JP2003184980A - 歯車装置 - Google Patents
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Abstract
32からなるラックアンドピニオン歯車25である。ピ
ニオン31並びにラック32は、歯直角平面の歯形又は
軸直角平面の歯形を見たときに、歯末の面31a,32
aに、歯車の基準ピッチ線Piから偏った点C1を中心
とする円弧面31b,32bを有するとともに、歯元の
面31c,32cにも、基準ピッチ線Piから偏った点
C2を中心とする円弧面31d,32dを有する。これ
らのピニオン31とラック32の一方を互いに噛み合う
方向に押すことができる押圧手段を備える。
Description
車からなる歯車装置に関する。
しては、インボリュート歯形が数多く採用されている。
このインボリュート歯形に関する技術は、ほぼ確立され
たと言ってもよい。これに対して近年、より強い歯車を
得ようと研究が進められており、その一つに円弧歯形の
歯車がある。円弧歯形とは、歯末の面及び歯元の面が基
準ピッチ線上を中心とする円弧面である歯形のことであ
る。
疲れ強さ、曲げ強さ、曲げ疲れ強さが大きい。例えば、
歯同士を噛み合わせて回転させたときに、歯末の円弧面
及び歯元の円弧面の2点が接触すると同時に、接触面が
凹面と凸面になる。一方、インボリュート歯形の歯車
は、1点接触の凸面と凸面の接触又は凸面と凸面の歯当
りとなる。従って、円弧歯形はインボリュート歯形に比
べて、歯当りが良く接触面積が大きい。このため、接触
応力が小さくてすむので表面疲れ強さが大きくなり、こ
の結果、耐摩耗性が高まる。このような円弧歯形の歯車
を採用した技術としては、例えば特開2001−163
228の公報「電動パワーステアリング装置」(以下、
「従来の技術」と言う。)が知られている。
る通り、電動機82(番号は公報に記載されたものを引
用した。以下同じ。)で操舵トルクに応じた補助トルク
を発生し、この補助トルクを歯車式減速機構110を介
してラックアンドピニオン機構32に伝達し、このラッ
クアンドピニオン機構32によって操舵輪21,21を
操舵するというものである。ラックアンドピニオン機構
32は、ピニオン33並びにラック34の組合せ構造で
ある。ピニオン33並びにラック34は、同公報の図1
0に示される通り塑性加工品である。ピニオン33の歯
形並びにラック34の歯形は円弧歯形である。
歯車は耐摩耗性が大きいものの、ある程度摩耗したり噛
み合い誤差が生じることで、噛み合わせ部分の遊びが増
す。この結果、歯面同士の接触関係が変化し、1点だけ
で接触することがあり得る。この現象が発生すると、接
触面積が減少するので表面疲れ強さが低下し、摩耗の進
行が早まる。
来の電動パワーステアリング装置においては、次のよう
なことが考えられる。走行時、特に操舵時の路面反力が
操舵輪21,21からタイロッド37,37を介してラ
ック軸35へ伝わったときには、長いラック軸35がた
わむことで、ピニオン33とラック34の噛み合いに誤
差が生じることがあり得る。また、路面からラックアン
ドピニオン機構32を介してステアリングハンドル11
に伝わる衝撃(キックバック)等により、衝撃的な負荷
がピニオン33とラック34の噛み合い部分に作用す
る。
が変化し、1点だけで接触することがあり得る。この場
合であっても、歯の摩耗を抑制できることが求められ
る。しかも、歯の噛み合わせ部分の遊びが増すと、歯面
同士が当ったときの打音がステアリングハンドル11を
介して車室内に伝わるので、車室内の騒音の要因とな
り、好ましくない。
性をより確保できる技術を提供することにある。
に請求項1は、歯車における歯直角平面の歯形又は軸直
角平面の歯形を見たときに、歯末の面に、歯車の基準ピ
ッチ線から偏った点を中心とする円弧面を有するととも
に、歯元の面にも、基準ピッチ線から偏った点を中心と
する円弧面を有した歯車を、少なくとも1組設けた歯車
装置である。ここで、「歯直角平面の歯形」とは、歯す
じに垂直な平面上の歯形のことであり、「軸直角平面の
歯形」とは、歯車の軸に垂直な平面上の歯形のことであ
る。
チ線から偏った点を中心とする円弧面を有するので、1
