以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(直流電源装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる直流電源装置の構成を示す図である。この図に示す直流電源装置101は、通常運転時には、n台の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを作動させて定電力特性を有する負荷RLに電力を供給しており、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nのいずれかが故障した場合に、充電兼予備ユニット(CH−U)を故障したユニットの代替のユニットとして使用する。
直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)それぞれの定格容量は、例えば、15.2KWであり、負荷RLは、例えば、100KWであり、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの台数は、例えば、7台である。この直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)は、商用電源EからのU相、V相、W相の3相交流(例えば、AC3相200V)を入力電源とする。なお、この図に示す例では3相交流を入力電源とするように構成してあるが、単相交流入力であっても本発明の直流電源装置101を構成することができる。
また、この直流電源装置101は、停電の際にも負荷RLへの電力の供給を継続できるように、蓄電池61を備える蓄電装置60を有している。停電により商用電源EからのAC入力が失われた場合は、蓄電池61からダイオードDX1を通して負荷RLに電力が供給される。また、この直流電源装置101では、充電兼予備ユニット(CH−U)が、予備の電源ユニットとして使用されるとともに、蓄電池61への充電器を兼ねている。
また、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの定格出力電圧は、例えば、380Vに設定され、充電兼予備ユニット(CH−U)の定格出力電圧は、例えば、374Vに設定される。すなわち、充電兼予備ユニット(CH−U)の定格電圧は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの定格出力電圧よりもやや低めに設定される。これは、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから負荷RLに出力電圧(380V)が供給されている場合は、ダイオードDX1に逆バイアス電圧が印加されるようにして、充電兼予備ユニット(CH−U)および蓄電池61を負荷RL側から切り離すためである。
この図1に示す直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)は、通常運転時(通常運転時)においては、ユニットの破損防止のために出力電流を所定の定格電流(100%連続定格電流)に制限する定電流垂下特性を有しており、後述する所定のトリガ条件(直流電源装置101の運転状態に応じて設定される条件)の発生時、例えば停電後の電源復旧時などのトリガ条件の発生時に、定電流垂下特性を一時的に定電力垂下特性に切り替えることのできるユニットである。なお、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)における垂下特性の切り替え動作は、後述する監視部81により制御されるものである。
(定電力垂下特性と定電流垂下特性についての説明)
ここで図1に示す直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)が有する定電流垂下特性と、定電力垂下特性について補足して説明しておく。図2は、定電力垂下特性と定電流垂下特性について説明するための図である。図2(A)では、横軸に出力電流Io、縦軸に出力電圧Voをとり、定電力垂下特性を示している。同様に、図2(B)では、定電流垂下特性を示している。なお、前述のように、定電力垂下動作は、停電後の復電時(および後述する所定のトリガ条件の発生時)において、定電力特性を持つ負荷に定格電流Imax0(直流電源ユニット(RF−U)の通常運転時の連続定格電流)以上の電流、例えば、図2(A)に示す電流Iaの電流を流す必要がある場合において行われる垂下動作である。一方、定電流垂下動作は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの通常運転時において、過電流制限のために出力電流Ioを定格電流Imax0に制限するために行われる垂下動作である。
図2(A)に示すように、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nは、定電力垂下動作では、負荷RLに定格電流Imax0以上の電流(例えば、電流Ia)を流す場合において、出力電圧Voと出力電流Ioとの積が一定(例えば、定格出力容量)になるように出力電圧Voを垂下させる。この直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)における定電力垂下動作は、これらのユニットの運転状態に応じて設定される後述の垂下制御モードとトリガ条件の発生時、例えば、直流電源ユニット(RF−U)1〜N停電後の復電時において、一時的に行われる垂下動作である。
上記定電力垂下動作は、例えば、停電時に蓄電池61により負荷RL(定電力特性の負荷)を駆動している状態において、負荷RLに流れている電流ILが、図2(A)に示す定格電流Imax0以上の場合(例えば、電流Iaの場合)に一時的に行われるものである。これは、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)が、復電して起動した際に図2(B)に示す定電流垂下動作を行うと、出力電流が定格電流Imax0に制限され、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから負荷RLに必要な電流Iaを供給できなくなるとともに、直流電源装置101の出力電圧Voが定常電圧(例えば、定格電圧380V)に立ち上がれない状態となるためである。この事態を避けるために、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)においては、復電時の起動の際など場合に、垂下動作を一時的に定電流垂下動作から定電力垂下動作に切り替える。
また、図3は、定電力垂下モードと定電流垂下モードにおける出力容量について説明するための図である。なお、定電力垂下モードとは、例えば、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nにおいて、垂下特性が定電力垂下特性を示すように設定されて状態を意味し、定電流垂下モードとは、垂下特性が定電流垂下特性を示すように設定されている状態を意味する(充電兼予備ユニット(CH−U)においても同様である)。
そして、図3(A)は、通常運転時の定電流垂下モードにおける出力容量を示す図である。この定電流垂下モードにおいては、出力電流は100%電流(連続定格電流)に制限され、ユニット容量は通常使用容量(100%連続定格容量)となる。一方、図3(B)は、定電力垂下モードにおける出力容量を示す図である。この定電力垂下モードにおいては、ユニットの通常使用容量(100%連続定格容量)に加えて、一時的(例えば、数秒〜数十秒程度)に100%以上の出力電流、例えば、150%電流を供給できる領域が追加され、ユニット容量を一次的に連続定格容量の150%とすることができる。
このように、通常運転時においては、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下動作を定電流垂下モードとして、ユニットを定格容量(100%連続定格容量)で使用する。そして、100%(連続定格電流)以上の電流を負荷RLに流す必要がある場合は、直流電源ユニット(RF−U)1〜N(必要な場合は充電兼予備ユニット(CH−U)も含めて)の垂下動作を一時的に定電力垂下モードモードとし、連続しては出力することができないが短時間では問題ない範囲でユニットの出力電流を増大させる制御を行う。これにより、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の持つ実容量を通常運転時において100%使用できるため(定電力垂下特性を実現するためにユニット容量に余裕を持たせる必要がないため)、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの必要台数の減少、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)のコストの低減が可能となる。
(電流センサ、電圧センサおよび監視部81についての説明)
また、図1に示す直流電源装置101は、図19に示す直流電源装置101Aと比較して、監視部81と、電圧センサVT1およびVT2、電流センサCT1とを新たに追加した点が異なり、他の構成は、図19に示す直流電源装置101と同様である。
電圧センサVT1は、直流電源装置101の出力電圧Vo(=負荷電圧VL)を検出するための電圧検出器であり、例えば、抵抗分圧回路等により構成される回路である。電圧センサVT2は、蓄電池61の充電電圧を検出するための電圧検出器であり、例えば、抵抗分圧回路等により構成される回路である。電流センサCT1は、蓄電池61の充電電流を検出するセンサであり、例えば、ホール素子を用いた電流検出器である。
監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)および充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態を監視するとともに、直流電源ユニット(RF−U)および充電兼予備ユニット(CH−U)の動作を制御する制御部である。この監視部81には、運転状態判定部82と、出力電圧監視部83と、垂下動作制御部84と、充電電圧検出部85と、定電流充電制御部86とが含まれる。
監視部81は、各直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)と相互に通信を行い、各直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態を監視するとともに、各直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)に対して制御指令信号(例えば、垂下特性の切り替え指示信号)を送信する。運転状態判定部82は、各直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから運転状態信号St1〜StNを入力し、充電兼予備ユニット(CH−U)から運転状態信号Stcを入力する。これにより、運転状態判定部82は、直流電源ユニット(RF−U)及び充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態や、故障の発生と復旧や、停電後の復電などを検出(判定)する。この運転状態判定部82では、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)から受信した運転状態の信号を基に、例えば、全てのユニットが正常に運転している通常運転中の状態か、停電から復電後の起動状態か、或いは、故障した直流電源ユニット(RF−U)が復旧して運転を開始した状態であるかなどを判定する。
出力電圧監視部83は、電圧センサVT1から電圧検出信号を入力し、直流電源装置101の出力電圧Voを監視する。また、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態に応じて、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性を制御する(詳細については後述する)。また、充電電圧検出部85は、電圧センサVT2から電圧検出信号を入力し、蓄電池61の充電電圧を監視する。
