JP5734458B2 - ウォームギヤ機構 - Google Patents
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Description
本発明は、ウォームギヤ機構の改良技術に関する。
例えば、車両のパワーステアリング装置に、ウォームギヤ機構が搭載される(例えば、特許文献1(図14)参照。)。
特許文献1に示されるような、ウォームギヤ機構は、ウォーム軸を介して電動モータに接続されているウォームと、該ウォームに噛合うウォームホイールとを備え、電動モータが発生した補助トルクをウォームからウォームホイールへ倍力して伝達する伝動機構である。
一般に、ウォームが回転しウォームホイールを押す方向に力が加わることにより、ウォームとウォームホイールとの接触点において、ウォームは、ウォームホイールからの反力を受ける。ウォームギヤ機構の強度を高めることができれば、ウォームギヤ機構の長寿命化を図ることができ望ましい。
本発明は、ウォームギヤ機構の強度を高めることができる技術の提供を課題とする。
本発明によれば、ウォームと、該ウォームに噛合うウォームホイールと、から成るウォームギヤ機構において、ウォームの歯の少なくとも歯末の面は円弧状に形成され、該歯末の面の円弧の半径の中心は、ウォームのピッチ線よりもウォームの中心線寄りに位置し、ウォームホイールは、該ウォームホイールの歯切り加工用に用いるホブにおいて、該ホブの歯の少なくとも歯末の面が円弧状に形成され、該歯末の面の円弧の半径の中心が、ホブのピッチ線よりもホブの中心線寄りに位置している、ホブによって歯切り加工されたものであり、ウォームとウォームホイールとを噛合わせるウォームギヤ機構の遠のき噛合い長さは、インボリュート歯形のウォームとインボリュート歯形のウォームホイールとから成るウォームギヤ機構の遠のき噛合い長さよりも、大きく設定されている、ことを特徴とする。
好ましくは、ウォームホイールの少なくとも歯は、樹脂の成形品によって構成されている。
本発明では、基礎円の付近での面圧を低減することができる。また、基礎円よりも歯底側の歯形の切下げをなくすることができるので、基礎円より歯底側も噛合い面とすることができる。これにより、ウォームホイールの歯先の径を大きくしなくても、噛合い率を高めることができるので、ウォームギヤ機構の強度を高めることができる。
さらに、本発明では、樹脂製のウォームホイールは弾性係数が小さいので、歯が撓みやすい。複数の歯が同時にウォームの歯に噛合う場合においては、噛合い高さが低いほど、噛合う歯の分担荷重が大きくなる。しかし、噛合い高さの低い部分の接触面積を大きくとることができるので、面圧を下げることができる。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例によるウォームギヤ機構を電動パワーステアリング装置に搭載し、該電動パワーステアリング装置を車両に用いた例を図に基づき説明する。
図1に示されるように、電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングホイール21から車両の操舵車輪29,29(例えば前輪)に至るステアリング系20と、該ステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40とからなる。
ステアリング系20は、ステアリングホイール21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介してピニオン軸24が連結され、ピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26が連結され、ラック軸26の両端に左右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介して左右の操舵車輪29,29が連結され、たものである。
ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成されたピニオン31と、ラック軸26に形成されたラック32とからなる。
ステアリング系20によれば、運転者がステアリングホイール21を操舵することによって、操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
補助トルク機構40は、ステアリングホイール21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操舵トルクセンサ41で検出し、該操舵トルクセンサ41のトルク検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、該制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ(電動機)43で発生し、該補助トルクをウォームギヤ機構44を介してピニオン軸24に伝達し、さらに、補助トルクをピニオン軸24からステアリング系20のラックアンドピニオン機構25に伝達するようにした機構である。
操舵トルクセンサ41は、ピニオン軸24に加えられたトルクを検出し、トルク検出信号として出力するものであり、例えば磁歪式トルクセンサやトーションバー式トルクセンサによって構成される。
電動パワーステアリング装置10によれば、運転者の操舵トルクに電動モータ43の補助トルクを加えた複合トルクにより、ラック軸26で操舵車輪29,29を操舵することができる。
図2に示されるように、ハウジング51は車幅方向(図左右方向)に延びており、ラック軸26を軸方向にスライド可能に収容している。ラック軸26には、ハウジング51から突出した長手方向両端に、ボールジョイント52,52を介してタイロッド27,27が連結されている。
