JP2003184995A - 減速歯車機構及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
減速歯車機構及び電動式パワーステアリング装置Info
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Abstract
調整手段を歯車と別に設けることなく、バックラッシュ
量を少なくすることができるようにする。 【解決手段】 外周に歯11を有する大歯車1と、該大
歯車に噛合する小歯車とを備えた減速歯車機構におい
て、前記大歯車は少なくとも歯が合成樹脂よりなり、前
記歯の側面から歯幅方向へ凹入する空所14を設け、歯
面部を歯厚方向へ撓ませつつ小歯車と噛合させ、噛合部
のバックラッシュ量が負数となるようにした。
Description
歯が合成樹脂よりなる歯車を備える減速歯車機構、及び
該減速歯車機構を備える電動式パワーステアリング装置
に関する。
ワーステアリング装置の構成を示す断面図である。電動
式パワーステアリング装置は、操舵輪100に連結され
る入力軸101と、該入力軸101にトーションバー1
02を介して連結される出力軸103と、操舵輪100
を操舵することによって入力軸101に加わる回転トル
クを前記トーションバー102に生じる捩れによって検
出するトルクセンサ104と、該トルクセンサ104が
検出した操舵トルクに基づいて駆動される操舵補助用の
モータ105とを備え、該モータ105の回転を減速歯
車機構106を介して前記出力軸103及び該出力軸1
03に連結される伝達手段(不図示)を介して舵取機構
(不図示)に伝達するように構成されている。
回転に連動するウォーム107と、該ウォーム107に
噛合するウォームホイール108とを備えている。ウォ
ームホイール108は、前記ウォーム107に噛合する
歯を外周に有する合成樹脂製の環状部材109と、該環
状部材109の内側に嵌合された金属製の芯部材110
とを備え、該芯部材110が前記出力軸103に支持さ
れ、ウォーム107との噛合による騒音を小さくするよ
うにしてある。
出力軸103の軸芯と交叉するように配置され、一対の
転がり軸受(不図示)を介してハウジング110内に支
持されており、ウォームホイール108を支持した出力
軸103は一対の転がり軸受111,112を介してハ
ウジング110内に支持されている。また、このウォー
ムホイール108の歯は、歯先面の近傍から歯底面の近
傍に亘って等しい曲率となるように凸に湾曲する歯形に
なっている。
式パワーステアリング装置にあっては、ウォーム107
及びウォームホイール108の噛合部のバックラッシュ
量を少なくし、転舵時のバックラッシュによる歯打ち音
をなくするため、ウォーム107及びウォームホイール
108の回転中心間距離が許容範囲となるようにウォー
ム107、ウォームホイール108、転がり軸受11
1,112、ハウジング110等が選択され組み立てら
れているが、この組立てに多くの時間を要することにな
り、また、ウォーム107及びウォームホイール108
の歯の摩耗が増大することによってバックラッシュ量が
増加することになり、改善策が要望されていた。
されているようにモータ側軸部が転がり軸受を介してハ
ウジングに回転可能に支持されたウォームのモータと反
対側軸部をウォームホイールに向けて押付ける押付体を
有する調整手段を設け、該調整手段を操作することによ
り、ウォーム及びウォームホイールの回転中心間距離を
調整し、バックラッシュ量を適正にするように構成され
た電動式パワーステアリング装置が提案されている。
に調整手段を設けてバックラッシュ量を適正にするよう
に構成された電動式パワーステアリング装置にあって
は、前記回転中心間距離を調整するための調整手段が歯
車とは別に設けられているため、構造が複雑であり、組
立て作業性も低下することになり、改善策が要望されて
いた。
であり、前記回転中心間距離を調整するための調整手段
を歯車と別に設けることなく、バックラッシュ量を適正
にすることができる減速歯車機構、及び電動式パワース
テアリング装置を提供することを目的とする。
機構は、外周に歯を有する大歯車と、該大歯車に噛合す
る小歯車とを備えた減速歯車機構において、前記大歯車
は少なくとも歯が合成樹脂よりなり、前記歯の側面から
歯幅方向へ凹入する空所を有していることを特徴とす
る。
空所によって歯面部を歯厚方向へ撓ませることが可能で
あるため、この歯面部を撓ませつつ小歯車と噛合させ、
噛合部のバックラッシュ量を負数にした状態で組立てる
ことが可能である。この結果、前記回転中心間距離が許
容範囲となるように簡易に組み立てることができ、しか
も、歯の摩耗が増大した場合においても前記回転中心間
