JP5742413B2 - レジスト組成物、レリーフパターンの製造方法、及び電子部品 - Google Patents

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本発明は、微細加工に有用な化学増幅型レジストを形成するためのレジスト組成物、並びに、当該レジスト組成物を用いたレリーフパターンの製造方法及び電子部品に関する。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでおり、例えば寸法幅50nm以下の高解像力が求められている。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われており、現在用いられているKrFエキシマレーザー光に加え、ArF、F2、EUV、X線、電子線やその他の荷電粒子線等を露光光として用いたリソグラフィーが提案されている。
特に電子線およびEUV露光によるパターン形成は、次世代もしくは次々世代リソグラフィー技術として位置づけられており、半導体集積回路のゲート層作成用やガラス基板上に形成されるマスクパターン加工用として高感度、且つ高解像の要求を満たすレジストの開発が望まれている。これらに対するレジスト材料としては、感度の向上を目的として、酸の触媒反応を利用した化学増幅型感光性組成物が用いられている。ネガ型の化学増幅型感光性組成物は、通常、アルカリ可溶性樹脂と光の照射によって酸を発生する酸発生剤成分と架橋性化合物、塩基性化合物等を含有している。かかる感光性組成物は、露光により酸発生剤成分から発生した酸の作用により樹脂と架橋性化合物との間で架橋が生じ、アルカリ可溶性からアルカリ不溶性に変化する。また、架橋反応の際に生じる酸が触媒的に反応を繰り返すことで、より少ない露光量でのパターン露光が可能となる。一方、ポジ型の化学増幅型感光性組成物は、露光により酸発生剤成分から発生した酸の作用により、例えば、酸解離性保護基の脱離等が行われ、現像液に対する溶解性が増大する。
従来、半導体のリソグラフィーには、重量平均分子量が約5000以上の高分子をベースとしたレジスト材料が使用されてきた。
しかしながら、このような高分子材料は分子量が大きく且つ分子量分布が広いため、解像力やラインエッジラフネス(Line Edge Roughness、LER)の低減には限界がある。
そこで、低分子量で且つ分子サイズが小さい低分子材料の開発が行われており、当該低分子材料は、高分子材料に比べて解像力に優れ、更に、LER低減についても期待できる。このような低分子材料をベースとしたネガ型レジストの例としては、カリックスレゾルシンアレンおよびその誘導体を用いたレジスト(特許文献1、非特許文献1)、低分子ポリフェノール性化合物誘導体を用いたレジスト(非特許文献2)、環状ポリフェノール性化合物誘導体を用いたレジスト(特許文献2)が挙げられる。
一方、化学増幅型のレジスト材料に塩基性化合物が用いられたものとしては、特許文献3に、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と、キノンジアジド基含有化合物と、ビニル基、ベンジル基、アルキル基が置換されていても良いイミダゾール化合物とを含むポジ型フォトレジスト組成物が開示されている。特許文献3は、レジストの保存安定性を損なうことなく基板に対しての密着性の優れたレジストパターンを得ることを目的とした技術である。
特許文献4では、レジストの膜減り防止効果が高く、孤立パターンのフォーカスマージン拡大効果が高いレジスト材料得ることを目的として、特定のポリエーテル基を持つアミンを含有するレジスト材料が記載されている。
特許文献5では、レジストの膜減り防止効果が高く、解像性とフォーカスマージン拡大効果が高いレジスト材料を得ることを目的として、特定のベンズイミダゾール骨格及びエステル基、アセタール基、又は、シアノ基などの極性官能基を有する塩基性化合物を含有することを特徴とするレジスト材料が記載されている。
しかしながら、解像性を課題としている特許文献5においても160nmのラインアンドスペースを形成しているにすぎず、特許文献1〜5及び非特許文献1、2のフォトレジストはいずれも解像力が不十分であり、さらなる微細化パターンを形成可能なレジストが求められていた。
特開平10−239843号公報 特開平11−153863号公報 特開平9−236923号公報 特開2004−46157号公報 特開2004−347738号公報
Journal of Photopolymer Science and Technology Volume21,Number3(2008)443−449 Chemistry of Materials 2006,18,3404−3411
本発明は、このような状況下になされたものであり、活性エネルギー線の照射によるパターン形成において、化学増幅レジスト特有の高感度を維持しつつ解像力に優れるレジスト組成物、及び当該レジスト組成物を用いたレリーフパターンの製造方法及び電子部品を提供することを目的とする。本発明は、特に化学増幅レジストでは難しいとされてきた30nmを下回る微細パターンを、感度及びその他特性を損なうことなく形成できるレジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、フェノール性化合物と、酸発生剤に、特定の有機塩基化合物を組み合わせて用いることにより、感度や、その他の特性を損なうことなく、解像力が向上し、微細なパターン形成が可能なレジスト組成物が得られることを見出した。
本発明は係る知見に基づいて完成したものである。
本発明は、フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、下記式(1)で表され、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上3000以下の有機塩基性化合物(C)とを含有する、レジスト組成物を提供する。
Figure 0005742413
(式(1)中、R は、アルキレン基を表し、R は、アラルキル基であり、R は、オキシ基(−O−)を有してもよい1価の有機基であり、Arは、芳香環を有する1価の有機基である。但し、1分子中に、フェノール性水酸基及び/又はエーテル結合を1個以上有する。)
本発明に係るレジスト組成物は、フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、前記式(1)で表され、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上3000以下の有機塩基性化合物(C)と、架橋性化合物(D)とを含有し、前記フェノール性化合物(A)と前記架橋性化合物(D)が同一の化合物であってもよい、レジスト組成物とすることができる。
本発明に係るレジスト組成物においては、前記フェノール性化合物(A)と前記架橋性化合物(D)が同一の化合物であって、当該同一の化合物が、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、フェノール性水酸基を有する芳香環に、ヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する分子量300以上3000以下のフェノール性化合物(A’)であることが、高解像力で低ラインエッジラフネスのパターンを得ることができる点から好ましい。
また、本発明に係るレジスト組成物は、フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、前記式(1)で表され、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上3000以下の有機塩基性化合物(C)とを含有し、前記フェノール性化合物(A)が、少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール性化合物(Acap)である、レジスト組成物とすることができる。
本発明に係るレジスト組成物においては、前記フェノール性化合物(A)が、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300〜3000のフェノール性化合物であることが、解像力が向上する点から好ましい。
本発明に係るレジスト組成物においては、前記有機塩基性化合物(C)における前記オキシ基(−O−)が、芳香環に直接結合していることが、塗膜中の均一性を向上し、高感度、且つ高解像力で、低ラインエッジラフネスのパターンを得ることができる点から好ましい。
本発明に係るレジスト組成物においては、前記塩基性化合物(C)が、下記化学式(C−1)〜(C−31)及び(C−34)からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
本発明に係るレジスト組成物においては、前記フェノール性化合物(A)又は前記フェノール性化合物(A’)のガラス転移温度(Tg)が60℃以上であることが、均一な塗膜を形成しやすく、高解像力が得られる点から好ましい。
本発明は、(i)前記本発明に係るレジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を露光し、加熱し、現像する工程、を含むレリーフパターンの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記本発明に係るレジスト組成物又はその硬化物により少なくとも一部分が形成されている、電子部品をも提供する。
本発明によれば、活性エネルギー線の照射によるパターン形成において、化学増幅レジスト特有の高感度を維持しつつ解像力に優れるレジスト組成物、及び当該レジスト組成物を用いたレリーフパターンの製造方法及び電子部品を提供することができる。特に化学増幅レジストでは難しいとされてきた30nmを下回る微細パターンを、感度及びその他特性を損なうことなく形成できるレジスト組成物を提供することができる。
以下、本発明に係るレジスト組成物、レリーフパターンの製造方法及び電子部品について順に説明する。
なお本発明において、活性エネルギー線とは、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、及びFエキシマレーザー等の遠赤外線、電子線、イオンビーム、EUV、X線等を意味する。
また、本発明における基(原子団)の表記において、置換及び非置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。アルキレン基の2価の結合は、異なる炭素原子からの場合(例えば、−CH−CH−)の他、同一の炭素原子からの2価の結合も含む(例えば、−CH−)。また、アルキル基、シクロアルキル基は、飽和炭化水素の他、二重結合、三重結合等を有する不飽和炭化水素を含む。シクロアルキル基は、単環式の他、2環性、3環性等の多環性炭化水をも含む。
[レジスト組成物]
本発明に係るレジスト組成物は、フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上の有機塩基性化合物(C)とを含有することを特徴とする。
本発明に係るレジスト組成物は、フェノール性化合物(A)と酸発生剤(B)と、上記特定の有機塩基化合物(C)を組み合わせて用いることにより、高感度を維持しつつ解像力に優れ、特に化学増幅レジストでは難しいとされてきた30nmを下回る微細パターンを、感度及びその他特性を損なうことなく形成することができる。
フェノール性化合物(A)と酸発生剤(B)に、上記特定の有機塩基化合物(C)を組み合わせて用いることにより、上記のような効果を発揮する作用としては未解明ではあるが以下のように推定される。
化学増幅型のレジスト組成物は、通常、活性エネルギー線の照射(以下、露光という場合がある)によって酸を発生する酸発生剤成分を含有している。露光により酸発生剤から酸が発生すると、当該酸が触媒として作用して、例えばネガ型レジスト組成物の場合、アルカリ可溶性樹脂と架橋性化合物との間で多くの架橋が生じ、アルカリ可溶性からアルカリ不溶性に変化する。また、ポジ型レジスト組成物の場合、アルカリ不溶性樹脂に当該酸が作用して、多くの保護基が分解することによりアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターン形成において、化学増幅型のレジスト組成物からなるレジスト膜を選択的に露光すると、或いは露光に加えて露光後加熱すると、露光部と未露光部の間で、アルカリ溶解性に差が生じ、アルカリ現像することにより、レジストパターンを形成することができる。
