返し、左目と右目で異なるリーチを点滅させる。なお、交互に表示する左目用画像と右目用画像は、変動表示装置8の表示領域上で互いに重ならない位置に表示する。
この間に遊技者が選択スイッチ400の操作を行ってリーチの選択を行った場合には、ステップS21からステップS22に進んで、選択スイッチ400の操作に応じてステップS23またはS24へ進む。すなわち、選択スイッチ400で「左」を選択した場合には、ステップS23に進んで右目用画像を消去(または表示を停止)して、図12のS23で示すように、「6」が揃った左目用画像20aでリーチ演出を行う。この場合、右目で観察可能な画像は表示されない。
一方、選択スイッチ400で「右」を選択した場合には、ステップS24に進んで左目用画像を消去(または表示を停止)して、「7」が揃った右目用画像20bでリーチ演出を行う。この場合、左目で観察可能な画像は表示されない。
こうして、左目用画像または右目用画像のいずれか一方でリーチ演出を行った後、ステップS25では、特別図柄乱数の判定結果に応じた図柄で第2図柄80Cを停止させる。
ステップS26では、消去されていた側に表示していた側の画像を表示し、左目用画像と右目用画像を同一の画像として一致させ、両眼で画像を視認可能とする。すなわち、図12のように、左目用画像20aのみでリーチ演出を行っていた場合、S25で第2図柄80Cが停止した時点では右目用画像には何も表示されてはいないが、S26では、左目用画像20aをコピーした画像を右目用画像20a’として表示することにより、変動表示ゲームが確定した状態を両眼で見ることができる。
この後、ステップS27、S28では、上記図10のステップS9以降と同様に、大当たりの判定結果に応じた制御を行う。
こうして、左目用画像で行うリーチ演出と、右目用画像で行うリーチ演出変動のいずれか一方を遊技者が選択することが可能となるので、変動表示ゲームに対する興趣を向上させることが可能となる。また、いずれか一方の画像のみが表示されるので、視野角が結果的に狭くなり、周囲の遊技客に見られることなく遊技を行うことができる。
なお、本実施形態において、選択されなかった画像(図12の右目用画像)では、何も表示しない例を示したが、図示はしないが、選択した画像と同一の画像を表示して、両眼で変動表示ゲームを行うようにしても良い。
あるいは、選択されなかった画像(図12の右目用画像)では何も表示しない例を示したが、図示はしないが、左目用画像では変動表示ゲームを上述のように行う一方、右目用画像では大当たりの回数などの遊技機に関する情報や、テレビまたはビデオなどの映像など、遊技以外の情報を表示してもよい。
図13〜図15は、第3の実施形態を示し、前記第1実施形態の左目用画像と右目用画像の異なる変動表示ゲーム(リーチ演出)と同様に、左右の画像で変動表示の速度を可変としたものである。
図13は、表示制御装置150で行われる変動表示ゲームの一例を示す制御の流れ図である。また、図14、図15は、図13の制御による表示の状態を時系列的に示したものである。以下、図13の制御について図14、図15を参照しながら説明する。
まず、ステップS1〜S3では、上記第1実施形態の図7と同様に、全図柄の変動表示を所定時間まで継続した後、ステップS3で第1図柄80Lを停止する。
ステップS30では、左目用画像及び右目用画像ともに第2図柄80Cと第3図柄80Rの図柄を揃えて変動表示を行う。
その後、ステップS31では、図14で示す左目用画像20aの変動表示速度(図柄が切り替わる速さ)を右目用画像20bの変動表示速度よりも速くする。例えば、左目用画像20aの変動表示速度を右目用画像の変動表示速度の2倍などに設定される。これにより、左目用画像の変動表示の内容と、右目用画像の変動表示の内容は異なるものになり、2つの異なるリーチ演出が同時に進行するように視認できる。
そして、ステップS32では、図14のように左目用画像の変動中の図柄が、右目用画像の変動中の図柄よりも所定数(例えば、2図柄)だけずれたら、左目用画像の変動表示速度を減速して右目用画像の変動表示速度と等しい速度に戻す。あるいは、右目用画像の変動表示速度を減速するとともに、左目用画像20aの変動表示速度も右目用画像の変動表示速度と等しくなるよう大きく減速させてもよい。
ステップS33では、左右の画像が異なる図柄で揃った状態のリーチ演出を所定時間続けた後、ステップS34で上記特別図柄乱数(大当たり乱数)の判定結果に応じた図柄(大当たりとなる図柄またはハズレとなる図柄)で第2図柄80Cと第2図柄80Cを停止し、ステップS35で大当たりかハズレかを判定し、ハズレの場合ではステップS36に進み、大当たりの場合ではステップS38に進む。
