以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明の第1実施形態である荷物収納具B1について説明をする。なお、実施形態では、特に断らない限り、上下、左右、前後の方向を、荷物収納具B1を取り付ける車両の座席SEの上下、左右、前後の方向と一致させて、説明する。荷物収納具B1を取り付ける車両の座席SEは、乗員の着座する座部SSと、座部SSの後端から斜め後上方に延びる背もたれ部SBと、を有し、座部SSは、上面を水平面に対して後下がりに傾斜させるように、構成されている。
第1実施形態の荷物収納具B1は、図1に示すように、内部に荷物を収納する収納具として使用する際の外形形状を、上方を開口させた略箱形状とされるもので、略箱形状の収納具本体3と、収納具本体3を座席SEに取り付けるための取付部としての紐状部材23及び取付片部24と、収納具本体3内に配置される仕切板部18と、ランバーサポートとしての使用時の折畳状態を維持可能な係止部26と、を備えている。
収納具本体3は、図1〜4に示すように、車両の座席SEにおける座部SS上に載置させた状態で使用されるもので、略四角形状の底壁部4と、底壁部4の外周縁から上方に延びる略四角筒状の側壁部7と、を備えている。
底壁部4は、外形形状を、左右方向側の幅寸法を前後方向側の幅寸法よりも僅かに大きく設定される略長方形状とされるもので、実施形態の場合、二枚重ねの織布から構成されている。この底壁部4には、実施形態の場合、前後左右の中央付近(中心点P1)から対角線に略沿って四隅側に延びるように配置される山折りの4本の折目MCと、前後方向の略中央における中心点P1から左右両縁側に向かって左右方向に略沿って延びるように配置される谷折りの2本の折目VCとが、付形されている。そして、この底壁部4は、不使用時に、山折りの折目MCと谷折りの折目VCとにより、前後左右の中央を上方に位置させつつ、側壁部7における前壁部10(前クッション部11)を後壁部8に接近させるように折り畳まれる構成であり、中心点P1付近に、底壁部4の折り畳み時に把持するための把持片5を、縫着させている(図4参照)。
側壁部7は、前後で対向するように配置される前壁部10及び後壁部8と、左右で対向するように配置される左壁部13L及び右壁部13Rと、を備えている。実施形態の荷物収納具B1では、側壁部7は、水平面に対して後下がりに傾斜している座部SS上に載置させた使用時において、上縁7aを、略全周にわたって水平面に略沿わせるように、構成されている(図5参照)。具体的には、前壁部10が、上下の幅寸法(高さ寸法)を、後壁部8の上下の幅寸法より小さく設定され、左壁部13L及び右壁部13Rは、上縁を、底壁部4に対して前下がりで傾斜させるように、構成されている(図2参照)。
前壁部10及び後壁部8は、略平行に配置されるとともに、荷物収納具B1を座部SSに載置させた際に、略上下方向に沿って配置されるように、底壁部4に対して傾斜して配置されている。具体的には、前壁部10及び後壁部8は、収納具本体3を水平面に略沿った載置面に載置させた状態では、水平面に略沿って配置される底壁部4に対して、上端側を前方に向けるように、傾斜して配置されることとなる。後壁部8は、上下方向の幅寸法(高さ寸法)を、底壁部4の前後方向の幅寸法の1/2程度に設定されるとともに、荷物収納具B1を座席SEに取り付けた状態で、背もたれ部SBの前側に隣接して配置される(図1,5参照)。実施形態の場合、後壁部8は、全域にわたって内部にクッション材9aを配置させて、後クッション部9を構成している。後壁部8(後クッション部9)は、図2,4に示すように、内周側(前側)において全面にわたって配置される略長方形板状の芯材9bと、芯材9bの後面を全面にわたって覆うように配置されるクッション材9aと、芯材9bとクッション材9aとの外周側を全周にわたって覆う表皮9cと、から構成されている。前壁部10は、全域にわたって内部にクッション材11aを配置させて、前クッション部11を構成している。前壁部10(前クッション部11)は、図2,4に示すように、内周側(後側)において全面にわたって配置される略長方形板状の芯材11bと、芯材11bの前面を全面にわたって覆うように配置されるクッション材11aと、芯材11bとクッション材11aとの外周側を全周にわたって覆う表皮11cと、から構成されている。芯材9b,11bとしては、実施形態の場合、ポリプロピレン(PP)製の板が、使用されており、クッション材9a,11aは、実施形態の場合、低反発性のポリウレタンフォームから、形成されている。また、表皮9c,11cは、織布から形成されている。
前壁部10(前クッション部11)は、上下方向の幅寸法(高さ寸法)を、後壁部8(後クッション部9)の上下方向の幅寸法(高さ寸法)の3/4程度に設定されており、実施形態の場合、左壁部13L,右壁部13R,底壁部4を折り畳んで後壁部8に接近させた際に、上端10aを後壁部8の上端8aと略一致させ、下端10bを後壁部8の下端8bより上方に位置させるようにして、後壁部8に重ねられることとなる(図5参照)。すなわち、第1実施形態の荷物収納具B1では、折り畳んでランバーサポートとした際に、前クッション部11と後クッション部9とを重ねて形成されるランバーサポート部30が、下側の領域の厚さを薄くして、上側の領域の厚さを厚くするように、構成されることとなる。また、実施形態では、前クッション部11と後クッション部9とのクッション材11a,9aの厚さ寸法は、略同一として、構成されている。
