JP5733132B2 - レリーフパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われており、現在用いられているKrFエキシマレーザー光に加え、ArF、F2、EUV、X線、電子線やその他の荷電粒子線等を露光光として用いたリソグラフィーが提案されている。
これらに対するレジスト材料としては、感度の向上を目的として、酸の触媒反応を利用した化学増幅型感光性組成物が用いられている。ネガ型の化学増幅型感光性組成物は、通常、レジスト基質となるアルカリ可溶性樹脂に、光の照射によって酸を発生する酸発生剤成分と架橋剤、塩基性化合物等を含有している。かかる感光性組成物は、露光により酸発生剤成分から発生した酸の作用により樹脂と架橋剤との間で架橋が生じ、アルカリ可溶性からアルカリ不溶性に変化する。また、架橋反応の際に生じる酸が触媒的に反応を繰り返すことで、より少ない露光量でのパターン露光が可能となる。一方で、化学増幅型の感光性組成物においては、感度と解像力、LERは相反関係にあり、これらを如何に両立し得るかが課題である。
特にインプリントリソグラフィーの原版となるインプリントモールドの製造や電子線直描による半導体回路のゲート層作成用のレジストとして20nm以下の分解能を持つ新たなレジストの開発が望まれている。
しかしながら、当該ネガ型レジスト組成物を用いて微細パターンの形成を行う際に、基板によっては、アルカリ性水溶液で現像を行うと、現像工程において微細パターンが倒れて、微細パターン同士が接着する場合が生じるという問題が発生した。
上記実情に鑑み、本発明の目的は、半導体素子の微細加工における性能向上及び技術の課題を解決することであり、高解像力で、パターン倒れが抑制され、低ラインエッジラフネスの微細なパターンを形成可能なレリーフパターンの製造方法を提供することである。
(ii)前記露光前レジスト膜を電子線、イオンビーム、EUV、又はX線でパターン状に露光し、露光後レジスト膜を形成する工程、及び
(iii)前記露光後レジスト膜を、有機溶剤を用いて現像する工程を含み、当該有機溶剤は、前記露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が0.5nm/sec以上であって、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤であることを特徴とする。
本発明に係るレリーフパターンの製造方法は、
(i)フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する分子量400〜2500のフェノール性化合物(A)を、当該ネガ型レジスト組成物の全固形分中に70重量%以上含有するネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、露光前レジスト膜を形成する工程、
(ii)前記露光前レジスト膜を電子線、イオンビーム、EUV、又はX線でパターン状に露光し、露光後レジスト膜を形成する工程、及び
(iii)前記露光後レジスト膜を、有機溶剤を用いて現像する工程を含み、当該有機溶剤は、前記露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が0.5nm/sec以上であって、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤であることを特徴とする。
本発明において、上記特定のネガ型レジスト組成物を用いたレジスト膜に、上記特定のアルコール溶剤を組み合わせて現像することにより、上記のような効果を発揮する作用としては以下のように推定される。
まず、上記特定のネガ型レジスト組成物は、レジスト基質の他に別途架橋剤を添加する必要がないように、レジスト基質となる比較的低分子の特定のフェノール性化合物に、架橋性基を導入し、
当該レジスト基質のレジスト組成物の固形分中含有量を高くしている。1つの分子に複数の機能を有するように設計すれば、組成物中の成分数を減らすことが可能になり、各成分の相分離によるレジスト膜の不均一性を改善することができる。そのため、本発明に用いられる上記特定のネガ型レジスト組成物は、従来の以下の(a)〜(c)のような問題を解決でき、作製されるレジスト膜の均一性が向上し、高解像力で低ラインエッジラフネスのパターンを得ることができると考えられる。従来の問題としては、以下のようなものがあった:(a)ネガ型レジスト組成物中に多数の成分を用いると、各成分の相溶性の問題から膜内で各成分が相分離しやすい;(b)ポリフェノール化合物に架橋剤を混合してレジスト組成物とする場合、相溶性の点から架橋剤の含有量には限界があるため、感度を向上し難い;(c)レジスト基質としてポリマーを用いる場合、現像時に膨潤が生じ易いため、その膨潤により解像力の低下やラインエッジラフネスの悪化が起こる。
