JP5493673B2 - カリックスレゾルシンアレン誘導体、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法、ネガ型レジスト組成物、及びパターン形成方法 - Google Patents

カリックスレゾルシンアレン誘導体、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法、ネガ型レジスト組成物、及びパターン形成方法 Download PDF

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本発明は、微細加工に有用な化学増幅型レジストを形成するためのネガ型レジスト材料として有用なカリックスレゾルシンアレン誘導体、及び当該カリックスレゾルシンアレン誘導体の新規な製造方法、並びに、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体を含むネガ型レジスト組成物、及び当該ネガ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法に関する。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでおり、例えば寸法幅100nm以下の高解像度が求められている。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われており、現在用いられているKrFエキシマレーザー光に加え、ArF、F、EUV、X線、電子線やその他の荷電粒子線等を露光光として用いたリソグラフィーが提案されている。また、これらの各露光光を用いたリソグラフィーにおいては、より高感度な化学増幅型の感光性組成物が用いられるようになってきている。
例えばネガ型の化学増幅型感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂と露光光の照射によって酸を発生する酸発生剤成分と架橋剤、塩基性化合物等を含有している。かかる感光性組成物は、露光により酸発生剤成分から発生した酸の作用により樹脂と架橋剤との間で架橋が生じ、アルカリ可溶性からアルカリ不溶性に変化する。また、架橋反応の際に生じる酸が触媒的に反応を繰り返すことで、より少ない露光量でのパターン露光が可能となる。
また、加工寸法と並んで重要なのは、加工精度である。例えば、ラインエッジラフネス(Line Edge Roughness、LER)値により与えられる、パターン寸法のばらつきが大きいと半導体の性能に影響を与え、深刻な問題となることが指摘されている。
従来、半導体のリソグラフィーには、重量平均分子量が約10000以上の高分子をベースとしたレジスト材料が使用されてきた。
しかしながら、このような高分子材料は分子量が大きく且つ分子量分布が広いため、微細加工における加工寸法及び加工精度には限界がある。
そこで、低分子量で且つ分子サイズが小さい低分子材料の開発が行われており、当該低分子材料は、高分子材料に比べて解像力に優れ、更に、LER増大への寄与は小さいものと期待される。このような低分子材料としては、カリックスレゾルシンアレン誘導体が挙げられ、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体を用いたネガ型及びポジ型のレジスト組成物が検討されている(特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、レゾルシノールとアセトアルデヒドとを酸性触媒下で重縮合させることにより得られるカリックスレゾルシンアレン化合物(環状ポリフェノール化合物)を含有する化学増幅型のネガ型感放射線性組成物が開示されている。
しかしながら、当該カリックスレゾルシンアレン化合物は、結晶性が高く、膜形成時に用いる有機溶剤に対する溶解性が低い。また、本来感度が良いとされる化学増幅型にもかかわらず、当該カリックスレゾルシンアレン化合物を用いると感度が極めて低くなり、更に、微細化した際の、解像度が十分ではないという問題がある。
また、特許文献1では、現像液として0.1%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液が使用されている。このように希薄なTMAH水溶液を使用すると、空気中の二酸化炭素により現像液が中和されてしまい、感度が変動して安定的に製品を得る事が困難となる。
特許文献2には、カリックスレゾルシンアレンの2個のフェノール性水酸基が保護基もしくは架橋性基で置換されたカリックスレゾルシンアレン誘導体が開示されている。当該カリックスレゾルシンアレン誘導体を含むレジスト組成物は、ネガ型として用いることができるが、非化学増幅型の反応機構により架橋反応が進行するため、化学増幅型のレジスト組成物に比べて感度が低い。また、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体中のフェノール性水酸基が全て保護基もしくは架橋性基で保護されているため、アルカリ現像液に対して難溶性であり、現像液には有機溶剤が用いられる。したがって、このような非化学増幅型レジスト材料を、現像工程でアルカリ現像液を用いる化学増幅型レジスト材料として転用した場合に、所望の性能が得られるか否かは不明である。
特開平10−239843号公報 特開2004−18421号公報
本発明者らの実験の結果、特許文献1に開示されているカリックスレゾルシンアレン化合物は、化学増幅型にもかかわらず感度が低く、更に解像度も低い。これは、当該カリックスレゾルシンアレン化合物のアルカリ現像液に対する溶解性が高いことに起因すると推定される。
上記実情に鑑み、本発明は、アルカリ現像液に対する溶解速度を制御することができ、解像度を低下させることなく、高感度で形状が良好なパターンを得ることができる化学増幅型のネガ型レジスト材料として有用なカリックスレゾルシンアレン誘導体、及び当該カリックスレゾルシンアレン誘導体の新規な製造方法、並びに、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体を含むネガ型レジスト組成物、及び当該ネガ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の構造を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体を用いることにより、上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るカリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法は、下記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体と下記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルを反応させ、前記レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入し、下記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体を生成する工程を含むことを特徴とする、単一の立体配座を有する構造のみからなるカリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法である。
Figure 0005493673
[化学式(1)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
Figure 0005493673
(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。但し、化学式(1)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
Figure 0005493673
[化学式(3)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基であり、Xは、ハロゲン原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。]
Figure 0005493673
[化学式(4)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
Figure 0005493673
(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。Rは、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。但し、一分子内に含まれるR のうち1〜6個が非酸分解性基であり、且つ、少なくとも1つの繰り返し単位に含まれる2つのR が水素原子である。化学式(4)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。化学式(4)において、一分子内に含まれるR のうちの非酸分解性基の数が同じで且つ非酸分解性基の位置が同じ構造である。
前記化学式(1)及び化学式(4)中のR 及びR 、並びに前記化学式(2)中のQにおいて、前記置換基を有するアリール基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、前記置換基を有するシクロアルキル基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有するアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子である。
本発明によれば、アルカリ現像液に対する溶解速度を制御することができ、且つ、高感度、及び高解像力で形状が良好なパターンを得ることができる化学増幅型のネガ型レジスト材料として有用なカリックスレゾルシンアレン誘導体の新規な製造方法を提供することができる。
本発明に係るカリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法においては、前記カリックスレゾルシンアレン誘導体を生成する工程の前に、複数の立体配座を含む前記レゾルシノール誘導体から、単一の立体配座を有するレゾルシノール誘導体を分離した後、前記カリックスレゾルシンアレン誘導体を生成する工程において、当該分離した単一の立体配座を有するレゾルシノール誘導体を用いることが、高感度で、且つ、解像力の優れたパターニングを得る点から好ましい。
本発明に係るカリックスレゾルシンアレン誘導体は、下記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体と下記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルを反応させ、前記レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入して得られる下記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体であって、単一の立体配座を有する構造のみからなることを特徴とする。
Figure 0005493673
[化学式(1)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
Figure 0005493673
(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。但し、化学式(1)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
Figure 0005493673
[化学式(3)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基であり、Xは、ハロゲン原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。]
Figure 0005493673
[化学式(4)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
Figure 0005493673
(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。Rは、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。一分子内に含まれるR のうち1〜6個が非酸分解性基であり、且つ、少なくとも1つの繰り返し単位に含まれる2つのR が水素原子である。(但し、化学式(4)中、一分子内に含まれるR のうち50%が水素原子である場合を除く。)化学式(4)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。化学式(4)において、一分子内に含まれるR のうちの非酸分解性基の数が同じで且つ非酸分解性基の位置が同じ構造である。
