本発明は、用紙の識別情報を認識する情報認識手段と、識別情報に基づいて記憶手段に記憶されている印刷データを選択し、選択された印刷データに基づいて記録媒体に画像を形成する制御手段とを少なくとも備え、任意の封筒に紐付けされた一意の印刷ジョブをその封筒へ封入することが可能な画像形成システムを特徴とするものである。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
[全体構成]
図1は、本発明の画像形成システムの概略構成を示す図である。図1に示した画像形成システムは、封筒を封入する封入機を備えたもので、画像形成装置本体1と、装置本体1の側部に設けられた封筒封入機であるソータ・ステイプラ・パッケージャ装置(以下SSP装置と呼ぶ)3と、SSP装置3の下部に設けられ、封筒を収納する封筒給紙装置4とから基本的に構成されている。SSP装置3は用紙処理装置として機能するものである。
画像形成装置本体1は、内部に印刷ジョブデータを記憶する記憶媒体としてのハードディスク80、印刷ジョブの内容を表示し、かつユーザがジョブの操作を行う表示部兼操作部であるオペレーションパネル(以下「OP」と略す)104、給紙部11、及び制御装置120を備え、制御装置120にはパーソナルコンピュータ(パソコン)PC及び外部の装置と通信するためのI/F121が接続されている。また、装置本体1には、図示しないが、郵便物(封筒やはがき等)を含むシートとしての用紙等に画像形成を行うと共にその画像形成済みの郵便物(封筒やはがき等)あるいは用紙を搬送することが可能な画像形成手段が設けられている。
封筒給紙装置4は、封筒固有の識別手段(ここでは1次元バーコードを例に取るが、2次元バーコードでもユーザ固有の識別子でも良い。)を読み取るための読み取り手段としてのCIS(Contact Image Sensor)70を備え、CIS70で読み取った情報は封筒給紙装置4内部に設けられた給紙制御部200から制御装置120へ送信される。なお、本実施形態では、CIS70を使用した例を例示しているが、CCD(Charge Coupled Diode)を使用することもできる。封筒給紙装置4内には複数の封筒が収納されており、それぞれの封筒には、一意的な1次元バーコードが印字されている。この1次元バーコードは、封筒Pfをトレイ24から給紙する際に、封筒給紙装置4内のCIS70によって読み取られ、読み取られた情報は制御装置120へ転送される。また、封筒と封筒内容物(封筒の中身−以下、「中紙」と称す。)の紐付けを行うために、各1次元バーコードはIDナンバーを持っている。なお、封筒Pfのサイズは、サイズ検知センサ30によって検知される。
制御装置120は、外部にあるパーソナルコンピュータPCから複数の画像データ(印刷ジョブ)を受信することが可能であり、その印刷ジョブは制御装置120を通して、画像形成装置本体1の内部のハードディスク80にて記憶される。各印刷ジョブは封筒のIDナンバーに対応したIDナンバーを持つので、制御装置120は読み取った封筒の1次元バーコードからIDナンバーを認識し、ハードディスク80内で同一IDナンバーを持つ印刷ジョブを検索し、その印刷ジョブを給紙部11の給紙カセット15A〜15Dに格納されている用紙Pへ印刷する指示を行う。なお、符号32は給紙カセット15A〜15D内の用紙Pのサイズを検知するためのサイズ検知センサである。
SSP装置3は、用紙Pを積載する複数の用紙積載手段である用紙積載ビン(以下、単に「ビン」と称す。)35と、装置本体1の用紙収納部となる給紙部11から給紙されて画像が形成された用紙Pを各ビン35に仕分けして排出する仕分排出手段となるソートガイド部44と、ビン35上の用紙Pを封筒給紙装置4から給紙された封筒Pf内に搬入する手段となるパックユニット46とを備えている。
図2は、用紙を封筒に封入する本実施形態に係る画像形成システムの全体構成を正面から見た概略構成図である。同図において、画像形成システムは、画像形成装置本体1と、その上部に搭載された循環型原稿自動給送装置(RDH)2と、左側面の上部に設けられたSSP装置3と、SSP装置3の下部右側に設けられた封筒給紙装置4と、SSP装置3の下部左側であって封筒給紙装置4の左側面に配置され、用紙が詰められた封筒を収納する収納キャリア100とから構成され、装置本体上部には前記OP104が配されている。
通常モードは本画像形成システムにおいて、画像を形成した1枚の用紙を1枚ずつ排紙トレイ22へ排紙する通常の印刷モードである。本画像形成システムでは、画像走査部5によって画像処理した後の画像情報は、書き込み部6によるレーザ光のラスター走査により光の点の集合の形で感光体ドラム7上に書き込まれる。そのレーザ光源としては半導体レーザが使用されている。また、感光体ドラム7の表面は、コロトロン方式の帯電チャージャ8によって均一に負帯電される。そして、この負帯電された感光体ドラム7にレーザ光が照射されて、その画像部分の電位が落とされると、その感光体ドラム7の表面に地肌部分の電位が‐750〜‐800Vで、画像部の電位が‐50V程度の静電潜像が形成される。
その静電潜像は、現像器9の現像ローラにより‐500〜‐600Vのバイアス電圧が与えられることによって負帯電されたトナーにより顕像化される。その顕像化された画像は、給紙部11から給紙されて感光体ドラム7の回転に合わせてタイミング調整された用紙(転写紙)Pの紙面上に、転写チャージャ12によって紙面の裏面側から正電位のチャージが加えられることによって転写される。
その画像が転写された用紙は、転写チャージャ12と一体に保持される分離チャージャ13により交流除電されることによって、感光体ドラム7の表面から分離される。このとき、感光体ドラム7上に残った残留トナーは、クリーニング装置14のクリーニングブレードにより感光体ドラム7の表面から掻き落とされ、それが回収タンク内に収容される。一方、感光体ドラム7の表面に残留する電位は、除電ランプ(図示せず)によって光が照射されることにより消去される。
画像が転写される用紙Pは、給紙部11に設けられている4段の給紙カセット15A,15B,15C,15Dの中から用紙サイズに応じて選択的に送り出される。用紙Pのサイズは、各サイズ検知センサ32の情報により、制御装置120で判断される。一方、画像が転写されない封筒Pfは、制御装置120の命令により給紙部4により送り出される。封筒Pfのサイズは、用紙Pと同様に、サイズ検知センサ30の情報により、制御装置120で判断される。
オペレータによっていずれかの段の給紙カセット15A〜15Bの1つが選択されてスタートキーが押されると、その選択された段の給紙コロが回転して給紙カセット内の用紙Pが給紙され、それが搬送路上に設けられているコロによってレジストローラ16のニップに突き当たるまで給送される。そのレジストローラ16は、感光体ドラム7に形成された画像の位置と用紙の位置とが一致するようにタイミングをとって、それを感光体ドラム7に向けて給送する。なお、手差しトレイ23が選択された場合には、手差しトレイ23から用紙は給紙され、レジストローラ16から給送される。
このようにして用紙Pが給紙され、前述した画像形成プロセスによって用紙Pに画像が転写され、その画像(トナー像)が定着ローラによって定着される。そして、その画像が定着された用紙Pは、その後、SSP装置3内に送り込まれて通常のプリント時には直進状態の位置にある切換爪101、切換爪21に案内されて排紙トレイ22上に排出される。
図3ないし図6は、封筒給紙装置4の説明のためのもので、図3は封筒Pfを収納するトレイ24の要部構成を示す図、図4は封筒の表、裏を示す図、図5はトレイ24の横断面図、図6は封筒給紙装置4の制御構成を示すブロック図である。
図3において、封筒給紙装置4は、封筒Pfが載置される底板25及び可動テーブル103、封筒Pfをトレイ24からピックアップするピックアップローラ107、ピックアップされた封筒Pfをプルアウトローラ112側に給紙する給紙ベルト109及びリバースローラ110、プルアウトローラ112によってプルアウトされ封筒を搬送する第1及び第2の中間ローラ114,115などを備えている。
また、これらの駆動系として、可動テーブル103を駆動する底板上昇モータ205、ピックアップローラ107を駆動するピックアップモータ201、給紙ベルト109、リバースローラ110、プルアウトローラ112を駆動する給紙モータ202、第1中間ローラ114及び第2中間ローラ115を駆動する中間搬送モータ203を備えている。
封筒給紙装置4は、さらに、検知手段として、封筒のサイズを検知するサイズ検知センサ30、封筒のセット検知用の封筒セットセンサ105、可動テーブル103の上限検知用のテーブル上昇検知センサ108、スキュー補正用の突き当てセンサ111、CIS読み取り用のレジストセンサ113を備え、また、バーコード読み取り手段としてCIS70を備えている。
すなわち、封筒給紙装置4の駆動、制御構成は図6に示すように給紙制御部200を中心に構成されている。給紙制御部200には、サイズ検知センサ30,封筒セットセンサ105、突き当てセンサ111、テーブル上昇センサ108、底板ホームポジションセンサ106、レジストセンサ113、CIS70、ピックアップモータ201、給紙モータ202、中間搬送モータ203及び底板上昇モータ205が接続され、画像形成装置本体1側の制御装置120とI/F207を介して相互に通信可能であり、両者協働した制御が可能となっている。
