JP5736101B2 - 真空成形用化粧シート - Google Patents

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本発明は、真空成形に用いられる化粧シートに関するものである。
従来より、例えばキッチン扉や学童机用部材等の様に、複雑な三次元立体形状を有する化粧材の製造に当たっては、目的とする化粧材の三次元立体形状に予め成形した木質基材等の化粧材用基材の表面上に、熱可塑性樹脂製の化粧シートを加熱軟化しつつ展張し、該化粧シートの化粧材用基材側の空間を減圧し、必要に応じ反対側の空間を加圧することにより、該化粧シートを前記化粧材用基材の表面の三次元立体形状に沿って成形しつつ貼着積層する、いわゆる真空成形法が広く採用されている。
上記真空成形法としては、化粧シートの加熱及び化粧シートの化粧材用基材側の空間と反対側の空間との圧力差による化粧シートの化粧材用基材表面への押圧力の付加を、化粧シートの化粧材用基材とは反対側に展張したシリコーンゴム膜等の可撓性且つ弾力性のメンブレンゴムを介して行う、いわゆるメンブレンプレス法と、該メンブレンゴムを使用せずに、化粧シートを直接加熱すると共に、化粧シート自体を押圧力付加媒体として行う、いわゆるメンブレンレスプレス法とがある。我が国においては、従来からメンブレンプレス法の真空成形機が主に用いられてきた。
ところで、上記化粧シートは三次元立体形状の表面に位置するため、耐摩耗性、耐擦傷性、耐汚染性などが要求され、そのためには、上記化粧シートの最表面に表面保護層を設けておくことが肝要である。しかしながら、上述の真空成形法において、化粧シートが真空圧空作用により伸ばされるため、成形品の曲面部の表面保護層にクラックが入るという問題があった。
上記問題点に対して、表面保護層の成形性を上げるために表面保護層として熱硬化性樹脂を用いることが行われてきた(例えば、特許文献1参照)。熱硬化性樹脂は成形性については良好な結果を示し、表面保護層にクラックは入りにくいが、加飾成形品の表面の耐摩耗性や耐擦傷性には改良の余地があった。
一方、表面保護層として紫外線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂を用い、加飾シートの表面保護層を形成する樹脂の架橋密度を高めることにより、加飾成形品の表面の耐摩耗性や耐擦傷性を向上させる試みがなされたが、成形の際に成形品曲面部にクラックが生じるという問題があった。
特開2002−67242号公報
本発明は、このような状況下で、真空成形における成形加工性が良好であり、真空成形後の化粧シート表面の耐擦傷性が良好な真空成形用化粧シートを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、化粧シートの表面保護層に、電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を特定の割合で有する樹脂組成物を架橋硬化してなるものを用いることで、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、基材シートの上に装飾層、透明樹脂層及び表面保護層をこの順に積層してなる真空成形用化粧シートであって、表面保護層が電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を45:55〜30:70の比率(質量比)で含む樹脂組成物を架橋硬化してなる真空成形用化粧シート、を提供するものである。
本発明によれば、真空成形における成形加工性が良好であり、真空成形後の化粧シート表面の耐擦傷性が良好な真空成形用化粧シートを提供することができる。
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の真空成形用化粧シートの断面を示す模式図である。
本発明の真空成形用化粧シート(以下、単に「化粧シート」ということがある)10は、基材シート11の上に装飾層12、透明樹脂層13、及び表面保護層14をこの順に積層してなる真空成形用化粧シートである。
(基材シート)
本発明に係る基材シート11としては、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」という)等が使用される。なお、基材シート11は、上述の樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートとして使用することもできる。
上記樹脂のうち、非晶質のポリエステル樹脂が、真空成形性等の成形性、折曲加工性、及び被着体への接着性が良好となることから特に好ましい。
非晶質ポリエステル樹脂としては、市販されているものとして、例えば、イーストマンケミカル社製の商標「Eastar PETG 6763」(商品名)(押出グレード)が使用できる他、既に樹脂シートとなっているものとしては、鐘紡(株)による「カネボウPETシート」(商品名)、帝人(株)による「テイジンテトロンシート」(商品名)、電気化学工業(株)による「デンカA−PETシート」(商品名)、東洋紡績(株)による「東洋紡PETMAXシート」(商品名)、長瀬産業(株)による「NAGASE A−PETシート」(商品名)、ポリテック(株)による「ポリテックA−PETシート」(商品名)、SAEHAN社による「SAEHAN APET SEET」(商品名)、三菱化学(株)による「ノバクリアー」(商品名)、三井・デュポンポリケミカル社による「シーラーPT」(商品名)等が使用できる。なお、包装材料分野でA−PET(APETと表記することもある)と呼ばれている樹脂又は樹脂シートは、非晶質ポリエステル樹脂であり、PET−G(PETGと表記することもある)と呼ばれている樹脂又は樹脂シートも、非晶質ポリエステル樹脂である。
非晶質ポリエステル樹脂の酸成分及びジオール成分は、例えば上記イーストマンケミカル社製の「Eastar PETG 6763」の場合は、酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールを併用した共重合樹脂である。エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの割合を調整することで、結晶化速度を約ゼロとする事ができると言われている。また、この割合を調整する事で、物性を調整することもできる。
非晶質ポリエステル樹脂の酸成分及びジオール成分として、上記の例で示すものがあるが、本発明で使用する非晶質ポリエステル樹脂は、これらに限定されるものではなく、これ以外の酸成分及びジオール成分から構成される樹脂でも、非晶質を呈する樹脂であれば用いることができる。