前記化学式(1)及び化学式(4)中のR 及びR 、並びに前記化学式(2)中のQにおいて、前記置換基を有するアリール基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、前記置換基を有するシクロアルキル基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有するアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子である。
本発明によれば、上記レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基の一部に非酸分解性基を導入し、当該フェノール性水酸基の数を減少させることで、得られるカリックスレゾルシンアレン誘導体のアルカリ現像液に対する溶解性を低下させることができる。また、上記レゾルシノール誘導体中の近接したレゾルシノール部位を連結する炭素原子にアリール基等の疎水性基を導入することにより、得られるカリックスレゾルシンアレン誘導体を疎水性にし、更にアルカリ現像液に対する溶解性を低下させることができる。
従って、本発明のカリックスレゾルシンアレン誘導体は、そのアルカリ現像液に対する溶解性を最適化することにより、アルカリ現像液に対する溶解速度が制御可能となり、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体を含むレジスト組成物の解像度を低下させることなく、高感度にすることができる。
本発明に係るカリックスレゾルシンアレン誘導体においては、前記カリックスレゾルシンアレン誘導体の一分子内に含まれるRのうち1〜6個が非酸分解性基であり、且つ、前記化学式(4)において、少なくとも1つの繰り返し単位に含まれる2つのRが水素原子であることから、アルカリ現像液に対する溶解性を最適化することができる
本発明に係るネガ型レジスト組成物は、リックスレゾルシンアレン誘導体、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤、及び架橋剤を含有し、
前記カリックスレゾルシンアレン誘導体が、前記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体と前記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルを反応させ、前記レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入して得られる下記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体であって、単一の立体配座を有する構造のみからなるカリックスレゾルシンアレン誘導体であることを特徴とする。
Figure 0005493673
[化学式(4)中、R はアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は化学式(2)に示す基である。(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)
は炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。R は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−OR で示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子である。但し、R は、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−OR で示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。但し、一分子内に含まれるR のうち1〜6個が非酸分解性基であり、且つ、少なくとも1つの繰り返し単位に含まれる2つのR が水素原子である。化学式(4)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。化学式(4)において、一分子内に含まれるR のうちの非酸分解性基の数が同じで且つ非酸分解性基の位置が同じ構造である。
前記化学式(4)中のR 及びR 、並びに前記化学式(2)中のQにおいて、前記置換基を有するアリール基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、前記置換基を有するシクロアルキル基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有するアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子である。]
本発明によれば、ネガ型レジスト組成物中に、特定の立体配座を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体を含有することにより、高感度で、且つ、解像力の優れたパターンを得ることができる。
本発明に係るネガ型レジスト組成物は、前記カリックスレゾルシンアレン誘導体の、濃度0.24質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度が、3nm/sec以下であることが、感度及び解像度を向上させる点から好ましい。
本発明に係るネガ型レジスト組成物は、前記のカリックスレゾルシンアレン誘導体の、濃度0.60質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度が、100nm/sec以下であることが、感度及び解像度を向上させる点から好ましい。
本発明に係るパターン形成方法は、
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高感度で、且つ、解像力の優れたパターンを形成することができる。
本発明のカリックスレゾルシンアレン誘導体は、そのアルカリ現像液に対する溶解性を最適化することにより、アルカリ現像液に対する溶解速度が制御可能となり、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体を含むレジスト組成物の解像度を低下させることなく、高感度にすることができるという効果を奏する。
また、本発明は、上記カリックスレゾルシンアレン誘導体の新規な製造方法を提供する。
本発明のネガ型レジスト組成物によれば、特定の構造を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体を含有することにより、高感度で、且つ、解像力の優れたパターンを形成することができる。
本発明のレゾルシノール誘導体の椅子型を表す模式図である。 本発明のレゾルシノール誘導体の1,3−alternate型を表す模式図である。
以下において本発明を詳しく説明する。
尚、本発明において「活性エネルギー線」とは、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、及びFエキシマレーザー等の遠紫外線、電子線、EUV、X線等を意味する。
本発明において「フェノール性水酸基に非酸分解性基を導入する」とは、フェノール性水酸基の水素原子を非酸分解性基で置換することを意味する。
本発明において「Rが水酸基を有する基である」とは、Rが置換基として水酸基(OH)を有するアリール基、若しくはシクロアルキル基であるか、又はRが化学式(2)で表され、且つ当該式中のQが置換基として水酸基(OH)を有するアリール基、若しくはシクロアルキル基である場合である。
本発明において「椅子型」とは、レゾルシノール誘導体の4つのベンゼン環のうち向かい合った2つのベンゼン環が上と下を向き、他の向かい合ったベンゼン環が同一平面上の外側を向いた立体構造を表し(図1参照)、「1,3−alternate型」とは、レゾルシノール誘導体の向かい合った2つのベンゼン環がともに上を向き、他の向かい合ったベンゼン環が下を向いた立体構造を表す(図2参照)。
本発明者らの実験の結果、特許文献1に開示されているカリックスレゾルシンアレン化合物は、化学増幅型にもかかわらず感度が低く、更に解像度も低い。これは、当該カリックスレゾルシンアレン化合物のアルカリ現像液に対する溶解性が極めて高いことに起因すると推定される。当該カリックスレゾルシンアレン化合物は、フェノール性水酸基を多数有することにより、アルカリ溶解性が促進され、アルカリ現像液に対する溶解速度を制御することが困難となり、解像度及び感度が低くなると考えられる。
このような観点から、本発明に用いられるカリックスレゾルシンアレン誘導体の構造の最適化を行った。即ち、レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基の一部に非酸分解性基を導入し、当該フェノール性水酸基の数を減少させることで、得られるカリックスレゾルシンアレン誘導体のアルカリ現像液に対する溶解性を低下させることができる。また、上記レゾルシノール誘導体中の近接したレゾルシノール部位を連結する炭素原子にアリール基等の疎水性基を導入することにより、得られるカリックスレゾルシンアレン誘導体を疎水性にし、更にアルカリ現像液に対する溶解性を低下させることができる。このようにして、現像可能な限界まで当該カリックスレゾルシンアレン誘導体のアルカリ現像液に対する溶解性を低下させることにより、高感度で、且つ、解像力の優れたパターンを形成することができる。
さらに、ネガ型レジスト組成物中に、同じ立体配座を有する構造のみからなるカリックスレゾルシンアレン誘導体を含有することにより感度を低下させることなく、解像力の優れたパターンを形成することができる。
従って、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体のアルカリ現像液に対する溶解性を最適化しすることで、アルカリ現像液に対する溶解速度が制御可能となり、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体を含むレジスト組成物は高感度で、且つ、解像力の優れたパターンを形成することができる。
以下、本発明のカリックスレゾルシンアレン誘導体から順に詳細に説明する。
I.カリックスレゾルシンアレン誘導体
本発明に係るカリックスレゾルシンアレン誘導体は、下記化学式(4)で表される。
Figure 0005493673
[化学式(4)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
Figure 0005493673
(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。Rは、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。また、一分子内に含まれる、Rのうち少なくとも1個が非酸分解性基であり、Rが全て非酸分解性基の場合には、Rが水酸基を有する基である。また、化学式(4)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
のアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14、更に好ましくは炭素数6〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
のシクロアルキル基としては、好ましくは炭素数6〜25、更に好ましくは炭素数7〜20であり、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。
のアルキル基としては、特に制限はないが、炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖でも、分岐状でも良い。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。また、二重結合、三重結合等の不飽和結合を有していても良い。
アルキル基が有する置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基等が挙げられる。
また、アリール基が有する置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基等が挙げられる。
炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基が好ましい。
また、アルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。中でも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
アルコキシアルキル基としては、炭素数1〜8のアルコキシアルキル基が好ましく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基等が挙げられる。中でも、メトキシエチル基、メトキシプロピル基が好ましく、これらの基を置換基として導入することにより、基板との密着力が向上し、現像後の乾燥時に生じるパターンの倒壊を抑制することができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられ、好ましくは、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。これらの基を置換基として導入することにより、基板との密着力が向上し、高感度でパターンを形成することができる。