封筒Pfは底板25側の端部を支点としてa−b方向に揺動可能に設置された可動テーブル103及び底板25上にセットされ、図4に示すように封筒Pfの表面Pfaを上向きの状態に、封筒PfのフラップPfc側を給紙方向Pfdとは逆の状態としてセットされる。さらに封筒Pfの幅方向(給紙方向Pfdに対して直交する方向)が図示しないサイドガイドによって位置決めされる。封筒のセットはセットフィラー102、封筒セットセンサ105により検知され、制御部120に送信される。セットフィラー102は封筒Pfの束の上面に当接して図示c−d方向に移動し、封筒Pfがセットされたときの移動位置を封筒セットセンサ105が検知することにより、封筒Pfのセットの有無を検知する。封筒Pfの裏面Pfbの所定位置にはバーコードBCが印刷され、前記CIS70によって読み取り可能となっている。
トレイ24上では、図5に示すように底板25上に用紙あるいは封筒Pfが載置される。トレイ24には、図5に示すガイドロッド26に沿って矢示A方向にスライド可能な一対のサイドガイド27,28が設けられ、用紙あるいは封筒Pfは前記一対のサイドガイド27,28によって挟まれ、底板25の中央位置にセットされる。すなわち、搬送中心基準でセットされる。
底板25上の用紙サイズを検知するサイズ検知センサ30が底板25の下側に配置され、サイドガイド28の位置を検知する。給紙制御部200は、サイズ検知センサ30によって検知した値を予め記憶させてあるサイズデータと比較して、底板25上にセットされている封筒Pfのサイズを認識する。なお、サイズ検知センサ30としては、例えば、可変抵抗型位置センサを使用することができる。
可動テーブル103は底板上昇モータ205により図3に示すa−b方向に揺動(上下動)可能な構成になっていて、給紙制御部200は、原稿がセットされたことをセットフィラー102、セットセンサ105により検知すると、底板上昇モータ205を正転させて原稿束の最上面がピックアップローラ107と接触するように可動テーブル103を上昇させる。ピックアップローラ107は、ピックアップモータ201によりカム機構によって図3に示すc−d方向に動作すると共に、可動テーブル103の封筒Pf排出側が上昇し、可動テーブル103上の封筒Pfの上面により押されてc方向に上がる。テーブル上昇検知センサ108はこのピックアップローラ107の上限位置を検知し、これにより可動テーブル103の上昇上限位置を検知可能となっている。オペレータがOP104のプリントキーを押下すると、制御装置120からI/F207を介して給紙制御部200に封筒給紙信号が送信され、ピックアップローラ107は給紙モータ202の正転により回転駆動され、底板25上の封筒Pfがピックアップされる。回転方向は、最上位の封筒Pfを給紙口に搬送する方向である。
給紙ベルト109は給紙モータ202の正転により給紙方向に駆動され、リバースローラ110は給紙モータ202の正転により給紙と逆方向に回転駆動され、最上位の封筒とその下の封筒を分離して、最上位の封筒のみが給紙される。さらに詳しく説明すると、リバースローラ110は給紙ベルト109と所定圧で接し、給紙ベルト109と直接接しているとき、又は封筒1枚を介して接しているときには、給紙ベルト109の回転に応じて反時計方向に連れ回りする。一方、封筒が2枚以上給紙ベルト109とリバースローラ110の間に侵入したときは、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されているので、リバースローラ110は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な封筒を押し戻す働きをし、重送が防止される。
給紙ベルト109とリバースローラ110との作用により1枚に分離された封筒は給紙ベルト109によってさらに送られ、突き当てセンサ111によって先端が検知され、さらに進んで停止しているプルアウトローラ112に突き当たる。その後、前出の突き当てセンサ111の検知位置から予め設定された距離搬送され、プルアウトローラ112に所定量撓みを持って押し当てられた状態で給紙モータ202を停止し、給紙ベルト109の駆動を停止させる。このとき、ピックアップモータ201を回転させ、ピックアップローラ107を封筒Pfの上面から退避させる。これにより、封筒Pfは給紙ベルト109の搬送力のみで送られ、封筒先端はプルアウトローラ112の上下ローラ対のニップに進入する。これにより、封筒Pf先端の整合(スキュー補正)が行われる。
プルアウトローラ112は、前記スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された封筒を第1中間ローラ114まで搬送するためのローラで、給紙モータ202の逆転により駆動される。またこのとき(給紙モータ202逆転時)、プルアウトローラ112と中間ローラ114は駆動されるが、ピックアップローラ107と給紙ベルト109は駆動されていない。
[封筒の識別情報の読み取り]
図7ないし図9は封筒の識別情報の読み取り方法の一例を示す図である。図7は封筒の識別情報の読み取り構成を示す説明図で、図3のCIS70配設位置を装置内側(搬送路側)から見た図である。同図では、封筒PfとバーコードBCとCIS70間のレイアウトが示されている。図7において、CIS70は第1中間ローラ114と第2中間ローラ115の間に位置する。第1中間ローラ114と第2中間ローラ115には中間搬送モータ203のプーリ117とタイミングベルト116によりプーリ118、119を介して駆動力が伝達される。ここでは、説明の簡略化のために、バーコードBCの先端位置BC1は常に封筒サイズに依存せず封筒PfのフラップPfcの端部から同一の距離の位置(L2)であるとする。
プルアウトローラ112より搬送された封筒Pfは、駆動中の第1中間ローラ114と第2中間ローラ115へと搬送される。CIS70によってバーコードBCの読み取りを可能とするために、封筒Pfの後端Pf1がレジストセンサ113を過ぎた(センサON→OFF)タイミングで、L3をレジストセンサ113位置からバーコードBCの先端BC1までの距離として、中間搬送モータ203を(L3−L2)分移動させて停止させる。ここでは(センサON→OFF)をトリガに説明をしたが、封筒Pfの先端Pf2がレジストセンサ113を過ぎた(センサOFF→ON)タイミングをトリガとし、L1を封筒Pfの搬送方向の長さとして中間搬送モータ203を(L1+L3−L2)分移動させて停止させることでも可能である。中間搬送モータ203はステッピングモータでもエンコーダ付きDCモータでも良い。
本実施形態では、封筒Pfの識別手段として1次元バーコードBCを、情報認識手段としてCIS70を例示しているが、これに限定されるものではなく、2次元バーコードとCCD、RFID、任意の文字とそれを認識するCCD、など封筒の個別識別が可能な手段であれば何を用いても良い。
本実施形態では、1次元バーコードのJAN−13(Japanese Article Number)コードをCIS70によって読み取っている。バーコードBCは一番幅の狭いバーとスペースが基本要素(これを1モジュールと呼ぶ)となっており、1モジュールのスペースは、バイナリーコードの0(zero)を表し、1モジュールのバーは、バイナリーコードの1(one)を表している。1文字は、2つのバーと2つのスペースで構成されており、バーとスペースのトータル幅は、7モジュールである。 つまり、1文字は7ビットで表現されており、0と1をスペースとバーに置き換えれば良い。表現できる文字は、数字(0〜9)のみである。
JAN−13には、いくつかの規定がある。これらの規定は、
・バーコード左右のマージンとして10モジュール程度以上のスペースが必要。
・左側のガードバーはスタートコードを表し、「101」と表現する。
・右側のガードバーはストップコードを表し、「101」と表現する。
・センターバーはセンターコードを表し、「01010」と表現する。
・センターコードより左側6文字分のコードの組合せで先頭1桁を作り出す。
・センターコードより左側6文字と右側の6文字は文字定義が異なる。
・一番右側の1文字をチェックデジットで規定する必要がある。
・左側6文字には偶、奇2種類のパリティが存在し、パリティの組合せによって先等の1文字の数字が決定される。
等である。以上が簡単ではあるがJAN−13の説明となる。これ以上の詳細は本発明と関連が薄いことから省略する。
図8は、CIS70を使用したバーコードの読み取り構成を示す機能ブロック図である。バーコードの読み取りは給紙制御部200内部のCPU201で行われる。読み取り構成では、CPU201の他に、LEDドライバ202、発振手段203、データ異常判定手段204、認識手段205、2値化回路206、インバータ207、アンド回路208、及び記憶手段209等を備えている。
このように構成でCPU201は、CIS70に対して、LEDドライバ202の制御信号(a)を出力し、測定開始のトリガ信号TG(b)を出力し、クロックを発振する発振手段203によってクロック(c)を発信する。CIS70のアナログ出力(d)は、2値化回路206によりデジタル化され、インバータ207によって波形の反転が行われ、反転信号(e)が出力される。反転した2値化データ(e)はバーコードBCの認識手段205とクロックのアンド回路208を経たクロック信号(c)によって、必要な情報だけが順次記憶手段209へ書き込まれる。
認識手段205はバーコードBCの必要情報部分を抽出する機能(バーコード抽出時=1)を有し、この情報(f)は別途データ異常判断手段204とCPU201へ送信される。データ異常判断手段204は、トリガ信号TG(b)からクロックをカウントすることにより、ある一定時間中に認識手段205からバーコードBCの認識情報(=1)が来なかった場合に異常と判断し、CPU201へ異常信号(異常時=1)(g)を送信する。異常信号の解除は、トリガ信号TGと同期している。
