JP5738952B2 - レーザ反射型マスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ反射型マスクの製造方法に関し、より詳しくは、レーザビームの反射領域に所定の深さの反射膜埋め込み溝が形成されているベース基板の上部に、反射率差を有する反射膜を順次繰返して積層し、化学機械研磨工程や、レーザビームの照射またはエッチング液によるリフトオフ工程を通じて、反射膜埋め込み溝に埋め込まれた部分を除いた残りの領域に積層された反射膜を除去し、溝に埋め込まれた形態の反射膜パターンを形成することにより、マスクの製造工程を容易にすると共に、正確なパターンを形成することができるレーザ反射型マスクの製造方法に関する。
薄膜技術は、単原子層から数μm膜厚を有する膜の処理技術を意味し、集積回路(IC)の電極配線、配線間絶縁及び抵抗体製造等に用いられ、薄膜の製作と応用を総合した技術であって、半導体、LCD(Liquid Crystal Display)、太陽電池(Solar Cell)、LED(Light Emitting Diode)等の産業に広範囲に用いられている。
このような薄膜技術を用いて生産される製品は、多様な素子で構成され、それぞれの素子は、数層の薄膜を順次積層して、それぞれの役割に必要な構造を有するように構成される。
各層の薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、熱酸化法等によって形成され、各層は、パターニングによって多様な構造に形成される。
一般のパターニング工程は、被食刻層が形成されている基板の上部にフォトレジストを塗布し、所望のパターンが形成されたマスクを通じて紫外線を走査し、露光工程を実施してから、現像工程を通じてフォトレジストパターンを形成した後、フォトレジストパターンをエッチングマスクとして被食刻層をエッチングして被食刻層パターンを形成してから、フォトレジストパターンを除去する過程を経て行われている。
このようなパターニング工程は、極めて複雑であり、長い工程時間を要し、高価のフォトレジストを用いているため、工程費用が増加し、多段階の工程を行うため、潜在的な不良要因の内在及び生産性の低下等の多様な問題点を発生させ、多段階の工程を行うための高価の多様な装備を要し、製造費用を増加させると共に、多量の化学物質を用いるため、環境汚染の原因となっている。
一方、最近、レーザと光学素子を用いて、既存のパターニング工程に比べて、工程が簡単でかつ低価であり、環境的に無害に薄膜をパターニング可能なレーザダイレクトパターニング(Laser Direct Patterning、以下、LDPという)方式が多様に応用されている。
LDP方式は、レーザビームを被食刻層に走査して被食刻層から不要な部分を除去する方式で行われるが、このような場合、レーザビームの直径が極めて小さく、基板に形成された被食刻層を全面的にパターニングするのには、多くの工程時間が所要するという問題点があった。
これを解決するために、所望のパターンが形成されたマスクを介在し、マスクの表面にレーザビームをスキャニングする方式で走査しながら被食刻層をパターニングすることにより、工程効率を向上させる方法が用いられている。
しかしながら、このような工程に用いられているマスクは、通常、レーザビームを透過させるベース基板の上部にレーザビームを吸収するCr等の遮蔽層を形成し、フォトレジストを用いたパターニング工程で遮蔽層をパターニングして形成されるが、マスクを基板に隣接して位置させて被食刻層をエッチングする場合は、被食刻層をエッチングするためのレーザビームのエネルギーによってマスクが損傷し、基板とマスクの間に、レーザビームを集束する投影レンズを介在し、被食刻層をエッチングするためのレーザビームのエネルギーよりも多少低いエネルギーを有するレーザビームをマスクに走査し、投影レンズを通じてエネルギーを集束して被食刻層をエッチングしている。
上述した構成により、パターニングシステムの構成が複雑となり、基板やレーザビームを含めた光学系を移動させながら基板上の被食刻層をエッチングしなければならないため、移動による誤差の発生により、所望の形状のパターンを具現し難く、これにより、生産性が低下してしまう問題点があった。
このような問題点を解決するために、特許文献1には、マスク基板上にレーザビームに対して反射率の低い誘電物質と、反射率の高い誘電物質を繰返して積層し、フォトレジストを用いて積層された誘電物質を一括的にパターニングすることにより、レーザビームを反射させる反射型マスクについて提案している。
図1は、従来技術によるレーザ反射型マスクの製造過程を順次的に示す断面図である。