本発明において用いられる上記特定のネガ型レジスト組成物は、特定のフェノール性化合物が組成物の固形分中に高い含有量で含まれているため、このようなネガ型レジスト組成物に対して所定以上の溶解性を有する、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤は、水酸基を複数有する上記特定のフェノール性化合物との相溶性が優れ、露光後に未露光部のレジスト膜が均一に溶解しやすく、高解像力で低ラインエッジラフネスのパターンを得ることができると考えられる。また、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤は、表面張力がアルカリ水溶液と比べて小さい傾向があるため、現像後の乾燥工程において、パターン間の表面張力によるパターン倒れを抑制できると考えられる。
また、水酸基の他に更にヘテロ原子を含むアルコール溶剤の場合には、極性が高くなる傾向があり、フェノール性化合物に対して高い溶解性を有することにより、現像時に露光後レジスト膜の膨潤が生じる傾向がある。そのため、水酸基の他に更にヘテロ原子を含むアルコール溶剤を用いて現像を行うと、パターンのうねりや、隣接するパターンとの接着が生じて、解像力が低下する傾向がある。それに対し、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤は、フェノール性化合物に対して適度な溶解性を有するため、現像時の膨潤が起こり難いと考えられる。
本発明に用いられるネガ型レジスト組成物においては、以下の化学増幅型と、非化学増幅型の2つの態様がある。
本発明に用いられるネガ型レジスト組成物の第一の態様は、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する分子量400〜2500のフェノール性化合物(A)、及び波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(B)を含有するネガ型レジスト組成物であって、当該ネガ型レジスト組成物の全固形分中における前記フェノール性化合物(A)の含有量が70重量%以上であり、化学増幅型であることを特徴とする。
このような化学増幅型レジスト組成物は、酸の作用により、高感度を達成できる。また、比較的低分子のレジスト基質をレジスト組成物の固形分含有量が高い状態で用いるため、解像力も高くなる。
そこで、本発明者らは、酸を介さず架橋反応が進行する非化学増幅型のレジスト材料に着目した。本発明に用いられる、架橋性基を1分子中に2個以上有し、アルカリ現像性を有する特定の低分子ポリフェノール性化合物(A)は、水酸基に対する架橋性基の割合が高いため、レジスト組成物の固形分中含有量を高くすることにより、反応性が向上し、酸を介さなくても十分な感度で架橋反応を進行し得る。また、架橋性基として導入されているヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基は化学的安定性に優れるため、レジスト塗布後の引き置きや真空中の露光後線幅の安定性を改善することができる。
また、本発明に用いられる非化学増幅型のネガ型レジスト組成物は、像形成時に酸の拡散を利用しないので、化学増幅型より解像力が高く、低ラインエッジラフネスを達成でき、寸法幅20nm以下のパターンを形成可能になる。
本発明において用いられるフェノール性化合物(A)は、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する、分子量400〜2500の化合物である。当該フェノール性化合物(A)の分子量を上記範囲内とすることにより、高解像で低ラインエッジラフネスが図れる。
なお、本発明において、「フェノール性水酸基」とは、ベンゼン等の芳香環に直接結合された水酸基を意味する。
フェノール性化合物(A)は、組み合わせて用いられる水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤(23℃)に対する溶解速度が0.5nm/sec以上であるものを選択して用いることが好ましく、更に1.0nm/sec以上であるものを選択して用いることが、パターン形状の向上の点から好ましい。
上記溶解速度は、例えば、上記フェノール性化合物(A)を単独で用いて、基板上に乾燥後の膜厚が40nmとなるように塗膜を形成後、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤(23℃)に10秒間浸漬した後、残膜厚を測定し、当該塗膜の膜厚40nmから残膜厚を差し引いた数値を現像時間(10秒)で割ることで、フェノール性化合物(A)の溶解速度(nm/sec)を算出することができる。
本発明において用いられるフェノール性化合物(A)の分子量としては、中でも、500〜2500であることが好ましく、更に600〜2000であることが、成膜性および解像性の点から好ましい。
通常、レジスト組成物用の溶剤としては、低沸点の溶剤を用いるとレジスト膜が急激に乾燥して均一な膜が得られないことから、スピンコート法などで塗布する際に均一なレジスト膜を得るために、沸点が90〜180℃の溶剤が使用される。スピンコート法で形成されたレジスト膜は多くの残留溶媒を含んでいるため、この溶剤を除き安定なレジスト膜を形成するため、レジスト基板をホットプレートで90℃以上の温度で加熱する(プリベーク)。ところが、ガラス転移温度が60℃未満のフェノール性化合物を用いると、プリベーク工程においてレジスト膜の脱濡れ現象が起こり、均一な膜が得られなくなる恐れがある。
