JP5266842B2 - ポジ型レジスト組成物、及び当該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物、及び当該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、微細加工に有用な化学増幅型レジストを形成するためのポジ型レジスト組成物、及び当該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法に関する。
近年、半導体素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでおり、例えば、寸法幅50nm以下の高解像度が求められている。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われており、現在用いられているKrFエキシマレーザー光に加え、ArF、F、EUV、X線、電子線やその他の荷電粒子線等を露光光として用いたリソグラフィーが提案されている。また、これらの各露光光を用いたリソグラフィーにおいては、より高感度な化学増幅型の感光性組成物が用いられるようになってきている。
化学増幅型の感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂、露光によって酸を発生する酸発生剤や塩基性化合物等を含有している。この感光性組成物は、露光によって発生した酸の存在によって、ネガ型においては感光性組成物中における架橋反応が進行し、ポジ型においては感光性組成物中における親水性基の保護基の分解(脱保護)反応が進行する。このため、より少ない露光量でのパターン露光が可能となる。
また、加工寸法と並んで重要なのは、加工精度である。例えば、ラインエッジラフネス(Line Edge Roughness、LER)値により与えられる、パターン寸法のバラつきが大きいと半導体の性能に影響を与え、深刻な問題となることが指摘されている。
従来、半導体のリソグラフィーには、質量平均分子量が約10000以上の高分子化合物をベースとしたレジスト材料が使用されてきた。
しかしながら、このような高分子材料は分子量が大きく且つ分子量分布が広いため、微細加工における加工寸法及び加工精度には限界がある。
そこで、低分子量で且つ分子サイズが小さい低分子材料の開発が行われており、当該低分子材料は、高分子材料に比べて解像力に優れ、更に、LER増大への寄与は小さいものと期待される。このような低分子材料としては、カリックスレゾルシンアレン誘導体やデンドリマー型の化合物が挙げられ、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体を用いたネガ型及びポジ型のレジスト組成物、並びにデンドリマー型化合物を用いたポジ型レジスト組成物が検討されている(特許文献1乃至3参照)。
特開平11−322656号公報 特開2003−321423号公報 特開2007−293250号公報
低分子材料は、高分子材料の様な分子鎖の絡み合いが極めて少なく、分子間力や水素結合の様な比較的弱い結合による集合体である。そのため、低分子材料を用いて形成したパターンは、高分子材料を用いて形成したパターンに比べて脆く、壊れやすい(パターン強度が低い)という問題がある。
形成されたパターンの幅と高さの比を示すアスペクト比においても、低分子材料ではパターン強度が低いために、高分子材料と同じパターン幅でも、高分子材料よりもアスペクト比が小さく(パターンの高さが低く)なってしまうという問題がある。
また、低分子材料を用いたポジ型レジスト組成物では、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解度を増大させる必要があるため、特許文献1乃至3の様に、カリックスアレーン、カリックスレゾルシンアレーン、又はデンドリマー型化合物のフェノール性水酸基を保護基により保護する必要がある。当該保護基が、酸の作用により脱保護し、フェノール性水酸基が復元し、アルカリ現像液への溶解度が増大する。しかし、カリックスアレーン、カリックスレゾルシンアレーン、及びデンドリマー型化合物にはフェノール性水酸基が多数存在し、当該水酸基を保護する際に、全ての水酸基を保護する、又は特定の水酸基のみを保護することは難しく、保護の割合(保護率)にバラつきが生じてしまう。保護率にバラつきがあると、保護率が均一な組成物に比べてパターン形状や解像度が劣化してしまう問題がある。また、保護率が均一な組成物を得るために、分取、精製等の作業が必要となり工程数が増加する問題もある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポジ型レジスト組成物として、2個以上の反応性官能基を有する化合物を利用して、分子量300〜4000の2分子以上のポリフェノール化合物のフェノール性水酸基を、酸により分解可能な結合で架橋することにより、網目構造が形成され、ポリフェノール化合物間の結合が強固になり、且つ、露光した部分のみにおいて、酸の作用により架橋結合が分解され、フェノール性水酸基が復元し、現像により強度に優れたパターン形成が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、以下の本発明の特徴により、上記問題点を解決する。
本発明に係る半導体素子のパターン形成用ポジ型レジスト組成物は、
(A)下記化学式(2)で表される化合物及び下記化学式(7)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つである、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300〜4000のポリフェノール化合物、
(B)前記フェノール性水酸基と反応し酸の作用により分解可能な架橋結合を形成し得る反応性官能基を1分子中に2個以上有する、下記化学式(1)で表される化合物、及び、
(C)波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤、
を含有し、前記ポリフェノール化合物(A)の含有量が、ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して、50〜99.5質量%であることを特徴とする。
Figure 0005266842
化学式(1)中、Xは、2価以上の基であって、ヘテロ原子、又は直鎖、若しくは分岐状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基から選ばれる基、又は当該ヘテロ原子、及び当該基からなる群より選ばれる2種以上が組み合されてなる、基である。kは2〜12の整数を表す。P〜Pはそれぞれ独立に、反応性官能基又は1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基を示す。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、ポリフェノール化合物(A)の分子量は、300〜4000である。分子量をこの範囲とすることにより、パターンの高解像度化、及び低LER化に寄与している。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、化合物(B)は、反応性官能基を1分子中に2個以上有する。これにより、レジスト組成物を基板に塗布し、プリベークした際、化合物(B)の反応性官能基が、2分子以上のポリフェノール化合物(A)のフェノール性水酸基と、酸により分解可能な架橋結合を形成することが可能となり、パターン強度を向上することができる。
また、前記フェノール性水酸基と前記反応性官能基との架橋結合は、酸の作用により、分解し、フェノール性水酸基を復元可能である。このため、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射した部分は、酸発生剤(C)の作用によってフェノール性水酸基を復元し、アルカリ現像液に可溶となる。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、前記ポリフェノール化合物(A)は、下記化学式(2)及び下記化学式(7)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つである。
また、本発明に係るポジ型レジスト組成物において、前記ポリフェノール化合物(A)の含有量が、ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して、50〜99.5質量%であることが好ましい。
Figure 0005266842

化学式(2)中、
、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。また、複数あるR、R、R及びRは互いに同じであっても異なっていても良い。
及びRは、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR及びRは互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR及びRのうち少なくとも2つは水素原子である。
Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基及びこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
x1は正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0でありかつx1は2である
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、前記化学式(2)で表される化合物は、下記化学式(3)〜(5)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842

化学式(3)〜(5)中、
、R、R、R、x1、z、m1及びm2は、化学式(2)におけるそれらと同義である。
は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のRが結合して環を形成してもよい。また、複数あるRは互いに同じであっても異なっていても良い。
uは正の整数を表す。ただしu+x1=3である。
rは正の整数を表す。
はアリーレン基を表す。
は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
Tは下記化学式(6)で表される構造を有する基を表す。
Figure 0005266842
化学式(6)中、R、R、R、m4及びm5は、化学式(2)におけるそれらと同義である。
化学式(7)は以下のとおりである。
Figure 0005266842
化学式(7)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び下記化学式(8)に示す基からなる群より選ばれる基である。
10は、各々独立に、水素原子又は有機基である。複数あるR10のうち少なくとも2つは水素原子である。
11は、水素原子、若しくはハロゲン原子又は水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、シアノ基、アミノ基、及びニトロ基からなる群より選ばれる基である。
m6は0〜2の整数である。
m7は0〜2の整数である。
x2は3〜12の整数を表す。また、化学式(7)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じであっても異なっていても良い。
Figure 0005266842
化学式(8)中、Qは、アリール基であり、oは1又は2を表す。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、前記化学式(7)で表される化合物が、下記化学式(9)〜(11)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005266842
