JP5733188B2 - 赤外線検知器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線検知器及びその製造方法に関する。
入射された光を吸収した場合に流れる電流を捕えることによって光を検知する光検知器の例として、量子井戸型赤外線検知器(QWIP:Quantum Well Infrared Photo-detector)及び量子ドット型赤外線検知器(QDIP:Quantum Dot Infrared Photo-detector)が挙げられる。量子井戸型赤外線検知器は垂直入射光を吸収できないが、量子ドット型赤外線検知器は、3次元的にキャリアを閉じ込めることができる量子ドットを用いているため、垂直入射光を吸収することができる。このため、近年では、量子ドット型赤外線検知器が特に注目されている。
そして、QDIPの構造に関し、中間層としてGaAs層を用い、量子ドットとしてInAs量子ドットを用いたInAs/GaAs系のものが多く研究されている。これは、この系では、赤外域に感度が得られ、また、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法等を用いて、キャリアを3次元的に閉じ込める量子ドットを自己組織化過程により比較的容易に形成することができるためである。
InAs/GaAs系のQDIPにおいて、InAs量子ドットを上方及び下方からAlAs層で挟みこむと閉じ込め効果が増大し、検出感度が向上する。また、InAs量子ドット下のAlAs層を上方のAlAs層より薄くした場合に、より一層検出感度が向上する。更に、QDIPの検出感度は、吸収係数が大きいほど高く、吸収係数は、量子ドットのサイズのばらつきが小さいほど大きい。
しかしながら、InAs量子ドット下のAlAs層を薄く形成しようとした場合、当該AlAs層を全面に形成できないことがある。例えば、AlAs層をGaAs中間層上に薄く形成しようとした場合、GaAs中間層の一部が露出したままになることがある。この場合にInAs量子ドットを成長させると、AlAs層上に成長するInAs量子ドットとGaAs中間層上に成長するInAs量子ドットとの間でサイズにばらつきが生じる。従って、従来の技術では、InAs量子ドットのサイズのばらつきによって高い吸収係数を得にくく、十分な検出感度を得ることが困難である。
特開平10−256588号公報 特許第4459286号公報
J. Appl. Phys. 107, 054504 (2010)
本発明の目的は、高い吸収係数を得ることができる赤外線検知器及びその製造方法を提供することにある。
赤外線検知器の一態様には、第1のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層上方に形成された化合物半導体層と、前記化合物半導体層上に形成された量子ドットと、前記量子ドットを埋める障壁層と、前記障壁層上方に形成された第2のコンタクト層と、が設けられている。前記化合物半導体層は、互いに組成が異なる第1の組成部及び第2の組成部を有している。前記第1の組成部及び前記第2の組成部は、いずれも前記量子ドットの下面と接しており、前記量子ドットの平面視での直径よりも小さい周期で配列している。
赤外線検知器の製造方法の一態様では、第1のコンタクト層上方に、互いに組成が異なる第1の組成部及び第2の組成部を有する化合物半導体層を形成し、前記化合物半導体層上に量子ドットを形成する。前記量子ドットを埋める障壁層を形成する。前記障壁層上方に第2のコンタクト層を形成する。前記第1の組成部及び前記第2の組成部は、いずれも前記量子ドットの下面と接しており、前記量子ドットの平面視での直径よりも小さい周期で配列している。
上記の赤外線検知器等によれば、量子ドットの下面と接する第1の組成部及び第2の組成部が化合物半導体層に含まれ、これらが量子ドットの平面視での直径よりも小さい周期で配列しているため、量子ドットのサイズのばらつきを抑制して高い吸収係数を得ることができる。
第1の実施形態に係る赤外線検知器を示す図である。 第2の実施形態に係る赤外線検知器を示す図である。 第3の実施形態に係る赤外線検知器の1画素の構造を示す断面図である。 赤外線撮像装置を示す図である。 第3の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を示す断面図である。 図5Aに引き続き、赤外線検知器の製造方法を示す断面図である。 図5Bに引き続き、赤外線検知器の製造方法を示す断面図である。 分子層超格子量子細線の成長を示す断面図である。 第3の実施形態の変形例を示す断面図である。 第3の実施形態の他の変形例を示す断面図である。 化合物半導体層の一例を示す図である。
