JP5733394B2 - 水性塗料用接着素材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水性塗料用接着素材の製造方法に係り、さらに詳細には、天然高分子である澱粉系共重合体で構成されるコアと、疎水性高分子からなるシェルとの二重層を有するコア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョン状の水性塗料用接着素材の製造方法に関する。本発明の製造方法によって得られる水性塗料用接着素材は、耐水性、塗膜特性及び粘度特性に特にすぐれている。
現代人が一日の80%以上を室内で生活していることを考慮すると、快適で健康な室内空気の質の確保が非常に重要である。現在、人々が居住する一般的な共同住宅は、省エネと断熱強化による換気不足によって、室内空気の管理状況はますます悪化しており、特に新築建物においては、人体に有害な化学物質が多く発生し、入居者が皮膚炎や頭痛、神経性疾病など各種疾患を患うといったシックハウス症侯群が社会的問題になっている。シックハウス症侯群は、建築内装材に使用される各種化学接着剤に含まれる揮発性有機化合物(TVOC:total volatile organic compounds)及びホルムアルデヒドが室内空間に放出されることで生じる。従って、接着剤に対する環境規制はますます強化されつつあり、そのため、既存の石油化学素材に代わる環境配慮型接着素材及び天然原料を用いた接着素材への関心が急増している。
建築物に適用される接着素材の大部分を占める塗料用接着素材は、人体に有害な重金属成分と、TVOCを多量に含む石油化学系有機溶媒から抽出した原料とを使用することから、環境規制に対応可能な環境配慮型接着素材、及び天然接着素材に関心が集まっている。例えば、塗料中の固形成分比を高め、相対的に溶剤使用量を減少させる方法(ハイソリッド化)や、溶剤を使用しない粉体塗料の開発などに係わる研究が進められているが、環境汚染を根本的に解消するには、限界があると指摘されている。
環境配慮型塗料を開発するための試みとして、既存の石油化学有機溶媒の代わりに水性溶媒を用いるアクリル・エマルジョン技術を適用した環境配慮型接着素材が開発されている。例えば、特許文献1,2,3及び4は、アクリル・エマルジョン技術を利用した環境配慮型塗料用接着素材を開示している。しかし、溶媒が水性であっても、一部は石油化学有機溶媒を使用しているので、依然として満足できるレベルには至っていない。
一方、天然原料を用いた接着素材に係わる研究が行われており、中でも澱粉は、接着性が良好で価格が低廉であり、熱抵抗性にすぐれた環境配慮型接着素材として、多くの注目を集めている。また、環境負荷が少ないという澱粉の特性に注目し、澱粉を用いた澱粉共重合体が、プラスチック素材、食品容器、包装材、緩衝材シート、農業用フィルムなど、幅広い分野で活用されている。しかし、澱粉を環境配慮型接着素材、特に、水性塗料用接着素材として使用する場合、澱粉の生分解性特性により耐久性及び耐候性が低下するという問題が生じうる。
塗料としての澱粉の使用による問題点を解決するために、特許文献5は、澱粉と、澱粉の水酸基と硬化反応を行うイソシアネート官能基を有する硬化剤とを含む硬化型澱粉組成物を開示している。しかし、前記硬化型澱粉組成物は、親水性を高める目的で導入したカルボン酸基が塗膜層に残存することから、耐水性が低下するという問題がある。また、前記特許文献5による硬化型澱粉組成物の短所を解決するために、特許文献6は、カルボン酸基含有水性樹脂、カルボン酸基含有変性澱粉、及びカルボン酸基と硬化反応する官能基を有する硬化剤を含む水性塗料組成物を開示している。しかし、これは、単に変性澱粉と、石油化学系アクリル・エマルジョンとを、硬化剤と適切に混合したものであり、澱粉共重合体アクリル・エマルジョンとは異なる。その他に、特許文献7は、剥離または防湿塗料組成物であって、2〜8個の炭素原子のエステル成分及び1.0〜2.2の置換度を有する澱粉エステル、疎水性可塑剤並びに水を含む組成物を開示しているが、エステル化澱粉の疎水性特性によって、生成された塗料の水分散度が低下し、常温で塗膜安定性が落ちるという問題がある。
特許文献8は、澱粉及び/または変性澱粉(a)、芳香族系重合性不飽和単量体を40ないし95質量%含む重合性単量体混合物を共重合することによって得られる、水酸基が10ないし170mgKOH/gの水酸基含有アクリル樹脂(b)、及びポリイソシアネート化合物(c)を反応させて得られる樹脂組成物(A)を含む塗料組成物を開示している。しかし、前記組成物においては、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物が人体に有毒であるため反応中に残存量を随時確認しなければならず、また塗膜の乾燥時間が長く、乾燥過程で汚染が発生することがある。
また、特許文献9は、澱粉及び/または変性澱粉に、グラフト重合によってビニルポリマーを結合させた樹脂(A)をバインダとして使用する澱粉系塗料組成物;及び澱粉及び/または変性澱粉に、グラフト重合によってビニルポリマーを結合させた樹脂(A)に、ポリイソシアネート化合物(b1)と多価アルコール(b2)とを反応させてなるイソシアネート基を有する生成物(B)を付加反応させてなる樹脂(C)をバインダとして使用する澱粉系塗料組成物を開示している。しかし、前記グラフト重合を行うためには、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの有機溶媒を使用しなければならないので、環境配慮の効果が半減し、また、有毒なポリイソシアネート化合物を使用しなければならないという短所もある。