化学式(9)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
Figure 0005266842
化学式(10)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
Figure 0005266842
化学式(11)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有し、下記化学式(12)で表される繰り返し単位を含み、且つ任意のビニルモノマーから誘導される下記化学式(13)で表される繰り返し単位D’を含んでいてもよい、アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(D)を更に含有することが、パターン強度を向上させる点から好ましい。
Figure 0005266842
化学式(12)中、R12は、ハロゲン原子、又はシアノ基、ニトロ基、アルキル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、及びアルコキシ基からなる群より選ばれる基である。R13は、水素原子、若しくはハロゲン原子、又はアルキル基、シアノ基、及びトリフルオロ基からなる群より選ばれる基である。R14は、水素原子又は有機基である。pは繰り返し単位のモル%であり、p+q=100である。1分子中にR12が複数個ある場合、当該R12は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。1分子中にR13が複数個ある場合、当該R13は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。1分子中にR14が複数個ある場合、当該R14は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。sは0〜4の整数、tは1〜3の整数を表し、s+t=5である。ただし、R14は樹脂(D)1分子中にフェノール性水酸基が2個以上含まれるように水素原子となる。
Figure 0005266842
化学式(13)中、qは繰り返し単位のモル%であり、0であっても良い。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、有機塩基性化合物(E)を更に含有することが、パターン形状を良好とし、保管状態での経時安定性等を向上させる点から好ましい。
本発明に係るパターン形成方法は、
(i)(A)フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300〜4000のポリフェノール化合物、
(B)前記フェノール性水酸基と反応し酸の作用により分解可能な架橋結合を形成し得る反応性官能基を1分子中に2個以上有する、上記化学式(1)で表される化合物、及び、
(C)波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤、
を含有する、ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布し、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、
を含むことを特徴とする。
(i)の工程の加熱処理(プリベーク)により、前記ポリフェノール化合物(A)のフェノール性水酸基と前記化合物(B)の反応性官能基との間に酸により分解可能な架橋結合が形成され、パターン強度が向上する。
(ii)の工程の電子線、EUV、又はX線の露光により、酸発生剤(C)から酸が発生し、当該酸が、露光した部分の前記ポリフェノール化合物(A)のフェノール性水酸基と前記化合物(B)の反応性官能基との間の架橋結合を分解する。これにより、前記露光部分をアルカリ現像液に可溶とする。
本発明に係るポジ型レジスト組成物によれば、カリックスアレン型、カリックスレゾルシンアレン型、デンドリマー型等の様々な低分子材料を用いることが可能となり、低分子材料の利点である高解像度、低LER値を有しながらも、パターン強度、及びアスペクト比に優れたパターンを形成することができる。
また、パターン強度向上の理由である架橋結合が形成される際に、ポリフェノール化合物のフェノール性水酸基が保護されるため、あらかじめフェノール性水酸基を保護する必要がなく、レジスト組成物の調製が簡便となる。
以下、本発明のポジ型レジスト組成物、及び当該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法について順に説明する。
<1.ポジ型レジスト組成物>
本発明に係るポジ型レジスト組成物は、
(A)フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300〜4000のポリフェノール化合物、
(B)前記フェノール性水酸基と反応し酸の作用により分解可能な架橋結合を形成し得る反応性官能基を1分子中に2個以上有する、下記化学式(1)で表される化合物、及び、
(C)波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤、を含有することを特徴とする。
Figure 0005266842
化学式(1)中、Xは、2価以上の基であって、ヘテロ原子、又は直鎖、若しくは分岐状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基から選ばれる基、又は当該ヘテロ原子、及び当該基からなる群より選ばれる2種以上が組み合されてなる、基である。kは2〜12の整数を表す。P〜Pはそれぞれ独立に、反応性官能基又は1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基を示す。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、ポリフェノール化合物(A)は、分子量が300〜4000である。分子量をこの範囲とすることにより、パターンの高解像度化、及び低LER化に寄与している。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、化合物(B)は、反応性官能基を1分子中に2個以上有する。これにより、レジスト組成物を基板に塗布し、プリベークした際、化合物(B)の反応性官能基が、2分子以上のポリフェノール化合物(A)のフェノール性水酸基と、酸により分解可能な架橋結合を形成することが可能となり、パターン強度を向上することができる。
また、前記フェノール性水酸基と前記反応性官能基との架橋結合は、酸の作用により、分解し、フェノール性水酸基を復元可能である。このため、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射した部分は、酸発生剤(C)の作用によってフェノール性水酸基を復元し、アルカリ現像液に可溶となる。
酸発生剤(C)は、波長248nm以下の活性エネルギー線が照射されることにより直接、又は間接的に酸を発生する。このため、プリベークしたレジスト組成物において、前記活性エネルギー線が照射された部分は、発生した酸により、前記ポリフェノール化合物(A)及び前記化合物(B)間の架橋結合が分解され、アルカリ現像液に可溶となる。
以下、このような本発明のポジ型レジスト組成物の各構成について順に詳細に説明する。尚、本発明において「活性エネルギー線」とは、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、及びFエキシマレーザー等の遠紫外線、電子線、EUV、X線等を意味する。
尚、本発明における基(原子団)の表記において、置換及び非置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。アルキレン基の2価の結合は、異なる炭素原子からの場合(例えば、−CHCH−)の他、同一の炭素原子からの2価の結合も含む(例えば、−CH−)。また、アルキル基、シクロアルキル基、炭化水素基、及び脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素の他、二重結合、三重結合等を有する不飽和炭化水素を含む。シクロアルキル基、脂環式炭化水素基は、単環式の他、2環性、3環性等の多環性炭化水素も含む。ヘテロ環は、二重結合、三重結合を有するヘテロ環を含む。
本明細書中において、(メタ)アクリロイルは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを表し、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリルは、アクリル及び/又はメタクリルを表す。
<フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300〜4000のポリフェノール化合物(A)>
本発明において用いられるポリフェノール化合物(A)は、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有し、分子量が300〜4000の化合物である。
本発明に用いるポリフェノール化合物(A)は、下記化学式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005266842

化学式(2)中、
、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。また、複数あるR、R、R及びRは互いに同じであっても異なっていても良い。
及びRは、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR及びRは互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR及びRのうち少なくとも2つは水素原子である。
Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基及びこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
x1は正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0でありかつx1は2である
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
、R、R及びRにおけるアルキル基は、直鎖でも分岐状でもよく、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の炭素数1〜10個のものが挙げられる。
、R、R及びRにおけるシクロアルキル基としては、単環、多環どちらでもよい。例えば、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
上記アルキル基又はシクロアルキル基が有してよい置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)等を挙げることができる。
及びRにおける有機基は酸分解性又は非酸分解性の基を表す。酸分解性基を含有する場合は、1分子中に0〜20個含有することが好ましい。より好ましくは0〜15個、さらに好ましくは0〜10個である。
及びRにおける酸分解性の有機基とは、酸の作用により分解しアルカリ可溶性基を生じる有機基(酸分解性基)であり、後述する基を挙げることができる。
