JPH0876357A - レーザ転写加工用マスク - Google Patents

レーザ転写加工用マスク

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JPH0876357A
JPH0876357A JP20875694A JP20875694A JPH0876357A JP H0876357 A JPH0876357 A JP H0876357A JP 20875694 A JP20875694 A JP 20875694A JP 20875694 A JP20875694 A JP 20875694A JP H0876357 A JPH0876357 A JP H0876357A
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dielectric
mask
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masks
pattern
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JP20875694A
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English (en)
Inventor
Kyoko Amamiya
恭子 雨宮
Takao Terabayashi
隆夫 寺林
Hidemi Sato
秀己 佐藤
Hidetaka Shigi
英孝 志儀
Tsutomu Imai
勉 今井
Kenkichi Suzuki
堅吉 鈴木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パターン形成された誘電体マスク内に白点欠
陥が存在している場合でも、その白点欠陥を容易に補正
し、白点欠陥に起因する加工欠陥を防止して正確なパタ
ーン転写加工を行うことができるレーザ転写加工用マス
クの提供。 【構成】 レーザ光の透過する部分のパターンを被加工
物に転写させるレーザ転写加工用マスクにおいて、前記
レーザ光を透過させる透光性の基板と、前記レーザ光を
反射する機能を有するとともに前記基板面に部分的に前
記レーザ光を透過させる開口パターンを設けた誘電体多
層膜とからなる誘電体マスクを2枚形成し、該2枚の誘
電体マスクを誘電体多層膜を内側にして相対させ、該相
対した誘電体多層膜の開口パターンを位置決め後、両誘
電体マスク間を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ転写加工用のマス
クに係り、特に、パターン形成された誘電体マスク内に
白点欠陥が存在している場合でも、その白点欠陥を容易
に補正して正確なパターン転写加工を行うのに好適なレ
ーザ転写加工用マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】エキシマレーザのような高い光子エネル
ギを有するレーザ光を使って、ガラス、金属、有機物等
を除去加工する方法がある。これには、(1)マスク像
を被加工物面に投影して加工するマスク転写法、(2)
開口パターンを設けた金属箔などを被加工物面上に置
き、その上をレーザ走査して加工するコンタクトマスク
法、(3)集光したレーザ光で被加工物面を直接加工す
る方法などがあり、このうち、プロセスが短く、高能率
微細加工が可能なマスク転写法が今後有望とされてい
る。上記マスク転写法は、レーザ光を透過する部分と遮
断する部分とがパターン形成されたマスクを、投影レン
ズを介して被加工物と対向させて設置し、前記パターン
中、レーザ光が透過する部分のパターンを被加工物に転
写して被加工物面を加工する方法である。
【0003】上記マスク転写法に用いるマスクとして
は、ガラス基板表面に誘電体膜を積層してパターン形成
した誘電体マスクがある(例えば、特開平2−2528
9号公報)。これは、高屈折率誘電体膜と低屈折率誘電
体膜を光学的膜厚がレーザ光波長の1/4になる厚さで
交互に積層した構成の干渉フィルタで、レーザ光を反射
させることが基本原理であることからレーザ耐性が高
く、このためレーザ転写加工用マスクとして好適であ
る。
【0004】誘電体マスクに使用される誘電体材料とし