組の歯車の軸間距離が変動しても、表面疲れ強さの変動
を抑制することができる。すなわち、歯がある程度摩耗
したり噛み合い誤差が生じることで、噛み合わせ部分の
遊びが増した場合であっても、歯末の円弧面及び歯元の
円弧面の2点が接触する状態を確保することができる。
このため、ある程度の接触面積を確保することができる
ので、接触応力が急激に増大することはない。この結
果、表面疲れ強さを確保できるので、歯車の耐摩耗性を
より確保することができる。
にラックからなるラックアンドピニオン歯車とし、これ
らのピニオンとラックの一方を互いに噛み合う方向に押
すことができる押圧手段を設けたことを特徴とする。押
圧手段によって、ピニオンとラックの一方を互いに噛み
合う方向に押すことで、ピニオンとラックとの噛み合い
の遊びを最小限にして支持することができる。このた
め、ピニオンやラックの歯が摩耗したり噛み合い誤差が
生じることで、噛み合わせ部分の遊びが増した場合であ
っても、常に歯末の円弧面及び歯元の円弧面の2点が接
触する状態を確保することができる。従って、ピニオン
並びにラックの耐摩耗性をより確保することができる。
グハンドルに連結し、ラックを車両の操舵車輪に連結し
たことを特徴とする。車両の走行時、特に操舵時の路面
反力が操舵車輪からタイロッドを介してラック軸に伝わ
ったときには、長いラック軸がたわむことで、ピニオン
とラックの噛み合いに誤差が生じることがあり得る。ま
た、路面からラックアンドピニオン歯車を介してステア
リングハンドルに伝わる衝撃(キックバック)等によ
り、衝撃的な負荷がピニオンとラックの噛み合い部分に
作用する。請求項3によれば、このようなときであって
も、押圧手段でピニオンとラックの一方を互いに噛み合
う方向に押すことによって、常に歯末の円弧面及び歯元
の円弧面の2点が接触する状態を確保することができ
る。しかも、押圧手段によって歯の噛み合わせ部分の遊
びを抑制できるので、歯面同士が当ったときの打音が、
ステアリングハンドルを介して車室内に伝わることを防
止できる。
ンドルの操舵トルクに応じて電動機が発生した補助トル
クを付加される歯車であることを特徴とする。押圧手段
によって歯の噛み合わせ部分の遊びを抑制し、この結
果、歯の摩耗の進行を抑制することによって、ラックア
ンドピニオン歯車の動力伝達効率を確保することができ
る。このようなラックアンドピニオン歯車を電動パワー
ステアリング装置に採用したので、補助トルクをピニオ
ンからラックへ確実に且つ円滑に伝達することができ
る。
の間に、減速機構を介在させ、この減速機構とステアリ
ングハンドルとの間に、操舵トルクを検出する操舵トル
クセンサを介在させたことを特徴とする。歯の摩耗の進
行を抑制することによって動力伝達効率を確保したラッ
クアンドピニオン歯車を、電動パワーステアリング装置
に採用し、ステアリングハンドルの操舵トルクに、操舵
トルクセンサで検出した操舵トルクに応じて発生した補
助トルクを減速機構を介して付加したところの、複合ト
ルクをピニオンからラックへ確実に且つ円滑に伝達する
ことで、複合トルクによって操舵車輪を円滑に操舵する
ことができる。従って、操舵感覚(操舵フィーリング)
を高めることができる。
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の模式図であり、本発明の歯車装置を搭載した
電動パワーステアリング装置について示す。電動パワー
ステアリング装置10は、車両のステアリングハンドル
21から車両の操舵車輪(前輪)29,29に至るステ
アリング系20と、このステアリング系20に補助トル
クを加える補助トルク機構40とからなる。
ドル21にステアリングシャフト22及び自在軸継手2
3,23を介してピニオン軸24(回転軸24)を連結
し、ピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を
介してラック軸26を連結し、ラック軸26の両端に左
右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介
して左右の操舵車輪29,29を連結したものである。
ン軸24に形成したピニオン31に、ラック軸26に形
成したラック32を噛み合わせた、ラックアンドピニオ