なお、CPU201は図示しないROM及びRAMを備え、ROMに格納されたプログラムコードをRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながらプログラムコードで定義された制御を実行する。なお、CPU201,ROM、RAM、OP104等を資源としてプログラムを実行することにより各部の制御が行われる。画像形成装置本体1の制御装置120においても同様である。
図9はCIS70によるバーコードの読み取り方法の具体例を示す説明図である。ここでは簡易的にCIS70の2画素をバーコードの1モジュールとして話を進める。
前述したように、封筒Pf上のバーコードBCはCIS70上に搬送されるようになっているが、CIS70上のどの位置にバーコードがあるか正確には分からない。CIS70には、クロックを入力し、測定開始のトリガ信号TGを与えることにより、測定が開始され、所定クロック数後(図中のp)に1画素目から1クロックで1画素毎にCIS70の出力が行われる。このセンサ出力は、封筒表面の反射率が高いほど出力レベルが高くなるので、適切なスレッシュレベル(図中の2値化スレシュ(c))でセンサのアナログ出力を2値化してやれば、バーコードBCのバーとスペースで、出力をデジタル化することができる。
図9の例では、バーはセンサ出力が低いために、2値化された出力はLOWレベルとなり、スペースはセンサ出力がスレッシュレベルより高いため、2値化された出力はHIGHレベルとなる。バーとスペースの関係を逆転させるために一度インバータ207を通して反転された2値化データ(e)を出力する。バーコードBCの認識手段205では、トリガ信号TG(b)を起点に反転された2値化データ(e)のLOW→HIGHとなるタイミングを待ち、認識出力(f)としてHIGHを出力する。ただし、バーコード左側の空白領域(ここではLOWデータ10画素分)をフィルタとし、空白領域に満たないLOWデータの後のLOW→HIGHのトリガは無視している。なお、本来、空白領域は10モジュールであるので20画素分のLOWデータが必要であるが、図9では、図面としての簡素化のために空白領域を10画素とした。
認識手段205から認識出力としてHIGHが出力されると、アンド回路208によって止められたクロック信号が記憶手段209へ入力され、反転された2値化データ(e)は記憶手段209へクロックの立ち上がり信号と共に記録される。認識手段205はバーコード右側の空白領域(LOWデータ10画素分)を認識すると、認識出力(f)としてLOWを出力するため、記憶手段209への書き込みが完了することになる。
認識出力(f)のLOWと共に、CPU201は記憶手段209から取得したデータ抽出結果(h)に基づいてデータ加工を行う。得られた最初領域はstart bitであることから、最初の“1”の画素数を読み込むことによって、バーコード1モジュールあたりの画素数が判明する。1モジュールは2画素であることから、CPU201で抽出したデータをバーコードBCのモジュール単位へ加工する。加工した結果から、スタートコード、ストップコード、センターコードを考慮し、予め記憶手段209に記憶されている図10(a)及び(b)の文字コード表からバーコードの数値が算出される。図9の例では「5864025749871」となる。このバーコードBCの数値が封筒固有のIDである。
図11、図12及び図13は封筒の識別情報の読み取り方法の他の例を示す図である。図11は封筒の識別情報の読み取り構成を示す説明図で、図7と同様に図3のCIS70配設位置を装置内側(搬送路側)から見た図である。同図では、封筒PfとバーコードBCとCIS70間のレイアウトが示されている。
CIS70は搬送方向に対して垂直に位置し、CIS70のX画素目がバーコードBCの搬送される位置であると仮定して説明する。この例は、封筒Pfを停止させることなく封筒Pfを同一の速度Vconstで搬送し、CIS70の読み取りを封筒Pfの搬送と同期させることによって、CIS70のX画素目の2値化された連続データを得ることができる。2値化された連続データは図12に示すように、結果的に図9に示したCIS70の2値化データ同一となる。この例ではCIS70の2クロックがバーコードの1モジュールである。以下詳細を記す。
プルアウトローラ112より搬送された封筒Pfは、封筒Pfの先端Pf2がレジストセンサ113に到達したこと(レジストセンサ113がOFF→ON)をトリガに、封筒Pfの速度をVconstへと変更する。給紙制御部200は同時にレジストセンサ113からCIS70までの距離L3をステッピングモータである中間搬送モータ203のパルス数から測定する。距離L3を移動したことが算出(つまり封筒Pfの先端Pf2がCIS70に到達)されたら、図7ないし図9を参照して説明したように、一定間隔でCIS70にてバーコードの2値化データを読み取り、読み取りデータをハードディスク80(図1)へ記録していく。記録された結果を図13に示す。
図13において、横軸はCIS70のライン方向であり、CIS70の1画素から降順にCIS70の最終画素まで記録されている。縦軸はCIS70の読み取り回数順にCIS70の画素毎に記録されている。縦軸方向と搬送方向の関係は図13の矢印に示すとおりである。X画素目のデータに注目すると、図12に示すように2値化データは図9に示したCIS70の2値化データ同一となり、同様の制御方法でバーコードBCからIDを読み取ることが可能であることが分かる。
給紙制御部200は、封筒Pfの後端Pf1がレジストセンサ113に到達したこと(レジストセンサ113がON→OFF)をトリガに、レジストセンサ113からCIS70までの距離L3をステッピングモータである中間搬送モータ203のパルス数から測定する。封筒Pfの後端Pf1がCIS70を過ぎたタイミングでCIS70による2値化データの測定を完了する。その結果、ハードディスク80上には図13に示すようにデータが蓄積される。
給紙制御部200より制御部120へ2値化データの測定完了の通知が送信されると、制御部120は給紙制御部200に対して1画素目〜n画素目のデータを順々に送信していく。給紙制御部200は1画素目を読み込み、IDが認識されれば認識した旨を、IDが認識されなければされない旨を制御部120へ送信し、給紙制御部200がIDを認識するまでIDの認識作業を続ける。IDの読み取りが完了した後、給紙制御部200は、IDの読み取り完了を制御装置120へ送信し、封筒Pfを停止させ、制御装置120からの指示を待つ。また、給紙制御部200が1〜n画素目の全ての2値化データを読み取ってもIDが読み取れない場合は、IDの読み取りエラーを制御装置120へ送信し、封筒Pfを給紙トレイ22へ排紙する制御を行う。
ここでは、バーコードBCの位置情報がない場合の例を述べたが、後述するバーコードの位置情報が制御部120より給紙制御部200へ送られてくる場合は、CIS70の分解能と読み取り線速VconstよりバーコードBCの位置が判明するため、転送されるデータを大幅に少なくすることができ、生産性の向上を図ることが可能である。
封筒Pfへの封入文書の設定は、例えばパーソナルコンピュータPCから実行され、封筒Pfへの封入文書は、パーソナルコンピュータPCから制御装置120を通してハードディスク80へ登録される。
図14ないし図19は、本実施形態に係る画像形成システムにおけるPCのプリンタドライバの印刷画面群を示す図である。
任意の封入したい文書の印刷を選択すると、PC画面上に図14に示す画面301が表示される。画面301上のタブ302によって、例えば、基本設定、初期設定、仕上げ方法、スティプル方法などの様々な印刷設定を選択できるようになっている。ただし、ここでは「基本」以外の項目に関しては本発明とは関係が薄いので省略する。タブ302の「基本」上で封入文書の蓄積設定を行うことができる。
まず印刷方法として選択肢303で「封入文書の蓄積」を選択する。矢印304を選択すると数種類の印刷方法が画面に表示されるので、その中から所望の印刷方法を選択する。選択肢303では、「封入文書の蓄積」以外に「通常印刷」「お試し印刷」などの設定が選択可能となっており、封入文書として蓄積せずに、通常の印刷モードへの遷移も容易に行うことが可能となっている。
封入文書の印刷設定として、選択肢305でカラー、白黒印刷の選択、選択肢306で文書の折り処理(例えば2つ折り、Z折り設定など)の選択、選択肢307で原稿サイズの選択(必要であればその下のチェックボックス308で「変倍」にチェックすることで、その下の灰色で記載されている変倍詳細設定を設定可能となる)、選択肢309で用紙の原稿方向を「縦」「横」のいずれかの選択、を行う。これにより封入文書の印刷設定が行われる。
封入文書設定は図15の画面313上で行う。これは、図14の画面301上のボタン310「蓄積文書の詳細」を選択することで表示される。画面313上ではID、文書名、宛名、宛先などの封入文書設定を記入することが可能となっている。記載されたそれぞれの内容は、選択肢314「はい」を選択することによって確定し、図示しないPC上のRAMへ封入文書設定が一時保存される。選択肢315「キャンセル」を選択すると、画面313は消え、画面301へ戻る。
各印刷設定が終わったのであれば画面301上のボタン311「OK」の選択によって図16に示す封入文書の蓄積モードの確認画面318へと移る。また、ボタン312「キャンセル」が押されると何も実行されずに、画面301も消える。