ハズレの場合のステップS36では、図14で示すように、左目用画像20aをコピーした画像を右目用画像20a’として表示することにより、変動表示ゲームが確定した状態を両眼で見ることができる。この後、ステップS37で始動記憶の有無に応じて上記第1実施形態の図7と同様に制御を行う。
一方、大当たりの場合では、ステップS38に進んで、大当たりとなった図柄で左目用画像と右目用画像の全ての図柄を更新する。つまり、図15のS37で示すように、左目用画像20aが「799」、右目用画像20bが「777」であれば、右目用画像20bが大当たりとなっているので、右目用画像20bをコピーしたものを左目用画像20b’として表示し、左目用画像と右目用画像を同一の表示内容として、大当たりの結果を表示する。
この後、ステップS39で大当たりの表示制御を行った後、上記ステップS37に進む。
以上のような表示制御によって、変動表示ゲームが始まって第1図柄80Lが確定すると(図13のS3)、左右の画像は、第2図柄80Cと第3図柄80Rの図柄が揃って変動するリーチ演出が開始され(図14のS30)、さらに、ステップS31では、左目用画像と右目用画像の変動表示速度が異なるため、2つのリーチ演出が同時に行われることになり、遊技者は意外性のある演出によって、変動表示ゲームに対する興趣を増大させることができる。
そして、変動表示ゲームの結果確定時(図14のS36、図15のS38)には、左目用画像と右目用画像は同一の画像となるため、両眼で変動表示ゲームの結果を明瞭に確認することができる。
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)前記特別遊技状態制御手段は、前記変動表示ゲームにより全ての識別情報が揃って確定したときに前記特別遊技状態を生起し、前記独立画像表示手段には、一部の識別情報が揃った状態で表示されるリーチ状態となったときに左目用画像と右目用画像で異なる識別情報の表示を行う独立リーチ画像表示手段を備えたことを特徴とする遊技機。
(1)の発明は、リーチ状態により特別遊技状態の発生の可能性を報知する際に左目用画像と右目用画像で異なる識別情報の表示を行うので、遊技者に新たな興趣を提供することができる。
(2)前記独立リーチ画像表示手段は、確定表示されている識別情報に関しては左目用画像と右目用画像で異なる表示を行い、変動中の識別情報に関しては左目用画像と右目用画像で同一の表示を行うことを特徴とする遊技機。
(2)の発明は、特別遊技状態制御手段は、全ての識別情報が揃って確定したときに前記特別遊技状態を生起し、前記独立画像表示手段は、変動表示ゲームの確定時に停止する前記識別情報を左目用画像と右目用画像に表示する一方、変動表示ゲームの確定以前に停止した識別情報を左目用画像と右目用画像とで異ならせるので、変動中の識別情報を見やすくすることができる。
(3)前記独立リーチ画像表示手段は、変動表示ゲームの確定時に、左目用画像と右目用画像で同一の識別情報を表示することを特徴とする遊技機。
(3)の発明は、変動表示ゲームの確定時には、左目用画像と右目用画像で同一の識別情報を表示するようにしたので、2つの変動表示ゲームを楽しみながらも、結果の確定を正確に視認することができる。
(4)前記選択手段は、選択されなかった側の識別情報を、選択された側の識別情報に置き換えることにより、左目用画像と右目用画像で同一の画像を表示することを特徴とする遊技機。
(4)の発明は、いずれか一方の変動表示ゲームを選択した後には、左目用画像と右目用画像で同一の画像を表示するので、両目で容易に視認することができる。
(5)前記選択手段は、選択されなかった側の識別情報を消去することを特徴とする遊技機。
(5)の発明は、前記制御手段で選択した側の画像のみを表示するので、他方の画像を周囲に遊技内容を見せることなく遊技を行うことができる。
(6)前記独立画像表示手段は、所定の時間間隔で、識別情報が異なる左目用画像と右目用画像を交互に表示することを特徴とする遊技機。
(6)の発明は、所定の時間間隔で識別情報が異なる左目用画像と右目用画像を交互に表示するようにしたので、同時に左右の画像を視認する必要がないので、視認性を向上できる。
(7)前記独立画像表示手段は、識別情報が異なる左目用画像と右目用画像を、前記表示領域上で互いに重ならない位置に表示することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一つに記載の遊技機。
(7)の発明は、識別情報が異なる左目用画像と右目用画像を、前記表示領域上で互いに重ならない位置に表示するので、識別情報の視認性を向上できる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。