ところで、例えば、ネガ型レジスト組成物を塗膜とした場合、レジスト組成物の各成分や、前記酸発生剤より発生した酸は、PEB中加熱されることにより当該塗膜中で拡散するものと推定される。中でも、発生した酸が塗膜中で動き、未露光部に拡散した場合には、パターンが形成されてはいけない未露光部にパターンが形成されてしまい、レジストパターンの解像力を悪化させるものと推定される。従来より、有機塩基性化合物等を用いることによりこのような酸の拡散を抑えられることが知られている。しかしながら、従来の有機塩基性化合物を用いても得られるパターンの解像力は不十分であった。これは従来の有機塩基性化合物を用いた場合には、当該有機塩基性化合物も同様に塗膜中を動くことができ、当該有機塩基性化合物が露光部に拡散し、前記発生した酸との間で中和反応を起こすことにより、露光部の感度を悪化し、同時に未露光部の有機塩基性化合物の濃度が減少し、本来抑制されるべき反応が未露光部でも起こってしまう。その結果、レジストパターンの形状を悪化させるからではないかと推定される。またフェノール性化合物と相溶性が悪い塩基性化合物の場合、塗膜中のレジスト組成物の均一性が不安定となり、塩基性化合物が偏在することにより解像力が不十分となっていたのではないかと推定される。
芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上の有機塩基性化合物(C)をフェノール性化合物(A)と組み合わせて用いることにより、当該有機塩基性化合物(C)はフェノール性化合物(A)との相溶性が高いため、レジスト塗膜中の均一性が高まるとともに、当該有機塩基性化合物(C)の拡散性が低下するものと推定される。また、分子量が400以上というある程度大きな有機塩基性化合物(C)とすることによっても、更に拡散を抑えることができるため、上記のように、露光部に拡散する有機塩基性化合物の量の減少を抑制して、これによりレジスト解像力の低下が起こらないものと推定される。このように、露光部では、発生した酸が中和されずに解像力を保ち、未露光部では、発生した酸が拡散されるのを防ぐことにより、露光部では酸が高濃度で存在し、未露光部では酸が存在しない、すなわち露光部と未露光部の境界部における酸の濃度差がはっきりするため、感度、及び他の特性を維持しつつ、解像力に優れるものと推定される。
本発明のレジスト組成物は、少なくとも、フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、特定の有機塩基性化合物(C)とを必須成分として含有するものであり、必要に応じて他の成分を含有してもよいものである。
ネガ型レジスト組成物として用いる場合、本発明のレジスト組成物は、フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上の有機塩基性化合物(C)と、架橋性化合物(D)とを含有し、前記フェノール性化合物(A)と前記架橋性化合物(D)が同一の化合物であってもよいものである。
ポジ型レジスト組成物として用いる場合、本発明のレジスト組成物は、フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上の有機塩基性化合物(C)とを含有し、前記フェノール性化合物(A)が、少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール性化合物(Acap)である。
以下、このような本発明のレジスト組成物の各成分について順に説明する。
<フェノール性化合物(A)>
本発明において用いられるフェノール性化合物(A)は、フェノール性水酸基を有する化合物である。なお、本発明において、「フェノール性水酸基」とは、ベンゼン環等の芳香環に直接結合された水酸基を意味する。
本発明において用いられるフェノール性化合物(A)は、1分子中のフェノール性水酸基の数は特に限定されない。中でも、パターンの解像力を向上させる点から、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有していることが好ましく、フェノール性化合物(A)は、フェノール性水酸基を1分子中に3個以上有することがより好ましく、フェノール性水酸基を1分子中に4個以上有することが更により好ましい。フェノール性水酸基を1分子中に4個以上有する場合には、三次元的な架橋が可能となりパターン強度が向上することにより、現像後に生じるパターン倒れによる解像力低下を抑制でき、解像力がより向上する。また、分子内により多くの極性基が存在することで、極性基と基板間の相互作用が向上し密着性が改善し、当該基板との密着性は解像力の向上にもつながる。
中でも、フェノール性水酸基を有するベンゼン環を1分子中に4個以上含むことが上記効果の点から更により好ましい。
本発明において用いられるフェノール性化合物(A)の分子量は特に限定されない。中でも、パターンの高解像力化が図れる点から、分子量300〜3000のフェノール性化合物であることが好ましい。
分子量が300以上であれば、レジスト膜を形成する能力やパターンを形成する能力に優れる。また、分子量が3000以下であれば、レジスト組成物に用いられる溶剤による膨潤が生じにくくなり、パターン倒れが起こりにくく、また、パターンの形状を良好なものとすることができる。ここでの分子量は、その分子を構成する原子の原子量の和をいう。また、分子量分布を有するオリゴマーである場合には、GPC(ポリスチレン換算)を用いた重量平均分子量で表される。
本発明において用いられるフェノール性化合物(A)の分子量としては、中でも、500〜2500であることが好ましく、更に600〜2000であることが、成膜性および解像性の点から好ましい。
以上のことから、本発明において用いられるフェノール性化合物(A)は、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300〜3000のフェノール性化合物であることが好ましい。
また、本発明において用いられるフェノール性化合物(A)は、ガラス転移温度(Tg)が60℃以上、更に90℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が60℃以上であると、塗膜を形成する際に、脱濡れ現象(dewetting)が起こり難くなり、均一な膜が得られやすくなる。なお、脱濡れ現象とは、塗り広げた塗膜がプリベーク時に溶解して、はじきが生じ、均一に膜が形成されない現象をいう。
通常、レジスト組成物用の溶剤としては、低沸点の溶剤を用いるとレジスト膜が急激に乾燥して均一な膜が得られないことから、スピンコート法などで塗布する際に均一なレジスト膜を得るために、沸点が80〜180℃の溶剤が使用される。スピンコート法で形成されたレジスト膜は多くの残留溶媒を含んでいるため、この溶剤を除き安定なレジスト膜を形成するため、レジスト基板をホットプレートを用いて90℃以上の温度で加熱する(プリベーク)。ところが、ガラス転移温度が60℃未満のフェノール性化合物を用いると、ガラス転移温度以上の温度でのプリベーク工程においてレジスト膜の脱濡れ現象が起こり、均一な膜が得られなくなる恐れがある。
それに対し、ガラス転移温度が60℃以上のフェノール性化合物を用いる場合には、高温でのプリベークが可能となり、均一な膜が得られるほか、環境耐性(ポストコーティングディレイ:PCD)に優れたレジスト膜が得られる。更に、レジストパターン形成後のドライエッチング工程において、エッチング耐性(エッチング中の高温によるパターンの溶融を防止可能)に優れたパターンが得られる。
なお、ここでのガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により測定したものである。
また、本発明において用いられるフェノール性化合物(A)は、沸点が80〜180℃の有機溶剤に対して、23℃で0.5重量%以上の溶解性を有していることが好ましい。このような場合には、スピンコート時に急激なレジスト膜の乾燥を防ぐことが可能となり、均一なレジスト膜が得られるというメリットがある。沸点が80〜180℃の有機溶剤の代表例としては、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、2−ヘプタノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−エトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
中でも、本発明において用いられるフェノール性化合物(A)は、フェノール性水酸基を1分子中に3個以上有し、ガラス転移温度(Tg)が60℃以上であり、且つ、沸点が80〜180℃の有機溶剤に対して、23℃で0.5重量%以上の溶解性を有していることが好ましい。
上記フェノール性化合物(A)としては、下記化学式(2)及び化学式(4)で表される化合物が挙げられる。下記化学式(2)で表される化合物は、高感度、且つ、高解像力で形状が良好なパターンを得る点から好ましい。
Figure 0005742413
[化学式(2)中、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び下記化学式(3)に示す基からなる群より選ばれる基である。
Figure 0005742413
(化学式(3)中、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Qは、アリール基又はシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)
は、各々独立に、水素原子又は有機基であり、複数あるRのうち1分子中少なくとも2つは水素原子である。Rは、ハロゲン原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、及びニトロ基からなる群より選ばれる基である。上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基はそれぞれ置換基を有していても良い。
n1は1〜3の整数、n2は0〜2の整数を表す。但し、n1+n2≦4となる組み合わせをn1及びn2の数値範囲から選択するものとする。x1は3〜12の整数を表す。また、化学式(2)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
Figure 0005742413
(化学式(4)中、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシメチル基、又はアルコキシメチル基、或いは、これらの組み合わせからなる基を表す。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。また、複数あるR、R、R及びRは互いに同じであっても異なっていても良い。
10及びR11は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、複数あるR10及びR11は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR10及びR11のうち少なくとも2つは水素原子である。更に、R、R及び/又はRにおいて、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を有していてもよい。
Wは単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、又はヘテロ原子を含んでいてもよい、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基、或いは、これらの任意の組み合わせからなる基を表す。複数あるWは互いに同一であっても異なっていてもよい。
x2は正の整数を表す。
y1は0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、y1は0である。
y2は0以上の整数を表し、y3は正の整数を表す。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
k1及びk4は正の整数を表す。
k2、k3、及びk5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、k1+k2+z=5、k3+v=3、k4+k5=5、k2+k5≧2を満たす。)
上記化学式(2)で表される化合物において、Rのアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖でも、分岐状でも良い。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。また、二重結合、三重結合等の不飽和結合を有していても良い。
アルキル基が有する置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
のシクロアルキル基としては、特に制限はなく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。また、二重結合、三重結合等の不飽和結合を有していてもよく、単環性、多環性のどちらでもよい。
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。
シクロアルキル基が有する置換基としては、特に制限はないが、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基等が挙げられる。
炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖又は分岐状のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。
また、アルコキシ基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシアルキル基が好ましく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ハロゲノアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のハロゲノアルキル基が好ましく、例えば、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、1−フルオロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,1,2,2−テトラクロロエチル基等が挙げられる。
のアリール基としては、特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜14、更に好ましくは炭素数6〜12、より更に好ましくは炭素数6〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル、アントリル基等が挙げられる。
また、アリール基が有する置換基としては、シクロアルキル基、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基等が挙げられる。
アリール基が有する置換基としてのシクロアルキル基は、上記のシクロアルキル基と同様のものが挙げられる。また、当該シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基等が挙げられる。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アリール基が有する置換基としての炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、及びハロゲノアルキル基は、上記シクロアルキル基で示したとおりである。
上記化学式(3)中、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖又は分岐状のいずれでもよいが、中でもメチル基、エチル基が、高感度と溶剤溶解性を両立させる点から好ましい。mが2の場合、2つのR及びRはそれぞれ、同一であっても異なっていても良い。
上記化学式(3)中、R及びRのいずれも水素原子である場合が好適に用いられる。
上記化学式(3)中のQのアリール基としては、上記アリール基と同様のものが挙げられる。Qのアリール基が有する置換基は、上記アリール基が有する置換基と同様のものが挙げられる。また、上記化学式(3)中のQのシクロアルキル基としては、上記シクロアルキル基と同様のものが挙げられる。Qのシクロアルキル基が有する置換基は、上記シクロアルキル基が有する置換基と同様のものが挙げられる。
の有機基としては、特に制限はないが、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基が挙げられる。
のアルキル基としては、上記Rと同様のものが挙げられる。Rのアルキル基の有する置換基としては、上記Rのものと同様のものが挙げられる。
のシクロアルキル基、及びシクロアルキル基の有する置換基としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。Rのアリール基、及びアリール基が有する置換基としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。
のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
のアルキル基としては、上記Rと同様のものが挙げられる。
としてのアルキル基が有する置換基は、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
のシクロアルキル基、及びシクロアルキル基の有する置換基としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。Rのアリール基、及びアリール基が有する置換としては、上記Rのものと同様のものとすることができる。
また、Rのアルコキシ基としては、上記Rと同様のものが挙げられる。
のアシル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
x1は3〜12の整数、好ましくは4〜12の整数、より好ましくは4〜8の整数である。
前記化学式(2)で表される化合物は、フェノール性水酸基を2つ以上有すれば、各繰り返し単位の同一符号で示される置換基はそれぞれ、同じであっても異なっていても良い。各繰り返し単位におけるOR及びRの位置が同じであっても異なっていても良い。また、各繰り返し単位におけるn1及n2の数がそれぞれ、同じであっても異なっていても良い。例えば、化学式(2)で表される化合物において、x1が4の場合、下記化学式(5)のように全ての繰り返し単位が同じであっても良いし、下記化学式(6)のように全ての繰り返し単位が異なっていても良い。
Figure 0005742413
上記化学式(2)で表される化合物においては、高感度、且つ、高解像力で形状が良好なパターンを得る点から、中でも、x1が4で、n1が2又は3であることが好ましく、更にx1が4で、n1が2の、8つのRのうち水素原子が2〜8個のカリックスレゾルシンアレン誘導体であることが好ましい。更に、8つのRのうち水素原子が2〜4個であるカックスレゾルシンアレン誘導体であることが好ましく、中でも、化学式(2)の繰り返し単位中の2つのRのうち1つが水素原子で、もう1つが有機基であって、1分子中の水素原子が4個であるカリックスレゾルシンアレン誘導体であることが、高濃度の現像液を用いながら高感度を達成できる点から好ましい。
一方、上記化学式(4)で表される化合物において、R、R、R及びRにおけるアルキル基は、直鎖でも分岐状でもよく、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の炭素数1〜10個のものが挙げられる。
、R、R及びRにおけるシクロアルキル基としては、単環、多環どちらでもよい。例えば、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
、R、R及びRにおけるアリール基としては、上記Rと同様であって良い。
なお、上記化学式(4)で表される化合物において、Rは(X2)が2以上の整数の場合は、(X2)価の基となる。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基が有してよい置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)等を挙げることができる。
10及びR11における有機基とは、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミド基、シアノ基等を挙げることができる。アルキル基は、炭素数1〜10個のアルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることができる。アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等を挙げることができる。アラルキル基は、炭素数6〜12個のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等を挙げることができる。アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基に於けるアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基等を挙げることができる。
Wにおけるアルキレン基は、直鎖でも分岐状でもよく、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。
Wにおけるシクロアルキレン基は、単環、多環どちらでもよく、環を形成するアルキレン基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基)を挙げることができる。
Wにおけるアルキレン基及びシクロアルキレン基は、さらに置換基を有していてよく、置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
また、アルキレン鎖又はシクロアルキレン鎖は、アルキレン鎖中に−O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−N(R)−C(=O)−、−N(R)−C(=O)O−、−S−、−SO−、−SO−を含んでいても良い。ここでRは水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等)である。
Wにおける環状のアリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
前記フェノール性化合物(A)は、1分子中のフェノール性水酸基が2個以上存在すれば、多価フェノール性化合物等の母核となる化合物(母核化合物)のフェノール性水酸基を有機基で保護しても良い。
以下にフェノール性化合物(A)の母核化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の具体例のフェノール性水酸基は、1分子中のフェノール性水酸基が2個以上存在すれば、有機基で保護されているものであっても良い。
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
前記フェノール性化合物(A)の母核化合物は、例えば本州化学工業株式会社、旭有機材工業株式会社などから市販されており、これを用いることができる。また、各種フェノール性化合物と各種アルデヒド、ケトンの縮合により合成することもできる。
更に、本発明において用いられるフェノール性化合物(A)は、架橋性基を有していてもよい。フェノール性化合物(A)が架橋性基を有する場合には、当該フェノール性化合物(A)はレジスト基質としての機能と、後述する架橋性化合物(D)としての機能を兼ね備えることができ、フェノール性化合物(A)と後述する架橋性化合物(D)が同一化合物として用いられる。
フェノール性化合物(A)が有する架橋性基としては、酸の作用によりフェノール性化合物(A)を架橋することができれば特に限定されない。中でも、架橋性基としてヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基を有することが、レジスト膜の均一性が向上し、低ラインエッジラフネスのパターンを得ることができることから好ましい。
本発明において用いられる、架橋性基を有するフェノール性化合物(A)、すなわち、フェノール性化合物(A)と後述する架橋性化合物(D)が同一の化合物である場合、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、フェノール性水酸基を有する芳香環に、ヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する分子量400〜3000のフェノール性化合物(A’)であることが好ましい。このようなフェノール性化合物(A’)を用いることにより、フェノール性化合物(A)と架橋性化合物(D)が同一の化合物となり、レジスト組成物中の成分数を事実上減らすことができ、より均一なレジスト膜を形成することができき、高解像力及び低ラインエッジラフネスのパターンを得ることができる。
以下、このようなフェノール性化合物(A’)について詳述する。
(フェノール性化合物(A’))
本発明において用いられるフェノール性化合物(A’)は、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、フェノール性水酸基を有する芳香環に、ヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する分子量400〜3000のフェノール性化合物である。
本発明において用いられるフェノール性化合物(A’)は、フェノール性水酸基を有する芳香環に、ヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有すれば良い。フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基は、フェノール性化合物の架橋性基として機能する。このためフェノール性化合物(A’)を用いたレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物として機能する。