図3に示されるように、電動パワーステアリング装置10は、ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、操舵トルクセンサ41及びウォームギヤ機構44をハウジング51に収納し、ハウジング51の上部開口を上部カバー部53で塞いだものである。操舵トルクセンサ41は、上部カバー部53に取付けたものである。
ハウジング51は、上下に延びるピニオン軸24の上部24u、長手中央部24m及び下端部24dを3個の軸受(上から下方へ順に第1軸受55、第2軸受56、第3軸受57)を介して回転可能に支持したものであり、さらに電動モータ43が取付けられるとともに、ラックガイド60を備えている。3個の軸受55〜57には、共に転がり軸受が用いられている。
ラックガイド60は、ラック32とは反対側からラック軸26に当てるガイド部61と、該ガイド部61を圧縮ばね62を介して押す調整ボルト63とからなる、ラック押圧手段である。
図4に示されるように、電動モータ43はハウジング51の側面に取付けられており、横向きのモータ軸(出力軸)43aを備える。該モータ軸43aはハウジング51内に延び、軸継手45によってウォーム軸46に連結されている。ハウジング51は、水平に延びるウォーム軸46の両端部46a,46bを、軸受47,48を介して回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承している。2個の軸受47,48は、共に転がり軸受からなる。
ウォームギヤ機構44は、電動モータ43が発生した補助トルクをピニオン軸24に伝達する補助トルク伝達機構、即ち倍力機構である。詳しく述べると、ウォームギヤ機構44は、ウォーム70と、該ウォーム70に噛合うウォームホイール80とからなる。ウォームホイール80のことを、以下「ホイール80」と略称する。ウォーム70の中心線WLに対して、ホイール80の中心線CLは略直角に配置されている。該ホイール80の中心線CLは、ピニオン軸24の中心線CLでもある。
ウォーム70は、ウォーム軸46に一体に形成されている金属製品、例えば機械構造用炭素鋼鋼材(JIS−G−4051)等の鉄鋼製品である。ホイール80は、全体又は少なくとも歯81の部分がナイロン樹脂等の樹脂製品である。金属製品のウォーム70に樹脂製品のホイール80を噛合わせるようにしたので、噛合いを比較的円滑にすることができるとともに、騒音を一層低減させることができる。
ウォーム70のねじ山71(つまり、歯71)は1条に設定されている。ホイール80の外周面には、全周にわたって等ピッチの複数の歯81が形成されている。該ホイール80は、ピニオン軸24に対して軸方向への相対移動が規制され、且つ相対回転が規制されて取付けられている。例えば、ホイール80はピニオン軸24に対して、回転方向にはセレーションやスプラインによって連結されるとともに、軸方向には止め輪によって取付けられている。駆動側のウォーム70に負荷側のホイール80を噛合わせることによって、ウォーム70からホイール80を介して負荷にトルクを伝達することができる。
このようなウォームギヤ機構44には、様々な性能が求められる。例えば、その一つに、噛み合い率の向上と高強度化が挙げられる。詳細を次図以降において説明する。
先ず、図21に示される、従来のウォームギヤ機構200について説明する。該ウォームギヤ機構200のウォームホイール220の歯形は、歯先を221a、歯底を221c、基礎円を301、ピッチ円(噛合いピッチ円)を302とした、インボリュート歯形である。基礎円301よりも外周側において、歯221の厚みが最大となる部位における、歯の厚みはW2である。従来、ウォームギヤ機構200の噛合い率を向上させ、高強度化するために、インボリュート歯形のホイール220の歯丈HTを高くすることが知られている。
しかし、ウォームホイール220がホブによって歯切り加工されたときに、歯元221bが切り下げられてアンダカットが発生する。基礎円301よりもホイール220の中心側において、歯221の厚みが最小となる部位における、歯の厚みはW1である。このように、歯元221bが、くびれるので、歯の厚みW1は、W2よりも小さい。この結果、歯221の曲げ強度が低下する。また、ホイール220の歯形は、基礎円301付近の部位が曲率半径の小さい凸形状となる。曲率半径の小さい凸形なので、ウォームと接触する接触面積が減少する。この結果、噛合い接触面圧が増大する。即ち、インボリュート歯形のホイール220の歯丈HTを高くすると、曲げ強度の低下及び面圧強度の低下を招く傾向がある。
図22に示されるように、ホイール220は、ホブ(ホブカッター)230によって歯形が成形される。ホブ230の歯231のピッチ中心231Ceは、線312の部位(ピッチ高さ312)に位置する。ピッチ中心231Ceの軌跡は、線311によって示される。該軌跡311から明らかなように、ホブ230の歯231は、ホイール220のピッチ円302を転がるように動いて、ホイール220の歯形を創成する(成形する)。このとき、ホブ230の歯先231aは、ホイール220の歯面のなかの、基礎円301より下部(歯底寄りの面)をえぐり取っている。
図23に示されるように、ホブ230の歯231の歯先231aの角部は、所定の小さい曲率半径の円弧状に形成されている。歯先231aの角部の、円弧の中心231bの軌跡は、線313によって示される。本発明者らは、円弧の中心231bが輪を描くような動きをすることによって、歯元221の面が凹形状(くびれ形状)に成形される、との知見を得た。即ち、歯先231aの角部の、円弧の中心231bの軌跡313が、基礎円301よりも中心側の位置で輪を描くので、この結果、切下げ現象(アンダカット)が発生する要因と考えられる。線312から湾曲形状の中心231bまでの長さは、hである。該長さhのことを、アーム長という。
