JP4899790B2 - 車体のドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体のドア構造に関する。
従来の車体のサイドドアは、ドアアウタパネルの車幅方向内側にドアインナパネルが配置され、このドアインナパネルにドアトリムが樹脂製のクリップなどで固定されている。また、ドアアウタパネルとドアトリムとの間に緩衝部材が備えられている。そして、側面衝突時(以降、単に「側突時」を記す)において、ドアアウタパネルの車幅方向内側に変形に伴い、乗員とドアアウタパネルとの間に緩衝部材が挟まれ、緩衝部材が潰れることによって、乗員を拘束すると共に、乗員の腰部の二次衝突時のエネルギーを吸収する。
また、側突時において、ドアアウタパネルがドアインナパネルに対して底付き変形する前に、緩衝部材がドアアウタパネルで押圧されて車室内側に進入し、緩衝部材がドアトリムを介して乗員に当接する構造が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平8−238931号公報
図5は、従来のドア構造300を備えるサイドドア330を示している。なお、矢印UPは車体上方向を示し、矢印INは車幅方向内側を示している。また、図に直交する方向が車体前後方向となる。
サイドドア330は、ドアアウタパネル332の車幅方向内側にドアインナパネル334が配置され、このドアインナパネル334にドアトリム336が樹脂製のクリップ350で固定されている。また、ドアアウタパネル332の車幅方向内側面332Aにドアアウタパネル側EA(エネルギ吸収)パッド382が取り付けられている。更に、ドアトリム336の車幅方向外側面336Aにドアトリム側EAパッド384が取り付けられている。
ドアアウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384とは、鉛直方向及び車体前後方向に略同じ位置に配置されている。また、車幅方向と直交する断面も略同じ大きさである。更に、ドアインナパネル334には、ドアアウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384と略同じ位置に、車幅方向と直交する断面がこれらEAパッドよりも大きな孔335が形成されている。よって、ドアアウタパネル側EAパッド382が車幅方向内側に移動すると、ドアトリム側EAパッド384と当接可能な構造となっている。
また、クリップ350の車幅方向内側の先端部350Aとドアアウタパネル332の車幅方向内側面332Aとの間隔をM1とし、ドアアウタパネル側EAパッド382の車幅方向内側面382Aとドアトリム側EAパッド384の車幅方向外側面384Aとの間隔をM2とすると、M1とM2は、M1>M2の関係となっている。
さて、このようなドア構造300のサイドドア330では、側突時においては次のような挙動となる。
(1)衝突物500が側突することによって、ドアアウタパネル332が車幅方向内側に変形する。
(2)ドアアウタパネル332の車幅方向内側への変形に伴い、ドアアウタパネル側EAパッド382が車幅方向内側に移動し、ドアトリム側EAパッド384に当接する(ドアアウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384とが、ドアアウタパネル332とドアトリム336とで挟まれる)。なお、M1>M2の関係であるので、このとき、ドアアウタパネル332はクリップ350に当接していない。
(3)更なるドアアウタパネル332の車幅方向内側への変形に伴い、ドアアウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384とが潰れる。なお、車幅方向の幅が縮むように潰れる。
(4)更なるドアアウタパネル332の車幅方向内側への変形に伴い、ドアアウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384とが更に潰れると共に、ドアアウタパネル332がクリップ350の先端部350Aに当接して押すことによりクリップ350が外れる。
(5)更にドアアウタパネル332が車幅方向内側に変形すると、ドアトリム336が車室方向に移動する。そして、ドアトリム336を介して、ドアアウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384が、乗員とドアアウタパネル332との間に挟まれ、ドアアウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384とが潰れることによって、乗員を拘束する。
さて、上記(5)において、アウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384とが潰れることによって乗員を拘束する前に、すでに(3)以降で、アウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384とが当接して潰れている。つまり、アウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384との潰れ代が、乗員を拘束する目的以外に用いられている。