本発明において用いられるフェノール性化合物(A’)は、中でも、フェノール性水酸基を有する芳香環にヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を、1分子中に2個以上有することが好ましく、1分子中に3個以上有することがより好ましく、更に1分子中に4個以上有することが、架橋性を高くする点から、より好ましい。
また、フェノール性水酸基を有する芳香環上における、ヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基の置換位置は特に限定されず、フェノール性水酸基の位置を基準として、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよい。中でも、合成が容易な点から、フェノール性水酸基を基準として、オルト位又はパラ位に置換されていることが好ましく、オルト位に置換されていることがより好ましい。
アルコキシメチル基としては、アルコキシ基の炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、各種ペンチルオキシメチル基等が挙げられる。アルコキシメチル基としては、中でも、メトキシメチル基、エトキシメチル基が、感度が良好になる点から好ましい。
架橋性基としては、中でも、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、及びエトキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基であることが、反応性が高く、感度が良好になる点から好ましい。
フェノール性化合物(A’)は、フェノール性化合物(A)の性質を備えているため、フェノール性化合物(A)において好ましい態様は、フェノール性化合物(A’)においてもあてはまる。
フェノール性化合物(A’)の具体例としては、例えば、フェノール性化合物(A)において例示した、前記化学式(A−1)〜(A−36)等の母核化合物において、フェノール性水酸基を有する芳香環に、ヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する化合物が挙げられる。
以下にフェノール性化合物(A’)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。1分子中のフェノール性水酸基が2個以上存在し、フェノール性水酸基を有する芳香環に、ヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有すれば、以下の具体例のフェノール性水酸基は、有機基で保護されているものであっても良い。
また、下記式中、Lは、各々独立に、水素原子、又は、ヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基であり、1分子中少なくとも1つのLは、フェノール性水酸基のオルト位に存在するヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基である。
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
本発明に用いられるフェノール性化合物(A’)は、フェノール性化合物の母核化合物において、フェノール性水酸基を有する芳香環にヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を導入することに得ることができる。上記架橋性基として機能する置換基をフェノール性化合物の母核化合物に導入する方法としては、例えば、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物と、ホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、ゲル化などの副反応を防ぐために、反応温度を50℃以下で行うことが好ましい。また、アルコキシメチル基を有する各種ビスフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するビスフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、ゲル化などの副反応を防ぐために、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。
本発明に係るレジスト組成物において、フェノール性化合物(A)は、上述した化合物のうち、1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。フェノール性化合物(A)のうち、フェノール性化合物(A’)に属するものと、フェノール性化合物(A’)に属さないものを組み合わせて用いてもよい。
しかしながら、本発明に係るレジスト組成物において、フェノール性化合物(A)は、構造式が同じ化合物の純度が90重量%以上であることが、低ラインエッジラフネスを向上する点から好ましい。フェノール性化合物(A)は、構造式が同じ化合物の純度が90重量%以上であることが更に好ましく、95重量%以上であることが更に好ましい。
フェノール性化合物(A)として、構造式が同じ化合物の純度が高いものを用いると、現像の進行が均一となるため、ラインエッジラフネスが低減されると推定される。
但し、フェノール性化合物(A)は、構造式が同じ化合物の純度が90重量%未満であっても、不純物の構造がフェノール性化合物(A)に類似しており、相溶性が良好な場合には好適に用いることができる。
低ラインエッジラフネスを向上する点からは、本発明で用いられるフェノール性化合物としては、分子量分布を有しない方が好ましい。本発明で用いられるフェノール性化合物としては、分子量分布を有するものであっても、分子量分布が小さいものが好ましく、分子量分布(重量平均分子量<Mw>と数平均分子量<Mn>の比<Mw>/<Mn>が1.0〜1.1であることが好ましい。
当該フェノール性化合物(A)の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、30〜95重量%であることが好ましく、50〜93重量%であることがより好ましい。
また、フェノール性化合物(A’)に属する化合物である場合、その含有量はレジスト組成物の全固形分に対して、70〜98重量%であることが好ましく、80〜96重量%以上であることがより好ましい。
なお、本発明において、固形分とは、レジスト組成物中に含まれる成分のうち有機溶剤以外のものを意味する。
(一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap))
本発明のレジスト組成物においては、フェノール性化合物(A)として、少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)を用いることができる。少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)は、酸の作用により、酸分解性の保護基が解離して、アルカリ現像液に対する溶解度が増大するため、当該少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)を用いたレジスト組成物はポジ型レジスト組成物とすることができる。
少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)において、酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基の数は特に限定されない。中でも、露光部と未露光部の溶解性の差を大きくする点から、1分子中に、酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基が2個以上有することが好ましく、1分子中に3個以上有することがより好ましく、1分子中に4個以上有することが更により好ましい。
前記少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)は、前記フェノール化合物(A)のフェノール性水酸基の一部に酸分解性基を導入したものを用いることができる。
酸分解性基は、露光により酸発生剤(B)から発生した酸によって脱離し、前記一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)のアルカリ現像液に対する溶解性を増大する。
酸分解性基は、酸存在下で解離してフェノール性水酸基が発生すれば特に限定されないが、例えば、−C(R)、−COO−C(R)、−C(R)−COO−C(R)等が挙げられる。
ここで、複数あるRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R同士が互いに結合して環を形成しても良い。
Rのアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
Rのシクロアルキル基としては、単環型でもよく、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等が挙げられる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
Rのアルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
Rのアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
Rのアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等が挙げられる。
Rが有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
以下に、酸分解性基の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005742413
前記酸分解性基を導入するための化合物としては、酸分解性基を有する酸クロライド、酸無水物、ジカーボネートなどの活性カルボン酸誘導体化合物やアルキルハライドなどが挙げられるが特に限定はされない。
前記少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)は、前記フェノール化合物(A)の母核化合物と前記酸分解性基を有する化合物をトリエチルアミン等のアミン系触媒下で常圧、60℃、6〜7時間反応させ、蒸留水中に再沈殿した後、蒸留水で洗浄し、乾燥することにより製造できる。
本発明に係るレジスト組成物において、少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)は、上述した化合物のうち、1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
前記少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)の分子量は、特に限定されない。前記少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)の母核化合物が、前記フェノール化合物(A)の化学式(2)で表される化合物である場合は、分子量は、好ましくは300〜3000、さらに好ましくは、400〜1500である。
また、母核化合物が、前記フェノール化合物(A)の化学式(4)で表される化合物である場合は、分子量は、好ましくは300〜3000、さらに好ましくは、400〜2000である。
前記少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール化合物(Acap)の含有量は、全固形分に対して、50〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは60〜85重量%である。
<酸発生剤(B)>
本発明において、酸発生剤(B)は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。中でも、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤であることが好ましい。
上記酸発生剤(B)としては、下記化学式(7)〜(12)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類であることが好ましい。
Figure 0005742413
化学式(7)中、R12は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分枝状アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数1〜12の直鎖状アルコキシ基、炭素数3〜12の分枝状アルコキシ基、炭素数3〜12の環状アルコキシ基、炭素数5〜10の分岐アルコキシカルボニルアルコキシ基、水酸基、又はハロゲン原子であり、Xは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、若しくは炭素数6〜12のハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオン、又はハロゲン化物イオンである。nは0〜5の整数である。