及びRにおける非酸分解性の有機基とは、酸の作用により分解することのない有機基であり、例えば、酸の作用により分解することのない、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アミド基、シアノ基等を挙げることができる。アルキル基は、炭素数1〜10個のアルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることができる。アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等を挙げることができる。アラルキル基は、炭素数6〜12個のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等を挙げることができる。アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基に於けるアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基等を挙げることができる。
Wにおけるアルキレン基は、直鎖でも分岐状でもよく、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。
Wにおけるシクロアルキレン基は、単環、多環どちらでもよく、環を形成するアルキレン基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基)を挙げることができる。
Wにおけるアルキレン基及びシクロアルキレン基は、さらに置換基を有していてよく、置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
また、アルキレン鎖又はシクロアルキレン鎖は、アルキレン鎖中に―O―、―OC(=O)―、―OC(=O)O―、―N(R)−C(=O)―、―N(R)−C(=O)O―、―S―、―SO―、―SO―を含んでいても良い。ここでRは水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等)である。
Wにおける環状のアリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
化学式(2)で表される化合物はさらに下記化学式(3)〜(5)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
化学式(3)〜(5)中、
、R、R、R、x1、z、m1及びm2は、化学式(2)におけるそれらと同義である。
は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のRが結合して環を形成してもよい。また、複数あるRは互いに同じであっても異なっていても良い。
uは正の整数を表す。ただしu+x1=3である。
rは正の整数を表す。
はアリーレン基を表す。
は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
Tは下記化学式(6)で表される構造を有する基を表す。
Figure 0005266842
化学式(6)中、R、R、R、m4及びm5は、化学式(2)におけるそれらと同義である。
のアルキル基又はシクロアルキル基としては、前記Rのものと同様のものが挙げられる。
のアリーレン基としては、前記Wのものと同様のものが挙げられる。
のアルキレン基、又はシクロアルキレン基としては、前記Wのものと同様のものが挙げられる。また、当該アルキレン基、及びシクロアルキレン基は置換基を有していても良く、当該置換基も前記Wのものと同様のものが挙げられる。
本発明に用いるポリフェノール化合物(A)は、下記化学式(7)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 0005266842
化学式(7)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び下記化学式(8)に示す基からなる群より選ばれる基である。
10は、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR10のうち少なくとも2つは水素原子である。
11は、水素原子、若しくはハロゲン原子又は水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、シアノ基、アミノ基、及びニトロ基からなる群より選ばれる基である。
m6は0〜2の整数である。
m7は0〜2の整数である。
x2は3〜12の整数を表す。また、化学式(7)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じであっても異なっていても良い。
Figure 0005266842
化学式(8)中、Qは、アリール基であり、oは1又は2を表す。
又はRのアルキル基としては、特に制限はなく、直鎖でも、分岐状でも良い。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。また、二重結合、三重結合等の不飽和結合を有していても良い。
又はRのシクロアルキル基としては、特に制限はなく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。二重結合、三重結合等の不飽和結合を有していても良い。単環性、多環性のどちらでもよい。
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。
シクロアルキル基が有する置換基としては、特に制限はないが、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基等が挙げられる。
炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖又は分岐状のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。
また、アルコキシル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシル基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のアルコキシアルキル基が好ましく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ハロゲノアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜8のハロゲノアルキル基が好ましく、例えば、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、1−フルオロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,1,2,2−テトラクロロエチル基等が挙げられる。
又はRのアリール基としては、特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜14、更に好ましくは炭素数6〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
また、アリール基が有する置換基としては、上記シクロアルキル基が有する置換基と同様のものが挙げられる。
上記化学式(8)中のQのアリール基としては、上記アリール基と同様のものが挙げられる。また、Qのアリール基が有する置換基は、上記アリール基が有する置換基と同様のものが挙げられる。
10の有機基としては、特に制限はないが、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び酸分解性基等が挙げられる。なお、酸分解性基については後述する。
10のアルキル基、及びアリール基並びにそれらの有する置換基としては、上記R又はRのものと同様のものとすることができる。
11のシクロアルキル基、アリール基並びにそれらの有する置換基としては、上記R又はRのものと同様のものとすることができる。
11のアルキル基としては、上記R又はRのものと同様のものとすることができる。
11としてのアルキル基が有する置換基は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、R11としてのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記化学式(7)で表される化合物は、フェノール性水酸基を2つ以上有すれば、各繰り返し単位の同一符号で示される置換基はそれぞれ、同じであっても異なっていても良い。各繰り返し単位におけるOR10、R11の位置が同じであっても異なっていても良い。また、各繰り返し単位におけるm6及びm7の数がそれぞれ、同じであっても異なっていても良い。例えば、化学式(7)で表される化合物において、x2が3の場合、下記化学式(14)の様に全ての繰り返し単位が同じであっても良いし、下記化学式(15)の様に、全ての繰り返し単位が異なっていても良い。
Figure 0005266842
Figure 0005266842
また、後述する化学式(9)〜(11)においても、1分子中のフェノール性水酸基の数が2個以上であれば、上記と同様に各置換基の種類、位置、及び数は同じであっても異なっていても良い。
前記化学式(7)で表されるポリフェノール化合物は、下記化学式(9)〜(11)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005266842
化学式(9)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
Figure 0005266842
化学式(10)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
Figure 0005266842
化学式(11)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
本発明に係るポリフェノール化合物(A)は、当該化合物の1分子中に少なくとも2つのフェノール性水酸基を有し、当該フェノール性水酸基以外にもアルカリ可溶性基を含有していても良い。
前記アルカリ可溶性基としては、水酸基、スルホ基、カルボン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール基(−C(CFOH)が挙げられる。好ましくは、カルボキシル基、ヘキサフルオロイソプロパノール基であり、さらに好ましくは、カルボキシル基である。
(酸分解性基)
酸分解性基は、本発明に係るポリフェノール化合物(A)を合成する際にはフェノール性水酸基の保護基として働き、また、合成されたポリフェノール化合物(A)をレジスト組成物に用いる際には、アルカリ現像液に対する溶解性を抑制する働きをする。この酸分解基は、Fエキシマレーザー、EUV(Extreme Ultra Violet)、EB(Electron Beam)、X線等を使用した露光により、後述の酸発生剤(C)から発生した酸によって脱離する。
酸分解性基としては、例えば、−CG、−COO−CG、−CG−COO−CG等が挙げられる。
ここで、Gは、それぞれ独立に、R、又はRである。
ここで、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R同士は互いに結合して環を形成しても良い。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。
及びRのアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
及びRのシクロアルキル基としては、単環型でもよく、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等が挙げられる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
及びRのアルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
及びRのアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
及びRのアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等が挙げられる。
及びRが有していてもよい置換基としては、上記のR11が有していても良い置換基と同様のものが挙げられる。
尚、化学式(2)中のR又はRの場合、例えば、以下のように、酸分解性基を有する基を変性により導入することもできる。
−〔C(R−CO−OC(R
ここで、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。また、eは1〜4の整数である。
以下に、酸分解性基の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005266842
ポリフェノール化合物(A)は、1分子中のフェノール性水酸基が2個以上存在すれば、多価フェノール化合物等の母核となる化合物(母核化合物)のフェノール性水酸基を保護反応剤と反応させ、当該母核化合物のフェノール性水酸基を酸分解性基で保護しても良い。ここでの保護反応剤とは、保護基を導入する反応を行う際に使用する化合物を指す。尚、母核化合物中に含まれるフェノール性水酸基の総数に対する酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基の割合を保護率と呼ぶ。
以下にポリフェノール化合物(A)の母核化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
Figure 0005266842
前記ポリフェノール化合物(A)の母核化合物は、例えば本州化学工業(株)などから市販されており、これを用いることができる。また、各種フェノール化合物と各種アルデヒド、ケトンの縮合により合成することもできる。
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、ポリフェノール化合物(A)は、上述した化合物のうち、1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。例えば、前記化学式(2)で表される化合物と前記化学式(7)で表される化合物とを合せて用いても良いし、前記化学式(14)で表される化合物の様に全ての繰り返し単位が同じ化合物と、前記化学式(15)で表される化合物の様に全ての繰り返し単位が異なる化合物とを合わせて用いても良い。
前記ポリフェノール化合物(A)の分子量は、300〜3000である。
前記ポリフェノール化合物(A)が前記化学式(2)で表される化合物である場合は、分子量は、好ましくは300〜2500である。
また、前記ポリフェノール化合物(A)が前記化学式(7)で表される化合物である場合は、分子量は、好ましくは400〜3000、さらに好ましくは、500〜2000である。
前記ポリフェノール化合物(A)の含有量は、ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して、前記ポリフェノール化合物(A)が前記化学式(2)で表される化合物である場合は、通常40〜99.5質量%であり、好ましくは50〜99.0質量%、さらに好ましくは60〜98.0質量%である。
前記ポリフェノール化合物(A)の含有量は、ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して、前記ポリフェノール化合物(A)が前記化学式(7)で表される化合物である場合は、通常40〜99.5質量%であり、好ましくは50〜99.0質量%、さらに好ましくは60〜98.0質量%である。
<ポリフェノール化合物(A)のフェノール性水酸基と反応し酸により分解可能な架橋結合を形成し得る反応性官能基を1分子中に2個以上有する、化学式(1)で表される化合物(B)>
本発明の化合物(B)は下記化学式(1)で表され、反応性官能基を2個以上有する。
Figure 0005266842
化学式(1)中、Xは、2価以上の基であって、ヘテロ原子、又は直鎖、若しくは分岐状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基から選ばれる基、又は当該ヘテロ原子、及び当該基からなる群より選ばれる2種以上が組み合されてなる、基である。kは2〜12の整数を表す。P〜Pはそれぞれ独立に、反応性官能基又は1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基を示す。
化学式(1)のXのヘテロ原子としては、Xが2つ以上のPとの結合を有すれば特に制限がなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ホウ素原子、アルミニウム原子等を用いることができる。
化学式(1)のXの直鎖の炭化水素基としては、Xが2つ以上のPとの結合を有すれば特に制限がなく、上記ポリフェノール化合物(A)で挙げたものを用いることができる。
化学式(1)のXの分岐状の炭化水素基としては、Xが2つ以上のPとの結合を有すれば特に制限がなく、上記ポリフェノール化合物(A)で挙げたものを用いることができる。
化学式(1)のXの脂環式炭化水素基としては、Xが2つ以上のPとの結合を有すれば特に制限がなく、上記ポリフェノール化合物(A)で挙げたものを用いることができる。
化学式(1)のXの芳香族炭化水素基としては、Xが2つ以上のPとの結合を有すれば特に制限がなく、上記ポリフェノール化合物(A)で挙げたものを用いることができる。
化学式(1)のXの直鎖、若しくは分岐状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基は、それぞれ、置換基を有していても良い。当該置換基としては特に制限はなく、上記ポリフェノール化合物(A)で挙げたものと同様のものが挙げられる。
化学式(1)のXの炭化水素基、及び脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素の他、二重結合、三重結合の様な不飽和結合を含んでいても良い。脂環式炭化水素基は、単環性でも多環性でも良い。
化学式(1)のXは、Xが2つ以上のPとの結合を有すれば、直鎖、及び分岐状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、並びに芳香族炭化水素基が組み合されていても良い。例えば、X部分が直鎖の炭化水素基及び脂環式炭化水素基からなるもの、X部分が分岐状の炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなるもの、Xが直鎖の炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなるもの等が挙げられる。また、当該炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基、並びに当該基間には前記ヘテロ原子が含まれていても良い。
化学式(1)のXは、Xが2つ以上のPとの結合を有すれば、エーテル結合、エステル結合、及びウレタン結合、又は当該エーテル結合、当該エステル結合、及び当該ウレタン結合からなる群より選ばれる2種以上が組み合されてなる基が含まれていても良い。これらの結合は分子鎖が広がりやすく自由度が高いため、他の樹脂成分との相溶性を実現しやすい。
エーテル結合、エステル結合、又はウレタン結合を含む2価の基としては、例えば、−O−R−O−、−O(C=O)−R−O−、−O(C=O)−R−(C=O)O−、−(C=O)O−R−O−、−(C=O)O−R−(C=O)O−、−(C=O)O−R−O(C=O)−、−NHCOO−R−O−、−NHCOO−R−O(C=O)NH−、−O(C=O)NH−R−O−、−O(C=O)NH−R−O(C=O)NH−、−NHCOO−R−O(C=O)NH−、−NHCOO−R−(C=O)O−、−O(C=O)NH−R−(C=O)O−、−NHCOO−R−O(C=O)−、−O(C=O)NH−R−O(C=O)−等が挙げられる。ここでRは、前記Xの一部としての置換基を意味し、前記Xに含まれる基のうち、エーテル結合、エステル結合、及びウレタン結合以外の基を示す。
上記2価の基の具体例としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール等のジオールや、フマル酸、マレイン酸、コハク酸等のジカルボン酸、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソボロンジイソシアネート等のジイソシアネート等の活性水素を除いた残基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記2価の基の具体例としては、さらに、例えば、下記化学式(1’)〜(18’)で示される多価カルボン酸クロリドも挙げることができる。
Figure 0005266842
さらに、芳香族化合物も用いることができる。当該芳香族化合物としては、例えば、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,4−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記Xは、当該X内に含まれる基や結合以外に、k個のPと結合を有する。当該kは、2〜12の整数であり、2〜10であることが好ましく、さらに3〜8であることが好ましい。
〜Pはそれぞれ独立に、反応性官能基、又は、1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基を示す。これにより、化合物(B)に2つ以上の反応性官能基がもたらされ、当該反応性官能基が2分子以上の前記ポリフェノール化合物(A)のフェノール性水酸基や必要に応じて含まれる後述するアルカリ可溶性樹脂(D)と架橋結合することができる。
〜Pの反応性官能基、又は1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基と前記ポリフェノール化合物(A)のフェノール性水酸基や後述するアルカリ可溶性樹脂(D)のフェノール性水酸基との間に形成された架橋結合が、後述する酸発生剤(C)から発生した酸によって分解可能であれば、P〜Pの反応性官能基、及び1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基は、特に限定されない。
〜Pが反応性官能基そのものである場合、P〜Pとしては例えば、ビニルエーテル基が挙げられる。
また、P〜Pが1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基の場合の反応性官能基としては、例えば、ビニルエーテル基が挙げられる。前記ポリフェノール化合物(A)のフェノール性水酸基と反応可能なように、適宜反応性官能基を選択すれば、化合物残基としては特に限定されない。P〜Pが化合物残基の場合、当該P〜Pがそれぞれ有する反応性官能基の数は、1つでも良いが、2つ以上であることが更に架橋密度を上げることができ、パターン強度向上の点から好ましい。
化合物(B)としては、具体的に例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ビスフェノールF、及びビスフェノールA、の水酸基の2つ以上がビニルエーテル化された多官能ビニルエーテル化合物が挙げられる。
その他、化合物(B)としては、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,4−フェニレンジイソシアネートの水酸基、カルボキシル基、又はイソシアネート基等の2つ以上がビニルエーテル化された多官能ビニルエーテル化合物が挙げられる。