最近、特許文献10は、澱粉30ないし90重量%と単量体70ないし10重量%とで構成される共重合体であって、前記単量体が、ビニル系化合物及び1,3−ブタジエンを含み、前記単量体100重量部に対して、1,3−ブタジエンが1重量部から10重量部未満の比率で含有されることを特徴とする澱粉共重合体を開示しており、また、前記澱粉共重合体は、耐水性の向上により、紙コーティング・バインダだけではなく、段ボール接着剤、紙表面サイズ剤、環境配慮型木工接着剤などの分野で使用できることを開示している。しかし、常温気体で存在する1,3−ブタジエンを使用しなければならないので、高価な高圧反応設備を要するという短所がある。
澱粉による耐久性低下及び耐候性低下といった問題を解決するために、アクリル系高分子またはメタクリル系高分子と、澱粉との共重合によりエマルジョンを製造する方法が考えられるが、澱粉の高粘度現象による作業性の低下、既存の合成アクリル・エマルジョンと比較した際の接着力の弱さ、特に、澱粉の親水性特性による耐水性低下などの問題は、依然として解決しなければならない課題である。
従って、環境配慮型の水性塗料用接着素材として、接着力、塗膜安定性、及び水溶液中における分散安定性にすぐれており、特に、耐水性にすぐれた水性塗料用接着素材の開発が当業界において求められている。
大韓民国特許公開第10−2006−0076234号公報 大韓民国特許公開第10−2006−0072480号公報 大韓民国特許第591,801号公報 大韓民国特許第584,285号公報 特開2004−224887号公報 特開2010−53281号公報 特開2001−40267号公報 大韓民国特許公開第10−2009−0061597号公報 大韓民国特許公開第10−2009−0066567号公報 大韓民国特許公開第10−2010−0029533号公報
本発明は、環境配慮型の素材であって、しかも接着力、塗膜安定性、及び水溶液中における分散安定性にすぐれ、特に、耐水性にすぐれた水性塗料用接着素材の製造方法を提供する。特に、本発明は、澱粉系コアと、疎水性を強化するシェルとの二重層を有するコア・シェル構造を有する共重合体を含むエマルジョン状の水性塗料用接着素材の製造方法を提供する。
従って、本発明は、耐水性及び塗膜形成にすぐれた、コア・シェル構造を有する共重合体を含むエマルジョン状の水性塗料用接着素材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によって、(a)水性澱粉化液に、アクリル系単量体またはメタクリル系単量体(以下、「第1単量体」)及び重合開始剤を加えて重合を行い、澱粉と単量体とが共重合したコアを形成させる段階と、(b)段階(a)で得られた反応物に、スチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル及びエチレンからなる群から選択される1種以上である単量体(以下、「第2単量体」)及び重合開始剤を加えて重合を行い、前記コア上に第2単量体が重合して形成されるコア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンを形成させる段階とを含む水性塗料用接着素材の製造方法が提供される。
本発明の製造方法において、前記第1単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルアミド及びN−メチロールアクリルアミドからなる群から選択される1種以上である官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体と、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート及びシクロヘキシルアクリレートからなる群から選択される1種以上である非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体との混合物を好適に使用することができる。
前記官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体と、前記非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体との混合比(重量比)は、1:3〜30の範囲でありうる。前記官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体はメタクリル酸であってもよく、前記非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体はメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、またはそれらの混合物でありうる。
前記第1単量体の使用量は、前記澱粉1重量部に対して、0.3〜3.0重量部の範囲でありうる。
また、段階(a)の前記重合は、リン酸エステル系乳化剤または硫酸エステル塩系乳化剤の存在下で好適に行うことができる。前記乳化剤は、ノニルプロペニルエトキシエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルアリル硫酸ナトリウムのエステル類、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルのスルホン酸エステル類、及びポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテルのスルホン酸エステルのアンモニウム塩類からなる群から選択される1種以上でありうる。