したがって、アウタパネル側EAパッド382とドアトリム側EAパッド384の潰れ代を、余分(乗員を拘束するために必要な潰れ代以上)に取る必要がある。よって、アウタパネル332とドアトリム336とのクリアランスを余分に取る必要があり、このため、サイドドア330の意匠が制約される。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、ドアアウタパネルとドアトリムとの間に設けられた緩衝部材の潰れ代を、乗員を拘束するために有効に活用することを目的とする。
請求項1に記載のドア構造は、車体幅方向外側に設けられたドアアウタパネルと、前記ドアアウタパネルよりも車幅方向内側に設けられたドアインナパネルと、前記ドアインナパネルよりも車幅方向内側に設けられ、該ドアインナパネルに固定手段によって固定されたドアトリムと、前記ドアアウタパネルの車幅方向内側面から車幅方向内側に張り出し、側面衝突時における前記ドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴い車幅方向内側に移動し、前記固定手段に当接して押圧することで、該固定手段による前記ドアトリムの前記ドアインナパネルへの固定を解除する固定解除部と、前記ドアアウタパネルの車幅方向内側面に設けられたドアアウタパネル側緩衝部材と、前記ドアトリムの車幅方向外側面に設けられたドアトリム側緩衝部材と、で構成され、側面衝突時における前記ドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴い前記ドアアウタパネル側緩衝部材が車幅方向内側に移動し、該アウタパネル側緩衝部材と前記ドアトリム側緩衝部材とが当接することで、前記ドアアウタパネル側緩衝部材と前記ドアトリム側緩衝部材とが、該ドアアウタパネルと該ドアトリムとで挟まれる緩衝部材と、を有し、前記固定解除部と前記固定手段との車幅方向の間隔をL1、前記アウタパネル側緩衝部材と前記ドアトリム側緩衝部材との車幅方向の間隔をL2、とすると、L1<L2の関係としたことを特徴としている
請求項1に記載のドア構造では、側面衝突時におけるドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴い、車幅方向内側に張り出した固定解除部が車幅方向内側に移動すると共に、固定解除部が固定手段に当接して固定手段を押圧することで、固定手段によるドアトリムのドアインナパネルへの固定が解除される。
そして、固定解除部が固定手段によるドアトリムのドアインナパネルへの固定を解除したのちに、ドアアウタパネルとドアトリムとで挟まれていない状態で設けられていた緩衝部材が、ドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴いドアアウタパネルとドアトリムとに挟まれる。
したがって、このあと、更なるドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴い、緩衝部材がドアトリムを車幅方向内側に押すことによって、ドアトリムが車室方向に移動する。なお、このとき、ドアトリムは、既にドアインナパネルから外れているので、緩衝部材が潰れることなく、ドアトリムは移動する。
そして、更にドアアウタパネルが車幅方向内側へ変形すると、ドアトリムを介して、緩衝部材が乗員とドアアウタパネルとの間に挟まれ、緩衝部材が潰れることによって、乗員を拘束する。
このように、緩衝部材が潰れることによって乗員を拘束する以前には、緩衝部材は潰れていない。つまり、緩衝部材の潰れ代が、乗員を拘束する目的以外に用いられていない。したがって、ドアアウタパネルとドアトリムとの間に設けられた緩衝部材の潰れ代を、乗員を拘束するために有効に活用されている。
また、緩衝部材は、ドアアウタパネルの車幅方向内側面に設けられたドアアウタパネル側緩衝部材と、ドアトリムの車幅方向外側面に設けられたドアトリム側緩衝部材と、で構成されている。そして、側面衝突時におけるドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴いドアアウタパネル側緩衝部材が車幅方向内側に移動し、アウタパネル側緩衝部材とドアトリム側緩衝部材とが当接することで、ドアアウタパネル側緩衝部材とドアトリム側緩衝部材とが、ドアアウタパネルとドアトリムとで挟まれる。
なお、固定解除部が固定手段によるドアトリムのドアインナパネルへの固定を解除したのちに、アウタパネル側緩衝部材とドアトリム側緩衝部材とが当接する。
このような構成とすることで、例えば、ドアアウタパネル側緩衝部材とドアトリム側緩衝部材との間に、例えば、ドアガラスが昇降するためのスペースを得ることができる等、ドアアウタパネルとドアトリムとの間の空間を有効に活用できる。
