JP5746413B1 - 麺様ゲル状食品用の食感改良剤及び麺様ゲル状食品 - Google Patents

麺様ゲル状食品用の食感改良剤及び麺様ゲル状食品 Download PDF

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【課題】小麦粉を実質的に含まない麺様ゲル状食品のための食感改良剤及びそれによって食感が改善された麺様ゲル状食品の提供。【解決手段】チーズ、バター、クリーム、練乳、粉乳、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上の乳原料と、食塩とを有効成分として含有する麺様ゲル状食品用の食感改良剤。また、更に、グルコマンナンと、グルコマンナン以外の増粘多糖類と、前記食感改良剤とを含有する麺様ゲル状食品。これによって、麺らしい色、食感、風味を有する麺様ゲル状食品。【選択図】なし

Description

本発明は、小麦粉を実質的に含まない麺様ゲル状食品用の食感改良剤及び麺様ゲル状食品に関する。
小麦粉を使用しない低カロリーの麺として、コンニャクや、グルコマンナンを用いて作られたいわゆるコンニャク麺が知られている。このような麺は、澱粉や糖などの摂取制限がなされる糖尿病患者にとっても、食べやすいものである。
例えば下記特許文献1には、コンニャク粉に水を加えて膨潤溶解せしめ次いで塩基性アミノ酸、塩基性塩類又は両者の混合物を添加混合するか;又は塩基性アミノ酸、塩基性塩類又は両者の混合物を予め添加混合した水をコンニャク粉に加えるか;又はコンニャク粉に塩基性アミノ酸、塩基性塩類又は両者の混合物を予め混合し、次いで水を混合物に添加して膨潤溶解するかして、加熱冷却後のコンニャクゼリーのpHが8.0〜10.5となるコンニャク糊とし、これをそのまま糸状に成型し、加熱水性液で凝固せしめてなるコンニャクゼリー麺が開示されている。
また、下記特許文献2には、グルコマンナン粒と、増粘剤と、カルシュームと、食物繊維とを原料とし、通常の糸コンニャクの製造工程に従って製造したグルコマンナン麺と、グルコマンナンを液化する酵素を添加させた具と、を組合わせ包装して成る消化し易いグルコマンナン麺が開示されている。
更に、下記特許文献3には、水と、結晶セルロースと、水酸化カルシウムと、粉末マンナンとを混合し、ゲル化させて、麺線状に切り分けた麺様食品が開示されている。
一方、アルカリ剤を用いないで固めたコンニャクとして、下記特許文献4には、コンニャク精粉と、カラギーナンと、ローカストビーンガムと、水と、乳化剤と、食用油脂と、調味料とからなる刺身状コンニャクが開示されている。
特公平8−29057号公報 特開平5−199845号公報 特開2005−13143号公報 特開昭60−203159号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載されたコンニャクもしくはグルコマンナンのゲルからなるコンニャク麺は、いずれもアルカリによってゲル化させているため、臭みが残りやすく、使用前に水洗い等が必要になるという不都合があった。
一方、上記特許文献4には、アルカリを用いることなく、増粘多糖類によって、コンニャクを固めた刺身状コンニャクが開示されている。
そこで、本発明者らは、上記特許文献4のように、グルコマンナンを他の増粘多糖類でゲル化させた麺様ゲル状食品を試作してみたが、軟らか過ぎて、麺とはほど遠い食感となり、また、ゲルが伸びすぎて成形適正も悪かった。
したがって、本発明の目的は、小麦粉を実質的に含まない麺様ゲル状食品のための食感改良剤及びそれによって食感が改善された麺様ゲル状食品を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の食感改良剤は、小麦粉を実質的に含まない麺様ゲル状食品用の食感改良剤において、チーズ、バター、クリーム、練乳、粉乳、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上の乳原料と、食塩とを有効成分として含有することを特徴とする。
本発明の食感改良剤において、前記乳原料は、脱脂粉乳、全脂粉乳、クリームチーズ、及びカゼインであることが好ましい。
本発明の食感改良剤によれば、麺様ゲル状食品の製造工程で原料中に添加することにより、得られる麺様ゲル状食品に、白さと硬さが付与され、歯切れが良くなり、麺らしい色、食感、風味となる。
本発明の食感改良剤において、前記麺様ゲル状食品は、グルコマンナンを含有するものであることが好ましい。本発明の食感改良剤は、特にグルコマンナンを含有する麺様ゲル状食品に効果的である。