ハロゲノアルキル基としては、炭素数1〜8のハロゲノアルキル基が好ましく、例えば、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、1−フルオロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,1,2,2−テトラクロロエチル基等が挙げられる。中でも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましく、これらの基を置換基として導入することにより、基板との密着力が向上し、高感度でパターンを形成することができる。
としてのシクロアルキル基が有する置換基は、上記のアリール基が有する置換基と同様のものが挙げられる。また、Rとしての上記化学式(2)中、アリール基が有する置換基、及びシクロアルキル基が有する置換基は、上記のアリール基が有する置換基と同様のものが挙げられる。
は炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子である。
炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。
としての炭素数1〜5のアルキル基が有する置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又はアルコキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−プロポキシ基等が挙げられる。
は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、特定の置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子から選ばれる基である。Rに含まれる特定の置換基とは、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基である。
炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基が好ましい。
としての炭素数1〜5のアルキル基が有する置換基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は−ORで示される1価の基である。ここで、−ORで示される1価の基とは、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する基である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられ、好ましくは、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。
上記Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n-ブチル基、i−プロピル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
上記カリックスレゾルシンアレン誘導体の一分子内に含まれる、Rのうち少なくとも1個が非酸分解性基であれば、各繰り返し単位の同一符号で表される基は、それぞれ同じであっても異なっていても良く、各繰り返し単位におけるRの位置が同じであっても異なっていても良い。また、一分子内に含まれる、Rのうち2〜6個が非酸分解性基の場合、下記化学式(II)で表されるようにRの非酸分解性基の位置に偏りがあっても良く、下記化学式(III)で表されるようにRの非酸分解性基の位置が比較的均等に配置されても良い。また、Rが全て非酸分解性基の場合には、Rが水酸基を有する基である。
また、本発明においては、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体の一分子内に含まれるRのうち1〜6個が非酸分解性基であり、且つ、前記化学式(4)の4つの繰り返し単位中少なくとも1つの繰り返し単位において含まれる2つのRが水素原子であることが、アルカリ現像液に対する溶解性を最適化する点から好ましい。
以下に、上記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005493673
前記カリックスレゾルシンアレン誘導体は、感度を低下させることなく、解像力の優れたパターンを形成することができる点から、単一の立体配座を有する構造のみからなることが好ましく、例えば、椅子型及び1,3−alternate型のいずれか一方の立体配座を有する構造のみからなることが好ましい。カリックスレゾルシンアレン誘導体の立体配座としては、その他に、レゾルシノール誘導体の4つのベンゼン環の全てが上に向いた立体配座(cone型)、4つのベンゼン環のひとつだけが反転して下を向いた立体配座(partial-cone型)、4つのベンゼン環のうち隣り合った2つのベンゼン環が下を向いた立体配座(1,2-alternate型)、4つのベンゼン環のうち、向かいあった2つのベンゼン環が上を向き、残りの2つが同一平面上の外側を向いた立体配座(flattened-cone型)等が知られている。
また、前記カリックスレゾルシンアレン誘導体は、一分子内に含まれるRのうちの非酸分解性基の数が同じ構造のみからなることが、感度を低下させることなく、解像力の優れたパターンを形成することができる点から好ましい。このようなRのうちの非酸分解性基が3個のみの構造等、非酸分解性基の数が1種類の構造のみからなる場合において、非酸分解性基が2個以上の場合、非酸分解性基の位置が異なる異性体を含んでいても良い。中でも、一分子内に含まれるRのうちの非酸分解性基の数が同じで且つ非酸分解性基の位置が同じ構造のみからなることが、感度を低下させることなく、解像力の優れたパターンを形成することができる点から好ましい。
中でも、椅子型及び1,3−alternate型のいずれか一方など、単一の立体配座を有する構造のみからなり、且つ、一分子内に含まれるRのうちの非酸分解性基の数が同じで且つ非酸分解性基の位置が同じ構造のみからなることが、感度を低下させることなく、解像力の優れたパターンを形成することができる点から好ましい。
本発明に係る上記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体は、立体配座を制御した構造を得ることが可能な点から、後述の本発明のカリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法を用いて製造されたものであることが好ましい。しかしながら、上記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体は、例えば、置換基を有するレゾルシノールと、置換基を有するレゾルシノールの少なくとも1つのフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入した化合物との混合物と、アルデヒド類とを酸性触媒下で付加縮合させたり、置換基を有するレゾルシノールの少なくとも1つのフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入した化合物を1種以上とアルデヒド類とを酸性触媒下で付加縮合させることにより得ることもできる。
前記カリックスレゾルシンアレン誘導体は、濃度0.24%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度が、3nm/sec以下であることが好ましく、1.5nm/sec以下であることが更に好ましい。3nm/secを超えると、感度が低くなるおそれがある。
また、前記カリックスレゾルシンアレン誘導体は、濃度0.60質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度が、100nm/sec以下であることが好ましく、更に好ましくは5.5nm/sec以下である。100nm/secを超えると、感度が低くなるおそれがある。
II.カリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法
本発明に係るカリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法は、下記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体と下記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルを反応させ、前記レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入し、下記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体を生成する工程を含むことを特徴とする。
Figure 0005493673
[化学式(1)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
Figure 0005493673
(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。但し、化学式(1)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
Figure 0005493673
[化学式(3)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基であり、Xは、ハロゲン原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。]
Figure 0005493673
[化学式(4)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
Figure 0005493673
(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。Rは、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。また、一分子内に含まれる、Rのうち少なくとも1個が非酸分解性基であり、Rが全て非酸分解性基の場合には、Rが水酸基を有する基である。また、化学式(4)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
本発明によれば、アルカリ現像液に対する溶解速度を制御することができ、且つ、高感度、及び高解像力で形状が良好なパターンを得ることができる化学増幅型のネガ型レジスト材料として有用なカリックスレゾルシンアレン誘導体の新規な製造方法を提供することができる。
本発明で用いられるレゾルシノール誘導体を表す化学式(1)中のR及びR、並びに化学式(2)中のQは前記と同じである。また、本発明で用いられるハロゲン化アルキルを表す化学式(3)中のRは、前記と同じである。
上記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体は、例えば、下記化学式(5)で表されるフェノール類と下記化学式(6)で表されるアルデヒド類とを酸性触媒下で付加縮合させることにより得られる。
Figure 0005493673
[化学式(5)中、Rは各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。]
Figure 0005493673
[化学式(6)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
Figure 0005493673
(化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)]
上記化学式(5)中のRは、前記と同じである。また、上記化学式(6)中のR及び化学式(2)中のQは、前記と同じである。
上記フェノール類と上記アルデヒド類は、それぞれ、一種単独で反応に用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記フェノール類と上記アルデヒド類の反応は、水、アルコール等の極性溶媒中、酸性触媒の存在下、温度70〜100℃で1〜10時間程度行えばよい。
上記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体は、上記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体に弱塩基を反応させて金属アルコキシドをつくり、更に上記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルと極性非プロトン性溶媒中で65度、5時間反応させることにより得られる。当該レゾルシノール誘導体の配合量、及び当該ハロゲン化アルキルの配合量は、当該レゾルシノール誘導体の一分子内に含まれるフェノール性水酸基のうち、非酸分解性基を導入したい個数によって、適宜調製される。
