JP5737924B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置に関する。
固体撮像素子は、電荷転送型固体撮像素子と、X−Yアドレス型固体撮像素子に大別される。電荷転送型固体撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサに代表される。X−Yアドレス型固体撮像素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサに代表される。そして、近年、後者の固体撮像素子、例えばCMOSイメージセンサは、特に、携帯電話等のモバイル機器向けの低消費電力カメラモジュールや、高感度の電子スチルカメラに搭載され用いられている。また、CMOSイメージセンサでは画素ごとに電荷を信号出力に変換するためのアクティブ素子を用いることが特徴である。
しかし、画素ごとの閾値ばらつきやリセット時の熱ノイズが存在するため、画像の固定パターンノイズやランダムノイズが発生し、画像の品質を向上させる際の障害となっている。これらのノイズを取り除くために、リセット後のリセットノイズ出力と電荷転送後の出力の差分を求めることで画像信号を読み出すノイズ低減策(CDS:Correlated Double Sampling)が提案されている。
しかしながら、撮像素子にCMOSイメージセンサを用いる場合、CDSを行うことによる問題点が存在する。X-Yアドレス型のCMOSイメージセンサは、各行ごとに信号を読み出す構造になっている。強い光が入射し、フォトダイオードが飽和レベルに近い状態になった場合、電荷を電圧に変換するソースフォロワ(以下、SF)から出力されるリセット後のリセットノイズ出力と電荷転送後の出力の信号差は大きくなる。特に、ある行で複数のフォトダイオードが飽和するような光が照射された場合、大きく変動したSFの出力が、寄生容量を介して列アンプの基準電圧を変動させることがある。基準電圧は全ての列アンプで共通に使用しているため、列アンプの基準電圧の変動は、その行のすべての出力信号に影響を与えることになる。この問題は電荷転送後の出力信号においてのみ発生するため、CDSを行うことによって強い光が被写体に存在する場合、特定行の画像信号値が低下し、黒い帯が発生する可能性がある。
この問題を回避する方法として、信号処理時のOBクランプの補正係数を変更する方法が知られている。OB(オプティカルブラック)とは受光画素部の中で遮光されており、入射光に依存しない画素出力のことを表す。前記方式は、行全体がオフセット値を持って変動する特性がある点に着目して、後段の信号処理で補正する方法である。具体的にはOBクランプ処理にて補正を行う。この処理はアナログ信号をAD変換する際に、OBの電圧値を予め設定した基準値になるようにオフセット値を加算するものである。OB画素部は遮光されているため外光の影響で出力電圧が変化することは無いが、温度等の環境の変化に伴い変動することがある。そのため、OB画素部をある値に置き換えて基準とするためには、前述のオフセット値も環境の変化に伴いフィードバックする必要がある。このフィードバック制御をOBクランプという。
例えば、OB画素部の電圧値と目標値との差分がSとしたら、Sに補正係数を掛けたものをオフセット値として加算する。次の読み出しで(電圧値+オフセット値)と目標値の差分に補正係数をかけたものを更にオフセット値に加算する。これを繰り返すことでオフセット値が適正に近づき、(電圧値+オフセット値)≒目標値となる。ここで、補正係数が大きいほど、オフセット値が適正に早く近づくが、OB画素部にノイズが発生した際に、その影響を受けやすくなる。黒い帯が発生したら、開口部と同じ量の変動がOB画素部でも発生しているため、予めOBクランプの補正係数を上げることで、変動量をOB画素部のオフセット値へ加算し、目標値へ早く収束させることができ、開口部を読み出すときに黒い帯の影響を受け難くなる。
しかしながら、この方法は、読み出し行のOB画素部の画素数と補正係数の上限によって補正の可否が決まる。OB画素部の画素が少なかったり、補正係数が上げられない場合は、開口部の読み出し時に目標値に黒レベルを合わせたりすることが出来ず、黒い帯が残ることもある。
例えば、被写体の光学像を電気信号に変換して撮像信号として出力するとともに、光学的黒領域から得られる電気信号を撮像信号として出力する撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−217262号公報
OBクランプの補正係数を上げることは、黒い帯を軽減するのに有効であるが、その反面、OB画素部が暗電流の影響を受けた際に、暗電流に対してOBクランプをするため、補正係数を上げた際には、より暗電流の影響が現れやすくなる。特に、黒い帯が目立つのは高感度動作をしているときが多く、常にOBクランプの補正係数を高くすることはOB画素部のノイズの影響で画質を低下させやすいという課題がある。
本発明は、上記の課題、すなわち、高輝度時の画像信号の出力低下を防止し、高輝度画素と同時に読み出される同一行画素の出力変動を防止することを目的とする。
本発明の撮像装置は、2次元行列状に配置された開口された複数の有効画素及び遮光された複数の遮光画素を有し、各画素が光学像を電気信号に変換する画素アレイ部と、前記遮光画素の信号と目標値との差分に対応する補正値を前記有効画素の信号に加算するクランプ回路と、前記クランプ回路の出力信号を信号処理する画像信号処理回路とを有し、前記画像信号処理回路は、前記画素アレイ部の同一行の画素の信号の平均値を算出する平均化部と、前記平均値を複数行にわたって積算することにより積算値を算出する積算部と、前記平均化部により算出された所定の行における平均値と、前記積算部により算出された積算値との差分を算出する差分算出部と、前記差分算出部により算出された差分と第1の閾値とを比較する第1の比較部と、前記差分が前記第1の閾値より大きいときには、次回の撮影における前記目標値を変更する目標値変更部と、前記差分算出部により算出された差分と前記第1の閾値より小さい第2の閾値とを比較する第2の比較部と、前記差分が前記第2の閾値より大きいときには、前記差分算出部により算出された差分を基に、前記所定の行の前記有効画素の信号を補正する補正部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、高輝度時の画像信号の出力低下を防止し、高輝度画素と同時に読み出される同一行画素の出力変動を防止することが出来る。