上記化学式(7)で表される化合物としては、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメチルスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムシクロヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−t−ペンチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニル−p−トルエンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルナフチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、(4−t−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、2,4−ジ(t−ブトキシカルボニルメトキシ)フェニルジフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、(4−t−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム−2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、2,4−ジ(t−ブトキシカルボニルメトキシ)フェニルジフェニルスルホニウム−2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート等が挙げられる。
Figure 0005742413
化学式(8)中、X、R13、及びnは、化学式(7)のX、R12、及びnと同様である。
上記化学式(8)で表される化合物としては、例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート等が挙げられる。
Figure 0005742413
化学式(9)中、Aは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、又は炭素数1〜12のアルキレンオキシ基(−R’−O−、但し、R’は炭素数1〜12のアルキレン基)であり、R14は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、又は炭素数6〜12のハロゲン置換アリール基である。
上記化学式(9)で表される化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド等が挙げられる。
Figure 0005742413
化学式(10)中、R15は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分枝状アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のヘテロアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基である。前記各置換基は、炭素数1〜12のアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のハロアルキル基で置換されていてもよい。
上記化学式(10)で表される化合物としては、例えば、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジナフチルジスルフォン、ジ(4−t−ブチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(3−ヒドロキシナフチル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジスルフォン等が挙げられる。
Figure 0005742413
化学式(11)中、R16は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分枝状アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のヘテロアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基である。前記各置換基は、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
上記化学式(11)で表される化合物としては、例えば、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリル等が挙げられる。
Figure 0005742413
化学式(12)中、R17は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、1以上の塩素原子及び1以上の臭素原子を有するハロゲン化アルキル基である。ハロゲン化アルキル基の炭素数は1〜5が好ましい。
上記化学式(12)で表される化合物としては、例えば、モノクロロイソシアヌール酸、モノブロモイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸、ジブロモイソシアヌール酸、トリクロロイソシアヌール酸、トリブロモイソシアヌール酸等が挙げられる。
その他の酸発生剤(B)としては、例えば、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等のハロゲン含有トリアジン誘導体が挙げられる。
これらの酸発生剤(B)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物において、酸発生剤(B)の含有量は、前記フェノール性化合物(A)100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜25重量部、よりさらに好ましくは5〜20重量部である。この範囲よりも少なくなると像形成ができず、多くなると、均一な溶液とならず、均一な塗膜が得られない恐れがある。
従って、当該酸発生剤(B)の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、2〜30重量%であることが好ましく、更に4〜20重量%であることが好ましい。
<有機塩基性化合物(C)>
本発明において用いられる有機塩基性化合物(C)は、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上の有機塩基性化合物である。
有機塩基性化合物(C)は、前記フェノール性化合物(A)と前記架橋性化合物(D)の架橋反応を阻害することなく、露光前後に前記酸発生剤(B)から発生した酸が拡散して組成を変化させることを抑制する機能を果たす。更に本発明においては、上記特定の有機塩基性化合物(C)を用いることにより、感度やその他の特性を悪化させることなく、解像力に優れたものとすることができる。
有機塩基性化合物(C)における芳香環は、特に限定されない。例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素の他、ピリジン、ピロール、チオフェン等の複素芳香族環が挙げられる。中でも、前記フェノール性化合物(A)との相溶性の点から、芳香環は、芳香族炭化水素であることが好ましく、更にベンゼンであることがより好ましい。
前記芳香環は、有機塩基性化合物(C)1分子中に1個以上有すればよい。中でも、フェノール性化合物(A)との相溶性が向上するとともに、レジスト塗膜中での不均一な分布が抑制される点から、有機塩基性化合物(C)1分子中に芳香環を2個以上有することが好ましく、1分子中に芳香環を3個以上有することがより好ましい。
有機塩基性化合物(C)におけるオキシ基(−O−)は、エーテル結合の他、エステル結合(−COO−)及びカーボネート結合(−O−COO−)として含まれていてもよい。
オキシ基は分子中のどの位置に有していてもよく、特に限定されない。中でも、オキシ基の酸素が芳香環に直接結合していることが、前記フェノール性化合物(A)との相溶性が向上する点から好ましい。
本発明において用いられる有機塩基性化合物(C)は、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有すればよい。中でも、前記フェノール性化合物(A)との相溶性が向上する点から、有機塩基性化合物(C)1分子中にフェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を2個以上有することが好ましく、1分子中にフェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を3個以上有することがより好ましい。
本発明において用いられる有機塩基性化合物(C)の分子量は、400以上である。分子量が400以上であることにより、当該有機塩基性化合物(C)を用いたレジスト組成物は、高感度を維持しつつ、解像力に優れたものとすることができる。有機塩基性化合物(C)の分子量は、中でも、400〜3000であることが好ましく、400〜2000であることがより好ましく、更に、400〜1000であることがより好ましい。
本発明において有機塩基性化合物(C)が下記式(1)で表される化合物であることが、感度が低下することなく解像力を向上する点から好ましい。
Figure 0005742413
(式(1)中、Rは、直接結合又はオキシ基(−O−)を有してもよいアルキレン基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、オキシ基(−O−)を有してもよい1価の有機基であり、Arは、芳香環を有する1価の有機基である。但し、1分子中に、フェノール性水酸基及び/又はエーテル結合を1個以上有する。)
におけるアルキレン基としては、特に限定されず、直鎖でも分岐状でもよい。中でも、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。また、アルキレン基を構成する炭素鎖中又は炭素鎖の末端にオキシ基(−O−)を有していてもよい。
及びRにおける1価の有機基としては、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和シクロアルキル基、アリール基、及びこれらの組み合わせ(アラルキル基、アルキルアリール基等)が挙げられる。これらの有機基は、当該有機基中にオキシ基(−O−)を含むヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよく、これらは、直鎖状でも分岐状でも良い。
また、R及びRは、それらが結合して環状構造になっていても良い。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。
アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることができる。アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基等を挙げることができる。アラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等を挙げることができる。アルキルアリール基は、炭素数7〜20のアルキルアリール基が好ましく、各種アルキルフェニル基や各種アルキルナフチル基等が挙げられる。
有機基中の炭化水素基以外の結合としては、例えば、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−、ここでRは水素原子又は1価の有機基)、カーボネート結合等が挙げられる。
有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、特に限定されず、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、アルコキシ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基等が挙げられる。アリール基やアラルキル基を有する場合、更に水酸基を有していることが好ましい。
Arは、芳香環を有する1価の有機基とは、特に限定されず、芳香環そのものであってもよく、芳香環に更に置換基を有するものであってもよく、芳香環と飽和又は不飽和アルキル基や飽和又は不飽和シクロアルキル基との組み合わせであってもよい。芳香環に更に置換基を有するものとしては、例えば、芳香環に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基等を官能基として有するものが挙げられ、中でも、水酸基を有するものが好ましい。芳香環と飽和又は不飽和アルキル基や飽和又は不飽和シクロアルキル基との組み合わせとしては、例えば前記フェノール性化合物(A)の例で挙げた化学式(A−1)〜(A−36)や化学式(a−1)〜(a−47)のような様々な炭素骨格が挙げられる。