尚、上記ハロゲン化アルキルは、一種単独で反応に用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体は、上記化学式(5)で表されるフェノール類の有する2つのフェノール性水酸基のうち少なくとも1つに上記の非酸分解性基を導入した化合物と、上記化学式(6)で表されるアルデヒド類とを酸性触媒下で付加縮合させることにより合成することもできる。
しかしながら、この製造方法では、複数の立体配座が混在したカリックスレゾルシンアレン誘導体が得られ、当該カリックスレゾルシンアレン誘導体から、単一の立体配座を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体を分離することは困難である。
これに対して、本発明の製造方法では、先ず、上記化学式(5)で表されるフェノール類と上記化学式(6)で表されるアルデヒド類とを反応させると、椅子型の立体配座及び1,3−alternate型の立体配座を含むなど、複数の立体配座を含む上記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体が得られる。立体配座が椅子型及び1,3−alternate型を含むなど、複数の立体配座を含む上記レゾルシノール誘導体から、いずれか一方の立体配座を有するレゾルシノール誘導体を分離することにより、単一の立体配座を有するレゾルシノール誘導体を得ることができる。
従って、本発明によれば、化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体として、単一の立体配座を有するレゾルシノール誘導体を用い、上記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルと反応させることにより、単一の立体配座を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体を容易に得ることができる。
立体配座が椅子型及び1,3−alternate型を含むなど、複数の立体配座を含む上記レゾルシノール誘導体から、いずれか一方の立体配座を有するレゾルシノール誘導体を分離する方法としては、再結晶、再沈殿等が挙げられる。
III.ネガ型レジスト組成物
本発明に係るネガ型レジスト組成物は、本発明に係るカリックスレゾルシンアレン誘導体、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤、及び架橋剤を含有することを特徴とする。
本発明によれば、ネガ型レジスト組成物中に、上記特定の構造を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体を含有することにより、感度を低下させることなく、解像力の優れた良好なパターンを形成することができる。
上記ネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時に露光(露光光の照射)により酸発生剤から酸が発生すると、当該酸が作用して、上記カリックスレゾルシンアレン誘導体と上記架橋剤との間で架橋結合が形成され、アルカリ不溶性となる。そのため、レジストパターン形成において、当該ネガ型レジスト組成物からなるレジスト膜を選択的に露光すると、或いは露光に加えて露光後加熱すると、露光部はアルカリ不溶性となる一方、未露光部はアルカリ可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりネガ型のレジストパターンを形成することができる。
以下、このような本発明のネガ型レジスト組成物の各構成について順に詳細に説明する。
<化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体>
本発明において用いられるカリックスレゾルシンアレン誘導体は、上記「I.カリックスレゾルシンアレン誘導体」で説明したので、ここでの詳しい説明は省略する。
本発明のネガ型レジスト組成物に含まれる前記カリックスレゾルシンアレン誘導体は、全固形分に対して、60〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは65〜85重量%である。
なお、本発明において、固形分とは、ネガ型レジスト組成物中に含まれる成分のうち有機溶剤以外のものを意味する。
<波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤>
本発明において用いられる波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。
上記酸発生剤としては、下記化学式(7)〜(12)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類であることが好ましい。
Figure 0005493673
化学式(7)中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分枝状アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数1〜12の直鎖状アルコキシ基、炭素数3〜12の分枝状アルコキシ基、炭素数3〜12の環状アルコキシ基、ヒドロキシル基、又はハロゲン原子であり、Xは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、若しくは炭素数6〜12のハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオン、又はハロゲン化物イオンである。
上記化学式(7)で表される化合物としては、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニル−p−トルエンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルナフチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート等が挙げられる。
Figure 0005493673
化学式(8)中、X及びRは、化学式(7)のX及びRと同様である。
上記化学式(8)で表される化合物としては、例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート等が挙げられる。
Figure 0005493673
化学式(9)中、Lは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、又は炭素数1〜12のアルキレンオキシ基(−R’−O−、但し、R’は炭素数1〜12のアルキレン基)であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、又は炭素数6〜12のハロゲン置換アリール基である。
上記化学式(9)で表される化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド等が挙げられる。
Figure 0005493673
化学式(10)中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分枝状アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のヘテロアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基である。前記各置換基は、炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のハロアルキル基で置換されていてもよい。
上記化学式(10)で表される化合物としては、例えば、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジナフチルジスルフォン、ジ(4−t−ブチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(3−ヒドロキシナフチル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジスルフォン等が挙げられる。
Figure 0005493673
化学式(11)中、R10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分枝状アルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のヘテロアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基である。前記各置換基は、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
上記化学式(11)で表される化合物としては、例えば、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリル等が挙げられる。
Figure 0005493673
化学式(12)中、R11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、1以上の塩素原子及び1以上の臭素原子を有するハロゲン化アルキル基である。ハロゲン化アルキル基の炭素数は1〜5が好ましい。
上記化学式(12)で表される化合物としては、例えば、モノクロロイソシアヌール酸、モノブロモイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸、ジブロモイソシアヌール酸、トリクロロイソシアヌール酸、トリブロモイソシアヌール酸等が挙げられる。
その他の酸発生剤としては、例えば、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等のハロゲン含有トリアジン誘導体が挙げられる。
これらの酸発生剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記特定の構造を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。この範囲よりも少なくなると像形成ができず、多くなると、均一な溶液とならず、保存安定性が低下する。
<架橋剤>
本発明において用いられる架橋剤は、特に限定されず、従来の化学増幅型のネガ型レジスト組成物において使用されている公知の架橋剤の中から任意に選択して用いることができる。例えば、4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)]フェノール(MBHP)、4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(メトキシメチル)]フェノール(MBMP)、2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8(又は9)−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン等のヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素又はその含酸素誘導体が挙げられる。
また、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、グリコールウリル等のアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、当該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物が挙げられる。これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。
メラミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシブチルメラミン等が挙げられる。
尿素系架橋剤としては、例えば、ビスメトキシメチル尿素、ビスエトキシメチル尿素、ビスプロポキシメチル尿素、ビスブトキシメチル尿素等が挙げられる。
アルキレン尿素系架橋剤としては、例えば、モノ及び/又はジヒドロキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジエトキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジプロポキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジブトキシメチル化エチレン尿素等のエチレン尿素系架橋剤;モノ及び/又はジヒドロキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジエトキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジプロポキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジブトキシメチル化プロピレン尿素等のプロピレン尿素系架橋剤;1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
