JP5741666B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5741666B2
JP5741666B2 JP2013225488A JP2013225488A JP5741666B2 JP 5741666 B2 JP5741666 B2 JP 5741666B2 JP 2013225488 A JP2013225488 A JP 2013225488A JP 2013225488 A JP2013225488 A JP 2013225488A JP 5741666 B2 JP5741666 B2 JP 5741666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gate
region
semiconductor device
diode
insulating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013225488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014053634A (ja
Inventor
聖自 百田
聖自 百田
和 阿部
和 阿部
岳志 藤井
岳志 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2013225488A priority Critical patent/JP5741666B2/ja
Publication of JP2014053634A publication Critical patent/JP2014053634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5741666B2 publication Critical patent/JP5741666B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

この発明は、半導体装置に関し、特に絶縁ゲート構造(MOS構造)を有する半導体装置であって、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)や絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MOSFET)などのパワー半導体装置に関する。
図13は、従来のIGBTの模式的な平面図である。以下の説明において、nは不純物の伝導型がn型であり、pは不純物の伝導型がp型を表す。
図13において、符号101はn半導体基板、102はpベース領域、106はポリシリコンで形成されたゲート電極、107はゲート電極106と接続するポリシリコンゲート配線、111はエミッタ電極、112はポリシリコンゲート配線107上に形成された金属ゲート配線、120は金属ゲート配線112と接続するゲートパッド、140は半導体チップ(以下、単にチップと称す)である。
図13に示すように、ストライプセルを有する従来のIGBTにおいては、ストライプ状のゲート電極106がチップ140の全面にわたって規則正しく配置されている。すなわち、ゲート電極106は、チップ140の中央部でも周辺部でも同じ間隔で直線的に並んでいる。このような規則的な配置は、ゲート構造がプレーナ構造であっても、トレンチ構造であっても同様である。また、パワーMOSFETでも同様である。
図14は、IGBTチップ面内の温度分布を模式的に示した平面図であり、図14(a)は中央部が温度が高い場合を示した等温線図、図14(b)はチップの半分が高温になった場合を示した等温線図である。図中の点線は等温線141である。
通常のIGBTにおいては、図14(a)に示すように、チップ140の面内の温度分布は、チップ140の中央部で最も高温となり、チップ140の周辺部にいくほど温度が低くなる山状の分布となる。
このような温度分布は、チップ140に電流が流れることによる発熱と、図示しない裏面のコレクタ電極から実装基板への放熱とのバランスに起因して生じる。チップ140の中央部において放熱に寄与する熱経路は、主にコレクタ電極へ向かってチップ140の深さ方向に熱が伝わる経路(縦経路)だけである。
それに対して、チップ140の周辺部において放熱に寄与する熱経路は、上述した縦経路に加えて、チップ140の端部へ向かって熱が伝わる経路(横経路)もあるので、放熱性に優れる。したがって、上述したような山状の温度分布となる。このような温度分布は、パワーMOSFETでも同様である。
一方、図14(b)に示すようなチップ140の半分が高温になる場合(ここでは上半分)は、エミッタ電極111に接続するボンディングワイヤがチップ140の下半分にのみ固着し、上半分にボンディングワイヤがない場合などに生じる。
また、図示しないが、チップ140の裏面コレクタ電極下の半田層にボイドが存在するとその部分の熱抵抗が大きくなり局部的な発熱を生じて温度分布はチップ140の面内で均一にならない。
前記の図14(a)に示すような温度分布の場合に温度を均一化する方法が特許文献1に記載されている。