当該芳香環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素の他、ピリジン、ピロール、チオフェン等の複素芳香族環が挙げられる。中でも、前記フェノール性化合物(A)との相溶性の点から、芳香環は、芳香族炭化水素であることが好ましく、更にベンゼンであることがより好ましい。
本発明において用いられる有機塩基化合物(C)は、組み合わせて用いられる前記フェノール性化合物(A)と同じ炭素骨格を有することが相溶性を向上する点から好ましい。ここで、フェノール性化合物と同じ炭素骨格とは、フェノール性化合物のうち置換基を除いた部分をいう。
また、本発明の有機塩基性化合物(C)としては、例えばハロゲン化アルキル基を有する3級アミンとフェノール性化合物とを反応させて得られた化合物のように、塩基性化合物とフェノール性化合物とを反応させて得られた化合物であることがフェノール性化合物との相溶性の点から好ましい。
以下に、本発明において用いられる有機塩基化合物(C)の具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
Figure 0005742413
これらの有機塩基性化合物(C)は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機塩基性化合物(C)の配合量は、前記フェノール性化合物(A)100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量部未満ではその添加の効果が得られない。一方、10重量部を超えると感度が低下する傾向がある。
<架橋性化合物(D)>
本発明において用いられる架橋性化合物(D)は、酸の作用により前記フェノール性化合物(A)を架橋し、アルカリ難溶性とする化合物である。このため、架橋性化合物(D)を用いたレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物として用いることができる。
なお、前記フェノール性化合物(A’)を用いる場合には、別途架橋性化合物を含む必要はない。しかしながら、この場合にも少量添加して高感度化やパターン強度の向上に伴う解像力の改善を行っても良い。
本発明に用いられる架橋性化合物(D)は、特に限定されない。従来の化学増幅型のレジスト組成物において使用されている公知の架橋性化合物の中から任意に選択して用いることができる。
例えば、4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)]フェノール(MBHP)、4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(メトキシメチル)]フェノール(MBMP)、2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8(又は9)−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒトロキシシクロヘキサン等のヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素又はその含酸素誘導体が挙げられる。
また、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、グリコールウリル等のアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、当該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物が挙げられる。これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋性化合物、尿素を用いたものを尿素系架橋性化合物、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋性化合物、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋性化合物という。
メラミン系架橋性化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシブチルメラミン等が挙げられる。
尿素系架橋性化合物としては、例えば、ビスメトキシメチル尿素、ビスエトキシメチル尿素、ビスプロポキシメチル尿素、ビスブトキシメチル尿素等が挙げられる。
アルキレン尿素系架橋性化合物としては、例えば、モノ及び/又はジヒドロキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジエトキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジプロポキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジブトキシメチル化エチレン尿素等のエチレン尿素系架橋性化合物;モノ及び/又はジヒドロキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジエトキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジプロポキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジブトキシメチル化プロピレン尿素等のプロピレン尿素系架橋性化合物;1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
グリコールウリル系架橋性化合物としては、例えば、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラメトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラエトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラブトキシメチル化グリコールウリル等が挙げられる。
本発明において架橋性化合物(D)は1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
架橋性フェノール性化合物(A’)を用いない場合、架橋性化合物(D)の配合量は、前記フェノール性化合物(A)100重量部に対し、3〜40重量部、好ましくは3〜30重量部である。架橋性化合物(D)の配合量が、3重量部未満では架橋形成が十分に進行せず、良好なレジストパターンが得られない恐れがある。また、40重量部を超えると、レジスト溶液の保存安定性が低下し、感度が経時的に劣化する恐れがある。
<化学式(13)で表される繰り返し単位を有し、アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(E)>
本発明のレジスト組成物は、更に、下記化学式(13)で表される繰り返し単位を有し、アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(E)(以下、アルカリ可溶性ポリマー(E)ともいう)を含有していてもよい。
Figure 0005742413
(化学式(13)中、Zは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アシル基、アシロキシ基、アルキルスルホニル基、又はアルコキシ基である。Zが複数個ある場合、当該Zは同じでも異なっていてもよい。R18は、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はトリフルオロ基である。pは2〜4の整数、qは1〜3の整数を表し、p+q=5である。)
化学式(13)における、Z及びR18のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。
Zのアルキル基及びアルキルスルホニル基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
Zのアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。
Zのアシル基は、炭素数1〜8のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Zのアシロキシ基は、炭素数2〜8のアシロキシ基が好ましく、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。Zは、更にハロゲン原子等で置換されていても良い。
以下に、化学式(13)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 0005742413
アルカリ可溶性ポリマー(E)は、上記の繰り返し単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的に必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し単位を含有することができる。
このような繰り返し単位としては、下記単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、アクリル酸及びエステル類、メタクリル酸及びエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等が挙げられる。
具体的には、以下の単量体を挙げることができる。
アクリル酸及びエステル類としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アダマンチルアクリレート、ノルボルニルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸及びエステル類としては、例えば、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート等が挙げられる。
アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N,N’−ジアルキルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N’−ジアルキルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物としては、例えば、アリルエステル類、アリルオキシエタノール等が挙げられる。また、アリルエステル類の具体例としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリルラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、アルキルビニルエーテルが挙げられ、具体的には、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等が挙げられる。
その他クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等が挙げられる。
その他にも、上記種々の繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。また、共重合させる単量体は、更に置換基を有していてもよい。
アルカリ可溶性ポリマー(E)における化学式(13)で表される繰り返し単位の含有量は、40〜100モル%とすることが好ましく、更に70〜100モル%とすることが好ましい。
また、アルカリ可溶性ポリマー(E)の重量平均分子量は、2000〜80000とすることが好ましく、更に2500〜8000とすることが好ましい。
アルカリ可溶性ポリマー(E)の含有量は、全固形分に対して0.5〜70重量%とすることが好ましく、更に1〜50重量%とすることが好ましい。
<その他の成分>
本発明のレジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
<レジスト組成物の調製>
本発明に係るレジスト組成物は、必要に応じて、ネガ型レジスト組成物とすることも、ポジ型レジスト組成物とすることもできる。
ネガ型レジスト組成物とする場合、通常、有機溶剤(F)に上記のフェノール性化合物(A)、酸発生剤(B)、有機塩基性化合物(C)、架橋性化合物(D)及び必要に応じてその他の添加剤を均一に混合することにより調製される。
また、ポジ型レジスト組成物とする場合、通常、有機溶剤(F)に上記の少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール性化合物(Acap)、酸発生剤(B)、有機塩基性化合物(C)及び必要に応じてその他の添加材を均一に混合することにより調製される。