一方、本発明の麺様ゲル状食品は、グルコマンナンと、グルコマンナン以外の増粘多糖類と、チーズ、バター、クリーム、練乳、粉乳、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上の乳原料と、食塩とを含有することを特徴とする。
本発明の麺様ゲル状食品において、前記乳原料は、脱脂粉乳、全脂粉乳、クリームチーズ、及びカゼインであることが好ましい。
本発明の麺様ゲル状食品によれば、乳原料と食塩の添加によって、白さと適度な硬さが付与され、歯切れが良くなり、麺らしい色、食感、風味を有する麺様ゲル状食品を提供できる。
本発明の麺様ゲル状食品においては、前記増粘多糖類が、カラギーナン、ローカストビーンガム、及びキサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。増粘多糖類として、カラギーナン、ローカストビーンガム、及びキサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上を用いることにより、より良好な食感の麺様ゲル状食品が得られる。
本発明の麺様ゲル状食品においては、pHが4.6〜7.5であることが好ましい。これにより、グルコマンナンを用いても、アルカリ臭いのない、良好な風味の麺様ゲル状食品が得られる。
本発明の麺様ゲル状食品においては、前記グルコマンナン0.1〜1.5質量%、前記増粘多糖類0.4〜3.0質量%、前記乳原料0.5〜5.0質量%、前記食塩0.2〜2.0質量%含有することが好ましい。それぞれの原料の配合量を上記の範囲にすることにより、麺らしい色、食感、風味がより良好に得られる。
本発明の麺様ゲル状食品は、更に糖類を含有することが好ましい。糖類を添加することにより、食塩の塩味がまろやかになると共に、グルコマンナン及びその他の増粘多糖類の分散・膨潤が良好となる。
本発明の食感改良剤によれば、麺様ゲル状食品の製造工程で原料中に添加することにより、得られる麺様ゲル状食品に、白さと硬さが付与され、歯切れが良くなり、麺らしい色、食感、風味となる。
本発明の麺様ゲル状食品によれば、乳原料と食塩の添加によって、白さと適度な硬さが付与され、歯切れが良くなり、麺らしい色、食感、風味を有する麺様ゲル状食品を提供できる。
本発明において、小麦粉を実質的に含まない麺様ゲル状食品とは、小麦粉を実質的に含まず、各種増粘多糖類によってゲル化させ、麺線状に成形した食品を意味する。ここで、小麦粉を実質的に含まないとは、麺様ゲル状食品中の小麦粉の含量が1質量%以下であることを意味する。
また、増粘多糖類としては、特に限定されないが、例えば、グルコマンナン、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアガム、キサンタンガム、寒天から選ばれた1種又は2種以上が好ましく用いられる。本発明の食感改良剤は、特にグルコマンナンを含有する麺様ゲル状食品に対して好適である。グルコマンナンを含有する麺様ゲル状食品の更に好ましい態様については、後述することにする。
本発明の食感改良剤は、チーズ、バター、クリーム、練乳、粉乳、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上の乳原料と、食塩とを有効成分とする。上記乳原料は、脱脂粉乳、全脂粉乳、クリームチーズ、及びカゼインであることが好ましい。
ここで、カゼインとしては、通常のカゼインの他、カゼインナトリウム等を用いることもできる。
乳原料と食塩との配合比は、特に限定されないが、乳原料100質量部に対して、食塩を4〜400質量%含有することが好ましい。
食感改良剤としては、上記の他に、糖類、でんぷん類、ミネラル類等を含有することができる。
食感改良剤の形態は、特に限定されず、例えば乳原料と食塩とを粉体混合したものでよく、乳原料と食塩と必要に応じて賦形剤とを含有する原料を、顆粒状、錠剤状、ブロック状等に成形したものであってもよい。更には、乳原料と食塩とを別々に用意しておき、麺様ゲル状食品の原料中に添加してもよい。
本発明の食感改良剤は、麺様ゲル状食品の製造工程で原料中に添加することにより、得られる麺様ゲル状食品に、白さと硬さを付与し、歯切れが良くなり、麺らしい色、食感、風味にすることができる。
次に、本発明の麺様ゲル状食品は、グルコマンナンと、グルコマンナン以外の増粘多糖類と、チーズ、バター、クリーム、練乳、粉乳、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上の乳原料と、食塩とを含有することを特徴とする。上記乳原料は、脱脂粉乳、全脂粉乳、クリームチーズ、及びカゼインであることが好ましい。
グルコマンナンは、コンニャクマンナンとも称されているものであり、精製されたグルコマンナンの他、通常のコンニャク粉を用いることもできる。