以下、実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る赤外線検知器を示す図である。図1(a)は断面構造を示し、図1(b)は伝導帯を示している。
第1の実施形態では、図1(a)に示すように、赤外線検知器の赤外線吸収部8に分子層超格子量子細線1が設けられている。分子層超格子量子細線1には、互いに組成が異なる化合物半導体の第1組成部1a及び第2組成部1bが含まれており、これらが周期的に配列している。分子層超格子量子細線1は、化合物半導体層の一例である。分子層超格子量子細線1上に量子ドット2が形成されている。量子ドット2の直径(平面視での大きさ)は、第1組成部1a及び第2組成部1bの配列周期よりも大きい。従って、量子ドット2下には、少なくとも第1組成部1a及び第2組成部1bの双方が存在している。量子ドット2を覆う障壁層3が量子ドット2上に形成されている。そして、分子層超格子量子細線1、量子ドット2及び障壁層3の積層体が複数、赤外線吸収部8に含まれている。
また、図1(b)に示すように、量子ドット2の伝導帯は分子層超格子量子細線1の伝導帯及び障壁層3の伝導帯よりも低い。従って、キャリアのエネルギーに対して分子層超格子量子細線1及び障壁層3がポテンシャル障壁として作用し、量子ドット2がポテンシャル井戸として作用し、量子ドット2の内部に離散的に量子準位が形成される。この量子準位間のエネルギー差が検出可能な光の波長に相当することになる。そして、光が入射されると、キャリアが励起され、信号電流として検出される。
更に、分子層超格子量子細線1は、従来のAlAs障壁層とは異なり、全面にわたって薄く形成することができる。従って、各量子ドット2は分子層超格子量子細線1上に位置する。また、上述のように、量子ドット2下には、少なくとも第1組成部1a及び第2組成部1bの双方が存在しており、複数の量子ドット2の間でその下面に接する化合物半導体の組成はほぼ均一である。このため、量子ドット2のサイズもほぼ均一であり、高い吸収係数を得ることができ、検出感度を向上することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図2は、第2の実施形態に係る赤外線検知器を示す図である。図2(a)は断面構造を示し、図2(b)は伝導帯を示している。
第2の実施形態では、図2(a)に示すように、障壁層3の上面と分子層超格子量子細線1の下面との間に中間層4が設けられている。そして、分子層超格子量子細線1、量子ドット2、障壁層3及び中間層4の積層体が複数、赤外線吸収部9に含まれている。他の断面構造は第1の実施形態と同様である。
また、図2(b)に示すように、中間層4の伝導帯は分子層超格子量子細線1の伝導帯及び障壁層3の伝導帯よりも低いが、第1の実施形態と同様に、量子ドット2の伝導帯も分子層超格子量子細線1の伝導帯及び障壁層3の伝導帯よりも低い。従って、キャリアのエネルギーに対して分子層超格子量子細線1、障壁層3及び中間層4がポテンシャル障壁として作用し、量子ドット2がポテンシャル井戸として作用する。
このように構成された第2の実施形態によっても、高い吸収係数を得ることができ、検出感度を向上することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図3は、第3の実施形態に係る赤外線検知器の1画素の構造を示す断面図である。
第3の実施形態では、図3に示すように、基板21上にバッファ層22が形成されている。基板21は、例えば、表面が(100)面から[0−11]方向に1.5°程度傾斜したGaAs半導体基板である。このため、図3に示すように、基板21の表面には、微細なステップが存在する。また、バッファ層22は、例えば真性GaAs層であり、その厚さは100nm程度である。バッファ層22の表面にも、基板21のステップを反映するステップが存在する。
バッファ層22上には、コンタクト層23及び中間層14が形成されている。コンタクト層23は、例えばSiがドーピングされ電子濃度が1×1018cm-3のn型GaAs層であり、その厚さは250nm程度である。中間層14は、例えば真性Al0.2Ga0.8As層からなり、その厚さは例えば50nm程度である。コンタクト層23及び中間層14の表面にも、バッファ層22のステップを反映するステップが存在する。
中間層14の各ステップの側面に沿って延びる分子層超格子量子細線11が形成されている。分子層超格子量子細線11は、化合物半導体層の一例である。分子層超格子量子細線11には、例えばAlAs部11a及びGaAs部11bが互いに同組成比で含まれており、これらが周期的に配列している。分子層超格子量子細線11の組成は(AlAs)1/2(GaAs)1/2で表わされる。