ては、一般にエキシマレーザの波長域で透過性の性質を
持つものに限られ、弗化物(LiF,NaF,MgF2
他)や、酸化物(SiO2,Al23,HfO2他)が用
いられている。
【0005】このような誘電体マスクのパターン形成プ
ロセスの比較例を図6に示す。プロセスとしては、図6
(a)に示すように、誘電体多層膜の表面に所望のパタ
ーンのレジストをフォトリソグラフィ法により形成し、
加速したイオンをシャワー状に照射してレジストの開口
部を介して誘電体多層膜を除去し所望のパターンを得る
イオンミリング法や、図6(b)に示すように、基板表
面に所望のパターンとは反転したパターンを持つリフト
オフ層を形成した後、その上に誘電体多層膜を形成し、
該形成した誘電体多層膜の不要部分をリフトオフ層とと
もにウエットエッチングで除去することにより所望のパ
ターンを得る、いわゆるリフトオフ法により行われるこ
とが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記誘電体マスクのパ
ターン形成法においては、感光性有機材料の塗布、露
光、現像工程や、ウェットエッチング工程等を必要とす
るため、パターン形成工程中、基板面やレジスト内等の
各部に異物が混入または付着し、所望のパターン以外の
部位に透光性の開口部が形成されるいわゆる白点欠陥が
発生する。このような白点欠陥を持つ誘電体マスクを実
際のレーザ転写加工に使用すると、全ての被加工物面に
白点欠陥が転写されるという重大な問題が生じる。
【0007】前記白点欠陥の修正方法としては、光学マ
スクに関するものとして、ガラス基板上にCr等の金属
膜パターンを形成した後、そのパターン上に該パターン
よりパターン幅寸法が僅かに(1μm程度)小さい別の
金属膜パターンを形成する構成のものがある(例えば、
特開平5−53296号公報)。これは、2種類の金属
膜中のピンホール欠陥が丁度重なる確率がほとんどゼロ
となるため、パターンの大部分でピンホール欠陥を無く
し、製造の歩留まりを向上させることができるとするも
のである。
【0008】しかし、上記光学マスク用の方法をレーザ
転写加工用マスクの白点欠陥修正に適用すると、次のよ
うな問題が発生する。すなわち、前記光学マスクでは、
一般に反射率の制御等のため、パターン部分が金属膜等
の1層ないし3層で構成されているが、各金属膜の膜厚
が多少変化しても光が透過する事は無いので、上記の修
正方法によりピンホール部で多少膜厚が変化しても効果
上全く問題が生じない。これに対し誘電体マスクは、膜
厚が数十nmの高屈折率誘電体膜および低屈折率誘電体
膜の2種類の膜を交互に数十層積層したものであり、そ
の多層膜の干渉によりレーザ光を反射するマスク構成で
あるため、各層の膜厚が2nm程度変化しても干渉の効
果が無くなり、誘電体マスクとして使用出来なくなると
いう特性を有している。
【0009】図5を参照して前記光学マスクの白点欠陥
修正方法を誘電体マスクに適用した例を具体的に説明す
る。図5は誘電体多層膜内の白点欠陥を模式的に示した
断面図である。図5において、2、2′、2″は誘電体
多層膜、3は透光性基板、5は白点欠陥、12は成膜物
質である。図5(a)に示すように、誘電体多層膜2内
に白点欠陥5が存在した場合、上記修正方法におけるよ
うに白点欠陥5の上から更に図5(b)に示す誘電体多
層膜2′を成膜しても、白点欠陥5の周囲は誘電体多層
膜2が壁となって成膜物質12が遮蔽され、白点欠陥5
の内部に精度良い膜厚で誘電体多層膜2″を成膜するこ
とが出来ない。従って、白点欠陥5を誘電体多層膜2″
で埋めたにもかかわらずレーザ光を完全に反射すること
が出来ず、依然として白点欠陥5が残存した場合と同様
の弊害が残ることになる。このように誘電体マスクは多
層膜構造であるため白点欠陥5の修正が非常に難しいと
いう問題点を有していた。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
パターン形成された誘電体マスク内に白点欠陥が存在し
ている場合でも、その白点欠陥を容易に補正し、白点欠
陥に起因する加工欠陥を防止して正確なパターン転写加
工を行うことができるレーザ転写加工用マスクを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、レーザ光の透過する部分のパターンを被