左壁部13L及び右壁部13Rは、図3,4に示すように、それぞれ、2枚重ねの織布(表皮13a)の間に、合成樹脂製の板材からなる芯材13bを介在させて構成されている。左壁部13L,右壁部13Rと、底壁部4と、の間は、織布(表皮13a)相互を、縫合糸を用いて縫着させることにより、区画されている。芯材13bは、各左壁部13L,右壁部13Rの領域の略全域にわたって配置されるとともに、前後の略中央となる位置で、前後で2分割されるような略長方形状として、2枚ずつ、配置されている。実施形態の場合、左壁部13L,右壁部13R内に配置される芯材13bにも、PP製の板を使用している。そして、実施形態の左壁部13L,右壁部13Rでは、2枚の表皮13aが、芯材13b間となる位置で、縫合糸を用いて相互に縫着されている。すなわち、左壁部13L,右壁部13Rは、前後方向の中央付近に、略上下方向に沿った略直線状の縫合部位13cを、上下の全域にわたって配置させており、この縫合部位13cが、左壁部13L及び右壁部13Rを折り曲げる際の折目となる折目予定部14L,14Rを構成している。左壁部13L,右壁部13Rに形成される縫合部位13c(折目予定部14L,14R)は、実施形態の場合、前壁部10及び後壁部8に略沿って、底壁部4に対して傾斜して形成されている。また、左壁部13L,右壁部13Rの上縁近傍であって、前後の略中央となる位置には、図2〜4に示すように、仕切板部18における前側部位20の先端20a(上縁)側に形成される被係止面部21に係止されて、仕切板部18の前側部位20を係止可能な係止片15が、形成されている。各係止片15は、前後方向に沿った帯状として、後縁側を、各左壁部13L,右壁部13Rの内側面であって、折目予定部14L,14Rの後側となる位置に結合(縫着)されるもので、左右の外方側の面に、雄型の面状ファスナーからなる係止面15aを配置させている。そして、左壁部13L,右壁部13Rの上縁近傍における内側面側であって、係止片15を連結させている部位の前側には、係止片15の係止面15aにおける先端側の部位を仮止めするための仮止め面部16が、雌型の面状ファスナーを縫着させて、形成されている。そして、係止片15は、仕切板部18を使用していない状態では、図4の二点鎖線に示すように、係止面15aにおける先端側の部位を、この仮止め面部16に係止された状態で、配置されることとなる。
仕切板部18は、外形形状を、底壁部4と略一致させるとともに、収納具本体3内に配置可能に、底壁部4より僅かに小さく構成されるもので、図2に示すように、織布からなる二枚重ねの略長方形状の表皮18aの間に、前後で並設される2枚の長方形板状の芯材18bを配置させ、表皮18aにおける芯材18b,18b間の部位を縫合糸を用いて縫着させることにより、前後方向側で二つ折り可能に、構成されている。芯材18bとしては、PP製の板を使用している。この仕切板部18は、後縁19a側を、後壁部8の下端8b側に連結されており、荷物収納具B1の使用時には、折目22より先端側に位置する前側部位20の先端20aを上方に向けるように略L字形状に曲げられた状態で、先端20aの左右両縁側に配置される被係止面部21に、左壁部13L,右壁部13Rから延びる係止片15の係止面15aを係止させて、左右両端側を左壁部13L,右壁部13R側に係止された状態で使用されることとなる。被係止面部21は、雌型の面状ファスナーから形成されている。
この仕切板部18において、折目22より後側となる後側部位19は、前後方向の幅寸法を、折目22より前側(先端側)となる前側部位20を左壁部13L,右壁部13Rにおける折目予定部14L,14Rに略対応した位置に配置させるように、底壁部4の前後方向の幅寸法の略1/2に設定されている。また、前側部位20は、前後方向(使用時における上下方向)の幅寸法を、左壁部13L,右壁部13Rにおける前後の中央側の部位(折目予定部14L,14Rの部位)の上下方向の幅寸法(高さ寸法)と略一致させて構成されている。そして、仕切板部18は、荷物収納具B1を折り畳んでランバーサポートとして使用する場合には、二つ折りされた状態で、さらに、後側部位19の後縁19a側の部位で、後壁部8の前側に隣接するように曲げられて配置されることとなり、このとき、上端を後壁部8の上端8aより上方に突出させないように、構成されている。
荷物収納具B1を座席SEに取り付けるための取付部としては、図1,5に示すように、実施形態の場合、側壁部7の後端側となる後壁部8の上端8aにおける左右両端側から延びる紐状部材23と、後壁部8の下端8bにおける左右の中央側から延びる取付片部24と、が、配設されている。紐状部材23は、張った状態で座席SEの背もたれ部SBの上端部に配置されるヘッドレストHRに巻き掛けるようにして、折り畳み時(ランバーサポート部30形成時)の荷物収納具B1の前方への倒れを防止するためのもので、長さを調整するための長さ調整具23aを有している(図5参照)。取付片部24は、左右に幅広の帯状として後壁部8の下端8bから後方に延びるように形成されるもので、先端側に、軸方向を左右方向に略沿わせた略円柱状の突起部24aを、有しており、座席SEにおける座部SSと背もたれ部SBとの間に挟持させるように挿入させつつ、突起部24aを座部SSと背もたれ部SBとの間から後方に突出させるようにして、荷物収納具B1を座席SEに取り付ける構成とされている(図5参照)。実施形態の場合、取付片部24は、織布から構成され、内部に、ポリエチレンフォームからなる突起部24aを収納させて、形成されている。