距離を許容範囲に維持することが可能である。また、小
歯車との噛合によって歯の歯面部を歯厚方向へ撓ませる
ことが可能であるため、噛合部の噛合抵抗の増加を抑制
でき、大歯車及び小歯車をスムーズに回転させ得る。
は歯厚方向に離間して複数配置されていることを特徴と
する。第2発明にあっては、歯車が一方向及び他方向に
回転される場合でも、空所の容積を比較的小さくするこ
とができ、歯の耐強度を高めることができる。
はピッチ円よりも歯先側から歯底側にかけて設けられて
いることを特徴とする。第3発明にあっては、歯先面に
連なる一対の歯面と空所との間の肉厚を均等化でき、歯
面部の歯厚方向への撓み性を良好にできる。
歯面は凸に湾曲する歯形であり、ピッチ円近傍の歯面の
歯形は、歯先側及び歯底側の曲率半径よりも小さい曲率
半径になっていることを特徴とする。第4発明にあって
は、小歯車と噛合するとき、ピッチ円近傍の歯面が小歯
車の歯面と接触するため、この接触部の接触面積を低減
でき、噛合による歯の摩耗を抑制できる。この結果、バ
ックラッシュ量の増加を抑制できる。
車及び小歯車が噛合する噛合部のバックラッシュ量を負
数としてあることを特徴とする。
装置は、請求項1乃至5の何れかに記載された減速歯車
機構と、前記小歯車に連結された操舵補助用のモータ
と、該モータの回転に伴う前記大歯車の回転力を舵取機
構に伝達する伝達手段とを備えていることを特徴とす
る。
及び小歯車の噛合部に生じる回転トルクによって大歯車
の歯の歯面部を歯厚方向へ撓ませ得るため、この歯面部
を予め撓ませ、噛合部のバックラッシュ量を負数にした
状態で組立てることが可能である。この結果、前記回転
中心間距離が許容範囲となるように簡易に組み立てるこ
とができ、しかも、歯の摩耗が増大した場合においても
前記回転中心間距離を許容範囲に維持することが可能で
ある。また、合成樹脂製の歯を撓ませ得るため、噛合部
の噛合抵抗の増加を抑制でき、大歯車及び小歯車をスム
ーズに回転させ得る。また、大歯車の歯自体の撓みによ
って前記回転中心間距離を変えることができるため、構
造を簡単にでき、小形化できる。
す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1 図1は本発明に係る減速歯車機構の大歯車の実施の形態
1の正面図、図2は減速歯車機構の大歯車の歯の拡大断
面図、図3は減速歯車機構の断面図である。大歯車1は
モータ3の回転によって回転されるウォーム2と噛合す
るウォームホイールであり、外周に歯11を有する合成
樹脂製の環状部材12と、該環状部材12の内側に嵌合
された金属製の芯部材13とを備え、前記歯11の側面
で、歯先面11a及び該歯先面11aに連なる一対の歯
面11b,11bの間に歯幅方向へ凹入する空所14が
設けられており、大歯車1がウォーム2と噛合すると
き、空所14と歯面11b,11bとの間の歯面部11
c,11cを歯厚方向へ撓ませることができるようにし
てある。
型のキャビティにインサートとして収容配置し、ポリア
ミド樹脂等の溶融された合成樹脂(熱硬化性合成樹脂)
を射出することにより成形してあり、芯部材13と一体
に結合してある。また、歯11の歯面11b,11bは
凸に湾曲する歯形であり、ピッチ円p近傍の歯面11
b,11bの歯形が、一般的な基準歯形の歯先側及び歯
底側の曲率半径よりも小さい曲率半径になっている。
とき、前記射出成形型によって歯11の側面を貫通する
ように形成してある。また、空所14は歯厚方向に離間
して2つ配置し、空所14,14の間に歯先面部11e
に連なる歯芯部11fが形成されている。また、空所1
4は歯車1のピッチ円pよりも歯先側から歯底側にかけ
て歯面11b,11bとの間の間隔がほぼ均等となるよ
うに形成されている。
板形に形成してあり、中心部には嵌合孔13aが穿設さ
れており、該嵌合孔13aに回転軸(例えば後記する出
力軸30)が嵌合される。
車機構Aのウォームホイールとして使用される。この減
速歯車機構Aは芯部材13の貫通孔13aが回転軸4に
嵌合固定されたウォームホイール1と、該ウォームホイ
ール1の歯11と噛合する金属製のウォーム2と、該ウ
ォーム2の歯部21の両端に連なる軸部22,23に嵌
合された軸受5,6と、該軸受5,6を介して前記ウォ
ーム2を回転可能に支持したアルミニウム製のハウジン
グ7とを備えており、一方の軸部22に連結されるモー
タ3の回転を減速してウォームホイール1に伝達し、回
転軸4を回転させるように構成されている。
例えば電動式パワーステアリング装置に適用される。図
4は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の断面
図である。
舵取りのための操舵輪8に繋がり、下端に筒部を有する