それに対し、ガラス転移温度が60℃以上のフェノール性化合物を用いる場合には、高温でのプリベークが可能となり、均一な膜が得られるほか、環境耐性(ポストコーティングディレイ:PCD)に優れたレジスト膜が得られる。更に、電子線によるパターン形成時に生じるパターンの粗密依存を抑制することができる。また、レジストパターン形成後のドライエッチング工程において、エッチング耐性(エッチング中の高温によるパターンの溶融を防止可能)に優れたパターンが得られる。
なお、ここでのガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により測定したものである。
R2は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基であり、複数あるR2のうち、1分子中少なくとも2個は水素原子である。R3は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選ばれる基である。
n1は1〜3の整数、n2は0〜2の整数を表す。但し、n1+n2≦4となる組み合わせをn1及びn2の数値範囲から選択するものとする。x1は3〜12の整数を表す。
但し、R1及び/又はR3において、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する。
また、化学式(1)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
R6、R7、R8及びR9は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシメチル基、又はアルコキシメチル基、或いは、これらの組み合わせからなる基を表す。複数のR6が結合して環を形成してもよい。複数のR7が結合して環を形成してもよい。複数のR8が結合して環を形成してもよい。複数のR9が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR6、R7、R8及びR9は互いに同じであっても異なっていても良い。
R10及びR11は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、複数あるR10及びR11は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR10及びR11のうち少なくとも2つは水素原子である。更に、R6、R7、及び/又はR9において、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する。
Wは単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、又は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基、或いは、これらの任意の組み合わせからなる基を表す。複数あるWは互いに同じであっても異なっていても良い。
x2は正の整数を表す。
y1は0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、y1は0である。
y2は0以上の整数を表し、y3は正の整数を表す。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
k1及びk4は正の整数を表す。
k2、k3、及びk5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、k1+k2+z=5、k3+v=3、k4+k5=5、k2+k5≧2を満たす。)
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。
アリール基が有する置換基としてのシクロアルキル基は、上記のシクロアルキル基と同様のものが挙げられる。また、当該シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アリール基が有する置換基としての炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基、及びアルコキシメチル基は、上記で示したとおりである。
上記化学式(2)中、R4及びR5のいずれも水素原子である場合が好適に用いられる。
R2のアルキル基としては、上記R1と同様のものが挙げられる。R2のアルキル基の有する置換基としては、上記R1のものと同様のものが挙げられる。
また、R2のシクロアルキル基、及びシクロアルキル基の有する置換基としては、上記R1のものと同様のものとすることができる。更に、R2のアリール基、及びアリール基が有する置換基としては、上記R1のものと同様のものとすることができる。
R3のハロゲン原子、アルキル基としては、上記R1と同様のものが挙げられる。