その他、化合物(B)としては、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、トリシクロデカンジオールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、ビニロキシエトキシエチルアクリレート(VEEA)、ビニロキシエトキシエチルメタクリレート(VEEM)、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、上記多官能ビニルエーテル化合物に加えて、上記化合物のモノビニルエーテル化合物を用いても良い。
化合物(B)は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、本発明に用いられる化合物(B)の分子量は、2000以下であることが好ましく、り、更に1500以下であることが好ましい。
前記化合物(B)の含有量は、ポリフェノール化合物(A)の重量に対して0.01〜60重量部であることが好ましく、0.1〜50重量部であることが更に好ましい。前記化合物(B)の含有量は、ポリフェノール化合物(A)の重量に対して0.01〜60重量部であれば、パターン強度を十分に向上できる。
<波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(C)>
本発明において用いられる波長248nm以下(波長248nm又は248nmより波長)の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤(C)は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。
上記酸発生剤(C)としては、下記化学式(16)〜(21)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類であることが好ましい。
Figure 0005266842
化学式(16)中、R14は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、若しくはハロゲン原子、又は直鎖、若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヘテロ環、及びヒドロキシル基からなる群より選ばれる基であり、Yは、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、及びハロゲン置換アリール基よりなる群から選ばれるいずれかの基を有する、スルホン酸イオン又はハロゲン化物イオンである。
14としての、ハロゲン原子は、特に制限はないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
14としての、直鎖アルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
14としての、分岐状アルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数3〜15、さらに好ましくは、3〜12である。
14としての、シクロアルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数3〜20、さらに好ましくは、3〜15である。
14としての、直鎖アルコキシル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
14としての、分岐状アルコキシル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数3〜15、さらに好ましくは、3〜12である。
14としての、ヘテロ環の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数2〜20、さらに好ましくは、2〜15である。当該ヘテロ環に含まれるヘテロ原子は特に制限はないが、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、特に窒素原子、酸素原子が好ましい。
としての、アルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
としての、アリール基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜18、さらに好ましくは、6〜12である。
としての、ハロゲン置換アルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
としての、ハロゲン置換アリール基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜18、さらに好ましくは、6〜12である。
上記化学式(16)で表される化合物としては、例えば、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニル−p−トルエンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルナフチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート等が挙げられる。
Figure 0005266842
化学式(17)中、Y及びR14は、化学式(16)のそれと同義である。
上記化学式(17)で表される化合物としては、例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート等が挙げられる。
Figure 0005266842
化学式(18)中、Jはアルキレン基、アリーレン基、又はアルキレンオキシ基(−R16−O−、但し、R16はアルキレン基)であり、R15はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、又はハロゲン置換アリール基である。
Jのアルキレン基としては、炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
Jのアリーレン基としては、炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは、6〜12である。
Jのアルキレンオキシ基としては、炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
15のアルキレン基としては、炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
15のアリール基としては、炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜18、さらに好ましくは、6〜12である。
15のハロゲン置換アルキル基としては、炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
15のハロゲン置換アリール基としては、炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜18、さらに好ましくは、6〜12である。
上記化学式(18)で表される化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、
N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド等が挙げられる。
Figure 0005266842
化学式(19)中、R16は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、直鎖、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環、アラルキル基である。また、化学式(19)の前記各基は、アルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基で置換されていても良い。
16としての、直鎖アルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
16としての、分岐状アルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数3〜15、さらに好ましくは、3〜12である。
16としての、シクロアルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数3〜20、さらに好ましくは、3〜15である。
16としての、アリール基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜18、さらに好ましくは、6〜12である。
16としての、ヘテロ環の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数2〜20、さらに好ましくは、2〜15である。当該ヘテロ環に含まれるヘテロ原子は特に制限はないが、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、特に窒素原子、酸素原子が好ましい。
16としての、アラルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
16の、前記各基の置換基としてのアルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
16の、前記各基の置換基としてのハロアルキル基の炭素数は、特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜15、さらに好ましくは、1〜12である。
上記化学式(19)で表される化合物としては、例えば、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジナフチルジスルフォン、ジ(4−t−ブチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(3−ヒドロキシナフチル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジスルフォン等が挙げられる。
Figure 0005266842
化学式(20)中、R16は、前記化学式(19)のものと同義である。
上記化学式(20)で表される化合物としては、例えば、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリル等が挙げられる。
Figure 0005266842
化学式(21)中、複数あるR17は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、1以上の塩素原子又は臭素原子を有するハロゲン化アルキル基である。ハロゲン化アルキル基の炭素数は、特に制限がないが炭素数1〜5が好ましい。
上記化学式(21)で表される化合物としては、例えば、モノクロロイソシアヌール酸、モノブロモイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸、ジブロモイソシアヌール酸、トリクロロイソシアヌール酸、トリブロモイソシアヌール酸等が挙げられる。
その他の酸発生剤(C)としては、例えば、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等のハロゲン含有トリアジン誘導体が挙げられる。
上記酸発生剤(C)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記ポリフェノール化合物(A)100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部である。この範囲よりも少なくなると像形成ができない恐れがあり、多くなると、酸発生剤とポリフェノール化合物やその他の成分がミクロな相分離を生じ、パターンのラフネスが大きくなる恐れがある。