例えば、酸成分としては、テレフタル酸以外にも、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;脂環式ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
また、ジオール成分としては、上述の1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の脂環式ジオール;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール;キシレングリコール等の芳香族ジオール等が挙げられる。
非晶質ポリエステル樹脂は、通常、ジオール及び酸成分の合計が3種以上となる様に、これらの、1種又は2種以上のジオール成分と、1種又は2種以上の酸成分との共重合体として得られる。なお、非晶質とは結晶化を全く起こさない様な樹脂でもよいが、非結晶性を呈する部分と共に結晶性を呈する部分を有する樹脂でもよい。また、非晶質ポリエステル樹脂には結晶性ポリエステル樹脂が混合されていてもよい。
以上のように、本発明の真空成形用化粧シートにおける、基材シートは少なくとも非晶質ポリエステル樹脂を含有するシートであることが好ましい。
本発明に係る基材シート11は無色透明であってもよいが、着色透明又は着色不透明(着色隠蔽性)が好ましい。基材シート11を着色するには、後述する隠蔽層121及び絵柄層122で述べる様な公知の着色剤を樹脂中に添加すればよい。
本発明に係る基材シート11は、通常、樹脂シートとして用意され、その厚さは用途によるが、通常、50〜300μm程度である。また、基材シート11は単層の他に2層、3層等の複層構成であってもよく、2種以上の非晶質ポリエステル樹脂からなる積層シートであってもよい。
(装飾層)
本発明に係る装飾層12は、化粧シート10の意匠性を高めるために設けられる層であり、隠蔽層121及び/又は絵柄層122により構成される。
隠蔽層121は、基材シート11の着色を隠蔽する全面ベタ層であって、この隠蔽層121の上に絵柄層122を積層する場合は、絵柄層122にあわせてその着色が選択される。また、基材シート11が隠蔽層として機能する場合は、隠蔽層121を設けなくてもよく、基材シート11の表面上に絵柄層122を印刷してもよい。
隠蔽層121は、通常は印刷インキ或いは塗料でグラビア印刷等の公知の印刷又はグラビアコート、ロールコート等の塗工法により形成することができる。隠蔽層121の厚さは1〜10μm程度であり、通常5μm程度である。
本発明において、所望により、隠蔽層121の上に積層される絵柄層122は、模様や文字等とパターン状の絵柄を表現する層である。絵柄層122の絵柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字等からなる絵柄である。絵柄層122は、通常は、印刷インキでグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インキジェット印刷等公知の印刷法により形成する。
絵柄層122の厚さは、絵柄模様に応じて適宜選択すればよい。
本発明に係る装飾層12を構成する隠蔽層121及び/又は絵柄層122に用いられるインキ又は塗料のバインダーとしては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、或いは、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂等を、1種又2種以上混合して用いる。但し、塩素化ポリオレフィン樹脂は塩化ビニル樹脂同様に塩素を含有する樹脂であるため、非塩ビ系の化粧シートとして用いたい場合には、その使用を制限することが好ましい。
上記インキ又は塗料は、上述の各種樹脂よりなるバインダーに加えて、顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。
上記インキ又は塗料に用いる着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム、真鍮、等の金属粉末からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料、蛍光顔料等を、1種又は2種以上混合して用いる。
上述の隠蔽層121又は絵柄層122は、金属薄膜層等でも良い。金属薄膜層の形成は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせでもよい。該金属薄膜層は、全面に設けても、或いは、部分的にパターン状に設けてもよい。
(透明樹脂層)
透明樹脂層13は、絵柄層122が透視可能な様に、透明又は半透明(無着色又は着色)である樹脂層であって、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂などが好適に用いられる。特に、成形加工性の観点から、非晶質のポリエステル樹脂からなることが好ましい。
非晶質ポリエステル樹脂としては、上述の基材シート11に用いられる各種非晶質ポリエステル樹脂を用いることができる。透明樹脂層13に用いられる非晶質ポリエステル樹脂は、基材シート11に用いられる非晶質ポリエステル樹脂と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、単層の他に2層、3層等の複層構成であっても良く、2種以上の非晶質ポリエステル樹脂からなる積層シートであってもよい。透明樹脂層13に非晶質ポリエステル樹脂を使用する事により、真空成形性等の成形性、折曲加工性、及び被着体への接着性が特に良好となる。
一方、透明樹脂層13に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度、又は高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレンランダム共重合体(例えば、メタロセン触媒アイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体)、プロピレン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹脂、或いは各種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば下記のものが使用できる。
(1)(A)アタクチックポリプロピレン10〜90質量%と(B)アイソタクチックポリプロピレン90〜10質量%との混合物からなる軟質ポリプロピレン、
(2)エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑性エラストマー、