加工物に転写させるレーザ転写加工用マスクにおいて、
前記レーザ光を透過させる透光性の基板と、前記レーザ
光を反射する機能を有するとともに前記基板面に部分的
に前記レーザ光を透過させる開口パターンを設けた誘電
体多層膜とからなる誘電体マスクを2枚形成し、該2枚
の誘電体マスクを誘電体多層膜を内側にして相対させ、
該相対した誘電体多層膜の開口パターンを位置決め後、
両誘電体マスク間を固定する構成にしたものである。
【0012】そして、前記2枚の誘電体マスクを、誘電
体多層膜面を互いに密着させて位置決め固定する構成に
するか、誘電体多層膜面間に形成した一定の隙間を介し
て近接させて位置決め固定する構成にするとよい。
【0013】また、前記2枚の誘電体マスクを、互いに
鏡像の位置関係の開口パターンを有する誘電体多層膜に
て構成することが望ましい。
【0014】さらに、前記2枚の誘電体マスクを、互い
に鏡像の位置関係を有し、かつ同一形状で異なる大きさ
の開口部からなる開口パターンを有する誘電体多層膜に
て構成するか、多数の縦長長方形の開口部からなる開口
パターンを有する誘電体マスクと、該誘電体マスクの各
開口部と十字状にクロスする多数の横長長方形の開口部
からなる開口パターンを有する誘電体マスクとからなる
構成にすることが好ましい。
【0015】そして、前記2枚の誘電体マスクを、該2
枚の誘電体マスクの誘電体多層膜面間に形成した隙間
に、不活性ガスを流通させて使用される構成にすること
が望ましい。
【0016】
【作用】上記構成としたことにより、相対する2枚の誘
電体マスクの完全に同一位置に発生した白点欠陥を除
き、各誘電体マスクに存在する白点欠陥を互いに補正し
合うことが可能になり、また、2枚の誘電体マスクの互
いに鏡像の位置関係の開口パターン面を相対させて近接
設置することにより、誘電体マスクの開口パターンを光
学的に正確かつ容易に被加工物面に投影することが可能
になる。このため、誘電体マスクの白点欠陥に起因する
加工欠陥を確実に防止し、正確なパターン転写加工を行
うことが可能になる。
【0017】また、2枚の誘電体マスクを誘電体多層膜
を内側にして相対させた構成にすることにより、レーザ
転写加工時に発生する塵埃の付着からマスクパターン面
が保護されて誘電体多層膜面に塵埃の付着することが無
くなり、塵埃除去のための洗浄が不要になる。さらに、
レーザ転写加工用マスクの2枚の誘電体マスク間に形成
された隙間に、窒素ガスやヘリウムガス等の不活性ガス
を流通させて使用することにより、空気中で使用する場
合に比較して温度環境が改善される。この塵埃除去のた
めの洗浄不要化と、不活性ガスの流通使用化により、レ
ーザ転写加工用マスクの寿命を従来に比べて延ばすこと
が可能になる。
【0018】さらに、相対する2枚の誘電体マスクの開
口パターンの開口部を、寸法差を設ける構成や、縦長と
横長の長方形の各開口部を十字状にクロスする構成にす
ることにより、両誘電体マスクのアライメントを容易に
し、正確に位置決め固定することが可能になる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例中、第1の実施例を図1を用
いて説明する。図1は、パターン欠陥(白点欠陥)を有
する2枚の誘電体マスクを、隙間を設けて相対させて固
定したレーザ加工用マスクの断面図である。
【0020】図1において、1はレーザ光、2、2′は
誘電体多層膜、3、3′は使用レーザ光(本実施例では
エキシマレーザ)を透過する透光性基板である。透光性
基板3はその片面に形成された誘電体多層膜2とともに
一方の誘電体マスクを構成し、また、透光性基板3′は
その片面に形成された誘電体多層膜2′とともに他方の
誘電体マスクを構成する。これら2枚の誘電体マスク
は、誘電体多層膜2、2′を内側にして相対させられて
いる。4は透光性基板3、3′を誘電体多層膜2、2′
間に数μm程度の一定の隙間を設けて貼り合わせ固定す
る両面接着シートである。5、5′は誘電体多層膜2、
2′に発生している白点欠陥、14、14′は誘電体多
層膜2、2′にパターン形成された多数の開口部であ
る。開口部14、14′は円形、スリット状など各種形
状にパターン形成され、開口部14と開口部14′とを