また、L1<L2の関係とするとによって、固定解除部が固定手段によるドアトリムのドアインナパネルへの固定を解除したのちに、緩衝部材がドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴いドアアウタパネルとドアトリムとに挟まれる構成を、容易に実現することができる。
以上説明したように請求項1に記載のドア構造によれば、ドアアウタパネルとドアトリムとの間に設けられた緩衝部材の潰れ代を有効に活用することができる。
本発明の第一実施形態のドア構造について説明する。なお、各図において、矢印UPは車体上方向を示し、矢印INは車幅方向内側を示し、矢印FRは車体前方向を示している。
図1は、第一実施形態のドア構造100を適用した自動車の車体のサイドドア10を示している。サイドドア10は、車幅方向外側面を構成するドアアウタパネル12と、このドアアウタパネル12の車幅方向内側に配置されたドアインナパネル14と、を備えている。更に、このドアインナパネル14の車幅方向内側には、サイドドア10の車室側面(内装)を構成しているドアトリム16が配置されている。
ドアアウタパネル12は、車両上下方向両端から中央にかけて車幅方向外側へ膨らむように湾曲している。また、ドアアウタパネル12とドアインナパネル14とは、周縁部分で結合されている。
ドアトリム16は、パネル状をしていると共に、ドアインナパネル14に樹脂製のクリップ50(図4も参照)で固定されている。また、図2に示すように、このクリップ50によるドアトリム16のドアインナパネル14への固定箇所は、車体前後方向に並んで、三箇所設けられている。(クリップ50及びドアトリム16のドアインナパネル14への固定についての詳細は後述する)。
図1に示すように、ドアトリム16の車体下方側は、車幅方向内側に張り出しており、その段差部分の略水平面がドアアームレスト17となっている。なお、このドアアームレスト17上に、サイトドア10に設けられたサイドガラス18(図2参照)を昇降させるためのパワーウィンドスイッチ(図示略)などが設けられている。
また、ドアアウタパネル12の車幅方向内側面12Aには、ウレタン等からなるドアアウタパネル側EA(エネルギ吸収)パッド80が取り付けられている。更に、ドアトリム16の車幅方向外側面16Aには、同様にウレタン等からなるドアトリム側EAパッド82が取り付けられている。ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82は、略直方体状をしている。
ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82とは、鉛直方向及び車体前後方向ともに略同じ位置に配置されている。また、車幅方向と直交する断面も略同じ大きさである。なお、鉛直方向の配置位置は、ドアアームレスト17よりも若干下方に位置している。また、図2に示すように、車幅方向と直交する断面は、車体前後方向を長手方向とする略長方形をし、その長さはサイドドア10の車体後方側の略半分を占めている。
なお、ドアアウタパネル側EAパッド80及びドアトリム側EAパッド82の配置位置は、乗員がシート(図示略)に着座した際の腰の位置に相当する。
また、図1に示すように、ドアインナパネル14には、ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82と略同じ位置に、車幅方向と直交する断面がこれらEAパッドよりも大きな孔15が形成されている。よって、ドアパネル側EAパッド80が車幅方向内側に移動すると、ドアトリム側EAパッド82と当接可能な構造となっている。
さて、ドアアウタパネル12の車幅方向内側面12Aには、車幅方向内側に張り出した固定解除部150が、ドアアウタパネル側EAパッド80の下方側に設けられている。固定解除部80は剛体の構造部材であり、本実施形態では板金を用いて、ドアアウタパネル12とで略三角形上の閉断面を構成すると共に、車体前後方向を長手方向として延設した(図2も参照)構造をしている。
そして、図2に示すように、車幅方向に側面視すると、固定解除部150が前述した三箇所のクリップ50を覆うように配設されている。また、固定解除部50は、サイドドア10の後方側から車体前方側に向かって配設されると共に、サイドドア10の車体前後方向の略3/4部分を占めている。
なお、図2は、図1に示すようにA−A断面を車幅方向内側に側面視した図であるので、本来、固定解除部150は図示されないが、本図においては、説明をしやすくするために、特別に図示している。
さて、図1に示すように、クリップ150の車幅方向内側の先端部150Aと固定解除部150の車幅方向内側面150Aとの間隔をL1とし、ドアアウタパネル側EAパッド80の車幅方向内側面80Aとドアトリム側EAパッド82の車幅方向外側面82Aとの間隔をL2とする。そして、これらL1とL2とは、L1<L2の関係となっている。なお、本実施形態では、L1は約10mm、L2は約50mmとなっている。
また、サイトドア10に設けられたサイドガラス18(図2参照)は、ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82との間の空間(L2部分)を通って昇降する。