各分子層超格子量子細線11上に量子ドット12が形成されている。量子ドット12は、例えばInAs量子ドットである。量子ドット12は、その成長特性より、分子層超格子量子細線11の縁に近い位置に形成されている。また、量子ドット12の平面視での大きさは、各ステップの表面の幅(ステップの間隔)よりも小さい。また、量子ドット12の直径(平面視での大きさ)は、AlAs部11a及びGaAs部11bの配列周期よりも大きい。従って、量子ドット12下には、少なくともAlAs部11a及びGaAs部11bの双方が存在している。なお、図示しないが、分子層超格子量子細線11上には、量子ドット12を形成する際に極めて薄い濡れ層も形成されている。
量子ドット12を覆う障壁層13が分子層超格子量子細線11上に形成されている。障壁層13は、例えばAlAs層であり、その厚さは3nm程度である。更に、障壁層13上に別の中間層14が形成されている。この中間層14は、例えば真性Al0.2Ga0.8As層からなり、その厚さは例えば50nm程度である。この中間層14の表面にも、その下の中間層14及び分子層超格子量子細線11のステップを反映するステップが存在する。
このようにして、分子層超格子量子細線11、量子ドット12、障壁層13及び中間層14を含む量子ドット構造が構成されている。そして、このような量子ドット構造が複数(例えば10〜20)積層されている。また、最上層の中間層14上には、コンタクト層24が形成されている。コンタクト層24は、例えばSiがドーピングされ電子濃度が1×1018cm-3のn型GaAs層であり、その厚さは150nm程度である。コンタクト層24の表面は平坦である。更に、コンタクト層23に接する下部電極25及びコンタクト層24に接する上部電極26が形成されおり、これらの電極の間を流れる電流が検出される。なお、上部電極26は、赤外線検知器に含まれる画素毎に設けられている。
そして、図4(a)に示すように、赤外線検知器31には、このような構成の画素32が複数配列している。また、図4(b)に示すように、このような赤外線検知器31を備えた赤外線撮像装置30では、画素32毎にバンプ33が設けられ、各バンプ33が信号読み出し回路34に接続される。なお、画素32の数は特に限定されず、例えば数百×数百以上の画素32が配列していてもよく、この場合、赤外線撮像装置30を暗視装置等として利用することができる。
分子層超格子量子細線11は、全面にわたって薄く形成することができる。従って、各量子ドット12は分子層超格子量子細線11上に位置する。また、上述のように、量子ドット12下には、少なくともAlAs部11a及びGaAs部11bの双方が存在しており、複数の量子ドット12の間でその下面に接する化合物半導体の組成はほぼ均一である。このため、第3の実施形態によれば、量子ドット12のサイズもほぼ均一であり、高い吸収係数を得ることができ、検出感度を向上することができる。
次に、第3の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法について説明する。図5A乃至図5Cは、第3の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を工程順に示す断面図である。
先ず、基板21を分子線エピタキシー(MBE)装置内に導入する。そして、MBE装置の準備室内において、400℃程度まで加熱することにより、脱ガス処理を行う。次いで、基板21をMBE装置の成長室に搬送する。成長室内は、予め1.33×10-8Pa(10-10Torr)以下の超高真空状態に保持しておく。その後、成長室内において、As雰囲気下で640℃程度まで加熱することにより、基板21の表面に存在する酸化膜を除去する。続いて、図5A(a)に示すように、基板21上にバッファ層22を600℃程度で形成する。次いで、図5A(b)に示すように、バッファ層22上にコンタクト層23を形成する。更に、図5A(c)に示すように、コンタクト層23上に中間層14を形成する。
その後、図5A(d)に示すように、中間層14上に分子層超格子量子細線11を形成する。このとき、例えば基板21の温度を550℃とし、AlAs、GaAsを基板上へ交互に供給し、分子層超格子量子細線11を成長させる。中間層14の表面に到達したAl原子、Ga原子及びAs原子は十分に拡散し、中間層14の表面に存在する各ステップの縁に取り込まれていく。この結果、図6(a)に示すように、AlAs部11aが形成され、図6(b)に示すように、その隣にGaAs部11bが形成され、図6(c)に示すように、その隣にAlAs部11aが形成されていく。このように交互供給を繰り返すことにより、分子層超格子量子細線11が中間層14の各ステップの側面から側方に成長し、分子層超格子量子細線11が形成される。即ち、本実施形態では、ステップフロー成長モードにより、分子層超格子量子細線11を成長させる。このようにして形成される分子層超格子量子細線11は、従来のAlAs障壁層とは異なり、その厚さが非常に薄い場合、例えば1原子層以下(中間層14上のAlAs障壁層の被覆率が1以下)であっても、中間層14の全面をAlAs部11aが平均的に被覆することができる。なお、AlAs部11a及びGaAs部11bの配列周期は、後に形成する量子ドット12の直径よりも小さなものとしておく。
分子層超格子量子細線11の形成後、例えば基板21の温度を450℃とし、2原子層〜3原子層分の厚さに相当するInAsを成長室内に供給する。この結果、初期段階では、InAs層が平坦に2次元的に成長して濡れ層が形成され、その次の段階において、下地材料((AlAs)1/2(GaAs)1/2)との格子定数の差異から発生する歪みによってInAsが島状に3次元的に成長して、図5B(e)に示すように、量子ドット12が形成される。表面にステップがある基板上に量子ドットを成長させる場合、量子ドットはステップの縁に成長しやすい。従って、本実施形態では、分子層超格子量子細線11の直上に量子ドット12が形成される。つまり、線状に延びる分子層超格子量子細線11毎に、その長手方向(図5A〜図5Cの紙面に垂直な方向)に沿って複数個の量子ドット12が形成される。なお、量子ドット12の直径は、AlAs部11a及びGaAs部11bの配列周期よりも大きなものとする。
量子ドット12の形成後、図5B(f)に示すように、量子ドット12を覆う障壁層13を分子層超格子量子細線11上に形成する。
次いで、図5B(g)に示すように、障壁層13上に別の中間層14を新たに形成する。そして、図5C(h)に示すように、これらの分子層超格子量子細線11、量子ドット12、障壁層13及び中間層14の形成を複数回(例えば10回〜20回)繰り返す。その後、最後に形成した中間層14の上にコンタクト層24を形成する。コンタクト層24の表面にステップがある場合には平坦化処理を行ってもよい。
続いて、マスクを用いたエッチングを行って、図5C(i)に示すように、コンタクト層23の一部を露出する開口部を形成する。そして、コンタクト層23の露出している部分上に下部電極25を形成し、コンタクト層24上に上部電極26を形成する。下部電極25及び上部電極26は、例えばリフトオフ法により形成することができる。下部電極25及び上部電極26には、例えば、AuGe膜、その上のNi膜、及びその上のAu膜を含ませる。
このような方法により、図3に示す構造の量子ドット型赤外線検知器を得ることができる。
なお、第3の実施形態では、分子層超格子量子細線11がその下の中間層14上のみに位置しているが、図7(a)に示すように、当該中間層14の側方に成長した分子層超格子量子細線11上にまで広がっていてもよい。つまり、量子ドット12のすぐ側方にまで分子層超格子量子細線11が存在していてもよい。また、図7(b)に示すように、一部の分子層超格子量子細線11が中間層14を兼用していてもよい。
分子層超格子量子細線11の組成は特に限定されず、分子層超格子量子細線11が障壁として機能していなくてもよい。つまり、図8(a)に示すように、分子層超格子量子細線11の組成が中間層14の組成と等価で、伝導帯が同程度となっていてもよい。また、図8(b)に示すように、分子層超格子量子細線11のAl組成が中間層14のAl組成よりも低く、伝導帯が中間層14のそれよりも低くなっていてもよい。
他の層等の材料も特に限定されない。例えば、障壁層の組成がAlzGa(1-z)As(0<z≦1)であってもよく、量子ドットの組成がInyGa1-yAs(0<y≦1)であってもよい。更に、中間層の組成がAlxGa(1-x)As(0≦x<1)であってもよい(xの値はzの値よりも小さい)。また、InP系の材料を用いてもよい。
分子層超格子量子細線の幅及び高さは特に限定されないが、電子の閉じ込め効果を考慮すると、電子のボーア半径以下であることが望ましい。
更に、量子ドットの下面と接する化合物半導体層は分子層超格子量子細線である必要はない。例えば、図9に示すように、量子ドット42の下面が市松模様のように配列したAlAs部41a及びGaAs部41bを含む化合物半導体層41の上面と接していてもよい。