このような切下げ現象(アンダカット)の発生を防止するには、図24に示されるように、ホブ230の歯丈HThを低くすることが考えられる。歯丈HThを低くすることにより、基礎円301よりもホイール220の中心側において、歯先231aの角部の、円弧の中心231bの軌跡313(円弧の中心231bが描く輪)が小さくなる。このため、切下げ現象(アンダカット)が生じにくくなる。しかし、ホブ230の歯丈HThを低くすると、切下げ現象は生じにくくなるが、ホイール220の歯丈HTが低くなる。
図23に戻り、再度、ホブ230の歯231の歯先231aの角部の、円弧の中心231bの軌跡313について考える。軌跡313は、「負転位トロコイド曲線」を描いている。軌跡313が負転位トロコイド曲線を描く理由は、角部の円弧の中心231bが、ピッチ高さ312よりも歯先231a側に存在するからであると、本発明者らは考えた。即ち、軌跡313が負転位トロコイド曲線を描くことにより、ホブ230の歯先231aの角部は、基礎円301よりも中心側において輪を描くように、歯切り作用をする。歯元221bの面は、ホブ230の歯先231aの角部によって切り下げられる。この結果、歯元221bの面には、アンダカットが発生する。
次に、図22に示される従来のホイール220と、図4に示された実施例のホイール80とを、図25(a)及び図25(b)に基づいて対比する。
図25(a)は、図22に示された従来のホイール220のピッチ円302と、該ホイール220を歯切り加工をするためのホブ230の歯231の歯形とを、模式的に表している。ホブ230の歯231はホイール220よりも大きく表されている。従来のホブ230の歯231の歯形は、インボリュート歯形であって、歯先231aの角部を円弧状に形成されている。円弧の中心231bは、ホブ230のピッチ線312に対して歯先231a側(ホイール220の歯の歯元側)に位置している。この場合には、中心231bの軌跡313は負転位トロコイド曲線を描く。
図25(b)は、図4に示された実施例のホイール80のピッチ円112と、該ホイール80を歯切り加工をするためのホブ90の歯91の歯形とを、模式的に表している。該ホブ90の歯91はホイール80よりも大きく表されている。実施例のホブ90の歯91の歯形は、インボリュート歯形である。但し、歯91の歯末の面91cは、曲率半径が大きい円弧状に修正されている。これは、該歯末の面91cの円弧の中心93(以下、「歯末の面の中心93」と記す。)の軌跡313が、負転位トロコイドとならないようにするためである。具体的には、歯末の面91cの中心93は、ピッチ線94に対してホブ230の中心線(軸線)WL’寄りに位置している。これにより、歯末の面の中心93の軌跡313は、正転位トロコイドを描く。即ち、正転位トロコイドとすることにより、従来の輪を描くような軌跡を抑制できる。
以上の説明をまとめると、次の通りである。実施例のホブ90の歯91は、少なくとも歯末の面91cが円弧状に形成されている。該歯末の面91cの円弧の半径の中心93は、ホブ90のピッチ線94よりも、ホブ90の中心線(軸線)WL’寄りに位置している。
ホイール80に噛合うウォーム70も、ホブ90と同様の形状に形成されることが望ましい。即ち、ウォーム70の歯71の少なくとも歯末の面71cは、円弧状に形成される。該歯末の面71cの円弧の半径の中心73は、ウォーム70のピッチ線74よりもウォーム70の中心線(軸線)WL’’寄りに位置している。
図26に示されるように、実施例のホイール80の歯末の面の中心93の軌跡は、線313によって示されるように、正転位トロコイド曲線を描く。線313(軌跡313)に沿って動くホブ90によって形成されるホイール80の歯81は、歯元81cに切下げのない形状に形成される。81aはホイール80の歯81の歯先である。81bは歯81の歯底である。
ここで、本発明の原理となっているトロコイド曲線について、図27及び図28に基づき補足する。先ず、図27を参照して、固定円401の上を転がる動円402aについて、動円402a内にある点(座標X,Y)の軌跡、即ちトロコイド曲線を以下のようにして求める。なお、該固定円401は、ホイール80のピッチ円を想定した円である。402aは、固定円401の上を転がる動円を示している。402bは、402aから所定の距離だけ、固定円401の上を転がった動円を示している。線403は、動円402内にある点(X,Y)の軌跡を示している。即ち、線403は、トロコイド曲線である。P1は、動円402aにおける線403上の点をいい、アーム先端という。hは、点P1から固定円401までの長さ(アーム長)である。
図27を参照して、固定円401の上を転がる動円402について、動円402b内にある点(X,Y)の軌跡、即ちトロコイド曲線を以下のようにして求める。
図28を参照して、トロコイド曲線403を描く動円(図27、符号402参照)の半径が∞の場合を考える。
ここで、従来のウォームギヤ機構200と実施例のウォームギヤ機構44とを対比して説明する。図29は、従来のウォームギヤ機構200の噛み合い状態を示している。該ウォームギヤ機構200は、ウォーム210とウォームホイール220とから成る。ウォーム210とホイール220の、各歯の歯形は、インボリュート歯形である。ウォーム210の歯の歯先とホイール220の基礎円301との交点を、第1交点P11とする。ウォーム210のピッチ線332とホイール220のピッチ円302との交点を、第2交点P12とする。第1交点P11と第2交点P12とを通る直線を、噛合い線321という。噛合い線321とホイール220の歯先円305との交点を、第3交点P13とする。第1交点P11から第3交点P13までの長さのことを「噛合い長さ」という。