ゼリー麺中のグルコマンナンの含有量は、麺の弾力性の好みによって調節することができるが、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.4〜1.0質量%がより好ましい。グルコマンナンの含有量が0.1質量%以下では弾力性が乏しく、1.5質量%を超えると弾力性が強すぎて歯切れが悪くなる。
グルコマンナン以外の増粘多糖類としては、例えば、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアガム、キサンタンガム、寒天等が挙げられるが、特に、κ−カラギーナン、ローカストビーンガム、及びキサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上が好ましく用いられ、κ−カラギーナンならびにローカストビーンガム及び/又はキサンタンガムがさらに好ましく用いられる。
麺様ゲル状食品中のグルコマンナン以外の増粘多糖類の含有量は、麺の硬さ等の好みによって調節することができるが、0.4〜3.0質量%が好ましく、0.4〜2.0質量%がより好ましい。グルコマンナン以外の増粘多糖類の含有量が0.4質量%以下ではコシが乏しく、3.0質量%を超えるとコシが強すぎて好ましくない。
グルコマンナンと、上記グルコマンナン以外の増粘多糖類とを含有させることにより、アルカリ剤を添加してなくても、ゲル化が可能となり、アルカリ臭のない麺様ゲル状食品を得ることができる。
しかしながら、グルコマンナンと、上記グルコマンナン以外の増粘多糖類とを含有させるだけで麺様ゲル状食品を製造すると、柔らか過ぎて、麺とはほど遠い食感である。
そこで、本発明では、チーズ、バター、クリーム、練乳、粉乳、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上の乳原料を添加する。これによって、麺様ゲル状食品にもちっと感を付与すると共に、麺らしい白色の色合いにすることができる。
麺様ゲル状食品中の乳原料の含有量は、0.5〜5.0質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。乳原料の含有量が0.5質量%以下では、もちっと感が乏しく、5.0質量%を超えると、乳風味の味付け以外の場合では、乳の風味が出すぎて好ましくない。
しかし、グルコマンナンと、上記グルコマンナン以外の増粘多糖類と、上記乳原料を添加するだけでは、まだ満足できる食感にはならない。
そこで、本発明では、更に食塩を添加する。食塩を添加することにより、硬さが付与され、歯切れが劇的に良くなり、麺らしい食感とすることができる。
麺様ゲル状食品中の食塩の含有量は、0.2〜2.0質量%が好ましく、0.2〜1.0質量%がより好ましい。食塩の含有量が0.2質量%以下では歯ごたえが乏しく、2.0質量%を超えると塩味が強く出てしまう。
本発明の麺様ゲル状食品は、更に糖類を含有することが好ましい。糖類を含有させることにより、前述したように、食塩の塩味がまろやかになると共に、グルコマンナン及びその他の増粘多糖類の分散・膨潤が良好となる。
糖類としては、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコールや、オリゴトース(マルトトリオース(G3)を主成分とする直鎖オリゴ糖)、フラクトオリゴ糖等のオリゴ糖や、マルトース、乳糖などの、比較的甘味度が低い糖類が好ましく使用される。
麺様ゲル状食品中の糖類の含有量は、固形分換算で、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜7質量%であることがさらに好ましい。糖類の含有量が1質量%では、まろやかさがなくなり、10質量%を超えると甘みが出てきて好ましくない。
なお、本発明の麺様ゲル状食品の水分含量は、85〜97.5質量%が好ましく、90〜95質量%がより好ましい。
本発明の麺様ゲル状食品には、その他に、ホエイ蛋白質、大豆たんぱく質等の蛋白質や、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カリウム、炭酸カリウム等の塩類や、植物油脂、乳脂肪等の油脂や、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤や、セルロース、おから、難消化性デキストリン、大豆多糖類等の食物繊維や、タピオカでんぷん、馬鈴薯でんぷん、加工でんぷん等の澱粉や、トマト、バジル、ほうれん草、エビ等の加工品、香料等を食感に大きな影響を与えない範囲で添加してもよい。