本発明の実施形態に係わる撮像装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係わる撮像素子の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態に係わる撮像素子の内部回路示す回路ブロック図である。 本発明の実施形態に係わるクランプ回路のブロック図である。 高輝度の被写体を撮影した際の模式図である。 本発明の第1の実施形態におけるフローチャートである。 画像信号補正の効果をあらわした模式図である。 画像信号補正の効果をあらわした模式図である。 本発明の第2の実施形態におけるフローチャートである。 本発明の第3の実施形態におけるフローチャートである。 本発明の第4の実施形態におけるフローチャートである。 本発明の第5の実施形態におけるフローチャートである。 本発明の第6の実施形態におけるフローチャートである。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の構成例を示すブロック図であり、撮像装置の例としてデジタルスチルカメラの構成例を示す。レンズ101は、被写体からの光学像(被写体像)を、メカシャッタ103を介して固体撮像素子105に結像させるレンズ群である。このレンズ101は、レンズ駆動部102によって駆動制御され、例えば、ズーム、フォーカス、絞り等が調整される。メカシャッタ103は、撮像素子105を所定時間露光した後、遮光する機能を有する。このメカシャッタ103は、シャッタ駆動部104によって駆動制御される。撮像素子105は、レンズ101から入力された光学像を電気信号の画像に変換する。例えばCMOSイメージセンサに代表されるX−Yアドレス型固体撮像素子である。撮像素子105は、被写体を撮像し、被写体像に基づくアナログ信号の画像を生成する。撮像素子105により撮像されたアナログ信号の画像(画像信号)は、AD変換部106に出力される。
AD変換部106は、撮像素子105より出力されたアナログ信号をTG108から出力されるタイミング信号に基づくタイミングで、デジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換手段である。ここで、AD変換部106には、相関二重サンプリングを行うCDS回路や、ゲイン調整を行うPGA回路、AD変換処理を行う際に、アナログ信号を予め決めておいた値を基準としたデジタル値に変換するOBクランプ回路も含まれている。AD変換部106で変換処理されたデジタル信号は、画像信号処理回路107に出力される。画像信号処理回路107は、AD変換部106の出力信号を信号処理する。具体的に、画像信号処理回路107は、画像信号処理として、例えば、各種の補正処理、画像データの圧縮処理などを行う。TG108は、撮像素子105、AD変換部106、画像信号処理回路107に対して、駆動するためのタイミング信号を出力するタイミングジェネレータである。このTG108から出力される各種のタイミング信号は、全体制御演算部111から供給される基準クロック信号に基づくものである。
第1のメモリ部109は、画像信号処理回路107で処理された画像データや演算結果等を一時的に記憶する。全体制御演算部111は、デジタルカメラ全体の制御と各種の演算を行う。また、全体制御演算部111は、必要に応じて、デジタルカメラのシステム設定情報等や処理プログラムを第2のメモリ部110から読み出す。記録媒体制御I/F(インターフェース)部112は、記録媒体113に対する画像データの記録又は読出しを行う。表示部114は、画像データに基づく画像の表示を行う。記録媒体113は、例えば、半導体メモリからなるメモリカード等の着脱可能な記憶媒体である。外部I/F部115は、外部のコンピュータ116等と通信を行うためのインターフェースである。操作部117は、ユーザーが、デジタルカメラを起動させる際や、露出条件、ズーム位置、駆動モード等のデジタルカメラのシステム設定情報などを変更する際に操作されるものである。そして、操作部117は、ユーザーからデジタルカメラのシステム設定情報の変更に係る変更情報が入力されるたびに、その変更情報を全体制御演算部111へ入力する。この操作部117は、例えば、電源スイッチ、シャッタボタン、モード切り換えスイッチ、操作入力群等を含むものである。
図2は、CMOSイメージセンサに代表されるX−Yアドレス型撮像素子105の構成を示すブロック図である。固体撮像素子105は、画素アレイ部201に加えて、読出し行選択回路202、列信号処理回路206、読出し列選択回路207が半導体基板(チップ)200上に形成された構成となっている。ただし、必ずしも上記周辺回路の構成に限定されているわけではなく、例えば、AD変換部106が半導体基板200内に配した構成を採ることも可能である。画素アレイ部201は、開口部204とOB画素部205が2次元行列状(マトリクス状)に配置され、各画素が光学像を電気信号に変換する。開口部204は、画素ごとに所定のカラーコーディングを持つカラーフィルタが形成され、開口された複数の有効画素を有する。開口部204は、レンズ101から光を受光する光を光電変換して電気信号として出力する。OB画素部205は、遮光された複数の遮光画素を有し、後段の画像処理で、画像の黒基準を決める際に使用される。
読出し行選択回路202は撮像素子105から読出し行を選択する。読出し列選択回路207は、垂直信号線208の出力信号を列毎に選択することで、選択された画素アレイ部201の出力信号を列信号処理回路206から出力する。また、列信号処理回路206は読出し回路も有しており、画素アレイ部201の信号レベルとリセットレベルを出力する。信号を順次読み出す場合には読出し行選択回路202より順次一つずつ行を選択すると共に、一つの行が選択されている間、読出し列選択回路207により順次一つずつ列を選択する。そして、画素アレイ部201の信号を1画素ずつ即座に且つ順次読出し回路を含む列信号処理回路206に読出していく。