定電流充電制御部86は、充電兼予備ユニット(CH−U)から蓄電池61に定電流充電を行う場合に、充電兼予備ユニット(CH−U)に対して定電流出力動作を行うように制御する。なお、充電兼予備ユニット(CH−U)から蓄電池61へ定電流充電を行うのは、充電兼予備ユニット(CH−U)が直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの代替ユニットとして動作していない場合に限られる。
上記定電流充電において、監視部81内の定電流充電制御部86は、充電兼予備ユニット(CH−U)の出力電流を制御することにより蓄電池61への定電流充電を行う。この場合、定電流充電制御部86は、電流センサCT1により蓄電池61へ流れる充電電流を検出し、所定の定電流値(例えば、30A)になるように充電兼予備ユニット(CH−U)の出力電流を制御する。
(定電流充電についての説明)
図4は、定電流充電について説明するための図である。図4(A)は、横軸に時間tの経過を示し、縦軸にバッテリ充電電流Ichgを示し、蓄電池61への充電電流の時間的な変化を示したものである。図4(B)は、横軸に時間tの経過を示し、縦軸にバッテリ充電電圧Vbatの時間的な変化を示したものである。この図に示すように、時刻t0において充電兼予備ユニット(CH−U)から蓄電池61への充電が開始されると、蓄電池61の充電電圧が低い間(時刻t0から時刻t1の間)は定電流充電(定電流Iccによる蓄電池61への充電)が行われる。そして、図4(B)の充電電圧曲線d1に示すように蓄電池61の充電電圧Vbatが充電設定電圧Vsetに近づくと(時刻t1になると)、それ以降は定電圧充電(浮動充電)が行われる。この時刻t1以後の定電圧充電では、充電電流曲線d2で示す充電電流カーブのように、時間tの経過とともに次第に充電電流が減少する。
(垂下動作制御部84の動作説明)
本実施形態の直流電源装置101おいては、監視部81内の運転状態判定部82が、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態を監視し、全ての直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)が正常に運転している通常運転中の状態か、停電からの復電後に直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)が運転を開始した状態か、或いは、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)が運転を開始した状態であるかを判定する。
そして、垂下動作制御部84は、運転状態判定部82により判定された運転状態の判定結果を基に、通常運転中における垂下特性を制御する第1の垂下制御モードと、復電後の起動時における垂下特性を制御する第2の垂下制御モードと、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)が運転を開始した際の垂下特性を制御する第3の垂下制御モードと、のいずれか垂下制御モードを選択し、この選択した垂下制御モードに応じて、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)における垂下特性を制御する。なお、第1の垂下制御モード、第2の垂下制御モード、および第3の垂下制御モードの内容の詳細については後述する。
すなわち、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)は、通常運転時はその垂下特性が定電流垂下モード(図3(A)を参照)とされ、100%の定格容量で負荷RLに電力を供給する。そして、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)は、上記垂下制御モード(ユニットの運転状態に応じた垂下特性の制御モード)と、この垂下制御モードに応じて設定された所定のトリガ条件が発生した場合に、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モード(図3(B)を参照)に切り替える。
(トリガ条件についての説明)
上述したトリガ条件には、例えば、以下に示す3つのトリガ条件がある。
第1のトリガ条件として、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの通常運転時において、直流電源装置101の出力電圧Voを検出し、この出力電圧Voが所定の第1の閾値(例えば、360V)を下回った場合を、垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるトリガ条件とする。なお、この第1のトリガ条件は、通常運転時の垂下特性を制御する第1の垂下制御モードにおいて使用されるほか、復電後の起動時における垂下特性を制御する第2の垂下制御モードと、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)が運転を開始した際に垂下特性を制御する第3の垂下制御モードにおいてもトリガ条件として使用されるものである。
第2のトリガ条件として、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)が停電から復電した場合を、垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるトリガ条件とする。なお、この第2のトリガ条件は、復電後の起動時における垂下特性を制御する第2の垂下制御モードにおいて使用されるものである。
また、第3のトリガ条件として、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転開始信号を検出した場合(例えば、交流電源入力用のMCCB(Molded Case Circuit Breaker)投入時)を、垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるトリガ条件とする。なお、この第3のトリガ条件は、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)が運転を開始した際に垂下特性を制御する第3の垂下制御モードにおいて使用されるものである。
上述した通常運転時における第1のトリガ条件は、例えば、通常動作時において何らかの原因、例えば瞬間的な過負荷が発生することにより出力電圧Voが低下し、負荷電流ILが増加(負荷RLが定電力特性であるため電流が増加)した場合に、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替えるものである。
これは、出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回り、負荷電流ILが増大した場合に、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードとし出力電流に電流制限をかけると直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから負荷RLに必要な電流が供給できず、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に戻せない可能性があるためである。
すなわち、充電兼予備ユニット(CH−U)や蓄電池61からバックアップ電流が負荷RLに流れて出力電圧Voが低下している場合に、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に戻すには、増大した負荷電流ILを全て直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから供給する(電圧源を直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに戻す)必要がある。この場合に、出力電圧Voの低下をトリガ条件として、全ての直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動特性を一時的に定電力垂下モードとして出力電流を増大させ、負荷電流ILを全て直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから供給することができる状態にすることで、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に戻す。
例えば、図5(A)に示すように、直流電源装置101の出力電圧Voが低下(例えば、260Vに低下)することにより、負荷電流ILが増大し、充電兼予備ユニット(CH−U)および蓄電池61から負荷RLにバックアップ電流が流れている。この状態において、図5(A)に示す直流電源装置101内の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードとし、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流Ioを一斉に一時的に増加させる。この場合、図5(B)に示すように、直流電源ユニット(RF−U)の出力電流Ioを、短時間定電力垂下特性により150%(連続定格電流の150%)まで増加することができる。これにより、全負荷電流ILを直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから供給することができるため出力電圧Voが上昇し(例えば、定格電圧380V)に上昇し)、ダイオードDX1がターンオフし(ダイオードDX1が順方向バイアスから逆方向バイアス状態に移行する意味)、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nによる負荷電力の供給状態に戻すことができる。
また、第2のトリガ条件として、停電から復電した場合を、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるトリガ条件とする。なお、停電中は蓄電池61から負荷RLに給電が行われ、この状態で復電した場合に直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを定電流垂下モードで動作させると、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)まで戻せない可能性がある。これは、出力電圧Vo(=蓄電池電圧)が低下したことにより負荷電流ILが増大し、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを定電流垂下モードで動作させると、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから全ての負荷電流ILを供給できないためである。
蓄電池61による給電で低下した出力電圧Voを通常電圧(例えば、定格電圧380V)へ戻すには、停電時の電圧源であった蓄電池61の放電電流(=負荷電流IL)以上の電流を直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから負荷RLに供給する必要がある。このため、復電信号、例えば、交流電圧が入力されたことを検出する信号や、ユニットの復電検出信号(例えば、復電時のユニットの運転準備完了信号)がオン(活性化)されたことをトリガ条件として、全ての直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を一時的に定電力垂下モードとし、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流を増大させる。