<樹脂(D)>
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有し、下記化学式(12)で表される繰り返し単位を含み、且つ任意のビニルモノマーから誘導される下記化学式(13)で表される繰り返し単位D’を含んでいてもよい、アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(D)(以下、アルカリ可溶性樹脂(D)ともいう)を含有していてもよい。
アルカリ可溶性樹脂(D)としては、ポリヒドロキシスチレン系樹脂が挙げられる。
Figure 0005266842
化学式(12)中、R12は、ハロゲン原子、又はシアノ基、ニトロ基、アルキル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、及びアルコキシ基からなる群より選ばれる基である。R13は、水素原子、若しくはハロゲン原子、又はアルキル基、シアノ基、及びトリフルオロ基からなる群より選ばれる基である。R14は、水素原子又は有機基である。pは繰り返し単位のモル%であり、p+q=100である。1分子中にR12が複数個ある場合、当該R12は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。1分子中にR13が複数個ある場合、当該R13は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。1分子中にR14が複数個ある場合、当該R14は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。sは0〜4の整数、tは1〜3の整数を表し、s+t=5である。ただし、R14は樹脂(D)1分子中にフェノール性水酸基が2個以上含まれるように水素原子となる。
Figure 0005266842
化学式(13)中、qは繰り返し単位のモル%であり、0であっても良い。
化学式(12)における、R12及びR13のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
12のアルキル基及びアルキルスルホニル基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
12のアシル基は、炭素数1〜8のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
12のアシルオキシ基は、炭素数2〜8のアシロキシ基が好ましく、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
12のアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。
12は、更にハロゲン原子等で置換されていても良い。
14の有機基としては、前記ポリフェノール化合物(A)で挙げたものを用いることができる。
14はアルカリ可溶性樹脂(D)1分子中にフェノール性水酸基が2個以上含まれるように水素原子となる。例えば、アルカリ可溶性樹脂(D)が化学式(12)で表される繰り返し単位のみからなる場合は、1分子中の複数ある繰り返し単位中に少なくとも2個のR14が水素原子として含まれる。また、例えば、アルカリ可溶性樹脂(D)が化学式(12)で表される繰り返し単位と後述する化学式(13)で表される繰り返し単位D’の共重合体である場合は、化学式(12)で表される繰り返し単位と化学式(13)で表される繰り返し単位D’を合わせた中でフェノール性水酸基が2個以上となるように、R14は水素原子となる。さらにこの場合で、化学式(13)で表される繰り返し単位D’中にフェノール性水酸基が含まれない場合は、1又は2以上の化学式(12)で表される繰り返し単位中に少なくとも2個のR14が水素原子として含まれる。
以下に、化学式(12)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 0005266842
アルカリ可溶性樹脂(D)は、上記の繰り返し単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的に必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で任意のビニルモノマーから誘導される化学式(13)で表される繰り返し単位D’を含有することができる。
このような繰り返し単位D’としては、下記単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、アクリル酸及びエステル類、メタクリル酸及びエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等が挙げられる。
具体的には、以下の単量体を挙げることができる。
アクリル酸及びエステル類としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アダマンチルアクリレート、ノルボルニルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸及びエステル類としては、例えば、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート等が挙げられる。
アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N,N’−ジアルキルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N’−ジアルキルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物としては、例えば、アリルエステル類、アリルオキシエタノール等が挙げられる。また、アリルエステル類の具体例としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリルラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、アルキルビニルエーテルが挙げられ、具体的には、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等が挙げられる。
その他クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等が挙げられる。
その他にも、上記種々の繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。また、共重合させる単量体は、更に置換基を有していてもよい。
アルカリ可溶性樹脂(D)における化学式(12)で表される繰り返し単位の含有量pは、p+q=100を満たし、pは、40〜100であることが好ましく、更に70〜100であることが好ましい。p=100、すなわちq=0の場合、アルカリ可溶性樹脂(D)は、化学式(12)で表される繰り返し単位のみからなる。
また、アルカリ可溶性樹脂(D)の重量平均分子量は、2000〜80000とすることが好ましく、更に2500〜8000とすることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(D)の含有量は、全固形分に対して0.5〜70重量%とすることが好ましく、更に1〜50重量%とすることが好ましい。
<有機塩基性化合物(E)>
本発明において用いられる有機塩基性化合物(E)は、レジストパタ−ン形状、保管状態での経時安定性などを向上させるために、公知の有機塩基性化合物の中から任意のものを選択して使用することができる。
上記有機塩基性化合物(E)としては、含窒素有機化合物が挙げられ、例えば、窒素原子を有する含窒素化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、及び含窒素複素環式化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
含窒素有機化合物としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、メチル−n−ドデシルアミン、ジ−n−ドデシルメチルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、ジメチル−n−ドデシルアミン、ジ−n−ドデシルメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類;エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミドの重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環式化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;及び、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらの有機塩基性化合物(E)は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機塩基性化合物(E)の使用量は、露光光の照射により酸を発生する化合物に対し、通常、0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%である。0.01モル%未満ではその添加の効果が得られない。一方、10モル%を超えると感度の低下や未露光部の現像性が悪化する傾向がある。
<その他の成分>
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
本発明に係るポジ型レジスト組成物は、通常、有機溶剤に上記の特定の構造を有するポリフェノール化合物(A)、化合物(B)、酸発生剤(C)、及び必要に応じてその他の添加剤を均一に混合することにより調製される。
有機溶剤としては、化学増幅型レジストの溶剤として一般に用いられているものが使用できる。例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用することができる。さらにイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコールや、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒が含有されていても構わない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルやシクロヘキサノン、シクロペンタノン、1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
レジスト組成分中の溶剤量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的には、溶剤は、レジスト組成物の固形分濃度が好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
<2.パターン形成方法>
本発明に係るパターン形成方法は、
(i)本発明に係るポジ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線、EUV、又はX線で露光後、加熱、現像する工程、
を含むことを特徴とする。
本発明に係るパターン形成方法によれば、低分子材料であるポリフェノール化合物(A)が、化合物(B)により架橋され、架橋結合が形成される。露光された部分において、前記架橋結合は、酸発生剤から発生した酸により分解され、フェノール性水酸基が復元する。露光された部分はアルカリ現像液に可溶となり、未露光部分は、ポリフェノール化合物(A)が架橋されているため高強度となる。そのため、高解像度、高感度、良好な形状且つ優れた強度を有するパターンを形成することができる。