図3は、画素アレイ部201内の回路構成の一例を示す回路図である。ここでは、所定の行における1つの画素に関して例示する。画素300は、光電変換素子、例えばフォトダイオード301に加えて、例えば転送トランジスタ302、リセットトランジスタ303、選択トランジスタ304、及び増幅トランジスタ305の4つのトランジスタを有する画素回路となっている。ここでは、これらトランジスタ302〜305として、例えばNチャネルのMOSトランジスタを用いている。転送トランジスタ302は、フォトダイオード301のカソードとフローティングディフュージョン部(以下、「FD部」と記す)306の間に接続されるとともに、転送線310にゲートが接続されている。そして、転送トランジスタ302は、ゲートに転送線310を介して転送パルスTRが与えられることでオン状態となり、フォトダイオード301で光電変換され、蓄積された信号電荷(ここでは、電子)をFD部306に転送する。
リセットトランジスタ303は、電源電位VDD307にドレインが、FD部306にソースが、リセット線309にゲートがそれぞれ接続されている。そして、リセットトランジスタ303は、フォトダイオード301からFD部306への信号電荷の転送に先立って、ゲートにリセット線309を介してリセットパルスRSTが与えられることで導通状態となってFD部306の電位を電源電位VDDにリセットする。
増幅トランジスタ305は、FD部306にゲートが、選択トランジスタ304のソースにドレインが、垂直信号線311にソースがそれぞれ接続されている。増幅トランジスタ305は、リセットトランジスタ303によってリセットした後のFD部306の電位をリセットレベルとして垂直信号線311に出力する。さらに、増幅トランジスタ305は、転送トランジスタ302によって信号電荷を転送した後のFD部306の電位を信号レベルとして垂直信号線311に出力する。
選択トランジスタ304は、選択信号線308がゲートに、電源電位VDD307にドレインが、増幅トランジスタ305のドレインにソースがそれぞれ接続されたソースフォロア構成となる。そして、選択トランジスタ304は、ゲートに選択信号線308を介して選択パルスSELが与えられることで導通状態となり、増幅トランジスタ305の出力を垂直信号線311に出力することによって画素300を選択することが出来る。また、この選択トランジスタ304については、増幅トランジスタ305のソースと垂直信号線311間に接続した構成を採ることも可能である。
垂直信号線311は、各列に配置された複数の画素300と容量313を介して一つの列アンプ314に接続されている。読出し列選択回路207によって選択された画素の出力を垂直信号線311から列アンプ314へ入力する。列アンプ314は、垂直信号線311から入力された電圧を垂直出力線311から入力された電圧を増幅して出力する。その際、垂直信号線311からの電圧と、列アンプ314の基準電圧VREF312との差分電圧が、容量313、容量314により決められる増幅率に基づいて増幅され、出力される。
318はN信号を記憶するサンプルホールド回路(以下、S/H(N))であり、319はS信号を記憶するサンプルホールド回路(以下、S/H(S))である。316はS/H(N)318への読み出し期間を決定する信号線、317はS/H(S)319への読出し期間を決定する信号線である。また、FD部306及びSFを複数のフォトダイオード301で共有する構造においても、本実施形態の動作を行うことで、同様の効果を得ることができる。初期状態では、転送トランジスタ302、リセットトランジスタ303、選択トランジスタ304はオフの状態である。また、フォトダイオード301、FD部306は電源電位VDDと同電位である。
通常は光電変換処理された信号に暗電流が加わった信号が出力されるため、受光せずに暗電流のみの信号も別途読み出し、それらを減算することで求めたい光電変換信号のみを抽出する目的で行う。撮影動作が開始され、フォトダイオード301に光が入射されると、電気信号が発生し、蓄積を開始する。撮影動作が開始され、フォトダイオード301に光が入射されると、電気信号が発生し、蓄積を開始する。
(N信号の読み出し)
1度目は、リセットトランジスタ303をオンし、FD部306を電源電位VDDと同電位にした後に、リセットトランジスタ303をオフした状態で、選択トランジスタ304をオンにして、N信号の読み出しを行う。このとき、暗電流の影響を受けて電圧が変動すると、その変動分が加算されて出力される。その電圧が容量313を介して列アンプ314へ印加され、基準電圧VREF312との差分が容量313、容量315によって決められた増幅率で増幅されて出力される。この出力されたN信号を、信号PTNのハイレベル期間にS/H(N)318に記憶する。
(S信号の読み出し)
その後、リセットトランジスタ303をオフにした状態で、選択トランジスタ304をオンにして、信号の読み出しを行う。このとき、撮像素子105の画素アレイ部201に入射した光は、フォトダイオード301によって光電変換される。予め決められた蓄積時間を経過すると転送トランジスタ302がオンして、フォトダイオード301の電荷はFD部306へ転送され、転送トランジスタ302はオフになる。そして、選択トランジスタ304がオンすると、FD部306の電圧に応じて増幅用トランジスタ305から、垂直出力線311へ電圧が印加される。また、1度目のN信号読み出しで暗電流による変動があった場合、2度目のS信号読み出しでも同様の変動が発生し、読み出し信号に加算される。その電圧が容量313を介して列アンプ314へ印加され、基準電圧VREF312との差分が容量313、容量315によって決められた増幅率で増幅されて出力される。この出力されたS信号を、信号PTSがハイレベル期間中にS/H(S)319に記憶する。
なお、ここでは、画素300の回路構成として、4つのトランジスタ302〜305を有する回路構成のものを例に挙げて説明したが、4トランジスタ構成のものに限られるものではない。増幅トランジスタ304を選択トランジスタとして兼用した3トランジスタ構成のものでも良い。また、FD部306及びSFを複数のフォトダイオード301で共有する構造においても、本実施形態の動作を行うことで、同様の効果を得ることができる。