(3)(A)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)と(B)部分架橋したエチレン−プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン共重合体ゴムを均一に配合し混合してなるオレフィン系エラストマー、
(4)(B)未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)と、(A)オレフィン系共重合体(結晶性、ハードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪断応力を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン系エラストマー、
(5)(A)ペルオキシド分解型オレフィン重合体、(B)ペルオキシド架橋型モノオレフィン共重合体ゴム、(C)ペルオキシド非架橋型炭化水素ゴム、及び(D)パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油系軟化剤を混合し、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマー、
(6)エチレン−スチレン−ブチレン共重合体からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー、などである。
透明樹脂層13の形成は、基材シート11上に隠蔽層121及び/又は絵柄層122を積層した上に、予め熔融押出法、カレンダー法等の公知の成膜方法によってシート(フィルム)化した樹脂シートをドライラミネーション、又は熱融着によって積層することで形成できる。或いは、透明樹脂層13を構成する樹脂を、隠蔽層121及び/又は絵柄層122を積層した上に、熔融押出塗工法(EC法)によって成膜と同時に形成してもよい。
なお、透明樹脂層(単層ではなく、多層の場合は全体として)の厚さは、用途、層構成(単層、多層)等によるが、通常は10〜400μm程度である。
また、透明樹脂層13中には、その透明性又は半透明性を損なわない範囲で必要に応じ、充填剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤を添加してもよい。透明樹脂層13を半透明な層として用いる場合は、例えば、透明樹脂層13中に微粒子シリカ等を適宜添加し、半透明にすればよい。
なお、上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系等の有機物の紫外線吸収剤の他に、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。
また、光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
(表面保護層)
表面保護層14は、本発明の化粧シート10に耐摩耗性、耐擦傷性や耐汚染性等を付与する目的で、透明樹脂層13の上に積層される。本発明の化粧シートは、該表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を45:55〜30:70の質量比で含有する樹脂組成物を架橋硬化してなることが特徴である。
電離放射線硬化性樹脂は、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋、硬化するものをいう。
電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知の化合物を適宜使用すればよく、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用される重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。以下に代表例を記載する。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであれば良く、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート等が挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、中でもラジカル重合性不飽和基を持つアクリレート系オリゴマーが好ましく、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
本発明において、表面保護層に用いる熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール(ブチラール樹脂)、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン,α−メチルスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリビニルアセタール樹脂、液晶性ポリエステル樹脂などが挙げられ、これらは1種単独でも又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上組み合わせる場合は、これらの樹脂を構成するモノマーの共重合体でもよいし、それぞれの樹脂を混合して用いてもよい。
上記熱可塑性樹脂のうち、本発明では(メタ)アクリル系樹脂を主成分とするものが好ましく、なかでもモノマー成分として少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを含有する単量体を重合してなるものが好ましい。
より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピルなどが挙げられ、これらのうちメタクリル酸メチルが最も好ましい。
次に、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体としては、上記例示されたものから選ばれる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が例示され、該共重合体においてもメタクリル酸メチルを主成分とするものが好ましい。すなわち、メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体が好ましく、メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルの共重合体、メタクリル酸メチルとメタクリル酸エチルの共重合体などが例示される。これらのうち、効果の点から特にメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルの共重合体が最も好ましい。なお、これらの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