折畳時の荷物収納具B1(ランバーサポートとして使用時)の折畳状態を維持する係止部26は、実施形態の場合、図1,6に示すように、前壁部10(前クッション部11)の上端10a側の中央から突出するように形成されて係止面27aを備える係止片27と、後壁部8の上端8a側中央に形成されて係止片27の係止面27aを係止可能な被係止面部28と、から構成されている。実施形態の場合、係止面27aは雌型の面状ファスナーから構成され、被係止面部28は、雄型の面状ファスナーから構成されている。
次に、第1実施形態の荷物収納具B1の使用態様について説明をする。第1実施形態の荷物収納具B1は、図1,5に示すように、紐状部材23を背もたれ部SBの上側に配置されるヘッドレストHRに巻き掛け、取付片部24を座部SSと背もたれ部SBとの間に挿入させるようにして、座席SEに取り付けられるもので、上方を開口させた箱形状の収納具本体3を、底壁部4を座部SSに載置させるようにして、使用される。このとき、収納具本体3の内部における前後の略中央には、収納具本体3の内側の領域を前後で区画するように、仕切板部18の前側部位20が、左右両縁側を、係止片15,15に係止されて、立てられている。なお、大きなものを収納する際には、勿論、仕切板部18の前側部位20を、後側部位19上若しくは底壁部4上に重ねるように倒しておいてもよい。
そして、収納具本体3は、図7のAに示すように、仕切板部18から係止片15,15を取り外して、仕切板部18を折り畳んで、後壁部8の前面側に立てた状態で、底壁部4の略中央(中心点P1)に配置される把持片5を把持して上方に引き上げれば、底壁部4が、前後左右の中央(中心点P1)を上方移動させつつ、山折りの折目MCと谷折りの折目VCをつけられるようにして、前後の幅寸法を縮められることとなり、このとき、底壁部4における左壁部13L,右壁部13R側の部位が、谷折りの折目VCによって折り畳まれることにより、左壁部13L,右壁部13Rの前後の中央部位(折目予定部14L,14R)が、左右の内側に引っ張られるような態様となって、左壁部13L及び右壁部13Rが、折目予定部14L,14Rの部位で屈曲されることにより、前後方向の中央側を内側に向けるように屈曲されることとなる(図7のB参照)。そして、左壁部13L及び右壁部13Rの折り畳みに伴って、前壁部10(前クッション部11)が、後壁部8に接近するように後方移動することとなることから、そのまま、前壁部10を手で押すように後方移動させれば、図7のCに示すように、左壁部13L及び右壁部13Rと、底壁部4と、を折り畳むことができる。その後、前壁部10(前クッション部11)に配置される係止片27の係止面27aを、後壁部8に配置される被係止面部28に係止させれば、左壁部13L,右壁部13R,底壁部4の折畳状態を維持可能に、前壁部10(前クッション部11)を、係止部26によって、後壁部8側に係止させることができて、前クッション部11と後クッション部9とを前後で重ねることにより、図6に示すように、背もたれ部SBの下端近傍に、ランバーサポート部30を形成することができ、ランバーサポートとして使用することができる。
そして、ランバーサポートとして使用している状態から、係止片27を被係止面部28から取り外して、前壁部10を把持しつつ前方に引っ張るように移動させれば、左壁部13L及び右壁部13Rと、底壁部4と、を、折り畳み状態から展開させることができて、収納具本体3を箱形状とすることができ、後壁部8の前面側に折り畳まれている仕切板部18を、前方に引き出し、前側部位20を上下で立てるようにして、先端20a側を、左壁部13L及び右壁部13Rに形成される係止片15に係止させれば、荷物収納具B1として、内部に荷物を入れて使用することができる。
そして、第1実施形態の荷物収納具B1では、使用時に、車両の座席SEにおける座部SS上に載置させた状態で、上方を開口させた略箱形状とされていることから、例えば、助手席に取り付けて使用する際に、運転者が、運転席に着座した状態でも、荷物を容易に出し入れすることができ、また、収納した荷物の四方を側壁部7により隙間なく囲むことができることから、荷物の落下を防止して、安定して収納させることができる。そして、第1実施形態の荷物収納具B1では、側壁部7の少なくとも一部(前壁部10と後壁部8)に、不使用時のクッションを構成するクッション部(前クッション部11と後クッション部9)を配置させていることから、これらの前クッション部11と後クッション部9とを座席SEの背もたれ部SBの下端近傍に配置させるように折り畳めば、前クッション部11と後クッション部9とを、座席SEに着座した乗員の腰部と、背もたれ部SBの下端付近との間に配置させて、ランバーサポートとして使用することができ、不使時には、クッション部(前クッション部11及び後クッション部9)により、乗員の腰部を支持させることができる。また、第1実施形態の荷物収納具B1では、折畳状態を維持可能な係止部26を備えていることから、不使用状態においても、見栄えよく、側壁部7における左壁部13L及び右壁部13Rと、底壁部4と、を折り畳んだ状態を維持させておくことができる。
