JP5737132B2 - 車輛のサイドドア - Google Patents
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Description
加速度センサの検出加速度が大きい側面衝突、たとえば高速の側面衝突では、ポール側突とMDB側突ともサイドエアバッグ、たとえば頭部保護用カーテン式サイドエアバッグは展開される。
加速度センサの検出加速度が小さい側面衝突、たとえば低速の側面衝突では、MDBがBピラーにラップするMDB側突の場合、サイドドアの室内側への進入量が小さくカーテン式サイドエアバッグは展開されず、サイドドアが局部的に変形されるポール側突の場合、サイドドアの室内側への進入量が大きくカーテン式サイドエアバッグは展開される。また、ポール側突では加速度センサのセンサ出力が小さくなりかつセンシングが遅れるので、サイドドアにリインホースメントが追加される。
図11、図12の構造における、ON要件での加速度レベルを上げるために、図13の比較例に示すように、リインホースメント140にリインホースメント140の上下方向全長にわたってドアアウタパネル110側に突出するビード152を追加形成することが考えられる。ただし、図13の比較例は従来公知ではない。
すなわち、図14に示すように、OFF要件において、MDB188からの側突によって変形されたドアアウタパネル110とビード152との接触タイミングがビード152を設けない場合に比べて早くなり、加速度レベルが上がってしまう。ON要件での加速度レベルを上げるためにビード152を設けたにもかかわらず、OFF要件での加速度レベルも上がってしまうので、ON・OFFを切分ける加速度レベル差を拡大することが困難となる。
リインホースメントは少なくとも一部にドアアウタパネルのモール取付部と車輛側面視にてラップするラップ部分を有している。
リインホースメントは上記ラップ部分に通常時にはクリップから隔たっておりポール側突時にクリップと当接するクリップ当接部を有しており、該クリップ当接部はMDB側突時に該クリップ当接部よりもドアインナパネル側に変形するドアアウタパネル部分より下方に設定されている。
クリップにドア下モール取付用クリップが利用される。クリップ当接部は通常時に車輛左右方向にクリップに対向した位置にあってクリップが側突時におけるモール取付部からクリップ当接部への荷重伝達部材となる。リインホースメントはドアインナパネルと協働してクリップ当接部からドアインナパネルのセンサ取付部までの剛性を向上させている。
クリップ当接部は、車両左右方向に、リインホースメントの第2の縦壁よりドアアウタパネル側でかつドアアウタパネルより第2の縦壁側に隔たっており、上下方向に、リインホースメントの第2の縦壁の上端より下方に位置している。
の第2の縦壁の下部かそれより下方に位置している。
また、クリップにドア下モール取付用クリップが利用されるので、特別にクリップを設ける必要はないし、また、ポール側突時にクリップをクリップ当接部側に移動させ、MDB側突時にクリップのクリップ当接部側への移動を抑制できる。また、クリップ当接部が通常時に車輛左右方向にクリップに対向した位置にあるので、クリップがポール側突時のみにクリップ当接部に当接し、モール取付部からクリップ当接部への荷重伝達部材として働くことができる。また、リインホースメントはクリップ当接部からドアインナパネルのセンサ取付部までの剛性を向上させているので、クリップからクリップ当接部が受けた荷重を側面衝突検出センサに効果的に伝達できる。これらによって、効果的に、MDB側突におけるOFF要件での加速度レベルが上がることを抑制したままポール側突におけるON要件での加速度レベルを上げることができる。
また、クリップ当接部が、車輛左右方向に、リインホースメントの第2の縦壁よりドアアウタパネル側でかつドアアウタパネルより第2の縦壁側に隔たっており、上下方向に、リインホースメントの第2の縦壁の上端より下方に位置しているので、ワックス塗布時にワックス塗布ノズルがクリップ当接部に当たらず、クリップ当接部がワックス塗布作業の邪魔にならないようにすることができる。