R3としてのアルキル基が有する置換基は、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
また、R3のアルコキシ基としては、上記R1と同様のものが挙げられる。
また、上記化学式(1)で表される化合物においては、高感度、且つ、高解像力で形状が良好なパターンを得る点から、中でも、x1が4で、n1が2であることが好ましく、更にx1が4で、n1が2の、8個のR2のうち水素原子が0〜8個のカリックスレゾルシンアレン誘導体であって、且つ、R1に、フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を含むアリール基を有することが好ましい。
R6、R7、R8及びR9におけるシクロアルキル基としては、単環、多環どちらでもよい。例えば、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
R6、R7、R8及びR9におけるアリール基としては、上記R1と同様であって良い。
また、R6、R7、R8及びR9におけるヒドロキシメチル基、又はアルコキシメチル基としては、上記と同様であって良い。
なお、上記化学式(3)で表される化合物において、R6は(x2)が2以上の整数の場合は(x2)価の基となる。
Wにおけるシクロアルキレン基は、単環、多環どちらでもよく、環を形成するアルキレン基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基)を挙げることができる。
Wにおけるアルキレン基及びシクロアルキレン基は、さらに置換基を有していてよく、置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
Wにおける環状のアリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
また、下記式中、Lは、各々独立に、水素原子、又は、ヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基であり、1分子中少なくとも1つのLは、フェノール性水酸基のオルト位に存在するヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基である。また、分子量は、400〜2500を満たすものとする。
しかしながら、本発明で用いられるネガ型レジスト組成物において、フェノール性化合物(A)は、構造式が同じ化合物の純度が70重量%以上であることが、低ラインエッジラフネスを向上する点から好ましい。フェノール性化合物(A)は、構造式が同じ化合物の純度が80重量%以上であることが更に好ましく、90重量%以上であることが更に好ましい。
フェノール性化合物(A)として、構造式が同じ化合物の純度が高いものを用いると、現像の進行が均一となるため、ラインエッジラフネスが低減されると推定される。
但し、フェノール性化合物(A)は、構造式が同じ化合物の純度が上記の値未満であっても、不純物の構造がフェノール性化合物(A)に類似しており、相溶性が良好な場合には好適に用いることができる。
当該フェノール性化合物(A)の含有量は、非化学増幅型レジストの場合には、レジスト組成物の全固形分に対して、70重量%以上であり、80重量%以上であることが好ましく、更に90重量%以上であることが好ましい。
なお、本発明において、固形分とは、ネガ型レジスト組成物中に含まれる成分のうち有機溶剤以外のものを意味する。
本発明において、化学増幅型レジスト組成物に用いられる波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(B)は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。
化学増幅型レジスト組成物の場合、酸発生剤(B)の含有量は、前記フェノール性化合物(A)100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜25重量部、よりさらに好ましくは5〜20重量部である。この範囲よりも少なくなると像形成ができず、多くなると、均一な溶液とならず、保存安定性が低下する恐れがある。
従って、当該酸発生剤(B)の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、2〜30重量%であることが好ましく、更に4〜20重量%であることが好ましい。
本発明で用いられるネガ型レジスト組成物が化学増幅型である場合には、前記酸発生剤(B)を含むため、レジストパターン形状、保管状態での経時安定性などを向上させるために、更に有機塩基性化合物(C)を用いることが好ましい。有機塩基性化合物(C)は、公知の有機塩基性化合物の中から任意のものを選択して使用することができる。
本発明で用いられるネガ型レジスト組成物は、上記特定のフェノール性化合物(A)を用いるため、ヒドロキシメチル基、又はアルコキシメチル基を有しないフェノール性化合物を含む必要がない。ヒドロキシメチル基、又はアルコキシメチル基を有しないフェノール性化合物等、本願の上記フェノール性化合物(A)に該当しないフェノール性化合物は、本発明の効果を損なわない範囲で含んでも良いが、低ラインエッジラフネスの点から含まないことが好ましい。