例えば、図6(A)に示すように、停電時においては蓄電池61から負荷RLに放電電流が流れており、この蓄電池61の放電状態では、図6(B)に示すように、蓄電池電圧が定常電圧よりもかなり低い電圧(例えば、260V)となっている。このため、復電の際には、図6(A)に示す直流電源装置101内の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードとし、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流Ioを一斉に一時的に増加させる。この場合、図6(B)に示すように直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流Ioは、短時間定電力垂下特性により150%(連続定格電流の150%)まで増加する。これにより、全負荷電流ILを直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから供給することができるため、ダイオードDX1がターンオフし(ダイオードDX1が順方向バイアスから逆方向バイアス状態に移行する意味)、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nによる負荷電力の供給状態に戻すことができる。これによりダイオードDX1がターンオフし、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nによる負荷電力の供給状態に戻すことができ、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に戻すことができる。
また、第3のトリガ条件は、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転信号を検出した場合(例えば、交流電源入力用のMCCB投入時)である。これは、例えば、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの内の2台以上の直流電源ユニット(RF−U)が故障した場合、供給側の電力が不足するため、充電兼予備ユニット(CH−U)および蓄電池61から負荷RL側にバックアップ電流が流れ、蓄電池61の充電電圧が出力電圧Voとなる。また、この蓄電池61の充電電圧は、時間の経過とともに次第に低下する(出力電圧Voが低下する)。
この状態において、故障した直流電源ユニット(RF−U)を交換し、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを定電流垂下モードで動作させただけでは、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に戻せない可能性がある。すなわち、出力電圧Voが低下したことにより負荷電流ILが増大し、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを定電流垂下モードで動作させると、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから負荷RLに必要な全ての電流を供給できず、充電兼予備ユニット(CH−U)や蓄電池61から負荷RLにバックアップ電流が流れるためである。
出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に戻すには、負荷電流ILを全て直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから供給する必要がある。そこで、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの起動信号(例えば入力MCCB投入)をトリガ条件として、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの全てを一時的に定電力垂下モードで動作させ、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nからの出力電流を増大させる。これにより、負荷電流ILを直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから供給できる状態にすることで、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に戻すことができる。
例えば、図7(A)に示すように、直流電源ユニット(RF−U)が2台故障の状態(例えば、直流電源ユニット(RF−U)1,2が故障の状態)においては、充電兼予備ユニット(CH−U)が故障した1台の代替ユニットとして負荷RLへの給電を行うとともに、蓄電池61から負荷RLに放電電流が流れる。この状態においては、図7(B)に示すように、蓄電池61の放電により蓄電池電圧が定常電圧よりもかなり低い電圧(例えば、260V)となっている。
このため、直流電源ユニット(RF−U)1,2が故障から復旧した場合は、図7(A)に示す直流電源装置101内の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードとし、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流Ioを一斉に一時的に増加させる。この場合、図7(B)に示すように直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流Ioは、電力垂下特性により150%(連続定格電流の150%)まで増加する。これにより、全負荷電流ILを直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから供給することができるため、ダイオードDX1がターンオフし、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nによる負荷電力の供給状態に戻すことができる。これによりダイオードDX1がターンオフし、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nによる負荷電力の供給状態に戻すことができ、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に戻すことができる。
このように、本発明における直流電源装置101では、監視部81の運転状態判定部82が、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態を判定し、垂下動作制御部84が、運転状態に応じた垂下制御モードを選択し、上述したトリガ条件の発生に応じて、垂下特性の動作モードを変化させる。
(通常運転中における垂下特性の第1の垂下制御モード)
次に、上記通常運転中(より正確には復電後の起動時でなく、また故障ユニットの復旧時でもない通常の動作中)における垂下特性の制御動作(第1の垂下制御モード)について説明する。
図8は、通常運転中における垂下特性の制御(第1の垂下制御モード)の流れを示すフローチャートであり、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nにおける垂下特性の制御の流れを示したものである。以下、このフローチャートを参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、最初に、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが、通常の垂下動作、すなわち定電流垂下モードで運転中であるとする(ステップS101)。
この定電流垂下モードで運転中の状態において、監視部81内の出力電圧監視部83により、直流電源装置101の出力電圧Voを検出し、この出力電圧監視部83では、直流電源装置101の出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回ったか否かを判定する(ステップS102)。
そして、ステップS102において、出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っていないと判定された場合(ステップS102:NO)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに定電流垂下モードを継続させる(ステップS101)。
一方、ステップS102において、出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っていると判定された場合(ステップS102:YES)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電流垂下モードから定電力垂下モードに移行させる(ステップS103)。
そして、定電力垂下動作モードに移行した後の数秒〜数十秒後(例えば、10秒後)に、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電力垂下モードから定電流垂下モードに移行させる(ステップS104)。そして、出力電圧監視部83は、直流電源装置101の出力電圧Voを検出し、検出した直流電源装置101の出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っているか否かを判定する(ステップS105)。
なお、このステップS105における第2の閾値(例えば、370V)の判定処理は、「定電力垂下」と「定電流垂下」と間での垂下特性の切り替え動作が繰り返されることを防ぐために行われる。すなわち、定電力垂下モードは、短時間限定の機能であり、繰り返しや連続で使用できる機能ではなく、例えば、10秒間の定電力垂下モードの後に定電流垂下モードに自動的に切り替わるものである。例えば、このステップS105の第2の閾値(例えば、370V)の判定処理がなく、ステップS104からステップS101に戻るとした場合は、ステップS102において再び出力電圧Voが360Vを下回っていると判定されると、再度、定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替わり、その10秒後に、また定電流垂下モードとなる。すなわち、監視部81は、ステップS102において出力電圧Voが360Vを越えない限り、定電力垂下モードと定電流垂下モードとの間において切り替え動作を繰り返すことになる。
そこで、この垂下特性の切り替え動作の繰り返しを防ぐために、監視部81では、第2の閾値(370V)の判定処理(ステップS105)を行う。そして、10秒間の定電力垂下動作後、ステップS105において出力電圧Voが370Vを上回っていないと判定された場合(ステップS105:NO)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに対して定電流垂下モードを継続させ(ステップS106)、再度、ステップS105に移行させる。このため、出力電圧Voが第2の閾値(370V)を上回らない限り、ステップS105の判定処理と、ステップS106の定電流垂下モードの継続処理とが繰り返されることになる。すなわち、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに対して定電流垂下モードを継続させるとともに、垂下特性を定電力垂下モードへ切り替えることを禁止する状態に設定する。これにより、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性は定電力垂下モードに切り替わることなく、定電流垂下モードが維持される。そして、ステップS106における定電流垂下モードの継続処理が所定時間以上継続した場合、監視部81は、直流電源装置101の出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に復旧できないものとして、その旨の信号(例えば、警報信号)を出力する。