有機溶剤(F)としては、化学増幅型レジストの溶剤として一般に用いられているものが使用できる。例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用することができる。さらにイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコールや、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒が含有されていても構わない。本発明では、これらの有機溶剤(F)の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルやシクロヘキサノン、シクロペンタノン、1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
レジスト組成分中の溶剤量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的には、溶剤は、レジスト組成物の固形分濃度が好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明のレジスト組成物は、半導体集積回路のゲート層作成用、ガラス基板上に形成されるマスクパターン加工用などの微細化された電子部品を製造するためのマイクロリソグラフィプロセスに好適に使用することができる。
[電子部品]
本発明は、上記本発明に係るレジスト組成物又はその硬化物により少なくとも一部分が形成されている、電子部品をも提供する。本発明に係る電子部品は、レジスト組成物又はその硬化物が含まれる構成のいずれかに、上記本発明に係るレジスト組成物又はその硬化物を含めば、他の構成は、従来公知と同様のものとすることができる。本発明に係る電子部品としては、例えば、MEMS(マイクロ電気機械装置)部品、マイクロ機械部品、マイクロ流体工学部品、μ−TAS(マイクロ全分析装置)部品、インクジェット・プリンター部品、マイクロ反応器部品、電気伝導性層、金属バンプ接続部、LIGA(リソグラフィー電鋳成形)部品、マイクロ射出成形及びマイクロ圧印加工のための鋳型及び押型、精密印刷用スクリーン又はステンシル、MEMS及び半導体パッケージ用部品、及び紫外線(UV)リトグラフにより処理することができるプリント配線基板等が挙げられる。
[レリーフパターンの製造方法]
本発明に係るレリーフパターンの製造方法は、
(i)本発明に係るレジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を露光し、加熱し、現像する工程、を含むことを特徴とする。
本発明に係るレリーフパターンの製造方法によれば、高感度且つ高解像力で、形状が良好なパターンを形成することができる。
以下、各工程についてそれぞれ説明する。
(i)本発明に係るレジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程
本工程においては、まず、上記のレジスト組成物を基板上に塗布する。
塗布方法は、基板表面に当該レジスト組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコート法、スリットコート法、回転塗布等の各種方法を用いることができる。
次に、当該基板上に塗布した当該レジスト組成物にプリベーク(PAB)を行い、有機溶剤(F)を除去して、レジスト膜を形成する。
プリベークの温度は、当該組成物の成分、使用割合、有機溶剤(F)の種類等により適宜決めればよく、通常、70〜160℃、好ましくは90〜130℃である。また、プリベーク時間は、通常、30秒〜15分程度である。
(ii)前記レジスト膜を露光し、加熱し、現像する工程
本工程においては、まず、前記レジスト膜を、例えば、波長248nm以下の活性エネルギー線で露光する。例えば、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、前記レジスト膜を、所定のパターン形状を有するマスクを介した露光、又は当該マスクを介さない電子線の直接照射による描画等により、選択的に露光する。
露光光源は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(Extreme Ultraviolet:極紫外線)、電子線、X線等を用いて行うことができる。
次いで露光後に、露光後加熱(Post Exposure Bake、PEB)を行う。PEB処理の条件は、通常、70〜160℃、好ましくは90〜130℃で、0.1〜15分程度の時間である。
次に、上記でPEB処理された基板をアルカリ現像液を用いて現像処理し、ネガ型レジスト組成物においては、未露光部を、ポジ型レジスト組成物においては露光部を、除去する。
現像方法としては、スプレー法、スリット法、液盛り法、ディッピング法、揺同浸漬法等が挙げられる。
また、本発明のレジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n‐プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ‐n‐ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジメチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらのアルカリ現像液の中で、好ましくは第四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンの水溶液である。
また、アルカリ現像液としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いる場合、当該テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の濃度は、0.1%〜5%であることが好ましく、更に好ましくは0.5%〜3%であり、特に好ましくは1.19%〜2.38%である。2.38%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液は、一般に半導体産業において最も入手しやすい。また、当該テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の濃度が0.1%より薄い場合、空気中の二酸化炭素により現像液が中和されてしまい、感度が変動して安定的に製品を得る事が困難となる。
現像処理した後、リンス処理を行い、基板上のアルカリ現像液及び当該アルカリ現像液によって溶解したレジスト組成物を洗い流し、乾燥させて、レジストパターンを得る。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
なお、製造例における、構造及び物性の確認は以下の装置を用いて行った。
・MALDI−TOF MS:BRUKER社製、REFLEX II
1,8,9−トリヒドロキシアントラセンをマトリックスとして測定を行った。
H‐NMR:日本電子製、JEOL JNM−LA400WB
・高速液体クロマトグラフィー(HPLC):島津製作所製、LC−10ADvp
温度:40℃、流速:0.5mL/分、カラム:VP−ODS(4.7mm×150mm)、検出器SPD−M10Avp、移動相:アセトニトリル/水=8/2の測定条件で測定を行った。
(塩基性化合物、フェノール性化合物の準備)
<製造例1:塩基性化合物(C−1)の合成>
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコ中、N―(2―クロロエチル)ジベンジルアミン塩酸塩0.50g(1.69mmol)、α―クミルフェノール0.36g(1.69mmol)をアセトン30mLに溶解した。ついで炭酸カリウム2.34g(16.9mmol)を追加、60℃で48時間反応させた。反応後、残留した炭酸カリウムを除去、一旦溶媒を留去して反応物を乾固させた後に水に溶解、ついで酢酸エチルを加えて水相から目的物を抽出、さらに酢酸エチルを留去した後に、高速液体クロマトグラフィーにより精製して粘ちょうな無色液体の塩基性化合物(C−1)(分子量:435.6)を得た。
構造はMALDI−TOF MS、高速液体クロマトグラフィー、及びH‐NMRスペクトルにより確認した。
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]436.5
HPLC(アセトニトリル/水=8/2)保持時間:66.5分
H‐NMR(400 MHz, DMSO−d6, TMS): 6.76〜7.38δ(ppm)(aromatic−H)、4.01〜4.03(aromatic−O−CH2−)、3.66(aromatic−CH2−N)、2.75(N−CH2−CH2−)、1.59(aromatic−C(−CH3)―aromatic)
Figure 0005742413
<製造例2、3:塩基性化合物(C−2)、(C−3)の合成>
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコ中、N−(2−クロロエチル)ジベンジルアミン塩酸塩0.25g(1.69mmol)、(TekOC−4HBPA:本州化学工業株式会社製)0.54g(1.69mmol)をアセトン30mLに溶解。ついで炭酸カリウム1.17g(8.5mmol)を追加、60℃で48時間反応させた。反応後、残留した炭酸カリウムを除去、一旦溶媒を留去して反応物を乾固させた後に水に溶解、ついで酢酸エチルを加えて水相から目的物を抽出、さらに酢酸エチルを留去した後に高速液体クロマトグラフィーにより分取し、精製してロウ状固体の塩基性化合物(C−2)(分子量:856.2)及び(C−3)(分子量856.2)を得た。
構造はMALDI−TOF MS、高速液体クロマトグラフィー、及びH‐NMRスペクトルにより確認した。なお、H‐NMRスペクトル及びHPLCの保持時間が異なることから、塩基性化合物(C−2)と(C−3)は異性体の関係にあることがわかる。
(C−2)
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]856.8
HPLC(アセトニトリル/水=8/2)保持時間:73.5分
H‐NMR(400 MHz, DMSO−d6, TMS): 9.00&8.98(d)δ(ppm)(aromatic−OH)、8.90(aromatic−OH)、6.54〜7.37(aromatic−H)、3.98(aromatic−O−CH2−)、3.65(aromatic−CH2−N)、2.75(N−CH2−CH2−)、2.63(Cyclohexane―H2)2.01〜2.05(aromatic−CH3)、1.65(Cyclohexane―H2)、1.50(Cyclohexane―H2)、1.32(Cyclohexane―H)、1.08(Cyclohexane―H2)、0.44(−C(−CH3)2―)
(C−3)
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]856.8
HPLC(アセトニトリル/水=8/2)保持時間:89.0分
H‐NMR(400 MHz, DMSO−d6, TMS): 8.98δ(ppm)(aromatic−OH)、8.92&8.90(d)(aromatic−OH)、6.54〜7.40(aromatic−H)、4.04(aromatic−O−CH2−)、3.68(aromatic−CH2−N)、2.79(N−CH2−CH2−)、2.65(Cyclohexane―H2)2.01〜2.10(aromatic−CH3)、1.65(Cyclohexane―H2)、1.51(Cyclohexane―H2)、1.32(Cyclohexane―H)、1.07(Cyclohexane―H2)、0.43(−C(−CH3)2―)
Figure 0005742413
Figure 0005742413
<比較塩基性化合物(RC−1)>
下記化学式で表される比較塩基性化合物(RC−1)(分子量:353.7)は、(製品名トリオクチルアミン)を東京化成工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<比較塩基性化合物(RC−2)>
下記化学式で表される比較塩基性化合物(RC−2)(分子量:287,4)は、(製品名トリベンジルアミン)を東京化成工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<比較塩基性化合物(RC−3)>
下記化学式で表される比較塩基性化合物(RC−3)(分子量:323.4)は、(製品名トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン)を東京化成工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<比較塩基性化合物(RC−4)>
下記化学式で表される比較塩基性化合物(RC−4)(分子量:191.3)は、(製品名1−(3−ヒドロキシベンジル)ピペリジン)を東京化成工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<比較塩基性化合物(RC−5)>
下記化学式で表される比較塩基性化合物(RC−5)(分子量:191.3)は、(製品名1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン)を東京化成工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<比較塩基性化合物(RC−6)>