グリコールウリル系架橋剤としては、例えば、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラメトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラエトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラブトキシメチル化グリコールウリル等が挙げられる。
これらの架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記特定の構造を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体100重量部に対し、3〜40重量部、好ましくは3〜30重量部である。架橋剤の配合量が、3重量部未満では架橋形成が十分に進行せず、良好なレジストパターンが得られない。また、40重量部を超えると、レジスト塗布液の保存安定性が低下し、感度が経時的に劣化するおそれがある。
<アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂>
本発明のネガ型レジスト組成物は、更に、アルカリ現像液への溶解性を有する樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂ともいう)を含有していてもよい。当該アルカリ可溶性樹脂は、下記化学式(13)で表される繰り返し単位を有する。
Figure 0005493673
(化学式(13)中、Zは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、一価の有機基(アルキル基、アシル基、アシロキシ基)、アルキルスルホニル基、又はアルコキシ基である。Zが複数個ある場合、当該Zは同じでも異なっていてもよい。Rは、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はトリフルオロ基である。pは2〜4の整数、qは1〜3の整数を表し、p+q=5である。)
化学式(13)における、Z及びRのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。
Zのアルキル基及びアルキルスルホニル基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
Zのアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。
Zのアシル基は、炭素数1〜8のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Zのアシロキシ基は、炭素数2〜8のアシロキシ基が好ましく、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
Zは、更にハロゲン原子等で置換されていても良い。
以下に、化学式(13)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 0005493673
アルカリ可溶性樹脂は、上記の繰り返し単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的に必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し単位を含有することができる。
このような繰り返し単位としては、下記単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、アクリル酸及びエステル類、メタクリル酸及びエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等が挙げられる。
具体的には、以下の単量体を挙げることができる。
アクリル酸及びエステル類としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アダマンチルアクリレート、ノルボルニルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸及びエステル類としては、例えば、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート等が挙げられる。
アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N,N’−ジアルキルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N’−ジアルキルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物としては、例えば、アリルエステル類、アリルオキシエタノール等が挙げられる。また、アリルエステル類の具体例としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、アルキルビニルエーテルが挙げられ、具体的には、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等が挙げられる。
その他クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等が挙げられる。
その他にも、上記種々の繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。また、共重合させる単量体は、更に置換基を有していてもよい。
アルカリ可溶性樹脂における化学式(13)で表される繰り返し単位の含有量は、40〜100モル%とすることが好ましく、更に70〜100モル%とすることが好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、2000〜80000とすることが好ましく、更に2500〜8000とすることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、全固形分に対して0.5〜70重量%とすることが好ましく、更に1〜50重量%とすることが好ましい。
<有機塩基性化合物>
本発明において用いられる有機塩基性化合物は、レジストパタ−ン形状、保管状態での経時安定性などを向上させるために、公知の有機塩基性化合物の中から任意のものを選択して使用することができる。
上記有機塩基性化合物としては、含窒素有機化合物が挙げられ、例えば、窒素原子を有する含窒素化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、及び含窒素複素環式化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
含窒素有機化合物としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、メチル−n−ドデシルアミン、ジ−n−ドデシルメチルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、ジメチル−n−ドデシルアミン、ジ−n−ドデシルメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類;エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミドの重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環式化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;及び、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらの有機塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機塩基性化合物の配合量は、前記特定の構造を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量部未満ではその添加の効果が得られない。一方、10重量部を超えると感度の低下や未露光部の現像性が悪化する傾向がある。
<その他の成分>
本発明のネガ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
<ネガ型レジスト組成物の調製>
本発明に係るネガ型レジスト組成物は、通常、有機溶剤に上記の特定の構造を有するカリックスレゾルシンアレン誘導体、酸発生剤、架橋剤、及び必要に応じてその他の添加剤を均一に混合することにより調製される。
有機溶剤としては、化学増幅型レジストの溶剤として一般に用いられているものが使用できる。例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用することができる。さらにイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコールや、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒が含有されていても構わない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルやシクロヘキサノン、シクロペンタノン、1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
レジスト組成分中の溶剤量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的には、溶剤は、レジスト組成物の固形分濃度が好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%の範囲内となる様に用いられる。
IV.パターン形成方法
本発明に係るパターン形成方法は、
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、
を含むことを特徴とする。
本発明に係るパターン形成方法によれば、高解像度且つ高感度で形状が良好なパターンを形成することができる。
以下、各工程についてそれぞれ説明する。
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程
本工程においては、まず、上記のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布する。
塗布方法は、基板表面に当該ネガ型レジスト組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコート法、回転塗布等の各種方法を用いることができる。
次に、当該基板上に塗布した当該ネガ型レジスト組成物にプリベーク(PAB)を行い、有機溶剤を除去して、レジスト膜を形成する。
プリベークの温度は、当該組成物の成分、使用割合、有機溶剤の種類等により適宜決めればよく、通常、50〜160℃、好ましくは60〜150℃である。また、プリベーク時間は、通常、30秒〜15分程度である。
(ii)前記レジスト膜を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程
本工程においては、まず、前記レジスト膜を、例えば、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターン形状を有するマスクを介した露光、又は当該マスクを介さない電子線の直接照射による描画等により、選択的に露光を行う。
露光光源は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(Extreme Ultraviolet:極紫外線)、電子線、X線等を用いて行うことができる。
次いで露光後に、露光後加熱(Post Exposure Bake、PEB)を行う。PEB処理の条件は、通常、50〜160℃の温度で、0.1〜15分程度の時間である。
次に、上記でPEB処理された基板をアルカリ現像液を用いて現像処理し、露光光の未照射部分を除去する。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺同浸漬法等が挙げられる。
また、本発明のネガ型レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n‐プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ‐n‐ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジメチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらのアルカリ現像液の中で、好ましくは第四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンの水溶液である。