また、本発明で用いられるネガ型レジスト組成物は、上記特定のフェノール性化合物(A)を用いるため、従来用いられていた架橋剤を別途含む必要がない。しかしながら、本発明の効果が損なわれない範囲内で少量添加して、高感度化やパターン強度の向上に伴う解像力の改善を行っても良い。このような架橋剤の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、10重量%以下、より好ましくは5重量%以下を目安にすることができる。このような架橋剤は、低ラインエッジラフネスの点からは含まないことが好ましい。
また、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤であっても良い。
オリゴマー又はポリマー成分としては、i線、KrFやArF用のネガ型レジスト組成物に従来用いられてきたアルカリ現像可能な樹脂である、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン誘導体、アクリル酸やメタクリル酸から誘導されるアクリル系共重合体が挙げられる。これらのオリゴマー又はポリマー成分は反応性官能基を有していても良い。
オリゴマー又はポリマー成分の重量平均分子量は、2000〜30000であることが好ましく、更に2000〜20000であることが好ましい。ここでの重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により測定されたポリスチレン換算値をいう。
本発明で用いられるネガ型レジスト組成物は、通常、有機溶剤に上記のフェノール性化合物(A)、及び必要に応じてその他の添加剤を均一に混合することにより調製される。
本発明では、これらの有機溶剤の中でもジエチレングリコールジメチルエーテルやシクロヘキサノン、シクロペンタノン、1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
レジスト組成分中の溶剤量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的には、溶剤は、レジスト組成物の固形分濃度が好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明で用いられるネガ型レジスト組成物は、調製されたのち、ろ過して使用されることが好ましい。
<(i)露光前レジスト膜を形成する工程>
本工程においては、まず、上記のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布する。
本発明で用いられる基板としては、特に限定されず、シリコン等の半導体材料;石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等;ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、クロム、鉄、コバルト、タングステン等の金属;これらの金属と炭素、珪素等の非金属とからなる合金;ガラス状カーボン等の炭素材料;或いは、これらの任意の積層材等からなる基板が挙げられる。或いは、これら基板の少なくとも一面側に、金属を1層以上成膜した金属薄膜を有する基板等を用いても良い。当該金属薄膜の材料としては、例えば、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等のクロム系化合物、MoSi、MoSixNyOz(x、y、zは正の整数)などのMoSi化合物、SiOxNy(x、yは正の整数)などのSi化合物等が挙げられる。
基板の少なくとも一面側に金属を成膜する方法としては、蒸着、スパッタ等が挙げられる。
本発明においては、特定のアルコール溶剤を用いて現像を行うため、アルカリ水溶液で現像を行うとパターン倒れが起こる場合がある、基板の少なくとも一面側に金属を1層以上成膜した金属薄膜を有する基板についても、特に、基板の少なくとも一面側にクロム系化合物を成膜した金属薄膜を有する基板についても、好適に用いることができる。
プリベークの温度は、当該組成物の成分、使用割合、有機溶剤の種類等により適宜決めればよく、通常、80〜160℃、好ましくは90〜150℃である。また、プリベーク時間は、通常、30秒〜15分程度である。
本工程は、前記露光前レジスト膜を電子線、イオンビーム、EUV、又はX線でパターン状に露光し、露光後レジスト膜を形成する工程である。
本工程においては、まず、前記露光前レジスト膜を、例えば、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターン形状を有するマスクを介した露光、又は当該マスクを介さない電子線の直接照射による描画等により、選択的に露光を行う。
露光光源は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(Extreme Ultraviolet:極紫外線)、電子線、X線、ヘリウムや水素等のイオンビーム等を用いて行うことができる。