以下、各工程についてそれぞれ説明する。
(i)本発明に係るポジ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程
本工程においては、まず、上記のポジ型レジスト組成物を基板上に塗布する。
塗布方法は、基板表面に当該ポジ型レジスト組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコート法、回転塗布等の各種方法を用いることができる。
次に、当該基板上に塗布した当該ポジ型レジスト組成物にプリベーク(PAB)を行い、有機溶剤を除去して、レジスト膜を形成する。
プリベークの温度は、当該組成物の成分、使用割合、有機溶剤の種類等により適宜決めればよく、通常、50〜160℃、好ましくは60〜150℃である。また、プリベーク時間は、通常、30秒〜15分程度である。
(ii)前記レジスト膜を電子線、EUV、又はX線で露光後、加熱、現像する工程
本工程においては、まず、前記レジスト膜を、例えば、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターン形状を有するマスクを介した露光、又は当該マスクを介さない電子線の直接照射による描画等により、選択的に露光を行う。
露光光源は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(Extreme Ultraviolet:極紫外線)、電子線、X線等を用いて行うことができる。
次いで露光後に、露光後加熱(Post Exposure Bake、PEB)を行う。PEB処理の条件は、通常、50〜160℃の温度で、0.1〜15分程度の時間である。
次に、上記でPEB処理された基板をアルカリ現像液を用いて現像処理し、未露光部分を除去する。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺同浸漬法等が挙げられる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n‐プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ‐n‐ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジメチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらのアルカリ現像液の中で、好ましくは第四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンの水溶液である。
また、アルカリ現像液としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いる場合、当該テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の濃度は、0.1%〜5%であることが好ましく、更に好ましくは0.5%〜3%であり、特に好ましくは1.19%〜2.38%である。2.38%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液は、一般に半導体産業において最も入手しやすい。また、当該テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の濃度が0.1%より薄い場合、空気中の二酸化炭素により現像液が中和されてしまい、感度が変動して安定的に製品を得る事が困難となる恐れがある。
現像処理した後、リンス処理を行い、基板上のアルカリ現像液及び当該アルカリ現像液によって溶解したレジスト組成物を洗い流し、乾燥させて、レジストパターンを得る。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。尚、実施例中、部は特に特定しない限り重量部を表す。
本実施例で用いたポリフェノール化合物A1〜A5及び比較例で用いたフェノール化合物1、2の化学式をそれぞれ、以下に示す。
また、ポリフェノール化合物A1、A2、A4、比較用フェノール化合物1及び2は、以下の製品を用いた。
ポリフェノール化合物A3、A5及び化合物Bは、後述する製造例に示す方法で合成した。
ポリフェノール化合物(A1):東京化成工業(株)製、α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン
ポリフェノール化合物(A2):丸善石油化学(株)製、マルカリンカーMS1、重量平均分子量2100
ポリフェノール化合物(A4):シグマ‐アルドリッチ社製、C−メチルカリックス[4]レゾルシンアレン
フェノール化合物(1):東京化成工業(株)製、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
フェノール化合物(2):丸善石油化学(株)製、マルカリンカーMS2、重量平均分子量4800
Figure 0005266842
ポリフェノール化合物A3において、Rは68%がtert−ブトキシカルボニル基、32%が水素原子である。
Figure 0005266842
製造例1
ポリフェノール化合物(A3)の合成
C−メチルカリックス[4]レゾルシンアレン2.7g(5mmol、シグマ‐アルドリッチ社製)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.12g(0.1mmol)及びアセトン(20mL)からなる溶液に、6.2mL(28mmol)のビス(tert‐ブトキシカルボニル)オキシドを滴下した。反応液を60分間室温で攪拌し溶液を蒸発させた。展開溶媒としてヘキサン/酢酸エチル=1/1の混合溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製することでフェノール性水酸基がtert−ブトキシカルボニル基で置換されたポリフェノール化合物(A3)を95%の収率で得た。H及び13C−NMRスペクトルから、全フェノール性水酸基に対する保護率は68%であった。
製造例2
ポリフェノール化合物(A5)の合成
3−メトキシフェノール12.4g(0.1mol)をエタノール200mLに溶解した。これを氷浴下で冷却しながら2,4−ジメチルベンズアルデヒド13.4g(0.1mol)を加え、次いで、濃塩酸25mLをゆっくりと滴下し、75℃で12時間反応させた。反応終了後、反応溶液を蒸留水500mL中に注ぎ込み、生じた沈殿(黄色固体)をろ過した後、中性になるまで蒸留水で洗浄した。ろ別した固体をエタノールにて再結晶を行い、白色のポリフェノール化合物(A5)15.62g(16.3mmol、収率65%)を得た。尚、構造確認は、Electrospray Ionization Mass Spectrometry(ESI−MS)、H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルより行った。
製造例3
化合物Bの合成
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(1.0g、3.26mmol)のNMP溶液(20mL)にKCO(2.76g、20.0mmol)と2−クロロエチルビニルエーテル(1.25g、11.74mmol)を加え、窒素雰囲気下、75℃で15時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に投入し沈殿物を得た。また、それをアセトンに溶解させ、蒸留水に再沈殿を行い白色の個体を得た。得られた個体を80℃で12時間真空乾燥することで下記化学式29に示す化合物B(1.62g、収率96%)を得た。
Figure 0005266842
<実施例>
レジスト組成物の調整
<実施例1>
ポリフェノール化合物A1と、その固形分量に対して、10質量%のトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(酸発生剤)と、40質量%の化合物B(架橋剤)と、1質量%のトリ−n−オクチルアミン(塩基性化合物)とをシクロペンタノン8.9gに溶解し、固形分濃度が10.6質量%の溶液を調整した。この溶液を0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾別し、実施例1のポジ型レジスト組成物を得た。
参考例1
実施例1において、ポリフェノール化合物(A1)をポリフェノール化合物(A2)とし、化合物Bの含有量を30質量%、固形分濃度を9.9質量%とした以外は実施例1と同様にして、参考例1のポジ型レジスト組成物を得た。
<実施例3>
実施例1において、ポリフェノール化合物(A1)をポリフェノール化合物(A3)とし、化合物Bの含有量を10質量%、固形分濃度を8.5質量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例3のポジ型レジスト組成物を得た。
<実施例4>
実施例1において、ポリフェノール化合物(A1)をポリフェノール化合物(A4)とし、化合物Bの含有量を30質量%、固形分濃度を9.9質量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例4のポジ型レジスト組成物を得た。
<実施例5>
実施例1において、ポリフェノール化合物(A1)をポリフェノール化合物(A5)とし、化合物Bの含有量を30質量%、固形分濃度を9.9質量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例5のポジ型レジスト組成物を得た。
<比較例1>
実施例1において、ポリフェノール化合物(A1)をフェノール化合物(1)とした以外は実施例1と同様にして、比較例1のポジ型レジスト組成物を得た。
<比較例2>
実施例1において、ポリフェノール化合物(A1)をポリフェノール化合物(2)とし、化合物Bの含有量を30質量%、固形分濃度を9.9質量%とした以外は実施例1と同様にして、比較例2のポジ型レジスト組成物を得た。
<比較例3>
ポリフェノール化合物(A3)と、その固形分量に対して、10質量%のトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(酸発生剤)と、1質量%のトリ−n−オクチルアミン(塩基性化合物)とをシクロペンタノン9.2gに溶解し、固形分濃度が7.8質量%の溶液を調整した。この溶液を0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾別し、比較例3のポジ型レジスト組成物を得た。
<レジストパターンの作成>
上記実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたレジスト組成物をそれぞれ用いて、以下に示す方法でレジストパターンを作成した。
(1)レジストの塗布
各レジスト組成物を、6インチシリコン基板上にスピンナーを用いて、均一に塗布し、120℃で120秒間プリベーク処理(PAB)を行い、膜厚300nmのレジスト膜を形成した。
(2)レジストパターンの作成
(1)で得られたレジスト膜に対し、電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて描画を行った。
描画終了後、100℃で60秒間ベーク処理(PEB)を施した後、2.38質量%のTMAH水溶液(23℃)で30秒間現像処理し、純水にて60秒間リンス処理を行い、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
<レジストパターンの評価>
上記実施例1、3〜5、参考例1及び比較例1〜3のレジスト組成物を用いて得られたレジストパターンそれぞれに対し、以下の1及び2の評価を行った。その結果を表1に示す。なお、表1中、参考例1及び比較例2のフェノール化合物の分子量は重量平均分子量を表す。ポリフェノール化合物(A3)の分子量は保護率68%の平均分子量を表す。
