以下、本発明による電流センサ取付状態判定装置を適用したコジェネレーションシステムの一実施形態について説明する。図1はこのコジェネレーションシステムの概要を示す概要図である。このコジェネレーションシステムは、発電する発電装置10と、発電装置10の排熱を回収した湯水を貯湯するとともに湯水使用装置26aに該湯水を供給する貯湯槽30と、発電量指示値に応じた発電量となるように発電装置10を制御する制御装置40(電流センサ取付状態判定装置)とを備えている。
発電装置10は、燃料電池発電装置であり、直流電力を発生する発電器11と、発電器11から供給された直流電力を交流電力に変換して出力する変換器(例えばインバータ)12とを備えている。発電装置10は、発電した電力を変換器12を介して第1の電力負荷21および第2の電力負荷19に供給可能である。なお、発電装置10としては、燃料電池発電装置の他に、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ガスタービン、マイクロガスタービンなどの原動機とこの原動機によって駆動される発電機から構成されたものでもよい。
燃料電池発電装置は、燃料ガス(水素ガス)および酸化剤ガス(酸素を含む空気)が供給されて水素と酸素の化学反応により発電して直流電圧(例えば40V)を出力する図略の燃料電池(高分子電解質形燃料電池)と、燃料(改質用燃料)を水蒸気改質し水素リッチな改質ガスを燃料電池に供給する改質器(図示省略)と、を備えている。燃料としては天然ガス、LPG、灯油、ガソリン、メタノールなどがある。改質器は、いずれも一般的によく知られている、バーナ(燃焼部)、改質部、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)および一酸化炭素選択酸化反応部(以下、CO選択酸化部という)から構成されている。なお、燃料電池発電装置は、高分子電解質形燃料電池に限られず、固体酸化物形燃料電池やその他のタイプの燃料電池で構成するようにしてもよい。
発電機11は、燃料供給源13に接続されており、燃料供給源13から燃料が投入されて、その投入された燃料を利用して発電するものである。燃料供給源13と発電器11の間には、発電器11に投入される燃料量を検出する燃料投入量検出手段である流量計13aが設けられており、流量計13aは検出した燃料投入量を制御装置40に送信するようになっている。なお、燃料電池発電装置の場合の燃料投入量は、改質器に供給される燃料の投入量を指す。
変換器12は、電力使用場所20に設置されている複数の第1の電力負荷21と系統電源16とを接続する電線15に電線17を介して接続されている。変換器12から出力される交流電力は、電線17および電線15を介して各第1の電力負荷21に必要に応じて供給されている。変換器12には、発電装置10から出力される発電出力量および系統電源16から発電器11に供給される電力量を検出する電力量検出手段である電力計10aが設けられている。
電力計10aは、電流を検出する電流センサと電圧を検出する電圧センサとにより構成するようになっており、電力計10aは検出した電流および電圧(または電流と電圧とから導出した電力)を制御装置40に送信するようになっている。電力計10aは、図2に示すように、U相線17aの電流および電圧(または電力)を検出する電力計10a1とV相線17bの電流および電圧(または電力)を検出する電力計10a2とから構成されている。
図1に示すように、電線17には、切替スイッチ51が設けられている。切替スイッチ51は、制御装置40からの指令を受けて、系統電源16が停電になった場合に発電器11(発電装置10)と系統電源16とを切り離し(解列し)、系統電源16から正常に電力が供給されている(または正常に電力が供給可能である)場合に発電器11と系統電源16とを接続する(連系する)。
第1の電力負荷21は、電灯、アイロン、テレビ、洗濯機、電気コタツ、電気カーペット、エアコン、冷蔵庫などの電気器具である。第1の電力負荷21にて消費された電力消費量は電力計22により検出されており、電力計22は電力使用場所20で使用される全ての第1の電力負荷21の合計電力消費量を検出して、制御装置40に送信するようになっている。発電装置10は、その最大出力電力までは電力計22により検出された総電力消費量に追従して発電し、最大出力電力を超える範囲ではその最大出力電力にて発電する。なお、発電装置10の発電量より第1の電力負荷21(21a,21b)の総電力消費量が上回った場合、その不足電力を系統電源16から受電して補うようになっている。
電線15には、電線17との接続点より系統電源16側に電流センサ52が設けられている。電流センサ52は、電線15を流れる電流(交流)の電流値を検出するものである。具体的には、電流センサ52は、いわゆるクランプ式交流電流センサやいわゆるホール電流センサである。クランプ式交流電流センサは、一般的によく知られているものであり、リング状のコアの貫通穴に被検出電線を配設し、コアに巻いたコイルの巻線比に応じた二次側電流を負荷抵抗に接続することにより電圧として検出する。クランプ式交流電流センサは、分割式のクランプ式交流電流センサが好ましい。既設の分電盤などに後付できるからである。ホール電流センサは、一般的によく知られているものであり、ホール素子を一部に配設したリング状のコアの貫通穴に被検出電線を配設し、被検出電流をホール素子の出力電圧として検出する。いずれの電流センサも検出方向があり、逆方向に装着すると、出力が正負逆になる。電流センサ52の検出結果は、制御装置40に送信されるようになっている。
電線17には、電線15との接続点から切替スイッチ51までの間に電線18を介して第2の電力負荷19が接続されている。電線18には、スイッチ54が設けられている。スイッチ54は、系統電源16から第2の電力負荷19への交流電力の供給・遮断を制御装置40からの指令を受けて実施するものである。
第2の電力負荷19は、発電器11に設けられて燃焼部を着火させる着火用ヒータ、貯湯槽30に設けられ貯湯槽30内の湯水を加熱する加熱用ヒータなどがある。
系統電源16からの電線15は単相3線式の回路構成であり、図2に示すように、U相線15a、V相線15b及び中性線15c(N相線)から構成されている。系統電源16は、互いに並設されている複数の電線15a,15b,15cを介して交流電力を供給するようになっている。U相線15aと中性線15cとの間に例えば100Vの電位差があり、V相線15bと中性線15cとの間に例えば100Vの電位差があり、またU相線15aとV相線15bとの間に例えば200Vの電位差がある。
複数の第1の電力負荷21a,21bは、複数の電線15a,15b,15cのうちいずれか2つの互いに異なる電線の間にそれぞれ接続されて使用者により選択的に使用されるものである。本実施形態において単相3線式の電線15の回路構成では、第1の電力負荷21は、その一部21a(U相電力負荷)についてはU相線15aと中性線15cとの間に接続された構成となり、またその残部21b(V相電力負荷)についてはV相線15bと中性線15cとの間に接続された構成となる。なお、第1の電力負荷21aを、U相線15aと中性線15cとの間またはV相線15bと中性線15cとの間に接続するとともに、第1の電力負荷21bを、U相線15aとV相線15bとの間に接続するようにしてもよい。
U相線15aには、U相線17aとの接続点より系統電源16側の位置に電流センサ52aが装着されている。電流センサ52aは、U相線15aを流れる交流の電流値および流れる方向を検出する。V相線15bには、V相線17bとの接続点より系統電源16側の位置に電流センサ52bが装着されている。電流センサ52bは、V相線15bを流れる交流の電流値および流れる方向を検出する。
本実施形態では、コジェネレーションシステムの発電装置10からの電線17は単相3線式のものである。電線17のU相線17aが電線15のU相線15aに連結され、電線17のV相線17bが電線15のV相線15bに連結され、電線17の中性線17cが電線15の中性線15cに連結されている。U相線17aには、U相線17aを連通・遮断する切替スイッチ51aが設けられ、V相線17bには、V相線17bを連通・遮断する切替スイッチ51bが設けられている。切替スイッチ51a、51bは切替スイッチ51を構成する。
電線18のU相線18aは電線17のU相線17aに連結され、電線18のV相線18bは電線17のV相線17bに連結され、電線18の中性線18cは電線17の中性線17cに連結されている。
第2の電力負荷19のうちの一部19a(U相補機)はU相線18aと中性線18cとの間に接続された構成となり、第1の電力負荷21aに対して並列に設けられている。第2の電力負荷19aでは、供給された交流電力が消費される。本実施形態においては、例えば第2の電力負荷19aは発電器11に設けられている上述した着火用ヒータである。
系統電源16から第2の電力負荷19aまでの電線、すなわちU相線18aには、系統電源16から第2の電力負荷19a(U相線15aに接続されている第2の電力負荷)への交流電力の供給・遮断を行うスイッチ(U相スイッチ)54aが設けられている。U相スイッチ54aが制御装置40の指示を受けて連通される(閉状態となる)と、系統電源16からの交流電力が第2の電力負荷19aに供給されて第2の電力負荷19aが作動する。U相スイッチ54aが制御装置40の指示を受けて遮断される(開状態となる)と、系統電源16からの交流電力が第2の電力負荷19aに供給されなくなって第2の電力負荷19aの作動が停止する。
第2の電力負荷19のうちの残部19b(V相補機)は中性線18cとV相線18bとの間に接続された構成となり、第1の電力負荷21bに対して並列に設けられている。第2の電力負荷19bでは、供給された交流電力が消費される。本実施形態においては、例えば第2の電力負荷19bは貯湯槽30に設けられている暖機ヒータである。
系統電源16から第2の電力負荷19bまでの電線、すなわちV相線18bには、系統電源16から第2の電力負荷19b(V相線15bに接続されている第2の電力負荷)への交流電力の供給・遮断を行うスイッチ(V相スイッチ)54bが設けられている。V相スイッチ54bが制御装置40の指示を受けて連通される(閉状態となる)と、系統電源16からの交流電力が第2の電力負荷19bに供給されて第2の電力負荷19bが作動する。V相スイッチ54bが制御装置40の指示を受けて遮断される(開状態となる)と、系統電源16からの交流電力が第2の電力負荷19bに供給されなくなって第2の電力負荷19bの作動が停止する。
なお、第1の電力負荷21aを、U相線15aと中性線15cとの間またはV相線15bと中性線15cとの間に接続するとともに、第1の電力負荷21bを、U相線15aとV相線15bとの間に接続するようにする場合には、第2の電力負荷19aを、U相線18aと中性線18cとの間またはV相線18bと中性線18cとの間に接続するとともに、第2の電力負荷19bを、U相線18aとV相線18bとの間に接続するようにしてもよい。
上述したように、コジェネレーションシステムは、各第1の電力負荷21a,21bに接続されている2つの電線15a,15cまたは15c,15bの間に該各第1の電力負荷21a,21bに対してそれぞれ並列に設けられて供給された交流電力が消費される第2の電力負荷19a,19bを備えている。また、コジェネレーションシステムは、系統電源16から各第2の電力負荷19a,19bへの交流電力の供給・遮断をそれぞれ行う複数(本実施形態では例えば2つ)のスイッチ54a,54bを備えている。さらに、コジェネレーションシステムは、各電線15a,15b,15cであって各電線17a,17b,17cとの接続点より系統電源16側の位置に装着されて、その装着された各電線を流れる交流の電流値および流れる方向をそれぞれ検出する少なくとも2以上(本実施形態では例えば2つ)の電流センサ52a,52bを備えている。
また、図1に示すように、発電器11には、発電器11の排熱を回収して発電器11を冷却する熱媒体が循環する冷却回路31が接続されている。冷却回路31上には、熱交換器32が配設されている。一方、後述する貯湯槽30には、貯湯槽30内の湯水(貯湯水)を加熱するための湯水循環回路33が接続されている。湯水循環回路33上には、熱交換器32が配設されている。熱交換器32は、冷却回路31を循環する熱媒体と湯水循環回路33を循環する湯水との間で熱交換が行われるものである。冷却回路31上にはポンプ31aが配設され、湯水循環回路33上にはポンプ33aが配設されている。これにより、発電器11の発電中にポンプ31aが駆動されて冷却回路31を熱媒体が循環し、ポンプ33aが駆動されて湯水循環回路33を湯水が循環すると、発電器11の排熱が熱媒体および熱交換器32を通って湯水に回収されて湯水が加熱されるようになっている。発電器11の排熱とは、例えば、燃料電池発電装置の場合、燃料電池50の排熱や改質器の排熱などをいい、エンジン発電装置の場合、エンジンの排熱などが挙げられる。しかし、それに限定せず発電機それ自体の熱など回収可能な排熱なら何でも利用できる。