図1を参照すると、レーザ反射型マスクは、レーザビームを透過させる基板110の上部に反射率の低い第1の反射膜122aと、第1の反射膜122aに比べて反射率の高い第2の反射膜124aを順次繰返して積層して反射膜120aを形成し、反射膜120aの上部にフォトレジスト130aを塗布してから、所望のパターンが形成されたマスク140を用いてフォトレジスト上に紫外線を照射し(ステップa)、フォトレジスト130aを現像してフォトレジストパターン130bを形成し(ステップb)、フォトレジストパターン130bをエッチングマスクとして反射膜120aをエッチングして反射膜パターン120bを形成し(ステップc)、フォトレジストパターン130bを除去して(ステップd)形成されている。
しかしながら、上述したマスク製造過程では、基板110上に積層された第1の反射膜122aと第2の反射膜124aのエッチング率が異なり、食刻終点が把握し難いため、パターンプロファイルを調節し難く、エッチングマスクとして用いられるフォトレジストパターン130bが、反射膜120aをエッチングする間、全て除去されまたは落とされてしまい、最終的に具現される反射膜パターン120bの精度に劣り、この反射膜パターン120bをエッチングマスクとして用いる場合は、被食刻層を所望のパターン形状の通りにエッチングし難いという問題点があった。
また、このような問題点を解決するために、反射膜とフォトレジストとの間に金などの金属物質を用いたハードマスクを介在する方法を用いてもよいが、ハードマスクが反射膜との接着力に劣り、反射膜のエッチング中に落とされてしまい、依然としてパターンの精度に劣るという問題点が生じている。
米国特許第4,923,722号明細書
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、マスクを構成するベース基板の上部に所定の厚さの犠牲膜を形成し、ベース基板におけるレーザビームの反射領域と予定される部分に反射膜埋め込み溝を形成してから、反射率差を有する反射膜を順次繰返して積層した後、ベース基板を研磨終点として用いて反射膜と犠牲膜を全面的に研磨し、またはベース基板の背面を通じたレーザビームの照射またはエッチング液を用いて、反射膜埋め込み溝に埋め込まれた部分を除いた残りの領域に積層された反射膜と犠牲膜を除去し、溝の内部に埋め込まれた形態の反射膜パターンを形成することにより、エッチング率が異なる多数の反射膜を効果的にパターニングして精度を向上させることができるレーザ反射型マスクの製造方法を提供することにある。
本発明によるレーザ反射型マスクの製造方法は、ベース基板の上部に犠牲膜を形成するステップと、前記ベース基板におけるレーザビームの反射領域と予定された領域に対するエッチング工程を通じて、前記犠牲膜及び前記ベース基板をリセスして犠牲膜パターン及び所定の深さの反射膜埋め込み溝を形成するステップと、前記犠牲膜パターン及び反射膜埋め込み溝が形成されたベース基板の上部に、反射率の異なる第1の反射膜と第2の反射膜を、前記反射膜埋め込み溝が完全に埋め込まれるまで交互に繰返して積層するステップと、前記ベース基板の底面方向から前記ベース基板にレーザビームを照射し、前記犠牲膜パターンと前記犠牲膜パターンの上部に積層された前記第1及び第2の反射膜を除去するレーザリフトオフ工程を通じて、前記反射膜埋め込み溝に埋め込まれた形態の反射膜パターンを形成するステップと、前記ベース基板の上部に残留する前記犠牲膜パターンを除去するステップと、を含んで構成されることを特徴とする。
本発明によると、犠牲膜が形成されているマスクのベース基板をリセスして所望の形態の反射膜埋め込み溝を予め形成し、反射率差を有する反射膜を順次繰返して積層した後、反射膜埋め込み溝に埋め込まれた部分を除いた残りの領域に積層された反射膜及び犠牲膜を、化学機械研磨方式、レーザリフトオフ方式、または化学的リフトオフ方式で除去して反射膜パターンを形成することにより、食刻選択比の差を有する多数の反射膜を同時に除去することができるので、工程を容易にすると共に、パターンの精度を向上させることができる。
また、レーザビームを反射する反射膜を用いてマスクを形成するので、レーザビームによる過熱でマスクが損傷することがなく、このような構成を通じて、マスクを被食刻層が形成される基板と隣接して構成することができ、レーザビームを集束するための別途の光学系を必要とせず、パターニングシステムを単純に構成することができる。
従来技術によるレーザ反射型マスクの製造過程を順次的に示す断面図である。 本発明によるレーザ反射型マスクの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施例によるレーザ反射型マスクの製造過程を順次的に示す断面図である。 本発明の第2の実施例によるレーザ反射型マスクの製造過程を順次的に示す断面図である。 本発明の第3の実施例によるレーザ反射型マスクの製造過程を順次的に示す断面図である。 本発明によるレーザ反射型マスクをレーザパターニングシステムに適用した状態を示す図である。