ここで、ホエイ蛋白質を添加すると、冷蔵保存等している間に麺どうしがくっつくことを防止して、麺がほぐれやすくする効果がある。麺様ゲル状食品中のホエイ蛋白質の含有量は、0.1〜5.0質量%が好ましい。
また、乳酸カルシウム、塩化カリウムを添加すると、麺様ゲル状食品からの蛋白質の溶出を抑制する効果が得られる。麺様ゲル状食品中の乳酸カルシウム及び/又は塩化カリウムの含有量は、0.02〜2.0質量%が好ましい。なお、乳酸カルシウム以外のカルシウム塩や、塩化カリウム以外のカリウム塩を用いても良い。
本発明の麺様ゲル状食品は、例えば次のような方法で製造することができる。すなわち、グルコマンナン及びその他の増粘多糖類を水に添加して、必要に応じて加熱しながら、混合して溶解させる(以下「溶液A」とする)。
一方、乳原料と、食塩と、その他の原料を水に添加して、必要に応じて加熱しながら、混合して溶解させる(以下「溶液B」とする)。
次いで、溶液Aと、溶液Bとを混合し、ステンレス製バット等の容器に薄層状に充填し、冷蔵庫等に入れて冷却・ゲル化する。
こうしてゲル化した薄層状のゲルを、例えばイカそうめん用カッター等を用いて所定の幅で切断して、麺様ゲル状食品を得る。
本発明の麺様ゲル状食品は、めんつゆやトマトソース等の適当な調味液を付けて、冷麺としてそのまま食することができる。また、本発明の麺様ゲル状食品は、サラダのトッピングとしても食することもできる。
本発明の麺様ゲル状食品は、グルコマンナンを含有するものの、従来のこんにゃく麺のようなアルカリ臭(こんにゃく臭い)はなく、食べ易く、美味である。また、小麦粉等を含まないものの、麺らしい歯ごたえと食感を有し、色も麺らしい白色をなしている。
以下、試験例により、本発明の実施例並びに比較例を説明するが、これらの実施例並びに比較例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下の試験例における、麺様ゲル状食品の製造方法や試験方法は、下記の通りである。
(麺様ゲル状食品の製造方法)
1Lステンレス缶に、増粘多糖類(グルコマンナン、その他の増粘多糖類)と、水を入れ、800gにメスアップする。温浴中でステンレス缶を加熱し、増粘多糖類を溶解した溶液Aを得る。
一方、1Lステンレス缶に、乳原料と、塩類と、その他の原料と、水を入れ、200mlにメスアップする。温浴中でステンレス缶を加熱し、乳原料と、塩類と、その他の原料とを溶解した溶液Bを得る。
溶液Aと溶液Bとを混合し、ステンレス製バットに薄層状に充填し、冷蔵庫にて冷却してゲル化する。
ゲル化した薄層ゲルを、イカそうめん用カッターを用いて、断面2.5mm×3mmの麺状にカットする。
(ゲルのレオメーター測定)
レオメーターによるゲルの破断距離、ゲル強度は、次の方法によって行った。すなわち、200mlビーカーに、溶液Aと溶液Bの混合液100gを充填し、冷蔵庫にて冷却・ゲル化する。レオメーター(サン科学製:製品名「CR−500DX」)を用いて、圧縮試験(測定条件:プランジャー直径10mmを用い、移動速度60mm/分、進入距離25mm)を行い、ゲルが破断した時のゲル強度並びに破断距離を求めて、ゲル特性を評価した。
(吸光度測定)
麺様ゲル状食品15gを100mlビーカーに入れ、30gの水を注入する。1週間冷蔵保存し、上澄みを分光光度計を用いて、280nmの吸光度を測定し、蛋白質の溶出の程度を評価した。
(色差測定)
測色色差計(日本電色工業株式会社製、製品名「ZE2000」)を用いて、L*値を測定し、麺様ゲル状食品の白さの程度を評価した。
[試験例1:乳原料、食塩の食感改良に対する効果]
下記表1,2に示す配合により、比較例1〜4、実施例1〜8の麺様ゲル状食品を製造し、ベテランの6名のパネラーにより官能評価を行うと共に、レオメーター測定及び色差測定を行った。
官能評価は、下記基準により行い、各パネラーの平均で表示した。
◎…硬さ、弾力性、歯切れ、風味ともに良好で、麺様ゲル状食品として、コシ、弾力にたいへん優れている。
○…硬さ、弾力性、歯切れ、風味ともに良好で、麺様ゲル状食品として、コシ、弾力に優れている。
△…硬さ、弾力性、歯切れ、風味のいずれかが好ましくない。
×…硬さ、弾力性、歯切れ、風味のいずれも好ましくない。
その結果を下記表1,2に示す。なお、明細書中における表の配合組成に関する数字は、いずれも質量%である。
表1、2の結果から、脱脂粉乳と食塩を添加しない比較例1,2は、麺とはほど遠い、柔らかく、伸びすぎる食感で、多糖類の臭気があった。また、脱脂粉乳と食塩を添加しない比較例5は、成形性は有るが、食感が軽く、弾力性を感じなかった。
脱脂粉乳を添加し、食塩を添加しない比較例3,4は、もっちり感が付与され、臭気がマスキングされたが、風味が乏しかった。