また、アルカリ現像液としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いる場合、当該TMAH水溶液の濃度は、0.1%〜5%であることが好ましく、更に好ましくは0.5%〜3%であり、特に好ましくは1.19%〜2.38%である。2.38%濃度のTMAH水溶液は、一般に半導体産業において最も入手しやすい。また、当該TMAH水溶液の濃度が0.1%より薄い場合、空気中の二酸化炭素により現像液が中和されてしまい、感度が変動して安定的に製品を得る事が困難となる。
現像処理した後、リンス処理を行い、基板上のアルカリ現像液及び当該アルカリ現像液によって溶解したレジスト組成物を洗い流し、乾燥させて、レジストパターンを得る。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
<実施例1>
窒素雰囲気下、500mL三口フラスコ中、レゾルシノール3.96g(35.9mmol)をエタノール150mLに溶解し、これを氷浴下で冷却しながら1,3−ジメチルベンズアルデヒド4.82g(35.9mmol)を加え、次いで、濃塩酸15mLをゆっくりと滴下し、70℃で20時間反応させた。反応終了後、反応溶液を蒸留水300mL中に注ぎ込み、生じた沈殿(黄色固体)をろ過した後、中性になるまで蒸留水で洗浄し、固体をろ過した。反応後は2種の保持時間の異なる化合物をHPLCにより確認した。ろ別した固体を酢酸エチルを用いて再結晶することにより、表1に示す、淡黄色の固体、椅子型の化合物2(CRA(1)−B)を0.81g(8.95mmol、収率25%)を得た。さらに、そのろ液をアセトニトリル300mL中に注ぎ込むことにより、表1に示す、無色の固体、1,3−alternate型の化合物1(CRA(1)−A)を1.62g(18.0mmol、収率50%)を得た。尚、構造確認はMALDI−TOF Mass(質量分析装置)、及びH‐NMRスペクトルにより行った。
尚、化合物1、2を収率及びH−NMR(DMSO−6d)とともに表1に示す。
(CRA(1)−A)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:2.46秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]905.11
(CRA(1)−B)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:3.78秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]905.51
窒素雰囲気下、500mL三口フラスコ中、化合物1(CRA(1)−A)を1.00g(1.20mmol)脱水したアセトン150mLに溶解し、その中に炭酸カリウム1.22g(8.80mmol)入れ1時間撹拌した。その後、これを氷浴下で冷却しながらヨードメタン1.25g(8.80mmol)を加え、65℃で12時間反応させた。MALDI−TOF Massにより、化合物1の1分子中のフェノール性水酸基1〜6個がメトキシ基に置換した化合物を確認した。反応終了後、反応溶液をpH1の希塩酸水溶液300mL中に注ぎ込み、生じた沈殿(褐色固体)をろ過し、回収した後、中性になるまで蒸留水で洗浄し、褐色固体(混合物16(CRA(1)−A01〜06))をろ別した。混合物16は、1分子中のフェノール性水酸基1個〜6個がメトキシ基に置換した構造(1メトキシ体〜6メトキシ体)が混合したものである。混合物16をHPLC(展開溶媒アセトニトリル:蒸留水=7:3)を用いてそれぞれの化合物を分取することにより、淡黄色の固体3〜6を得た。
MALDI−TOF Mass、及びH‐NMRスペクトルによって構造を確認した結果、固体3は、化合物1(CRA(1)−A)の1分子中のフェノール性水酸基1個がメトキシ基に置換した構造の化合物3(CRA(1)−A01)であった。
また、固体4は、化合物1(CRA(1)−A)の1分子中のフェノール性水酸基2個がメトキシ基に置換した2種類の異性体(CRA(1)−A02(i)及び(ii))からなる混合物4であり、それぞれを単離した。単離した2種類の化合物4及び4’(CRA(1)−A02(i)及び(ii))は、下記化学式(14)において、OR〜ORのうち1個がメトキシ基で、残りの6個が水酸基の構造であった。
また、固体5は、化合物1(CRA(1)−A)の1分子中のフェノール性水酸基3個がメトキシ基に置換した2種類の異性体(CRA(1)−A03(i)及び(ii))からなる混合物5であり、それぞれを単離した。単離した2種類の化合物5及び5’(CRA(1)−A03(i)及び(ii))は、下記化学式(14)において、OR〜ORうち2個がメトキシ基で、残りの5個が水酸基の構造であった。
また、固体6は、化合物1(CRA(1)−A)の1分子中のフェノール性水酸基4個がメトキシ基に置換し、かつ、1分子中の繰り返し単位の中にレゾルシノールを有する(少なくとも1つの繰り返し単位中の2つのRがいずれも水素原子である)2種類の異性体(CRA(1)−A04(i)及び(ii))からなる混合物6であり、それぞれを単離した。単離した2種類の化合物6及び6’(CRA(1)−A04(i)及び(ii))は、下記化学式(14)において、OR〜ORのうち3個がメトキシ基で、残りの4個が水酸基の構造であった。
また、化合物2(CRA(1)−B)においても同様に行い、黄白色の固体7〜9を得た。
MALDI−TOF Mass、及びH‐NMRスペクトルによって構造を確認した結果、固体7は、化合物2(CRA(1)−B)の1分子中のフェノール性水酸基1個がメトキシ基に置換した構造の化合物7(CRA(1)−B01)であった。
また、固体8は化合物2(CRA(1)−B)の1分子中のフェノール性水酸基2個がメトキシ基に置換した2種類の異性体(CRA(1)−B02(i)及び(ii))からなる混合物8であり、それぞれを単離した。単離した2種類の化合物8及び8’(CRA(1)−B02(i)及び(ii))は、下記化学式(14)において、OR〜ORのうち1個がメトキシ基で、残りの6個が水酸基の構造であった。
また、固体9は、化合物2(CRA(1)−B)の1分子中のフェノール性水酸基3個がメトキシ基に置換した3種類の異性体(CRA(1)−B03(i)(ii)及び(iii))からなる混合物9であり、それぞれを単離した。単離した3種類の化合物9、9’、及び9”(CRA(1)−B03(i)(ii)及び(iii))は、下記化学式(14)において、OR〜ORのうち2個がメトキシ基で、残りの5個が水酸基の構造であった。
尚、各化合物の収率を表3に示す。
Figure 0005493673
(CRA(1)−A01)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:3.04秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]919.43
(CRA(1)−A02(i))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:3.93秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]933.45
(CRA(1)−A02(ii))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:4.76秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]933.45
(CRA(1)−A03(i))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:6.27秒、
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]946.51
(CRA(1)−A03(ii))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:6.94秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]946.51
(CRA(1)−A04(i))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:8.41秒、
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]961.23
(CRA(1)−A04(ii))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:9.63秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]961.2
(CRA(1)−B01)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:5.39秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]918.45
(CRA(1)−B02(i)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:7.45秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]933.64
(CRA(1)−B02(ii))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:7.71秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]933.64
(CRA(1)−B03(i))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:10.71秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]947.21
(CRA(1)−B03(ii))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:12.80秒、
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]947.26
(CRA(1)−B03(iii))
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:13.52秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]947.29
<比較化合物1>
下記化学式(15)で表されるC−メチルカリックス[4]レゾルシンアレン(比較化合物1)は、シグマ−アルドリッチ社から購入した。
Figure 0005493673
<比較化合物2>
実施例1の製造方法に従って、下記化学式(16)で表されるC−メチルカリックス[4]メチルレゾルシンアレン(比較化合物2)を6.7g(12.3mmol、収率49%)得た。
Figure 0005493673
<実施例2>
実施例1の製造方法に従って、表3のアルデヒドを用い、下記化学式(1)で表される化合物(CRA(2))を合成し、1,3−alternate型の化合物19(CRA(2)−A)と、椅子型の化合物20(CRA(2)−B)をそれぞれ単離した。その後、化合物19(CRA(2)−A)と、化合物20(CRA(3)−B)に対して、実施例1の製造方法に従って水酸基をメトキシ化し、1,3−alternate型の化合物19(CRA(3)−A)のメトキシ体、及び椅子型化合物の化合物20(CRA(2)−B)のメトキシ体を合成し、化合物10から12(CRA(2)−A03、05,06)を単離した。
Figure 0005493673
化合物10(CRA(2)−A03)は化合物19(CRA(2)−A)の1分子中のフェノール性水酸基3個がメトキシ基に置換した化合物であり、化学式(19)において、OR〜ORうち2個がメトキシ基で、残りの5個が水酸基の構造であった。
また、化合物11(CRA(2)−A05)は化合物19(CRA(2)−A)の1分子中のフェノール性水酸基5個がメトキシ基に置換した化合物であり、化学式(19)において、OR〜ORうち4個がメトキシ基で、残りの3個が水酸基の構造であった。
また、化合物12(CRA(2)−A06)は化合物19(CRA(2)−A)の1分子中のフェノール性水酸基6個がメトキシ基に置換した化合物であり、化学式(19)において、OR〜ORうち5個がメトキシ基で、残りの2個が水酸基の構造であった。
尚、各化合物の収率を表3に示す。
Figure 0005493673
(CRA(2)−A03)
HPLC(メタノール/水=7.5/2.5(体積比)):保持時間:6.21秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]838.75
(CRA(2)−A05)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:12.13秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]895.37.