それによると、図15に示すようにゲート電極106の配置をチップ140の中央部で疎に配置し端部近傍で密に配置する方法である。尚、点線で示したゲート電極106は特許文献1ではユニットセルと称しているが、ここではユニットセルを構成しているゲート電極を抜き出して示した。
このようにすると、中央部での電流密度が小さくなり外周部(ここでは上下の端部付近)では電流密度が多くなるので、中央部での発熱量は少なくなり、外周部での発熱量が多くなる。一方、放熱は中央部が少なく、外周部が多いため、発熱量と放熱量のバランスでチップ140の面内の温度分布は均一化される。
特開2004−363327号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、周辺部と中央部でのゲート電極(ユニットセル)密度が製造段階で決まってしまい、チップ140の中央部での温度が上昇する場合を除いて温度の均一化を図ることは困難である。
また、通電する電流が大きくなり電流密度が大きくなると、中央部と周辺部の発熱量の差が大きくなるので、全電流密度範囲で発熱量と放熱量のバランスをチップ140の全面に渡ってとることは困難であり、限定された電流密度範囲での温度アンバランスを改善できるだけである。
また、図14(b)に示すような温度分布のときは、それに対応したゲート電極106の配置をする必要があり、温度分布に合わせてゲート電極106の配置を製造段階から変更することが必要となり現実的ではない。また、使い方によってチップ140の面内の温度分布が異なるような場合には特許文献1の方法では対応ができない。
また、図16に示すように、多数のチップ140を収納したモジュール142の場合にチップ140間での温度を均一にすることは特許文献1の方法ではできない。
この発明の目的は、前記の課題を解決して、チップ面内の温度分布およびチップ間の温度分布の均一化を図ることができる半導体装置を提供することである。
前記の目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項に記載の発明によれば、
第1導電型の半導体基板の表面に選択的に形成された第2導電型半導体領域と、
該半導体領域の表面に選択的に形成された第1導電型エミッタ領域もしくはソース領域と、
ゲート絶縁膜を介して前記半導体領域と前記エミッタ領域もしくはソース領域に対向するゲート電極と、を有するMOSゲートと、
該MOSゲート複数個形成されたゲート領域と、
複数の該ゲート領域で構成されるスイッチング素子部と
前記ゲート領域に対応して個別に設けられ、該ゲート領域のMOSゲートをそれぞれ集約したゲート配線と、
個々の前記ゲート領域の前記半導体領域上部に選択的に形成された絶縁膜と、
前記ゲート領域に対応して個別に設けられ、個々の前記ゲート領域の前記絶縁膜の表面に、複数個のダイオードを直列接続して形成されたダイオード領域と、
前記ゲート領域に対応して個別に設けられ、前記ダイオード領域のアノード側と前記ゲート配線を接続するように形成された接続点と、
前記ゲート領域に対応して個別に設けられ、前記接続点に一端が接続されるとともに個々の前記ゲート配線から離して、前記半導体領域上部の絶縁膜表面に設けられた抵抗と、
個々の該抵抗の他端が接続する共通の電極膜として形成されたゲートパッドと、
を備える半導体装置とする。
前記複数のゲート領域の前記エミッタ領域もしくはソース領域および前記半導体領域が接する共通の電極膜として形成されるとともに、個々の前記ダイオード領域のカソード側が接続するエミッタ電極もしくはソース電極を備えてもよい。
個々の前記ゲート領域において、前記絶縁膜上に形成され、前記ダイオード領域のアノード側と前記接続点を接続する金属配線をさらに備え、
前記ダイオード領域は、該ダイオード領域の三方を前記エミッタ電極もしくはソース電極から前記絶縁膜を挟んで離間するとともに取り囲まれ、
前記金属配線のうち前記ダイオード領域および前記接続点に接続していない2つの側端側は、前記エミッタ電極もしくはソース電極と、前記絶縁膜を挟んで隣接していてもよい。
記ダイオードの順電圧降下の温度依存性と、前記共通のゲートパッドに他端が接続するとともに、前記ゲート領域に対応して個別に設けられた前記接続点に一端が接続する前記抵抗の抵抗値と、を用いて、前記スイッチング素子のゲート領域が温度上昇したとき、該ゲート領域に対応する前記ゲート配線に印加される電圧を低下させて、前記ゲート領域に流れる電流を減少させることで、前記スイッチング素子の他のゲート領域を含めて温度分布を均一化させてもよい
記ダイオードが、ポリシリコンで形成されたツェナーダイオードであってもよい。
記抵抗が、ポリシリコンで形成されてもよい。
記複数直列接続したダイオードに複数直列接続したダイオードを逆並列接続してもよい。
記スイッチング素子が、IGBTまたはMOSFETであってもよい。
記スイッチング素子が、トレンチゲート型またはプレーナゲート型であってもよい。
この発明によれば、IGBTを複数のグループ(IGBT部)に分け、各グループに複数個直列接続したツェナーダイオードをそれぞれ配置し、各ツェナーダイオードのアノード側と各グループのゲートを接続し、カソード側とエミッタを接続する。そしてツェナーダイオードの順電圧降下の温度依存性を利用して、温度上昇したグループのゲート電圧を低下させて、電流を絞り、温度を下げることによりチップ面内の温度の均一化を図ることができる。