ウォーム210とホイール220とは、噛合い線321上において、噛合い長さの範囲で噛み合い可能である。ホイール220の基礎円301は、インボリュート歯形においてはモジュールと歯数、捩れ角によって一意的に定まる。このため、第3交点P13の位置も一意的に定まる。噛合い長さを長くするには、ホイール220の外径を大きくすることが必要となる。このため、ウォームギヤ機構200を小型化することができないという課題があった。
また、従来のウォームギヤ機構200を車両用電動パワーステアリング装置に用いた場合には、ホイール220の歯221には、樹脂材を用いることが多い。樹脂材を用いるホイール220では、材料の弾性係数が小さいために歯221が撓みやすい。複数枚の歯221が同時に噛み合う場合においては、噛合い高さが低いほど、噛合う歯221の分担荷重が大きくなる。即ち、各々の歯221に加わる荷重が大きくなる。
さらに、インボリュート歯形では、基礎円301に近いほど曲率半径が小さくなる。基礎円301付近における噛合い面圧は、ピッチ円302付近における噛合い面圧に比べて非常に大きくなる。このため、噛合い線321を基礎円301よりもホイール中心側まで伸ばすことが困難であるという課題があった。
図30に想像線によって示される、従来のホブの歯231の歯形は、噛合い歯面が直線であるインボリュート形状であった。これに対し、図30に実線によって示される、実施例のホブ90の歯91の歯形は、歯末面91cの一部をインボリュート形状よりも薄くしている。具体的には、実施例のホブ90の歯91の歯末面91cの一部を、インボリュート曲線に接する略円弧状として、歯厚を薄くしている。
図31に想像線によって示される、従来のホイール220の歯221は、従来のホブ230(図30参照)により歯切りされたものである。従来の歯221は、歯元の面に切下げ現象(アンダーカット)が生じる。この結果、歯221の歯面は、基礎円301付近において著しい凸形状となる。
これに対し、図31に実線によって示される、実施例のホイール80の歯81は、実施例のホブ90により歯切りされたものである。該ホブ90の歯91の歯厚は薄い。ホイール80の歯81には、歯元の面に切下げ現象(アンダーカット)が生じることはない。この結果、歯81の歯面は、基礎円111付近において凸形状となることはない。歯81の歯面に作用する面圧を低減することができる。
図32は、従来のウォームギヤ機構200の噛み合い状態を示し、上記図29に対応して表している。ウォーム210とホイール220とは、図34に白抜き矢印によって示されるように、基礎円301付近(噛合い線321上)で噛合う。
図33は、実施例のウォームギヤ機構44の噛み合い状態を示し、上記図29に対応して表している。ウォーム70とホイール80とは、図35に白抜き矢印によって示されるように、基礎円111よりも歯底寄りの位置で噛合う。121は、ホイール80とウォーム70との噛合い線である。
図36は、ホブの歯の歯厚の修正量を変えることによる、ホイール80の歯81の歯形の変化を示している。図36に想像線によって示される従来のホイール220の歯221は、歯元の面が凹んでいる。つまり、歯元の面にアンダカットが発生している。これは、ホブ230(図23参照)の歯231の歯を全く修正しないからである。
これに対し、実施例では、図25(b)に示されるようにホブ90の歯91を修正した。該歯91の修正量が小さい場合の、ホイール80の歯81の歯形は、図36に細い実線によって示される。歯81の歯元の歯厚は、従来よりも大きい。該歯91の修正量が大きい場合の、ホイール80の歯81の歯形は、図36に太い実線によって示される。歯81の歯元の歯厚は更に大きくなる。
このように、該ホブ90の歯91の修正量が大きくなるに従って、ホイール80の歯81の歯元の面の凹みがなくなり、歯元の歯厚も大きくなっていく。しかも、基礎円111付近における、歯81の歯面の曲率半径が大きくなっていく。つまり、歯81の歯面は、基礎円111付近におい、従来のように大きく凸形状となることはない。
上記実施例のホイール80の歯81は、図37に示される変更例のホイール80Xの歯81Xにすることができる。該変更例のホイール80Xの歯81Xは、歯元の少なくとも一部の歯厚を、従来のホイール220の歯221の歯元の歯厚よりも、大きく設定したものである。従って、変形例の歯81Xは、実施例の歯81と同等の効果を得ることができる。詳しく述べると、従来のホイール220の歯221の歯形は、図37に想像線によって示される。実施例のホイール80の歯81の歯形は、図37に細い実線によって示される。変更例のホイール80Xの歯81Xの歯形は、図37に太い実線によって示される。
該変形例の歯81Xの歯形は、例えば、従来の歯221の歯形と、実施例の歯81の歯形との、中間的な形状に形成される。一例を述べると、従来の歯221の歯元の丈に対し、実施例の歯81の歯元の丈は同一である。しかし、実施例の歯81の歯元の丈に対し、変形例の歯81Xの歯元の丈は小さい。さらに、変形例の歯81Xの歯元の歯厚は、従来の歯221の歯元の歯厚よりも大きく、実施例の歯81の歯元の歯厚よりも小さい。但し、変形例の歯81Xの歯元の面には、凹みがない。
変形例の歯81Xは、特殊な歯形をしているので、ホブ盤などのインボリュート歯形を創成する機械では製作できないものの、金型を用いた射出成型や、フライス加工によって、直接に創成することができる。即ち、実施例では、歯厚が修正されたホブによって、ホイール80の歯81を創成するという、間接的な方法によって、該歯81の面圧強度や曲げ強度を高めるものであった。これに対し、変形例では、歯81Xの面圧強度や曲げ強度を高めるのに、該歯81Xを直接的に創成することができる。このため、求める歯81Xの歯形を直接的に、きめ細かく設計することができる。従って、実施例の歯81を、さらに改良することができる。例えば、ギヤの歯丈、歯底の曲率半径、歯厚を、きめ細かく変更することができる。
上記図26に示された、実施例のホイール80の歯81を創成するときに、歯元221bを切り下げない(アンダカットを発生しない)ために最低限必要な、ホブ90の歯91の修正量δ(図38参照)、つまり最低修正量δは、次のように求められる。即ち、図38を参照しつつ説明すると、ホブ90の歯91の最低修正量δは次の(8)式によって求められる。但し、該ホイール80の歯形は、インボリュート歯形Timを基本とする。該ホイール80は、回転移動方向Rr(図時計回り方向Rr)へ回転するものとする。ホブ90の歯91は、ピッチ線Lhpに対して平行移動する(移動方向Ds)。該ホブ90の歯91の歯形は、線Hcによって示される。ホイール80の歯81のインボリュート作用線Liaと、該歯81のインボリュート歯形Timとの交点は、切削点Psである。該ホブ90によってホイール80の歯81の切り下げが始まる点、つまり切り下げ点はPrである。
ホイール80の歯81のインボリュート作用線Liaと、ホブ90の歯91のピッチ線Lhpと、の交点をPxとする。ホイール80の中心CLから交点Pxまでの直線を、基準線Lpとする。最低修正量δだけ修正されたホブ90の歯91の歯面Th1と、ホイール80の歯81の基礎円111との交点をPyとする。ホイール80の中心CLと交点Pyとを通る直線を修正基準線Ltとする。基準線Lpに対する修正基準線Ltの傾き角(修正角)をθとする。該修正角θは、ホイール80の歯81(ホブ90の歯91の)の圧力角αよりも大きいことを条件とする(θ>α)。
m;ホイール80のモジュール
Z;ホイール80の歯数
Rb;ホイール80の基礎円111の半径
Rp;ホイール80のピッチ円112の半径
Rp−Rb・cosθ;ホブ90の歯91のピッチ線Lhpから交点Pyまでの高さ(但し、θ>α)。
Z;ホイール80の歯数
Rb;ホイール80の基礎円111の半径
Rp;ホイール80のピッチ円112の半径
Rp−Rb・cosθ;ホブ90の歯91のピッチ線Lhpから交点Pyまでの高さ(但し、θ>α)。
このように、実施例では、インボリュート歯形を切削するホブ90において、歯形を修正する領域は、ホブ90のピッチ線Lhpから歯先方向への高さ、即ちホブ90の歯91のピッチ線Lhpから交点Pyまでの高さが「Rp−Rb・cosθ」以上の範囲の歯面とする。そして、ピッチ線Lhpからの高さが「Rp−Rb・cosθ」の交点Pyにおいて、歯厚が薄くなる方向に最低修正量δ以上、歯91を修正をする。
最低修正量δだけ修正された歯91の歯面は、曲線Th1によって示される。この場合には、ホイール80の歯81のインボリュート作用線Liaは、基礎円111上の作用線L1に延長される。また、歯91の修正量が、最低修正量δよりも大きい場合の歯面は、曲線Th2によって示される。この場合には、ホイール80の歯81のインボリュート作用線Liaは、基礎円111よりも内方の作用線L2に延長される。このようにすることによって、ホイール80の歯81の曲げ強度を高めることができる。
本発明の元となっている理論について、以下に開示する。なお、上述した本実施例に対して共通の構成要素については、共通の符号を付して、説明を省略する。
従来の研究の主要な課題は、ウォームホイールを積極的に弾性変形させる最適なウォームの歯形の検討であった。このため、ウォームホイールの歯形についてはまだ改良の余地があった。
従来の設計手法では、ウォームホイールを高強度化するため、モジュールやねじれ角を大きくして幾何学的に噛合い率を向上させていた。このような手法ではウォームホイール径を単純に大型化せざるを得なかった。
本発明者らはこれを打破すべく、小型のウォームホイールの高強度化に取組んできた。本発明ではさらにウォームホイールを小型化することに挑み、新たにウォームホイールの歯元形状に着目した。その結果、ウォームホイールの基礎円(Base-circle)以下までウォームを有効に噛合わせることにより、噛合い率を向上させるという発想に到達した。これを具現化するために、まず、実際の加工で形成される基礎円以下の幾何学的形状について考察した。その考察に基づいて、基礎円以下まで有効に噛合う理論のことを、MUB(Meshing Under Base-circle)理論ということにする。該MUB理論を提案する。
図5(a)に示される、従来のウォームホイール220の歯221の歯形は、インボリュート歯形(Involute Profile)である。該歯221の歯面には、従来のハブ230によって切り下げられた切下げ部分U(Undercut)が生じている。
図5(b)に示される、実施例のウォームホイール80の歯81の歯形は、MUB理論に基づいた新形状(New Profile Formed by MUB Theory)の歯形である。該MUB理論に基づいて、実際にウォームホイール80(以下、ホイール80という。)を製作し、噛合い長さを計測してMUB理論の効果を検証した。この研究の過程で得られた知見について報告する。
ホイール80の基礎円以下においてもウォームを噛合わせるMUB理論の提案
図6には、従来のウォームとホイールとを噛み合わせたウォームギヤ機構が示されている(Contact Line of Worm Tooth Tip Corner Radius, Contact Line of Involute Worm Wheel)。従来は、ホイール220を大型化し、歯先221a方向に噛合い線321を延長させて噛合い率を向上させていた。本発明では、これとは逆の発想により、歯元221b方向に噛合い線321を延長できれば大型化せずに噛合い率を向上できると考えた。これを実現させるために、基礎円301以下でも良好に噛合う新たな歯形の研究に取組んだ。
インボリュート歯形の歯221にて基礎円301以下まで噛合わせるには、ホイール220をホブ(図5、符号230)で切下げて加工し、頂げきをなくしたウォーム(図16参照)を噛合わせる必要がある。しかし、単純にこのような方法で噛合わせると、ウォーム210の歯先211aがホイール220に接触するだけで、有効な噛合いが得られなかった。
基礎円以下で噛合えない従来歯元形状の解析
図7には、ホブの軌跡が示されている(Locus of Hob Cutter)。図7に示されるように、従来のインボリュートホブ230により形成される歯元形状を定式化し解析する。解析することにより、基礎円301以下でも有効に噛合う理想の歯形を探求する。ホイール220の歯221が絶対座標系に固定されて歯切りされる時、ホブ230のデータム線312(Datum Line)は、ホイール220の歯切りピッチ円上を滑ることなく転がる。ホブ230の歯(刃)231の中心231Ceは、エピトロコイド曲線311を描く。該エピトロコイド曲線311に沿ってホブ230が移動する際にできる包絡線がホイール220の歯221の歯形を形成する。特に、基礎円301以下の歯元221bの形状は、ホブ230の歯先231aによって形成される。
図中、WPは、ホブ230の作用点(Hob Cutter Working Point)を示している。307は、ホイール220のインボリュート形状部(Involute Profile)を示している。308は、ホイール220の歯元部(Dedendum Formed by Corner Radius)を示している。
図8には、ホブの歯の包絡線(Envelope of Hob Tooth Tip)が示されている。図8に示されるように、歯元形状の定式化のためのモデル化を行った。まず、ホブ230の歯先円弧中心Tが描く線313を求め、次に、その線313上を半径rhの円が移動した際の包絡線314を求める。
ホブ230のデータム線312がホイール220のピッチ円302上のθの位相点B1にて接している時、線分A1B1は円弧A0B1が巻きほどかれたものであり、両者の長さが等しいことから、ホブ230の歯先円弧中心Tの座標(X,Y)は、θを変数として(1)式、(2)式のように表せる。
次に、歯先円弧中心の包絡線314を求める。包絡線314上の点Eは、点Tを通る線313(トロコイド曲線)の法線315上にある。距離TEがホブ歯先半径rhと一致する点であることから、(3)式乃至(5)式のように表せる。
このことから、包絡線上の点E(X’,Y’)は、(6)式、(7)式のように表せる。
上記(6)式、(7)式を用いて、ホブ230の歯先円弧中心点を転位させた場合のトロコイド曲線を図9(a)〜図9(c)に示す。ホブ230のデータム線を基準とする転位方向によって、トロコイド曲線が変化する。図9(a)の負転位トロコイドは、輪を描く曲線である。図9(b)の零転位トロコイドは、ピッチ円302との交点が角部をもつ略V字曲線である。図9(c)の正転位トロコイドは、凹形状と低曲率凸形状を併せもつ略V字曲線である。
次に、それぞれの線313から形成される包絡線について考察する。図10には、負転位トロコイドによる包絡線と、その包絡線を歯形として用いた歯車の作用線が示されている(Meshing of Gears Formed by Negative Shifted Trochoid)。図10において、横軸は歯の厚み方向(Tooth Thickness Direction)に対応し、縦軸は歯先方向(Tooth Tip Direction)に対応している。
作用線316(Line of Action)を基礎円301よりも中心側まで伸展できる。しかし、接触点P5(Contact Point)の圧力角(Pressure Angle)が75deg(P6参照)となり、90deg近傍まで大きくなる。このため、ウォームがセルフロックして回転不能になる(SL参照)。一方、これを回避するためにウォームに頂げきを設けると幾何学的に接触しなくなる。図中、PPは、ピッチ点(Pitch Point)を示している。ピッチ点とは、歯車の噛み合い接触点における歯面の法線が常に通る点をいう。線317は、ウォーム歯形(Worm Profile)である。
図11には、零転位トロコイドによる包絡線とその作用線が示されている(Meshing of Gears Formed by Zero Shifted Trochoid)。図11において、横軸は歯の厚み方向に対応し、縦軸は歯先方向に対応している。
基礎円301以下の包絡線314は、円弧形状のノビコフ歯形となる。このため、正面噛合い率が1未満となり、歯車の機構学的条件である等速性を満たすことはできない。等速回転を伝えるためには、多条ウォームにより重なり噛合い率を1以上とする必要があるのでホイールが大型化する。図中、MSは、同時噛み合い(Meshing Simultaneously)領域である。
図12には、正転位トロコイドによる包絡線とその作用線が示されている(Meshing of Gears Formed by Positive Shifted Trochoid)。図12において、横軸は歯の厚み方向に対応し、縦軸は歯先方向に対応している。
作用線316を基礎円301よりも中心側まで伸展することができる。接触点における包絡線314の法線315は常にピッチ点PPを通るので、歯車の機構学的条件を満たし、有効に噛合うことができる。
図13には、歯元の形状(Profile of Dedendum)が示されている。図12及び図13に示されるように、以上の考察より、従来のインボリュート歯形にて基礎円301以下で噛合えないのは、歯元の形状が負転位トロコイドにより形成されているためであるとわかった。
MUB理論の提案
上述の検討から、正転位トロコイドによりホイールの歯元歯形を形成できれば、基礎円以下でも有効に噛合う歯形が得られると考えた。正転位トロコイドを達成するには、ホブの歯先(歯末)円弧半径を拡大して、円弧の中心点をホブのデータム線よりも正方向に転位すればよい。
図14には、正転位トロコイドにより歯元歯形が形成されたホイールが示されている(MUB Profile of Worm Wheel)。その歯形を用いたウォームの噛合いを図15に示す。ホイールの歯先81a面では従来通りのインボリュートの噛合い線(図面に符号を入れて下さい。)をもち、歯元面では正転位トロコイドの作用線に沿って基礎円111以下まで噛合うことができる。これら2つの作用線(図面に符号を入れて下さい。)は滑らかにつながり、全ての接触領域で歯車の機構学的条件を満たすので、この新しい歯形により有効な噛合いが得られることを確認できた。
図15に示されるように、新歯形では、遠のき噛合い長さを従来限界のLOAからLOAmodまで延長でき、インボリュート歯形よりも噛合い率を向上できることを示した。ここで、遠のき噛合い長さ(length of recess path)とは、ピッチ点からウォームの歯先付近までの噛み合い長さをいう。
このような基礎円111以下でも有効に噛合う噛合い理論をMUB(Meshing Under Base-circle)理論と名づけた。
ホイールの弾性変形を考慮した噛合い
ここまでは、ホイールを剛体として検討してきた。これまでの研究から、ホイールの弾性変形を考慮すると、噛合い長さをさらに延長できることが予測できるので、この効果を調べるために検討を行った。
ホイールの弾性変形を考慮すると、図15のように噛合い高さの低いA歯81Aに分担荷重が集中するので、従来は、ウォーム歯先面の歯厚をマイナス方向に修正して、集中荷重を他の噛合い歯81B,81Cに分散させていた。
歯81を適用すると、トルク印加時の実際の噛合い作用線をホイールのピッチ円112方向に移動できる。修正ウォームとMUB理論に基づくホイール80を噛合わせると図16のようになり、噛合い作用線121の傾きを小さくできるので、前章までの検討結果よりもさらに噛合い長さを延長できる(L参照)。従来は2.2であった噛合い率を、ホイールを大型化せずに3.0以上に設計できるようになった。
次に、噛合い接触領域について考察する。
図17には、従来のインボリュート歯形とMUB理論に基づく歯形の比較が示されている。横軸には、ホイールの接触高さ(Contact Height of Worm Wheel)が示されている。縦軸には、ピッチ線を基準とした接触高さ(Contact Height Above Pitch Line)が示されている。図面上側が歯先(addendum)方向であり、図面下側が歯元(dedendum)方向である。黒のダイヤによってプロットされた点を結んだ線341は、従来の結果を示している。白の○によってプロットされた点を結んだ線342は、MUB理論による結果を示している。線343は、基礎円の噛み合い高さを示す線(Base Line)である。右下がりの斜線によって示される領域は、従来及びMUB理論の両方における接触領域(Contact Area)である。左下がりの斜線によって示される領域は、MUB理論のみにおける接触領域である。MUB理論によるホイールを採用することにより、より広くの領域において接触領域を得ることができる
図17には、従来のインボリュート歯形とMUB理論に基づく歯形の比較が示されている。横軸には、ホイールの接触高さ(Contact Height of Worm Wheel)が示されている。縦軸には、ピッチ線を基準とした接触高さ(Contact Height Above Pitch Line)が示されている。図面上側が歯先(addendum)方向であり、図面下側が歯元(dedendum)方向である。黒のダイヤによってプロットされた点を結んだ線341は、従来の結果を示している。白の○によってプロットされた点を結んだ線342は、MUB理論による結果を示している。線343は、基礎円の噛み合い高さを示す線(Base Line)である。右下がりの斜線によって示される領域は、従来及びMUB理論の両方における接触領域(Contact Area)である。左下がりの斜線によって示される領域は、MUB理論のみにおける接触領域である。MUB理論によるホイールを採用することにより、より広くの領域において接触領域を得ることができる
図18(a)に示されるように、インボリュート歯形のホイール220は、切下げにより、基礎円301以下まで噛合い領域を拡大することが困難である。
図18(b)に示されるような、MUB理論に基づくホイール80は、切下げを発生させないため、基礎円111以下まで良好に噛合い領域を拡大できる。
図18(b)に示されるような、MUB理論に基づくホイール80は、切下げを発生させないため、基礎円111以下まで良好に噛合い領域を拡大できる。
MUB理論の噛合いテスト検証
提案したMUB理論に基づき設計されたウォームの噛合い性能検証のため、ウォーム位相に応じた噛合い変化を計算した後、実際にウォーム70を製作して噛合い時の歯当たりを検証した。
図19に示されるように、検証方法は、ウォーム70の歯面にブルーペーストBPを塗布し、ホイール80と噛合わせ、ウォーム70にトルクを印加し、ブルーペーストBPの剥がれた領域の形状を測定した。