また、段階(a)の前記重合は、酸化エチレン単位またはポリ酸化プロピレン単位を含有する非イオン性乳化剤の存在下で行うこともできる。前記非イオン性乳化剤は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンステアリルアミン類、ポリエチレンソルビタン類、及びアルキルポリオキシエチレン−プロピレン共重合体類からなる群から選択される1種以上でありうる。
前記第2単量体は、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、スチレン及び2−エチルヘキシルメタクリレートからなる群から選択される1種以上でありうる。望ましくは、前記第2単量体は、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート及びスチレンの混合物;またはメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレートの混合物でありうる。前記第2単量体の使用量は、前記第1単量体1重量部に対して、1.0〜9.0重量部の範囲でありうる。
本発明の製造方法によれば、環境配慮型の素材であって、しかも接着力、塗膜安定性、及び水溶液中における分散安定性にすぐれ、特に、耐水性にすぐれた水性塗料用接着素材を製造することができる。すなわち、本発明の製造方法は、石油化学系有機溶媒を使用しないので、各種化学接着剤で発生する揮発性有機化合物(TVOC)の放出を根本的に防ぐことができ、特に、澱粉を水性塗料接着素材として使用することによって発生しうる問題点である耐水性問題、塗膜形成問題、高粘度現象による作業性の低下及び接着力の問題を効果的に解決することができる。
本発明は、(a)水性澱粉化液に、アクリル系単量体またはメタクリル系単量体(以下、「第1単量体」)及び重合開始剤を加えて重合を行い、澱粉と単量体とが共重合したコアを形成させる段階と、(b)段階(a)で得られた反応物に、スチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル及びエチレンからなる群から選択される1種以上である単量体(以下、「第2単量体」)及び重合開始剤を加えて重合を行い、前記コア上に第2単量体が重合して形成されるコア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンを形成させる段階とを含む水性塗料用接着素材の製造方法を提供する。
本発明の製造方法において、前記「澱粉」は、通常使用される植物由来の天然澱粉、物理的または化学的に変性させた澱粉などを含むあらゆる形態の澱粉を含む。前記天然澱粉としては、トウモロコシ、モチトウモロコシ、じゃがいも、さつまいも、小麦、米、タピオカ、サゴ(sago)、ワクシーメイズ(waxy maize)、モロコシ(sorghum)などを含む多様な植物に由来する澱粉(すなわち、未変性澱粉)が挙げられ、前記澱粉は、前記植物の地上部、地下部などから得られる。前記変性澱粉としては、前記未変性澱粉を、エーテル化、エステル化、酸化、酸処理、酸化エステル化、酸化エーテル化、酵素処理などの方法で改質させた澱粉が挙げられる。また、本発明の製造方法で、前記澱粉として、未変性澱粉、変性澱粉を単独で使用してもよく、あるいは2種以上混合したものを使用することもできる。
前記「水性澱粉化液」は、水性媒質(例えば、通常の水、精製水または脱イオン水(すなわち、イオン交換水)など)中に澱粉を加え、通常の化方法、例えば、澱粉分解酵素を使用し、常圧状態で進める断続式(batch-cooking)方法、または高温高圧状態で進める連続式(jet-cooking)方法によって得ることができる。断続式方法によって水性澱粉化液を得ることが望ましい。前記断続式方法は、20〜150℃、望ましくは、50〜120℃で、30〜300分、望ましくは、60〜200分間反応させることにより、澱粉分解を行うことができる。
前記澱粉分解酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼなどを含み、望ましくは、中温性α−アミラーゼまたは耐熱性α−アミラーゼなどを使用する。前記澱粉分解酵素は、商業的に購入することができる。例えば、断続式方法によって澱粉分解を行う場合、澱粉化液のpHは、4〜8の範囲に調節することが望ましく、澱粉分解酵素の使用量は、澱粉100重量部に対して、0.001〜10重量部、望ましくは、0.01〜8重量部の範囲であってもよいが、特に制限されるものではない。
また、前記「水性澱粉化液」は、デキストリンを原料として得ることもできる。デキストリンを使用する場合、澱粉分解酵素は使用しなくてよい。デキストリンを原料にする場合、「水性澱粉化液」は、例えば、常圧状態で、一般的に、20〜150℃、望ましくは、50〜120℃で、30〜300分、望ましくは、60〜200分間反応させることによって得ることができる。
得られた化澱粉(すなわち、水性澱粉化液)は、必要であれば70〜90℃に冷却して、後続する共重合反応に直接使用することができる。
段階(a)で、前記第1単量体としては、官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体と、非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体との混合物を好適に使用することができる。