次に、高輝度画素と同時に読み出される同一行画素の出力が変動する問題に関して説明する。すでに述べたようにN信号はリセット電圧に依存した値を出力するため、フォトダイオード301の影響を受けず、被写体の輝度に依存しないN信号を得ることができる。一方で、読み出した画素のS信号は被写体の輝度に依存する。そのため、被写体の輝度が高い場合、直前に読み出しているN信号との信号差が大きくなり、増幅トランジスタ305の出力が短時間で大きく変動することになる。増幅トランジスタ305の出力の急峻な変動は、列アンプ314の入力部の寄生容量320を介して、基準電圧VREF312に影響を与える。ここで、基準電圧VREF312は全ての列アンプ314で共通に使用しているため、所定の画素300において発生した基準電圧VREF312の変動は、行全体のS信号に影響を与えてしまう。上述したように画像信号は、S信号とN信号の差分を取ることで得ることができるが、基準電圧VREF312の変動はS信号にのみ影響を与えるため、図5に示すように、S信号とN信号の差分として得られる画像信号値は、本来の値とは異なったものとなる。205はOB画素部、501は正常部、502は高輝度部、503は異常部である。
図4は、本実施形態におけるAD変換部106内のOBクランプ回路の構成例を示す。OBクランプ回路は、図4のように構成されている。S/H部401は、撮像素子105の出力信号であるS信号とN信号を、決められたタイミングでサンプルホールドして信号値を読み出す。PGA部402は、撮像素子105の出力感度ばらつきの補正や、撮像装置の感度設定を切り換える為のゲイン変換手段であるが、以降、本実施形態を説明するにあたり簡略かつ明確に説明するために、ゲイン1倍として簡易的に扱うものとする。A/D変換部403は、PGA部402から増幅出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。OB補正部404では、目標値とOB信号の差分を出力する。ここで、OBの目標値114は、セレクタ405によって選択される。セレクタ405は、後述する後段の画像信号処理回路107においてOB信号の変動を検出した結果から、目標値114を決定する。演算部407は、OB補正部404より入力された信号に補正係数を乗算した補正値を出力する。ここで、補正係数は1未満でなければ、OB信号は収束しない。D/A変換部408は、演算部407からのデジタル入力信号をアナログ信号に変換する。バッファ部409は、D/A変換部408より出力されたアナログ信号を電流増幅して、S/H部401の出力に加算することによりフィードバックする。このアナログ信号は、演算部407により求められた補正値が電圧に変換されたものである。
次に、OBクランプの動作について説明する。撮像素子105より出力されたOB画素部205のS信号とN信号は、S/H部401に入力されて差動増幅し、OB信号として出力する。このとき、バッファ部409からの入力信号を、S信号に加算して差動増幅処理を行う。その結果は、PGA部402によって所定のゲイン倍された後、A/D変換部403によってデジタル信号に変換される。次に、OB補正部404は、目標値とOB信号との差分を求める。その差分値に対して、演算部407で補正係数を乗算し、補正値を決定する。補正値は、D/A変換部408でアナログ信号に変換され、バッファ部409で電流増幅される。増幅された信号は、S/H部401でS信号に加算される。OB画素部205の読出しが終わると、開口部204の読出しを行う。開口部204の読出しでは、S/H部401からA/D変換部403までの動作はOB画素部205と同様である。OB補正部404では、目標値との減算処理を行わず、演算部407でも補正量を更新せず、OB画素部205の最後の画素で求められた補正量をそのまま使用する。以上のように、OBクランプ回路は、OB画素部205の遮光画素の信号と目標値114との差分に対応する補正値を開口部204の有効画素の信号に加算する。
図6は、本実施形態における動画モードのような連続動作を行う駆動モード時に、画像信号処理回路107において画像信号の変動を検出し、画像信号の変動による撮影画像への影響を軽減する流れを示す。
図6の記号はそれぞれ、以下の意味である。
HOB(n):n行目の遮光画素の信号の平均値
ΣOB(K):K行目までの少なくとも1行以上の平均値の積算値
TH1:第1の閾値
TH2:第2の閾値
OBC1:OBレベルの第1の目標値
OBC2:OBレベルの第2の目標値
(OBC1<OBC2)
撮影が開始し(ステップS101)、OBレベルの目標値はセレクタ405によって第1の目標値OBC1に設定される(S102)。必要な露光が行われた後、各行の画像信号値を行ごとに順次取得する(ステップS103)。次に、取り込んだ画像信号を、AD変換部106を用いてデジタル信号に変換する。その後、画像信号処理回路107の平均化部は、画素アレイ部201の同一行のOB画素部205の遮光画素の信号の平均化を行い、平均値HOB(n)を算出する(ステップS104)。次に、画像信号処理回路107の差分算出部は、所定のn行目における平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)の差分を算出する(ステップS105)。次に、画像信号処理回路107の第1の比較部は、平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)の差分と、第1の閾値TH1とを比較する(ステップS105)。平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)の差分は注目行における信号値の変動量を表しており、その変動量が所定量以下あるいは以上かどうか各行において判別することで、画素信号の変動を検出することになる。画像信号処理回路107の目標値変更部は、比較した結果、平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)