相対させて適宜組み合わせることにより所望の開口パタ
ーンを形成することができる。
【0021】上記実施例における2枚の誘電体マスク
は、いずれも前記図6(b)に示すリフトオフ法により
形成された。以下、前記図6(b)を参照して工程順に
説明する。透光性基板3には光学研磨した石英ガラスを
用い、その表面にリフトオフ材料としてAlを蒸着法に
より2.5μm厚さで成膜する。次に、成膜したリフト
オフ材料上にフォトレジスト(例えば、ノボラック樹脂
ナフトキノン系ポジ型レジスト)を回転塗布法により1
μm厚さで塗布し、90℃で30分加熱乾燥後、露光、
現像し、所望のパターンを形成する。次に、リフトオフ
材料Alのエッチング液に透光性基板3を浸漬してフォ
トレジストの開口部のAl膜をエッチングした後、フォ
トレジストを剥離する。このフォトレジストを剥離した
面に蒸着法により誘電体であるSiO2とAl23を交
互に55層成膜し、全膜厚2.2μmの誘電体多層膜を
形成する。最後に、透光性基板3ごとAlエッチング液
に浸漬し、リフトオフ層であるAlとともにリフトオフ
層上の誘電体多層膜を除去して所望の開口パターンを有
する誘電体多層膜2を形成し、一方の誘電体マスクを構
成する。
【0022】つぎに、光学研磨した石英ガラスからなる
透光性基板3′に対して、上記で使用したパターンと鏡
像の位置関係の開口パターンを持つフォトマスクを用い
て、上記と同じ工程により、鏡像パターンを有する誘電
体多層膜2′を形成した他方の誘電体マスクを形成す
る。ここで、誘電体多層膜2′における開口パターン
は、必ずしも全部が鏡像パターンでなくてもよく、被加
工範囲が一部に限定されているような場合はその一部の
みを鏡像パターンにしてもよい。
【0023】次に、前記作製した2枚の誘電体マスクの
うち、いずれか片方に両面接着シート4を貼り付け、誘
電体多層膜2、2′間に数μm程度の一定の隙間を設け
た状態でアライメント装置により2枚の誘電体マスクの
開口パターンが一致するようにアライメントを行う。そ
して、前記両面接着シート4により両者を貼り合わせ固
定することによりレーザ転写加工用マスクが形成され
る。ここで、上記誘電体多層膜2、2′間の隙間は、レ
ーザ転写加工装置のマスク投影光学系の焦点深度の範囲
内に設定される。
【0024】前記レーザ転写加工用マスクに透光性基板
3側よりレーザ光1を照射すると、レーザ光1はまず誘
電体多層膜2の開口部14及び白点欠陥5を通過する。
白点欠陥5を通過したレーザ光1は該白点欠陥5に相対
する位置にある誘電体多層膜2′により反射されるた
め、レーザ転写加工用マスクを通過することはない。ま
た、白点欠陥5′においては、レーザ光1は該白点欠陥
5′に到着する前に誘電体多層膜2により遮られるた
め、白点欠陥5′にレーザ光1が入射することはなく、
従ってレーザ転写加工用マスクを通過することはない。
他方、2枚の誘電体マスクの開口部14、14′におい
ては、レーザ光1は遮られることがないためそのまま被
加工物に入射する。このため、たとえ白点欠陥5、5′
が発生している場合でも、レーザ光1は該白点欠陥5、
5′の影響を受けることなく開口パターン通り被加工物
に入射される。ここで、誘電体マスクに発生する白点欠
陥5、5′は、前記したようにその大半が製造工程中の
異物に起因するものであるため、2枚の誘電体マスクの
同一箇所に欠陥が生じる確率は極めて小さく、したがっ
て、上記の如く誘電体マスクを2枚重ねて用いることに
より各誘電体マスクに存在する白点欠陥5、5′を互い
に補正し合う作用を行わせることが可能になる。
【0025】また、互いに鏡像の位置関係の開口パター
ンを有する2枚の誘電体マスクを、その開口パターン面
を相対させて近接設置することにより、誘電体マスクの
開口パターンを光学的に正確に被加工物面に投影する作
用を生じさせることが可能になる。
【0026】このように本実施例においては、相対する
2枚の誘電体マスクの完全に同一位置に発生した白点欠
陥を除き、図1に示すようなマスクの白点欠陥5、5′
に起因する加工欠陥を確実に防止し、正確なパターン転
写加工を行うことが可能になる。
【0027】また、図1に示すレーザ転写加工用マスク
では誘電体多層膜2、2′の面が透光性基板3、3′の
内側に保護されているため、レーザ転写加工時に発生す