また、チップが多数収納されるモジュールにおいて、各チップに複数個直列接続したツェナーダイオードを配置し、ツェナーダイオードのアノード側とゲートを接続し、カソード側とエミッタを接続することで、チップ全数の温度を均一にすることができる。
このように、チップ面内およびチップ間の温度分布の均一化を図ることによって、高信頼性の半導体装置を提供することができる。
また、チップの大きさや放熱設計を過剰に余裕をもたせる必要がなくなることで資源の有効利用を図ることができる。
この発明の第1実施例の半導体装置の要部平面図である。 この発明の第1実施例の半導体装置の構成図であり、(a)は図1のA部詳細図、(b)は(a)のX1−X1で切断した要部断面図、(c)は(a)のX2−X2で切断した要部断面図である。 この発明の第1実施例の半導体装置の構成図であり、(a)は図1のB部詳細図、(b)は(a)のX3−X3で切断した要部断面図、(c)は(a)のX4−X4で切断した要部断面図である。 この発明の第1実施例の半導体装置の構成図であり、(a)は図2(a)のY1−Y1で切断じた要部断面図、(b)は図3(a)のY2−Y2線で切断した要部断面図である。 ツェナーダイオードとポリシリコン抵抗を形成した後の構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX1−X1で切断した要部断面図、(c)は(a)のX5−X5で切断した要部断面図である 図1のIGBTの等価回路図である。 本IGBTの動作を説明する特性図である この発明の第2実施例の半導体装置の等価回路図である この発明の第3実施例の半導体装置の要部平面図である この発明の第4実施例の半導体装置の構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−Xで切断した要部断面図である。 ダイオードの順電圧降下(VF)曲線図である。 ポリシリコンで形成したツェナーダイオードのVFの温度依存性を示す特性図である。 従来のIGBTの模式的な平面図である。 IGBTチップ内の温度分布を模式的に示す平面図であり、(a)は中央部が温度が高い場合を示した等温線図、(b)はチップの半分が高温になった場合を示した等温線図である。 ゲート電極の配置において、チップの中央部を疎に、端部を密に配置した要部平面図である。 多数のチップが収納された従来のモジュールにおいて、温度が高いチップと低いチップがある場合を示す概略平面図である。
図11に示すように、ダイオードの順電圧降下(VF)は、一般的に温度が上昇すると低下するという温度依存性を有している。例えば、ポリシリコンで形成したツェナーダイオードは例えば、図12に示すように−1.3mV/℃の温度依存性を有している。
本発明は、MOS型の半導体装置のゲートとエミッタの間にこの温度依存性を有するツェナーダイオードを接続して、温度上昇した場合にゲート電圧を低下させて通電電流を抑制し、チップ面内やモジュールを構成する各チップ間の温度を均一にしようというものである。
実施の形態を以下の実施例で説明する。以下の説明では第1導電型をn型、第2導電型をp型としたが逆にして構成しても構わない。
図1〜図4は、この発明の第1実施例の半導体装置の構成図であり、図1は模式的に示した要部平面図、図2(a)は図1のA部詳細図、図2(b)は図2(a)のX1−X1で切断した要部断面図、図2(c)は図2(a)のX2−X2で切断した要部断面図、図3(a)は図1のB部詳細図、図3(b)は図3(a)のX3−X3で切断した要部断面図、図3(c)は図3(a)のX4−X4で切断した要部断面図、図4(a)は図2(a)のY1−Y1で切断じた要部断面図、図4(b)は図3(a)のY2−Y2で切断した要部断面図である。ここでは、トレンチゲート型IGBTを例に挙げて説明する。
n半導体基板1の表面に複数本配置されるストライプ状のトレンチ4と、このトレンチ4の側壁に接するn半導体基板1の表面に配置されるpベース領域2と、このpベース領域2の表面にトレンチ4の側壁に接するように配置されるnエミッタ領域21と、nエミッタ領域21上に配置されるエミッタ電極11からなる。
また、nエミッタ領域21とn半導体基板1に挟まれトレンチ4の側壁に露出したpベース領域2にゲート絶縁膜5(例えば、ゲート酸化膜など)を介してトレンチ4内を充填して配置されたゲート電極6と、ゲート電極6上に配置される層間絶縁膜10と、ゲート電極6と接してトレンチ4から表面に延在し、厚い絶縁膜3(例えば、LOCOS膜や厚い酸化膜など)上に配置される第1、第2ポリシリコンゲート配線7a、7bと、このポリシリコンゲート配線7a、7bとそれぞれ接続して配置される第1、第2金属ゲート配線12a、12bとからなる。
また、トレンチ4に挟まれたpベース領域2上に厚い絶縁膜3が配置され、この厚い絶縁膜3上に配置されるポリシリコンで形成された第1、第2ツェナーダイオードと、前記第1、第2ポリシリコンゲート配線7a、7b下に配置される厚い絶縁膜3上に第1、第2ポリシリコンゲート配線7a、7bと離してこの厚い絶縁膜3上に配置される第1、第2ポリシリコン抵抗とからなる。