つぎに、クリップ50について説明する。
図4に示すように、樹脂製のクリップ50は、インサート部54と頭部52とで構成されている。頭部52は、円盤状をしており、その直径はドアトリム16の貫通孔16B(詳細は後述する)とドアインナパネル14の貫通孔14B(詳細は後述する)の内径よりも大きい。
インサート部54は、頭部52から突出し、間隔を持って配置された一対の弾性爪56、58を有している。弾性爪56、58の先端部分には、それぞれ係止部62、64が形成されている。係止部62、64は、全体が略直角三角形状をし、それぞれ径方向外側(円盤状の頭部50の径方向、図5では上下方向)に張り出し、先端側(図5では左側)に向かうに従って径方向内側に傾斜している。なお、これらの傾斜面を傾斜面62A,64Aとする。また、係止部62及び係止部64の径方向外側の頂点部62Bと頂点部64Bとの幅は、前述したドアトリム16の貫通孔16Bとドアインナパネル14の貫通孔14Bの内径よりも幅広となっている。また、係止部62、64の径方向外に張り出した辺を係止辺62C、64Cとする。
つぎに、クリップ50によるドアトリム16のドアインナパネル14への固定について説明する。
ドアトリム16の下端側の折り返された部分とドアインナパネル14の下端側との重なり部分90(図1も参照)には、円形状の貫通孔14B,16Bが車幅方向に貫通形成されている。なお、貫通孔14Bと貫通孔16Bは、略同じ大きさであり、円中心が略一致している。
重なり部分90のドアトリム16の車幅方向内側からクリップ50のインサート部54を貫通孔16Bと貫通孔14Bとに挿入する。なお、クリップ50の頂点部62Bと頂点部64Bの幅は貫通孔14B、16Bの内径よりも大きいが、弾性爪56、58の係止部62、64の傾斜面62A,64Bが貫通孔14B、16Bに当接することよって、頂点部62B、64Bの幅が狭くなるように弾性爪56、58が弾性変形し、貫通孔14B、16Bに挿入可能となる。そして、挿入後、弾性爪56、58が広がることで(頂点部62B、64Bが元の幅に戻ることで)、ドアインナパネル14の貫通孔14Bの車幅方向外側面の孔縁部に、係止部62、64(の係止辺62C,64C)が係止される。頭部52は、基準孔16Bよりも大きいので、貫通孔14B、16Bからクリップ50が抜け出ることは無い。
なお、頭部52の車幅方向内側面52Aと係止辺62、64の間隔は、ドアトリム16とドアインナパネル14とが重なった車幅方向の厚みよりも、僅かに大きい程度であるので、ドアトリム16がガタついたりすることなく、しっかりとドアインナパネル14に固定される。
このように、樹脂性のクリップ50のインサート部54を、ドアトリム16の貫通孔16Bとドアインナパネル14の貫通孔14Bとに挿入すれば、インサート部54の係止部62、64(の係止辺62C,64C)が貫通孔14Bの孔縁部に係止するので、ドアトリム16をドアインナパネル14にワンタッチで取り付けることができる。
さて、クリップ50の車体幅方向外側の先端部50Aに、車幅方向内側向かって大きな荷重が入力されると、クリップ50が外れる、或いは破損する。この結果、ドアトリム16がドアインナパネル14から外れるようになっている(ドアトリム16のドアインナパネル14への固定が解除されるようになっている)。なお、クリップ50によるドアトリム16のドアインナパネル14への固定は、走行時等に発生する振動や荷重によって、外れることは無い。
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
側突時におけるサイドドア10の挙動を、図1を用いて説明する。
(1)衝突物500がサイドドア10に側突することによって、ドアアウタパネル12が車幅方向内側に変形する。
(2)ドアアウタパネル12の車幅方向内側への変形に伴い、固定解除部150が車幅方向内側に移動し、クリップ50の先端部50Aに当接する。そして、クリップ50を車幅方向内側に押圧する。
(3)固定解除部150がクリップ50の先端部50Aに当接し、車幅方向内側に押圧することで、つまり、クリップ50の先端部50Aに車幅方向内側向かって大きな荷重が入力されることで、クリップ50が外れる、或いは破損する。この結果、ドアトリム16がドアインナパネル17から外れる(ドアトリム16のドアインナパネル14への固定が解除される)。なお、このとき、ドアアウタパネル12の車幅方向内側への変形に伴い、ドアアウタ側EAパッド80も車幅方向内側に移動するが、L1(約10mm)<L2(約50mm)の関係であるので、ドアアウタ側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82とは当接していない。
(4)更なるドアアウタパネル12の車幅方向内側の変形に伴い、アウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82とが当接する。すなわち、アウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82とが、ドアアウタパネル32とドアトリム36とで挟まれた状態となる。