前記官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルアミド及びN−メチロールアクリルアミドからなる群から選択される1種以上であり、メタクリル酸を好適に使用することができる。
また、前記非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニル(isobornyl)メタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート及びシクロヘキシルアクリレートからなる群から選択される1種以上であり、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、またはそれらの混合物を好適に使用することができる。
前記官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体と、前記非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体との混合比(重量比)は、1:3〜30の範囲、望ましくは、1:5〜20の範囲である。官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体の含量が少なすぎると、塗料用接着剤によって形成される塗膜にひび割れ現象が発生し、多すぎると、共重合物が十分に形成されず、後続する第2単量体との重合が困難になる。一実施形態において、前記第1単量体は、メタクリル酸、メチルメタクリレート及びn−ブチルアクリレートの1:4:4(重量比)の混合物であってもよい。
前記第1単量体の使用量は、前記澱粉(すなわち、化された澱粉)1重量部に対して、0.3〜3.0重量部の範囲である。第1単量体の使用量が0.3重量部未満である場合、粘度が過度に高くなるため、後続する第2単量体との重合反応が困難になり、3.0重量部を超える場合には、澱粉と第1単量体との共重合物形成が困難になる。
段階(a)で使用される重合開始剤は、ラジカル重合が可能な熱解離開始剤または酸化・還元開始剤などを使用することができ、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、t−ブチルヒドロペルオキシド、2,2−アゾビスブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、クメンヒドロペルオキシドなどを使用することができ、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、t−ブチルヒドロペルオキシドなどの水溶性開始剤を好適に使用することができる。また、必要であれば、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を加えることもできる。
前記重合開始剤は、単量体投入前に投入するか、あるいは単量体と同時に投入することができ、その使用量は、単量体(すなわち、第1単量体)100重量部に対して、0.1ないし8重量部、望ましくは、0.2ないし5重量部の範囲である。重合開始剤の含量が0.1重量部未満である場合、重合に要する時間が長くなり、8重量部を超える場合、得られる澱粉共重合体エマルジョンの褐変による変色が生じる可能性がある。
段階(a)の前記重合、すなわち、澱粉と第1単量体との重合は、60ないし100℃、望ましくは、70ないし90℃の温度、及び0.01ないし10bar、望ましくは、0.1ないし5barの圧力条件で行うことができる。また、前記重合は、10分ないし60分、望ましくは、20分ないし50分間行われる。重合反応を終了した後、得られた反応物を熟成させる工程を、窒素充填条件下で前記温度を維持しつつ、10分ないし120分、望ましくは、20分ないし80分間行うことが望ましい。前記熟成工程によって、未反応単量体の量を最小限に抑えることができ、また十分な重合を図ることができる。段階(a)で得られた反応物を70〜90℃の範囲の温度に調節して、後続する第2単量体の重合を行うことができる。
また、前記重合は、リン酸エステル系乳化剤もしくは硫酸エステル塩系乳化剤、及び/または酸化エチレン単位もしくはポリ酸化プロピレン単位を含有する非イオン性乳化剤の存在下で、すなわち、乳化重合により、好適に行うことができる。
前記リン酸エステル系乳化剤または硫酸エステル塩系乳化剤の種類は、特に限定されるものではなく、乳化重合に一般的に使用される反応性乳化剤を使用することができる。代表的な例としては、ノニルプロペニルエトキシエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩類(例えば、アクアロンHS−10(第一工業製薬、日本)、SE−10(アデカ、日本)など)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルアリル硫酸ナトリウムのエステル類(例えば、HA−100(韓農化成、大韓民国)など)、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルのスルホン酸エステル類(例えば、SETM(アデカ、日本)など)、及びポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテルのスルホン酸エステルのアンモニウム塩類(例えば、HITENOL HSTM(第一工業製薬、日本)など)を列挙することができる。前記反応性乳化剤を使用することにより、段階(a)を遂行して得られるエマルジョンの重合安定性、化学安定性及び耐水性をさらに向上させることができる。前記反応性乳化剤は、第1単量体100重量部に対して、0.4〜3.2重量部、さらに望ましくは、1.2〜2.4重量部の範囲で使用することができるが、特に制限されるものではない。
前記酸化エチレン単位またはポリ酸化プロピレン単位を含有する非イオン性乳化剤の種類は、特に限定されるものではなく、乳化重合に一般的に使用される非イオン性乳化剤を使用することができる。代表的な例としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類(例えば、FN−8(韓農化成、大韓民国)など)、ポリオキシエチレンステアリルアミン類(例えば、SN−2(韓農化成、大韓民国)など)、ポリエチレンソルビタン類(例えば、SFT−10(韓農化成、大韓民国)など)、及びアルキルポリオキシエチレン−プロピレン共重合体類(例えば、MONOPOL PEなど)を列挙することができる。前記非イオン性乳化剤存在下で重合反応を行うことにより、得られるコアの粒子サイズを適切な範囲(例えば、50nm〜300nm)に制御することができる。前記非イオン性乳化剤は、第1単量体100重量部に対して、0.1〜0.8重量部の範囲で使用することができる。
段階(b)で、前記第2単量体は、スチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル及びエチレンからなる群から選択される1種以上であり、具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン、プロピレン及びエチレンからなる群から選択される1種以上であり、望ましくは、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、スチレン及び2−エチルヘキシルメタクリレートからなる群から選択される1種以上である。一実施形態において、前記第2単量体は、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート及びスチレンの混合物であってもよい。他の実施形態において、前記第2単量体は、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレートの混合物であってもよい。
前記第2単量体の使用量は、第1単量体(単量体の混合物である場合、全単量体)1重量部に対して、1.0〜9.0重量部、望ましくは、1.5〜5.0重量部の範囲であってもよい。前記第2単量体の使用量が1.0重量部未満である場合、粒子サイズが巨大になって塗料用接着素材には適さず、9.0重量部を超える場合、澱粉を使用した効果が微弱で環境配慮の効果が減少する。
また、必要によっては、得られる共重合体の分子量を調節するために、連鎖移動剤を前記第2単量体に追加して、重合反応を行うことができる。前記連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレン二量体、C−Cアルコール、またはそれらの混合物を使用することができる。
段階(b)で使用される重合開始剤及び選択的に加えられる還元剤の種類及び使用量は、段階(a)に関して記述した重合開始剤の種類及び使用量の範囲内で適切に選択される。
前記第2単量体による二次重合反応は、60ないし100℃、望ましくは、70ないし90℃の温度、及び0.01ないし10bar、望ましくは、0.1ないし5barの圧力条件で行うことができる。また、前記重合は、60分ないし600分、望ましくは、120分ないし480分間行われる。重合反応を終了した後、得られた反応物を熟成させる工程を、窒素充填条件下で前記温度を維持しつつ、10分ないし120分、望ましくは、20分ないし80分間行うことが望ましい。前記熟成工程によって、未反応単量体の量を最小限に抑えることができる。このように第2単量体による二次重合反応を遂行すれば、澱粉と第1単量体との共重合物、すなわち、コア上に前記第2単量体が重合してシェルが形成され、よって、コア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンが形成される。段階(b)で得られた反応物を40〜65℃の範囲の温度に調節して、通常の後処理工程を遂行することができる。
前記後処理工程は、通常の未反応単量体の除去工程、例えば、化学的方法、湿式除去法または高温スチーム法などを含む。前記未反応単量体の除去工程としては、酸化剤及び還元剤を使用した化学的方法を好適に使用することができる。前記酸化剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシド(t−butyl hydroperoxide)、クメンヒドロペルオキシド(cumenehydroperoxide)などを使用することができ、前記還元剤としては、亜ジチオン酸ナトリウム(sodium hydrosulfite)、ピロ亜硫酸ナトリウム(sodium metabisulfite)などを使用することができる。前記酸化剤及び還元剤の使用量は、得られるエマルジョン100重量部に対して、0.001〜1重量部、望ましくは、0.002〜0.8重量部の範囲であり、前記酸化剤及び還元剤を使用した後処理工程は、10〜300分、望ましくは、20〜250分間行うことができる。また、必要によっては、40ないし60℃、望ましくは、50ないし60℃の温度で、10ないし120分、望ましくは、30ないし90分間、窒素充填条件下で前記温度を維持しつつ熟成させる工程を遂行することもできる。前記熟成工程によって、酸化剤及び還元剤と未反応単量体とを十分に反応させることができる。