確認画面318(図16)では、封入文書の蓄積と封入の選択が可能となっている。ボタン319「はい」が押されると、画面318は消え、図17に示す封入モードの選択画面322へと遷移する。ボタン320「いいえ」が選択されると文書の蓄積のみが開始され、画面301、画面318は消える。ボタン321「キャンセル」が選択されると封入文書蓄積がキャンセルされ、画面318が消え、画面301へと戻る。
図17に示す画面322は封入モードの選択画面である。封入モードには、封筒PfのIDと封入文書のIDの名寄せを行う名寄せ封入モードと、封筒と封入物の関係が1:1のものを複数部印刷する通常の封入モード(ここでは連続封入モードと呼ぶ)の2種類のモードがある。ここで、画面322において、ボタン323「はい」が選択されると、名寄せ封入モードが選択され、画面313上のIDが記載されているかどうかをRAM上で確認する。名寄せ封入モードでは封筒Pf上のバーコードBCで読み取ったIDと封入文書のIDの一致が必須であるため、IDは必ず記載しなければならない。よって、RAM上にIDが記録されていない場合はユーザに対してIDの記入を促す図18の警告画面316を表示する。警告画面318でボタン317「OK」が選択されると、画面316の画面は消え、名寄せ封入モードは行われない。そして、IDがRAM上に記録されていることが確認された場合のみ、文書の蓄積(画像データ、印刷設定、封入文書設定がPCから画像形成システムへ転送、ハードディスク80に記録)とのみ名寄せ封入モードの両方が行われる。
画面322においてボタン「324」が選択されると、図19に示す画面326が表示され、連続封入モードの作成部数選択画面が表示される。画面322において、ボタン325「キャンセル」が選択されると連続封入モードと封入文書の蓄積のキャンセルを行われ、画面322が消え、画面301へと戻る。
作成部数選択画面326ではボタン327の上下キーにて作成部数を選択することができ、ボタン328「OK」で連続封入モードの確定がされる。ボタン329「キャンセル」が選択されると連続封入モードと封入文書の蓄積がキャンセルされ、画面326が消え、画面301へと戻る。
図20ないし図23はOP104から名寄せ封入モードを実行する際のOP104の表示操作画面を示す図である。
図20のOP104上の画面330には、画像形成システムのシステム機能の一覧が記載されている。システム機能としては「コピー」「プリンタ」「ドキュメントボックス」「ファックス」など様々な機能があるが、本実施形態ではその中の「名寄せ」機能を用いる。
図21は図20の画面330からボタン331「名寄せ」が押されているときのOP104の表示状態を表す図である。「名寄せ」機能を実施する名寄せ封入モードは、図20の画面330でタブ332「封入」で選択することが可能となっており、本実施形態では他のタブを選択することによって、「中綴じ」「端綴じ」の機能が使用可能となっている。
図20において、OP104上には、前述したPCよりデータ転送された封入文書の一覧が「ID」「文書名」「ページ数」情報と共に表示されている。ボタン333「ID」、ボタン334「文書名」、ボタン335「ページ数」を押すと、それぞれ「ID」「文書名」「ページ数」にて昇順降順ソート可能になっている。デフォルトは「ID」の降順となっており、ボタン334「文書名」、ボタン335「ページ数」を押すと、それぞれ「文書名」「ページ数」の降順にソートされる。また、同じボタンが押されると昇順→降順→昇順→・・・を繰り返す仕様となっている。図20の画面330に表示されているのは、はデフォルトの「ID」降順である。
本実施形態では、画面330において、ボタン336「次へ」、ボタン337「前へ」を押下すると、ページ単位で(ここでは7文書毎に)文書が切り替わり、表示しきれない封入文書をソートされた順序で見ることができる。
ボタン338にはID別の各種情報が記載されており、ボタン338を押下すると選択された封入文書が「選択状態」となり、別の封筒文書のボタン338を押下するとその文書は「選択状態」となるが、前に「選択状態」であったボタン338は「非選択状態」となる。つまり必ず1つの封入文書が選択状態となっている。デフォルトは一番上の封入文書であり、IDの最も小さい値のものが選択される。ただし、前述したようにボタン333,334,335を押下することによってソート可能であるので、いずれが選択されるかはソート状態によって変わる。
画面330からボタン339「詳細」を押すと、ボタン338によって選択された封入文書の詳細が図21に示すように表示される。封入文書詳細の内容は、「ID」「文書名」「ページ数」「宛名」「宛先」「カラーモード」「折り処理」である。図21において、ボタン340「閉じる」を押下すると、OP104は図20に示される表示へと戻る。
画面330において、ボタン341「スタート」を押下することにより名寄せ封入モードが開始される。ただし、封入文書が1件も登録されていない場合、あるいはIDの登録された文書が1件も存在しない場合は、ボタン341「スタート」はグレーアウトされており押下することができないようになっている。また、封筒が給紙部4にセットされていない場合は、ボタン341「スタート」を押下の後、ユーザに図22に示すような封筒のセットを促す警告画面342が表示される。封筒の有無は、前述したように、封筒セットセンサ105により制御部120に送信されている。
また、「名寄せ」機能全体としての文書数、各機能別の文書数、残メモリ(ハードディスク80)数は、OP104の右下に表示されている。
以上説明したようにしてOP104上から名寄せ封入モードを開始することができる。その際、封筒と封入物の関係が1:1のものを複数部印刷する連続封入モードで封筒処理を行うことも可能である。この場合には、図23の名寄せ文書設定画面330からボタン343「連続印刷」を押下すると、ボタン343「連続印刷」が「選択状態」となり、その下の「部数」を設定することが可能となる。連続封入モードでは「ID」がなくともボタン341「スタート」を押下して印刷が可能である。
[封筒の封入装置]
図24は、封筒を封入する封入装置の要部を拡大し、その詳細を示す図である。同図において、用紙後処理装置としてのSSP装置3は、図2に示す装置本体1から画像が形成されて排出される用紙あるいは封筒Pf等を前述したように排紙トレイ22に排出し、あるいはその用紙等を選択される内容に応じて仕分けして多段に配置されている各ビン35上に排出し、さらにスティプラ47で排出された用紙等を綴じ、さらに、それを封筒Pf内に送り込むという機能を有する。
SSP装置3は、用紙を積載する複数の用紙積載ビン35と、装置本体1から排出された用紙等を排紙トレイ22上に排出する横搬送路41と、その横搬送路41に設けられている切換爪21によって下方へ向けて案内された用紙等を下方へ搬送する縦搬送路42と、その縦搬送路42へ送り込まれた用紙をビン35上へ選択的に排出するSSPユニット40等によって構成されている。
SSPユニット40は、後述するモータと上下のプーリとその間に張設される駆動ベルトとからなる昇降装置43(図3参照)によって各ビン35間を昇降する。SSPユニット40は装置本体1内で画像が形成された用紙Pを各ビン35に仕分けして排出する仕分排出手段となるソートガイド部44と、その下方に設けられ、ビン35上の用紙Pを封筒チャック部45によって保持される封筒内に搬入する手段であるパックユニット46と、そのパックユニット46に一体に取り付けられているスティプラ47等によって構成されている。
縦搬送路42は、上下に設けた一対のプーリ49(図24では下方側は見えない位置にある)間に回動可能に張設された搬送ベルト48等によって構成され、搬送ベルト48に接するように繰り出しベルト50が設けられている。繰り出しベルト50は、一端がSSPユニット40のフレーム51の上端に固定され、他端側は装置本体1の固定部に回転可能に取り付けられている巻き取りローラ52に固定され、当該ローラ52の矢示B方向への回転によって繰り出しベルト50が巻き取られるようになっている。
巻き取りローラ52は、常に繰り出しベルト50を巻き取る矢示B方向にバネ(図示せず)によって弾性付勢され、SSPユニット40が上下方向に移動するのに合わせて繰り出しベルト50を繰り出し、あるいは巻き取って繰り出しベルト50に常に所定の張力を付与し、繰り出しベルト50が弛むことなく搬送ベルト48との間で縦搬送路を形成するようにしている。
なお、SSP装置3は、用紙後処理装置として機能するため、SSP装置3に代えて端綴じ装置あるいは中綴じ装置とすることもできる。端綴じ装置は用紙束の端部をスティプル綴じする機能を有する公知のものであり、中綴じ装置は2つ折りの折り目でスティプル綴じし、綴じ後に中折りして2つ折りの簡易製本とする公知のものである。両者はいずれも公知の装置のため、ここでは詳細な説明は省略する。
[ソートガイド]
図25ないし図27はソートガイドについて説明するためのもので、図25はソートガイドの要部斜視図、図26は仕分け時の動作説明図、図27は封筒チャック部への搬送時の動作説明図である。
ソートガイド部44は、用紙Pを各ビン35に仕分け(ソート)するための装置であり、板状部材を共に弧状に形成した一対のソートガイド53,54の下端付近に回動部(軸)53a,54aをそれぞれ形成し、各回動部53a,54aよりも上側の各可動ガイド部分を矢示C方向に回動可能にすると共に、各可動ガイド部分にソレノイド55の可動軸を取り付け、ソレノイド55をオン状態にしたときに前記可動ガイド部分が図24において2点鎖線で示す位置に移動するようにしている。