ン歯車である。このようにして、ピニオン31を車両の
ステアリングハンドル21に連結し、ラック32を車両
の操舵車輪29,29に連結する。運転者がステアリン
グハンドル21を操舵することで、この操舵トルクによ
りラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド
27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵
することができる。
ドル21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操
舵トルクセンサ41で検出し、このトルク検出信号に基
づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基
づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動機43で発生
し、補助トルクを減速機構44及びピニオン軸24を介
して、ステアリング系20のラックアンドピニオン機構
25に伝達し、このラックアンドピニオン機構25及び
左右のタイロッド27,27によって、左右の操舵車輪
29,29を操舵することができる。従って、運転者の
操舵トルクに電動機43の補助トルクを加えた複合トル
クによって、操舵車輪29,29を操舵することができ
る。
とピニオン31との間に、減速機構44を介在させ、こ
の減速機構44とステアリングハンドル21との間に、
操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ41を介在させ
る。ピニオン31は、ステアリングハンドル21の操舵
トルクに応じて電動機43が発生した補助トルクを付加
される歯車である。
グ装置の全体構成図であり、左端部及び右端部を断面し
て表したものである。この図は、電動パワーステアリン
グ装置10のラック軸26を、車幅方向(図左右方向)
に延びるハウジング51に軸方向へスライド可能に収容
したことを示す。ラック軸26は、ハウジング51から
突出した長手方向両端にボールジョイント52,52を
介してタイロッド27,27を連結した軸である。5
3,53はダストシール用ブーツである。
パワーステアリング装置10の縦断面構造を示す。電動
パワーステアリング装置10は、ピニオン軸24、ラッ
クアンドピニオン機構25、操舵トルクセンサ41及び
減速機構44をハウジング51に収納し、このハウジン
グ51の上部開口を上部カバー部54で塞いだものであ
る。操舵トルクセンサ41は、上部カバー部54に取付
けたものである。
31並びにラック32は「はすば歯車(ヘリカルギ
ヤ)」である。すなわち、ピニオン31は、はすばピニ
オンであり、ラック32は、はすばラックである。
助トルクをピニオン軸24に伝達するウォームギヤ機
構、すなわち倍力機構である。詳しく述べると減速機構
44は、電動機43の出力軸46に設けたウォーム47
と、ピニオン軸24に結合するとともにウォーム47に
噛み合わせたウォームホイール48(以下、単に「ホイ
ール48」と言う。)とからなる。
軸24の上部、長手中央部及び下端を3個の軸受55〜
57を介して回転可能に支承したものであり、さらに電
動機43を取付けるとともに、ラックガイド70を備え
る。図中、58はロックナット、59はオイルシールで
ある。
オン軸24に、永久歪みが付与され作用トルクに応じて
磁歪特性が変化する第1永久歪み部61及び第2永久歪
み部62を設け、これら第1・第2永久歪み部61,6
2の周囲に、第1・第2永久歪み部61,62に生じた
磁歪効果を電気的に検出する検出部63を設け、検出部
63の検出信号をトルク検出信号として出力するように
した、磁歪式トルクセンサである。
オン軸24の軸長手方向に互いに逆方向の永久歪みを付
与された磁歪膜からなる。検出部63は、ピニオン軸2
4を通した筒状のコイルボビン64,65と、コイルボ
ビン64,65に巻いた第1多層ソレノイド巻きコイル
66並びに第2多層ソレノイド巻きコイル67と、第1
・第2多層ソレノイド巻きコイル66,67の周囲を囲
う磁気シールド用バックヨーク68と、からなる。