る塵埃が誘電体多層膜2、2′面に付着することが無く
なり、従って、塵埃除去のための洗浄も不要となる。こ
のため、従来に比べてレーザ転写加工用マスクの寿命を
延ばすことが出来る。
【0028】さらに、図1に示すレーザ転写加工用マス
クの2枚の誘電体マスク間に形成された隙間に、不活性
ガスとして例えば窒素ガスを流通させて使用したとこ
ろ、空気中で使用する場合に比較して温度環境が改善さ
れ、レーザ転写加工用マスクの寿命を大幅に延長できる
ことが確認された。
【0029】次に、図2を参照して前記図1に示すレー
ザ転写加工用マスクを用いて多層回路基板を作製する工
程を説明する。図2はその工程を示す図である。図2に
おいて、7は基板、8は金属膜パターン、9はポリイミ
ドフィルム、10はバイアホール、11は金属スタッド
である。
【0030】まず、基板7の表面に金属膜を成膜した
後、図2(a)に示すようにフォトリソグラフィ法によ
り金属膜パターン8を形成する。そして、図2(b)に
示すように金属膜パターン8上にポリイミドフィルム9
を接着する。次に、図2(c)に示すように前記図1に
示すレーザ転写加工用マスクを用いて、例えば、波長が
248nmのエキシマレーザ加工によりバイアホール1
0を形成する。次に、図2(d)に示すようにバイアホ
ール10内にめっきにより金属スタッド11を形成し、
その上に図2(a)と同様の方法により図2(e)に示
す金属膜パターン8を形成する。そして、前記図2
(b)〜図2(e)の工程を繰り返すことにより、図2
(f)に示すような多層回路基板が作製される。このよ
うにして作製した多層回路基板のレーザ被加工部である
バイアホール10を各層について検査したところ、各層
とも欠陥のないことが確認された。
【0031】つぎに、本発明の第2の実施例を、図3を
用いて説明する。図3は、白点欠陥5、5′を有する2
枚の相対する誘電体マスクを貼り合わせたレーザ転写加
工用マスクの断面図である。図中、図1と同符号のもの
は同じものまたは同機能のものを示す。図3において、
6は2枚の誘電体マスク間を固定する固定治具である。
【0032】上記第2の実施例における2枚の誘電体マ
スクは、いずれも前記図6(a)に示すイオンミリング
法により形成された。以下、前記図6(a)を参照して
工程順に説明する。透光性基板3には光学研磨した石英
ガラスを使用し、その表面に誘電体であるSiO2とA
23とを蒸着法により交互に55層成膜し、全膜厚
2.2μmの誘電体多層膜を形成する。つぎに、形成し
た誘電体多層膜の面にフォトレジスト(例えば、ノボラ
ック樹脂ナフトキノン系ポジ型レジスト)を回転塗布法
により3μm厚さで塗布し、90℃で30分加熱乾燥
後、露光、現像し、丸穴形状の多数の開口部からなる開
口パターンを形成する。次に、前記フォトレジストの開
口パターンを介して誘電体多層膜をイオンミリング法に
よりエッチングし、最後に前記フォトレジストを剥離し
て多数の丸穴の開口部14からなる所望の開口パターン
を有する誘電体多層膜2を形成し、一方の誘電体マスク
を形成する。
【0033】つぎに、光学研磨した石英ガラスからなる
透光性基板3′に対して、上記と同一材料、同一工程に
て上記で使用したパターンと鏡像の位置関係を有し、か
つ前記開口部14より僅かに小さい径の多数の開口部1
4′からなるパターンを有する誘電体多層膜2′を形成
し、他方の誘電体マスクを形成する。この場合、開口部
14と14′間の径の差は、普通数μm程度である。
【0034】前記作製された2枚の誘電体マスクは、ア
ライメント装置によって、穴径の小さい誘電体多層膜
2′の開口部14′が、穴径の大きい誘電体多層膜2の
開口部14内に位置するようにアライメントされた後、
誘電体多層膜2と誘電体多層膜2′とが重ね合わされ、
該重ね合わされた両者が密着するように固定治具6によ
り固定されてレーザ転写加工用マスクが形成される。こ
こで、上記開口部14と14′との径の差は、僅かでは
あってもアライメントを容易に行う効果がある。
【0035】上記レーザ転写加工用マスクを使って実際
にエポキシ樹脂を被加工物としてレーザ転写加工を行っ
たところ、エポキシ樹脂に対して穴径の小さな誘電体多
層膜2′のパターンが精度良く転写され、また、前記図
1に示す例と同様に、加工欠陥の発生が確実に防止され
ることが確認された。