ソートガイド対53,54の回動部53a,54aよりも下側の各端部は、フレーム51にそれぞれ固定され、フレーム51に形成した切欠溝内に排紙ローラ対56がソートガイド対53,54と干渉することなく挿入されている。
下側のソートガイド54には、図25に示すように装置の前後方向に略等間隔に配設されている複数本の各搬送ベルト48と干渉しないように切り欠かれた切欠き溝54bが形成され、各搬送ベルト48は対応する切欠き溝54b内をソードガイド54の影響を受けることなく駆動される。従って、ソートガイド54が図24の実線で示す位置にあるときでも搬送ベルト48は、ソートガイド54と干渉することなく回動する。
ソートガイド部44は、用紙Pを各ビン35に仕分けするときは、図26に示すようにソレノイド55がオフ状態のままであるため、縦搬送路42の搬送ベルト48によって下方へ搬送されてきた用紙Pは図示の位置にあるソートガイド対53,54の間に送り込まれ、両者によってガイドされ、さらに排紙ローラ対56によって搬送され、指定されたビン35上に排出される。
また、縦搬送路42へ搬送された用紙が封筒であり、それを封筒チャック部45へ搬送するときには、ソレノイド55がオン状態になり、ソートガイド対53,54は共に図27に示す位置に回動部53a,54aを中心に回動する。これにより、ソートガイド対53,54は、縦搬送経路42内から待避し、下側に位置するソートガイド54の背面(下面)と搬送ベルト48とによって封筒を下方へ搬送する搬送経路が形成される。その結果、縦搬送路42を下方へ搬送される封筒Pfは搬送ベルト48によって封筒チャック部45へ搬送される。
[封筒チャック部]
図28ないし図31は封筒チャック部について説明するためのもので、図28は封筒Pfが封筒チャック部に搬送されたときの状態を示す図、図29は封筒PfのフラップPfc部がチャックコロ対部に位置している状態を示す図、図30は封筒Pfを開封するときの状態を示す図、図31は図30の状態から逆方向に搬送した封筒の開封時の状態を示す斜視図である。
封筒チャック部45は、図28に示すように上、下方向に互いに圧接して回転可能な一対のチャックコロ59,60(ローラであっても良い)と、このチャックコロ対59,60のニップ部に封筒Pfを案内する一対の封筒ガイド57,58と、チャックコロ対59,60のニップ部の搬送上流側に配設された封筒検知用センサ62と、下側のチャックコロ60の一部に当接し、弾性変形可能なシート状の開封部材となる開封マイラ61とから主に構成されている。そして、これらの部品がユニット状態でフレーム51(図24参照)に取付けられ、ソートガイド部44と共に上下動する。
開封マイラ61は、例えば薄いフィルム状の樹脂材で形成され、チャックコロ対59,60によって保持される封筒Pfの開口部内に一部を挿入させることによって封筒を開封し得る位置に配設してある。
チャックコロ対59,60は、略鉛直(垂直)方向に配置され、封筒Pf等を含む郵便物や用紙等が搬送されるときには互いに圧接して回転可能状態にある。また、封筒ガイド対57,58は、封筒Pfを縦搬送路42から用紙が移送される位置へ案内してチャックコロ対59,60のニップ部へ導くと共に、そのチャックコロ対59,60に達した封筒Pfをさらに下方へ導き、その際に封筒Pfを下側のチャックコロ60に略沿わせて案内する。なお、チャックコロ対59,60は、図示しないニップ解除/加圧機構によって、ニップ圧を付与したりそれを解除したりすることが可能となっている。
開封マイラ61は、例えば薄いフィルム状の樹脂材で形成され、チャックコロ60に近接して配設されている。開封マイラ61の上端側は固定され、通常は下端部より少し上側の部分を下側のチャックコロ60にマイラ自身が材料の特性として有する自身の弾性力によって所定の加圧力で当接している。しかし、用紙を封筒内へ案内する際には 図30に示すようにマイラ61の下端61a側を封筒Pfの開口部Pon内に挿入し、パックユニット46によって搬送される用紙Pをその開口部Pon内に導く。
この封筒チャック部45は、図27に示すように封筒Pfが搬送ベルト48によって下方へ向けて搬送されてくると、それを封筒ガイド57,58によってチャックコロ対59,60間に案内する。次いで、その封筒Pfは、図27の矢示方向にそれぞれ回転するチャックコロ対59,60の搬送力によってチャックコロ60と開封マイラ61の間へ 図28に示すように送られる。そして、封筒Pfのフラップ(封筒代)Pfcの部分が 図29に示すようにチャックコロ対59,60によって互いに挟持される位置まで搬送され、センサ62がフラップPfcの端部Pf1の通過を検知すると、チャックコロ対59,60は回転を停止し、これに伴い封筒Pfの移動も停止する。このとき、封筒Pfの開口部Ponは図29に示すように開封マイラ61の下端61aよりも下側に位置する。この位置は、封筒Pfの縦サイズに合わせて封筒Pfの所定量の送りにより設定される。
この状態からチャックコロ対59,60が矢示E方向にそれぞれ逆回転を始め、封筒Pfがスイッチバックして縦搬送路42を昇るようになる。その際、開封マイラ61は自身の弾性力によって下端側が封筒のフラップPfcの部分に接しているので、その開封マイラ61の下端61aが図30に示すように封筒の開口部Pon内に入り込む。この状態で、チャックコロ対59,60の逆回転が停止して封筒Pfの上昇が止まる。その結果、封筒Pfは、図31に示すように開封マイラ61の下端61aが封筒Pfの開口部Pon内に挿入された開封状態にセットされる。
[パックユニット]
図32ないし図36は、パックユニットの一例について説明するためのもので、ビンの斜視図、図33はビンを搬送方向から見た側面図、図34はパックユニットの主要部を示す斜視図、図35はパックユニットの調整機構とチャックコロの駆動機構を示す平面図、図36は図35の駆動機構を示す斜視図である。
これらの図において、パックユニット46は、図24に示すように上パック部63と下パック部64とからなり、その上パック部63に上コロ65が、下パック部64に下コロ66がそれぞれ回転可能に取り付けられている。また、前記上下のパック部63,64の同図における右端側には、上下一対の挿入ガイド67,68を揺動可能に取り付けられ、両者は弱いバネによって先端側が互いに接近するように付勢されている。これにより束状の用紙Pが挿入ガイド67,68間を通過する際には両者が押し開かれて用紙Pが大きな抵抗を受けることなく搬送される。
各パックユニット46は、図32に2点鎖線で示すように、ビン35を挟むように装置の前後に一対設けられ、ビン35の後端側(図示右方)に形成されているビンフェンス35aを切り欠いた両側の切欠部35b,35c内を後述する機構によって上下方向に移動可能となっている。これにより、図33において実線で示すように、ビンフェンス35aの両側の一対の各上コロ65と下コロ66との間でビン35上の用紙Pを挟持可能な構成としている。
また、各パックユニット46は、図24に示すパックブラケット69に取り付けられ、パックブラケット69の軸71を支点にして同図に2点鎖線で示す位置までパックブラケット69と共に矢示F方向に揺動可能となっている。さらに、一対のパックユニット46は、図示しないラックとピニオンを用いた機構によって互いに接近離間可能に設けられ、図32に示すビン35の切欠部35b,35cから外側に退避し、あるいは接近したりできるようになっている。さらに、図24に示す上下のパック部63,64の間が閉じたり開いたりすることによって上コロ65と下コロ66とが互いに接近・離間するようにもなっている。
また、パックユニット46,46は、用紙Pがビン35上に排出されるとその度に用紙Pを両側縁から挟むように接近して用紙を中央基準に位置決めするサイドジョガーの機能も備えている。さらに、パックユニット46,46は、中央に寄せた用紙を、上,下のコロ65,66を互いに接近させて両者間に挟持し、それをビンフェンス35a側に寄せる方向に上、下コロ65,66をそれぞれ回転させ、用紙の端部をビンフェンス35aに突き当たるまで寄せて用紙の端部を揃える役割、すなわちエンドジョガーとしての機能も有する。
図34に示すように、上コロ65は、上パック部63に内蔵されていて、その下側の部分のみを露出させている。また、下コロ66は、下パック部64に内蔵されていてその上側の部分のみを露出させている。上パック部63は、側面の一部を突出させてそこに雌ネジ部63aを上下方向に形成し、その雌ネジ部63aに上下送りネジ72を螺合させている。
上下送りネジ72の下端には、ウォームホイール73が固定され、そこに正逆転可能なモータ74の回転軸に固定したウォーム77が図35にも示すように噛合している。なお、図34では図示を省略しているが、上下送りネジ72は下パック部64に回転自在に軸支されている。従って、モータ74を正逆両方向に回転させると、上パック部63が上コロ65と共に上下動する。
上コロ65は、図35及び図36に示すように、回転軸75Aの一端に固定されており、その回転軸75Aが上パック部63に回転可能に取付けられている。同様に、下コロ66が図36に示すように、回転軸75Bの一端に固定され、それが下パック部64(図24参照)に回転可能に取り付けられている。
図36に示すように、回転軸75Aの他端にはギヤ76が、下側の回転軸75Bの他端にはギヤ78がそれぞれ固定されている。ギヤ76は、中間ギヤ79に噛み合い、その中間ギヤ79が駆動ギヤ81に噛み合っている。一方、下コロ66側のギヤ78は、中間ギヤ82に噛み合い、その中間ギヤ82がさらに中間ギヤ83に噛み合って、さらにその中間ギヤ83が駆動ギヤ81に噛み合っている。そして、駆動ギヤ81がチャックモータ84の出力軸に固定されている。なお、ギヤ76とギヤ78は歯数を同じにしているため、チャックモータ84の回転によって常に同一の回転数で互いに逆方向に回転する。