からラック軸26に当てるガイド部71と、このガイド
部71を圧縮ばね72(調整ばね72)を介して押す調
整ボルト73と、からなる押圧手段である。ガイド部7
1と調整ボルト73との間には、調整ボルト73の調整
方向に若干の隙間を有する。図中、74はラック軸26
の背面を滑らせる当て部材、75はロックナットであ
る。
2の一方を互いに噛み合う方向に押すことができるラッ
クガイド70(押圧手段70)を設ける。ガイド部71
によって、ピニオン軸24の長手方向へのラック軸26
の移動を規制しつつ、ラック軸26をその軸方向へ摺動
可能に支持することができる。
1にねじ込んだ調整ボルト73にて、圧縮ばね72を介
してガイド部71を適切な押圧力で押すことにより、ガ
イド部71でラック32に予圧を与えて、ラック32を
ピニオン31に押し付けることができる。この結果、ピ
ニオン31とラック32との噛み合いの遊びを最小限に
して支持することができる。さらには、ピニオン31の
歯やラック32の歯が摩耗したときには、ラックガイド
70によってピニオン軸24をピニオン31側に押す。
このようにして、ピニオン31とラック32の一方を互
いに噛み合う方向に押すことができる。
の歯形の断面図(その1)であり、ピニオン31並びに
ラック32を噛み合わせた状態の歯形を示す。ピニオン
31の歯形並びにラック32の歯形は、対称形の円弧歯
形に類似した歯形を有する。
の歯形又は軸直角平面の歯形を見たときに、歯末の面3
1aに、歯車の基準ピッチ線Pi(基準ピッチ円Pi)
から偏った点を中心C1とする円弧面31bを有すると
ともに、歯元の面31cにも、基準ピッチ線Piから偏
った点を中心C2とする円弧面31dを有した歯車であ
る。
歯形又は軸直角平面の歯形を見たときに、歯末の面32
aに、歯車の基準ピッチ線Piから偏った点を中心C1
とする円弧面32bを有するとともに、歯元の面32c
にも、基準ピッチ線Piから偏った点を中心C2とする
円弧面32dを有した歯車である。
じに垂直な平面上の歯形のことであり、「軸直角平面の
歯形」とは、歯車の軸に垂直な平面上の歯形のことであ
る。ラックアンドピニオン機構25は、このような歯車
(ピニオン31並びにラック32)を少なくとも1組設
けた歯車装置であることを特徴とする。以下、歯形の詳
細について説明する。
の歯形の断面図(その2)であり、ピニオン31並びに
ラック32を分解した状態であって、歯車における歯直
角平面の歯形を示す。ピニオン31は、歯末の面31a
に、基準ピッチ線Pi(基準ピッチ円Pi)から歯先側
へ偏心寸法X1だけ偏った点C1を中心とする半径R1
の凸状の円弧面31bを範囲L1にわたって有する。さ
らにピニオン31は、歯元の面31cに、基準ピッチ線
Piから歯先側へ偏心寸法X2だけ偏った点C2を中心
とする半径R2の凹状の円弧面31dを範囲L2にわた
って有する。
ぼ同一である。半径R1よりも半径R2が大きい(R1
<R2)。すなわち、半径R1,R2に差を設けた。よ
り具体的に述べると、半径R1は、基準ピッチ線Pi上
における歯厚よりも若干小さい。半径R2は、基準ピッ
チ線Pi上における歯厚よりも大きい。なお、半径R1
と半径R2との差の大きさについては、最大動力伝達能
力を勘案して設定することになる。
と、歯元の面31cに形成された円弧面31dとは、基
準ピッチ線Piの近傍において、短いインボリュート面
31e(インボリュートの曲面部分31e)を介して連
なる。インボリュート面31eは、ラック32の歯との
干渉を避けるために、範囲L3にわたって有する曲面で
ある。なお、歯末の面31aの円弧面31bは、歯先の
コーナ部分において半径R3の円弧面に連なる。歯元の
面31cの円弧面31dは、歯底のコーナ部分において
半径R4の円弧面に連なる。
31の歯形と同じである。具体的にはラック32は、歯
末の面32aに、基準ピッチ線Piから歯先側へ偏心寸
法X1だけ偏った点C1を中心とする半径R1の凸状の
円弧面32bを範囲L1にわたって有する。さらにピニ
オン32は、歯元の面32cに、基準ピッチ線Piから
歯先側へ偏心寸法X2だけ偏った点C2を中心とする半
径R2の凹状の円弧面32dを範囲L2にわたって有す
る。
と、歯元の面32cに形成された円弧面32dとは、基