一方、ステップS105において、出力電圧Voが370Vを上回ったと判定された場合(ステップS105:YES)、垂下動作制御部84は、定電流垂下モードをそのまま継続させるとともに(ステップS107)、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードに切り替えることが可能な状態に設定して(例えば、定電力垂下モードに移行することを禁止するマスク(割り込み禁止マスク等)を解除して)、その後、ステップS101に移行する。そして、直流電源装置101の出力電圧Voが再び360Vを下回った場合、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を、再び定電力垂下モードに切り替える。
このように、通常運転中の第1の垂下特性制御モードにおいては、直流電源装置101の出力電圧Voが所定の第1の閾値(例えば、360V)を下回った場合をトリガ条件として、監視部81が、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替えることにより、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に復旧させることができる。
また、図9は、通常運転時における充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性の制御の流れを示すフローチャートである。この図において、図9(A)は、先に示した図8と同じ内容のフローチャートであり、図9(B)に示す充電兼予備ユニット(CH−U)のフローチャートと対比するために示したものである。
図9(B)に示すように、通常運転中における充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下動作は、図9(A)に示す直流電源ユニット(RF−U)1〜Nのフローチャートと比較して、新たに処理ステップS102Aを追加した点だけが異なり、その他の処理ステップについては同様である。このため、同一の処理内容については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この図9(B)に示すように、ステップS102において、出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っていると判定された場合(ステップS102:YES)、監視部81の運転状態判定部82は、充電兼予備ユニット(CH−U)が蓄電池61を定電流充電中であるか否かを判定する(ステップS102A)。ステップS102Aにおいて、充電兼予備ユニット(CH−U)が蓄電池61を定電流充電中であると判定された場合(ステップS102A:YES)、垂下動作制御部84は、充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下動作を定電力垂下モードに切り替えることなく、定電流垂下モードによる動作を継続させる。これは、停電時の電力供給源となる蓄電池61への充電を優先させるために、充電兼予備ユニット(CH−U)を定電力垂下モードに移行させる際に発生する可能性がある出力電圧(充電電圧)の低下を回避するためである。
一方、ステップS102Aにおいて、充電兼予備ユニット(CH−U)が蓄電池61を定電流充電中でないと判定された場合(ステップS102:NO)、垂下動作制御部84は、充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性を定電力垂下モードに切り替え、その後、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに対する垂下動作の制御内容(ステップS103〜S107)と同様の制御を行う。
これにより、通常運転中において直流電源装置101の出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回った場合に、充電兼予備ユニット(CH−U)が定電流充電中でない場合は、充電兼予備ユニット(CH−U)は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nと同様に垂下特性が定電力垂下モードに切り替わり、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nと協働して負荷RLに電流を供給することが可能になる。
(復電後の起動時における垂下動作の第2の垂下制御モード)
次に、復電後の起動時における垂下特性の制御動作(第2の垂下制御モード)について説明する。
図10は、復電後の起動時における垂下特性の制御(第2の垂下制御モード)の流れを示すフローチャートである。図10(A)は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nにおける制御の流れを示し、図10(B)は、充電兼予備ユニット(CH−U)における制御の流れを示している。以下、このフローチャートを参照して、その垂下特性の制御の流れについて説明する。
図10(A)に示すフローチャートにおいて、まず、最初に、停電により直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが停止中であるとする(ステップS201)。なお、停電中には蓄電池61から負荷RLに電力が供給され、蓄電池61の放電によりその充電電圧が次第に低下(負荷電流は逆に増大)するものとする。また、停電中においても監視部81は、蓄電池61から電源の供給を受け作動しているものとする。
その後、交流電源が復旧し、監視部81に復電信号(例えば、電源復旧に伴うユニットの運転準備完了信号や、交流入力電圧の検出信号など)が入力されると(ステップS202:YES)、監視部81からの制御指令により直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの運転が開始される(ステップS203)。
この停電からの復電時においては、蓄電池61の放電により出力電圧Voが低下し、負荷RLには大きな電流、すなわち、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが定電流垂下モードで供給できる電流よりも大きな電流が流れている場合が多い。このため、監視部81の垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの運転開始とともに、その垂下特性を定電力垂下モードに移行させる(ステップS204)。
そして、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを定電力垂下モードに移行させた後の数秒〜数十秒後(例えば、10秒後)に、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードから定電流垂下モードに移行させる(ステップS205)。そして、出力電圧監視部83により、直流電源装置101の出力電圧Voを検出し、この出力電圧監視部83では、直流電源装置101の出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回ったか否かを判定する(ステップS206)。
そして、ステップS206において、出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っていないと判定された場合(ステップS206:NO)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードのまま継続させ(ステップS206A)、その後、ステップS206に移行して、出力電圧監視部83により、再度、出力電圧Voが370Vを上回っているか否かの判定処理を行う。従って、直流電源装置101の出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回らない限り、ステップS206における判定処理と、ステップS206Aにおける定電流垂下モードの継続処理とが繰り返されることになる。すなわち、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに対して定電流垂下モードを継続させるとともに、垂下特性を定電力垂下モードへ切り替えることを禁止する状態に設定する。これにより、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性は定電力垂下モードに切り替わることなく、定電流垂下モードが維持される。そして、ステップS206Aにおける定電流垂下モードの継続処理が所定時間以上継続した場合、監視部81は、直流電源装置101の出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に復旧できないものとして、その旨の信号(例えば、警報信号)を出力する。
一方、ステップS206において、出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っていると判定された場合(ステップS206:YES)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードのまま継続させるとともに(ステップS207)、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードに切り替えることが可能な状態に設定する(例えば、定電力垂下モードに移行することを禁止するマスク(割り込み禁止マスク等)を解除する)。その後、図8に示す通常運転時の第1の垂下制御モード(ステップS101)に移行し、垂下動作制御部84は、通常運転時の第1の垂下制御モードにより直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を制御する。
このように、復電後の起動時における第2の垂下制御モードにおいては、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの運転開始とともに、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードとし、負荷RLに多くの電流を供給できるようにする。これにより、監視部81は、直流電源装置101の出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)まで迅速に復旧することができる。
また、図10(B)は、復電後の起動時(第2の垂下制御モード)における充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性の制御の流れを示すフローチャートである。この図10(B)のフローチャートにおいて、まず、最初に、停電により充電兼予備ユニット(CH−U)が停止中であるとする(ステップS301)。なお、停電中には蓄電池61から負荷RLに電力が供給され、蓄電池61の放電によりその充電電圧(出力電圧Vo)が次第に低下(負荷電流ILは逆に増大)するものとする。
その後電源が復旧し、監視部81に復電信号(例えば、交流入力電圧の検出信号や、電源復旧に伴うユニットの運転準備完了信号など)が入力された否かが判定される(ステップS302)。そして、停電から復電し、監視部81に復電信号が入力されると(S302:YES)、監視部81からの制御指令により充電兼予備ユニット(CH−U)の運転が開始される(ステップS303)。
この停電からの復電時においては、蓄電池61は、停電時中の負荷RLへの放電により充電電圧が低下している。このため、監視部81は、充電兼予備ユニット(CH−U)の運転開始時には、充電兼予備ユニット(CH−U)を充電電流制御モードで運転し(ステップS304)、充電兼予備ユニット(CH−U)から蓄電池61への定電流充電を行う(ステップS305)。
そして、蓄電池61への定電流充電が開始されると、監視部81においては、充電電圧検出部85が蓄電池61の充電電圧を検出し、蓄電池61の電圧が所定の充電電圧まで上昇したか否か(定電流充電が完了したか否か)を判定する(ステップS306)。そして、ステップS306において、蓄電池61への定電流充電が完了していないと判定された場合(ステップS306:NO)、定電流充電制御部86は、充電兼予備ユニット(CH−U)に蓄電池61への定電流充電を継続させる(ステップS305)。