したがって、第1実施形態の荷物収納具B1では、不使用時には、ランバーサポートとして使用できて、座席に着座した乗員の腰部を支持させることができる。
また、第1実施形態の荷物収納具B1では、左壁部13L、右壁部13R、及び、底壁部4の折畳時に、前クッション部11を、側壁部7における後壁部8に接近させるようにして、座席SEの背もたれ部SBの下端近傍に配置させる構成であり、すなわち、座部SS上に載置させた状態で、後壁部8は、背もたれ部SB近傍に配置される構成とされている(図1,5参照)。そのため、上方を開口させた箱形状として使用する際に、荷物を収納可能な領域を広く確保することができる。なお、このような点を考慮しなければ、荷物収納具B5として、後述する第5実施形態に示すような構成のものを使用してもよい。
さらに、第1実施形態の荷物収納具B1では、左壁部13L及び右壁部13Rにおける前後方向の中間部位に、略上下方向に沿って配置される略直線状の折目予定部14L,14Rを配置させて、折目予定部14L,14Rの部位で屈曲させることにより、左壁部13L及び右壁部13Rを、前後方向の中央側を内側に向けるように、折畳可能な構成としていることから、不使用時に、左壁部13L及び右壁部13Rを、簡便に折り畳むことができ、また、左壁部13L及び右壁部13Rを見栄えよく折り畳むことができることから、不使用時の見栄えを一層良好にすることができる。
さらにまた、第1実施形態の荷物収納具B1では、側壁部7を、座部SS上に載置させた使用時において、上縁7aを略全周にわたって水平面に略沿わせるように、前壁部10の上下方向の幅寸法を後壁部8の上下方向の幅寸法よりも小さく設定するとともに、左壁部13Lと右壁部13Rとの上縁を底壁部4に対して前下がりに傾斜させて構成していることから、座部SS上に載置させた際に、側壁部7の上縁7aが、略全周にわたって水平面に略沿って配置されることとなって、使用時の見栄えを良好とすることができる。
なお、第1実施形態の荷物収納具B1では、前壁部10及び後壁部8を、底壁部4に対して傾斜させるように配置させることにより、折り畳み時に、前壁部10が、上端10aを、後壁部8の上端8aと略一致させるようにして、後壁部8に重ねられることとなるが、図8〜10に示す第2実施形態の荷物収納具B2のごとく、前壁部10A及び後壁部8Aを、底壁部4Aに対して略直交させるように、配置させてもよい。
図8〜10に示す第2実施形態の荷物収納具B2は、収納部本体3Aと、紐状部材23及び取付片部24と、仕切板部18Aと、係止部33とを備えている。収納部本体3A及び仕切板部18Aは、前壁部10A及び後壁部8Aの底壁部4Aに対する交差角度及びそれに伴う外形形状の変更以外は、第1実施形態の荷物収納具B1と略同一の構成であり、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「A」を付して詳細な説明を省略する。
この第2実施形態の荷物収納具B2では、座部SSに載置させた状態で、側壁部7Aは、上縁7aを、略全周にわたって水平面に略沿わせるように構成されており、前壁部10A及び後壁部8Aは、荷物収納具B2を座部SSに載置させた際に、上端10a,8a側を後方に位置させるように、上下方向に対して傾斜して、配置されることとなる(図10参照)。そして、前壁部10Aは、左壁部13LA,右壁部13RA,底壁部4Aを折り畳んで後壁部8Aに接近させた際に、下端10bを後壁部8Aの下端8bと略一致させ、上端10aを後壁部8Aの上端8aより下方に位置させるようにして、後壁部8Aに重ねられることとなる(図10の二点鎖線参照)。すなわち、第2実施形態の荷物収納具B2では、折り畳んでランバーサポートとした際に、前クッション部11Aと後クッション部9Aとを重ねて形成されるランバーサポート部30Aは、上側の領域の厚さを薄くして、下側の領域の厚さを厚くするように、構成されることとなる。
第2実施形態の荷物収納具B2において、不使用時(ランバーサポートとしての使用時)の前クッション部11Aを後壁部8A側に係止させるための係止部33は、左壁部13LA,右壁部13RAに配置されている。具体的には、係止部33は、左壁部13LA,右壁部13RAの前端近傍に配置されて雄型の面状ファスナーから構成される係止面部33aと、左壁部13LA,右壁部13RAの後端近傍に配置されて雌型の面状ファスナーから構成される被係止面部33bと、から構成されている。この係止面部33aと被係止面部33bとは、左壁部13LA,右壁部13RAを折り畳んだ際に、前後方向側で対向する位置に配置されて、左壁部13LA,右壁部13RAを折り畳んで前壁部10A(前クッション部11A)を後壁部8A側に接近させた際に、相互に係合されて、前クッション部11Aを後壁部8A側に係止する構成である。
この第2実施形態の荷物収納具B2も、第1実施形態の荷物収納具B1と同様にして、車両の座席SEに取り付けることができ、また、第1実施形態の荷物収納具B1と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、第1実施形態の荷物収納具B1では、折畳時のランバーサポート部30が、上側を厚くして下側を薄くするように構成され、第2実施形態の荷物収納具B2では、折畳時のランバーサポート部30Aが、上側を薄くして下側を厚くするように構成されている。ランバーサポートとして、乗員の腰部を効果的に支持する見地からは、上側の厚さを下側よりも厚くすることが好ましく、第1実施形態の荷物収納具B1のごとく構成することが好ましい。また、第1実施形態の荷物収納具B1では、左壁部13L,右壁部13R,底壁部4を折り畳んだ折畳時(ランバーサポート部30形成時)に、後壁部8の前方であって、前壁部10の下方となる領域に、凹みが形成されることから、例えば、販売時に、この凹みの領域に、取付片部24(突起部24a)を収納させることもできる。