(5)更なるドアアウタパネル12の車幅方向内側への変形に伴い、アウタパネル側EAパッド80がドアトリム側EAパッド82を車幅方向内側に押すことによって、ドアトリム16が車室方向に移動する。なお、上記(3)でドアトリム16は、ドアインナパネル14から外れているので、アウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82とが潰れることはない。
(6)そして、更にドアアウタパネル12が車幅方向内側へ変形すると、ドアトリム16を介して、アウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82が、乗員とドアアウタパネル12との間に挟まれ、アウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82とが潰れることによって、乗員の腰を拘束する共に、乗員の腰部の二次衝突時のエネルギーを吸収する。なお、このとき、ドアアウタパネル側EAパッド82とドアトリム側EAパッド84の車幅方向の全長が縮むように潰れる。
このように、本実施形態のドア構造100を備えるサイドドア10では、上記(6)においてドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82とが潰れることによって乗員を拘束する前に、ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82は潰れていない。つまり、ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82との潰れ代が、乗員を拘束する目的以外に用いられていない。
したがって、アウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82の潰れ代を、余分(乗員を拘束するために必要な潰れ代以上)に取る必要がない。よって、ドアアウタパネル12とドアトリム14とのクリアランスが余分に必要となることによるサイドドア10に対する意匠の制約はない。
また、図2に示すように、固定解除部150は、サイドドア10の車体後方側から車体前方側に向かって配設されると共に、サイドドア10の車体前後方向の略3/4部分を占めている。よって、サイドドア10の車体前後方向の広範囲に渡った側突に対応できる。
なお、従来の構成でも、単純にアウタパネル側EAパッドとドアトリム側EAパッドの車幅方向の全長を短くすることによっても、乗員を拘束する前に、ドアアウタパネル側EAパッドとドアトリム側EAパッドとが潰れない構成とすることも可能である。しかし、このような構成は、ドアアウタパネル側EAパッドとドアトリム側EAパッドとの潰れ代が少ないので、乗員を十分に拘束できない。
これに対して、本実施形態は、乗員を十分に拘束可能なドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82との潰れ代を取った上で、乗員を拘束する前に、ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82とが潰れない構成となる。また、余分な潰れ代も必要ない。
また、固定解除部80は剛体の構造部材であるので、クリップ50にかかる荷重が大きい。よって、ドアトリム16をドアインナパネル17にしっかりと固定しても、クリップ50を外す、或いは破損させることができる。
また、緩衝部材を、ドアアウタパネル12の車幅方向内側面12Aに設けられたドアアウタパネル側EAパッド80と、ドアトリム16の車幅方向外側面16Aに設けられたドアトリム側EAパッド82と、で構成することによって、ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82との間に、ドアガラス18が昇降するためのスペースを得ることができる。
また、L1<L2の関係とするとによって、固定解除部150がクリップ50によるドアトリム16のドアインナパネル14への固定を解除したのちに、ドアアウタパネル側EAパッド80とドアトリム側EAパッド82が当接すると共に、ドアアウタパネル12とドアトリム16とに挟まれる構成を、容易に実現することができる。
つぎに、本発明にかかる第二実施形態のドア構造について説明する。なお、第一実施形態で説明した構成と重複する説明は省略する。
図3は、第二実施形態のドア構造200を備えるサイドドア20を示している。ドアアウタパネル12の車幅方向内側面12Aには、車幅方向内側に張り出した固定解除部250が設けられている。固定解除部250は剛体の構造部材であり、本実施形態では板金を用いて、ドアアウタパネル12とで閉断面を構成すると共に、車体前後方向を長手方向として延設した構造をしている。
固定解除部250は、第一実形態の固定解除部150(図1参照)と同様に、クリップ50に当接して外す、或いは破損させる解除部252と、解除部252の上部に延設された延設部254と、で構成されている。