そして、蓄電池61の電圧が所定の充電電圧(図4の電圧Vsetを参照)まで上昇し、蓄電池61への定電流充電が完了すると、定電流充電制御部86は、蓄電池61への定電流充電を中止させる(ステップS306:YES)。その後、図9(B)に示す通常運転時の第1の垂下制御モード(ステップS101)に移行し、垂下動作制御部84は、通常運転時の第1の垂下制御モードにより充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性を制御する。
このように、復電後の起動時における第2の垂下制御モードにおいては、充電兼予備ユニット(CH−U)の運転開始とともに、監視部81は、充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下動作を定電流垂下モードとし、充電兼予備ユニット(CH−U)が蓄電池61に対して定電流充電を行うように制御する。これにより、停電から復旧した際には、直ちに、蓄電池61への充電を開始することができる。
(直流電源ユニットの故障復旧時における垂下動作の第3の垂下制御モード)
次に、故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧時における垂下動作(第3の垂下制御モード)について説明する。
図11は、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)の起動時における垂下特性の制御(第3の垂下制御モード)の流れを示すフローチャートである。この図11に示すフローチャートにおいては、2台の直流電源ユニット(RF−U)が故障で停止している状態において、充電兼予備ユニット(CH−U)が代替ユニットとして動作しているものとする。そして、正常に運転している直流電源ユニット(RF−U)と充電兼予備ユニット(CH−U)とが定電流垂下モードで負荷RLに電力を供給しており、また、蓄電池61から負荷RLに電流が供給されているものとする。すなわち、直流電源装置101の出力電圧Voは、蓄電池61の充電電圧により規制されているものとする。この状態において、故障した2台の直流電源ユニット(RF−U)が復旧し、この故障した2台の直流電源ユニット(RF−U)の運転が開始されるものとする。
そして、図11(A)は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nにおける垂下特性の制御の流れを示し、図11(B)は、充電兼予備ユニット(CH−U)における垂下特性の制御の流れを示している。
この図11(A)に示す故障復旧時の垂下特性の制御動作(第3の垂下制御モード)のフローチャートは、図8に示す通常運転時の垂下特性の制御動作(第1の垂下制御モード)のフローチャートと比較して、処理ステップS101Aを追加した点だけが異なり、その他の処理ステップについては図8に示すフローチャートと同様である。このため、同一の処理内容については同一の符号を付している。また、図11(B)に示す故障復旧時の垂下特性の制御動作(第3の垂下制御モード)のフローチャートは、図9(B)に示す通常運転時の垂下特性の制御動作(第1の垂下制御モード)のフローチャートと同じものである。
以下、この図11(A)に示すフローチャートを参照して、その処理の流れについて説明する。まず、最初に、正常に運転している「N−2台」(2台故障)の直流電源ユニット(RF−U)が、通常の垂下動作、すなわち定電流垂下モードで運転中であるとする(ステップS101)。この状態においては、充電兼予備ユニット(CH−U)が代替ユニットとして使用されており、また、蓄電池61から負荷RLに電流が供給されている。
その後、故障した2台の直流電源ユニット(RF−U)が故障から復旧し、この直流電源ユニット(RF−U)に交流入力電源を供給するMCCBが投入され、運転が開始される。監視部81では、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転が開始されたか否かを判定する(ステップS101A)。なお、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転開始の検出は、上記MCCBの主回路の開閉に伴ってオン/オフする補助接点を用いて検出することできる。また、直流電源ユニット(RF−U)は、通常は電源が入力されると最初に運転準備完了信号を出力するように構成されており、この運転準備完了信号がオン(活性化)したことを検出することにより、直流電源ユニット(RF−U)の運転開始を検出することもできる。
そして、監視部81が、復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転開始を検出できない場合(ステップS101A:NO)、垂下動作制御部84により、正常に運転している直流電源ユニット(RF−U)および充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性を定電流垂下モードのまま継続させる(ステップS101)。一方、監視部81の運転状態判定部82が、復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転開始を検出した場合(ステップS101A:YES)、出力電圧監視部83は、直流電源装置101の出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っているか否かを判定する(ステップS102)。
そして、ステップS102において、出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っていないと判定された場合(ステップS102:NO)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに定電流垂下モードを継続させる(ステップS101)。一方、ステップS102において、出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っていると判定された場合(ステップS102:YES)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電流垂下モードから定電力垂下動作モードに移行させる(ステップS103)。
なお、上記ステップS102の処理は省略することもできる。すなわち、図12のフローチャートに示すように、ステップS101Aにおいて、監視部81が、復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転開始を検出した場合(ステップS101A:YES)、直ちにステップS103に移行し、垂下動作制御部84により、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードに移行させるようにしてもよい。これは、蓄電池61から負荷RLに放電電流が流れる場合は、ほとんどの場合、蓄電池61の充電電圧(出力電圧Vo)が第1の閾値(例えば、360V)を下回っているためである。
そして、図11(A)のフローチャートのステップS103において、定電力垂下動作モードに移行した後の数秒〜数十秒後(例えば、10秒後)に、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電力垂下モードから定電流垂下モードに移行させる(ステップS104)。そして、出力電圧監視部83は、直流電源装置101の出力電圧Voを検出し、検出した直流電源装置101の出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回ったか否かを判定する(ステップS105)。
そして、ステップS105において、出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っていないと判定された場合(ステップS105:NO)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードのまま継続させ(ステップS106)、その後、ステップS105に移行する。そして、ステップS105における判定処理により、再び出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っているか否かが判定される。このため、出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回らない限り、ステップS105における判定処理と、ステップS106における定電流垂下モードの継続処理とが繰り返されることになる。すなわち、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに対して定電流垂下モードを継続させるとともに、垂下特性を定電力垂下モードへ切り替えることを禁止する状態に設定する。これにより、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性は定電力垂下モードに切り替わることなく、定電流垂下モードが維持される。そして、ステップS106における定電流垂下モードの継続処理が所定時間以上継続した場合、監視部81は、直流電源装置101の出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に復旧できないものとして、その旨の信号(例えば、警報信号)を出力する。
一方、ステップS105において、出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っていると判定された場合(ステップS105:YES)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電流垂下モードのまま継続させるとともに(ステップS107)、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードに切り替えることが可能な状態に設定して、ステップS101に移行する。
このように、故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧後において、直流電源装置101の出力電圧Voが所定の第1の閾値(例えば、360V)を下回っている場合は、監視部81が、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに移行させることにより、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流を増大させ、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に復旧させることができる。
なお、図11(B)に示すフローチャートは、図9(B)に示すフローチャートと同様であり、同一の処理内容には同一の符号(ステップ番号)を付し、重複する説明は省略する。
また、図13は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性の制御の流れを示すフローチャートであり、上述した通常運転時、復電後の起動時、および故障ユニットの復旧時における直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性の制御動作(第1の垂下制御モード、第2の垂下制御モード、および第3の垂下制御モード)の流れを、1つのフローチャートにまとめて示したものである。
この図13に示すフローチャートにおいて、監視部81の運転状態判定部82は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態を常時監視している。そして、まず、運転状態判定部82は、停電により直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)が停止しているか否かを判定する(ステップS401)。そして、ステップS401において、停電によりユニットが停止していると判定された場合(ステップS401:YES)、ステップS402に移行し、運転状態判定部82は、復電時の起動が行われた否かを判定する(ステップS402)。そして、ステップS402において、復電時の起動が行われたと判定された場合、運転状態判定部82は、運転状態が復電モードであると判定する(ステップS403)。