また、第1、第2ツェナーダイオード8a、8bのそれぞれのアノード側と、第1、第2金属ゲート配線12a,12bと、第1、第2ポリシリコン抵抗9a、9bと、ゲートパッド20をそれぞれ接続する第1、第2金属接続配線13a,13bと、nエミッタ領域21とpベース領域2にコンタクトホール22を介して接し層間絶縁膜10上に配置されるエミッタ電極11とからなり、このエミッタ電極11と第1、第2ツェナーダイオード8a、8bのカソード側が接続する。
また、図示しないが、n半導体基板1の裏面側の表面層に形成されるpコレクタ領域と、pコレクタ領域上に形成されたコレクタ電極とからなる。このn半導体基板1の裏面側の表面層にn+領域を形成するとMOSFETとなる。
図1〜図4において、トレンチ4およびnエミッタ領域21の平面形状はストライプ状である。第1、第2ポリシリコンゲート配線7a、7bは、チップ40の上下中央で分離している。これによって、第1ポリシリコンゲート配線7aに接続するゲート電極6で駆動される第1IGBT部41と第2ポリシリコンゲート配線7bに接続するゲート電極6で駆動される第2IGBT部42に分けられる。
図5はツェナーダイオードとポリシリコン抵抗を形成した後の構成図であり、図5(a)は要部平面図、図5(b)は図5(a)のX1−X1で切断した要部断面図、図5(c)は図5(a)のX5−X5で切断した要部断面図である。これは図2(a)に相当する構成図である。但し、図2(a)ではトレンチ4、ゲート絶縁膜5およびゲート電極6は示されていない。
厚い絶縁膜3上に形成される第1,第2ポリシリコンゲート配線12a、12bはゲート電極6と同時にn型不純物をドープして形成される。また、第1、第2ツェナーダイオード8a、8bと第1、第2ポリシリコン抵抗9a、9bは不純物をドーピングする前のポリシリコン膜を同時に形成した後でp型不純物やn型不純物をドープして形成される。
図1のIGBTにおいて、第1IGBT部41に電流が多く流れて温度が上昇すると、第1ツェナーダイオード8aの温度も上昇する。第1ツェナーダイオード8aの温度が上昇すると第1ツェナーダイオード8aの順電圧降下VFT(トータルのVF)が低下する。そして、第1ツェナーダイオード8aと第1金属接続配線13aで接続した第1金属ゲート配線12aの電圧が低下する。そうすると、第1金属ゲート配線12aと接続する第1ポリシリコンゲート配線7aの電圧が低下し、この第1ポリシリコンゲート配線7aと接続する第1IGBT部41のゲート電極6の電圧が低下して、第1IGBT部41に流れる電流が減少することになる。
第1IGBT部41の電流が減少し、温度が低下すると、第1IGBT部41と第2IGBT部42との間の温度差が縮まりチップ40面内で温度分布が均一化される。
図6は、図1のIGBTの等価回路図である。第1、第2IGBT部41、42の各エミッタ(エミッタ電極11)と各ゲート(第1、第2ポリシリコンゲート配線12a、12b)の間に複数個直列接続した第1、第2ツェナーダイオード8a、8bのカソード側(n層)とアノード側(p層)をそれぞれ接続する。
図7は、本IGBTの動作を説明する特性図である。ここでは、直列接続されたツェナーダイオードを1個のツェナーダイオードとして扱う。また、このツェナーダイオードの順電圧降下をVFT(トータルのVF)とする。1個のツェナーダイオードの順電圧降下をVF、直列数をNとすると、VFT=VF×Nである。VFT1は第1ツェナーダイオード8aのトータルVFであり、VFT2は第2ツェナーダイオード8bのトータルVFである。また負荷抵抗線の抵抗値はツェナーダイオード8a、8bと直列接続するポリシリコン抵抗9a、9bの抵抗値である。
このVFTの値は本IGBTが定常動作したときにゲートパッド20から与えられるゲート信号の電圧近傍にする。たとえば、ゲート信号の電圧が15Vとした場合、ツェナーダイオードの順電圧降下VFTを14Vとする。VFTが14Vになるためのツェナーダイオード部の直列数Nは14V/0.7V=20、すなわち20個となる。この0.7Vはツェナーダイオードの立ち上がり電圧である。
また、1個のポリシリコンで形成されたツェナーダイオードのVFの温度特性は−1.3mV/℃である。そのため、ツェナーダイオードを20個直列接続したVFTの温度依存性は、−1.3mV/℃×20個=−26mV/℃となる。
動作時において、何らかの原因で、第2IGBT部42に対して第1IGBT部41の温度が5℃上昇した場合について考える。
第1ツェナーダイオード8aのVFTの変化分は5℃で−26mV/℃×5℃=−0.13Vとなる。したがって、第1IGBT部41のゲート電極6に印加されるゲート電圧は15V−0.13V=14.87Vとなる。
この低下したゲート電圧が印加されることで、第1IGBT部41の電流は絞られる。そうすると、第1IGBT部41の温度が低下して第2IGBT部42の温度に近づいて、チップ40全体の温度が均一化される。
また、IGBTに流れる電流が一定だとすると、第1IGBT部41の電流が減る分、第2IGBT部42の電流が増えて、さらに素早く温度の均一化が図られる。
このように、IGBTの動作中に局部的に温度上昇が起こると、温度上昇箇所を流れる電流を絞って温度を低下させるので、常時チップ40面内を均一な温度で動作させることができる。特に、ツェナーダイオードをチップ40の中央部から端まで多数配置することで、一層のチップ40の面内温度の均一化を図ることができる。