準ピッチ線Piの近傍において、短いインボリュート面
32e(インボリュートの曲面部分32e)を介して連
なる。インボリュート面32eは、ピニオン31の歯と
の干渉を避けるために、範囲L3にわたって有する曲面
である。なお、歯末の面32aの円弧面32bは、歯先
のコーナ部分において半径R3の円弧面に連なる。歯元
の面32cの円弧面32dは、歯底のコーナ部分におい
て半径R4の円弧面に連なる。
形の作用を図6に基づき説明する。図6(a),(b)
は本発明に係るピニオン並びにラックの歯形の作用図
(その1)である。(a)は、上記図4に示す凸状の円
弧面31bと凹状の円弧面32dとの噛み合い状態を拡
大して表したものであり、初期の噛み合い状態を示す。
R1は、凹状の円弧面32dの半径R2よりも小さい
(R1<R2)。半径R1の中心C1は、基準ピッチ線
Piから歯先側へ偏った位置にある。一方、半径R2の
中心C2は、基準ピッチ線Piに対し中心C1と反対側
にある。すなわち初期の噛み合い状態において、中心C
1と中心C2とは、基準ピッチ線Piから偏るととも
に、基準ピッチ線Piに対して互いに反対側にある。円
弧面31bと円弧面32dとが接触する点Q1は、中心
C1と中心C2とを通る直線S1上にある。
の歯が摩耗することで、噛み合わせ部分の遊びが増す
と、その分だけラック32はラックガイド70(図3参
照)に押される。このため、凸状の円弧面31bと凹状
の円弧面32dとは、常に接触する状態にある。
摩耗し合うことで、互いに同じ形状になろうとする。す
なわち、凸状の円弧面31bは、凹状の円弧面32dに
接触して摩耗することで、徐々に円弧面32dに類似し
た形状や大きさになってくる。この結果、円弧面31b
の半径R1は半径R2の大きさに近づいて大きくなり、
半径R1の中心C1は半径R2の中心C2側へ変位する
(図の右上方へ時計回りに変位する。)。
面31bに接触して摩耗することで、徐々に円弧面31
bに類似した形状や大きさになってくる。この結果、円
弧面32dの半径R2は半径R1の大きさに近づいて小
さくなり、半径R2の中心C2は円弧面32d側へ変位
する(図の左下方へ時計回りに変位する。)。
に応じて中心C1,C2が変位するので、中心C1,C
2を通る直線S1は図時計回りに変位する。直線S1の
変位に伴い、直線S1上で円弧面31b,32d同士が
噛み合う点Q1も上方へ変位して歯車の理論上の基準ピ
ッチ線Piに接近する。そして、直線S1は理論上の基
準ピッチ線Piに平行になる。そのことを(b)で示
す。
半径R11まで大きくなるとともに、上記円弧面32d
の半径R2が半径R12まで小さくなったことを示す。
この結果、上記中心C1は中心C11までに変位し、上
記中心C2は中心C12まで変位する。このときに、中
心C11,C12を通る直線S11は、理論上の基準ピ
ッチ線Piに平行である。円弧面31bと円弧面32d
とは、直線S11上の点Q2で噛み合う、すなわち接触
することになる。従って、この状態が、円弧面31b,
32d同士での噛み合いの限界となる。
32はラックガイド70に常時押されている。このた
め、歯の摩耗が進行することにより、図6において、円
弧面31b,32d同士が噛み合う点が(a)のQ1か
ら(b)のQ2へ変位するときに、理論上の基準ピッチ
線Piの位置は摩耗した後の直線S11(仮想ピッチ線
S11)上まで移動する。上記図4に示す凸状の円弧面
32bと凹状の円弧面31dとの噛み合いについても同
様である。
31とラック32は、図6(a)の初期の噛み合い状態
から図6(b)の摩耗した後の噛み合い状態までにわた
って、円弧面31b,32d同士の噛み合いと、円弧面
31d,32b同士の噛み合いとの2点で接触する状態
を確保することができる。
き更に説明する。図7は本発明に係るピニオン並びにラ
ックの歯形の作用図(その2)であり、上記図6(b)
に相当する図である。
ピニオン31とラック32の一方を互いに噛み合う方向
に押すことで、ピニオン31とラック32との噛み合い
の遊びを最小限にして支持している。
り噛み合い誤差が生じることで、噛み合わせ部分の遊び
が増した場合には、ラックガイド70に押されて1組の
歯車の軸間距離Di、すなわちピニオン軸24の中心か
らラック軸26の中心まで距離Diが小さくなる。何故
なら、図7に示すピニオン31の基準ピッチ円Piの径
dp1が実質的に小さくなったり、ラック軸26(図
3)の中心から基準ピッチ線Piまでの距離dp2が実
質的に小さくなるからである。言い換えると、ピニオン
31の歯とラック32の歯の噛み合いの理論上の基準ピ
ッチ線Piの位置は変化する。
ピニオン31並びにラック32は、図4に示すようにし
たことを特徴とする。本発明の1組の歯車としてのピニ
オン31並びにラック32は、歯末の面31a,32a
及び歯元の面31c,32cに、歯車の基準ピッチ線P
iから偏った点C1,C2を中心とした円弧面31b,
31d,32b,32dを有する。さらには、歯元の面
31c,32cに形成した凹状の円弧面31d,32d
の半径R2は、歯末の面31a,32aに形成した凸状
の円弧面31b,32bの半径R1よりも大きい(R1
<R2)。
の変動に対する、歯の表面疲れ強さの変動を抑制するこ
とができる。具体的には、図7は上記図6(b)と同様
に、摩耗によって円弧面31bの半径が半径R11まで
大きくなるとともに、円弧面32dの半径が半径R12
まで小さくなったことを示す。このときの中心C11及
び中心C12を通り基準ピッチ線Piに平行な線又は円
のことを、ここでは、摩耗した後の仮想ピッチ線S11
と言う。この仮想ピッチ線S11は、上記図6(b)に
示す示す直線S11と同一である。
の基準ピッチ線Piの位置が摩耗した後の仮想ピッチ線
S11上に移動するまで、歯末の円弧面31bと歯元
の円弧面32dとの接触、及び、歯末の円弧面32b
と歯元の円弧面31dとの接触の、2点が接触する状態
を確保することができる。このため、ある程度の接触面
積を確保することができるので、接触応力が急激に増大
することはない。この結果、表面疲れ強さを確保できる
ので、歯車(ピニオン31並びにラック32)の耐摩耗
性を、より確保することができる。
組の歯車は、ピニオン31並びにラック32からなるラ
ックアンドピニオン歯車25に限定されるものではな
く、例えば、ウォーム47並びにホイール48からなる
ウォームギヤ機構に採用したり、ベベルギヤ機構に採用
することもできる。また、押圧手段70は、ピニオン3
1をラック32側へ互いに噛み合う方向に押す構成であ
ってもよい。
する。請求項1は、歯末の面及び歯元の面に、歯車の基
準ピッチ線から偏った点を中心とする円弧面を有するの
で、1組の歯車の軸間距離が変動しても、表面疲れ強さ
の変動を抑制することができる。すなわち、歯がある程
度摩耗したり噛み合い誤差が生じることで、噛み合わせ
部分の遊びが増した場合であっても、歯末の円弧面及び
歯元の円弧面の2点が接触する状態を確保することがで
きる。このため、ある程度の接触面積を確保することが
できるので、接触応力が急激に増大することはない。こ
の結果、表面疲れ強さを確保できるので、歯車の耐摩耗
性をより確保することができる。
ニオン歯車とし、ピニオンとラックの一方を互いに噛み
合う方向に押圧手段で押すことにより、ピニオンとラッ
クとの噛み合いの遊びを最小限にして支持することがで
きる。このため、ピニオンやラックの歯が摩耗したり噛
み合い誤差が生じることで、噛み合わせ部分の遊びが増
した場合であっても、常に歯末の円弧面及び歯元の円弧
面の2点が接触する状態を確保することができる。従っ
て、ピニオン並びにラックの耐摩耗性をより確保するこ
とができる。
グハンドルに連結し、ラックを車両の操舵車輪に連結し
たことを特徴とする。車両の走行時、特に操舵時の路面
反力が操舵車輪からタイロッドを介してラック軸に伝わ
ったときには、長いラック軸がたわむことで、ピニオン
とラックの噛み合いに誤差が生じることがあり得る。ま
た、路面からラックアンドピニオン歯車を介してステア
リングハンドルに伝わる衝撃等により、衝撃的な負荷が
ピニオンとラックの噛み合い部分に作用する。請求項3
によれば、このようなときであっても、押圧手段でピニ
オンとラックの一方を互いに噛み合う方向に押すことに
よって、常に歯末の円弧面及び歯元の円弧面の2点が接
触する状態を確保することができる。しかも、押圧手段
によって歯の噛み合わせ部分の遊びを抑制できるので、
歯面同士が当ったときの打音が、ステアリングハンドル