【0036】また、本実施例は誘電体多層膜2、2′間
を密着させたことにより、レーザ転写加工時の焦点深度
が浅い場合に有効であるが、前記図1に示す第1の実施
例と同様に数μm程度の僅かな一定の隙間を設ける構成
にしてもよい。
【0037】次に、本発明の第3の実施例を図4を用い
て説明する。図4は、2枚の誘電体マスクの開口パター
ンを重ね合わせた模式図である。図中、図1または図3
と同符号のものは同じものまたは同機能のものを示す。
図4において、13はレーザ光通過部で、レーザ光が通
過する領域を示す。
【0038】本実施例は、前記図3に示す実施例2と同
様に、透光性基板3として光学研磨した石英ガラスを用
い、その表面に蒸着法により誘電体であるSiO2とH
fO2とを交互に25層成膜し、全膜厚1.0μmの誘
電体多層膜を形成する。次に、形成した誘電体多層膜の
面にフォトレジスト(例えば、ノボラック樹脂ナフトキ
ノン系ポジ型レジスト)を回転塗布法により3μm厚さ
で塗布し、90℃で30分加熱乾燥後、露光、現像し、
多数の縦長長方形の開口部からなる開口パターンを形成
する。次に、前記フォトレジストの開口パターンを介し
て誘電体多層膜をイオンミリング法によりエッチング
し、最後に前記フォトレジストを剥離して多数の縦長長
方形の開口部14からなる所望の開口パターンを有する
誘電体多層膜2を形成し、一方の誘電体マスクを形成す
る。
【0039】つぎに、前記図3に示す実施例2と同様
に、光学研磨した石英ガラスからなる透光性基板3′に
対して、上記と同一材料、同一工程にて上記で使用した
パターンと鏡像の位置関係を有し、かつ前記縦長長方形
の各開口部14と十字状にクロスする多数の横長長方形
の開口部14′からなるパターンを有する誘電体多層膜
2′を形成し、他方の誘電体マスクを形成する。
【0040】前記作製された2枚の誘電体マスクは、ア
ライメントに先立ち、誘電体多層膜2、2′の各開口パ
ターンを相対させてアライメント装置に取付けられ、取
り付けられた2枚の誘電体マスクの透光性基板3、3′
間の周辺部に直径数μm、例えば、3μmのガラスファ
イバを介在させ、さらに該ガラスファイバの外側の透光
性基板3、3′間に紫外線硬化樹脂が塗布される。この
場合、前記ガラスファイバは、2枚の誘電体マスクが重
ね合わされたときに、塗布された紫外線硬化樹脂が、開
口パターン部の方へ流れ込むのを阻止する壁の機能を果
たす。
【0041】前記構成の2枚の誘電体マスクは、アライ
メント装置によって、縦長長方形の開口部14と横長長
方形の開口部14′とが図4に示す如く十字状にクロス
するようにアライメントされ、該アライメントにより位
置決めされた後、誘電体多層膜2と誘電体多層膜2′と
が重ね合わされて紫外線が照射される。該紫外線照射に
より前記紫外線硬化樹脂が硬化して両誘電体マスクを固
定し、レーザ転写加工用マスクが形成される。
【0042】本実施例によれば、2枚の誘電体マスク間
を前記ガラスファイバを介して正確かつ容易に3μmの
一定の隙間に保つことが可能であることから、レーザ転
写加工装置のマスク投影光学系の焦点深度の範囲内に2
枚の誘電体マスクの開口パターンを確実に保持すること
ができる。このため、パターン精度の良いレーザ転写加
工を行うことが可能になる。さらに、本実施例の2枚の
誘電体マスクの開口パターンは、各開口部14と14′
の位置が、XまたはY方向に多少ずれてもレーザ光通過
部13の領域および形状がそのまま保持されるため、ア
ライメントを容易に行うことができるだけでなく、常に
パターン精度の良いレーザ転写加工を行うことが可能で
ある。
【0043】また、上記相対する2枚の誘電体マスク間
に不活性ガスとしてヘリウムガスを流通させて使用した
ところ、前記図1に示す実施例1における窒素ガス使用
の場合と同様に、空気中で使用する場合に比較して温度
環境が改善され、レーザ転写加工用マスクの寿命を大幅
に延長できることが確認された。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、レーザ転
写加工用マスクのパターン形成された誘電体マスク内
に、たとえ白点欠陥が存在しているような場合でもその
白点欠陥を容易に補正し、白点欠陥に起因する加工欠陥
を防止して正確なパターン転写加工を行うことができる