(CRA(2)−A06)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:15.95秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]909.35
<実施例3>
実施例1の製造方法に従って、表3のアルデヒドを用い、下記化学式(20)で表される化合物(CRA(3))を合成し、1,3−alternate型の化合物21(CRA(3)−A)と、椅子型の化合物22(CRA(3)−B)をそれぞれ単離した。その後、化合物21(CRA(3)−A)と、化合物22(CRA(3)−B)に対して、実施例1の製造方法に従って水酸基をメトキシ化し、1,3−alternate型の化合物21(CRA(3)−A)のメトキシ体、及び椅子型化合物の化合物22(CRA(3)−B)のメトキシ体を合成し、化合物13(CRA(3)−A03)を単離した。
Figure 0005493673
化合物13(CRA(3)−A03)は化合物21(CRA(3)−A)の1分子中のフェノール性水酸基3個がメトキシ基に置換した化合物であり、化学式(21)において、OR〜ORうち2個がメトキシ基で、残りの5個が水酸基の構造であった。
尚、各化合物の収率を表3に示す。
Figure 0005493673
(CRA(3)−A03)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:6.72秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]892.71
<実施例4>
実施例1の製造方法に従って、表3のアルデヒドを用い、下記化学式(22)で表される化合物(CRA(4))を合成し、1,3−alternate型の化合物23(CRA(4)−A)と、椅子型の化合物24(CRA(4)−B)をそれぞれ単離した。その後、化合物23(CRA(4)−A)と、化合物24(CRA(4)−B)に対して、実施例1の製造方法に従って水酸基をメトキシ化し、1,3−alternate型の化合物23(CRA(4)−A)のメトキシ体、及び椅子型化合物の化合物24(CRA(4)−B)のメトキシ体を合成し、化合物14(CRA(4)−A03)を単離した。
尚、各化合物の収率を表3に示す。
Figure 0005493673
化合物14(CRA(4)−A03)は化合物23(CRA(4)−A)の1分子中のフェノール性水酸基3個がメトキシ基に置換した化合物であり、化学式(23)において、OR〜ORうち2個がメトキシ基で、残りの5個が水酸基の構造であった。
尚、各化合物の収率を表3に示す。
Figure 0005493673
(CRA(4)−A03)
HPLC(アセトニトリル/水=7/3(体積比)):保持時間:6.11秒
MALDI−TOF MSにて確認:[M+H]834.22
<実施例5>
窒素雰囲気下、500mL三口フラスコ中、レゾルシノール4.00g(36.4mmol)をエタノール150mLに溶解し、これを氷浴下で冷却しながら1,3−ジメチルベンズアルデヒド4.99g(36.6mmol)を加え、次いで、濃塩酸15mLをゆっくりと滴下し、70℃で20時間反応させた。反応終了後、反応溶液を蒸留水300mL中に注ぎ込み、生じた沈殿(黄色固体)をろ過した後、中性になるまで蒸留水で洗浄し、固体をろ過した。反応後は2種の保持時間の異なる椅子型の化合物2(CRA(1)−B)と1,3−alternate型の化合物1(CRA(1)−A)をHPLCにより確認した。HPLCから化合物1と2の含有率は60%と30%であった。その後、得られた固体を窒素雰囲気下、500mL三口フラスコ中、3.00g(3.60mmol)脱水したアセトン300mLに溶解し、その中に炭酸カリウム4.0g(27.0mmol)入れ1時間撹拌した。その後、これを氷浴下で冷却しながらヨードメタン3.7g(27.0mmol)を加え、65℃で12時間反応させた。MALDI−TOF Massにより、1分子中のフェノール性水酸基1〜6個がメトキシ基に置換した化合物の存在を確認した。反応終了後、反応溶液をpH1の希塩酸水溶液300mL中に注ぎ込み、生じた沈殿(褐色固体)をろ過し、回収した後、中性になるまで蒸留水で洗浄し、褐色固体をろ別し、1,3−alternate型と椅子型の1〜6メトキシ体が混在した混合物15(CRA(1)−AB01〜06)を得た。尚、構造確認はMALDI−TOF Mass(質量分析装置)、及びH−NMRスペクトルにより行った。
[評価:現像速度測定]
実施例1〜5で得られた化合物又は混合物1から16、並びに、比較化合物1、2を、それぞれシクロヘキサノンに対して4重量%となるように撹拌しながら溶解した。
また、混合物17として、上記実施例1で得られた化合物6’を100重量部に対し、アルカリ可溶性樹脂として下記化学式(17)で表される〔ポリ(4−ビニルフェノール−co−メチルメタクリレート)、重量平均分子量(Mw):10,000以内、Aldrich社製〕を1重量部用い、シクロヘキサノンに対して4重量%となるように撹拌しながら溶解した。
また、混合物18は、混合物5(化合物5と5’)と混合物9(化合物9、9’、9”)の混合物(CRA(1)−AB03; 3メトキシ体のみの混合物)であり、同様に、シクロヘキサノンに対して4重量%となるように撹拌しながら溶解した。
当該各化合物又は混合物を含有する各溶液を6インチシリコンウエハー上に、スピンナーを用いて均一に塗布し、100℃で60秒間プリベーク処理(PAB)を行い、膜厚150nmの塗膜を形成した。
Figure 0005493673
実施例評価として化合物又は混合物3〜18と、比較評価としてメトキシ基により水酸基が置換されてない化合物1,2を用いて得られた各塗膜について、濃度0.24%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度を測定した。
また、実施例評価として化合物3と、比較評価としてメトキシ基により水酸基が置換されてない化合物1,2、及び比較化合物1,2について、上記同様に濃度0.60%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度を測定した。
尚、現像前後の塗膜の膜厚変化量(nm)を現像時間(sec)で割ることで、化合物又は混合物1から18、比較化合物1、2の現像速度(nm/sec)を求めた。
結果を表4及び5に示す。
<実施例6>
上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物3)(A)100重量部と、その合計固形分量に対して、酸発生剤(B)として、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート10重量部と、架橋剤(C)として、4,4’−メチレンビス[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)]フェノール20重量部と、有機塩基性化合物(E)として、トリ−n−オクチルアミン1重量部とを、有機溶剤(F)として、シクロヘキサノン4869重量部に溶解し、固形分濃度が2.6重量部のネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例7,8>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物4又は化合物4’)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例9,10>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物5又は化合物5’)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例11,12>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物6又は化合物6’)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例13>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物7)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例14,15>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物8又は化合物8’)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例16,17,18>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物9、化合物9’又は化合物9’’)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例19>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物10)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例20>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物11)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例21>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物12)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例22>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例3で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物13)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例23>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例4で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(化合物14)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
参考例24>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例5で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(混合物15)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
参考例25>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(混合物16)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例26>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、化合物6’を100重量部と、アルカリ可溶性樹脂として、下記化学式(17)で表される〔ポリ(4−ビニルフェノール−co−メチルメタクリレート)、重量平均分子量(Mw):10,000以内、Aldrich社製〕を1重量部用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
参考例27>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、上記実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレン誘導体(混合物18)(A)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<比較例1>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、カリックスレゾルシンアレン化合物(比較化合物1)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<比較例2>
前記実施例6において、化合物3の代わりに、カリックスレゾルシンアレン化合物(比較化合物2)を用いた以外は前記実施例6と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<レジストパターンの作成及び評価方法>
上記実施例6〜27、比較例1〜2で得られたレジスト組成物を用いて、以下に示す方法でレジストパターンを作成し、評価を行った。なお、結果を表6に示す。
(1)レジストの塗布
各レジスト組成物を、6インチシリコン基板上にスピンナーを用いて、均一に塗布し、100℃で60秒間プリベーク処理(PAB)を行い、膜厚140〜150nmのレジスト膜を形成した。
(2)レジストパターンの作成
当該レジスト膜に対し、電子線描画装置(加速電圧50kV)を用いて描画を行った。
描画終了後、100℃で60秒間ベーク処理(PEB)を施した後、2.38質量%のTMAH水溶液(23℃)で60秒間現像処理し、純水にて60秒間リンス処理を行い、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
(3)評価方法
〔感度及び解像力〕
感度は80nmのL/Sパターンが1:1に形成される最少照射量を感度としてμC/cm単位で測定した。また、その照射量における限界解像力(ライン及びスペースが分離解像)を解像力とした。解像性の確認は、ホロン製の測長SEMにより判断した。
Figure 0005493673
Figure 0005493673
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Figure 0005493673
Figure 0005493673