また、メタクリル酸メチルと他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体においては、メタクリル酸メチルに由来する構成単位100モルに対して、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位が0.1〜200モルの範囲であることが好ましい。メタクリル酸メチルに由来する構成単位100モルに対して、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位が上記範囲内であると、耐摩耗性、耐擦傷性、耐溶剤性が向上する。
次に、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体について、他のモノマーとは(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なものであれば特に限定されないが、本発明では、(メタ)アクリル酸、スチレン、(無水)マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン,ノルボルネン類等の脂環式オレフィンモノマー、ビニルカプロラクタム、シトラコン酸無水物、N−フェニルマレイミド等のマレイミド類、ビニルエーテル類などが挙げられ、特にスチレ及び(無水)マレイン酸が共重合成分として好適である。すなわち、(メタ)アクリル酸エステルとスチレ又は(無水)マレイン酸の二元共重合体、(メタ)アクリル酸エステルとスチレ及び(無水)マレイン酸の三元共重合体が好適である。
なお、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
また、前記(メタ)アクリル酸エステルと、スチレ及び/又は(無水)マレイン酸との共重合体においては、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位100モルに対して、スチレ及び/又は(無水)マレイン酸に由来する構成単位が0.1〜200モルの範囲であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位100モルに対して、スチレ及び/又は(無水)マレイン酸に由来する構成単位が上記範囲内であると、やはり耐摩耗性、耐擦傷性、耐溶剤性が向上する。
前記(メタ)アクリル系樹脂は、特に重量平均分子量が5万〜12万の範囲であることが好ましい。重量平均分子量がこの範囲であると、架橋硬化して表面保護層を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のいずれも高いレベルで得ることができる。以上の点から、該(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量はさらに5万〜9万の範囲であることが好ましい。
なお、ここで重量平均分子量とは、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算のものである。ここで用いる溶媒としては通常用いられるものを適宜選択して行うことができ、例えば、テトラヒドロフラン(THF)又はN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)などが挙げられる。
また、前記(メタ)アクリル系樹脂の多分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.1〜3.0の範囲であることが好ましい。多分散度がこの範囲内であると、やはり架橋硬化して表面保護層を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のいずれも高いレベルで得ることができる。以上の点から、該(メタ)アクリル系樹脂の多分散度は、さらに1.5〜2.5の範囲であることが好ましい。
また、前記(メタ)アクリル酸系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、55〜150℃の範囲が好ましく、60〜110℃がさらに好ましい。ガラス転移温度(Tg)を低くすると、塗工性は向上する傾向にあるが、その反面、架橋硬化し表面保護層を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のいずれも低下する傾向にある。上記範囲内とすることで、架橋硬化して表面保護層を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のいずれも高いレベルで得ることができる。
本発明の加飾シートの表面保護層を構成する樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の質量比が45:55〜30:70の範囲である。この範囲であると、架橋硬化して表面保護層を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のバランスが良好となる。以上の点から、電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の質量比は、40:60〜35:65の範囲がさらに好ましい。
上記電離放射線硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等が挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
表面保護層14に用いられる樹脂組成物には、シリコーン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。シリコーン(メタ)アクリレートは、電離放射線硬化性樹脂との相乗効果により、主に化粧シート10に耐擦傷性、耐汚染性等の表面物性を向上させる目的で添加されるものである。シリコーン(メタ)アクリレートは、ポリシロキサンからなるシリコーンオイルのうち、又は片方乃至両方の末端に(メタ)アクリル基を導入した変性シリコーンオイルの中の一つである。シリコーン(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基が(メタ)アクリル基であれば特に限定されず、該有機基を1〜6つ有する変性シリコーンオイルを好ましく用いることができる。また、変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限はない。