PEB処理の条件は、通常、50〜160℃の温度で、0.1〜15分程度の時間である。
本工程は、前記露光後レジスト膜を、前記露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が0.5nm/sec以上であって、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤を用いて現像する工程である。
この工程では、露光後レジスト膜を、上記特定のアルコール溶剤からなる現像液を用いて現像処理し、露光光の未照射部分を除去する。
現像方法としては、スプレー法、スリット法、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法等が挙げられる。
前記アルコール溶剤における前記脂肪族炭化水素は、飽和又は不飽和の直鎖、分岐鎖、環状の炭化水素が挙げられる。当該脂肪族炭化水素は、芳香族炭化水素の置換基を有していても良い。
前記アルコール溶剤における1分子中の炭素数は、23℃で液体の化合物になるように、適宜選択されれば良く、特に限定されないが、1〜8が好ましく、更に1〜6が好ましい。
前記アルコール溶剤は多価アルコールであっても良く、アルコール溶剤における1分子中の水酸基の数は、適宜選択されれば良いが、1〜3が好ましく、更に1〜2が好ましい。
現像工程に用いられる当該アルコール溶剤は、前記露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が1nm/sec以上であるものが好ましく、更に、前記露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が2nm/sec以上であるものが好ましい。
単位時間当たりの溶解速度は、上記の方法と同様にして求められ、露光後レジスト膜について露光後の加熱を行った後に、露光部、未露光部の溶解速度を、それぞれ求める。
また、本発明に用いられるアルコール溶剤は、沸点が、200℃以下であることが好ましく、更に150℃以下であることが好ましい。このような場合には、リンス工程を入れることなく乾燥しやすくなる。また、溶剤がパターン間に残り難くなり、残渣発生が起こり難くなる。
リンスとしては、20℃の表面張力が40dyne/cm以下であることが好ましく、更に、30dyne/cm以下であることが好ましい。
リンスに用いられる溶剤としては、上記特定のアルコール溶剤(現像液)との相溶性に優れ、レジスト膜の溶解速度が0.1nm/sec以下であり、沸点が200℃以下である溶剤から適宜選択して用いることができる。リンスに用いられる溶剤としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、2-メチルヘキサン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
なお、製造例における、構造及び物性の確認は以下の装置を用いて行った。
MALDI−TOF MS(BRUKER社製REFLEX II)を用いて、以下の条件(マトリックス: 1,8,9−トリヒドロキシアントラセン)により測定を行った。
1H‐NMR:日本電子製、JEOL JNM−LA400WB
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、島津製作所製LC−10ADvpを用いて、以下の条件(温度:40℃、流速:0.5mL/分、カラム:VP−ODS(4.7mm×150mm)、検出器SPD−M10Avp、移動相:アセトニトリル/水)により測定を行った。
(合成例1)
10重量%水酸化カリウム水溶液20mLとエタノール20mLからなる溶液に、下記化学式(10)で表されるフェノール性化合物(母核化合物:Pre−1)(TekOC−4HBPA:本州化学工業株式会社)6.3g(10mmol)を加え、室温で攪拌、溶解した。この溶液に37%ホルマリン水溶液7.0mL(80mmoL)を室温下でゆっくりと加えた。更に、窒素雰囲気下、40℃で24時間攪拌した後、ビーカー中の水200mLに投入した。これを氷浴にて冷却しながら2.0wt%酢酸水溶液をpH5.0になるまでゆっくりと加えた。析出物をろ別し、十分に水洗浄した後、乾燥し、ヒドロキシメチル基が導入されたフェノール性化合物の混合物を得た。精製は、高速液体クロマトグラフィーにて行い、下記化学式(11)で表されるフェノール性化合物1(A−01)を5.8g得た。
MALDI−TOF−MS:実測値(m/z) 752.97[M+H]+
1H‐NMR(400MHz, DMSO−d6, TMS): δ(ppm)0.44(6H, -CH3), 1.09-1.67(14H, cHex), 2.03(12H, Ph-CH3), 2.64-2.67(4H, cHex), 4.44-4.51(8H, Ph-CH2-OH), 5.19-5.25(4H, Ph-CH2-OH), 6.74-7.02(8H, Aromatic H), 8.10-8.13(4H, Ph-OH)