1.感度及び解像力
感度はライン幅300nm(ライン/スペース=1:1)に形成される最少照射量を感度としてμC/cm単位で測定した。また、その照射量における限界解像力(ライン及びスペースが分離解像)を解像力とした。解像性の確認は、測長SEM(ホロン社製)により判断した。
2.パターン強度
パターン強度は、ライン幅100nm(ライン/スペース=1:1)の部分を側長SEM(ホロン社製)にて3μm四方で観察し、その視野におけるパターンの倒壊数にて判断した。
A:パターンの倒壊が無い
B:パターンの倒壊が1〜4本
C:パターンの倒壊が5本以上
Figure 0005266842
<結果のまとめ>
実施例1と比較例1は、ポリフェノール化合物Aの分子量の下限を検討したものである。比較例1は、レジスト膜形成時に結晶化してしまいパターンを得ることができなかった。
参考例1と比較例2は、ポリフェノール化合物Aの分子量の上限を検討したものである。
比較例2では分子量が大きすぎたため現像時に膨潤が生じ、良好なパターンが得られなかった。
実施例3と比較例3は、化合物B(架橋剤)の影響を検討したものである。
比較例3では、強度が足りなくパターンの倒壊が観察されたが、実施例3では化合物Bの添加によりパターン強度が増し、改善が見られた。
その他、実施例4及び5は、化合物Bを添加しているため、優れたパターン強度が得られた。

Claims (6)

  1. (A)下記化学式(2)で表される化合物及び下記化学式(7)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つである、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300〜4000のポリフェノール化合物、
    (B)前記フェノール性水酸基と反応し酸の作用により分解可能な架橋結合を形成し得る反応性官能基を1分子中に2個以上有する、下記化学式(1)で表される化合物、及び、
    (C)波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤、
    を含有し、前記ポリフェノール化合物(A)の含有量が、ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して、50〜99.5質量%であることを特徴とする、半導体素子のパターン形成用ポジ型レジスト組成物。
    Figure 0005266842
    化学式(2)中、
    、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。また、複数あるR、R、R及びRは互いに同じであっても異なっていても良い。
    及びRは、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR及びRは互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR及びRのうち少なくとも2つは水素原子である。
    Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基及びこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
    x1は正の整数を表す。
    yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0でありかつx1は2である。
    zは0以上の整数を表す。
    vは0以上の整数を表す。
    m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
    m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
    Figure 0005266842
    化学式(7)中、
    及びRは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び下記化学式(8)に示す基からなる群より選ばれる基である。
    10は、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR10のうち少なくとも2つは水素原子である。
    11は、水素原子、若しくはハロゲン原子又は水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、シアノ基、アミノ基、及びニトロ基からなる群より選ばれる基である。
    m6は0〜2の整数である。
    m7は0〜2の整数である。
    x2は3〜12の整数を表す。また、化学式(7)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じであっても異なっていても良い。
    Figure 0005266842
    化学式(8)中、Qは、アリール基であり、oは1又は2を表す。
    Figure 0005266842
    化学式(1)中、Xは、2価以上の基であって、ヘテロ原子、又は直鎖、若しくは分岐状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基から選ばれる基、又は当該ヘテロ原子、及び当該基からなる群より選ばれる2種以上が組み合されてなる、基である。kは2〜12の整数を表す。P〜Pはそれぞれ独立に、反応性官能基又は1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基を示す。
  2. 前記化学式(2)で表される化合物が下記化学式(3)〜(5)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体素子のパターン形成用ポジ型レジスト組成物。
    Figure 0005266842
    Figure 0005266842
    Figure 0005266842
    化学式(3)〜(5)中、
    、R、R、R、x1、z、m1及びm2は、化学式(2)におけるそれらと同義である。
    は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のRが結合して環を形成してもよい。また、複数あるRは互いに同じであっても異なっていても良い。
    uは正の整数を表す。ただしu+x1=3である。
    rは正の整数を表す。
    はアリーレン基を表す。
    は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
    Tは下記化学式(6)で表される構造を有する基を表す。
    Figure 0005266842
    化学式(6)中、R、R、R、m4及びm5は、化学式(2)におけるそれらと同義である。
  3. 前記化学式(7)で表される化合物が、下記化学式(9)〜(11)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体素子のパターン形成用ポジ型レジスト組成物。
    Figure 0005266842
    化学式(9)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
    Figure 0005266842
    化学式(10)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
    Figure 0005266842
    化学式(11)中、R、R、R10、R11及びx2は、化学式(7)のそれと同義である。
  4. 1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有し、下記化学式(12)で表される繰り返し単位を含み、且つ任意のビニルモノマーから誘導される下記化学式(13)で表される繰り返し単位D’を含んでいてもよい、アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(D)を更に含有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の半導体素子のパターン形成用ポジ型レジスト組成物。
    Figure 0005266842
    化学式(12)中、R12は、ハロゲン原子、又はシアノ基、ニトロ基、アルキル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、及びアルコキシ基からなる群より選ばれる基である。R13は、水素原子、若しくはハロゲン原子、又はアルキル基、シアノ基、及びトリフルオロ基からなる群より選ばれる基である。R14は、水素原子又は有機基である。pは繰り返し単位のモル%であり、p+q=100である。1分子中にR12が複数個ある場合、当該R12は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。1分子中にR13が複数個ある場合、当該R13は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。1分子中にR14が複数個ある場合、当該R14は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。sは0〜4の整数、tは1〜3の整数を表し、s+t=5である。ただし、R14は樹脂(D)1分子中にフェノール性水酸基が2個以上含まれるように水素原子となる。
    Figure 0005266842
    化学式(13)中、qは繰り返し単位のモル%であり、0であっても良い。
  5. 有機塩基性化合物(E)を更に含有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の半導体素子のパターン形成用ポジ型レジスト組成物。
  6. (i)(A)フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する分子量300〜4000のポリフェノール化合物、
    (B)前記フェノール性水酸基と反応し酸の作用により分解可能な架橋結合を形成し得る反応性官能基を1分子中に2個以上有する、下記化学式(1)で表される化合物、及び、
    (C)波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤、
    を含有する、ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布し、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
    (ii)前記レジスト膜を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、を含むことを特徴とするパターン形成方法。
    Figure 0005266842
    化学式(1)中、Xは、2価以上の基であって、ヘテロ原子、又は直鎖、若しくは分岐状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基から選ばれる基、又は当該ヘテロ原子、及び当該基からなる群より選ばれる2種以上が組み合されてなる、基である。kは2〜12の整数を表す。P〜Pはそれぞれ独立に、反応性官能基又は1つ以上の反応性官能基を有する化合物残基を示す。
JP2008092987A 2008-03-31 2008-03-31 ポジ型レジスト組成物、及び当該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法 Active JP5266842B2 (ja)

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