前記の例ではツェナーダイオードを20個直列接続したが、この直列数Nはこれに限るものではなくIGBTに与えられるゲート信号の電圧の大きさや均一化させたいチップの温度レベルなどに依存する。例えば温度レベルが高い場合には室温でのVFTの立ち上がり電圧を高くする必要があり、直列数Nは増える。
図8は、この発明の第2実施例の半導体装置の等価回路図である。図1との違いは、ツェナーダイオードを逆並列接続した点である。図1ではツェナーダイオード部が多数直列接続されるので、ツェナーダイオードの逆方向耐圧は数百V以上となる。そのため、IGBTのゲートに逆方向の大きなサージ電圧が印加されるとIGBTが破壊してしまう。それを保護するため、図8のように逆並列にツェナーダイオード8a、8bとツェナーダイオード部の直列数が同じツェナーダイオード8c、8dを接続すると、過大な逆電圧がゲートに印加されなくなり、IGBTの破壊を防止できる。
このツェナーダイオード8c、8dはツェナーダイオード8a、8bと同時に形成すればよい。
図9は、この発明の第3実施例の半導体装置の要部平面図である。図1との違いは、チップ40にツェナーダイオード8とポリシリコン抵抗9を各1個形成した点である。
これは、図16で説明したように、多数のチップ40が収納されているモジュールの場合に有効となる。この場合も温度の高いチップ40のゲート電圧は低下し電流が絞られるので、各チップ間の温度の均一化を図ることができる。
図10は、この発明の第4実施例の半導体装置の構成図であり、図10(a)は要部平面図、図10(b)は図10(a)のX−Xで切断した要部断面図である。図1との違いは、ゲートをトレンチではなくプレーナで形成し、セルの形状をストライプ状でなく島状(ドットセル73)とした点である。
この場合は、第1ポリシリコンゲート配線57aを第2ポリシリコンゲート配線57bで取り囲むことができるので図14(a)のようにチップ80の中央部の温度が上昇するような場合に特に有効となる。また、ポリシリコンゲート配線を任意の場所で分割することができるので、ストライプ状のセルに比べてチップ80内の温度の均一化が図りやすい。
尚、図中の符号について説明する。符号51はn半導体基板、52はpベース領域、55はゲート絶縁膜、56はゲート電極、57a、57bは第1、第2ポリシリコンゲート配線、58a、58bは第1、第2ツェナーダイオード、59a、59bは第1、第2ポリシリコン抵抗、60は層間絶縁膜、61はエミッタ電極である。
また、符号63a、63bは、第1、第2ツェナーダイオード58a、58bと第1、第2ポリシリコン抵抗59a、59bとゲートパッド70を接続する第1、第2金属接続配線であり、71はnエミッタ領域、73はドットセル、80はチップ、81は第1IGBT部、82は第2IGBT部である。
また、符号83aは、第1ポリシリコンゲート配線57aと第1金属接続配線63を接続する第1接続点であり、83bは第2ポリシリコンゲート配線57bと第2金属接続配線63bを接続する第2接続点である。金属ゲート配線をポリシリコンゲート配線57a、57b上に形成する場合はこの金属ゲート配線に金属接続配線63a、63bを接続する。この接続箇所が接続点83a、83bとなる。
尚、実施例1〜4では、半導体装置としてIGBTを例として説明したが、MOSFETにも本発明は当然適用できる。また、ツェナーダイオードやポリシリコン抵抗を厚い絶縁膜上に形成したが、これらを個別のダイオードと抵抗に代えて、ダイオードをエミッタ電極上に絶縁膜を介して貼り付け、抵抗をチップ外周部に絶縁膜を介して貼り付けて、ワイヤでそれぞれ接続しても同様の効果が得られる。但し、エミッタ電極上でしかも絶縁膜を介してツェナーダイオードが温度を感知するため、感度が鈍くなる。
1、51 n半導体基板
2、52 pベース領域
3 厚い絶縁膜
4 トレンチ
5、55 ゲート絶縁膜
6、56 ゲート電極
7 ポリシリコンゲート配線
7a、57a 第1ポリシリコンゲート配線
7b,57b 第2ポリシリコンゲート配線
8 ツェナーダイオード
8a,58a 第1ツェナーダイオード
8b,58b 第2ツェナーダイオード
9 ポリシリコン抵抗
9a,59a 第1ポリシリコン抵抗
9b,59b 第2ポリシリコン抵抗
10,60 層間絶縁膜
11,61 エミッタ電極
12 金属ゲート配線
12a 第1金属ゲート配線
12b 第2金属ゲート配線
13 金属接続配線
13a,63a 第1金属接続配線
13b,63b 第2金属接続配線
20,70 ゲートパッド
21,71 nエミッタ領域
22 コンタクトホール
40、80 チップ
41、81 第1IGBT部
42、82 第2IGBT部
83a 第1接続点
83b 第2接続点

Claims (9)

  1. 第1導電型の半導体基板の表面に選択的に形成された第2導電型半導体領域と、
    該半導体領域の表面に選択的に形成された第1導電型エミッタ領域もしくはソース領域と、
    ゲート絶縁膜を介して前記半導体領域と前記エミッタ領域もしくはソース領域に対向するゲート電極と、を有するMOSゲートと、
    該MOSゲート複数個形成されたゲート領域と、
    複数の該ゲート領域で構成されるスイッチング素子部と