前記合成例1において、フェノール性化合物(Pre−1)を用いる代わりに、下記化学式(12)で表されるフェノール性化合物(Pre−2)(TEOC−DF:旭有機材工業株式会社)4.5g(10mmol)を用いた以外は、合成例1と同様にして、下記化学式(13)で表されるフェノール性化合物2(A−02)を合成した。その結果、白色の化合物を4.3g得た。
MALDI−TOF−MS:実測値(m/z) 574.66[M+H]+
1H‐NMR(400MHz, DMSO−d6, TMS): δ(ppm) 1.99(12H, -CH3), 4.39(8H, Ph-CH2-OH), 5.21(4H, Ph-CH2-OH), 6.87-7.00(8H, Aromatic H), 8.00(4H, Ph-OH)
窒素雰囲気下、300mL三口フラスコ中、レゾルシノール11.0g(0.1mol)をエタノール400mLに溶解した。これにベンズアルデヒド10.2mL(0.1mol)を加え、次いで、濃塩酸20mLをゆっくりと滴下し、75℃で12時間反応させた。反応後、反応溶液を氷浴にて冷却し、析出した結晶をろ別後、中性になるまで蒸留水で洗浄、乾燥し、淡黄色の下記化学式(14)で表されるフェノール性化合物(Pre−3)を9.2g得た。
前記合成例1において、フェノール性化合物(Pre−1)を用いる代わりに、下記化学式(14)で表されるフェノール性化合物(Pre−03)0.8g(1mmol)を用い、37%ホルマリン水溶液の添加量を0.7mL(8mmoL)、反応温度を5℃に変更した以外は、合成例1と同様にして、下記化学式(15)で表されるフェノール性化合物3(A−03)を合成した。その結果、薄黄色の化合物を0.7g得た。
MALDI−TOF−MS:実測値(m/z) 912.97[M+H]+
1H‐NMR(400MHz, DMSO−d6, TMS): δ(ppm) 3.38(4H, Ph-CH-Ph), 4.65(8H, Ph-CH2-OH), 5.75(4H, Ph-CH2-OH), 6.16(4H, Aromatic H), 6.73-6.98(40H, Aromatic H), 8.30(8H, Ph-OH)
フェノール性化合物(A)、酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)、及び有機溶剤(D)を、表1に記載の配合量で均一溶液にし、各試料溶液を0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターでろ過して、ネガ型レジスト組成物(Res−1〜Res−5)を調製した。
B−1 : ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート
B−2 : トリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート
C−1 : トリ−n−オクチルアミン
D−1 : プロピレングリコールモノメチルエーテル
(実施例1〜13、及び比較例1〜6)
上記で調製されたネガ型レジスト組成物(Res−1〜Res−5)を用いて、以下に示す方法でレリーフパターンの製造を行った。製造条件を表2、評価結果を表3に示す。
[基板の準備]
UV/O3処理、純水超音波による洗浄と高速回転乾燥、続いて180℃で高温加熱乾燥した基板を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)雰囲気下、80℃で加熱することで表面処理を行った。
なお、基板としては、以下を用いた。
S−1:シリコンウエハ(厚み:650μm)
S−2:酸化窒化クロム製膜合成石英基板(合成石英基板厚み:6.35mm、酸化窒化クロム膜厚み:100nm)
S−3:合成石英基板(厚み:6.35mm)
上記で調製されたネガ型レジスト組成物(Res−1〜Res−5)を、各々の基板上にスピンナーを用いて、均一に塗布し、100℃でプリベーク処理(PAB)し、膜厚40nmの露光前レジスト膜を形成した。
上記で得られた基板上の塗膜(露光前レジスト膜)について、表3に示す各有機溶剤に23℃で10秒間浸した後、残膜厚を測定した。当該塗膜の膜厚40nmから残膜厚を差し引いた数値を現像時間(10秒)で割ることで、露光前レジスト膜の溶解速度(nm/sec)を求めた。溶解速度が、0.5nm/sec以上であったものを○、それ以下のものを×とした。
なお、各有機溶剤は、以下のとおりである。
E−1 : メタノール
E−2 : イソプロパノール
E−3 : 2−メチル−1−プロパノール
E−4 : エチレングリコール
E−5 : ベンジルアルコール
E−6 : 2−メトキシエタノール
E−7 : 乳酸エチル
E−8 : 酢酸アミル
E−9 : ジエチレングリコールジメチルエーテル
E−10 : 1−ヘプタノール
また、表中のTMAHは、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液である。