図37及び図38は、パックユニットの他の例について説明するためのもので、図37はパックユニットに設置されているスティプラの構成を示す図、図38はパックユニット46を移動させる駆動系を示す斜視図である。
パックユニット46には、図35に簡略化して示すように、スティプラ47がビンフェンス35a(図24参照)寄りに一体に取り付けられている。そのスティプラ47は、図37に示すスティプルモータ10と図示しない減速ギヤによって連結された軸17を中心にして回転する偏心カム18の回転によって針打部19を打ち降ろし、針出口38に移動されて打ち出された綴じ針20を用紙等に打ち込んで、その針の先端を針曲座29によって折り曲げてスティプル動作を完了させるものである。
綴じ針20の針出口38への移動は、送り出しベルト37の回動によって行われる。送り出しベルト37は、スティプルモータ10の回転力が図示しない減速ギヤを介して伝達される送り出しプーリ34とプーリ39との間に張設されている。
図38に示すように、上下のコロ65,66をそれぞれ支持する回転軸75A,75Bは、共にパックブラケット69の鉛直面である垂直面に形成した垂直ガイド溝69a内に遊嵌され、移動可能である。回転軸75Aのコロ固定側とは逆側の端部に固定されるギヤ76に噛み合う各ギヤ群、すなわち中間ギヤ79と駆動ギヤ81とがギヤ76と共に上ギヤ支持板85に回転自在に支持され、駆動ギヤ81からの回転力がギヤ76にスムーズに伝達されるようになっている。
また、下側の回転軸75Bのコロ固定側とは逆側の端部に固定されるギヤ78に噛み合う中間ギヤ82,83と駆動ギヤ81とが、同様にギヤ78と共に下ギヤ支持板86に回転自在に支持され、駆動ギヤ81からの回転力がギヤ78にスムーズに伝達されるようになっている。駆動ギヤ81は、図36に示す正逆転可能なモータ84によって正逆両方向に回転駆動され、駆動ギヤ81の中心部分を固定支持する軸87がパックブラケット69に形成した水平ガイド溝69b内に遊嵌され、移動可能となっている。
これにより、パックユニット46は、パックブラケット69に取り付けられているモータ74(図34参照)を回転させると、上下送りネジ72がウォーム77、ウォームホイール73を介して回転し、その上下送りネジ72に雌ネジ部63aが噛み合う上パック部63が上下動することとなる。
この際、ギヤ76が上昇した場合には、そのギヤ76と駆動ギヤ81は上ギヤ支持板85によって連結されているので、駆動ギヤ81は水平ガイド溝69b内を矢示G方向に移動し、それに伴って下ギヤ支持板86によって駆動ギヤ81と連結されている下側のギヤ78が垂直ガイド溝69a内を下方へ移動して、回転軸75Bが下コロ66と共に下降する。また、モータ74が、上パック部63が下降する方向に回転した場合には、上記の場合と逆に、上下のギヤ76,78が互いに接近して駆動ギヤ81が矢示Gと反対方向に移動する。
パックユニット46は、パックブラケット69の下部に設けられた孔に、軸71が水平方向から挿入され、パックユニット46全体が前記軸71に沿って矢示K方向に移動可能に構成されている。対向する他方側のパックユニット46(図33参照)も同様の構成で移動可能に設定されている。前記軸71は、両端(図38では一端側のみ図示しているが、他端側も同様である。)が移動フレーム91に固定されている。この移動フレーム91は、SSP装置3の装置本体固定部に垂直(鉛直)に固定されるガイドロッド92に、移動フレーム91の両端に形成された張出部91aの孔部91bが上下動可能に挿入されていて、その張出部91aの一側縁がSSP装置3の装置本体固定部に回転可能に取り付けられている昇降装置43を構成する上下のプーリ94(図24では上側のみ図示)間に張設される駆動ベルト93の一部に固定されている。
従って、パックユニット46は、駆動ベルト93を正逆両方向に回動させることによって、移動フレーム91と一体で上下移動し、その移動フレーム91には図10で説明したソートガイド部44と封筒チャック部45もフレーム51を介して(直接であっても良い)取り付けられているので、それらが全て一体で上下移動する。また、パックユニット46は、パックブラケット69が軸71を支点として図24の矢示F方向に2点鎖線で示す位置まで所定角度回動(揺動)可能となっている。
パックブラケット69を揺動させる機構としては、例えばモータの回転軸に固定した回転板に連結されて直線運動するリンクロッドの一端をパックブラケット69にボールジョイント等を使用して連結し、そのリンクロッドを移動させることによって、パックブラケット69を、軸71を支点にして回動させる機構、あるいは、軸71のパックブラケット69が移動する範囲の全てにスプラインを形成し、その軸端にスパーギヤを固着してそのギヤに駆動力を伝達して軸71を回転させることによってパックブラケット69を回動させる機構等が採用される。これらの機構は、当業者であれば容易に構成できる。
なお、パックユニット46の図38における矢示K方向への移動は、移動フレーム91内の両端に回転可能に取り付けたプーリ95(図38では一方のみ図示)間に張設した駆動ワイヤ96によって行われ、そのワイヤ96の一部がパックブラケット69の下端部に固定されていて、そのワイヤ96が図示しないジョガーモータによって正逆両方向に回動されるようになっている。
[上下コロ]
図39ないし図42は上下コロを説明するためのもので、図39は上コロ65を装置正面側から見た図、図40は上コロ65の斜視図、図41は下コロ66を装置正面側から見た図、図42は用紙搬送状態を示す図である。
上コロ65は、図39に示すように回転軸75Aの外周に筒状のゴム97が固着され、外径がD1のローラ状に形成され、この筒体のさらに外周部分に所定幅の環状のウレタン98が図40に示すように所定間隔で複数個巻き付けて固定されたものである。下コロ66は、図41に示すように回転軸75Bの外周に筒状のゴム99が固着され、外径がD2のローラ状に形成されている。上コロ65の外径D1と下コロ66の外径D2は略同一であり、所定の条件のときに各コロ65,66の中心から紙面までの距離(半径)R1,R2がR1=R2となるように前記上下のコロ65,66の外径D1,D2が設定されている。
所定の条件とは、図42に示すように、用紙Pを搬送するときは上コロ65と下コロ66は互いに接近する方向に移動して、所定の圧力が用紙Pに加わるような「送り出しモードポジション」に位置決めされて用紙Pを矢示方向に搬送し、用紙Pに上コロ65のウレタン98の部分が圧接して変形したときの状態である。すなわち、このときの上コロ65の半径R1と下コロ66の半径R2が、R1=R2の関係となるように上下のコロ65,66の外径D1,D2がそれぞれ設定されている。
ところで、上コロ65と下コロ66のポジションには、前述した「送り出しモードポジション」の他に「寄せモードポジション」がある。この各ポジションは、図34の上パック部63と下パック部64の位置で決まり、この位置はモータ74の回転量によって決定される。なお、「寄せモードポジション」と「送り出しモードポジション」はビン35上にある用紙の枚数によってその都度異なるが、その用紙の枚数に対応したモータ74の回転量をその都度給紙制御部200のROMに記憶させてある用紙枚数と回転量との関係を示したデータ(テーブル)を読み出し、用紙枚数に応じて回転量を設定することによって常に最適なポジションが得られる。
[封入機構]
図43及び図44は封入機構を説明するためのもので、図43はビン35から用紙を排紙するときのビン35とパックユニット46との関係を示す図、図44は開封された封筒に用紙を封入するときの状態を示す図である。
封入機構は、封筒内に郵送可能な内容物を封入するための機構であり、例えば印刷された用紙が封入される。ここでは、封入される内容物として用紙を例にとって説明する。一対のパックユニット46は、封筒内に用紙を挿入ないし封入するパックモード(以下、「封筒詰めモード」ともいう)が選択されると、それらが互いに図33に示す位置でモータ74(図34参照)が回転することによって上下のコロ65,66が接近し、その間に用紙P(スティプル綴じされているときには用紙束の状態)を挟み込んで固定する。
次いで、図38に示す駆動ベルト93が矢印M方向に回転駆動され、パックユニット46が矢印M方向に上昇し、その挟持した用紙Pの下面が図43に示すように、ビン35のビンフェンス35aの上端を越える位置になると、その上昇が停止する。
その後、図44に示すように、パックユニット46は軸71を中心にして回動し、先端側の挿入ガイド67,68が、図30及び図31で説明したように、封筒チャック部45で開口部Ponが開かれた状態にある封筒Pfの開口部Ponまで移動し、挿入ガイド67,68が開封マイラ61の上部又は封筒の開口部Pon内まで移動する。この状態で、パックユニット46の上コロ65と下コロ66が図44の矢印方向(送り出し方向)にそれぞれ回転することによって図45に示すように上下のコロ65,66間に挟持している用紙P先端がマイラ61とチャックコロ60側の封筒(表側)の用紙との間に位置し、用紙Pは封筒Pf内へ挿入される。
このように、本実施形態では、封筒Pfを、用紙が移送される位置へ封筒ガイド57,58によって案内し、案内された用紙をチャックコロ対59,60によって保持し、その保持状態にある封筒Pfの開口部Pon内に開封マイラ61の下端61a側を挿入して開口部Ponを開放状態とした後、パックユニット46によって移送される用紙Pを封筒Pfの開口部Pon内へ挿入することができる。