貯湯槽30は、1つの柱状容器を備えており、その内部に温水が層状に、すなわち上部の温水が最も高温であり下部にいくにしたがって低温となり下部の温水が最も低温であるように貯留されるようになっている。貯湯槽30に貯留されている高温の温水が貯湯槽30の柱状容器の上部から導出され、その導出された分を補給するように水供給源14からの水道水などの水(低温の水)が貯湯槽30の柱状容器の下部から導入されるようになっている。このように構成された貯湯槽30は、発電装置10の近くに設置されている。
貯湯槽30には、給湯管35が接続されている。給湯管35には、湯水使用場所25に設置されており貯湯槽30に貯留している湯水を給湯として利用する複数の湯利用機器26a(浴槽、シャワ、キッチン(キッチンの蛇口)、洗面所(洗面所の蛇口)など)が接続されている。
制御装置40は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、各電流センサ52a,52bの検出結果を取得したり、各スイッチ54a,54bを開閉制御したり、発電装置10を制御したりする。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
制御装置40は、電流センサ52(第1および第2電流センサ52a,52b)から検出結果をアナログ信号で入力し、デジタル化してデジタル信号として出力する計測回路41を備えている。計測回路41は、第1および第2の計測回路41a,41bから構成されている。第1の計測回路41aは、比較的小さい電流を狭い範囲で計測するためのものであり、その入力レンジ(すなわち計測可能なレンジ)は例えば数アンペアである。第2の計測回路41bは、第1の計測回路41aより比較的大きい電流を広い範囲で計測するためのものであり、その入力レンジは例えば百数十アンペアである。第1および第2の計測回路41a,41bを使い分けることにより、計測対象の電流値の大きさに応じて適切かつ正確に電流を計測することができる。
制御装置40は、後述するように、第1電流センサ52aおよび第2電流センサ52bが装着されている電線ならびに第1電流センサ52aおよび第2電流センサ52bの装着向きをそれぞれ変えた場合に、これら各場合とU相スイッチ54aおよびV相スイッチ54bをそれぞれオンしたときの第1電流センサ52aおよび第2電流センサ52bの検出状態との関係を示す予め作成した表1(図3参照)を記憶している。
表1には、左から順番に、番号、第1および第2電流センサ52a,52bが装着されている電線、その装着されている第1および第2電流センサ52a,52bの方向(装着方向)、U相スイッチ54aをオンしたときの第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態、V相スイッチ54bをオンしたときの第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態、および判定結果をそれぞれ示す欄が記載されている。なお、図中の「CT」は「電流センサ」を表している。
「番号」欄は、第1および第2電流センサ52a,52bが装着されている電線と、その装着されている第1および第2電流センサ52a,52bの方向(装着方向)との組み合わせの番号を示す。
「第1および第2電流センサ52a,52bが装着されている電線」欄には、左から順番に、U相線、N相線およびV相線を示す欄が設けられている。黒星印が付されている場合には、その欄に対応する電線に第1電流センサ52aが装着されていることを表している。白星印が付されている場合には、その欄に対応する電線に第2電流センサ52bが装着されていることを表している。例えば、U相線の欄に黒星印が付され、V相線の欄に白星印が付されている場合には、U相線に第1電流センサ52aが装着され、V相線に第2電流センサ52bが装着されていることを表している。
「その装着されている第1および第2電流センサ52a,52bの方向(装着方向)」欄には、左から順番に、第1電流センサ52aの装着方向、および第2電流センサ52bの装着方向を示す欄が設けられている。「正常」が記載されている場合には、順潮流の方向(系統電源16から流入する方向)に装着されていることを表している。「逆」が記載されている場合には、逆潮流の方向(系統電源16に流出する方向)に装着されていることを表している。
例えば図2において、第1電流センサ52aおよび第2電流センサ52bに記載している矢印は電流センサの検出方向を示しており、矢印方向と同じ方向の流れの電流を検出した場合には出力値は正であり、矢印方向と逆方向の流れの電流を検出した場合には出力値は負である。
第1電流センサ52aは、そもそもU相線15aに装着されるべき電流センサであり、U相線15aに装着される際には、順潮流の方向の電流の流れを正の値で取得するべく、第1電流センサ52aの検出方向を示す矢印が順潮流の方向と一致するように装着される(取付方向は正常方向である)。なお、U相線15aにおける順潮流の方向は便宜上系統電源16から電力負荷21a(21b)に流れる方向であるとする。
第2電流センサ52bは、そもそもV相線15bに装着されるべき電流センサであり、V相線15bに装着される際には、順潮流の方向の電流の流れを正の値で取得するべく、第2電流センサ52bの検出方向を示す矢印が順潮流の方向と一致するように装着される(取付方向は正常方向である)。なお、V相線15bにおける順潮流の方向は便宜上電力負荷21a(21b)から系統電源16に流れる方向であるとする。前述したように、第1電流センサ52aにおいて、系統電源16から電力負荷21側に電流が流れる方向を買電方向(順潮流方向)と仮定し、第2電流センサ52bにおいて、電力負荷21側から系統電源16に電流が流れる方向を買電方向(順潮流方向)と仮定する。
「U相スイッチ54aをオンしたときの第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態」欄には、U相スイッチ54aをオンしたときの第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態を示している。この検出状態は、次の4つの項目から構成されている。1つ目は、U相スイッチ54aをオンしたときの第1電流センサ52aによる検出結果(検出された電流)と電力計10a1により検出されたU相線17aの電圧とから導出される電力の符号の状態である。2つ目は、U相スイッチ54aをオンしたときの第2電流センサ52bによる検出結果と電圧計10a2により検出されたV相線17bの電圧とから導出される電力の符号の状態である。3つ目は、U相スイッチ54aをオンしたときに第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとが同期があるかないかのいずれかの状態である。そして、4つ目は、およびU相スイッチ54aをオンしたときに第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとが同期があるかないかのいずれかの状態である。これら4つの項目の組み合わせにより検出状態は図4に示す表2に示すように9つのパターンがある。
図4に示すように、aパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1電流センサ52aによって検出された電流がU相スイッチ54aのオンに同期し(同期あり)、第2電流センサ52bによって検出された電流がU相スイッチ54aのオンに同期しない(同期なし)状態である。このとき、第1電流センサ52aにより検出された電流とU相線17aの電圧とから導出された電圧の符号が正である状態である。
なお、同期ありとは、U相スイッチ54aを連通(オン)させる直前に記憶した第1電流センサ52aおよび第2電流センサ52bにより検出された各電流値と、U相スイッチ54aを連通させて第2の電力負荷19aを動作させた後に(またはV相スイッチ54bを連通させて第2の電力負荷19bを動作させた後に、)、第1電流センサ52aおよび第2電流センサ52bにより検出された各電流値(実効値)との偏差が第1閾値(例えば1A)以上でありかつ第1閾値より大きい値である第2閾値(例えば5.5A)未満である場合のことである。
また、同期なしとは、U相スイッチ54aを連通(オン)させる直前に記憶した第1電流センサ52aおよび第2電流センサ52bにより検出された各電流値と、U相スイッチ54aを連通させて第2の電力負荷19aを動作させた後に(またはV相スイッチ54bを連通させて第2の電力負荷19bを動作させた後に、)、第1電流センサ52aおよび第2電流センサ52bにより検出された各電流値(実効値)との偏差が第1閾値より小さい値である第3閾値(例えば−1A)以上でありかつ第1閾値未満である場合のことである。
bパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1電流センサ52aによって検出された電流がU相スイッチ54aのオンに同期し(同期あり)、第2電流センサ52bによって検出された電流がU相スイッチ54aのオンに同期しない(同期なし)状態である。このとき、第1電流センサ52aにより検出された電流とU相線17aの電圧とから導出された電圧の符号が負である状態である。
cパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1および第2電流センサ52a,52bによって検出された電流の両方が、U相スイッチ54aのオンに同期する(同期あり)状態である。このとき、第1電流センサ52aにより検出された電流とU相線17aの電圧とから導出された電圧の符号が正である状態である。また、第2電流センサ52bにより検出された電流とV相線17bの電圧とから導出された電圧の符号が正である状態である。
dパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1および第2電流センサ52a,52bによって検出された電流の両方が、U相スイッチ54aのオンに同期する(同期あり)状態である。このとき、第1電流センサ52aにより検出された電流とU相線17aの電圧とから導出された電圧の符号が負である状態である。また、第2電流センサ52bにより検出された電流とV相線17bの電圧とから導出された電圧の符号が正である状態である。
eパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1および第2電流センサ52a,52bによって検出された電流の両方が、U相スイッチ54aのオンに同期する(同期あり)状態である。このとき、第1電流センサ52aにより検出された電流とU相線17aの電圧とから導出された電圧の符号が正である状態である。また、第2電流センサ52bにより検出された電流とV相線17bの電圧とから導出された電圧の符号が負である状態である。
fパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1および第2電流センサ52a,52bによって検出された電流の両方が、U相スイッチ54aのオンに同期する(同期あり)状態である。このとき、第1電流センサ52aにより検出された電流とU相線17aの電圧とから導出された電圧の符号が負である状態である。また、第2電流センサ52bにより検出された電流とV相線17bの電圧とから導出された電圧の符号が負である状態である。
gパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1電流センサ52aによって検出された電流がU相スイッチ54aのオンに同期せず(同期ない)、第2電流センサ52bによって検出された電流がU相スイッチ54aのオンに同期する(同期あり)状態である。このとき、第2電流センサ52bにより検出された電流とV相線17bの電圧とから導出された電圧の符号が正である状態である。
hパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1電流センサ52aによって検出された電流がU相スイッチ54aのオンに同期せず(同期ない)、第2電流センサ52bによって検出された電流がU相スイッチ54aのオンに同期する(同期あり)状態である。このとき、第2電流センサ52bにより検出された電流とV相線17bの電圧とから導出された電圧の符号が負である状態である。
iパターンは、U相スイッチ54aがオンされた場合に、第1および第2電流センサ52a,52bによって検出された電流の両方が、U相スイッチ54aのオンに同期しない(同期なし)状態である。
「V相スイッチ54bをオンしたときの第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態」欄には、V相スイッチ54bをオンしたときの第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態を示している。この検出状態は、次の4つの項目から構成されている。1つ目は、V相スイッチ54bをオンしたときの第1電流センサ52aによる検出結果とU相線17aの電圧とから導出される電力の符号の状態である。2つ目は、V相スイッチ54bをオンしたときの第2電流センサ52bによる検出結果とV相線17bの電圧とから導出される電力の符号の状態である。3つ目は、V相スイッチ54bをオンしたときに第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとが同期があるかないかのいずれかの状態である。そして、4つ目は、およびV相スイッチ54bをオンしたときに第2電流センサ52bの検出結果とV相スイッチ54bとが同期があるかないかのいずれかの状態である。これら4つの項目の組み合わせにより検出状態は図5に示す表3に示すように9つのパターンがある。
図5に示す表3においては、図4に示す表2とは次の点で異なる。表2においては、U相スイッチ54aをオンすることを前提としたが、表3においては、V相スイッチ54bをオンすることを前提としている点、および第1電流センサ52aと第2電流センサ52bとの検出結果を逆にしている点が異なっている。
図3に示すように、「判定結果」欄には、「正常」、「補正」および「異常」が記載されている。判定結果が「正常」である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bは正常な取付位置および取付方向で取り付けられているので、第1および第2電流センサ52a,52bから取得した検出結果をそのまま使用すればよい。判定結果が「補正」である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bは正常な取付位置および取付方向で取り付けられていないが、第1および第2電流センサ52a,52bから取得した検出結果の正負を逆にしたり取得した検出結果を交換したり(入れ替えたり)して使用すればよい。判定結果が「異常」である場合には、前述したように補正することができないため、第1および第2電流センサ52a,52bから取得した検出結果を使用することができない。よって、ユーザにその旨を警告する。
図3に示す表1においては、番号は1から36まである。第1および第2電流センサ52a,52bが装着される可能性のある電線は、U相線15a、V相線15bおよびN相線15cの3本である。第1および第2電流センサ52a,52bは異なる電線に装着される場合だけでなく、同一の電線に装着される場合もある。よって、図3に示すように、第1および第2電流センサ52a,52bがU相線15a、V相線15bにそれぞれ装着される場合(1〜4)、この逆に装着される場合(5〜8)、第1および第2電流センサ52a,52bがU相線15a、N相線15cにそれぞれ装着される場合(9〜12)、この逆に装着される場合(13〜16)、第1および第2電流センサ52a,52bがN相線15c、V相線15bにそれぞれ装着される場合(17〜20)、この逆に装着される場合(21〜24)、第1および第2電流センサ52a,52bがU相線15aに装着される場合(25〜28)、第1および第2電流センサ52a,52bがN相線15cに装着される場合(29〜32)、ならびに第1および第2電流センサ52a,52bがV相線15bに装着される場合(33〜36)、の9通りがある。
そして、前述した9通りの各パターンにおいて、第1および第2電流センサ52a,52bの取付方向が正逆の組み合わせで4通りある。よって、第1および第2電流センサ52a,52bの装着位置および装着方向の組み合わせは全部で36通りのパターンが存在する。
前述した装着位置および装着方向の各パターンにおける、第1および第2電流センサ52a,52bの各検出状態について説明する。なお、発電機11は発電停止状態であり、切替スイッチ51a,51bは連通状態であり、第1の電力負荷21は使用されておらず第1の電力負荷21において電力は消費されていない状態(待機状態などであってほとんど消費されていない場合(例えば数W)も含む)であり、U相線17aの電圧とV相線17bの電圧とは位相が逆であることを前提とする。
番号1においては、図6に示すように、第1および第2電流センサ52a,52bはU相線15aおよびV相線15bにそれぞれ正常な方向に装着されている。このとき、U相スイッチ54aのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるため、第1電流センサ52aは、電圧センサ10a1で検出された電圧と同位相の電流を検出するため、電力符号は正となる。第1電流センサ52aは、第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19aで消費される電流値を検出する。また、第2電流センサ52bは、V相スイッチ54bはオフのままでありかつ第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとは同期ありの状態であり、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は正である状態であり、第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとは同期なしの状態である。よって、番号1におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すaパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるため、第2電流センサ52bは、電圧センサ10a2で検出された電圧と同位相の電流を検出するため、電力符号は正となる。第2電流センサ52bは、第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19bで消費される電流値を検出する。また、第1電流センサ52aは、U相スイッチ54aはオフのままでありかつ第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第2電流センサ52bの検出結果とV相スイッチ54bとは同期ありの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合は正である状態であり、第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとは同期なしの状態である。よって、番号1におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すaパターンである。
番号2においては、図7に示すように、第1電流センサ52はU相線15aに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに正常な方向に装着されている。このとき、U相スイッチ54aのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるが、第1電流センサ52aが逆方向に装着されているため、第1電流センサ52aは、電圧センサ10a1で検出された電圧と同位相の電流を検出するものの出力値は正負逆となるため、電力符号は負となる。第1電流センサ52aは、第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19aで消費される電流値を検出する。また、第2電流センサ52bは、V相スイッチ54bはオフのままでありかつ第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとは同期ありの状態であり、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は負である状態であり、第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとは同期なしの状態である。よって、番号2におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すbパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号1と同様の理由により、番号2におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すaパターンである。
番号3においては、図8に示すように、第1電流センサ52はU相線15aに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに逆方向に装着されている。このとき、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号1と同様の理由により、番号3におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すaパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるが、第2電流センサ52bが逆方向に装着されているため、第2電流センサ52bは、電圧センサ10a2で検出された電圧と同位相の電流を検出するものの出力値は正負逆となるため、電力符号は負となる。第2電流センサ52bは、第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19bで消費される電流値を検出する。また、第1電流センサ52aは、U相スイッチ54aはオフのままでありかつ第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第2電流センサ52bの検出結果とV相スイッチ54bとは同期ありの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合は負である状態であり、第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとは同期なしの状態である。よって、番号3におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すbパターンである。
番号4においては、図9に示すように、第1および第2電流センサ52a,52bはU相線15aおよびV相線15bにそれぞれ逆方向に装着されている。このとき、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号2と同様の理由により、番号4におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すbパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号3と同様の理由により、番号4におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すbパターンである。
番号5においては、図10に示すように、第1および第2電流センサ52a,52bはV相線15bおよびU相線15aにそれぞれ正常な方向に装着されている。なお、第1および第2電流センサ52a,52bの正常な方向は、U相線15aおよびV相線15bにそれぞれ装着されたときにおける取付方向が正常方向となるため、その取付方向と同一方向が第1および第2電流センサ52a,52bをV相線15bおよびU相線15aに装着した際の正常な方向である。
このとき、U相スイッチ54aのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるため、第2電流センサ52bは、電圧センサ10a2で検出された電圧と逆位相の電流を検出するため(U相線17aとV相線17bの電圧は逆位相であるため)電力符号は負となる。第2電流センサ52bは、第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19aで消費される電流値を検出する。また、第1電流センサ52aは、V相スイッチ54bはオフのままでありかつ第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとは同期なしの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとは同期ありの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合は負である状態である。よって、番号5におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すhパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるため、第1電流センサ52aは、電圧センサ10a2で検出された電圧と逆位相の電流を検出するため、電力符号は負となる。第1電流センサ52aは、第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19bで消費される電流値を検出する。また、第2電流センサ52bは、U相スイッチ54aはオフのままでありかつ第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとは同期ありの状態であり、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は負である状態であり、第2電流センサ52bの検出結果とV相スイッチ54bとは同期なしの状態である。よって、番号5におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すhパターンである。
番号6においては、図11に示すように、第1電流センサ52はV相線15bに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに正常な方向に装着されている。このとき、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号5と同様の理由により、番号6におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すhパターンである。
V相スイッチ54bのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるため、第1電流センサ52aは、逆方向に装着されているので電圧センサ10a1で検出された電圧と逆位相の電流を検出するものの出力値は正負逆となるため、電力符号は正となる。第1電流センサ52aは、第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19bで消費される電流値を検出する。また、第2電流センサ52bは、U相スイッチ54aはオフのままでありかつ第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとは同期ありの状態であり、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は正である状態であり、第2電流センサ52bの検出結果とV相スイッチ54bとは同期なしの状態である。よって、番号5におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すgパターンである。
番号7においては、図12に示すように、第1電流センサ52はV相線15bに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに逆方向に装着されている。このとき、U相スイッチ54aのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるため、第2電流センサ52bは、電圧センサ10a2で検出された電圧と逆位相の電流を検出するものの出力値は正負逆となるため、電力符号は正となる。第2電流センサ52bは、第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19aで消費される電流値を検出する。また、第1電流センサ52aは、V相スイッチ54bはオフのままでありかつ第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとは同期なしの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとは同期ありの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合は正である状態である。よって、番号7におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すgパターンである。
V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号5と同様の理由により、番号7におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すhパターンである。
番号8においては、図13に示すように、第1および第2電流センサ52a,52bはV相線15bおよびU相線15aにそれぞれ逆方向に装着されている。このとき、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号7と同様の理由により、番号8におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すgパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号6と同様の理由により、番号8におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すgパターンである。
番号9においては、図14に示すように、第1および第2電流センサ52a,52bはU相線15aおよびN相線15cにそれぞれ正常な方向に装着されている。
このとき、U相スイッチ54aのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるため、第1電流センサ52aは、電圧センサ10a1で検出された電圧と同位相の電流を検出するため、電力符号は正となる。第1電流センサ52aは、第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19aで消費される電流値を検出する。また、N相線15cの電圧はU相線15aの電圧に対して逆位相であり、かつU相線17aの電圧はV相線17bの電圧に対して逆位相であるため、第2電流センサ52bは、電圧センサ10a2で検出された電圧と同位相の電流を検出するので、電力符号は正となる。第2電流センサ52bは、第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19aで消費される電流値を検出する。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとは同期ありの状態であり、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は正である状態である。第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとは同期ありの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合は正である状態である。よって、番号9におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すcパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされると、N相線15cの電圧はV相線15bの電圧に対して逆位相であるため、第2電流センサ52bは、電圧センサ10a2で検出された電圧と逆位相の電流を検出するので、電力符号は負となる。第2電流センサ52bは、第1の電力負荷21bでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19bで消費される電流値を検出する。また、第1電流センサ52aは、U相スイッチ54aはオフのままでありかつ第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので、電流を検出しない。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとは同期なしの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果とV相スイッチ54bとは同期ありの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合は負である状態である。よって、番号9におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すbパターンである。
番号10においては、図15に示すように、第1電流センサ52aはU相線15aに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに正常な方向に装着されている。
この場合、第1電流センサ52aの出力が正負逆になるため、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号9において、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は正でなく負となる。よって、検出状態は、番号9と比較して、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合が負となる点のみが異なる。よって、番号10におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すdパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号9と同様の理由により、番号10におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すbパターンである。
番号11においては、図16に示すように、第1電流センサ52aはU相線15aに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに逆方向に装着されている。
この場合、第2電流センサ52bの出力が正負逆になるため、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号9において、第2電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は正でなく負となる。よって、検出状態は、番号9と比較して、第2電流センサ52aの検出結果に係る電力符合が負となる点のみが異なる。よって、番号11におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すeパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、第2電流センサ52bの出力が正負逆になるため、番号9において、第2電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は負でなく正となる。よって、検出状態は、番号9と比較して、第2電流センサ52aの検出結果に係る電力符合が正となる点のみが異なる。よって、番号11におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すaパターンである。
番号12においては、図17に示すように、第1電流センサ52aはU相線15aに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに逆方向に装着されている。
この場合、第1および第2電流センサ52a,52bの出力が正負逆になるため、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号9において、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果に係る電力符合はそれぞれ正でなく負となる。よって、検出状態は、番号9と比較して、第1および第2電流センサ52a,52bの両方の検出結果に係る電力符合が負となる点のみが異なる。よって、番号12におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すfパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号11と同様の理由により、番号12におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すaパターンである。
番号13から番号24までについては、各番号13〜24に対するU相スイッチ54aおよびV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態を簡単に説明する。なお、上述した番号1から番号12までの理由を参照することにより、番号13から番号24までの理由は説明できるので、その詳細は省略する。
番号13においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに正常な方向に装着されている。番号13における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すfパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すgパターンである。
番号14においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに正常な方向に装着されている。番号14における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すeパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すhパターンである。
番号15においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに逆方向に装着されている。番号15における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すdパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すgパターンである。
番号16においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに逆方向に装着されている。番号16における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すcパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すhパターンである。
番号17においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに正常な方向に装着されている。番号17における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すbパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すcパターンである。
番号18においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに正常な方向に装着されている。番号18における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すaパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すeパターンである。
番号19においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに逆方向に装着されている。番号19における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すbパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すdパターンである。
番号20においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに逆方向に装着されている。番号20における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すaパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すfパターンである。
番号21においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはV相線15bに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに正常な方向に装着されている。番号21における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すgパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すfパターンである。
番号22においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはV相線15bに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに正常な方向に装着されている。番号22における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すgパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すdパターンである。
番号23においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはV相線15bに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに逆方向に装着されている。番号23における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すhパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すeパターンである。
番号24においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはV相線15bに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに逆方向に装着されている。番号24における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すhパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すcパターンである。
これまでは、第1および第2電流センサ52a,52bが異なる線に装着された場合について説明したが、以下、第1および第2電流センサ52a,52bが同一線に装着される場合について説明する。
番号25においては、図18に示すように、第1および第2電流センサ52a,52bはU相線15aにそれぞれ正常な方向に装着されている。
このとき、U相スイッチ54aのみがオンされると、発電機11から電力供給はなく系統電源16からのみ電力供給があるため、第1電流センサ52aは、電圧センサ10a1で検出された電圧と同位相の電流を検出するため、電力符号は正となる。第1電流センサ52aは、第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19aで消費される電流値を検出する。また、第2電流センサ52bは、電圧センサ10a2で検出された電圧と逆位相の電流を検出するため、電力符号は負となる。第2電流センサ52bは、第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので第2の電力負荷19aで消費される電流値を検出する。
この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとは同期ありの状態であり、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は正である状態である。第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとは同期ありの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合は負である状態である。よって、番号25におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すeパターンである。
また、V相スイッチ54aのみがオンされても、U相スイッチ54aはオフのままでありかつ第1の電力負荷21aでは電力が消費されていないので、第1および第2電流センサ52a,52bのいずれも電流を検出しない。この場合の検出状態は、第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとは同期なしの状態であり、第2電流センサ52bの検出結果とV相スイッチ54bとは同期なしの状態である。よって、番号25におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すiパターンである。
番号26においては、図19に示すように、第1電流センサ52aはU相線15aに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに正常な方向に装着されている。
この場合、第1電流センサ52aの出力が正負逆になるため、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号25において、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合は正でなく負となる。よって、検出状態は、番号25と比較して、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符合が負となる点のみが異なる。よって、番号26におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すfパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号25と同様の理由により、番号26におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すiパターンである。
番号27においては、図20に示すように、第1電流センサ52aはU相線15aに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに逆方向に装着されている。
この場合、第2電流センサ52bの出力が正負逆になるため、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号25において、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合は負でなく正となる。よって、検出状態は、番号25と比較して、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符合が正となる点のみが異なる。よって、番号27におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すcパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号25と同様の理由により、番号27におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すiパターンである。
番号28においては、図21に示すように、第1電流センサ52aはU相線15aに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはU相線15aに逆方向に装着されている。
この場合、第1および第2電流センサ52a,52bの出力が正負逆になるため、U相スイッチ54aのみがオンされた場合は、番号25において、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果に係る電力符合はそれぞれ正負が逆になる。よって、検出状態は、番号25と比較して、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果に係る電力符合が負および正となる点のみが異なる。よって、番号28におけるU相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すdパターンである。
また、V相スイッチ54bのみがオンされた場合は、番号25と同様の理由により、番号28におけるV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すiパターンである。
番号29から番号36までについては、各番号29〜36に対するU相スイッチ54aおよびV相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態を簡単に説明する。なお、上述した番号1から番号12までおよび番号25から番号28までの理由を参照することにより、番号29から番号36までの理由は説明できるので、その詳細は省略する。
番号29においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに正常な方向に装着されている。番号29における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すdパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すdパターンである。
番号30においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに正常な方向に装着されている。番号30における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すcパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すfパターンである。
番号31においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに逆方向に装着されている。番号31における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すfパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すcパターンである。
番号32においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはN相線15cに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはN相線15cに逆方向に装着されている。番号32における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すeパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すeパターンである。
番号33においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはV相線15bに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに正常な方向に装着されている。番号33における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すiパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すeパターンである。
番号34においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはV相線15bに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに正常な方向に装着されている。番号34における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すiパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すcパターンである。
番号35においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはV相線15bに正常な方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに逆方向に装着されている。番号35における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すiパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すfパターンである。
番号36においては、図3に示すように、第1電流センサ52aはV相線15bに逆方向に装着され、第2電流センサ52bはV相線15bに逆方向に装着されている。番号36における、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すiパターンであり、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すdパターンである。
次に、上述した燃料電池システムの作動について説明する。制御装置40は、図示しない起動スイッチがオンされると(あるいはユーザによって予め設定された起動開始時刻となったことにより自動的に起動が開始されると)、図22に示すフローチャートに対応するプログラムの実行を開始する。
ステップ102において、制御装置40は、第1および第2電流センサ52a,52bに対する自動補正制御を開始する旨の指示があるかないかを判定する。この自動補正指示は、第1および第2電流センサ52a,52bの取付位置・取付方向を自動的に点検するための指示であり、設置時またはメンテナンス時(修理時)になされるものである。
自動補正指示がないときは、制御装置40は、ステップ102にて「NO」と判定し、本プログラムを一旦終了する。自動補正指示があるときは(設置時やメンテナンス時)、制御装置40は、ステップ102にて「YES」と判定し、ステップをステップ104に進めて、以下の電流センサの自動補正処理を実行する。この自動補正処理は、第1および第2電流センサ52a,52bの取付位置・取付方向を自動的に点検し、点検結果である取付位置・取付方向に応じて電流センサによる検出結果を補正したり警告したりする処理である。
制御装置40は、U相スイッチ54a(U相補機19a)をオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)を確定するとともに(ステップ104〜116)、V相スイッチ54b(V相補機19b)をオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)を確定し(ステップ122〜134)、それらの検出状態から第1および第2電流センサ52a,52bの取付位置・取付方向を算出する(ステップ136)。
最初に、U相スイッチ54aをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)の確定処理について説明する。
ステップ104において、制御装置40は、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bによる検出状態(U相スイッチ54aのオンに係る電流センサの検出状態)が確定していないか否かを判定する。U相スイッチ54aのオンに係る電流センサの検出状態が確定していない場合には、制御装置40は、ステップ104にて「YES」と判定し、プログラムをステップ106に進める。U相スイッチ54aのオンに係る電流センサの検出状態が確定している場合には、制御装置40は、ステップ104にて「NO」と判定し、プログラムをステップ122に進めて、後述するV相スイッチ54bをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)の確定処理を実施する。
ステップ106において、制御装置40は、リトライ回数が0回であるか否かを判定する。リトライ回数は、U相スイッチ54aのオンに係る電流センサの検出状態の確定処理が1回で終了しない場合、時間をおいて確定処理を再度実施する回数のことである。リトライ回数が0回である場合には、制御装置40は、ステップ106にて「YES」と判定し、プログラムをステップ108に進める。リトライ回数が1回以上である場合には、制御装置40は、ステップ106にて「NO」と判定し、プログラムをステップ138(後述する)に進める。
ステップ108において、制御装置40は、U相スイッチ54aがオン状態であるか否か(オン中であるか否か)すなわちU相補機である第2の電力負荷19aが駆動状態であるか否かを判定する。U相スイッチ54aがオン状態であるか否かは、制御装置40がU相スイッチ54aにオン指令を出しているか否かにより判定する。U相スイッチ54aがオン状態でない場合には、制御装置40は、ステップ108にて「NO」と判定し、U相スイッチ54aをオン状態にする(ステップ110〜114)。U相スイッチ54aがオン状態である場合には、制御装置40は、ステップ108にて「YES」と判定し、U相スイッチ54aのオンに係る電流センサの検出状態の確定処理を実施する(ステップ116)。
ステップ110において、制御装置40は、U相補機である第2の電力負荷19aがオンされる前の第1電流センサ52aが装着された電線の電流の平均値および電力符号を算出して記憶する。具体的には、制御装置40は、自動補正指示の時点からU相補機19aの動作が開始される時点までの期間(例えば4周期分)において、第1電流センサ52aによって検出された電流値(実効値)から平均値を算出するとともに、第1電流センサ52aによって検出された電流値と電流計10a1によって検出された電圧値とから電力符号を導出する。電力符号は、その期間内において符号が同一である場合のその符号を記憶する。なお、算出された電流平均値の変動が所定電流閾値(例えば2.5A)以上である場合や、電力符号が変動した場合には、時間をおいて再度電流平均値および電力符号を算出する。
また、制御装置40は、U相補機である第2の電力負荷19aがオンされる前の第2電流センサ52bが装着された電線の電流の平均値および電力符号を算出して記憶する。具体的には、制御装置40は、自動補正指示の時点からU相補機19aの動作が開始される時点までの期間(例えば4周期分)において、第2電流センサ52aによって検出された電流値(実効値)から平均値を算出するとともに、第2電流センサ52bによって検出された電流値と電流計10a2によって検出された電圧値とから電力符号を導出する。
ステップ112において、制御装置40は、ステップ110にて記憶した電流平均値に基づいて、電流を計測する計測回路41を選択して切り替える。制御装置40は、電流平均値(または最大電流値)が第1の電流閾値より小さい場合には、第1の計測回路41aを選択し、第1の電流閾値より大きい第2の電流閾値より小さい場合には、第2の計測回路41bを選択し、その選択した計測回路41に切り替え設定する。
第1の電流閾値は、第1の計測回路41aの入力レンジを考慮して設定されるものである。例えば、第1の計測回路41aの入力レンジの上限値、またはその上限値より若干大きい値に設定される。また、第2の電流閾値は、第2の計測回路41bの入力レンジを考慮して設定されるものである。例えば、第2の計測回路41bの入力レンジの上限値、またはその上限値より若干大きい値に設定される。
ステップ114において、制御装置40は、U相スイッチ54aをオンして、U相補機19aをオンする(通電して稼動させる)。このオン状態は、後述するステップ238(図23参照)によるU相スイッチ54aをオフするまでの所定時間(例えば約1秒間)だけ継続される。なお、商用電源が60Hzの地域では、所定時間は約933ms(約833ms(50周期分)+100ms)であり、商用電源が50Hzの地域では、所定時間は1100ms(1000ms(50周期分)+100ms)である。
ステップ116において、制御装置40は、U相スイッチ54aをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)の確定処理を実施する。具体的には、制御装置60は、図23に示すU相スイッチオンに係るCT状態確定処理サブルーチンに対応するプログラムを実施する。制御装置60は、ステップ202において、U相補機19aをオンした後、所定時間(例えば100ms)が経過していない場合には、「NO」と判定しプログラムをステップ236に進める。一方、制御装置60は、ステップ202において、U相補機19aをオンした後、所定時間(例えば100ms)が経過した場合には、「YES」と判定しプログラムをステップ204に進める。
ステップ204において、制御装置40は、先に記憶したU相補機19aのオン直前に記憶した第1電流センサ52aに係る電流平均値と第1電流センサ52aにより検出された電流値との偏差である電流変動量(第1電流センサに係る電流変動量)を算出する。また、制御装置40は、先に記憶したU相補機19aのオン直前に記憶した第2電流センサ52bに係る電流平均値と第2電流センサ52bにより検出された電流値との偏差である電流変動量(第2電流センサに係る電流変動量)を算出する。
ステップ206において、制御装置40は、第1電流センサ52aにより検出された電流値と電力計10a1により検出された電圧値とから電力およびその符号(第1電流センサに係る電力およびその符号)を算出する。また、制御装置40は、第2電流センサ52bにより検出された電流値と電力計10a2により検出された電圧値とから電力およびその符号(第2電流センサに係る電力およびその符号)を算出する。
ステップ208において、制御装置40は、第1電流センサ52aの検出結果がU相スイッチ54aと同期しているか否かを判定する。具体的には、制御装置40は、先にステップ204で算出された第1電流センサに係る電流変動量が所定範囲(上述した第1閾値(例えば1A)以上であり第2閾値(例えば5.5A)未満である範囲)である場合には、U相スイッチ54aのオン(U相補機19aのオン)と同期ありと判定する(ステップ210)。また、制御装置40は、第1電流センサに係る電流変動量が所定範囲以外の範囲である場合には、U相スイッチ54aのオン(U相補機19aのオン)と同期なしと判定する(ステップ212)。
ステップ214において、制御装置40は、先に図22に示すステップ110にて記憶したU相スイッチ54a(U相補機19a)がオンされる前の第1電流センサ52aに係る電力符号と、先に図23に示すステップ206にて算出された第1電流センサ52aに係る電力符号とを比較する。制御装置40は、両方の電力符号が正である場合には、第1電力センサ52aの検出結果に係る電力は、U相線15aと同位相であり、その符号は正であると判定する(ステップ216)。また、制御装置40は、両方の電力符号が負である場合には、第1電力センサ52aの検出結果に係る電力は、U相線15aと逆位相であり、その符号は負であると判定する(ステップ218)。
また、制御装置40は、両方の電力符号が一致しない場合には、第1電力センサ52aの検出結果に係る電流は、U相スイッチ54aのオン前後において位相が反転しているため、U相スイッチ54aのオンに係る第1電流センサ52aの検出状態が正しく判定することができない。よって、制御装置40は、検知不能であると判定する(ステップ220)。そして、制御装置40は、プログラムを図22に示すステップ142に進め、ステップ142において、第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が検知不能である旨の警告を実施する。警告は、表示器に表示したり音声発生器から発生させたりすることにより実施される。
検知不能となる場合について番号9(図14参照)を例に挙げて説明する。このとき、第1の電力負荷21aは0Wでなく50Wの消費電力であり、第2の電力負荷21bは0Wの消費電力であり、U相補機19aおよびV相補機19bはそれぞれ100Wの消費電力である。
この場合の実際の動作パターンについて図25を参照して説明する。番号9においては、上述したように、第1電流センサ52aがU相線15aに正常な方向に取り付けられ、第2電流センサ52bがN相線15cに正常な方向に取り付けられている。U相スイッチ54aがオンされる直前においては、第1電流センサ52aが検出する電流は第1の電力負荷21a(50W)によるため、第1電流センサ52aによって検出される電流平均値は0.5Aであり、電力は50W(0.5A×100V)であり、その符号は正である。また、第2電流センサ52bが検出する電流は第1の電力負荷21a(50W)によるため、第2電流センサ52bによって検出される電流平均値は0.5Aであり、電力は50W(0.5A×100V)であり、その符号は正である。
U相スイッチ54aのオン中においては、第1電流センサ52aが検出する電流は第1の電力負荷21a(50W)に加えてU相補機19a(100W)によるため、第1電流センサ52aによって検出される電流平均値は1.5Aである。よって、第1電力センサ52aは同期ありと判定される。また、電力は150W(1.5A×100V)であり、その符号は正である。さらに、第2電流センサ52bが検出する電流は第1の電力負荷21a(50W)に加えてU相補機19a(100W)によるため、第2電流センサ52bによって検出される電流平均値は1.5Aである。よって、第2電力センサ52bは同期ありと判定される。また、電力は150W(1.5A×100V)であり、その符号は正である。
次に、V相スイッチ54bがオンされる直前においては、U相スイッチ54aがオンされる直前と同様である。
V相スイッチ54bのオン中においては、第1電流センサ52aが検出する電流は第1の電力負荷21a(50W)によるため、第1電流センサ52aによって検出される電流平均値は0.5Aである。よって、第1電流センサ52aは同期なしと判定される。また、電力は50W(0.5A×100V)であり、その符号は正である。さらに、第2電流センサ52bが検出する電流は第1の電力負荷21a(50W)に加えてV相補機19b(100W)によるため、第2電流センサ52bによって検出される電流平均値は0.5Aである。よって、第2電流センサ52bは同期なしと判定される。また、電力は−50W(0.5A×100V)であり、その符号は負である。
このような結果から、第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとは同期があり、第1電流センサ52aの検出結果に係る電力は正であり、第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとは同期があり、第2電流センサ52bの検出結果に係る電力は正である。よって、U相スイッチ54aのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図4の表2に示すcパターンであると判定される。
また、第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとは同期がなく、第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとは同期がない。よって、V相スイッチ54bのオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態は図5の表3に示すiパターンであると判定される。
これによれば、第1および第2電流センサ52a,52bの取付位置・取付方向は、図3の表2に基づいて番号27と判定されてしまい、実際の取付状態とは異なる状態である誤判定をすることになる。よって、このような誤判定を抑制するために、U相補機19a(またはV相補機19b)をオン前後の電力符号を比較して、一致しない場合には電流位相が反転していると判断して検知不能であると判定する。
説明を図23のフローチャートに戻す。ステップ222において、制御装置40は、ステップ208と同様に、第2電流センサ52bの検出結果がU相スイッチ54aと同期しているか否かを判定する。具体的には、制御装置40は、先にステップ204で算出された第2電流センサに係る電流変動量が所定範囲(上述した第1閾値(例えば1A)以上であり第2閾値(例えば5.5A)未満である範囲)である場合には、U相スイッチ54aのオン(U相補機19aのオン)と同期ありと判定する(ステップ224)。また、制御装置40は、第2電流センサに係る電流変動量が所定範囲以外の範囲である場合には、U相スイッチ54aのオン(U相補機19aのオン)と同期なしと判定する(ステップ226)。
ステップ228において、制御装置40は、ステップ214と同様に、先にステップ110にて記憶したU相スイッチ54a(U相補機19a)がオンされる前の第2電流センサ52bに係る電力符号と、先にステップ206にて算出された第2電流センサ52bに係る電力符号とを比較する。制御装置40は、両方の電力符号が正である場合には、第2電力センサ52bの検出結果に係る電力は、V相線15bと同位相であり、その符号は正であると判定する(ステップ230)。また、制御装置40は、両方の電力符号が負である場合には、第2電力センサ52bの検出結果に係る電力は、V相線15bと逆位相であり、その符号は負であると判定する(ステップ232)。
また、制御装置40は、両方の電力符号が一致しない場合には、第2電力センサ52bの検出結果に係る電流は、U相スイッチ54aのオン前後において位相が反転しているため、U相スイッチ54aのオンに係る第2電流センサ52bの検出状態が正しく判定することができない。よって、制御装置40は、検知不能であると判定する(ステップ220)。
ステップ234において、制御装置40は、上述したステップ208からステップ232までの処理でそれぞれ取得した、第1電流センサ52aの検出結果とU相スイッチ54aとの同期状態、および第2電流センサ52bの検出結果とU相スイッチ54aとの同期状態、ならびに第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符号、および第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符号を使用して、U相スイッチオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態を導出する。すなわち、制御装置40は、図4の表2に示す9つのパターンに場合分けする。
上述したステップ208からステップ234までの処理による、U相スイッチオン時の第1および第2電流センサ52a,52bについての検出状態の導出は、1周期毎に実施されており、U相スイッチ54aがオン中(約1秒間)である場合すなわち50回実施される。
ステップ236において、制御装置40は、上述したステップ114にてU相スイッチ54aのオンを開始した時点から所定時間(例えば約1秒)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合には、制御装置40は、ステップ236にて「NO」と判定し、本サブルーチンを終了させる。所定時間が経過した場合には、制御装置40は、ステップ236にて「YES」と判定し、プログラムをステップ238に進める。ステップ238において、制御装置40は、U相スイッチ54aをオフして、U相補機19aをオフする(通電を停止して稼動を停止する)。
ステップ240において、制御装置40は、上述したステップ208からステップ234までの処理によって算出したU相スイッチオン時の第1および第2電流センサ52a,52bについての複数(50セット)の検出状態のうち、7割以上が一致したか否かを判定する。7割以上が一致している場合には、制御装置40は、ステップ240にて「YES」と判定し、U相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態が確定していると判定する(ステップ242)。そして、制御装置40は、ステップ244において、リトライ回数を0にクリアする。
7割以上が一致していない場合には、制御装置40は、ステップ240にて「NO」と判定し、U相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態が確定していないと判定し、リトライ回数をインクリメントする(ステップ246)。
制御装置40は、U相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態を確定処理が終了すると、プログラムを図22に示すステップ118に進める。ステップ118において、制御装置40は、U相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態が確定し、かつ、V相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態が確定し、かつ、第1および第2電流センサ52a,52bの状態が未確定であるか否かを判定する。
U相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態が確定し、かつ、V相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態が確定し、かつ、第1および第2電流センサ52a,52bの状態が未確定である場合には、制御装置40は、ステップ118にて「YES」と判定しプログラムをステップ136(後述する)に進める。一方、U相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態が確定し、かつ、V相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態が確定し、かつ、第1および第2電流センサ52a,52bの状態が未確定でない場合には、制御装置40は、ステップ118にて「NO」と判定しプログラムをステップ120に進める。
ステップ120において、制御装置40は、リトライ回数が閾値(例えば、4回)以上であるか否かを判定する。リトライ回数が閾値未満である場合には、制御装置40は、ステップ120にて「NO」と判定し本プログラムを一旦終了する。リトライ回数が閾値以上である場合には、制御装置40は、ステップ120にて「YES」と判定しプログラムをステップ142に進め、第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が検知不能である旨の警告を実施する。
なお、リトライ回数は4回ですが、設定回数はシステムから変更可能である。また、電流センサの取付状態判定処理は4つの処理(U相の電流センサ検知処理(1秒)、V相の電流センサ検知処理(1秒)、U相の電流センサ検知処理(2秒)およびV相の電流センサ検知処理(2秒))で検出している。よって、各処理中に1回リトライがあっても電流センサの取り付け状態を検出できる様に閾値を設定している。
次に、V相スイッチ54bをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)の確定処理について説明する。この確定処理は、上述したU相スイッチ54aをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)の確定処理と同様の内容である。すなわち、ステップ122,126から134までの各処理は、ステップ104,108から116までの各処理と同様な内容である。異なる点は、U相スイッチ54a(U相補機19a)をオフからオンにしたことに代えてV相スイッチ54b(V相補機19b)をオフからオンにしたことである。
ステップ124において、制御装置40は、V相スイッチオンに係るCTの状態を確定する処理を実施(またはリトライ)する際に、所定時間をおいて実施するために、U相補機19a(またはV相補機19b)をオフした後、所定時間(例えば1000ms)を経過したか否かを判定する。U相補機19a(またはV相補機19b)をオフした後、所定時間を経過していない場合、制御装置40は、ステップ124にて「NO」と判定し、プログラムをステップ118に進める。U相補機19a(またはV相補機19b)をオフした後、所定時間を経過した場合、制御装置40は、ステップ124にて「YES」と判定し、プログラムをステップ126に進める。
ステップ134において、制御装置40は、図24に示すV相スイッチオンに係るCT状態確定処理サブルーチンを実施する。このサブルーチンは、上述した図23に示すU相スイッチオンに係るCT状態確定処理サブルーチンと同様の内容である。すなわち、ステップ302からステップ346までの各処理は、ステップ202からステップ246までの各処理と同様な内容である。異なる点は、U相スイッチ54a(U相補機19a)をオフからオンにしたことに代えてV相スイッチ54b(V相補機19b)をオフからオンにしたことである。
また、制御装置40は、ステップ334において、上述したステップ234と同様に、上述したステップ308からステップ332までの処理でそれぞれ取得した、第1電流センサ52aの検出結果とV相スイッチ54bとの同期状態、および第2電流センサ52bの検出結果とV相スイッチ54bとの同期状態、ならびに第1電流センサ52aの検出結果に係る電力符号、および第2電流センサ52bの検出結果に係る電力符号を使用して、V相スイッチオン時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態を導出する。すなわち、制御装置40は、図5の表3に示す9つのパターンに場合分けする。
上述したように、U相スイッチ54aをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)が確定し、V相スイッチ54bをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)が確定し、かつ、第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が未確定である場合には、制御装置40は、プログラムをステップ136に進める。制御装置40は、ステップ136において、U相スイッチ54aをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)と、V相スイッチ54bをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)とから、第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態を算出する。具体的には、制御装置40は、図3に示す表1を使用して、U相スイッチ54aをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)と、V相スイッチ54bをオフからオンにした時の第1および第2電流センサ52a,52bの検出状態(状態)との組み合わせを選び出し、その選び出した組み合わせに相当する第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態(取付位置および取付方向)を導出する。
このとき、制御装置40は、導出した結果に基づいて、正常、補正および異常の判定を行う。判定結果が「正常」である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bは正常な取付位置および取付方向で取り付けられているので、第1および第2電流センサ52a,52bから取得した検出結果をそのまま使用すればよい。
判定結果が「補正」である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bは正常な取付位置および取付方向で取り付けられていないが、第1および第2電流センサ52a,52bから取得した検出結果の正負を逆にしたり取得した検出結果を交換したり(入れ替えたり)して使用すればよい。具体的には、第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が番号2である場合には、第1電流センサ52aの検出結果を正負逆にすればよい。第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が番号3である場合には、第2電流センサ52bの検出結果を正負逆にすればよい。第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が番号4である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果を正負逆にすればよい。第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が番号5である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果を入れ替えればよい。第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が番号6である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果を入れ替えるとともに、第1電流センサ52aの検出結果を正負逆にすればよい。第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が番号7である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果を入れ替えるとともに、第2電流センサ52bの検出結果を正負逆にすればよい。第1および第2電流センサ52a,52bの取付状態が番号8である場合には、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果を入れ替えるとともに、第1および第2電流センサ52a,52bの検出結果を正負逆にすればよい。
判定結果が「異常」である場合には、前述したように補正することができないため、第1および第2電流センサ52a,52bから取得した検出結果を使用することができない。よって、ユーザにその旨を警告する。
制御装置40は、U相スイッチオンに係るCTの状態を確定する処理(またはV相スイッチオンに係るCTの状態を確定する処理)をリトライする際に、所定時間をおいて再度実施するために、ステップ138において、U相補機19a(またはV相補機19b)をオフした後、所定時間(例えば1000ms)を経過したか否かを判定する。U相補機19a(またはV相補機19b)をオフした後、所定時間を経過していない場合、制御装置40は、ステップ138にて「NO」と判定し、プログラムをステップ118に進める。U相補機19a(またはV相補機19b)をオフした後、所定時間を経過した場合、制御装置40は、ステップ138にて「YES」と判定し、プログラムをステップ108に進める。
さらに、上述した制御による作動を図26のタイムチャートを参照して説明する。時刻t1にCT自動補正指示があると、4周期分の時間をおいて時刻t2にU相スイッチ54aがオンされU相補機19aがオンされる。時刻t1から時刻t2までの間において、U相補機19aのオン前の電流平均値と電力符号を算出する。時刻t2から時刻t3(時刻t2から100ms経過した時点)までの間においては、第1電流センサ52aの検出結果は利用しない。時刻t3から時刻t4(時刻t2から約1000ms経過した時点)までの間において、1周期毎にU相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態の確定処理を実施する。時刻t4から時刻t5(時刻t4から所定時間1000msが経過した時点)までにおいては、U相スイッチ54aおよびV相スイッチ54bをオフにする。
時刻t5から時刻t6まで(時刻t5から4周期分経過した時点)においては、V相補機19bのオン前の電流平均値と電力符号を算出する。時刻t6から時刻t7(時刻t6から100ms経過した時点)までの間においては、第2電流センサ52bの検出結果は利用しない。時刻t7から時刻t8(時刻t6から約1000ms経過した時点)までの間において、1周期毎にV相スイッチオンに係る第1および第2電流センサ52a,52bの状態の確定処理を実施する。時刻t8から時刻t9(時刻t8から所定時間1000msが経過した時点)までにおいては、U相スイッチ54aおよびV相スイッチ54bをオフにする。
上述した実施形態によれば、制御装置40は、各電流センサ52a,52bが装着されている電線および各電流センサ52a,52bの装着向きの組み合わせに対応して関連付けられて、各スイッチ54a,54bを一つずつオンしたときのスイッチ54a,54b毎におけるそのオンしたスイッチ54a,54bに対して各電流センサ52a,52bが同期するか否かを示す同期関係および各電流センサに係る電力符号の組み合わせを示す予め作成した対応関係(表1)を記憶し、発電装置10が発電停止している状態において、各スイッチ54a,54bを一つずつオンしたときに各電流センサ52a,52bによって実際に検出された検出結果に基づいて算出された当該オンしたスイッチ54a,54b毎における組み合わせを算出し(ステップ116,134)、その算出した組み合わせに相当する各電流センサ52a,52bが装着されている電線および各電流センサの装着向きを対応関係から判定する(ステップ136)。これにより、コジェネレーションの電流センサ取付状態判定装置は、各電流センサ52a,52bが系統電源のいずれの相の電線(15a,15b,15c)に取り付けられていても、電流センサ52a,52bの装着位置および装着向きを正確に判定することができる。
また、制御装置40は、スイッチ54a,54bをオンする直前に算出し記憶した当該電流センサ52a,52bに係る電力符号と、スイッチ54a,54bをオンしている間に算出した当該電流センサ52a,52bに係る電力符号とを比較する(ステップ214,228)ことで、各電流センサ52a,52bに係る電力符号を算出し、スイッチ54a,54bをオンする直前に算出し記憶した当該電流センサ52a,52bに係る電力符号と、スイッチ54a,54bをオンしている間に算出した当該電流センサに係る電力符号とが異なる場合には、スイッチ54a,54bのオン前後において当該電流センサ52a,52bの検出結果の位相が反転していると判定し、各電流センサ52a,52bが装着されている電線および各電流センサの装着向きの判定を禁止する(ステップ214,228,220)。これにより、スイッチ54a,54bのオン前後で電流の位相が反転するような状況においては、例えば、第1の電力負荷において電力が消費されている場合においては、各電流センサが装着されている電線および各電流センサの装着向きの判定を禁止するため、電流センサの装着位置および装着向きの誤判定を防止して電流センサの装着位置および装着向きの判定の精度を向上することができる。特に、N相線15cに電流センサが取り付けられた場合に誤判定を抑制することができる。
また、制御装置40は、各電流センサが装着されている電線および各電流センサの装着向きの判定が失敗した場合には、時間をおいて判定を再度実施する(ステップ138,124)。これにより、判定に一度失敗した場合でも、時間をおいて状況が変更することで、次回判定が成功する場合もあるので、電流センサの装着位置および装着向きの判定をできるだけ短期で成功させることができる。
また、制御装置40は、各電流センサが装着されている電線および各電流センサの装着向きの判定の1回目を実施し、その後2回目以降の判定を1回目の判定時間(例えば1000ms)より長い判定時間(例えば2000ms)で実施するようにしてもよい。これにより、電流センサの装着位置および装着向きの判定を複数回行うこと、および2回目の判定時間を延ばすことにより、電流センサの装着位置および装着向きの判定の精度を向上することができる。
なお、上述した表3は、実機を使用した実験結果から算出するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、単相3線式の回路構成であったが、3相3線式の回路構成にも本発明は適用可能であり、4線式の回路構成にも適用可能である。上述したいずれの場合にも電流センサ52は2つでなく3つ以上の場合にも本発明は適用可能である。