Figure 0005493673

<結果のまとめ>
実施例において、レゾルシノールとベンズアルデヒドを酸条件化で合成し、二種の立体配座の異なるレゾルシノール誘導体を単離した。さらに、それらを4等量のハロゲン化アルキルを用いて、当該レゾルシノール誘導体1分子中のフェノール性水酸基8個のうち1〜6個に非酸分解性基(メチル基)を導入した化合物を合成した。
上記表4に示す結果から、本発明の化合物(カリックスレゾルシンアレン誘導体)を用いることで、濃度0.24%のTMAH水溶液に対する現像速度が1.5nm/sec以下に最適化されることが明らかとなった。また、フェノール性水酸基を8個持つ化合物1、化合物2は、本発明の化合物に比べて現像速度が非常に速く、レゾルシノール誘導体1分子中のフェノール性水酸基8個のうち非酸分解性基(メチル基)を導入する数を増加させていくことにより現像速度が低下していくことが明らかとなった。
表4及び表6の結果から、本発明のネガ型レジスト組成物は、濃度0.24%のTMAH水溶液に対する現像速度が1.5nm/sec以下に最適化されることにより、高感度、且つ高解像度となることが明らかとなった。例えば、化合物6(CRA−A04(i))を用いた場合において、濃度0.24%のTMAH水溶液に対する現像速度が0.10nm/sec以下、フェノール性水酸基を8個持つ化合物1、化合物2に比べて、非常に遅くなることで、当該化合物6(CRA−A04(i))を用いた実施例11のレジスト組成物は、感度が55μC/cmと高く、且つ解像力が40nmと従来に比べて高くすることができた。
一方、フェノール性水酸基を8個持つ比較例1〜2のレジスト組成物は、現像速度が極めて速いため、100nmにおけるL/Sパターン形状を形成することができず、感度及び解像力を測定することができなかった。
また、表4及び表6の結果から、レゾルシノール誘導体1分子中のフェノール性水酸基8個のうち非酸分解性基(メチル基)を導入する数が増えることにより、現像速度が低下し、感度と解像度がよくなることがわかった。従って、レゾルシノール誘導体1分子中のフェノール性水酸基に対して導入する非酸分解性基の数、現像速度及び感度に相関関係があったことがわかった。
また、アルカリ可溶性樹脂を添加した場合、感度が少し改善した(実施例26)。

Claims (7)

  1. 下記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体と下記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルを反応させ、前記レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入し、下記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体を生成する工程を含む、単一の立体配座を有する構造のみからなるカリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法。
    Figure 0005493673
    [化学式(1)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
    Figure 0005493673
    (化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。但し、化学式(1)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
    Figure 0005493673
    [化学式(3)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基であり、Xは、ハロゲン原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。]
    Figure 0005493673
    [化学式(4)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
    Figure 0005493673
    (化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。Rは、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。但し、一分子内に含まれるR のうち1〜6個が非酸分解性基であり、且つ、少なくとも1つの繰り返し単位に含まれる2つのR が水素原子である。化学式(4)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。化学式(4)において、一分子内に含まれるR のうちの非酸分解性基の数が同じで且つ非酸分解性基の位置が同じ構造である。
    前記化学式(1)及び化学式(4)中のR 及びR 、並びに前記化学式(2)中のQにおいて、前記置換基を有するアリール基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、前記置換基を有するシクロアルキル基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有するアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子である。
  2. 前記カリックスレゾルシンアレン誘導体を生成する工程の前に、複数の立体配座を含む前記レゾルシノール誘導体から、単一の立体配座を有するレゾルシノール誘導体を分離した後、前記カリックスレゾルシンアレン誘導体を生成する工程において、当該分離した単一の立体配座を有するレゾルシノール誘導体を用いる、請求項1に記載のカリックスレゾルシンアレン誘導体の製造方法。
  3. 下記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体と下記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルを反応させ、前記レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入して得られる下記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体であって、単一の立体配座を有する構造のみからなるカリックスレゾルシンアレン誘導体。
    Figure 0005493673
    [化学式(1)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
    Figure 0005493673
    (化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。但し、化学式(1)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
    Figure 0005493673
    [化学式(3)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基であり、Xは、ハロゲン原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。]
    Figure 0005493673
    [化学式(4)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
    Figure 0005493673
    (化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。Rは、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。一分子内に含まれるR のうち1〜6個が非酸分解性基であり、且つ、少なくとも1つの繰り返し単位に含まれる2つのR が水素原子である。(但し、化学式(4)中、一分子内に含まれるR のうち50%が水素原子である場合を除く。)化学式(4)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。化学式(4)において、一分子内に含まれるR のうちの非酸分解性基の数が同じで且つ非酸分解性基の位置が同じ構造である。
    前記化学式(1)及び化学式(4)中のR 及びR 、並びに前記化学式(2)中のQにおいて、前記置換基を有するアリール基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、前記置換基を有するシクロアルキル基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有するアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子である。
  4. リックスレゾルシンアレン誘導体、波長248nm以下の活性エネルギー線を照射することで直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤、及び架橋剤を含有し、
    前記カリックスレゾルシンアレン誘導体が、下記化学式(1)で表されるレゾルシノール誘導体と下記化学式(3)で表されるハロゲン化アルキルを反応させ、前記レゾルシノール誘導体の有するフェノール性水酸基に非酸分解性基を導入して得られる下記化学式(4)で表されるカリックスレゾルシンアレン誘導体であって、単一の立体配座を有する構造のみからなるカリックスレゾルシンアレン誘導体である、ネガ型レジスト組成物。
    Figure 0005493673
    [化学式(1)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
    Figure 0005493673
    (化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。但し、化学式(1)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。]
    Figure 0005493673
    [化学式(3)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基であり、Xは、ハロゲン原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。]
    Figure 0005493673
    [化学式(4)中、Rはアリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アルキル基、置換基を有するアルキル基、又は下記化学式(2)に示す基である。
    Figure 0005493673
    (化学式(2)中、Qは、アリール基、置換基を有するアリール基、シクロアルキル基、又は置換基を有するシクロアルキル基であり、mは1又は2を表す。)Rは炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜2の整数を表す。Rは、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、並びにヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び−ORで示される1価の基の中から選ばれる置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基からなる群から選ばれる酸の作用により分解しない非酸分解性基、又は水素原子である。但し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、上記の−ORで示される1価の基は、炭素数1〜5のアルキル基において1位以外の炭素原子に結合する。但し、一分子内に含まれるR のうち1〜6個が非酸分解性基であり、且つ、少なくとも1つの繰り返し単位に含まれる2つのR が水素原子である。化学式(4)に含まれる同一符号で表される基は、互いに同じでも異なっていてもよい。化学式(4)において、一分子内に含まれるR のうちの非酸分解性基の数が同じで且つ非酸分解性基の位置が同じ構造である。
    前記化学式(1)及び化学式(4)中のR 及びR 、並びに前記化学式(2)中のQにおいて、前記置換基を有するアリール基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、前記置換基を有するシクロアルキル基の置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有するアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はハロゲノアルキル基であり、R における前記置換基を有する炭素数1〜5のアルキル基の置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子である。
  5. 前記カリックスレゾルシンアレン誘導体の、濃度0.24質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度が、3nm/sec以下である、請求項に記載のネガ型レジスト組成物。
  6. 前記のカリックスレゾルシンアレン誘導体の、濃度0.60質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度が、100nm/sec以下である、請求項に記載のネガ型レジスト組成物。
  7. (i)請求項4乃至6のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
    (ii)前記レジスト膜を電子線、EUV、又はX線で露光し、加熱、現像する工程、を含むパターン形成方法。
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