[収納キャリア]
図46ないし図49は収納キャリアを説明するためのもので、図46は収納キャリア全体の外観を示す斜視図、図47は内部構成の概略を示す図、図48は縦ビンの移動構造を示す斜視図、図49はアームのスライド構造を示す要部正面図である。
収納キャリア100は封筒Pfを収納するもので、図46に示すように全体が箱状のケース130で覆われ、上面には用紙が中に詰められた封筒Pfを挿入するための挿入口131が設けられている。ケース130の上面の一端には、取手102が取り付けられ、下面には4個のキャスタ103が配置され、収納キャリア100全体をSSP装置3本体から離脱できるようにしてある。また、ケース130の上面には上取出口138が、前面には前取出口134がそれぞれ設けられ、封入後の封筒Pfをその各取出口138,134から容易に取り出せるようにしてある。
一方、図47に示すように、ケース130の右側の側面には、上下にロック機構135,136が、また、上部にコネクタ145がそれぞれ配置され、収納キャリア130を図47に示すようにSSP装置3本体の所定の位置に装着したとき、上下のロック機構135,136が封筒給紙装置4によってロックされると共にコネクタ145がSSP装置3本体側のコネクタに連結され、電気的に接続されるようになっている。
収納キャリア130内には、垂直方向にやや傾斜して矢示N方向に移動可能な縦ビン137が複数枚設けられており、そのうち挿入口131の位置に移動している縦ビン137上に挿入口131から挿入された封筒Pfが図47に示すように受け入れられ、積載される。
図48に示すように、各縦ビン137には、下側に底板部137aがそれぞれ形成され、正面視略L字状になっており、底板部137aによって受け入れた封筒Pfの下端部を受け止め。側面部との間で保持するようになっている。底板部137aの下側両端にはアーム143がそれぞれ取り付けられ、図49に示すようにアーム143の先端に形成したスライド孔143aに1つ前の縦ビン137のアーム143をスライド可能に順次遊嵌し、各縦ビン137を接近させたときに各縦ビン137が互いに略密着し、離間させたときに各縦ビン137がアーム143の先端のスライド孔143aのスライド限まで移動してその各縦ビン137が所定の間隔まで開くようになっている。
このスライド動作は、プーリ139,140、両者間に張設されたベルト141及びモータ142からなる駆動機構によって行われる。すなわち、図48に示した最左端の縦ビン137のアーム143の下側が、ビン移動装置となるプーリ139,140間に張設したベルト141に固定されており、コネクタ145を介して送られてきた指示信号に基づいてモータ142の駆動が制御され、ベルト141に固定された縦ビン137は1ジョブ毎に2番目,3番目の順に順次挿入口131の直下の位置となる封筒受入れ位置に移動する。これにより各縦ビン137は前記封筒受け入れ位置で封筒Pfを受け入することができる。
この収納キャリア130内への封筒Pfの搬送は、本実施形態では図28−2に示す封筒チャック部45のチャックコロ対59,60を回転させることによって行われる。すなわち、この実施形態では、封筒チャック部45は用紙束が入った封筒Pfを収納キャリア130へ搬送する封筒搬送手段を兼ねている。
[封入モード]
図50ないし図55は封入モードについての説明図で、図50ないし図54はOP104の封筒状態一覧の表示選択画面、図55は名寄せ封入モード及び連続封入モードの制御手順を示すフローチャートである。
封入モードは本実施形態では、名寄せ封入モード及び連続封入モードの2つのモードが設定されている。本発明の特徴である名寄せ封入モードでは、SSP装置3は、封筒Pfの給紙タイミングが封入文書群の先でも後でもどちらでも可能な封入機となっているが、ここでは先に封筒Pfを入れる例を示す。
パーソナルコンピュータPCあるいはOP104から名寄せ封入モードが決定されると、制御部120から給紙制御装部200へ封筒の給紙命令が送信される。給紙命令を元に、給紙装置4は封筒Pfの給紙を始め、CIS70の位置で封筒Pfを停止させ、CIS70でバーコードからIDを読み取る。読み取ったIDを給紙制御装部200から制御部120へ送信し、制御部120でハードディスク80内の同じIDを検索する。
同じIDが検索された場合、次に示すように封入制御を行う。
1)まず、制御部120は給紙制御装部200へ同じID(ここでは「5864025749889」とする)が検索された旨を送信する。
2)給紙制御部200はこの命令を受け、分岐爪101を給紙部4から横搬送路41へ搬送可能な状態にする。
3)その後、前述したように、封筒Pfは、切換爪21によって縦搬送部42に送られる。
4)今度はSSPユニット40のソートガイド53,54が図24において2点鎖線で示す位置に退避しているので、封筒Pfは搬送ベルト48によって下方に搬送される。
5)封筒Pfは封筒ガイド57,58によって封筒チャック部45のチャックコロ59,60の間に案内されて、図29及び図30に示したように開封状態になる。
6)給紙制御装部200は封入文書が封入可能状態となったことを制御部120へ送信し、同時に分岐爪101を画像形成装置本体1から横搬送路41へ搬送可能な状態にする。
7)この命令を受け、制御部120は同じIDの画像データをハードディスク内80から読み取り、その画像データを用紙に次々と印刷し、用紙群をSSP装置3へ搬送する。
8)同じIDの最終用紙がSSP装置3へ排紙されるタイミングで、制御部120は給紙制御装部200へその旨を伝え、封筒の封入命令を伝える。同時に、スティプル処理の有無の情報も送信される。
9)SSPユニット40は第3ビン(最終ソート位置)35に位置しており、第3ビン(最終ソート位置)35上に積載された封入文書群をパックユニット46が図24(ユニットが第2ビンの位置に図示されている)に2点鎖線で示す位置まで回動することにより封筒内に挿入する。
10)その後、パックユニット46は元の位置(図24の実線位置)に戻り、封筒Pfはチャックコロ対59,60間に圧接保持されたままSSPユニット40が下降することにより下がって最下位置で停止する。
11)そこで、上下のチャックコロ59,60を回転させると、封入文書群が詰められた封筒が図47に示した収納キャリア100内に落下し、それが所定の縦ビン137に収納される。
12)収納と同時に給紙制御部200は制御部120に対して収納キャリア100内へ排紙した旨を送信する。
13)送信された情報に従い、制御部120は、OP104へ図50に示す表示351を行わせる。表示351には、ID、排紙先、排紙結果、封筒の状態がそれぞれ表示される。
14)封筒給紙装置4から給紙した封筒PfのIDをハードディスク80に記憶させたIDと対照し、同じIDが検索されなかった場合、あるいは封筒IDを読み取れなかった場合、その封筒Pfを排紙トレイ22(図2参照)へ排出し、ユーザへその旨を伝え、次の封筒PfのID読み取り動作へ移行するように制御する。これは、ユーザへの警告とともに、封筒給紙装置4上の次の封筒Pfをすぐさま封入制御へ移行し、生産性を向上させるためである。
図55は封入モード(名寄せ封入モード及び連続封入モード)における制御手順を示すフローチャートであり、図55Aないし図55Dで1つのフローチャートを構成する。
図55Aでは、封入モードが開始されると(ステップS101:YES)、封筒給紙装置4から横搬送路41へ搬送可能な状態に分岐爪101を回動し(ステップS102)、名寄せ封入モードか否かをチェックする(ステップS103)。
名寄せ封入モードであれば(ステップS103:YES)、モードを名寄せ封入モードに設定し(ステップS104)、名寄せ封入モードでなければ(ステップS103:NO)、連続封入モードか否かをチェックし(ステップS105)、連続封入モードであれば(ステップS105:YES)、モードを連続封入モードへ設定する(ステップS106)。もし、ステップS105で連続封入モードでなければ、ステップS103に戻り、名寄せ封入モードから連続封入モードかが確定した時点で、前者ではステップS104で名寄せ封入モードに設定し、後者では連続封入モードに設定する。
ステップS104で名寄せ封入モードに設定された場合には、制御部120から給紙制御部200へ封筒の給紙命令を送信し(ステップS107)、封筒給紙装置4からの封筒Pfの給紙を開始する(ステップS108)。次いで、封筒PfのバーコードBCがCIS70の読み取り位置に位置するように封筒Pfの移動を開始し(ステップS109:YES,S110)、封筒PfのバーコードBCがCIS70の読み取り位置に位置すると(ステップS111:YES)、CIS70によってバーコードBCのIDの読み取りを開始する(ステップS112)。そして、読み取りが完了すると(ステップS113:YES)、CIS70で読み取ったID(ここでは「5864025749890」する)を給紙制御装部200から制御部120へ送信し(ステップS114)、制御部120でハードディスク80に記憶したID情報を参照し、同じIDを検索する(ステップS115)。
検索した結果、同じIDが存在しない場合(ステップS118:NO)、制御部120はその旨を給紙制御装部200に送信する(ステップS120)。給紙制御部200はこの命令を受け、切換爪21を排紙トレイ22側へ切り換え(ステップS145:図55D)、封筒Pfの排紙トレイ22への排紙が開始され(ステップS146)、同時に給紙制御部200は制御部120に対して排紙トレイ22へ排紙した旨を送信する(ステップS147)。送信された情報に従い、制御部120は、OP104へ図51に示す表示354を行わせる(ステップS139,S140)。表示354は表示351に対して上書きされるように表示されていく。