の差分が第1の閾値TH1より大きい場合、第1の閾値TH1より大きい変動があったことを、メモリ部109に記憶させる。全体制御演算部111は、メモリ部109に記憶された大きい変動があったことを示す情報を基にして、図6に示すように、TG108にOBレベルの目標値を第1の目標値OBC1から第2の目標値OBC2へ切り換えるよう設定する(ステップS106)。第2の目標値OBC2は、第1の目標値OBC1より大きい。すなわち、OBクランプ回路の目標値が大きくなるように目標値が変更される。次回の撮影時には、TG108からセレクタ405へ設定を行い、セレクタ405はOBレベルの目標値を切り換える。また、画像信号処理回路107の第2の比較部は、算出した平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)の差分と、第2の閾値TH2とを比較する(
ステップS107)。画像信号処理回路107の補正部は、比較した結果、上記の差分が第2の閾値TH2より大きかった場合、注目行の画像信号は基準電圧VREFの変動の影響を受けていると判断し、画像信号値の補正を行う(ステップS108)。具体的には、平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)の差を用いた次式(1)で表される補正値
を、注目行の有効画素の画像信号値に加算する。ここで、α及びβは定数である。
(補正値)=α×(HOB(n)−ΣOB(n−1))+β (1)
すなわち、画像信号処理回路107の補正部は、上記の差分を基に、所定のn行目の開口部204の有効画素の信号を補正する。この補正によって、画像信号値の変動を軽減することができる。一方で、第2の閾値TH2との比較の結果、基準電圧Vrefの変動の影響を受けてないと判断された場合、ステップS109へ進む。ステップS109では、画像信号処理回路107の積算部は、算出した平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−
1)から、次の行の変動検出に使用する平均値の積算値ΣOB(n)を算出する。具体的
には、画像信号処理回路107の積算部は、平均値を複数行にわたって積算することにより積算値ΣOB(n)を算出する。そして、上記の検出・補正動作を実施した画像信号が
画像信号処理回路107より出力される(ステップS110)。これら、ステップS103〜ステップS110の動作を各行ごとに順次実行し(ステップS111)、検出・補正動作を必要とするすべての行で検出・補正動作を実行した後に撮影終了となる(ステップS112)。
次に、2つの閾値TH1,TH2と2つのOBレベルの目標値OBC1、OBC2を用いることの効果に関して説明する。図7(A)において、700は信号処理補正前の画像、701はダイナミックレンジ、702は有効画素のダイナミックレンジ、703はOB部の変動、704は出力変動である。710は信号処理補正後の画像、711はダイナミックレンジ、712は有効画素のダイナミックレンジ、713は補正量である。通常であれば、行ごとの出力変動は、ステップS108における画像信号補正を行うことで低減することができる。しかし、ステップS108の画像信号補正においては、出力変動が大きいシーンにおいて効果を十分に得ることができない場合がある。ステップS108の画像信号補正が有効に働かないシーンが存在する。それは、撮像素子105内で発生する暗電流ノイズの影響を抑えるため、AD変換部106内でOBクランプの動作をする際に、OB画素部205の信号値をある目標値OBC1にするOBクランプを行うためである。一般的に目標値OBC1は、AD変換部106の限られたダイナミックレンジを、画像信号用に広く確保するため、ダイナミックレンジの下限近くに設定することが望ましい。
しかし、OB画素の信号において、基準電圧VREF312の変動の影響でOBC1以上の逸脱した出力変動が発生した場合、図7(B)で示すように、AD変換部106のダイナミックレンジの下限値を下回ってしまう可能性がある。720は信号処理補正前の画像、721はダイナミックレンジ、722は有効画素のダイナミックレンジ、723はOB部の変動、724は出力変動である。730は信号処理補正後の画像、731はダイナミックレンジ、732は有効画素のダイナミックレンジ、733は補正量、734は補正残り量である。この場合、AD変換部106からの出力は、下限値でクリップされてしまうため、正常なOB画素部205の信号値を取得することができなくなり、画像信号補正の効果が充分に得られない。つまり、ステップS108における画像信号補正の効果を十分に得るためには、変動を検出するOB画素の変動量を精度良く検出する必要がある。本実施形態の撮像装置においては、第1の閾値TH1と第2の閾値TH2の2つの閾値を設けることで、この問題を軽減している。具体的には、第1の閾値TH1を、第2の閾値TH2より大きくかつ第1の目標値OBC1以下の値に設定する。このように閾値を設定することで、信号変動が小さいシーンにおいては、第2の閾値TH2との比較によるステップS108における画像信号補正で信号変動を低減する。そして、信号変動が大きいシーンにおいては、セレクタ405によってOBレベルの目標値を第2の目標値OBC2へ変更することによってOBレベルの変動を精度良く検出できる。
その後、図8に示すように、信号補正をすることで信号変動を低減することができる。800は信号処理補正前の画像、801はダイナミックレンジ、802は有効画素のダイナミックレンジ、803はOB部の出力変動、804は出力変動である。これに対し、810は信号処理補正後の画像、811はダイナミックレンジ、812は有効画素のダイナミックレンジ、813は補正量である。
ここでは、各行にあるOB画素部205の変動を検知する方法に関して例示したが、比較に用いる平均値を求める画素をOB画素部205以外の開口部204に置き換えてもよい。すなわち、画像信号処理回路107の平均化部は、同一行のOB画素部205の遮光画素の信号の平均値を算出、又は同一行の開口部204の有効画素の信号の平均値を算出する(ステップS104)。第1の閾値TH1との比較に用いる平均値として、有効画素を用いた場合、第1の閾値TH1の値は、AD変換部106のダイナミックレンジ上限近くの値であることが望ましい。また、第1の閾値TH1と第2の閾値TH2との比較に用いる平均値は、それぞれ異なる領域から求めてもよい。