また、第1,第2実施形態の荷物収納具B1,B2では、上方を開口させた箱形状の状態で使用する際に、内部を仕切板部18,18Aにより仕切った状態で使用しており、この仕切板部18,18Aにおける前側部位20,20Aが、左壁部13L,13LA,右壁部13R,13RA間に介在されている。そのため、左壁部13L,13LA,右壁部13R,13RAに折目予定部14L,14R(14LA,14RA)が形成され、左壁部13L,13LA,右壁部13R,13RAが容易に屈曲可能な構成とされていても、使用時に、左壁部13L,13LA,右壁部13R,13RAが、折目予定部14L,14R(14LA,14RA)の部位で屈曲されることを防止できて、上方を開口させた箱形状を安定して維持させておくことができる。
なお、第1,第2実施形態の荷物収納具B1,B2では、後壁部8,8Aにも、クッション部(後クッション部9,9A)を設けているが、折り畳み収納時に、ランバーサポートとしてのみ使用可能な構成とする場合、後壁部にはクッション部を配設させない構成としてもよい。しかしながら、後壁部にもクッション部を設ける構成とすれば、後クッション部を設けない場合と比較して、前クッション部の厚さを相対的に薄くすることができることから、上方側を開口させた箱形状として荷物を収納させて使用する際の見栄えを、良好とすることができ、また、前クッション部と後クッション部とを前後で二枚重ねてランバーサポートとして使用できることから、クッション作用を向上させることができて、好ましい。
次に、本発明の第3実施形態である荷物収納具B3について説明をする。第3実施形態の荷物収納具B3は、側壁部41における左壁部47L及び右壁部47Rのみを折り畳むことにより、座部用クッションとしても使用可能とされるもので、図11〜14に示すように、上方を開口させた略箱形状の収納具本体37と、収納具本体37を座席SEに取り付けるための取付片部24と、収納具本体37内に配置される補助板部51L,51Rと、ランバーサポートとしての使用時の折畳状態を維持可能な係止部54と、を備えている。
収納具本体37は、略四角形状の底壁部38と、底壁部38の外周縁から上方に延びる略四角筒形状の側壁部41と、を備えている。底壁部38は、前後方向側の幅寸法を左右方向側の幅寸法よりも僅かに大きく設定される略長方形状とされるもので、図13,14に示すように、2枚重ねの織布(表皮38a)の間に、PP製の板材からなる芯材38bを介在させて構成されている。芯材38bは、底壁部38の領域の略全域にわたって配置されるとともに、前後の略中央となる位置で、前後で2分割されるような略長方形状として、2枚配置されている。そして、この底壁部38では、2枚の表皮38aが、芯材38b間となる位置で、縫合糸を用いて相互に縫着されている。すなわち、底壁部38は、前後方向の中央付近に、左右方向に略沿った略直線状の縫合部位38cを、左右方向の全域にわたって配置させており、この縫合部位38cが、底壁部38を折り曲げる際の折目となる折目予定部39を構成することとなる。底壁部38に形成される縫合部位38c(折目予定部39)は、左壁部47L,右壁部47Rに形成される縫合部位47c(折目予定部48)と、左右方向側で略一致した位置に形成されている(図13参照)。
側壁部41は、前後で対向するように配置される前壁部44及び後壁部42と、左右で対向するように配置される左壁部47L及び右壁部47Rと、を備えている。第3実施形態の荷物収納具B3では、図11〜13に示すように、側壁部41は、全周にわたって、底壁部38からの突出高さを略一致させて構成されている。前壁部44及び後壁部42は、外形形状を略同一として構成されるもので、上下方向の幅寸法(高さ寸法)を略同一として、底壁部38の前後方向の幅寸法の略1/2に設定されている。すなわち、前壁部44(前クッション部45)及び後壁部42(後クッション部43)は、左壁部47L,右壁部47Rを折り畳んで、底壁部38上で、前後で並設させるように配置させた際に、略同一の厚さの前壁部44(前クッション部45)と後壁部42(後クッション部43)とによって、底壁部38の上面側を、略隙間なく全面にわたって覆い可能に、構成されている(図16参照)。また、後壁部42は、荷物収納具B3を座席SEに取り付けた状態で、背もたれ部SBの前側に隣接して配置される(図11,12参照)。
後壁部42は、全域にわたって内部にクッション材43aを配置させて、後クッション部43を構成している。後壁部42(後クッション部43)は、図13,14に示すように、内周側(前側)において全面にわたって配置される略長方形板状の芯材43bと、芯材43bの後面を全面にわたって覆うように配置されるクッション材43aと、芯材43bとクッション材43aとの外周側を全周にわたって覆う表皮43cと、から構成されている。前壁部44も、全域にわたって内部にクッション材45aを配置させて、前クッション部45を構成している。前壁部44(前クッション部45)も、図13,14に示すように、後壁部42(後クッション部43)と同様に、内周側(後面)において全面にわたって配置される略長方形板状の芯材45bと、芯材45bの前面を全面にわたって覆うように配置されるクッション材45aと、芯材45bとクッション材45aとの外周側を全周にわたって覆う表皮45cと、から構成されている。第3実施形態の荷物収納具B3においても、第1実施形態の荷物収納具B1と同様に、芯材43b,45bはPP製の板から形成され、クッション材43a,45aは、低反発性のポリウレタンフォームから形成されている。また、表皮43c,45cは、織布から形成されている。
左壁部47L及び右壁部47Rは、それぞれ、図13,14に示すように、2枚重ねの織布(表皮47a)の間に、PP製の板材からなる芯材47bを介在させて、構成されるもので、左壁部47L,右壁部47Rと、底壁部38と、の間は、織布(表皮47a)相互を、縫合糸を用いて縫着させることにより、区画されている。実施形態の左壁部47L,右壁部47Rには、図13,14に示すように、それぞれ、縫合糸を用いて表皮47a相互を略直線状に縫着させて構成される3本の縫合部位47c,47d,47eが、形成されており、芯材47bは、各左壁部47L,右壁部47Rの領域の略全域にわたって配置されるとともに、この縫合部位47c,47d,47eの部位で分断されるようにして、4枚に分割されている。縫合部位47cは、左壁部47L,右壁部47Rにおける前後方向の中央付近において、略上下方向に沿って略直線状として、上下の全域にわたって配置されている。縫合部位47dは、上端を縫合部位47cの上端と略一致させ、下端を左壁部47L,右壁部47Rの前下端と略一致させるように前後方向に対して傾斜した略直線状とされ、縫合部位47eは、縫合部位47dと略対称形として、上端を縫合部位47cの上端と略一致させ、下端を左壁部47L,右壁部47Rの後下端と略一致させるように前後方向に対して傾斜した略直線状とされている。芯材47bは、これらの縫合部位47c,47d,47eの部位で分断される略直角三角形状とされている。そして、実施形態では、縫合部位47cが、折目予定部48を構成し、縫合部位47d,47eが、傾斜折目予定部49を構成することとなる。また、左壁部47Lの内周面における後端上縁側と、右壁部47Rの内周面における前端上縁側と、には、補助板部51L,51Rに形成される係止面部に係止される雌型面状ファスナーから形成される被係止面部50が、配置されている(図13,14参照)。
補助板部51L,51Rは、図11に示すように、収納具本体37を箱形状とした際に、左壁部47L,右壁部47Rの内周側に隣接して配置されるもので、左壁部47L,右壁部47Rの内周側を略全面にわたって覆い可能な略長方形状板状とされて、実施形態の場合、略長方形板状のPP製の芯材51aと、芯材51aの外周側を全周にわたって覆う表皮51bと、から構成されている(図14参照)。この補助板部51L,51Rは、外形形状を、前壁部44及び後壁部42に略一致させて構成されるもので、左側の補助板部51Lは、前縁側を、前壁部44の左縁側に上下の略全域にわたって連結され、右側の補助板部51Rは、後縁側を、後壁部42の右縁側に上下の略全域にわたって連結されて、それぞれ、この連結部位を中心として回動可能に構成されている。そして、収納具本体37の折畳時には、左側の補助板部51Lは、前壁部44との連結部位を中心として後縁側を前方に向けるように回動させて、前壁部44の後面側(折畳時における下面側)に隣接した状態とされ、右側の補助板部51Rは、後壁部42との連結部位を中心として前縁側を後方に向けるように回動させて、後壁部42の前面側(折畳時における下面側)に隣接した状態とされることとなる(図14参照)。
そして、左側の補助板部51Lの後端上縁側と、右側の補助板部51Rの前端上縁側と、には、左壁部47L,右壁部47Rに形成される被係止面部50に係止可能な雄型面状ファスナーから形成される係止面部52が、配置されている(図14参照)。そして、収納具本体37を箱形状として使用する際には、補助板部51L,51Rは、係止面部52を被係止面部50に係止させるようにして、左壁部47L,右壁部47Rの内周側に隣接して配置されることとなる。
折畳時の荷物収納具B3(ランバーサポートとして使用時)の折畳状態を維持する係止部54は、実施形態の場合、図11,16,17に示すように、前壁部44の左右両縁側の略中央から突出するように形成されて係止面55aを備える係止片55と、後クッション部43の左右両縁側の略中央に形成されて係止片55を係止可能な被係止面部56と、から構成されている。実施形態の場合、係止面55aは雌型の面状ファスナーから構成され、被係止面部56は雄型の面状ファスナーから構成されている。
次に、第3実施形態の荷物収納具B3の使用態様について説明をする。第3実施形態の荷物収納具B3は、第1実施形態の荷物収納具B1と同様にして、取付片部24を用いて座席SEに取り付けられるもので、図11,12に示すように、上方を開口させた箱形状とした収納具本体37において、左壁部47L,右壁部47Rの内周側に、補助板部51L、51Rを配置させた状態で、使用されることとなる。そして、収納具本体37は、係止面部52と被係止面部50との係止状態を解除して、各補助板部51L,51Rを、図11の二点鎖線に示すように回動させて、前壁部44,後壁部42の内周側を覆うように配置させた状態で、図15に示すように、左壁部47L,右壁部47Rを、それぞれ、傾斜折目予定部49の部位で谷折りするように折り畳めば、前壁部44(前クッション部45)及び後壁部42(後クッション部43)を、上端を前方あるいは後方に向けるように倒すことができ、そのまま、前壁部44及び後壁部42を手で押し込むように下方移動させれば、前クッション部45と後クッション部43とが、平らに展開した状態の底壁部38上に、前後で並設させるように配置されることとなって、図16に示すように、座部用クッション部58を形成することができ、座部SS上に配置される座部用クッションとして使用することができる。