脱脂粉乳、食塩を添加した実施例1〜8は、歯ごたえが有り、弾力が出てきて、いずれも良好な官能評価であった。 特に、麺様ゲル状食品中の脱脂粉乳の添加量が1質量%、食塩の添加量が0.5質量%の実施例6、及び麺様ゲル状食品中の脱脂粉乳の添加量が2質量%、食塩の添加量が0.5質量%の実施例3は、非常に良好な官能評価であった。
ただし、麺様ゲル状食品中の脱脂粉乳の添加量が4質量%である実施例7は、やや乳風味があった。
[試験例2:乳原料の検討]
下記表3に示す配合により、実施例9,10、11の麺様ゲル状食品を製造し、試験例1と同様にして、官能評価を行うと共に、レオメーター測定及び色差測定を行った。その結果を、上記試験例1の実施例3と共に、下記表3に示す。
表3の結果から、乳原料として、全脂粉乳、クリームチーズ、カゼインを用いても、良好な食感の麺様ゲル状食品が得られることがわかる。
[試験例3:増粘多糖類の種類、濃度の検討]
下記表4に示す配合により、実施例12〜17の麺様ゲル状食品を製造し、試験例1と同様にして、官能評価を行うと共に、レオメーター測定を行った。その結果を、上記試験例1の実施例3と共に、下記表4に示す。
表4の結果から、グルコマンナンと、その他の増粘多糖類として、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガムの1種又は2種を用いることにより、いずれも良好な食感が得られることがわかる。
[試験例4:乳酸カルシウムと塩化カリウムの検討]
下記表5,6に示す配合により、実施例18〜22及び比較例6〜9の麺様ゲル状食品を製造し、前述した方法により、レオメーター測定、吸光度測定、色差測定を行った。その結果を、上記試験例1の実施例3と共に、下記表5,6に示す。
表5,6の結果から、食塩を添加すると共に、乳酸カルシウム(乳酸Ca)又は塩化カリウム(塩化K)を添加した実施例18〜20は、食塩を添加しただけの実施例3に比べて、280nm吸光度が低下しており、蛋白質の溶出が抑制されることがわかる。
また、食塩を添加せずに乳酸カルシウムを添加した比較例7、食塩を添加せずに乳酸カルシウムと塩化カリウムを添加した比較例9は、沈殿が生じて麺様ゲル状食品を製造できないことがわかる。更に、食塩を添加せずに塩化カリウムを添加した比較例8は、破断距離が短く、ゲル強度が高くなって、麺らしい食感が得られないことがわかる。
[試験例5:糖類の検討]
下記表7,8に示す配合により、実施例21〜28の麺様ゲル状食品を製造し、前述した方法により、レオメーター測定、色差測定、官能評価を行った。その結果を下記表7,8に示す。なお、「エスイー20」(商品名)は、物産フードサイエンス社製のマルチトールである。
表7,8の結果から、糖類を添加することにより、塩味がまろやかになり、食感も良好になることがわかる。ただし、実施例27のように、砂糖等の甘味度が高い糖類を添加すると、甘味が強くなりすぎる傾向があった。

Claims (8)

  1. グルコマンナンとカラギーナンとを含有し、小麦粉を実質的に含まない麺様ゲル状食品用の食感改良剤において、チーズ、バター、クリーム、練乳、粉乳、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上の乳原料と、食塩とを有効成分として含有することを特徴とする麺様ゲル状食品用の食感改良剤。
  2. 前記乳原料が、脱脂粉乳、全脂粉乳、クリームチーズ、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の麺様ゲル状食品用の食感改良剤。
  3. グルコマンナンと、グルコマンナン以外の増粘多糖類と、チーズ、バター、クリーム、練乳、粉乳、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上の乳原料と、食塩とを含有し、前記増粘多糖類としてカラギーナンを少なくとも含むことを特徴とする麺様ゲル状食品。
  4. 前記乳原料が、脱脂粉乳、全脂粉乳、クリームチーズ、及びカゼインから選ばれる1種又は2種以上である請求項3記載の麺様ゲル状食品。
  5. 前記増粘多糖類として、カラギーナンと、ローカストビーンガム及び/又はキサンタンガムとを含有する請求項3又は請求項4記載の麺様ゲル状食品。
  6. pHが4.6〜7.5である請求項のいずれか1つに記載の麺様ゲル状食品。
  7. 前記グルコマンナン0.1〜1.5質量%、前記増粘多糖類0.4〜3.0質量%、前記乳原料0.5〜5.0質量%、前記食塩0.2〜2.0質量%含有する請求項のいずれか1つに記載の麺様ゲル状食品。
  8. 更に、糖類を含有する請求項のいずれか1つに記載の麺様ゲル状食品。
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