以上により、画像出力信号に目標値以上の変動が発生してしまう場合においても、画像出力信号の変動を検出し、目標値を切り換えることにより、同一行の画像信号の変動を精度良く検出し、画像信号補正を行うことで鮮明な画像を得ることが出来る。
(第2の実施形態)
第1の実施形態において、動画記録等の連続する動作モードに関して、画像信号の変動による撮影画像への影響を軽減する基本的な流れを示したが、本発明の第2の実施形態では、静止画撮影のような、連続しない動作モードについて示す。そのため、デジタルカメラにおいて静止画を撮影する際、画像信号の変動は、静止画撮影前の駆動モード例えばEVF(Electronic View Finder)時に画像信号の変動を検出する。本発明の第2の実施形態での撮像装置の構成、画素構造、画素回路、画像信号に変動を検知した際の画像信号値の補正式等は第1の実施形態と同様である。
図9は、本発明の第2の実施形態による静止画撮影時の画像信号の変動による撮影画像への影響を軽減する流れを示す。画像信号の基本的な検出に関しては第1の実施形態と同様である。撮影が開始されると、EVFモードで動作が始まる(ステップS201、ステップS202)。その際、OBレベルの目標値は第1の目標値OBC1が設定されており、必要な露光が行われた後、各行の画像信号値を行ごとに順次取得する(ステップS203)。その後のステップS204〜S212の説明は第1の実施形態のステップS103〜S111と同様であるので省略する。
EVF動作中に、撮影ボタンが押されると(ステップS213)、静止画動作に切り替わる(ステップS214)。その際、前駆動モードのEVF動作での画像信号の検出結果から、セレクタ405によって目標値OBC1又はOBC2を設定する(ステップS215)。EVF動作時に平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)の差分が第1の閾値
TH1より小さい場合は、セレクタ405によって、OBレベルの目標値が第1の目標値OBC1に設定される。EVF動作時に平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)の
差分が第1の閾値TH1より大きい場合、つまり第1の閾値TH1より大きい変動があったと検出された場合はセレクタ405によって、OBレベルの目標値が第2の目標値OBC2に設定される。
その後、第1の実施形態で示したステップS103〜S111の動作と同様に、ステップS216〜S224を各行ごとに順次実行し、検出・補正動作を必要とするすべての行で検出・補正動作を実行し、その後記録される(ステップS225)。撮影画像が記録された後、続けて、静止画を連射撮影する場合は、ステップS215に戻り、再度、静止画の撮影の動作が行われる(ステップS226)。撮影が終わり、電源がオフされた場合は撮影終了となり、電源がオフされない場合は、再びEVF動作を行う(ステップS227、ステップS228)。本実施形態では、静止画動作に切り替わる前の駆動モードをEVFモードとしたが、被写体のピントを合わせるためのAFモードや、測光用のEFモードであってもよい。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態においては、画像信号の変動を検出し、画像信号の変動による撮影画像への影響を軽減するために、OBレベルの目標を切り換えることを例示した。固体撮像素子を用いたデジタルカメラなどの撮像装置は、連続して複数の画像を取得し、動画形式として記憶することができる。その際に、記憶した動画をTVモニタ等の汎用機器で画像を鮮明に再生にするためには、OB画素部以外の有効画素を表現するためのダイナミックレンジを少なくともある程度残さなければならない。そこで、本発明の第3の実施形態では有効画素のダイナミックレンジを確保するためにOBレベルの目標値に上限を設けることについて例示する。第3の実施形態での撮像装置の構成、画素構造、画素回路、画像信号に変動を検知した際の画像信号値の補正式等は第1の実施形態と同様である。
図10は、本発明の第3の実施形態により連続して画像を撮影する場合の流れを示す。撮影を開始し(ステップS301)、1枚目の画像取得する(ステップS302)。画像信号処理回路107は、取得した画像において、OBレベルの目標値の切り換えが必要か否かを判断するため、上記の差分が第1の閾値TH1を上回ったかどうかの比較を行う(ステップS303)。その後、画像信号処理回路107は、OBレベルが所定のADレンジ以下に収まっているかどうかを判断する(ステップS304)。第1の閾値TH1より大きい変動があり、かつ現在のOBレベルが所定のADレンジ以下であった場合、次の撮影動作において、OB画素部205の目標レベルをセレクタ405によって切り換える動作を行う(ステップS305)。その後、画像の取得が終了する(ステップS306)。そして、連続して撮影される画像において、撮影画終了するまで逐次ステップS302からステップS306の動作を行う(ステップS307、S308)。この動作を行うことで、変動が第1の閾値TH1以下になるまで、画像信号の変動による撮影画像への影響を抑えることができる。これにより、OB画素部205の目標レベルに対して上限を設定してあるため、動画等における有効画素を表現するために必要なダイナミックレンジを確保できる。
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、有効画素のダイナミックレンジを確保するためにOBレベルの目標値に上限を設けることに関して示した。すでに述べてように、OBレベルの目標値を切り換えて上げることは、有効画素部を表現するためのダイナミックレンジを削ってしまうため画質の劣化につながる。そのため、OBレベルの目標値を切り換えて上げることは、必要なシーンのみで実施することが望ましい。すなわち、画像信号の変動を検知して、OB部の目標レベルを切り換えて上げた状態において、画像変動がなくなった場合には、速やかにOB部の目標レベルを下げ、元に戻すことが必要となる。本発明の第4の実施形態での撮像装置の構成、画素構造、画素回路、画像信号に変動を検知した際の画像信号値の補正式等は第1の実施形態と同様である。以下では、第3の閾値TH3との比較結果を基にOB画素部205の目標レベルを切り換える(下げる)手順に着目して例示する。