このようにして得られる生成物は、コア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンであり、必要であれば、塗料分野で一般的に使用される消泡剤、増粘剤などの添加剤をさらに加えることができる。本発明の製造方法によって得られる前記エマルジョンは、水性塗料用接着素材として有用に使用され、例えば、顔料、その他塗料用添加剤などと混合して、水性塗料として使用される。
以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲はそれらによって限定されるものではない。
実施例1.コア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンの製造
(1)水性澱粉化液の製造
イオン交換水178.0gに澱粉(DS−SyncSTA S100、大象(株)、大韓民国)90.6gを投入して分散させた後、7%HClを使用して、pHを6に調節した。1gの耐熱性α−アミラーゼ(Liquozyme supra、Novozyme、デンマーク)を99gのイオン交換水で希釈して調製した澱粉分解酵素液1.2gを、前記反応物に加えた。得られた反応物を、1L容量の4口フラスコ反応槽に加え、90℃で2時間撹拌した。反応物に次亜塩素酸0.6gを加えて酵素活性を失わせた後、80℃に冷却して水性澱粉化液を製造した。
(2)澱粉系コアの製造
前記(1)で得られた水性澱粉化液に、反応性乳化剤(HA−100、韓農化成、大韓民国)6.4g、非イオン性乳化剤(FN−8、韓農化成、大韓民国)1.6g及びイオン交換水147.7gを加え、反応器に窒素を充填した。窒素雰囲気下、9.0gのイオン交換水に過硫酸カリウム0.5g及び重亜硫酸ナトリウム0.03gを溶解させた溶液と、メチルメタクリレート20.0g、メチルメタクリル酸5.0g及びn−ブチルアクリレート20.0gの単量体混合物とを、80℃で30分かけて滴下して共重合反応を行った。前記滴下完了後、80℃で1時間撹拌することによって熟成させ、澱粉−第1単量体共重合物を含むエマルジョンを得た。
(3)コア・シェル二重構造を有する共重合物の製造
前記(2)で得られたエマルジョンに、55.0gのイオン交換水に過硫酸カリウム2.8g及び重亜硫酸ナトリウム0.23gを溶解させた溶液と、メチルメタクリレート97.7g、n−ブチルアクリレート137.2g、スチレン40.0g及びn−ドデシルメルカプタン1.0gの単量体混合物とを、80℃で270分かけて滴下して重合反応を行った。前記滴下完了後、80℃で1時間撹拌することによって熟成させ、コア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンを得た。
(4)後処理工程
前記(3)で得られたエマルジョンを55℃に冷却し、t−ブチルヒドロペルオキシド0.9gを16gのイオン交換水に溶解させた溶液と、亜ジチオン酸ナトリウム0.6gを8.0gのイオン交換水に溶解させた溶液とを30分かけて滴下した。反応物を55℃で30分間熟成させた後、室温に冷却してエマルジョン状の水性塗料用接着素材を製造した。前記製造されたエマルジョンの固形分含量を測定した結果、固形分の含量は、約50重量%であった。
実施例2.コア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンの製造
前記実施例1の(2)で、反応性乳化剤として、SR−10(アデカ、日本)6.5gを使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、エマルジョン状の水性塗料用接着素材を製造した。
実施例3.コア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンの製造
前記実施例1の(3)で、第2単量体として、メチルメタクリレート132.4g、n−ブチルアクリレート102.6g及び2−エチルヘキシルメタクリレート40.0gの単量体混合物を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、エマルジョン状の水性塗料用接着素材を製造した。
比較例1.単一構造の共重合体エマルジョンの製造
実施例1の(2)及び(3)を区分せず、1回の重合による単一構造の共重合体エマルジョンを製造した。すなわち、実施例1の(1)で得られた水性澱粉化液に、反応性乳化剤(HA−100、韓農化成、大韓民国)6.4g、非イオン性乳化剤(FN−8、韓農化成、大韓民国)1.6g及びイオン交換水147.7gを加え、反応器に窒素を充填した。窒素雰囲気下、9.0gのイオン交換水に過硫酸カリウム0.5gを溶解させた溶液と、メチルメタクリレート117.7g、n−ブチルアクリレート157.2g及びスチレン40.0gの単量体混合物の単量体混合物とを、80℃で30分かけて滴下して共重合反応を行った。前記滴下完了後、80℃で1時間撹拌することによって熟成させ、澱粉−単量体共重合物を含むエマルジョンを得た。
試験例.物性評価
実施例1及び比較例1で得られたエマルジョンの物性を評価した。物性評価項目である不揮発分、粘度、Tg、塗膜状態、密着性、乾燥時間、耐水性を、KS認証試験方法によって、次のように測定した。結果は、下記表1の通りである。
* 不揮発分(固形分)-KS M 6010: 2009
* 粘度-KS M ISO 2555: 2009 (#3, 60rpm)
* 塗膜状態-KS M 5000: 2009
* 密着性-KS M ISO 2409
* 乾燥時間-KS M 6010: 2009
* 耐水性- KS M 5605
Figure 0005733394
○:異常なし
△:気泡及び白化若干発生
×:塗膜全体に気泡及び白化発生
表1の結果から、本発明によって得られたエマルジョンは、特に、耐水性及び粘度において非常にすぐれており、密着性(すなわち、接着力)においても適当であることが分かる。これに対して、コア・シェル構造ではない単純重合によって得られた共重合物の場合(すなわち、比較例1のエマルジョンの場合)は、粘度が大きく増加し、水性塗料用接着素材として不適であるだけではなく、塗膜状態及び耐水性においても適当ではない。

Claims (10)

  1. (a)水性媒質の中で未変性澱粉を澱粉分解酵素で分解して得られる水性澱粉化液に、アクリル系単量体またはメタクリル系単量体(以下、「第1単量体」)及び重合開始剤を加え、リン酸エステル系乳化剤及び硫酸エステル塩系乳化剤からなる群から1種以上選択される反応性乳化剤と酸化エチレン単位またはポリ酸化プロピレン単位を含有する非イオン性乳化剤との存在下で、重合を行い、澱粉と単量体とが共重合したコアを形成させる段階と、
    (b)段階(a)で得られた反応物に、スチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル及びエチレンからなる群から選択される1種以上である単量体(以下、「第2単量体」)及び重合開始剤を加えて重合を行い、前記コア上に第2単量体が重合して形成されるコア・シェル構造の共重合体を含むエマルジョンを形成させる段階
    とを含む水性塗料用接着素材の製造方法。
  2. 前記第1単量体が、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルアミド及びN−メチロールアクリルアミドからなる群から選択される1種以上である官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体と、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート及びシクロヘキシルアクリレートからなる群から選択される1種以上である非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体と、前記非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体との混合比(重量比)が、1:3〜30の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記官能性アクリル系または官能性メタクリル系の単量体がメタクリル酸であり、前記非官能性アクリル系または非官能性メタクリル系の単量体がメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  5. 前記第1単量体の使用量が、前記澱粉1重量部に対して、0.3〜3.0重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記反応性乳化剤が、ノニルプロペニルエトキシエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルアリル硫酸ナトリウムのエステル類、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルのスルホン酸エステル類、及びポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテルのスルホン酸エステルのアンモニウム塩類からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  7. 前記非イオン性乳化剤が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンステアリルアミン類、ポリエチレンソルビタン類、及びアルキルポリオキシエチレン−プロピレン共重合体類からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  8. 前記第2単量体が、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、スチレン及び2−エチルヘキシルメタクリレートからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  9. 前記第2単量体が、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート及びスチレンの混合物;またはメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレートの混合物であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  10. 前記第2単量体の使用量が、前記第1単量体1重量部に対して、1.0〜9.0重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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