以下、添付した図面に基づき、本発明の好適な実施例について詳述するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されない。
図2は、本発明によるレーザ反射型マスクの構成を示す断面図である。
図2を参照すると、本発明によるレーザ反射型マスク200’は、レーザビームの反射領域に所定の深さの反射膜埋め込み溝202が形成されたベース基板200と、ベース基板200の反射膜埋め込み溝202に埋め込まれた反射膜パターン220bとを含んで構成される。
ベース基板200は、レーザビームを透過させる材質で構成され、ガラス基板、溶融シリカ基板、石英基板、合成石英基板、またはCaF基板等が用いられてもよい。また、ベース基板200の底面、すなわち、レーザビームが入射される面には、反射防止膜(Anti-Reflective Coating、ARC)がさらに形成されてもよく、これにより、ベース基板200の透過領域におけるレーザビームの透過率を向上させ、エッチング効率を高めることができる。
反射膜パターン220bは、レーザビームを反射させる有機膜で形成され、反射率の低い第1の反射膜と、第1の反射膜に比べて反射率の高い第2の反射膜が、交互に繰返して積層されて構成される。
第1の反射膜は、反射率の低いSiO膜が用いられてもよく、第2の反射膜は、第1の反射膜に比べて反射率の高いMgF膜、TiO膜、Al膜、Ta膜、フッ化セリウム膜、硫化亜鉛膜、AlF膜、酸化ハフニウム膜、または酸化ジルコニウム膜等が用いられてもよい。例えば、反射膜パターン220bは、MgF膜/SiO膜、Ta膜/SiO膜等の積層構造を繰返して数乃至数十層積層して形成されてもよく、MgF膜/SiO膜の場合は、5J/cm〜8J/cm、Ta膜/SiO膜の場合は、10J/cm程度のエネルギーを有するレーザビームに耐えるように構成される。
反射膜パターン220bは、被食刻層をエッチングするためのレーザビームの波長に応じて、用いられる反射膜の種類を選別して構成されてもよく、レーザビームに対して90〜100%の反射率を有するように構成され、殆どのレーザビームを反射させることにより、高いエネルギーのレーザビームによって反射膜パターンが損傷することを最小化することができる。
このような構成を通じて、マスクを、被食刻層が形成された基板に隣接して位置させ、被食刻層をエッチングする程度の高いエネルギーを有するレーザビームを走査してパターニングを行うことができるので、レーザビームを集束するための投影レンズ等の使用を排除し、パターニングシステムの構成を単純化することができ、これにより、マスクの大きさを被食刻層が形成された基板と同一の大きさで構成し、基板やマスクの移動による誤差が発生することを防止することができる。
また、反射膜パターン220bは、多重波長のレーザビームを反射するように構成されてもよいが、この場合は、用いられるレーザビームの波長に応じて第2の反射膜を選択し、第1の反射膜と第2の反射膜の層間厚さ及び反射膜パターン220bの全厚を変化させて構成することにより、多重波長のレーザビーム、例えば、UV523nm及びIR1064nmの波長を有するレーザビームを、マスクの変更無しにも、同時に反射させるように構成することにより、マスクの交替による誤差が生じることを防止することもできる。
一方、ベース基板200及び反射膜パターン220bの上部には、保護膜(図示せず)がさらに形成されてもよいが、このような保護膜は、上述した本発明のレーザ反射型マスクを用いて被食刻層をパターニングするとき、パターニングを容易にするために、レーザ反射型マスクと被食刻層との間に流入するエッチング液によって、レーザ反射型マスクのベース基板200及び反射膜パターン220bが損傷することを防止し、マスクの耐久性を向上させるために形成される。保護膜は、エッチング液に対する耐化学性の良いダイヤモンド状炭素(Diamond Like Carbon、DLC)膜が用いられてもよい。
このように構成された本発明によるレーザ反射型マスクは、以下の方法で形成される。
図3は、本発明の第1の実施例によるレーザ反射型マスクの製造過程を順次的に示す断面図である。
先ず、ベース基板200の上部に犠牲膜210を形成する(ステップa)。この際、ベース基板200は、レーザビームを透過させるガラス基板、溶融シリカ基板、石英基板、合成石英基板、またはCaF基板等が用いられてもよく、犠牲膜210は、クロム(Cr)、モリブデン(Mо)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、及び金(Au)等の金属物質のうち一つまたは少なくとも二つ以上の異なる金属層の積層構造で形成されてもよい。