その後、前クッション部45と後クッション部43とを前後で並設させたこの座部用クッション部58の状態から、底壁部38と、折り畳まれている左壁部47L及び右壁部47Rと、を、図16の二点鎖線に示すように、折目予定部39,48の部位で折り曲げて、前後で二つ折りするようにして、前クッション部45を後クッション部43に重ねつつ、前クッション部45と後クッション部43とを立てるように後方移動させれば、図17に示すように、前クッション部45と後クッション部43とを、前後で重ねるようにして、座席SEにおける背もたれ部SBの下端近傍に配置させることができる。そして、前壁部44(前クッション部45)に配置される係止片55の係止面55aを、後クッション部43に配置される被係止面部56に係止させれば、前壁部44(前クッション部45)を、係止部54によって後壁部42(後クッション部43)側に係止させることができて、背もたれ部SBの下端近傍に、ランバーサポート部59を形成することができ、ランバーサポートとして使用することができる。
そして、ランバーサポートとして使用している状態から、係止片55を被係止面部56から取り外して、まず、前クッション部45と後クッション部43とを前後で並設させるように底壁部38を平らに展開させ、その後、前クッション部45と後クッション部43との上端相互を離隔させるように前クッション部45と後クッション部43とを引き起こせば、左壁部47Lと右壁部47Rとを折畳状態から展開させることができて、収納具本体37を箱形状とすることができる。その後、補助板部51L,51Rをそれぞれ回動させて、係止面部52を被係止面部50に係止させるように、左壁部47L,右壁部47Rの内周側を覆うように配置させれば、荷物収納具B3として、内部に荷物を入れて使用することができる。
この第3実施形態の荷物収納具B3では、不使用時に、ランバーサポートとして使用できることに加えて、座部用クッションとしても使用することができる。また、第3実施形態の荷物収納具B3をランバーサポートとして使用する場合には、一旦、座部用クッションとして使用可能に、前クッション部45と後クッション部43を前後で並設させるように、側壁部41の左壁部47L及び右壁部47Rのみを折り畳んだ後、底壁部38と、折り畳まれている左壁部47L及び右壁部47Rと、を、前後で二つ折りするようにして、前クッション部45を後クッション部43に重ねつつ、前クッション部45と後クッション部43とを立てるように移動させればよく、座部用クッション仕様からランバーサポート仕様への形状変更も容易である。また、第3実施形態の荷物収納具B3においても、前クッション部45と後クッション部43とを前後で二枚重ねてランバーサポートとして使用する構成であることから、クッション作用を向上させることができる。
また、第3実施形態の荷物収納具B3では、側壁部41が、略全周にわたって、底壁部38からの突出高さを略一致させた構成とされていることから、内部に収納させた荷物の外周側を、四方の全周にわたって同じ高さの側壁部41(前壁部44,後壁部42,左壁部47L,右壁部47R)により覆うことができて、例えば背丈の大きな収納物を内部に収納させた際にも、落下を抑制して安定して内部に収納させておくことができる。
特に、第3実施形態の荷物収納具B3では、左壁部47L及び右壁部47Rの内周側に、それぞれ、平板状の補助板部51L,51Rを隣接させていることから、左壁部47L及び右壁部47Rが、折目予定部48及び傾斜折目予定部49を配置させて、容易に折り曲げ可能な構成とされていても、使用時に、左壁部47L,右壁部47Rが、折目予定部48及び傾斜折目予定部49の部位で屈曲されることを防止できて、上方を開口させた箱形状を安定して維持させておくことができる。
なお、座部用クッションとして使用可能なタイプであっても、図18に示す第4実施形態の荷物収納具B4のごとく、座部SS上に載置させた使用時において、側壁部41Aの上縁を、略全周にわたって水平面に略沿わせるように構成してもよい。この第4実施形態の荷物収納具B4では、前壁部44A(前クッション部45A)の上下方向の幅寸法(高さ寸法)を、後壁部42A(後クッション部43A)の上下方向の幅寸法(高さ寸法)より小さく設定するとともに、左壁部47L,右壁部47Rの上縁を底壁部38Aに対して傾斜させて、側壁部41Aの上縁を、略全周にわたって水平面に略沿わせる構成としている以外は、上述の第3実施形態の荷物収納具B3と同様の構成であり、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「A」を付して、詳細な説明を省略する。なお、荷物収納具B4において、左壁部47LA,右壁部47RAの内周側に配置される補助板部51LA,51RAは、共に、後縁側を後壁部42Aの左右両縁側に連結されて前縁側を後方に向けるように回動可能とされ(図19のB参照)、収納具本体37Aの折畳時には、後壁部42Aの前面側に隣接した状態とされる。