図11は、本発明の第4の実施形態により画像信号の変動を検出し、画像信号の変動による撮影画像への影響を軽減する流れを示す。図11において、TH3は第3の閾値を示す。撮影が開始し、第2の閾値TH2との比較を実行するステップS401〜S409は、第1の実施形態のステップS101〜S109と同様の動作となる。本実施形態においては、その後、画像信号処理回路107の第3の比較部は、上記の差分と第3の閾値TH3とを比較することで、OBレベルの目標値を下げるかどうかを決定する(ステップS410)。画像信号処理回路107の目標値変更部は、比較した結果、平均値HOB(n)と積算値ΣOB(n−1)の差分が第3の閾値TH3より大きい場合、第3の閾値TH3より大きい変動があったことを、第1のメモリ部109に記憶させる(ステップS411)。その後、画像信号処理回路107は、画像信号を出力する(ステップS412)。そして、ステップS403〜ステップS412の動作を各行ごとに順次実行し(ステップS413)、検出・補正動作を必要とするすべての行で検出・補正動作を実行する。全体制御演算部111はメモリ部109に記憶された情報を基にして、第3の閾値TH3より大きな変動がなかった場合、次回の撮影時に、TG108にOBレベルの目標値を下げるよう設定する(ステップS414、ステップS415)。すなわち、画像信号処理回路107の目標値変更部は、全行にわたって上記の差分が第3の閾値TH3以下であるときには、OBクランプ回路の目標値が小さくなるように目標値を変更する。次回の撮影時にTG108からセレクタ405へ設定を行い、セレクタ405はOBレベルの目標値を切り換える。ここで、第3の閾値TH3は、第2の閾値TH2以下の値に設定することが望ましい。このように設定することで、OBレベルの状態遷移ヒステリシスを持つことができ、状態のハンチングの発生を抑えることができる。その後、撮影は終了する(ステップS416)。以上より、第3の閾値TH3を設けることにより、画像信号の変動が発生する可能性のあるシーンにおいて、OBレベルの目標値を上げ、変動が無くなった場合は速やかにOBレベルの目標値を下げることができる。つまり、有効画素のダイナミックレンジ低下による画質の劣化の影響を抑えることができる。
(第5の実施形態)
これまで、画像信号の変動の影響を、画素信号の変化として検知し、その影響を低減する方法に関して例示した。すでに述べたように、OBレベルの目標値を上げることが必要となるのは非常に高い輝度の被写体を撮影したときである。しかし、撮影される被写体の輝度は、信号の増幅量や露光条件にも依存する。つまり、OBレベルの目標値を上げることに関して信号の増幅量や露光条件の考慮が必要となる場合がある。本発明の第5の実施形態での撮像装置の構成、画素構造、画素回路、画像信号に変動を検知した際の画像信号値の補正式等は第1の実施形態と同様である。以下では、信号増幅量や露光条件を基に、OBレベルの目標値を切り換える(上げる)手順に着目して例示する。
図12は、本発明の第5の実施形態において、OBレベルの目標値を上げ、画像信号の変動の影響を抑える流れを示す。撮影を開始し(ステップS501)、一枚目の画像取得する(ステップS502)。画像信号処理回路107の露出量算出部は、取得した画像において、画素アレイ部201の設定された露出測光エリアにて、露出量を算出する(ステップS503)。ここでは、画面全体を露出測光エリアとして用いる。その後、露出量を適正値とするために、増幅部の増幅量Aを変化させる必要があるかどうかを判断する(ステップS504)。増幅部は、図1の撮像素子105、AD変換部106、画像信号処理回路107のいずれかに設けられ、画素アレイ部201の画素の信号を増幅する。本実施形態では最適露出を算出し、最適な信号増幅量を設定しているが、シーンに応じて手動で設定してもよい。ステップS504の結果として、増幅量Aを増幅量Aupに増加するとなった場合、増幅量Aupと閾値Athとの比較を行う(ステップS505)。画像信号処理回路107の目標値変更部は、増幅量Aupが閾値Ath以上であった場合、TG108に、次回の撮影時にOBクランプ回路の目標値を上げるよう設定する(ステップS506)。次回の撮影時にTG108からセレクタ405へ設定を行い、セレクタ405はOBレベルの目標値を切り換える。
そして、全体制御演算部111は、次回撮影において、増幅部の信号増幅量を増幅量Aupにて撮影するように設定し(ステップS507)、一枚目の画像の取得を終了する(ステップS508)。そして、連続して撮影される画像において、撮影画終了するまで逐次ステップS502からステップS508の動作を行う(ステップS509、S510)。この動作を行うことで、信号変動が発生する可能性が高いシーンにおいて、OBレベルの目標値を上げることができ、画像信号の変動の影響を抑えることができる。ここでは、信号の増幅量の増加に対応してOBレベルの目標値を上げることを例示したが、これに限定されない。全体制御演算部111の露光調整部は、ステップS503で算出された露出量を基に、増幅量の他に、露光時間、絞り量、光学フィルターの有無、露出補正量、フラッシュ発光量及び露出測光エリア等のうちの少なくとも1つ以上を調整する。
以上のように、画像信号処理回路107は、ステップS503で画素アレイ部201の露出量を算出する露出量算出部を有する。画像信号処理回路107の目標値変更部は、露出量算出部により算出された露出量及び増幅部の増幅量の両方又はいずれか一方に基づき、OBクランプ回路の目標値を変更する。これにより、増幅量や露出量を基にOBクランプ回路の目標値を変更することで、画像信号の変動の影響を抑えることができる。
(第6の実施形態)
第5の実施形態では、信号増幅量や露光条件を基に画像信号の変動を予測し、OBレベルを切り換える方法に関して例示した。すでに述べたように、画像信号の変動は、信号レベルの高い画素の数量に依存している。つまり、画面内において所定以上の信号レベルの画素で構成される領域の面積によって画像信号の変動を予測することができる。本発明の第6の実施形態での撮像装置の構成、画素構造、画素回路、画像信号に変動を検知した際の画像信号値の補正式等は第1の実施形態と同様である。以下では、画面内において所定以上の信号レベルの占める面積を基にOBレベルの目標値を切り換える(上げる)手順に着目して例示する。