入力軸9と、前記筒部内に挿入されてその上端が前記入
力軸9の筒部に同軸的に連結され、前記操舵輪8に加わ
る操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー10
と、下端が前記トーションバー10の下端に同軸的に連
結される出力軸30と、前記トーションバー10の捩れ
に応じた入力軸9及び出力軸30の相対回転変位量によ
って前記操舵輪8に加わる操舵トルクを検出するトルク
センサ31と、該トルクセンサ31が検出したトルクに
基づいて駆動される操舵補助用のモータ3と、該モータ
3の回転に連動し、該回転を減速して出力軸30に伝達
する前記減速歯車機構Aと、前記トルクセンサ31及び
前記減速歯車機構Aが収容されたハウジング7とを備
え、このハウジング7に前記モータ3が取付けられてい
る。尚、出力軸30が前記回転軸4を構成している。
が前記モータ3の駆動軸3aに繋がっており、また、ウ
ォームホイール1が前記出力軸30の中間に嵌合固定さ
れており、これらウォーム2及びウォームホイール1の
噛合により前記駆動軸3aの回転を減速して出力軸30
に伝達し、該出力軸30からユニバーサルジョイントを
経て例えばラックピニオン式の舵取機構(図示せず)へ
伝達するようにしている。尚、出力軸30及びユニバー
サルジョイントが、ウォームホイール1の回転力を舵取
機構に伝達する伝達手段を構成している。
の噛合部の拡大断面図である。以上の如く構成された減
速歯車機構A、電動式パワーステアリング装置におい
て、ウォームホイール1の歯11の側面には歯幅方向へ
凹入する空所14,14が設けられており、歯11の歯
面部11c,11cを歯厚方向へ撓み可能としてあるた
め、前記歯11の撓みによって噛合部のバックラッシュ
量が例えばマイナス2’程度となるようにウォーム2及
びウォームホイール1の回転中心間距離Hを予め設定す
ることにより、減速歯車機構Aを組み立てる場合、前記
歯11の歯面部11cを撓ませつつウォーム2及びウォ
ームホイール1を噛合させることができる。このように
組立てたとき、前記歯11の歯面部11cはウォーム2
との噛合によって歯厚方向へ撓むことになり、噛合部の
噛合抵抗の増加を抑制することができるため、ウォーム
2及びウォームホイール1をスムーズに回転させること
ができる。
ウォームホイール1の歯11が摩耗し、バックラッシュ
量が増加するとき、このバックラッシュ量を初期から極
めて長期間に亘って一般的な初期設定値である約プラス
3’と同水準に抑制することが可能であり、前記回転中
心間距離Hを許容範囲に維持し得る。
は、ピッチ円p近傍の曲率半径を一般的な基準歯形の歯
先側及び歯底側の曲率半径よりも小さくしてあるため、
歯面11b,11bとウォーム2との接触面積を低減で
き、噛合による歯11の摩耗を抑制できる。
っては、操舵輪8の左右方向への操舵によって前記歯1
1の歯面11b,11bには夫々回転トルクが加わるこ
とになるが、歯11に設けられた空所14,14は歯厚
方向に離間して配置されており、空所14,14の間に
歯先面部11eに連なる歯芯部11fが形成されている
ため、空所14,14の容積を比較的小さくすることが
できるとともに、歯面部11c,11cの撓みを歯先面
部11eによって抑制することができ、歯11の耐強度
を高めることができる。
この実施の形態2の大歯車1は、実施の形態1において
空所14,14を歯厚方向に離間して複数配置とする代
わりに、1つの空所14aを設けたものである。
ピッチ円p部分に歯厚方向へ長くなるように設けられて
おり、ウォームホイール1がウォーム2と噛合すると
き、空所14aと歯面11b,11bとの間の歯面部1
1c,11cを歯厚方向へ撓ませることができるように
してある。
様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、
その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
向に貫通する空所14,14aとしたが、その他、この
空所14,14aは歯11の一側面で開口する凹形とし
てもよい。
aは、前記歯面部11c,11cの撓みを許容するゴム
等の弾性材が充填された構造としてもよい。また、以上
説明した実施の形態では、合成樹脂製の環状部材12の
内側に金属製の芯部材13が嵌合されたウォームホイー
ル1について説明したが、その他、このウォームホイー
ル1は前記芯部材13がなく、全体が合成樹脂製であっ
てもよい。
機構は、ウォーム2である小歯車及びウォームホイール
1である大歯車を備えたウォーム歯車である他、平歯の
小歯車及び大歯車を備えた平歯車であってもよい。
互いに噛合する大歯車及び小歯車の回転中心間距離が許