また、ビードがリインホースメントの全高にわたって形成されていないため、および、ドア下のシール用ワックスはドア下モールをクリップで取り付ける前に塗布されるため、ワックス塗布ノズルを車輛前後方向に移動させる時にクリップ当接部やクリップが塗布ノズルの移動を邪魔することがなくワックス塗布の作業性がよい。
また、断面L型フランジの縦壁をクリップ当接部としておりリインホースメントの全高にわたるビードが無いため、および、ドア下のシール用ワックスはドア下モールをクリップで取り付ける前に塗布されるため、塗布ノズルを車輛前後方向に移動させる時にクリップ当接部やクリップが塗布ノズルの移動を邪魔することがなくワックス塗布の作業性がよい。
本発明の実施例1の構成を図1〜図8を参照して説明する。
本発明の実施例1に係る車輛のサイドドア1は、図1〜図5に示すように、ドアアウタパネル10と、ドアインナパネル20と、リインホースメント40と、ドア下モール60およびクリップ68と、加速度センサである側面衝突検出センサ70と、を有する。ドアアウタパネル10と、ドアインナパネル20と、リインホースメント40はたとえば鋼板製等の金属製または繊維強化樹脂製であり、ドア下モール60およびクリップ68はたとえば樹脂製または繊維強化樹脂製である。
リインホースメント40は少なくとも一部にドアアウタパネル10のモール取付部14と車輛側面視にてラップするラップ部分を有している。このラップ部分は、リインホースメント40の第2の縦壁44の下部を含む。
クリップ当接部50は、ドアアウタパネル10に取り付けられたクリップ68の先端と同じ高さ位置かまたはそれより若干上方に位置する。ただし、クリップ当接部50はモール取付部14の上端よりは下方にある。
以上までの構成は後述する本発明の実施例2にも共通する。
リインホースメント40が少なくとも一部にドアアウタパネル10のモール取付部14と車輛側面視にてラップするラップ部分を有しており、該ラップ部分に通常時にはクリップ68から隔たっておりポール側突時にクリップ68と当接するクリップ当接部50を有している。そのため、図6に示すように、ON要件すなわちポール86との側面衝突で、ドアアウタパネル10が一様にドアインナパネル20側に変形する時に、クリップ68の先端をクリップ当接部50に側面衝突時の早いタイミングで当接させることができ、ON要件で側突センサ70が出力する加速度レベルを上げることができる。
これに対し、本発明では、MDB側突時におけるOFF要件での加速度レベルを上げないでポール側突時におけるON要件での加速度レベルのみを上げるため、ON要件での加速度レベルとOFF要件での加速度レベルとの差を十分に出すことができる。ON要件でのバラツキを考慮した加速度レベル域の最小値とOFF要件でのバラツキを考慮した加速度レベル域の最大値との間にECUのカーテン式サイドエアバッグのON、OFFの切り分けの所定値を設定することにより、側面衝突時にカーテン式サイドエアバッグのON、OFFを切り分けることができる。
以上までの作用、効果は後述する本発明の実施例2にも共通する。
その結果、ポール側突でクリップ先端がクリップ当接部50を押し、MDB側突でクリップ先端がクリップ当接部50を直接押さないようにすることができる。
また、ビード52がリインホースメント40の全高にわたって形成されていないため、および、ドア下のシール用ワックスがドア下モール60をクリップ68で取り付ける前に塗布されるため、ワックス塗布ノズル90を車輛前後方向に移動させる時にクリップ当接部50やクリップ68が塗布ノズル90の移動を邪魔することがなくワックス塗布の作業性がよい。
つぎに、本発明の実施例2を説明する。本発明の実施例1で実施例2にも共通するとした構成、作用、効果部分は実施例2にも適用されるので、本発明の実施例1と異なる部分のみを、以下に説明する。
構成については、図9および図10に示すように、リインホースメント40には、フランジ48のドアアウタパネル10側端部から下方に延びる縦壁50と該縦壁の下端から車輛左右方向にドアアウタパネル10側にかつドアアウタパネル10からドアインナパネル20側に隔たった位置まで延びる横壁58とをもつ断面L型フランジ56が追加形成されている。該断面L型フランジ56の縦壁がクリップ当接部50を構成する。断面L型フランジ56はドアインナパネル20の外側横壁30の上方に位置する。断面L型フランジ56は車輛前後方向にリインホースメント40と同じ長さかまたはほぼ同じ長さで延びている。断面L型フランジ56はフランジ48に一体に形成されてリインホースメント40の一部を構成する。