また、ベース基板200の底面、すなわち、レーザビームが入射される面には、反射防止膜(図示せず)がさらに形成されてもよいが、このような構成を通じて、ベース基板200の透過領域におけるレーザビームの透過率を高め、エッチング効率を高めることができる。
次に、ベース基板200におけるレーザビームの反射領域と予定された領域に対するエッチング工程を通じて、犠牲膜210とベース基板200をリセスして犠牲膜パターン212を形成する共に、予定されたレーザビーム反射領域に所定の深さの反射膜埋め込み溝202を形成する(ステップb)。この際、反射膜埋め込み溝202は、フォトレジストパターニング工程やレーザを用いたパターニング工程によって形成される。フォトレジストパターニング工程によって反射膜埋め込み溝202を形成する場合は、犠牲膜210の上部にフォトレジストパターン(図示せず)を形成した後、犠牲膜210をエッチングして反射領域と予定された領域を露出させる犠牲膜パターン212を形成し、フォトレジストパターン及び犠牲膜パターン212をエッチングマスクとして用いてベース基板200をエッチングすることにより形成される。この際、犠牲膜パターン212は、反射膜埋め込み溝202を形成するためのハードマスクとして用いられる。
以降、犠牲膜パターン212及び反射膜埋め込み溝202が形成されているベース基板200の上部にレーザビームを反射させる反射膜220aを形成するが、反射膜220aは、第1の反射膜221と、第1の反射膜221に比べて反射率の高い第2の反射膜222を、反射膜埋め込み溝202が完全に埋め込まれるまで交互に繰返して数乃至数十層積層する(ステップc)。この際、第1の反射膜221は、レーザビームに対して反射率が比較的に低いSiO膜が用いられてもよく、第2の反射膜222は、第1の反射膜221に比べて反射率の高いMgF膜、TiO膜、Al膜、Ta膜、フッ化セリウム膜、硫化亜鉛膜、AlF膜、酸化ハフニウム膜、または酸化ジルコニウム膜等が用いられてもよく、それぞれ気相蒸着、イオンビーム支援蒸着、化学気相蒸着、イオンビーム蒸着、分子線エピタキシー、スパッタ蒸着等の方法によって形成されてもよい。
その後、積層された反射膜220aの表面にスラリが含有された研磨液を供給しながら、ベース基板200の表面を研磨終点とする化学機械研磨工程を行い、犠牲膜パターン212と、犠牲膜パターン212の上部に積層された反射膜220aを研磨し、反射膜埋め込み溝202に埋め込まれた反射膜パターン220bを形成する(ステップd)。
このように反射膜埋め込み溝202に埋め込まれた反射膜パターン220bを形成した後、ベース基板200上に残留する犠牲膜パターン212を除去するためのウェットエッチング工程を行う。これは、化学機械研磨工程時、研磨偏差によって犠牲膜パターン212が除去されなかった部分が生じ得るので、ベース基板200上に存在する犠牲膜パターン212をウェットエッチング工程によって完全に除去することにより、以降、マスクを用いたレーザパターニング工程において、犠牲膜パターン212によって不良が生じ得る原因を源泉的に除去するためである。
以降、ベース基板200及び反射膜パターン220bの上部に所定の厚さの保護膜(図示せず)を形成することにより、上述した本発明のレーザ反射型マスクを用いて被食刻層をパターニングするとき、レーザ反射型マスクと被食刻層320との間に流入するエッチング液によってレーザ反射型マスクのベース基板200や反射膜パターン220bが損傷することを防止することもできる。
図4は、本発明の第2の実施例によるレーザ反射型マスクの製造過程を順次的に示す断面図である。
図4を参照すると、本発明の第2の実施例によるレーザ反射型マスクの製造方法は、ベース基板200の上部に形成された犠牲膜パターン212と、犠牲膜パターン212の上部に積層された反射膜220aを、化学機械研磨工程の代わりにレーザビームを用いたリフトオフ工程によって除去する過程を除いては、上述した第1の実施例と同一の方法によって行われる。
すなわち、犠牲膜パターン212及び反射膜埋め込み溝202が形成されているベース基板200の上部に反射膜220aを積層し、ベース基板200の底面方向からベース基板200にレーザビームを照射し、反射膜埋め込み溝202以外の領域、すなわち、レーザビーム非反射領域上に形成された犠牲膜パターン212及び反射膜220aをリフトオフさせることにより、反射膜埋め込み溝202の内部に埋め込まれる反射膜パターン220bを形成する(ステップd及びステップe)。
このようにベース基板200の底面方向からベース基板200にレーザビームを照射すると、反射膜埋め込み溝202の内部に形成される反射膜パターン220bでは、殆どのレーザビームを反射させるが、反射膜埋め込み溝202以外の領域に形成された犠牲膜パターン212では、レーザビームの反射が行われず、吸収されるレーザビームのエネルギーによって犠牲膜パターン212が過熱となる。
この際、犠牲膜パターン212を構成しているクロムやモリブデン等は、過熱されると壊れやすい物質であり、犠牲膜パターン212がレーザビームによって過熱されて散々に壊れながら、その上部に積層された反射膜220aと一緒にベース基板200から分離されるようになる。
犠牲膜パターン212は、硬度の高い材質で形成されるほど、ベース基板200との分離が容易である。これに対して、硬度の低い材質で形成される場合は、レーザによってリフトオフされても、残留物がベース基板200上に融着され、後続するウェットエッチング工程によっても容易に除去し難いという問題点があった。
したがって、犠牲膜210を単層構造で形成する場合、クロムやモリブデンのように硬度の高い材質の物質で形成することが好ましく、犠牲膜210を多層の積層構造で形成する場合は、ベース基板200の上部に直接接触する最下層の薄膜を、硬度の高いクロムやモリブデンで形成し、その上部に硬度が比較的に低いアルミニウム、銅、金等を積層することがよい。
上述したような本発明の第1の実施例及び第2の実施例によるレーザ反射型マスクの製造方法は、ベース基板200の上部面を化学的または機械的に研磨し、またはベース基板200の底面からベース基板200にレーザビームをスキャンする方式で照射する工程を適用して反射膜パターン220bを形成することにより、比較的に広い面積を有する反射膜パターンを短時間内に形成するのに適用される。
図5は、本発明の第3の実施例によるレーザ反射型マスクの製造過程を順次的に示す断面図である。
本発明の第3の実施例によるレーザ反射型マスクの製造方法は、ベース基板200の上部に形成された犠牲膜パターン212と、犠牲膜パターン212の上部に積層された反射膜220aを、レーザビームを用いたリフトオフ工程の代わりにエッチング液を用いた化学的リフトオフ工程で除去する方法であって、主に微細なライン/スペース形態の反射膜パターンを形成するのに適用される。
図5を参照すると、本発明の第3の実施例では、ベース基板200の上部に犠牲膜210を形成し(ステップa)、ベース基板200におけるレーザビームの反射領域と予定された領域に対するエッチング工程によって犠牲膜210とベース基板200をリセスして犠牲膜パターン212を形成すると共に、予定されたレーザビーム反射領域に所定の深さの反射膜埋め込み溝202を形成する(ステップb)。この際、反射膜埋め込み溝202は、形成しようとする反射膜パターンの厚さよりも所定の厚さだけ深く形成するが、これは、後続工程において、前記反射膜埋め込み溝202に反射膜220aを積層、形成するのにおいて、図5(c)に示すように、反射膜埋め込み溝202の内部に形成される反射膜220aの上面が、ベース基板200の上面と所定の高さの段差aを有して形成されることにより、以降、犠牲膜パターン212を除去するための化学的リフトオフ工程において、エッチング液が、犠牲膜パターン212とベース基板200との間の界面から犠牲膜パターン212に容易に浸透可能にするためである。
次に、犠牲膜パターン212及び反射膜埋め込み溝202が形成されているベース基板200の上部に、反射膜220aを積層する(ステップc)。この際、反射膜220aは、上述したように、反射膜埋め込み溝202の内部において、ベース基板200と所定の段差aを有して形成され、ベース基板200と犠牲膜パターン212との間の界面が露出するように形成される。また、反射膜220aとベース基板200との間に形成される段差aは、後続する化学的リフトオフ工程時、犠牲膜パターン212とベース基板200との間の界面からのエッチング液の浸透を円滑にするためのものであるが、形成される段差aが大き過ぎる場合は、完成されたレーザ反射型マスクを用いたレーザエッチング工程時、段差aが形成された部分でのレーザビームの回折による不良が生じることもあるので、これを考慮して、適切な高さで形成しなければならず、好ましくは、0.5μm〜2μm程度の範囲内に設定することが好ましい。
その後、反射膜220aが積層されたベース基板200をエッチング液が収容されたエッチング槽に浸け、またはベース基板200の上部にエッチング液を高圧で噴射し、反射膜埋め込み溝202以外の領域、すなわち、レーザビームの非反射領域上に形成された犠牲膜パターン212及び反射膜220aを化学的にリフトオフ(ステップd)させることにより、反射膜埋め込み溝202の内部に埋め込まれる形態の反射膜パターン220bを形成する(ステップe)。
このようにベース基板200をエッチング液が収容されたエッチング槽に浸け、またはベース基板200の上部にエッチング液を高圧で噴射すると、エッチング液が、犠牲膜パターン212の側面、ベース基板200と犠牲膜パターン212の界面、また犠牲膜パターン212と反射膜220aの界面に沿って浸透しながら犠牲膜パターン212が除去され、または犠牲膜パターン212とベース基板200及び/または反射膜220aとの界面での密着力が低くなる。これにより、ベース基板200においてレーザビーム非反射領域上に形成された反射膜220aがベース基板200から落とされ、レーザビーム反射領域、すなわち、反射膜埋め込み溝202の内部に反射膜パターン220bが形成される。
この際に用いられるエッチング液は、ベース基板200上に形成される犠牲膜パターン212の種類によって異なるが、反射膜埋め込み溝202内に埋め込まれている反射膜220aの損傷を最小化するために、エッチング液の濃度を適宜調整して用いることがよい。上述のように、本実施例によるレーザ反射型マスクの製造方法は、主に微細なライン/スペース形態の犠牲膜パターン212を有するマスクに適用されるので、比較的に低い濃度のエッチング液を用いても、犠牲膜パターン212を効果的に除去することができる。
次に、反射膜パターン220bを形成した以降は、洗浄工程を通じてベース基板200上に残留する犠牲膜パターン212を完全に除去することにより、以降に完成されるレーザ反射型マスクを用いたレーザパターニング工程において、ベース基板200上に残留する犠牲膜パターン212によって不良が生じ得る原因を源泉的に除去する。
図6は、本発明によるレーザ反射型マスクをレーザパターニングシステムに適用した状態を示す図である。
図6を参照すると、基板310を装着するためのステージ300と、ステージ300の上部の一側に位置し、所定の波長のレーザビームを発生させるレーザ発振器400と、レーザ発振器400から発生するレーザビームをステージ300の方向に反射させる反射鏡500と、を備えて構成されるレーザパターニングシステムに、被食刻層320が形成されている基板310と、反射膜パターン220bが形成されている反射型マスク200’がそれぞれ装着されている。
本発明による反射型マスク200’は、被食刻層320が形成された基板310と互いに隣接して配置されており、レーザ照射時は、レーザ発振器400と反射鏡500及び反射型マスク200’を互いに同期化して移動させ、または基板310を移動させながら被食刻層320をパターニングすることができる。また、反射型マスク200’と基板310との間にエッチング液を流入させながら被食刻層320をパターニングすることにより、被食刻層320がさらに容易にパターニングされるようにすることもできる。
一方、反射型マスク200’を基板310と同一の大きさで構成する場合は、反射型マスク200’を基板310にアラインメントさせて互いに固定させた後、レーザ発振器400と反射鏡500を互いに同期化して移動させ、または反射型マスク200’と基板310を互いに同期化して移動させながら被食刻層320をパターニングすることもでき、この場合、反射型マスク200’と基板310のアラインメントを固定したままパターニングを行うので、形成されるパターンの精度をさらに向上させることができる。
また、本発明による反射型マスク200’は、エッチングの際に走査される殆どのレーザビームを反射させるので、レーザビームによるマスクの構造的損傷を最小化することができ、マスクのこのような特性により、相対的に高いエネルギーのレーザビームの直接走査を可能にし、別途の光学系、すなわち、投影レンズ等の構成無しに、反射型マスク200’を基板310に隣接して位置するように構成することにより、パターニングシステムの構成を単純にすることができる。
この際、レーザビームの歪みを防止するために、反射型マスク200’を基板310に近く位置させるほど、正確なパターンを形成するのに有利であるが、互いに接触しまたは隣接し過ぎた場合は、エッチングの際に発生するエッチング残留物がマスクや被食刻層に付着し欠陥として作用し、パターンの精度を低下させるので、適切な距離を選んで相互離隔して配置することが好ましい。
また、本発明による反射型マスク200’は、2枚以上をフレームに連結して構成されたマルチマスク形態で用いられてもよいが、このような場合、フレームに反射膜及び保護層を形成し、レーザビームのエネルギーによりフレームが過熱するなどの構造的損傷を防止する。
上記のようなマルチマスクは、大面積にわたるパターニングの際に、マスクの移動無しにワンスキャン形態のパターニングを可能にし、工程時間を短縮させ、マスクがフレームに支持されているので、マスクの垂れ現象のような問題点を補完することができる。
このように、本発明の詳細な説明では、具体的な実施例に関して説明しているが、本発明の範疇から外れない範囲内で、様々な変形が可能であることは勿論である。そのため、本発明の範囲は、説明された実施例に限られて定められてはならず、後述する特許請求の範囲のみならず、この請求の範囲と均等なものによって定められなければならない。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]レーザビームの反射領域に所定の深さの反射膜埋め込み溝が形成されているベース基板と、前記反射膜埋め込み溝に埋め込まれた反射膜パターンとを備え、前記反射膜パターンは、SiO 膜で形成される第1の反射膜と、前記第1の反射膜よりも反射率の高い第2の反射膜とを交互に繰返して積層して構成されたことを特徴とするレーザ反射型マスク。
[2]前記ベース基板は、ガラス基板、溶融シリカ基板、石英基板、合成石英基板、及びCaF 基板からなる群より選ばれることを特徴とする[1]に記載のレーザ反射型マスク。
[3]前記ベース基板の底面には、反射防止膜が形成されていることを特徴とする[1]に記載のレーザ反射型マスク。
[4]前記第2の反射膜は、MgF 膜、TiO 膜、Al 膜、Ta 膜、フッ化セリウム膜、硫化亜鉛膜、AlF 膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化ジルコニウム膜からなる群より選ばれることを特徴とする[1]に記載のレーザ反射型マスク。
[5]前記ベース基板及び前記反射膜パターンの上部には、前記レーザ反射型マスクを用いてパターニング工程を行う間に、エッチング液によるレーザ反射型マスクの損傷を防止するための保護膜がさらに形成されることを特徴とする[1]に記載のレーザ反射型マスク。
[6]ベース基板の上部に犠牲膜を形成するステップと、前記ベース基板におけるレーザビームの反射領域と予定された領域に対するエッチング工程を通じて、前記犠牲膜及び前記ベース基板をリセスして犠牲膜パターン及び所定の深さの反射膜埋め込み溝を形成するステップと、前記犠牲膜パターン及び反射膜埋め込み溝が形成されたベース基板の上部に、反射率の異なる第1の反射膜と第2の反射膜を、前記反射膜埋め込み溝が完全に埋め込まれるまで交互に繰返して積層するステップと、前記ベース基板の底面方向から前記ベース基板にレーザビームを照射し、前記犠牲膜パターンと前記犠牲膜パターンの上部に積層された前記第1及び第2の反射膜を除去するレーザリフトオフ工程を通じて、前記反射膜埋め込み溝に埋め込まれた形態の反射膜パターンを形成するステップと、前記ベース基板の上部に残留する前記犠牲膜パターンを除去するステップと、を含むことを特徴とするレーザ反射型マスクの製造方法。
[7]ベース基板の上部に犠牲膜を形成するステップと、前記ベース基板におけるレーザビームの反射領域と予定された領域に対するエッチング工程を通じて、前記犠牲膜及び前記ベース基板をリセスして犠牲膜パターン及び所定の深さの反射膜埋め込み溝を形成するステップと、前記犠牲膜パターン及び反射膜埋め込み溝が形成されたベース基板の上部に、反射率の異なる第1の反射膜と第2の反射膜を交互に繰返して積層するステップと、エッチング工程を通じて前記犠牲膜パターンを除去することにより、前記犠牲膜パターンの上部に積層された前記第1及び第2の反射膜を除去する化学的リフトオフ工程を通じて、前記反射膜埋め込み溝に埋め込まれた形態の反射膜パターンを形成するステップと、前記ベース基板の上部に残留する前記犠牲膜パターンを除去するステップと、を含むことを特徴とするレーザ反射型マスクの製造方法。
[8]前記犠牲膜は、クロム(Cr)、モリブデン(Mо)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、及び金(Au)からなる群より選ばれるいずれか一つの材質の金属層または二つ以上の異なる金属層の積層構造で形成されることを特徴とする[6]または[7]に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
[9]前記犠牲膜が二つ以上の異なる金属層の積層構造で形成される場合、前記ベース基板の表面の上部に直接接触する最下層の金属層は、クロムまたはモリブデンで形成することを特徴とする[8]に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
[10]前記第1の反射膜は、SiO 膜であることを特徴とする[6]または[7]に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
[11]前記第2の反射膜は、MgF 膜、TiO 膜、Al 膜、Ta 膜、フッ化セリウム膜、硫化亜鉛膜、AlF 膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化ジルコニウム膜からなる群より選ばれることを特徴とする[10]に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
[12]前記ベース基板の上部に残留する前記犠牲膜パターンを除去するステップ以降に、前記ベース基板及び前記反射膜パターンの上部に、前記レーザ反射型マスクーを用いてパターニング工程を行う間に、エッチング液によるレーザ反射型マスクの損傷を防止するための保護膜をさらに形成することを特徴とする[6]または[7]に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