図13は、本発明の第6の実施形態において、OBレベルの目標値を切り換え画像信号の変動によるOBレベルの目標値を切り換える影響を抑える流れを示す。撮影を開始し(ステップS601)、一枚目の画像取得する(ステップS602)。画像信号処理回路107は、取得した画像において、画素アレイ部201の画素の信号レベルを取得する(ステップS603)。その後、画像信号処理回路107の面積算出部は、ステップS603で取得した信号レベルにおいて、画素アレイ部201の画素の信号が所定値以上である画素の領域の面積Sを算出する(ステップS604)。画像信号処理回路107は、面積Sが所定の面積範囲内(Sth1≦S≦Sth2)かどうか判断する(ステップS605)。画像信号処理回路107の目標値変更部は、面積Sが所定の面積範囲内であるときには、TG108に次回の撮影時にOBクランプ回路の目標値が大きくなるように目標値を変更設定する(ステップS606)。次回の撮影時にTG108からセレクタ405へ設定を行い、セレクタ405はOBレベルの目標値を切り換える。
一枚目の画像の取得を終了する(ステップS607)。そして、連続して撮影される画像において、撮影画終了するまで逐次ステップS502からステップS607の動作を行う(ステップS608、S609)。この動作を行うことで、信号変動が発生する可能性が高いシーンにおいて、OBレベルの目標値を切り換えることができ、画像信号の変動の影響を抑えることができる。ここでは、所定の信号レベル以上の画素で構成される領域の面積に対応して、OBレベルの目標値を切り換えることを例示した。ただし、第5の実施形態で例示した、信号の増幅量や、露光時間、絞り量、光学フィルターの有無、露出補正量、フラッシュ発光量、露出測光エリア等の露出条件のうち少なくとも一つ以上と組み合わせてもよい。本実施形態は、第5の実施形態と組み合わせ、面積S、露出量、増幅量Aupの全て、又はいずれか1つに基づいて、クランプ回路の目標値を切り替えてもよい。
以上より、発生した信号変動を検出するのではなく、所定の信号レベル以上の画素で構成される領域の面積を基にS信号読み出し期間を延長することで、信号変動が発生する可能性が高いシーンにおいて、信号変動の発生を未然に防止することができる。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
105 撮像素子、106 AD変換部、107 画像信号処理回路、201 画素アレイ部、204 開口部、205 遮光画素部(OB画素部)

Claims (6)

  1. 2次元行列状に配置された開口された複数の有効画素及び遮光された複数の遮光画素を有し、各画素が光学像を電気信号に変換する画素アレイ部と、
    前記遮光画素の信号と目標値との差分に対応する補正値を前記有効画素の信号に加算するクランプ回路と、
    前記クランプ回路の出力信号を信号処理する画像信号処理回路とを有し、
    前記画像信号処理回路は、
    前記画素アレイ部の同一行の画素の信号の平均値を算出する平均化部と、
    前記平均値を複数行にわたって積算することにより積算値を算出する積算部と、
    前記平均化部により算出された所定の行における平均値と、前記積算部により算出された積算値との差分を算出する差分算出部と、
    前記差分算出部により算出された差分と第1の閾値とを比較する第1の比較部と、
    前記差分が前記第1の閾値より大きいときには、次回の撮影における前記目標値を変更する目標値変更部と
    前記差分算出部により算出された差分と前記第1の閾値より小さい第2の閾値とを比較する第2の比較部と、
    前記差分が前記第2の閾値より大きいときには、前記差分算出部により算出された差分を基に、前記所定の行の前記有効画素の信号を補正する補正部とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記目標値変更部は、前記差分が前記第1の閾値より大きいときには、次回の撮影における前記目標値が大きくなるように変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記平均化部は、同一行の前記遮光画素の信号の平均値を算出、又は同一行の前記有効画素の信号の平均値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記画像信号処理回路は、前記差分算出部により算出された差分と第3の閾値とを比較する第3の比較部を有し、
    前記目標値変更部は、全行にわたって前記差分が前記第3の閾値以下であるときには、前記クランプ回路の目標値が小さくなるように前記目標値を変更することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 2次元行列状に配置された開口された複数の有効画素及び遮光された複数の遮光画素を有し、各画素が光学像を電気信号に変換する画素アレイ部と、
    前記遮光画素の信号と目標値との差分に対応する補正値を前記有効画素の信号に加算するクランプ回路と、
    前記クランプ回路の出力信号を信号処理する画像信号処理回路とを有し、
    前記画像信号処理回路は、
    前記画素アレイ部の複数の画素の信号が所定値以上である画素の領域の面積を算出する面積算出部と、
    前記面積算出部により算出された面積に応じて次回の撮影における前記目標値を変更する目標値変更部と
    を有することを特徴とする撮像装置。
  6. 前記目標値変更部は、前記面積算出部により算出された面積が所定の面積範囲内であるときには、次回の撮影における前記目標値が大きくなるように変更することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
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