上記シリコーン(メタ)アクリレートの含有量は、表面保護層の表面張力が所望の範囲となるように適宜調節すればよいが、耐汚染性の向上とその使用効果を十分に得る観点から、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して0.5〜4質量部が好ましく、1.0〜2.5質量部がより好ましい。また、シリコーン(メタ)アクリレートの官能基当量(分子量/官能基数)としては、例えば1000〜20000の条件を有するものが挙げられる。
また、表面保護層を形成する樹脂組成物には、得られる表面保護層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。
ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでも良い。有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステル等が挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2'−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
耐摩耗性向上剤としては、例えば、無機物ではα−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等が挙げられ、有機物では架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。粒子形状としては、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。
上記耐摩耗性向上剤としては、無機物が好ましく、中でもシリカが最も好ましい。シリカは耐摩擦性を向上させ、かつ表面保護層の透明性を阻害しない。シリカとしては従来公知のシリカから適宜選択して用いることが可能であり、例えば、コロイダルシリカを好適に挙げることができる。コロイダルシリカは、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼし難く、また流動性も損なわないため印刷に与える影響が少なく、好ましい。
シリカの粒子径としては、1次粒子径が5〜1000nmのものを用いることが好ましく、10〜50nmのものがさらに好ましく10〜30nmのものが特に好ましい。1次粒子径が1000nm以下のシリカを用いると透明性が確保される。また、用いるシリカの1次粒子径は一種類である必要はなく、異なる1次粒子径のシリカを混合して用いることも可能である。
シリカの含有量としては、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して1〜20重量部の割合であることが好ましい。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール等が、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等が用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が用いられる。
着色剤としては、例えばキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボンブラック等の公知の着色用顔料等が用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
表面保護層14の形成に関しては、まず、重合性モノマーや重合性オリゴマー等の電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、必要に応じて用いられるシリコーン(メタ)アクリレート、及び各種添加剤をそれぞれ所定の割合で均質に混合して樹脂組成物を得る。この場合の樹脂組成物の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であれば良く、特に制限はないが、必要に応じて溶剤を添加してもよい。
このようにして調製された樹脂組成物を、基材の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると、所望の機能を有する表面保護層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2〜10μm程度である。
次いで、上記の未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚さに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚さが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された表面保護層14には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等を付与することもできる。
本発明の化粧シートは伸び率が80%以上であることが好ましい。伸び率が80%以上であると、優れた成形加工性が得られる。以上の観点から、伸び率は
120%以上であることがさらに好ましい。一方、伸び率についての上限は特に限定されないが、伸び率が大きいほど、耐擦傷性が劣る傾向があるため、通常500%以下であることが好ましく、400%以下であることがさらに好ましい。
ここで、伸び率はJIS K7113−1995に準拠して測定した値であり、具体的には、2号試験片を用い、試験温度120℃、試験速度1000mm/min±10%の条件で測定したものである。
本発明の化粧シート10の用途は特に限定されず、真空成形により積層可能な各種被着体に用いられる。被着体は各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等である。例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質板素材、鉄、アルミニウム等の板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる金属素材、ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業系素材、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる樹脂素材等が挙げられる。
被着体に本発明の化粧シート10を積層する真空成形方法としては、固定枠に固定した化粧シート10が軟化する所定の温度になるまでシリコーンゴムシートを介してヒーターで加熱し、加熱され軟化した化粧シート10に真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し化粧シート10を真空成形金型にしっかりと密着させる。必要に応じ、更に適宜化粧シート10側からの圧空押付けを併用しても良い。
化粧シート10が真空成形金型に密着した後、化粧シート10を冷却し、成形した化粧シート10から真空成形金型をはずし、固定枠から成形された化粧シート10をはずす。真空成形は通常80〜130℃程度、好ましくは90〜120℃程度で行われる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。また、各実施例及び比較例で製造される化粧シートについては、以下の方法で評価した。
(評価方法)
1.成形性
各実施例及び比較例にて製造した化粧シートについて、真空成形機((有)STI製「曲面接着真空プレス」)を用いて成形加工を行い、曲面部におけるクラックの発生の有無について、目視にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
○;クラックなし
△;小さなクラックがやや認められる
×;クラックが認められる
2.伸び率(%)
JIS K7113−1995に準拠して測定した。具体的には、2号試験片を用い、試験温度120℃、試験速度1000mm/min±10%の条件で測定した。
3.耐擦傷性
各実施例及び比較例にて製造した化粧シートについて、タオルラビング試験により評価した。松村(株)製のガーゼを用い、荷重1.5kgの条件で表面保護層を50往復擦った。評価は目視により行い、評価基準は以下のとおりである。
◎;全く傷がつかない
○;傷がほとんど目立たない
△;わずかに傷がつく
×;大きい傷がつく
実施例1
基材シート11として、非晶質ポリエステル樹脂〔イーストマンケミカル社製、商標「Easter PETG 6763」〕に、カレンダー性を良くするために滑剤(エチレンビスステアリン酸アミド)を添加し、着色剤としてチタン白、黄鉛、弁柄を主体とする着色顔料を添加して、黄褐色に着色した着色樹脂をカレンダー法により成膜して、厚さ150μmで隠蔽性の着色樹脂シートを用意した。次に、この着色樹脂シートの片面に、全面ベタ層である隠蔽層121をグラビアコートし、その上に木目模様の絵柄層122をグラビア印刷により形成して印刷シートとした。隠蔽層121及び絵柄層122は、バインダーの樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との1対1質量比の混合樹脂を使用し、着色剤に弁柄及びカーボンブラックを種々の配合比率で使用した着色インキを用いた。
次に、非晶質ポリエステル樹脂〔イーストマンケミカル社製、商標「Easter PETG 6763」〕をTダイからの溶融押出法により押出し、厚さ250μmで無着色の透明樹脂層13を成膜した。
該透明樹脂層13の上に下記配合内容の樹脂組成物をグラビアリバース法で塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、該樹脂組成物を架橋硬化させて表面保護層14を得た。
(樹脂組成物の組成)
(1)電子線硬化性樹脂である2官能ウレタンアクリレート(オリゴマー)と熱可塑製樹脂であるポリメタクリル酸メチル(Tg;105℃、重量平均分子量;62000、数平均分子量;37000)の45:55(質量比)混合物 100質量部
(2)2官能シリコーンメタクリレート 1質量部
(3)コロイダルシリカ(1次粒子径10〜15μmの複核体) 10質量部
次いで、上記印刷シートと、表面保護層を有した透明樹脂層を熱融着法により積層し、厚さ410μmの化粧シートを得た。得られた化粧シートについて上記評価方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
実施例2〜5及び比較例1〜4
表面保護層14を形成する樹脂組成物中の、電子線硬化性樹脂(表中ではEBと記載)と熱可塑性樹脂(表中ではTPと記載)の配合比率を第1表に示すように変更し、添加剤として用いる2官能シリコーンメタクリレート及びコロイダルシリカの含有量を第1表に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを製造した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
Figure 0005736101
本発明の真空成形用化粧シートは、成形性が良好であり、かつ真空成形後の成形品において、耐擦傷性に優れる。従って、建築物の外装、内装、建具、家具、車両内装等の表面装飾等に用いられる化粧シートとして、各種の真空成形品に好適に用いられる。
本発明の真空成形用化粧シートの断面を示す模式図である。
符号の説明
10 化粧シート
11 基材シート
12 装飾層
121 隠蔽層
122 絵柄層
13 透明樹脂層
14 表面保護層

Claims (5)

  1. 基材シートの上に装飾層、透明樹脂層及び表面保護層をこの順に積層してなる真空成形用化粧シートであって、前記基材シートが非晶質ポリエステル樹脂を含有する層の単層で形成されてなり、前記透明樹脂層が非晶質のポリエステル樹脂からなり、前記基材シートの非晶質ポリエステル樹脂と、前記透明樹脂層の非晶質ポリエステル樹脂とが同一種であり、前記表面保護層が電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を45:55〜30:70の比率(質量比)で含む樹脂組成物を架橋硬化してなる真空成形用化粧シート。
  2. 前記熱可塑性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である請求項1に記載の真空成形用化粧シート。
  3. 前記基材シートの非晶質ポリエステル樹脂及び前記透明樹脂層の非晶質ポリエステル樹脂が、酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールを併用した共重合樹脂である請求項1又は2に記載の真空成形用化粧シート。
  4. 前記電離放射線硬化性樹脂が電子線硬化性樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の真空成形用化粧シート。
  5. JIS K7113−1995に準拠し、2号試験片を用い、試験温度120℃、試験速度1000mm/min±10%により測定した伸び率が80%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の真空成形用化粧シート。
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