容範囲となるように簡易に組み立てることができ、しか
も、歯の摩耗が増大した場合においても前記回転中心間
距離を許容範囲に維持することが可能である。また、噛
合部の噛合抵抗の増加を抑制でき、大歯車及び小歯車を
スムーズに回転させ得る。
さくすることができ、歯の耐強度を高めることができ
る。
歯面と空所との間の肉厚を均等化でき、歯面部の歯厚方
向への撓み性を良好にできる。
触面積を低減でき、噛合による歯の摩耗を抑制でき、バ
ックラッシュ量の増加を抑制できる。
び小歯車の回転中心間距離が許容範囲となるように簡易
に組み立てることができ、しかも、歯の摩耗が増大した
場合においても前記回転中心間距離を許容範囲に維持す
ることが可能である。また、噛合部の噛合抵抗の増加を
抑制でき、大歯車及び小歯車をスムーズに回転させ得
る。また、大歯車の歯自体の撓みによって前記回転中心
間距離を変えることができるため、構造を簡単にでき、
小形化できる。
態1の正面図である。
断面図である。
断面図である。
ームホイールの噛合部の拡大断面図である。
態2の歯の拡大断面図である。
ング装置の構成を示す断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 外周に歯を有する大歯車と、該大歯車に
噛合する小歯車とを備えた減速歯車機構において、前記
大歯車は少なくとも歯が合成樹脂よりなり、前記歯の側
面から歯幅方向へ凹入する空所を有していることを特徴
とする減速歯車機構。 - 【請求項2】 前記空所は歯厚方向に離間して複数配置
されている請求項1記載の減速歯車機構。 - 【請求項3】 前記空所はピッチ円よりも歯先側から歯
底側にかけて設けられている請求項1又は2記載の減速
歯車機構。 - 【請求項4】 前記歯の歯面は凸に湾曲する歯形であ
り、ピッチ円近傍の歯面の歯形は、歯先側及び歯底側の
曲率半径よりも小さい曲率半径になっている請求項1乃
至3の何れかに記載の減速歯車機構。 - 【請求項5】 前記大歯車及び小歯車が噛合する噛合部
のバックラッシュ量を負数としてある請求項1乃至4の
何れかに記載の減速歯車機構。 - 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載された減
速歯車機構と、前記小歯車に連結された操舵補助用のモ
ータと、該モータの回転に伴う前記大歯車の回転力を舵
取機構に伝達する伝達手段とを備えていることを特徴と
する電動式パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001378900A JP3891836B2 (ja) | 2001-12-12 | 2001-12-12 | 電動式パワーステアリング装置 |
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Cited By (6)
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---|---|---|---|---|
CN100417841C (zh) * | 2004-02-24 | 2008-09-10 | 株式会社恩普乐 | 齿轮 |
CN100449178C (zh) * | 2003-09-03 | 2009-01-07 | 株式会社恩普乐 | 塑料铸造的齿轮和用此齿轮的间歇旋转传动装置及齿轮组 |
JP2009274708A (ja) * | 2008-04-15 | 2009-11-26 | Denso Corp | 空気通路開閉装置 |
WO2013140217A1 (en) | 2012-03-19 | 2013-09-26 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Gear mechanism and manufacturing method of gear mechanism |
EP3282145A1 (en) * | 2016-08-09 | 2018-02-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Gear assembly and manufacturing method thereof |
CN114439885A (zh) * | 2020-11-02 | 2022-05-06 | 丰田自动车株式会社 | 齿轮机构以及齿轮 |
-
2001
- 2001-12-12 JP JP2001378900A patent/JP3891836B2/ja not_active Expired - Fee Related
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