次に、本発明の第5実施形態である荷物収納具B5について説明をする。第5実施形態の荷物収納具B5は、図19に示すように、座部用クッション部77における前半分の領域のみを、上方を開口させた略箱形状とすることが可能な構成とされている。すなわち、第5実施形態の荷物収納具B5は、上方を開口させた略箱形状の収納具本体64と、略長方形板状の後クッションシート75と、を、前後で並設させた構成とされるもので、収納具本体64と後クッションシート75とに加えて、荷物収納具B5を座席SEに取り付けるための取付片部24と、収納具本体64内に配置される補助板部51LB,51RBと、ランバーサポートとしての使用時の折畳状態を維持可能な係止部54Aと、を備えている。
後クッションシート75は、座部用クッション部77における後半分の領域を構成するもので、第1実施形態の荷物収納具B1における前クッション部11及び後クッション部9と同様に、表皮の内部にPP製の板材からなる芯材と、低反発性のポリウレタンからなるクッション材と、を配置させている。そして、第5実施形態の荷物収納具B5では、荷物収納具B5を座席SEに取り付けるための取付片部24は、第1実施形態の荷物収納具B1に用いられる取付片部24と同様の構成として、後クッションシート75の後縁側から延びるように、配置されている。
収納具本体64は、座部用クッション部77における前半分の領域と外形形状を略一致させた底壁部65と、底壁部65の外周縁から上方に延びる略四角筒形状の側壁部66と、を備えている。底壁部65は、第3実施形態の荷物収納具B3における底壁部38と同様に、2枚重ねの織布(表皮)の間に、PP製の板材からなる長方形板状の芯材を介在させて構成されている。なお、実施形態の場合、底壁部65と後クッションシート75とは、縫合糸を用いて表皮相互を縫着させて構成される縫合部位により区画されており、この縫合部位を折目として、屈曲可能に連結されている。
側壁部66は、前後で対向するように配置される前壁部69及び後壁部67と、左右で対向するように配置される左壁部72L及び右壁部72Rと、を備えている。この側壁部66は、全周にわたって、底壁部65からの突出高さを略一致させて構成されている。前壁部69及び後壁部67は、外形形状を略同一として構成されるもので、上下方向の幅寸法(高さ寸法)を略同一として、底壁部65の前後方向の幅寸法の略1/2に設定されている。後壁部67と前壁部69とは、第3実施形態の荷物収納具B3における前壁部44及び後壁部42と同様に、内部の全域にわたってクッション材を配置させて、後クッション部68と前クッション部70とを構成している。そして、後壁部67(後クッション部68)と前壁部79(前クッション部70)とは、上述の荷物収納具B1と同様に、それぞれ、表皮の内部にPP製の板材からなる芯材と、低反発性のポリウレタンフォームからなるクッション材と、を配置させている。
左壁部72L及び右壁部72Rは、第3実施形態の荷物収納具B3における左壁部47L,右壁部47Rと同様に、それぞれ、2枚重ねの織布(表皮)の間に、PP製の板材からなる芯材を介在させて構成されるもので、この第5実施形態の荷物収納具B5における左壁部72L及び右壁部72Rには、折目予定部は形成されず、2本の傾斜折目予定部73のみが、形成されている。
補助板部51LB,51RBは、外形形状を異ならせて、下端側を底壁部65側に連結されている以外は、上述の第3実施形態の荷物収納具B3における補助板部51L,51Rと同様の構成であることから、同一の図符号の末尾に「B」を付して詳細な説明を省略する。また、折畳時の荷物収納具B5(ランバーサポートとして使用時)の折畳状態を維持する係止部54Aは、前壁部69の左右両縁側の略中央から突出するように形成されて係止面55aを備える係止片55Aと、後クッションシート75の左右両縁側に配置されて係止面55aを係止可能な被係止面部56Aと、から構成されている。
この第5実施形態の荷物収納具B5では、上方を開口させた箱形状の収納具本体64において、左壁部72L,右壁部72Rの内周側から補助板部51LA,51RAを外して底壁部65上に重ねるように回動させた状態で、左壁部72L,72Rを、それぞれ、傾斜折目予定部73の部位で谷折りするように折り畳めば、前壁部69(前クッション部70)及び後壁部67(後クッション部68)を、図19のAに示すように、平らに展開した状態の底壁部65上に前後で並設させることができて、後クッションシート75とともに座部用クッション部77を形成することができ、座部SS上に配置される座部用クッションとして使用することができる。
その後、この座部用クッション部77の状態から、前クッション部70と後クッション部68とを前後で並設させて平らにした状態の収納具本体64全体を、後クッションシート75との境界部位で折り曲げるようにして、後クッションシート75に重ねつつ、収納具本体64と後クッションシート75とを立てるように後方移動させ、背もたれ部SBの下端近傍に配置させ、係止片55Aの係止面55aを被係止面部56Aに係止させれば、図19のAの二点鎖線に示すように、背もたれ部SBの下端近傍に、ランバーサポート部78を形成することができ、ランバーサポートとして使用することができる。