    前記ゲート領域に対応して個別に設けられ、該ゲート領域のMOSゲートをそれぞれ集約したゲート配線と、
    個々の前記ゲート領域の前記半導体領域上部に選択的に形成された絶縁膜と、
    前記ゲート領域に対応して個別に設けられ、個々の前記ゲート領域の前記絶縁膜の表面に、複数個のダイオードを直列接続して形成されたダイオード領域と、
    前記ゲート領域に対応して個別に設けられ、前記ダイオード領域のアノード側と前記ゲート配線を接続するように形成された接続点と、
    前記ゲート領域に対応して個別に設けられ、前記接続点に一端が接続されるとともに個々の前記ゲート配線から離して、前記半導体領域上部の絶縁膜表面に設けられた抵抗と、
    個々の該抵抗の他端が接続する共通の電極膜として形成されたゲートパッドと、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記複数のゲート領域の前記エミッタ領域もしくはソース領域および前記半導体領域が接する共通の電極膜として形成されるとともに、個々の前記ダイオード領域のカソード側が接続するエミッタ電極もしくはソース電極を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 個々の前記ゲート領域において、前記絶縁膜上に形成され、前記ダイオード領域のアノード側と前記接続点を接続する金属配線をさらに備え、
    前記ダイオード領域は、該ダイオード領域の三方を前記エミッタ電極もしくはソース電極から前記絶縁膜を挟んで離間するとともに取り囲まれ、
    前記金属配線のうち前記ダイオード領域および前記接続点に接続していない2つの側端側は、前記エミッタ電極もしくはソース電極と、前記絶縁膜を挟んで隣接していることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記ダイオードの順電圧降下の温度依存性と、前記共通のゲートパッドに他端が接続するとともに、前記ゲート領域に対応して個別に設けられた前記接続点に一端が接続する前記抵抗の抵抗値と、を用いて、
    前記スイッチング素子のゲート領域が温度上昇したとき、該ゲート領域に対応する前記ゲート配線に印加される電圧を低下させて、前記ゲート領域に流れる電流を減少させることで、前記スイッチング素子の他のゲート領域を含めて温度分布を均一化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記ダイオードが、ポリシリコンで形成されたツェナーダイオードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記抵抗が、ポリシリコンで形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記複数直列接続したダイオードに複数直列接続したダイオードを逆並列接続することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記スイッチング素子が、IGBTまたはMOSFETであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。
  9. 前記スイッチング素子が、トレンチゲート型またはプレーナゲート型であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置。
JP2013225488A 2013-10-30 2013-10-30 半導体装置 Expired - Fee Related JP5741666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013225488A JP5741666B2 (ja) 2013-10-30 2013-10-30 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013225488A JP5741666B2 (ja) 2013-10-30 2013-10-30 半導体装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009145554A Division JP5439968B2 (ja) 2009-06-18 2009-06-18 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014053634A JP2014053634A (ja) 2014-03-20
JP5741666B2 true JP5741666B2 (ja) 2015-07-01

Family

ID=50611746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013225488A Expired - Fee Related JP5741666B2 (ja) 2013-10-30 2013-10-30 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5741666B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11031742B2 (en) 2018-02-21 2021-06-08 Weidmüller Interface GmbH & Co. KG Contact and busbar assembly forming a bus system on electronics housings