図19(a)には、ブルーペーストBPを塗布したウォーム70が示されている。図中、Sは、ホイール80との接触が開始した点である(Start Point of Mesh)。Eは、ホイール80との接触が終了した点である(End Point of Mesh)。CAaは、ブルーペーストBPの剥がれている部位、即ち、ホイール80に接触した部位である(Contact Area of Worm)。
図19(b)には、ウォーム70に噛合わされたホイール80が示されている。図中、CAbは、ブルーペーストBPが付着した部位、即ち、ウォーム70に接触した部位である(Contact Area of Worm Wheel)。基礎円111よりも中心側までウォーム70が接触していたことが分かる。
これらの検証結果を図20に示す。図20には、ウォームの接触範囲(Contact Area of Worm)が示されている。横軸には、ウォームの回転角度(Rotation Angle of Worm)が示されている。縦軸には、接触高さ(Contact Height)が示されている。ダイヤモンド形状のプロットによって示されるのは、インボリュート歯形によるホイールを用いた場合の計測結果(Actual Measurement of Involute Gear)である。三角形状のプロットによって示されるのは、実施例によるホイールを用いた場合の計算値(Calculated Point)である。丸形状のプロットによって示されるのは、実施例によるホイールを用いた場合の計測結果(Actual Measurement)である。ダイヤモンド形状でプロットされた点の外であって、丸形状でプロットされた点の内側の領域、即ち、斜線によって示された領域は、実施例によるホイールによって噛み合い領域が広がった分に相当する。
幾何学的に噛合いが開始するウォームの位相を基準として、ウォームの歯元から歯先方向に噛合いが進行していく場合のウォームの回転方向を正方向とした。なお、ホイールの回転角速度は1.0rps、ウォームの入力トルクは3.2Nmとして検証した。
ウォーム歯面の噛合い領域はウォーム回転位相の約1080degに相当することから、噛合い率が3.0となることを実証した。噛合い率が2.2の従来歯形よりも噛合い率を36%向上することができた。また、ホイールの噛合い領域は基礎円以下まで良好に拡大できていることを確認できた。
これらは理論検討結果と概ね一致しているので、MUB理論の効果を検証できた。これにより、MUB理論に基づき設計されたウォームギヤ機構の噛合いを予測できるようになった。従って、該MUB理論は、小型・高強度ウォームギヤ機構の搭載が要求される電動パワーステアリング装置(EPS)の設計手法として有効である。
ホイールを小型化するために、基礎円以下まで有効に噛合わせて噛合い率を向上させるMUB理論を提案し、実験によってその理論の効果を検証した。その結果、以下のことを明らかにした。
ホイールの歯元形状は、ホブの歯先円弧中心点の転位方向により3種類に分類できることがわかった。負転位トロコイドにより形成される歯形はセルフロックするので、基礎円以下で有効にかみ合うことができないことがわかった。零転位トロコイドにより形成される歯形は基礎円以下が円弧歯形となるので、歯車の等速性を満たすには多条ウォームが必要であり、ホイールが大型化することがわかった。歯元歯形を正転位トロコイドにより形成するMUB理論により、ホイールを大型化せずに、インボリュート歯形では噛合わなかった基礎円以下でも有効に噛合えるようになった。MUB理論を適用すると、一般的に噛合い率が低いとされる1条ウォームにおいても3.0という高い噛合い率を達成できることを、噛合い試験により実証した。
尚、ウォームギヤ機構を電動パワーステアリング装置に搭載する例に基づいて説明したが、ウォームギヤ機構は、他の装置にも搭載することができ、電動パワーステアリング装置に限られるものではない。
本発明のウォームギヤ機構は、車両の電動パワーステアリング装置に採用するのに好適である。
44…ウォームギヤ機構、70…ウォーム、71…ウォームの歯、71c…ウォームの歯末の面、74…ウォームのピッチ線、80…ウォームホイール、90…ホブ、91…ホブの歯、91c…ホブの歯末の面、93…ホブの歯末の面の中心、94…ホブのピッチ線、WL…ウォームの中心線、210…インボリュート歯形のウォーム、220…インボリュート歯形のウォームホイール、200…従来のウォームギヤ機構、WL’…ホブの中心線、L…遠のき噛合い長さ、Llim…従来の遠のき噛合い長さ。
Claims (2)
- ウォームと、該ウォームに噛合うウォームホイールと、から成るウォームギヤ機構において、
前記ウォームの歯の少なくとも歯末の面は円弧状に形成され、該歯末の面の円弧の半径の中心は、前記ウォームのピッチ線よりも前記ウォームの中心線寄りに位置し、
前記ウォームホイールは、該ウォームホイールの歯切り加工用に用いるホブにおいて、該ホブの歯の少なくとも歯末の面が円弧状に形成され、該歯末の面の円弧の半径の中心が、前記ホブのピッチ線よりも前記ホブの中心線寄りに位置している、前記ホブによって歯切り加工されたものであり、
前記ウォームと前記ウォームホイールとを噛合わせる前記ウォームギヤ機構の遠のき噛合い長さは、インボリュート歯形のウォームとインボリュート歯形のウォームホイールとから成るウォームギヤ機構の遠のき噛合い長さよりも、大きく設定されている、
ことを特徴とするウォームギヤ機構。 - 前記ウォームホイールの少なくとも歯は、樹脂の成形品によって構成されている、請求項1記載のウォームギヤ機構。
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