上記処理は封筒Pfと封入物との情報が連結(一致)しなかった場合のエラー処理である。また、このエラー処理に際して、一致しなかった場合の表示には、「登録文書なし」、及びIDとともに排紙先が「排紙トレイ22」と表示され、印刷された用紙(封筒に対応した封入物)が排紙トレイ22に排紙されていることが分かるようになっている。これにより、システムは停止することなく、次の処理に移行することができ、生産性の低下を招くことはない。
CIS70にてIDを読み取ることができなかった場合(ステップS113:NO,S116:NO)、給紙制御装部200はその旨を制御部120へ送信し(ステップS117)、切換爪21を排紙トレイ22側へ切り換え(ステップS145)、封筒Pfは排紙トレイ22へ排紙する(ステップS146)。同時に給紙制御部200は制御部120に対して排紙トレイ22へ排紙した旨を送信する(ステップS147)。送信された情報に従い、制御部120はOP104へ図52に示す表示355を行わせる(ステップS139,140)。以降、封筒Pfが給紙装置4からなくなるまで同様の動作を繰り返す。繰り返した結果はOP104上に図53の表示356のように表示される。表示356上へ記載しきれないIDに対してはボタン352,353のいずれかを押下することによって状態を確認することができる。
一方、ステップS118で同じIDが存在した場合(ステップS118:YES)、制御部120から給紙制御部200にIDが存在することを送信し(ステップS119)、切換爪21を縦搬送路42側に切り換える(ステップS122)1次いで封筒Pfの封筒チャック部45への搬送を開始し(ステップS122)、用紙Pの封筒Pfへの封入が可能な状態か否かをチェックし、封入可能である場合若しくは封入可能となると(ステップS123:YES)、制御部120から給紙制御部200に封入可能状態であることを送信し(ステップS124)、分岐爪120を画像形成装置本体1から横搬送路41へ搬送可能な状態に切り換え(ステップS125)、制御部120は同じIDの画像データの用紙Pへの印字を開始する(ステップS126,S127)。
印刷された封入文書群は最終ソート位置のビン(ここでは第3ビン)35上に積載され(ステップS130)、同じIDの最終用紙がSSP装置3へ排紙されたことが確認されると(ステップS131)、制御部120は給紙制御部200へ封筒Pfの封入命令を送信する(ステップS132)。次いで、同じIDの最終用紙が最終ビンである第3ビン35に排紙されたことが確認されると(ステップS133)、スティプル命令の有無を確認し(ステップS134)、スティプル命令があればビン上の封入文書群に対してスティプル処理を実行し(ステップS135)、スティプル命令がなければスティプル処理を行わないで、封筒Pfへ封入文書を挿入し、封をする(ステップS136)。
封入された封筒Pfは収納キャリア100に収納され(ステップS137)、給紙制御部200から制御部120に封筒Pfの収納キャリア100内への排紙完了を送信する(ステップS138)。その後、ステップS139,S140で、その旨、OP104に表示し、封筒Pfが給紙装置4からなくなるまで同様の動作を繰り返す。
一方、IDを意識せず給紙装置内にある封筒の全てに、特定の同じ封入文書を封入する連続封入モードでは、前述したようにパーソナルコンピュータPCあるいはOP104より連続封入モード(作成部数を10とする。)が決定されると、制御部120は給紙制御装部200へ封筒Pfの給紙命令を送信し、作成部数をRAM上のカウンタへ書き込む(ここでは10とする。)(ステップS103:NO、S105:YES、S106、S149→S107)。連続封入モードでは給紙命令に基づいて給紙装置4は封筒Pfの給紙を始め、CIS70の位置で封筒Pfを停止させることなく、かつCIS70にてIDを読み取ることなく、封筒PfをSSP装置3内部へと搬送する(ステップS108〜S130)。その後、封筒Pfを封入可能状態にし、選択された封入文書を封筒Pf封入し、収納キャリア100内へと積載する制御(ステップS131〜S137)は名寄せ封入モードと同一である。
その後、給紙制御装部200は、収納キャリア100内へ収納された旨を制御部120へと送信し(ステップS138)、この信号を受け、制御部120はカウンタ値を1減算する(カウンタ値は9;ステップS139:NO,142)。以降、制御部120から給紙制御装部200へ封筒Pfの給紙命令を出し、封筒Pfを封入する作業をステップS143からステップS107に戻ってステップS143になるまで実行し、ステップS142で減算したカウンタ値が0になるまで繰り返す。そして、カウンタ値が0になった時点で(ステップS104:YES)制御部120は給紙制御装部200への給紙命令を停止し、OP104上に図54に示す表示360を行わせる。この表示360から連続封入モードによって10部の処理が正常に完了したことが分かる。
[バーコード位置選択]
封筒PfとバーコードBCとCIS70間の関係は、図7に示したようにレイアウトされている。しかし、レイアウトという機械的な位置設定だけでは当該位置にバーコードが位置するような封筒とバーコード印刷位置の関係でしか所定の精度の読み取りは期待できない。そこで、本実施形態では、PCから制御装置120を通してバーコードの詳細位置を設定することができるようになっている。
図56及び図57は、バーコードの位置の選択画面を示す図である。このうち図57は図14に示した本画像形成システムにおけるプリンタドライバの印刷画面301と選択ボタンの表示状態を除いて同一である。任意の封入したい文書の印刷を選択すると、パーソナルコンピュータPC画面上に図56に示す画面301が表示される。この画面301から、まずバーコードの詳細位置設定方法としてボタン365「給紙用紙の詳細」を選択する。この選択によって図57に示す画面370が表示される。画面370では給紙用紙の種別(封筒、中綴じ表紙、端面綴じ表表紙、裏表紙など)を設定することが可能となっている。ここではタブ371にて「封筒」を選択する。すると画面370に示したように封筒の様々な設定画面が表示される。バーコードの位置はボタン372にて画面に表示されるX、Yの位置を指定することで設定が可能となっている。同時に封筒のマチの距離Zを指定することも可能である。また、バーコードBCの位置設定によって、画面表示されている封筒上のバーコードBCの位置も変わる仕組みになっており、ユーザが分かりやすい指定方法となっている。
封筒サイズは選択肢374によって複数のサイズから選択することが可能となっており、サイズ設定に従い、画面上の数値373及び画面上の封筒の大きさも変更される。また、封筒の給紙トレイ場所、バーコードの種別(1次元あるいは2次元)はそれぞれ選択肢375、376によって選択可能である。バーコードBCの位置設定が終わったのであれば画面370上のボタン377「OK」で封入文書の蓄積モードの確認画面361へと移る。また、ボタン378「キャンセル」が押されると何も実行されずに、画面370が消え、画面361へと移る。
図58及び図59は画像形成装置本体1のOP104の設定画面を示す図である。画像形成装置本体1のOP104上からバーコードBCの詳細位置を設定する場合には、図58のOP104上の画面380は「名寄せ」の「封入」を選択した図20と選択ボタンの表示状態を除いて同一の画面である。バーコードBCの詳細位置設定はボタン381「給紙詳細」を押下後に表示される画面385上で行う。画面385には封筒の様々な設定画面が表示される。バーコードBCの位置はボタン391、392操作により画面に表示されるX、Yの位置を指定することによって設定可能となっている。同時に封筒のマチの距離Zを指定することもボタン393から可能である。プリンタドライバとは異なり画面表示されている封筒上のバーコードBCの位置は変わらない。封筒サイズは選択肢388にて複数のサイズから選択することが可能となっている。ただし、画面385上の封筒の大きさは変更されない。また、封筒の給紙トレイ場所、バーコードBCの種別(1次元あるいは2次元)はそれぞれ選択肢389、390によって選択可能である。
バーコードBCの位置設定が終われば画面385上のボタン386「OK」を押下し、各種給紙詳細設定は図示しない画像形成装置内のRAM上へ保存され、画面380へと画面が切り替わる。また、ボタン387「キャンセル」が押されると何も実行されずに、画面380へと画面が切り替わる。
以上のように、本実施形態によれば、画像形成システムが用紙の識別情報を認識する情報認識手段と、識別情報に基づいて記憶手段に記憶されている印刷データを選択し、選択された印刷データに基づいて記録媒体に画像を形成する制御手段とを備えているので、オフラインで印刷した封筒に対し、その封筒に紐付けされた一意の印刷ジョブを封筒へ入れることができる。
その際、認識した識別情報の不一致や識別情報の読み取りエラーがあった場合でも、認識した印刷データを印刷して取り敢えず封筒に封入して処理を継続するので、生産性の低下を招くことはない。また、ユーザによって識別情報の位置領域を保存することが可能なので、封筒の大きさや形状に拘わらず適用可能となり、汎用性が高く、また、識別情報としてバーコードを使用した場合に、1次元若しくは2次元のバーコードをユーザが選択できるので、より広範囲に適用することが可能となる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想に含まれる技術的事項の全てが、本発明の対象となる。