そして、ステップS403に示す復電モードおける以後の処理は、図10(A)に示す復電後の起動時における処理(第2の垂下制御モード)と同様である。このため、重複する説明は省略する。
一方、ステップS401において、停電中でないと判定された場合は(ステップS401:NO)、次に、運転状態判定部82は、故障した直流電源ユニット(RF−U)が存在し、この故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧待ちであるか否かを判定する(ステップS411)。そして、ステップS411において、故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧待ちであると判定された場合(ステップS411:YES)、運転状態判定部82は、運転状態が故障復旧モードであると判定する(ステップS412)。
そして、ステップS412に示す故障復旧モードにおける以後の処理は、図11(A)に示す故障復旧時における処理(第3の垂下制御モード)と同様である。このため、重複する説明は省略する。
また、ステップS411において、故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧待ちでないと判定された場合は(ステップS411:NO)、運転状態判定部82は、運転状態が通常運転モードであると判定する(ステップS421)。そして、ステップS421に示す通常運転モードにおける以後の処理は、図9(A)に示す通常運転時における処理(第1の垂下制御モード)と同様になる。このため、重複する説明は省略する。
また、図14は、充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性の制御の流れを示すフローチャートであり、上述した通常運転時、復電後の起動時、および故障ユニットの復旧時における充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性の制御動作(第1の垂下制御モード、第2の垂下制御モード、および第3の垂下制御モード)の流れを、1つのフローチャートにまとめて示したものである。
この図14に示すフローチャートにおいて、監視部81の運転状態判定部82は、充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態を常時監視している。そして、まず、運転状態判定部82は、停電により充電兼予備ユニット(CH−U)が停止しているか否かを判定する(ステップS501)。そして、ステップS501において、停電によりユニットが停止していると判定された場合(ステップS501:YES)、ステップS502に移行し、運転状態判定部82は、復電時の起動が行われたか否かを判定する(ステップS502)。そして、ステップS502において、復電時の起動が行われたと判定された場合は、運転状態判定部82は、運転状態が復電モードであると判定する(ステップS503)。
そして、ステップS503の復電モードにおける以後の処理は、図10(B)に示す復電後の起動時における処理(第2の垂下制御モード)と同様になる。このため、重複する説明は省略する。
一方、ステップS501において、停電中でないと判定された場合は(ステップS501:NO)、次に、運転状態判定部82は、故障した直流電源ユニット(RF−U)が存在し、この故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧待ちであるか否かを判定する(ステップS511)。そして、ステップS511において、故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧待ちであると判定された場合は(ステップS511:YES)、運転状態判定部82は、運転状態が故障復旧モード(ステップS512)であると判定する。
そして、この故障復旧モード(ステップS512)における処理は、図9(B)に示す通常運転時の処理(第1の垂下制御モード)、および、図11(B)に示す故障復旧時における処理(第3の垂下制御モード)と同様になる。このため、重複する説明は省略する。
また、ステップS511において、故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧待ちでないと判定された場合は(ステップS511:NO)、運転状態判定部82は、運転状態が通常運転モードであると判定する(ステップS521)。そして、通常運転モード(ステップS512)における処理は、図9(B)に示す通常運転時の処理(第1の垂下制御モード)、および、図11(B)に示す故障復旧時における処理(第3の垂下制御モード)と同様になる。このため、重複する説明は省略する。
[第2の実施形態]
次に、本発明の直流電源装置の第2の実施形態として、第1の実施形態の直流電源装置において、さらに蓄電池放電回路試験が行われる場合の垂下制御の例について説明する。図15は、本発明の第2の実施形態に係わる直流電源装置の構成を示すブロック図である。この図15に示す直流電源装置101は、図1に示す直流電源装置101と比較して、監視部81内に蓄電池放電回路試験部87を新たに追加した点が異なり、他の構成は、図1に示す直流電源装置101と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
また、図16は、蓄電池放電回路試験について説明するための図である。この蓄電池放電回路試験は、蓄電池61から負荷RLまでの放電回路の正常性を確認するために行われる試験である。この蓄電池放電回路試験においては、整流装置102(直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U))の出力電圧を蓄電池61の電圧以下に低下させ、蓄電池61から負荷RLに放電を行わせる。
例えば、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの定常電圧は「定格電圧380V」であり、充電兼予備ユニット(CH−U)の定常電圧は「374V」であり、蓄電池61の開放電圧は「344.4V」であるとする。ここで、蓄電池61は2V系の蓄電池が168個直列に接続されて構成されている。例えば、蓄電池1個についての開放電圧が2.05Vとすると、蓄電池168個の全体の開放電圧は、「2.05×168」により、344.4Vになる。また、充電兼予備ユニット(CH−U)の定常電圧「374V」は、蓄電池61の充電時において、例えば、蓄電池1個当り2.23Vの充電電圧で充電できるようにすると、「2.23×168」により、374V(より正確には、374.6V)となる。
そして、蓄電池放電回路試験時(蓄電池放電回路試験中)には、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)に制御指令信号を送り、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の出力電圧を例えば「300V」へ低下させる。また、この蓄電池放電回路試験時(蓄電池放電回路試験中)には、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性を、定電流垂下モードに制御する(短時間の定電力垂下モードに移行させない制御をする)。これにより、蓄電池61から負荷RLへの放電が開始される。
そして、蓄電池放電回路試験を終了し、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電圧を定常電圧(例えば、定格電圧380V)へ戻す際は、負荷RLが例えば100KWの場合、負荷電流333A(100KW/300V)を直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから負荷RLに供給する必要がある。しかしながら、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが、例えば、定格出力容量15.2KWの直流電源ユニット(RF−U)を7台備えており、定電流垂下モードで動作する場合、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nからの出力可能な電流は280A(40A×7)である。この場合、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから負荷電流333Aの全てを供給できず、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nは出力電圧を380V(定常電圧)へ戻すことができない。
そこで、蓄電池放電回路試験後、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを短時間の定電力垂下モードに制御する。例えば、定電力垂下モードにおいて、定電流垂下モードに対して125%の電流を供給できるとした場合、各直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから出力可能な電流は50A(40A×1.25)である。また、例えば、定電力垂下モードにおいて、定電流垂下モードに対して150%の電流を供給できるとした場合、各直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから出力可能な電流は60A(40A×1.5)である。これにより、例えば、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが定電力垂下モードにおいて、定電流垂下モードに対して125%の電流を供給可能な場合には、各直流電源ユニット(RF−U)1〜Nから50A(40A×1.25)の電流が出力可能であり、合計350A(50A×7台)の電流を出力可能である。よって、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを短時間の定電力垂下モードに制御することにより、負荷RLへ333A以上の電流を供給できるようにして出力電圧Voを定常電圧(定格電圧380V)へ戻す。
このように、蓄電池放電回路試験中は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電圧が第1の閾値(例えば、360V)を下回った場合にも、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードのままとし(定電力垂下モードに移行せず)、蓄電池放電回路試験の終了後に、「放電回路試験終了」の条件と「第1の閾値を下回った」という条件とのAND条件の成立により、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに移行させる。
すなわち、第1の実施形態においては、第1のトリガ条件として、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの通常運転時に、直流電源装置101の出力電圧Voを検出し、この出力電圧Voが所定の第1の閾値(例えば、360V)を下回った場合を、垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるトリガ条件とした。また、第2のトリガ条件として、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)が停電から復電した場合を、垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるトリガ条件とした。また、第3のトリガ条件として、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転開始信号を検出した場合を、垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるトリガ条件とした。これに対して、第2の実施形態は、さらに、「放電回路試験終了」の条件と「第1の閾値を下回った」という条件とのAND条件を、垂下特性を定電力垂下モードに切り替える第4のトリガ条件とするものである。なお、上記トリガ条件は、後述するように、「放電回路試験終了」のみをトリガ条件とすることもできる。