上記の各露光前レジスト膜に対し、電子線描画装置(加速電圧100KeV)を用いて描画を行った。描画終了後、100℃でベーク処理(PEB)を施し、露光後レジスト膜を形成した。当該露光後レジスト膜を、表2に記載した各現像液で60秒間現像処理し、ラインアンドスペース(L/S)および1本の孤立ライン(IL)のパターンを形成した。
〔感度、解像力、ラインエッジラフネス〕
感度及びラインエッジラフネス(LER)は、走査型電子顕微鏡(SEM)(ホロン社製)により測定した。感度は100nmのL/Sパターンが1:1に形成される最少照射量を感度としてμC/cm2単位で測定した。また、その照射量における1:1のラインアンドスペース(1:1L/S)および1本の孤立ライン(IL)の限界解像力(ライン及びスペースが分離解像)を解像力とした。LERは、100nmのL/Sパターンの長手方向のエッジ0.7μmの範囲について、ライン幅を500ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。LERは、4nm未満のものを○、4nm以上のものを△として評価した。
比較例1から、酸化窒化クロム製膜合成石英基板上にアルカリ水溶液で現像した場合には、パターンが倒れ易く、解像力が低くなってしまうことが明らかにされた。
一方、現像液として、露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が0.5nm/sec以上であって、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤を用いた実施例1〜13で得られたレリーフパターンは、高解像力で、パターン倒れが抑制され、低ラインエッジラフネスの微細なパターンを形成可能であることが示された。実施例3及び実施例10で示されるように、パターンが倒れ易い酸化窒化クロム製膜合成石英基板を用いてレジスト膜を作製した場合であっても、高解像力で、パターン倒れが抑制され、低ラインエッジラフネスの微細なパターンを形成可能であることが示された。
また、比較例2及び3より、現像液として、露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が0.5nm/sec以上であるアルコール溶剤を用いた場合であっても、水酸基の他にエーテル結合やエステル結合等の極性基を含むアルコール溶剤の場合には、パターンが膨潤して、解像力が悪くなり、ラインエッジラフネスも大きくなる傾向があった。
また、現像液として酢酸アミルを用いた比較例4では、露光後レジスト膜が、現像液により膨潤してパターンが得られなかった。更に、現像液としてジエチレングリコールジメチルエーテルを用いた比較例5では、パターンが膨潤して、解像力が悪くなり、ラインエッジラフネスも大きくなる傾向があった。
一方、現像液として、露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が0.5nm/sec未満の、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤を用いた比較例6では、現像しても露光後レジスト膜が残り、パターンを形成することができなかった。
Claims (5)
- (i)フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に1個以上有する分子量400〜2500のフェノール性化合物(A)を、当該ネガ型レジスト組成物の全固形分中に70重量%以上含有するネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、露光前レジスト膜を形成する工程、
(ii)前記露光前レジスト膜を電子線、イオンビーム、EUV、又はX線でパターン状に露光し、露光後レジスト膜を形成する工程、及び
(iii)前記露光後レジスト膜を、有機溶剤を用いて現像する工程を含み、当該有機溶剤は、前記露光前レジスト膜の23℃の溶解速度が0.5nm/sec以上であって、水酸基以外にヘテロ原子を含まないアルコール溶剤である、レリーフパターンの製造方法。 - 前記ネガ型レジスト組成物が、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(B)を更に含有し、化学増幅型である、請求項1に記載のレリーフパターンの製造方法。
- 前記ネガ型レジスト組成物が、有機塩基性化合物(C)を更に含有する、請求項2に記載のレリーフパターンの製造方法。
- 前記ネガ型レジスト組成物において、前記フェノール性化合物(A)がフェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に2個以上有し、酸発生剤を実質的に含有しない、非化学増幅型である、請求項1に記載のレリーフパターンの製造方法。
- 前記フェノール性化合物(A)は、フェノール性水酸基のオルト位にヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基よりなる群から選択される1種以上の置換基を1分子中に3個以上有する、請求項1乃至4のいずれかに記載のレリーフパターンの製造方法。
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