[13]前記第1の反射膜と第2の反射膜を交互に繰返して積層するステップでは、前記反射膜埋め込み溝に交互に繰返して積層された第1の反射膜及び第2の反射膜からなる反射膜層の上面が、前記ベース基板の上面と所定の高さの段差を形成するように積層され、前記犠牲膜パターンと前記ベース基板との間の界面が露出するように形成されることを特徴とする[7]に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
[14]前記反射膜層の上面と前記ベース基板の上面との間に形成される段差は、0.5μm〜2μmの範囲であることを特徴とする[13]に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
本発明によるレーザ反射型マスク及びその製造方法は、半導体、LCD、LED、太陽電池等のように薄膜技術が適用される製品を生産するのに用いられ、さらに精密なパターンの形成を可能にし、パターニングシステムの構成を単純化し、製造費用を節減することができる。
101、310…基板、120a…反射膜、120b…反射膜パターン、122a、221…第1の反射膜、122b…第1の反射膜パターン、124a、222…第2の反射膜、124b…第2の反射膜パターン、130a…フォトレジスト、130b…フォトレジストパターン、140…マスク、200’…反射型マスク、200…ベース基板、202…反射膜埋め込み溝、210…犠牲膜、212…犠牲膜パターン、220a…反射膜、220b…反射膜パターン、300…ステージ、320…被食刻層、400…レーザ発振器、500…反射鏡。

Claims (6)

  1. ベース基板の上部に犠牲膜を形成するステップと、
    前記ベース基板におけるレーザビームの反射領域と予定された領域に対するエッチング工程を通じて、前記犠牲膜及び前記ベース基板をリセスして犠牲膜パターン及び所定の深さの反射膜埋め込み溝を形成するステップと、
    前記犠牲膜パターン及び反射膜埋め込み溝が形成されたベース基板の上部に、反射率の異なる第1の反射膜と第2の反射膜を、前記反射膜埋め込み溝が完全に埋め込まれるまで交互に繰返して積層するステップと、
    前記ベース基板の底面方向から前記ベース基板にレーザビームを照射し、前記犠牲膜パターンと前記犠牲膜パターンの上部に積層された前記第1及び第2の反射膜を除去するレーザリフトオフ工程を通じて、前記反射膜埋め込み溝に埋め込まれた形態の反射膜パターンを形成するステップと、
    前記ベース基板の上部に残留する前記犠牲膜パターンを除去するステップと、
    を含むことを特徴とするレーザ反射型マスクの製造方法。
  2. 前記犠牲膜は、クロム(Cr)、モリブデン(Mо)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、及び金(Au)からなる群より選ばれるいずれか一つの材質の金属層または二つ以上の異なる金属層の積層構造で形成されることを特徴とする請求項1に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
  3. 前記犠牲膜が二つ以上の異なる金属層の積層構造で形成される場合、前記ベース基板の表面の上部に直接接触する最下層の金属層は、クロムまたはモリブデンで形成することを特徴とする請求項に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
  4. 前記第1の反射膜は、SiO膜であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
  5. 前記第2の反射膜は、MgF膜、TiO膜、Al膜、Ta膜、フッ化セリウム膜、硫化亜鉛膜、AlF膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化ジルコニウム膜からなる群より選ばれることを特徴とする請求項に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
  6. 前記ベース基板の上部に残留する前記犠牲膜パターンを除去するステップ以降に、
    前記ベース基板及び前記反射膜パターンの上部に、前記レーザ反射型マスクを用いてパターニング工程を行う間に、エッチング液によるレーザ反射型マスクの損傷を防止するための保護膜をさらに形成することを特徴とする請求項1に記載のレーザ反射型マスクの製造方法。
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