延説部254は、ドアトリム側EAパッド180よりも上方、且つドアトリム16のドアアームレスト17よりも若干下方まで延設されている。また、車幅方向内側への張り出し幅は、解除部252の張り出し幅よりも狭い(解除部252の方が車幅方向内側に張り出している)。そして、この延説部254に、アウタパネル側EAパッド180が取り付けられている。
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
例えば、車高の高いSUV(スポーツユーティリティヴィークル)タイプのバンパーのように、衝突物510の先端部512が、固定解除部250の解除部252よりも上方に側突した場合であっても、ドアアウタパネル12の車幅方向内側への変形に伴い延設部254が車幅方向内側に移動することで、固定解除部250の全体(解除部252)が車幅方向内側に移動する。よって、衝突物510の先端部512が解除部252よりも上方にあっても、側突時のドアアウタパネル12の車幅方向内側への変形に伴い固定解除部250の解除部252がクリップ50に当接して押圧し、クリップ50を外す、或いは破損させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、固定解除部150、250は板金を用いていたが、これに限定されない。例えば、金属や樹脂などからなるブロック状のものであっても良い。
また、例えば、上記実施形態では、固定手段としてクリップ50を用いていたが、これに限定されない。ドアトリム16をドアインナパネル14に対して、走行時等に発生する振動や荷重によって外れることが無いように固定するが、側突時において、固定解除部が当接して押圧されることによって固定が解除されれば、どのようなものや構成であっても良い。
また、例えば、上記実施形態では、ドアアウタ側EAパッド80、180とドアトリム側EAパッド82との二つで構成されていたが、これに限定されない。ドアアウタパネル12、又はドアトリム16のいずれか一方にのみにEAパッドなどの緩衝部材を備える構成であっても良い。
また、例えば、上記実施形態では、緩衝部材は、ウレタン等からなるドアアウタ側EAパッド80、180及びドアトリム側EAパッド82であったが、これに限定されない。潰れることによって、乗員を拘束することが可能な部材であれば、どのようなものであっても良い。
また、例えば、上記実施形態では、ドアアウタ側EAパッド80、180の車体内側面80A、180A、及びドアトリム側EAパッド82の車体外側面82Aは、いずれも平面であったが、これに限定されない。例えば、ドアアウタ側EAパッドとドアトリム側EAパッドのいずれか一方が凹部を有し、いずれか他方が前記凹部に入る凸部を有していても良い。
本発明の第一実施形態のドア構造を備えるサイドドアの断面図である。 図1のA−A断面の断面図である。 本発明の第二実施形態のドア構造を備えるサイドドアの断面図である。 図1のドアインナパネルとドアトリムとの重なり部分の拡大図である。 従来のドア構造のサイドドアの断面図である。
符号の説明
12 ドアアウタパネル
12A 車幅方向内側面
14 ドアインナパネル
16 ドアトリム
16A 車幅方向外側面
50 クリップ(固定手段)
80 ドアアウタ側EAパッド(ドアアウタパネル側緩衝部材)
82 ドアトリム側EAパッド(ドアトリム側緩衝部材)
150 固定解除部

Claims (1)

  1. 車体幅方向外側に設けられたドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルよりも車幅方向内側に設けられたドアインナパネルと、
    前記ドアインナパネルよりも車幅方向内側に設けられ、該ドアインナパネルに固定手段によって固定されたドアトリムと、
    前記ドアアウタパネルの車幅方向内側面から車幅方向内側に張り出し、側面衝突時における前記ドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴い車幅方向内側に移動し、前記固定手段に当接して押圧することで、該固定手段による前記ドアトリムの前記ドアインナパネルへの固定を解除する固定解除部と、
    前記ドアアウタパネルの車幅方向内側面に設けられたドアアウタパネル側緩衝部材と、前記ドアトリムの車幅方向外側面に設けられたドアトリム側緩衝部材と、で構成され、側面衝突時における前記ドアアウタパネルの車幅方向内側への変形に伴い前記ドアアウタパネル側緩衝部材が車幅方向内側に移動し、該アウタパネル側緩衝部材と前記ドアトリム側緩衝部材とが当接することで、前記ドアアウタパネル側緩衝部材と前記ドアトリム側緩衝部材とが、該ドアアウタパネルと該ドアトリムとで挟まれる緩衝部材と、
    を有し、
    前記固定解除部と前記固定手段との車幅方向の間隔をL1、
    前記アウタパネル側緩衝部材と前記ドアトリム側緩衝部材との車幅方向の間隔をL2、
    とすると、
    L1<L2
    の関係としたことを特徴とする車体のドア構造。
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