効果を奏する。
【0045】また、レーザ転写加工時に発生する塵埃
が、開口パターン面に付着することが無くなることから
塵埃除去のための洗浄が不要となり、従来に比べてレー
ザ転写加工用マスクの寿命を延ばすことが出来る効果も
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ加工用マスクの第1の実施例を
示す断面図である。
【図2】図1に示すレーザ加工用マスクを用いた多層回
路基板の作製プロセスを示す図である。
【図3】本発明のレーザ加工用マスクの第2の実施例を
示す断面図である。
【図4】本発明のレーザ加工用マスクの第3の実施例の
説明図で、2枚の誘電体マスクの開口パターンを重ね合
わせた図である。
【図5】従来の誘電体マスクの白点欠陥に誘電体多層膜
を成膜した例を示す断面図である。
【図6】従来の誘電体マスクのパターン形成プロセスの
比較例を示す図である。
【符号の説明】
1…レーザ光、2、2′、2″…誘電体多層膜、3、
3′…透光性基板、4…両面接着シート、5、5′…白
点欠陥、6…固定治具、7…基板、8…金属膜パター
ン、9…ポリイミドフィルム、10…バイアホール、1
1…金属スタッド、12…成膜物質、13…レーザ光通
過部、14、14′…開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志儀 英孝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 今井 勉 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内 (72)発明者 鈴木 堅吉 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光の透過する部分のパターンを被
    加工物に転写させるレーザ転写加工用マスクにおいて、
    前記レーザ光を透過させる透光性の基板と、前記レーザ
    光を反射する機能を有するとともに前記基板面に部分的
    に前記レーザ光を透過させる開口パターンを設けた誘電
    体多層膜とからなる誘電体マスクを2枚形成し、該2枚
    の誘電体マスクを誘電体多層膜を内側にして相対させ、
    該相対した誘電体多層膜の開口パターンを位置決め後、
    両誘電体マスク間を固定したことを特徴とするレーザ転
    写加工用マスク。
  2. 【請求項2】 前記2枚の誘電体マスクが、誘電体多層
    膜面を互いに密着させて位置決め固定されてなる請求項
    1記載のレーザ転写加工用マスク。
  3. 【請求項3】 前記2枚の誘電体マスクが、誘電体多層
    膜面間に形成した一定の隙間を介して近接させて位置決
    め固定されてなる請求項1記載のレーザ転写加工用マス
    ク。
  4. 【請求項4】 前記2枚の誘電体マスクが、互いに鏡像
    の位置関係の開口パターンを有する誘電体多層膜にて構
    成されてなる請求項1、2または3記載のレーザ転写加
    工用マスク。
  5. 【請求項5】 前記2枚の誘電体マスクが、互いに鏡像
    の位置関係を有し、かつ同一形状で異なる大きさの開口
    部からなる開口パターンを有する誘電体多層膜にて構成
    されてなる請求項1、2または3記載のレーザ転写加工
    用マスク。
  6. 【請求項6】 前記2枚の誘電体マスクが、多数の縦長
    長方形の開口部からなる開口パターンを有する誘電体マ
    スクと、該誘電体マスクの各開口部と十字状にクロスす
    る多数の横長長方形の開口部からなる開口パターンを有
    する誘電体マスクとからなる請求項1、2または3記載
    のレーザ転写加工用マスク。
  7. 【請求項7】 前記2枚の誘電体マスクが、該2枚の誘
    電体マスクの誘電体多層膜面間に形成した隙間に、不活
    性ガスを流通させて使用される構成からなる請求項3記
    載のレーザ転写加工用マスク。
JP20875694A 1994-09-01 1994-09-01 レーザ転写加工用マスク Pending JPH0876357A (ja)

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