また、断面L型フランジ56の縦壁をクリップ当接部50としておりリインホースメント40の全高にわたるビードが無いため、および、シール用ワックスはドア下モール60をクリップ68で取り付ける前に塗布されるため、ワックス塗布ノズル90を車輛前後方向に移動させる時にクリップ当接部50やクリップ68がワックス塗布ノズル90の移動を邪魔することがなくワックス塗布の作業性がよい。
10 ドアアウタパネル
14 モール取付部
20 ドアインナパネル
22 内側縦壁
24 底壁
28 段部
40 リインホースメント
42 第1の縦壁
44 第2の縦壁
46 連結部
48 フランジ
50 クリップ当接部
52 ビード
56 断面L型フランジ
60 ドア下モール
68 クリップ
70 側突センサ
86 ポール
88 MDB
S 閉断面空間部
Claims (5)
- 下端部にモール取付部を有するドアアウタパネルと、
内側縦壁と段部をもつ底壁とを有するドアインナパネルと、
前記モール取付部の外面に取り付けられるドア下モールおよびドア下モールをモール取付部に取り付け前記モール取付部の内面よりドアインナパネル側に位置する先端をもつクリップと、
前記ドアインナパネルの内側縦壁のドアトリム側の面に形成されたセンサ取付部に取り付けられた側面衝突検出センサと、
前記ドアインナパネルに前記センサ取付部のドアアウタパネル側の面にて固定される第1の縦壁と前記底壁の段部のドアアウタパネル側の面にて固定される第2の縦壁と該第2の縦壁と前記第1の縦壁とを連結し前記ドアインナパネルとで閉断面を形成する連結部とを含むリインホースメントと、
を備えた車輛のサイドドアであって、
前記リインホースメントは少なくとも一部に前記ドアアウタパネルのモール取付部と車両側面視にてラップするラップ部分を有しており、
前記リインホースメントは前記ラップ部分に通常時にはクリップから隔たっておりポール側突時にクリップと当接するクリップ当接部を有しており、該クリップ当接部はMDB側突時に該クリップ当接部よりもドアインナパネル側に変形するドアアウタパネル部分より下方に設定されており、
前記クリップにドア下モール取付用クリップが利用され、前記クリップ当接部は通常時に車輛左右方向にクリップに対向した位置にあって前記クリップが側突時におけるモール取付部からクリップ当接部への荷重伝達部材となり、前記リインホースメントは前記ドアインナパネルと協働してクリップ当接部からドアインナパネルのセンサ取付部までの剛性を向上させており、
前記クリップ当接部は、車両左右方向に、前記リインホースメントの第2の縦壁よりドアアウタパネル側でかつドアアウタパネルより第2の縦壁側に隔たっており、上下方向に、前記リインホースメントの第2の縦壁の上端より下方に位置している、
車輛のサイドドア。 - 前記クリップ当接部は、前記リインホースメントの第2の縦壁の下部かそれより下方に位置している、請求項1記載の車輛のサイドドア。
- 前記リインホースメントには、前記リインホースメントの第2の縦壁の下端に、該第2の縦壁の下端から車両左右方向に前記ドアアウタパネルに向かって前記ドアアウタパネルから前記ドアインナパネル側に隔たった位置まで延びるフランジが追加形成され、該フランジから前記クリップ当接部が上方または下方に延びている請求項1または請求項2記載の車輛のサイドドア。
- 前記リインホースメントには、前記フランジと前記第2の縦壁の下端部とにまたがってビードが形成されており、該ビードの前記クリップに対向する対向壁が前記クリップ当接部を構成する、請求項3記載の車輛のサイドドア。
- 前記リインホースメントには、前記フランジのドアアウタパネル側端部から下方に延びる縦壁と該縦壁の下端から車両左右方向にドアアウタパネル側にかつドアアウタパネルからドアインナパネル側に隔たった位置まで延びる横壁とをもつ断面L型フランジが追加形成されており、該断面L型フランジの前記縦壁が前記クリップ当接部を構成する、請求項3記載の車輛のサイドドア。
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