図17は、蓄電池放電回路試験時における垂下特性の制御の流れを示すフローチャートであり、第2の実施形態における直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性の制御(第4の垂下制御モード)の流れを示したものである。この図17に示すフローチャートは、図8に示す通常運転中における垂下特性の制御(第1の垂下制御モード)の流れを示すフローチャートと比較して、ステップS101Aを追加した点だけが異なり、その他の処理ステップについては同様である。このため、同一の処理内容については同一の符号を付している。例えば、蓄電池放電回路試験は、通常運転中の垂下特性の制御(第1の垂下制御モード)状態において行われるものである。以下、このフローチャートを参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、最初に、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが、通常運転中の垂下動作、すなわち定電流垂下モードで運転中であるとする(ステップS101)。
この定電流垂下モードで運転中の状態において、監視部81の運転状態判定部82は、蓄電池放電回路試験中であるか否かを判定する(ステップS101A)。ステップS101Aにおいて、蓄電池放電回路試験中であると判定された場合(ステップS101A:YES)、垂下動作制御部84は、ステップS101に移行し、定電流垂下モードを継続させる。
その後、蓄電池放電回路試験が終了し、ステップS101Aにおいて、運転状態判定部82により蓄電池放電回路試験が終了したと判定された場合(ステップS101A:NO)、ステップS102に移行し、出力電圧監視部83は、直流電源装置101の出力電圧Voを検出し、直流電源装置101の出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っているか否かを判定する(ステップS102)。
そして、ステップS102において、出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っていないと判定された場合(ステップS102:NO)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに対して定電流垂下モードを継続させる(ステップS101)。一方、ステップS102において、出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回っていると判定された場合(ステップS102:YES)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに移行させる(ステップS103)。
なお、蓄電池放電回路試験により蓄電池61から負荷RLへの放電が行われた場合、蓄電池61の電圧(直流電源装置101の出力電圧Vo)は、通常、第1の閾値(例えば、360V)以下となるので、ステップS102における出力電圧Voの判定処理を省略し、蓄電池放電回路試験の直後から、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるようにしてもよい。すなわち、蓄電池放電回路試験が検出された場合(ステップS101A:NO)、直ちにステップS103に移行し、垂下動作制御部84により、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードに切り替えるようにしてもよい。
そして、ステップS103において定電力垂下動作モードに移行した後の数秒〜数十秒後(例えば、10秒後)に、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電力垂下モードから定電流垂下モードに移行させる(ステップS104)。そして、出力電圧監視部83は、直流電源装置101の出力電圧Voを検出し、検出した直流電源装置101の出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っているか否かを判定する(ステップS105)。
そして、ステップS105において、出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っていないと判定された場合(ステップS105:NO)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電流垂下モードのまま継続させ(ステップS106)、その後、再びステップS105に移行して、出力電圧Voの判定処理を行う。このため、出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回らない限り、ステップS105における判定処理と、ステップS106における定電流垂下モードの継続処理とが繰り返されることになる。すなわち、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性は定電力垂下モードに切り替わることなく、定電流垂下モードが維持される。そして、ステップS106における定電流垂下モードの継続処理が所定時間以上継続された場合、監視部81は、直流電源装置101の出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に復旧できないものとして、その旨の信号(例えば、警報信号)を出力する。
一方、ステップS105において、出力電圧Voが第2の閾値(例えば、370V)を上回っていると判定された場合(ステップS105:YES)、垂下動作制御部84は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電流垂下モードのまま継続させるとともに(ステップS107)、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードに切り替え可能な状態に設定して、ステップS101に移行する。
このように、蓄電池放電回路試験が行われると、「蓄電池放電回路試験が終了したことを」をトリガ条件とするか、または、「蓄電池放電回路試験が終了したこと」と「直流電源装置101の出力電圧Voが所定の第1の閾値(例えば、360V)を下回ったこと」とをトリガ条件として、垂下動作制御部84が、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替える。これにより、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に復旧させることができる。
[第3の実施形態]
上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下モードを切り替える際のトリガ条件の検出、および垂下モードの切り替え制御を、監視部81により行う例について説明したが、これに限定されない。例えば、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの各ユニットがトリガ条件を自律的に判定し、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの全体の垂下モードを自律的に(監視部81により制御されることなく)切り替えることも可能である。
図18は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが自律的に垂下モードを切り替える例について説明するための図である。この図に示すシーケンスの例は、蓄電池放電回路試験の終了後において、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下モードを切り替える際の例であって、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの中の1つの直流電源ユニットRF−Un(図上でハッチが付された直流電源ユニット)によりトリガ条件が検出された場合に、当該直流電源ユニットRF−Unにおいて垂下モードを切り替えることを示す情報(信号)を他の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに通知する例である。
以下、図18を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、最初に、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)において、蓄電池放電回路試験部87により蓄電池放電回路試験が行われているものとする。この蓄電池放電回路試験中においては、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)は、定電流垂下モードにより運転されている(ステップS601)。その後、蓄電池放電回路試験が終了し、定電力垂下モードのマスクが解除、すなわち、定電流垂下モードから定電力垂下モードへの切り替えが可能な状態になる(ステップS602)。そして、蓄電池放電回路試験が終了すると、充電兼予備ユニット(CH−U)は蓄電池61に対する充電制御を開始する(ステップS603)。
また、蓄電池放電回路試験の終了後において、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの中の1つの直流電源ユニットRF−Un(図上でハッチが付された直流電源ユニット)が、垂下特性を切り替えるためのトリガ条件(出力電圧Voが360V以下)を検出する(ステップS604)。そして、直流電源ユニットRF−Unによりトリガ条件(出力電圧Voが360V以下)が検出された場合、当該直流電源ユニットRF−Unは、その垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替えることを示す信号を他の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに通知する(ステップS605,S605A,S605B)。
これにより、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nは、監視部81により制御されることなく、自律的にその垂下特性を、定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替えることができる(ステップS606)。一方、充電兼予備ユニット(CH−U)は、充電制御のために定電流垂下モードを継続する(ステップS607)。
なお、図18に示す例では、1つの直流電源ユニットRF−Un(図上でハッチが付された直流電源ユニット)が、その垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替える際に、この垂下特性を定電力垂下モードに切り替えることを示す信号を他の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに通知する例を示しているが、これに限定されない。例えば、1つの直流電源ユニットRF−Unが、その垂下特性を定電力垂下モードから定電流垂下モードに切り替える際にも、この垂下特性を定電流垂下モードに切り替えることを示す信号を他の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに通知することにより、他の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードから定電流垂下モードに切り替えることができる。