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6503202B2 (ja) * 2015-03-12 2019-04-17 エイブリック株式会社 半導体装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3265849B2 (ja) * 1994-09-16 2002-03-18 富士電機株式会社 過熱保護装置付き自己消弧素子
DE19534604C1 (de) * 1995-09-18 1996-10-24 Siemens Ag Durch Feldeffekt steuerbares Halbleiterbauelement mit mehreren Temperatursensoren zum Schutz vor Überlastung
US6172383B1 (en) * 1997-12-31 2001-01-09 Siliconix Incorporated Power MOSFET having voltage-clamped gate
JPH11251594A (ja) * 1997-12-31 1999-09-17 Siliconix Inc 電圧クランプされたゲ―トを有するパワ―mosfet
US7443225B2 (en) * 2006-06-30 2008-10-28 Alpha & Omega Semiconductor, Ltd. Thermally stable semiconductor power device
JP5309497B2 (ja) * 2007-08-09 2013-10-09 富士電機株式会社 半導体装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11031742B2 (en) 2018-02-21 2021-06-08 Weidmüller Interface GmbH & Co. KG Contact and busbar assembly forming a bus system on electronics housings
JP7110134B2 (ja) 2018-02-21 2022-08-01 ヴァイトミュラー インターフェイス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシャフト コンタクト及びバスバーアセンブリ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014053634A (ja) 2014-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5439968B2 (ja) 半導体装置
CN101877352B (zh) 反向导通半导体器件
JP5561922B2 (ja) パワー半導体装置
JP4765252B2 (ja) 温度検出機能付き半導体装置
JP6632910B2 (ja) パワー半導体素子およびそれを用いるパワー半導体モジュール
JP2009188178A (ja) 半導体装置
JP2004363327A (ja) 半導体装置
JP5589342B2 (ja) 半導体装置
KR102047009B1 (ko) 반도체장치
JPWO2014148400A1 (ja) 半導体装置
KR102153550B1 (ko) 전력 반도체 소자
JP5741666B2 (ja) 半導体装置
US11049856B2 (en) Semiconductor device
JP2004088001A (ja) トレンチゲート型半導体装置
US20210384331A1 (en) Semiconductor device
JP4797445B2 (ja) 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ
JP2011077484A (ja) 半導体装置
JP6874443B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2004055796A (ja) 半導体装置
JP6838504B2 (ja) 半導体装置および半導体回路装置
KR101999312B1 (ko) 반도체 장치
WO2020202430A1 (ja) 半導体装置
KR102082109B1 (ko) 반도체 장치
US4646122A (en) Semiconductor device with floating remote gate turn-off means
JP2007287919A (ja) 温度検出機能付き半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5741666

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees