JP5736901B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[14]に存する。
[5]使用する全ジヒドロキシ化合物1molあたり、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物が、金属量として20μmol以下存在する下で溶融重合する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
[14]前記ポリカーボネート樹脂が、前記ジヒドロキシ化合物(A)と前記化合物(C)とを、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物の存在下で溶融重合してなる、請求項13に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[15]前記ポリカーボネート樹脂が、前記ジヒドロキシ化合物(A)と前記化合物(C)とを、使用する全ジヒドロキシ化合物1molあたり、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物が、金属量として20μmol以下存在する下で溶融重合してなる、請求項13に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、下記式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物(A)と、下記式(2)を分子構造の一部に含み、且つ硫黄元素およびリン元素を分子構造内に含まない化合物(B)と、下記式(3)で表される炭酸ジエステル(C)とを溶融重合してなるポリカーボネート樹脂組成物、または化合物(B)のなかでも特定の構造を有する化合物を特定量含有するものである。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、構造の一部に下記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂である。
(ジヒドロキシ化合物)
本発明のポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の製造に用いられるジヒドロキシ化合物(A)(以下、「ジヒドロキシ化合物(A)」と言うことがある。)は、下記式(1)の結合構造を有するものである。
これらは得られるポリカーボネート樹脂組成物の要求性能に応じて、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる化合物(B)は、下記式(2)で表される構造を分子構造の一部に含み、且つ硫黄原子およびリン原子を分子構造内に含まないものである。ここで、分子構造の一部に含みとは、分子構造の一部が下記式(2)で表されることを示し、例えば式(2)中のベンゼン環が、R1やR2などの式(2)中に明示する置換基以外の基を更に有するものであってもかまわない。
このため、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を得るのに、上記式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物(A)と、化合物(B)と、上記式(3)で表される炭酸ジエステル(C)とを共存させて溶融重合する場合、溶融重合の際にポリカーボネート樹脂組成物の成分から分解や揮発などにより失われる可能性があることを考慮して、化合物(B)の量は、ヒドロキシ化合物(A)100質量部に対して、通常0.005質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.02質量部以上であり、通常5質量部以下、好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物または本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂は、上述した本発明に用いるジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物または本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂は、上述のように本発明に用いるジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と上記式(3)で表される炭酸ジエステルをエステル交換反応させて製造する。より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。この場合、通常、エステル交換反応触媒存在下でエステル交換反応により重縮合を行う。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、上記式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物(A)と、該ジヒドロキシ化合物(A)100質量部に対して0.005質量部以上5質量部以下の、上記式(2)を分子構造の一部に含み、且つ硫黄元素およびリン元素を分子構造内に含まない化合物(B)と、上記式(3)で表される炭酸ジエステル(C)との存在下で、溶融重合する方法、または、前記ジヒドロキシ化合物(A)と前記化合物(C)とを溶融重合してなるポリカーボネート樹脂と、該ジヒドロキシ化合物(A)100質量部に対して0.0001質量部以上5質量部以下の前記式(6)で表される化合物とを混合する方法があげられる。
本発明に用いる化合物(B)は、溶融重合工程の前の原料調製工程において、ジヒドロキシ化合物と混合することが好ましい。混合方法としては、本発明に用いるジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと化合物(B)とを固体のまま混合し、その後溶融させて均一混合させてもよいし、あらかじめ溶融させた炭酸ジエステルに固体状態のジヒドロキシ化合物と化合物(B)を混合してもよい。連続重合の場合は原料を定量的に連続で反応槽に供給する必要があるため、操作性、供給安定性の点から、ジヒドロキシ化合物と化合物(B)を混合して、溶融液、または懸濁液にした後、溶融した炭酸ジエステルと混合されることが好ましい。
また、原料混合液を貯蔵する工程の温度は、通常70℃以上、好ましくは80℃以上であり、通常160℃以下、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下である。温度が低すぎると、固化や相分離等の不具合を招き、温度が高すぎるとジヒドロキシ化合物の熱劣化を招くことがある。
本発明において、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重合させる方法は、上述の触媒存在下、通常、複数の反応器を用いて多段階で実施される。反応の形式は、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
本発明において、反応器が2つ以上であれば、その反応器中で、更に条件の異なる反応段階を複数持たせる、連続的に温度・圧力を変えていくなどしてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物は、上述の通り重縮合後、通常、冷却固化させ、回転式カッター等でペレット化される。
尚、還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボネート濃度を0.6g/dLに精密に調製し、温度20.0℃±0.1℃でウベローデ粘度計を用いて測定する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物から、ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂成形体が得られる。ポリカーボネート樹脂成形体の成形方法は特に限定されないが、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法等の通常知られている方法で成形品を得ることができる。
安定剤の評価、並びに、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の物性の評価は次の方法により行った。
試料約4gを精秤し、脱塩水に溶解して10mLの溶液を調製した。液体クロマトグラフィーにて分析を行い、フルフラール含有量を定量した。
用いた装置や条件は、次のとおりである。
・装置:島津製作所製
システムコントローラ CBM−20A
ポンプ LC−10AD
カラムオーブン CTO−10ASvp
検出器 SPD−M20A
分析カラム:Cadenza CD−18 4.6mmΦ×250mm
オーブン温度:40℃
・検出波長:270nm
・溶離液:アセトニトリル/脱塩水/リン酸=30/70/0.1(体積%)
・流量:1mL/分
・試料注入量:10μl
加熱試料5gをアセトニトリルに溶解し、50mLの溶液を調製した。光路長2cmのガラスセルに入れて、コニカミノルタ社製分光測色計CM−5により透過モードで測定を行い、溶液のイエローインデックス(YI)値を測定した。YI値が小さい程、黄色味が少ないことを示す。
酸素計(AMI社製:1000RS)を使用し、測定した。
溶媒として塩化メチレンを用い、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求め、
ηrel=t/t0
相対粘度から次式より比粘度ηspを求めた。
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
ポリカーボネート樹脂組成物の色相は、ASTM D1925に準拠して、ペレットの反射光におけるYI値(ペレットYI)を測定して評価した。装置はコニカミノルタ社製分光測色計CM−5を用い、測定条件は測定径30mm、SCEを選択した。シャーレ測定用校正ガラスCM−A212を測定部にはめ込み、その上からゼロ校正ボックスCM−A124をかぶせてゼロ校正を行い、続いて内蔵の白色校正板を用いて白色校正を行った。白色校正板CM−A210を用いて測定を行い、L*が99.40±0.05、a*が0.03±0.01、b*が−0.43±0.01、YIが−0.58±0.01となることを確認した。ペレットの測定は、内径30mm、高さ50mmの円柱ガラス容器にペレットを30mm以上の深さまで入れて測定を行った。ガラス容器からペレットを取り出してから再度測定を行う操作を2回繰り返し、計3回の測定値の平均値を用いた。
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、窒素雰囲気下、110℃で10時間乾燥した。次に、乾燥したポリカーボネート樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、シリンダー温度220℃、成形サイクル23秒間の条件で、射出成形片(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)を成形する操作を繰り返し、10ショット目〜20ショット目で得られた射出成形片の厚み方向での透過光におけるYI値(通常成形プレートYI)をコニカミノルタ社製分光測色計CM−5を用いて測定し、平均値を算出した。
前述したポリカーボネート樹脂組成物の初期色相の評価において、射出成形機による射出成形片の成形サイクルを、20ショット目から60秒とし、30ショット目まで成形操作を繰り返す。そして、30ショット目で得られた射出成形品の厚み方向の透過光におけるYI値(滞留成形プレートYI)を、上記色測計を用いて測定し、平均値を算出した。
パーキンエルマー社製マイクロウェーブ分解容器にポリカーボネート樹脂組成物のペレット約0.5gを精秤し、97%硫酸2mLを加え、密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱した。室温まで冷却後、68%硝酸1.5mLを加えて、密閉状態にして150℃で10分間マイクロウェーブ加熱した後、再度室温まで冷却を行い、68%硝酸2.5mLを加え、再び密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱し、内容物を完全に分解させた。室温まで冷却後、上記で得られた液を純水で希釈し、サーモクエスト社製ICP−MSで定量した。
(9)ポリカーボネート樹脂組成物中の硫黄原子の量の測定
ポリカーボネート樹脂試料を白金製ボートに採取し、石英管管状炉(三菱化学(株)製AQF−100型)で加熱し、燃焼ガス中の硫黄分を0.03%の過酸化水素水溶液で吸収した。吸収液中のSO4 2−をイオンクロマトグラフ(Dionex社製ICS−1000型)で測定した。
ISB:イソソルビド (商品名POLYSORB:ロケットフルーレ社製)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール (新日本理化社製)
DPC:ジフェニルカーボネート (三菱化学社製)
BHEPF:9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製)
ISBの熱分解成分の一つにフルフラールがある。フルフラールはフラン環とアルデヒド基を有する化合物であり、ポリカーボネートの着色の原因の一つと考えられる。安定剤の効果を検証するためにISBに各種安定剤を添加し、窒素雰囲気下で加熱した後のフルフラールの生成量とISBの色調を比較した。
試験管にISB20gと、安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)をISBに対して1000ppm仕込み、減圧窒素置換を5回繰り返し行った後、窒素シールした。次に210℃のオイルバスに試験管を浸けて、2時間静置した。室温まで冷却した後にサンプルを取り出し、前記の方法によりフルフラール含有量とモノマー溶液の色調(溶液YI)の測定を行った。結果を表1に示す。
安定剤としてテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]−メタン(商品名Irganox1010:BASFジャパン株式会社)を1000ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名Irganox1330:BASFジャパン株式会社)を1000ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤としてn−オクタデシル−3−(3',5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名Irganox1076:BASFジャパン株式会社)を1000ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤を何も添加せずに参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(商品名AS2112:ADEKA株式会社)を1000ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤としてビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(商品名PEP36:ADEKA株式会社)を1000ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤として6−tert−ブチル−4−[3−[(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル]−2−メチルフェノール(商品名SumilizerGP:住友化学株式会社)を1000ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤としてペンタエリスリトールテトラキス−(3−ドデシルチオプロピオネート)(商品名SEENOX 412S:シプロ化成株式会社)を1000ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤として水素化ホウ素ナトリウムを50ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
安定剤としてリン酸水素ナトリウムを50ppm使用した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
各種安定剤の溶融重合における反応速度と樹脂物性に及ぼす影響を検証した。
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、ISB、CHDM、DPC、および酢酸カルシウム一水和物を、モル比でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム一水和物=0.700/0.300/1.00/1.00×10−6になるように仕込んだ。安定剤としてIrganox1330をISBの質量に対して800ppm加えた。DPCは蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたものを使用した。装置内を十分に窒素置換した後(酸素濃度0.0005〜0.001体積%)、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を210℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに30分間保持した。この時点で溜出したフェノールの量を記録した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気は100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を重合反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の凝縮器に導いて回収した。
原料を仕込んだ後、120℃で24時間溶融状態を保持してから反応を開始した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。得られた樹脂の色調は若干悪化したものの、反応速度に大きな変化はなかった。
安定剤を何も添加しなかった以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
安定剤を何も添加しなかった以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。反応速度が低下し、十分な分子量の樹脂が得られなかった。
安定剤としてAS2112をISBに対して800ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。実施例1よりも反応速度が低下し、得られた樹脂の色相も若干悪化した。
安定剤としてAS2112をISBに対して800ppm添加した以外は実施例2と同様に行った。結果を表2に示す。反応速度が大幅に低下し、十分な分子量の樹脂が得られなかった。得られた樹脂の色相も悪化した。
安定剤としてSEENOX 412SをISBに対して800ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。反応速度が大幅に低下し、十分な分子量の樹脂が得られなかった。得られた樹脂の色相も悪化した。
安定剤としてSumilizerGPをISBに対して800ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。反応速度が遅く、十分な分子量の樹脂が得られなかった。
原料をモル比でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム一水和物=0.700/0.300/1.00/5.00×10−6となるように仕込み、安定剤としてSumilizerGPをISBに対して800ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。触媒量を増量することで所定分子量の樹脂が得られたが、色相は悪化した。
安定剤としてリン酸水素ナトリウムをISBに対して50ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。フェノールの溜出が非常に速く、重合速度をコントロールできずに分子量が上がりすぎてしまった。安定剤を添加しない時よりもポリマーの色相が悪化した。
異なる共重合組成の重合を行い、安定剤の効果を検証した。
原料をモル比でISB/BHEPF/DPC/酢酸カルシウム一水和物=0.600/0.400/1.00/1.00×10−5となるように仕込み、安定剤としてIrganox1330をISBに対して800ppm添加し、最終反応温度を240℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
原料をモル比でISB/PEG#1000/DPC/酢酸カルシウム一水和物=0.990/0.010/1.00/8.00×10−7となるように仕込み、安定剤としてIrganox1330をISBに対して800ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
原料をモル比でISB/BHEPF/DPC/酢酸カルシウム一水和物=0.600/0.400/1.00/1.00×10−5となるように仕込み、安定剤を何も添加せず、最終反応温度を240℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
原料をモル比でISB/PEG#1000/DPC/酢酸カルシウム一水和物=0.990/0.010/1.00/8.00×10−7となるように仕込み、安定剤を何も添加しなかった他は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
触媒種の影響を検証した。
原料をモル比でISB/CHDM/DPC/酢酸リチウム=0.700/0.300/1.00/1.00×10−6となるように仕込み、安定剤としてIrganox1330をISBに対して1000ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂組成物の還元粘度の測定を行ったところ、0.453dL/gであった。ペレットYIの測定を行ったところ、13.1であった。さらに、ポリカーボネート樹脂中の金属濃度の測定を行い、ジヒドロキシ化合物(μmol)に対するナトリウム、カリウム、セシウムの濃度を算出した。これらの結果を表4に示す。
原料をモル比でISB/CHDM/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.700/0.300/1.00/5.00×10−6となるように仕込み、安定剤としてIrganox1330をISBに対して1000ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
原料をモル比でISB/CHDM/DPC/酢酸バリウム=0.700/0.300/1.00/1.00×10−6となるように仕込み、安定剤としてIrganox1330をISBに対して1000ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
原料をモル比でISB/CHDM/DPC/酢酸ナトリウム=0.700/0.300/1.00/1.00×10−6となるように仕込み、安定剤としてIrganox1330をISBに対して1000ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
原料をモル比でISB/CHDM/DPC/炭酸セシウム=0.700/0.300/1.00/5.00×10−7となるように仕込み、安定剤としてIrganox1330をISBに対して1000ppm添加した以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
Claims (16)
- 下記式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物(A)と、下記式(2)で表される構造を分子構造の一部に含み、且つ硫黄原子およびリン原子を分子構造内に含まない化合物(B)と、下記式(3)で表される化合物(C)との存在下で、溶融重合するポリカーボネート樹脂組成物の製造方法であって、
前記ポリカーボネート樹脂組成物中のナトリウム、カリウム及びセシウムの合計の含有量が、該ポリカーボネート樹脂組成物を構成するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位1molあたり、1μmol以下であり、
該ジヒドロキシ化合物(A)100質量部に対して、該化合物(B)を0.005質量部以上5質量部以下用いる、ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)と前記化合物(B)とを、10℃以上160℃以下で予め混合する工程を有する、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)を含有する組成物を、70℃以上160℃以下で、0.5時間以上24時間未満貯蔵する工程を有する、請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物の存在下で溶融重合する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 使用する全ジヒドロキシ化合物1molあたり、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物が、金属量として20μmol以下存在する下で溶融重合する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記式(4)において、Xがn価の芳香族炭化水素基である、請求項6に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)が、環状エーテル構造を有する化合物である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 更に、脂肪族ジヒドロキシ化合物の存在下で溶融重合する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 更に、前記ジヒドロキシ化合物(A)、前記化合物(B)、前記化合物(C)の合計量から理論的に導かれるポリカーボネート樹脂組成物の質量に対して、10ppm以下の硫黄原子およびリン原子の存在下で溶融重合する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の製造方法により製造される、ポリカーボネート樹脂組成物。
- 少なくとも下記式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物(A)と下記式(3)で表される化合物(C)とを溶融重合してなるポリカーボネート樹脂と、下記式(2)で表される構造を分子構造の一部に含み、且つ硫黄原子およびリン原子を分子構造内に含まない化合物(B)とを混合してなるポリカーボネート樹脂組成物であって、
前記ポリカーボネート樹脂組成物中のナトリウム、カリウム及びセシウムの合計の含有量が、該ポリカーボネート樹脂組成物を構成するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位1molあたり、1μmol以下であり、
該化合物(B)が下記式(6)で表される化合物であり、且つ該化合物(B)の量が該ジヒドロキシ化合物(A)100質量部に対して、0.0001質量部以上5質量部以下である、ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、前記ジヒドロキシ化合物(A)と前記化合物(C)とを、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物の存在下で溶融重合してなる、請求項13に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、前記ジヒドロキシ化合物(A)と前記化合物(C)とを、使用する全ジヒドロキシ化合物1molあたり、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物が、金属量として20μmol以下存在する下で溶融重合してなる、請求項13に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項12から請求項15のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる、ポリカーボネート樹脂成形体。
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