を介して車室内に伝わることを防止できる。
ンドルの操舵トルクに応じて電動機が発生した補助トル
クを付加される歯車であることを特徴とする。押圧手段
によって歯の噛み合わせ部分の遊びを抑制し、この結
果、歯の摩耗の進行を抑制することによって、ラックア
ンドピニオン歯車の動力伝達効率を確保することができ
る。このようなラックアンドピニオン歯車を電動パワー
ステアリング装置に採用したので、補助トルクをピニオ
ンからラックへ確実に且つ円滑に伝達することができ
る。
の間に、減速機構を介在させ、この減速機構とステアリ
ングハンドルとの間に、操舵トルクを検出する操舵トル
クセンサを介在させたことを特徴とする。歯の摩耗の進
行を抑制することによって動力伝達効率を確保したラッ
クアンドピニオン歯車を、電動パワーステアリング装置
に採用し、ステアリングハンドルの操舵トルクに、操舵
トルクセンサで検出した操舵トルクに応じて発生した補
助トルクを減速機構を介して付加したところの、複合ト
ルクをピニオンからラックへ確実に且つ円滑に伝達する
ことで、複合トルクによって操舵車輪を円滑に操舵する
ことができる。従って、操舵感覚を高めることができ
る。
式図
体構成図
面図(その1)
面図(その2)
用図(その1)
用図(その2)
グハンドル、25…歯車装置(ラックアンドピニオン歯
車)、29…操舵車輪、31,32…1組の歯車として
のピニオン及びラック、31a,32a…歯末の面、3
1b,31d,32b,32d…円弧面、31c,32
c…歯元の面、41…操舵トルクセンサ、43…電動
機、44…減速機構、46…電動機の出力軸、70…押
圧手段(ラックガイド)、C1,C2…歯車の基準ピッ
チ線から偏った点、R1,R2…円弧面の半径、Pi…
歯車の基準ピッチ線、S11…摩耗した後の仮想ピッチ
線、X1,X2…偏心寸法。
Claims (5)
- 【請求項1】 歯車における歯直角平面の歯形又は軸直
角平面の歯形を見たときに、歯末の面に、歯車の基準ピ
ッチ線から偏った点を中心とする円弧面を有するととも
に、歯元の面にも、前記基準ピッチ線から偏った点を中
心とする円弧面を有した歯車を、少なくとも1組設けた
歯車装置。 - 【請求項2】 前記1組の歯車を、ピニオン並びにラッ
クからなるラックアンドピニオン歯車とし、これらのピ
ニオンとラックの一方を互いに噛み合う方向に押すこと
ができる押圧手段を設けたことを特徴とする請求項1記
載の歯車装置。 - 【請求項3】 前記ピニオンを車両のステアリングハン
ドルに連結し、前記ラックを車両の操舵車輪に連結した
ことを特徴とする請求項2記載の歯車装置。 - 【請求項4】 前記ピニオンは、前記ステアリングハン
ドルの操舵トルクに応じて電動機が発生した補助トルク
を付加される歯車であることを特徴とした請求項3記載
の歯車装置。 - 【請求項5】 前記電動機の出力軸と前記ピニオンとの
間に、減速機構を介在させ、この減速機構と前記ステア
リングハンドルとの間に、前記操舵トルクを検出する操
舵トルクセンサを介在させたことを特徴とする請求項4
記載の歯車装置。
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JP2007232062A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Nippon Thompson Co Ltd | 保持器のずれ防止機構を備えた有限直動案内ユニット |
WO2008123588A1 (ja) * | 2007-04-04 | 2008-10-16 | Hitachi, Ltd | ウォーム歯車および電動パワーステアリング装置 |
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-
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- 2001-12-18 JP JP2001385197A patent/JP3587817B2/ja not_active Expired - Fee Related
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