このように、本発明の第3の実施形態においては、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの内の1つの直流電源ユニットRF−Un(図上でハッチが付された直流電源ユニット)において、垂下特性の切り替えのためのトリガ条件が検出された場合は、このトリガ条件の検出に応じて垂下特性を切り替えることを示す信号を、他の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nに通知することにより、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nは、監視部81から制御されることなく、自律的に垂下特性を切り替えることができる。
なお、上記第3の実施形態において、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの内の1つの直流電源ユニットRF−Unが、垂下特性の切り替えのためのトリガ条件を検出し、自律的に垂下特性を切り替える例を示したが、これに限定されない。例えば、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nのそれぞれが垂下特性の切り替えのためのトリガ条件が検出し、それぞれのユニットにおいて自律的に垂下特性を切り替える制御をしてもよい。すなわち、上述した第1の実施形態および第2の実施形態において、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下モードを切り替える際のトリガ条件の検出、および垂下モードの切り替え制御を、監視部81により行うのに代えて、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)のそれぞれが自律的に行ってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここで本発明と上記実施形態との対応関係について補足して説明する。本発明における直流電源装置は、図1に示す直流電源装置101が対応し、本発明における直流電源ユニットは、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが対応する。また、本発明における充電兼予備ユニットは、充電兼予備ユニット(CH−U)が対応し、本発明における蓄電池は蓄電装置60内の蓄電池61が対応する。また、本発明における監視部は、監視部81が対応する。
(1)そして、上記実施形態において、直流電源装置101は、出力電流を所定の値に制限する定電流垂下特性を有するとともに、負荷RLに所定の値以上の電流を出力する必要がある場合に、一時的に出力電圧を垂下させて出力電流を増加させる定電力垂下特性を有する複数の直流電源ユニット(RF−U)1〜Nと、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nへ入力電源が供給されなくなった場合に、負荷RLに電力を供給する蓄電池61と、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nのいずれかが故障した場合に、当該故障した直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの代替のユニットとして使用されるとともに、通常運転時には、蓄電池61へ充電を行う充電兼予備ユニット(CH−U)と、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態を監視するとともに、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の垂下特性を制御する監視部81と、を備え、この監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)および充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態が、全てのユニットが正常に運転している通常運転中の状態か、停電から復電後の運転を開始した状態か、および、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)が運転を開始した状態か、のうちいずれの状態であるかを判定し、判定した運転状態に応じて直流電源ユニット(RF−U)および充電兼予備ユニット(CH−U)における垂下特性を制御する。
このような構成の直流電源装置101では、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)に定電力垂下特性を持たせることで、一時的に所定の値以上の電流(例えば、連続定格電流以上の電流)を負荷RLに流せるようにする。そして、この一時的な定電力垂下動作を行うために、直流電源装置101では、通常運転時、復電後の起動時、および、故障ユニットの復旧時のそれぞれの場合に応じてユニットの垂下特性を制御する。すなわち、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態を監視し、通常運転中の状態か、停電から復電後の運転を開始した状態か、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)が運転を開始した状態か、のいずれの状態であるかを判定し、判定した運転状態に応じて直流電源ユニット(RF−U)および充電兼予備ユニット(CH−U)における垂下特性を制御する。
これにより、通常運転時において必要とされる仕様(例えば、スイッチング素子の選定や熱設計の仕様)のままで、一時的に定電流垂下特性を定電力垂下特性に切り替えることにより通常運転時の定格電流以上の電流を負荷RLに供給することができるとともに、直流電源装置の運転状態に応じて、定電流垂下特性と定電力垂下特性との切り替え動作を制御することができる。
(2)また、上記実施形態において、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態に応じて、通常運転中における垂下特性を制御する第1の垂下制御モードと、復電後の起動時における垂下特性を制御する第2の垂下制御モードと、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)が運転を開始した際に垂下特性を制御する第3の垂下制御モードと、のいずれかの垂下制御モードを選択し、選択した垂下制御モードに応じて直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)における垂下特性を制御する。
このような構成の直流電源装置101では、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nおよび充電兼予備ユニット(CH−U)の運転状態に応じて、通常運転時における垂下特性を制御する第1の垂下制御モードと、復電後の起動時における垂下特性を制御する第2の垂下制御モードと、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)が運転を開始した際における垂下特性を制御する第3の垂下制御モードと、のいずれかの垂下制御モードを選択する。そして、監視部81は、この選択した垂下制御モードおいて設定される条件に従い、定電流垂下モードと定電力垂下モードとの切り替えを行う。
これにより、通常運転時において必要とされる仕様(例えば、スイッチング素子の選定や熱設計の仕様)のままで、一時的に定電流垂下特性を定電力垂下特性に切り替えることにより通常運転時の定格電流以上の電流を負荷RLに供給することができるとともに、直流電源装置の運転状態に応じて、定電流垂下特性と定電力垂下特性との切り替え動作を制御することができる。
(3)また、上記実施形態において、監視部81は、上記復電後の起動時の第2の垂下制御モードにおいて、起動から所定の時間の間(例えば、数秒〜数十秒の間)は直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電力垂下モードとする。
このような構成の直流電源装置101では、復電後の起動時における第2の垂下制御モードにおいて、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの運転開始とともに、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下動作を定電力垂下モードとし、負荷RLに多くの電流を供給できるようにする。
これにより、監視部81は、復電後の起動の際に、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nを定電力垂下モードで制御することにより、負荷RLに多くの電流を供給できるようにし、直流電源装置101の出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)まで迅速に復旧させることができる。
(4)また、上記実施形態において、監視部81は、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)1〜Nが運転を開始した際に垂下特性を制御する第3の垂下制御モードにおいて、復旧した直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの運転が開始されたことを検出した場合、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替える。
このような構成の直流電源装置101では、故障した直流電源ユニット(RF−U)の復旧後において、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転が開始されたことを検出した場合、監視部81は、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに一時的に切り替える。
これにより、故障から復旧した直流電源ユニット(RF−U)の運転が開始された場合、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流を増大させ、出力電圧Voを定常電圧(例えば、定格電圧380V)に復旧させることができる。
(5)また、上記実施形態において、監視部81は、上記通常運転中の第1の垂下制御モードにおいて、直流電源装置101の出力電圧Voが所定の第1の閾値(例えば、360V)を下回った場合に、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替える。
このような構成の直流電源装置101では、 通常運転中において直流電源装置101の出力電圧Voが第1の閾値(例えば、360V)を下回った場合は、監視部81が、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの垂下特性を定電流垂下モードから定電力垂下モードに切り替え、直流電源ユニット(RF−U)1〜Nの出力電流を増大させる。
これにより、通常運転時において必要とされる仕様(例えば、スイッチング素子の選定や熱設計の仕様)のままで、出力電圧Voが低下した場合に、通常運転時の定格電流以上の電流を負荷RLに供給することができ、直流電源装置101の出力電圧Voを通常運転時の定常電圧(例えば、定格電圧380V)まで立ち上げることができる。
以上、本発明の直流電源装置101ついて説明したが、上述の直流電源ユニット(RF−U)1〜N、充電兼予備ユニット(CH−U)、および監視部81は、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、各機能部の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われてもよい。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の直流電源装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。