下記化学式で表される比較塩基性化合物(RC−6)(分子量:127.2)は、(製品名3−ヒドロキシキヌクリジン)を東京化成工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<製造例4:フェノール性化合物(CRA−1)の合成>
窒素雰囲気下、300mL三口フラスコ中、3−メトキシフェノール12.4g(0.1mol)をエタノール200mLに溶解した。これを氷浴下で冷却しながら2,4−ジメチルベンズアルデヒド13.4g(0.1mol)を加え、次いで、濃塩酸25mLをゆっくりと滴下し、70℃で12時間反応させた。反応後、反応液を蒸留水500mL中に注ぎ込み、生じた沈殿(黄色固体)をろ過した後、中性になるまで蒸留水で洗浄、乾燥した。精製は、高速液体クロマトグラフィーにより行い、下記化学式で表される白色のフェノール性化合物(カリックスレゾルシンアレン誘導体;CRA−1)を得た。構造はMALDI−TOF MS、及びH‐NMRスペクトルにより確認した。
Figure 0005742413
<フェノール性化合物(A−1)>
下記化学式で表されるフェノール性化合物(A−1)は、旭有機材工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<フェノール性化合物(A−2)>
下記化学式で表されるフェノール性化合物(A−2)製品名TEP−BOCPは、旭有機材工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<製造例5:フェノール性化合物(A−2S)の合成>
10重量%水酸化カリウム水溶液20mLとエタノール20mLからなる溶液に、前記化学式(A−2)で表されるフェノール性化合物5.8g(10mmol)を加え、室温で攪拌、溶解した。この溶液に37%ホルマリン水溶液14.0mL(160mmoL)を室温下でゆっくりと加えた。更に、窒素雰囲気下、40℃で24時間攪拌した後、ビーカー中の水200mLに投入した。これを氷浴にて冷却しながら2.0wt%酢酸水溶液をpH5.0になるまでゆっくりと加えた。析出物をろ別し、十分に水洗浄した後、乾燥し、ヒドロキシメチル基の数が4〜8個導入されたフェノール性化合物の混合物(A−2M)を得た。精製は、高速液体クロマトグラフィーにて行い、下記化学式で表されるフェノール性化合物(A−2S)を4.8g得た。
得られたフェノール性化合物(A−2S)の構造確認は、H‐NMRスペクトル及びMALDI−TOF MSより行った。
Figure 0005742413
<製造例6:フェノール性化合物(A−3S)の合成>
前記製造例5において、フェノール性化合物(A−2)を用いる代わりに、下記化学式で表されるフェノール性化合物(A−3)(TekOC−4HBPA:本州化学工業株式会社)6.3g(10mmol)を用い、37%ホルマリン水溶液の添加量を7.0mL(80mmoL)に変更した以外は、製造例5と同様にして、下記化学式で表される白色のフェノール性化合物(A−3S)を5.8g得た。
得られたフェノール性化合物(A−3S)の構造確認は、H‐NMRスペクトル及びMALDI−TOF MSより行った。
Figure 0005742413
Figure 0005742413
<酸発生剤>
下記化学式で表される酸発生剤ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート(P−1)は、和光純薬工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
<架橋性化合物>
下記化学式で表される架橋性化合物(D−1)は、(製品名TM−BIP−A)を旭有機材工業株式会社から入手した。
Figure 0005742413
(実施例1〜7、比較例1〜11:ネガ型レジスト組成物の調製)
各成分を表1のような配合量でプロピレングリコールモノメチルエーテル(F−1)に溶解し、12時間攪拌した後、0.2μmPTFEフィルターでろ過し、実施例1〜7及び比較例1〜11のネガ型レジスト組成物を調製した。
なお、塩基性化合物の重量部が異なるのは、実施例及び比較例に用いる塩基性化合物のモル数を合わせたためである。
Figure 0005742413
<評価:レジストパターンの形成>
上記実施例1〜7、及び比較例1〜11のレジスト組成物を用いて、以下に示す方法でレジストパターンを作成し、評価を行った。なお、結果を表2に示す。
(1)レジストの塗布
実施例及び比較例の各レジスト組成物を、6インチシリコン基板上にスピンナーを用いて、均一に塗布し、100℃で60秒間プリベーク処理(PAB)を行い、膜厚70nmのレジスト膜を形成した。
(2)レジストパターンの形成
上記のレジスト塗布基板に対し、電子線描画装置(加速電圧100KV)を用いて描画を行った。描画終了後、100℃もしくは110℃で60秒間ベーク処理(PEB)を施し、2.38%のTMAH水溶液(23℃)で60秒間現像処理し、さらに純水にて60秒間リンス処理を行い、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
<評価>
(1)感度、解像力
感度は100nmのL/Sパターンが1:1に形成される最少照射量を感度としてμC/cm単位で測定した。また、その照射量における限界解像力(ライン及びスペースが分離解像)を解像力とした。解像性の確認は、ホロン製の測長SEMにより判断した。
また、このとき得られた100nmL/SパターンのSEM像において長手方向のエッジ0.7μmの範囲について、ライン幅を500ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出、LERとした。さらに一定量のパターン寸法変化を引き起こす露光量を露光余裕度として定義、105nmが得られる露光量から95nmが得られる露光量を引いてこれを感度で割り100をかけて計算した。LERはパターン側壁の凹凸の大きさを反映しているために数値が小さいほうが望ましく、露光余裕度は露光量が変化しても寸法が変化しにくい、すなわちある一定範囲の寸法を得ることができる露光量レンジが大きい方が好ましいのでこの数値は大きい方が望ましい。
Figure 0005742413
<結果のまとめ>
上記表2に示す結果から、実施例1〜7では、解像力に優れており、感度を損なうことなく、所望の微細パターンを形成することができた。比較塩基性化合物としてRC−1からRC−6を用いた比較例1〜11では、解像力が劣っていた。
LER、露光余裕度については塩基性化合物を変更したことによる大きな差は認められていないが、実施例において解像力以外の諸性能を悪化させる事無く解像力が改善したことが示唆されている。
比較例1〜3では、塩基性化合物を同一のものとし、従来、解像力を向上できるとされた、その他の条件を変更した場合の比較を行った。比較例2では、比較例1よりも、PEB温度を下げ、比較例3では、比較例1よりも塩基性化合物の含有量を高めてそれぞれ測定を行った。比較例2及び3は、比較例1と比較しても解像力改善の効果がみられなかった。すなわち、従来の知見では達成不可能であったレジスト諸特性に悪影響を与えずに解像力を改善することが、本発明では、特定の構造、分子量を有する塩基性化合物を用いることによって達成できた。
比較例1〜9では塩基性化合物の分子量が400未満であるため、PEB中の塩基性化合物の拡散がより発生しやすい傾向があると推測される。この場合、ラインとラインの間、未露光部分での塩基性化合物の濃度低下が露光部の酸が多くあるエリアに移動することにより顕著に起こることになり、その結果、塩基性化合物が本来有する露光部で発生した酸が未露光部まで拡散すことを抑制するという効果が減じてしまったと考えられる。この場合、未露光部にも酸が拡散により浸入することにより像形成が起こりやすくなるため、パターンの分離が不十分となり解像力低下を引き起こしてしまう。一方、実施例で用いた化合物は分子量が大きく拡散が抑制されることにより、露光部と未露光部の境界部における酸の濃度差がはっきりと現れ未露光部の像形成が抑制されるため、高解像力が得られたものと推測される。

Claims (10)

  1. フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、下記式(1)で表され、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上3000以下の有機塩基性化合物(C)とを含有する、レジスト組成物。
    Figure 0005742413
    (式(1)中、R は、アルキレン基を表し、R は、アラルキル基であり、R は、オキシ基(−O−)を有してもよい1価の有機基であり、Arは、芳香環を有する1価の有機基である。但し、1分子中に、フェノール性水酸基及び/又はエーテル結合を1個以上有する。)
  2. フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、下記式(1)で表され、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する分子量400以上3000以下の有機塩基性化合物(C)と、架橋性化合物(D)とを含有し、前記フェノール性化合物(A)と前記架橋性化合物(D)が同一の化合物であってもよい、請求項1に記載のレジスト組成物。
    Figure 0005742413
    (式(1)中、R は、アルキレン基を表し、R は、アラルキル基であり、R は、オキシ基(−O−)を有してもよい1価の有機基であり、Arは、芳香環を有する1価の有機基である。但し、1分子中に、フェノール性水酸基及び/又はエーテル結合を1個以上有する。)
  3. 前記フェノール性化合物(A)と前記架橋性化合物(D)が同一の化合物であって、当該同一の化合物が、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、フェノール性水酸基を有する芳香環に、ヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する分子量300以上3000以下のフェノール性化合物(A’)である、請求項2に記載のレジスト組成物。
  4. フェノール性化合物(A)と、酸発生剤(B)と、下記式(1)で表され、芳香環を1分子中に1個以上有し、フェノール性水酸基及び/又はオキシ基(−O−)を1分子中に1個以上有する400以上3000以下の有機塩基性化合物(C)とを含有し、前記フェノール性化合物(A)が、少なくとも一部のフェノール性水酸基が酸分解性基で保護されたフェノール性化合物(Acap)である、請求項1に記載のレジスト組成物。
    Figure 0005742413
    (式(1)中、R は、アルキレン基を表し、R は、アラルキル基であり、R は、オキシ基(−O−)を有してもよい1価の有機基であり、Arは、芳香環を有する1価の有機基である。但し、1分子中に、フェノール性水酸基及び/又はエーテル結合を1個以上有する。)
  5. 前記フェノール性化合物(A)が、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300以上3000以下のフェノール性化合物である、請求項1、2又は4のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  6. 前記有機塩基性化合物(C)における前記オキシ基(−O−)が、芳香環に直接結合している、請求項1乃至のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  7. 前記塩基性化合物(C)が、下記化学式(C−1)〜(C−31)及び(C−34)からなる群から選択される1種以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
    Figure 0005742413
    Figure 0005742413
    Figure 0005742413
    Figure 0005742413
    Figure 0005742413
  8. 前記フェノール性化合物(A)又は前記フェノール性化合物(A’)のガラス転移温度(Tg)が60℃以上である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  9. (i)請求項1乃至8のいずれか一項に記載のレジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
    (ii)前記レジスト膜を露光し、加熱し、現像する工程、を含むレリーフパターンの製造方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のレジスト組成物又はその硬化物により少なくとも一部分が形成されている、電子部品。
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