また、量子ドットの下面と接する化合物半導体層の厚さは特に限定されないが、特に高い感度を得るために2原子層以下であることが好ましい。また、化合物半導体層にAlAs部が含まれる場合、化合物半導体層の厚さは1原子層以下(中間層14上のAlAs部の被覆率が1以下)であることが好ましい。これは、AlAsの存在は量子ドット内の量子準位エネルギーに関わり、量子準位間のエネルギー差、すなわち光励起が起こる波長(赤外線検知器の応答ピーク波長)を調整する等の理由による。
また、傾斜基板の表面の傾斜の程度は1.5°に限定されない。また、(100)面を基準としたとき[0−11]方向と等価ではない[0−1−1]方向に傾斜した傾斜基板を用いてもよい。また、(100)面から[001]方向に1°以下傾斜した傾斜基板を用いてもよい。
また、キャリアが電子である必要はなく、キャリアとして正孔を用いてもよい。この場合、不純物としてBe等を用いればよい。更に、赤外線検知器を構成する各層を有機金属化学気相成長(MOCVD:metal-organic chemical vapor deposition)法等により形成してもよい。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
第1のコンタクト層と、
前記第1のコンタクト層上方に形成された化合物半導体層と、
前記化合物半導体層上に形成された量子ドットと、
前記量子ドットを埋める障壁層と、
前記障壁層上方に形成された第2のコンタクト層と、
を有し、
前記化合物半導体層は、互いに組成が異なる第1の組成部及び第2の組成部を有し、
前記第1の組成部及び前記第2の組成部は、いずれも前記量子ドットの下面と接しており、前記量子ドットの平面視での直径よりも小さい周期で配列していることを特徴とする赤外線検知器。
(付記2)
前記化合物半導体層は、量子細線を含むことを特徴とする付記1に記載の赤外線検知器。
(付記3)
前記量子細線は、分子層超格子量子細線であることを特徴とする付記2に記載の赤外線検知器。
(付記4)
前記第1の組成部の組成がAlAsで表わされ、前記第2の組成がGaAsで表わされることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の赤外線検知器。
(付記5)
前記量子ドットの組成がInyGa(1-y)As(0<y≦1)で表わされ、
前記障壁層の組成がAlzGa(1-z)As(0<z≦1)で表わされることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の赤外線検知器。
(付記6)
前記化合物半導体層下に形成された中間層を有することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の赤外線検知器。
(付記7)
前記化合物半導体層下に形成された中間層を有し、
前記中間層の組成がAlxGa(1-x)As(0≦x<1)で表わされ、
前記量子ドットの組成がInyGa(1-y)As(0<y≦1)で表わされ、
前記障壁層の組成がAlzGa(1-z)As(0<z≦1)で表わされ、
xの値がzの値よりも小さいことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の赤外線検知器。
(付記8)
前記化合物半導体層は、傾斜基板の上方に形成されていることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の赤外線検知器。
(付記9)
第1のコンタクト層上方に、互いに組成が異なる第1の組成部及び第2の組成部を有する化合物半導体層を形成する工程と、
前記化合物半導体層上に量子ドットを形成する工程と、
前記量子ドットを埋める障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上方に第2のコンタクト層を形成する工程と、
を有し、
前記第1の組成部及び前記第2の組成部は、いずれも前記量子ドットの下面と接しており、前記量子ドットの平面視での直径よりも小さい周期で配列していることを特徴とする赤外線検知器の製造方法。
(付記10)
前記化合物半導体層は、分子層超格子量子細線を含むことを特徴とする付記9に記載の赤外線検知器の製造方法。
1:分子層超格子量子細線
1a:第1組成部
1b:第2組成部
2:量子ドット
3:障壁層
4:中間層
11:分子層超格子量子細線
11a:AlAs部
11b:GaAs部
12:量子ドット
13:障壁層
14:中間層
21:基板
22:バッファ層
23、24:コンタクト層
25:下部電極
26:上部電極
30:赤外線撮像装置
31:赤外線検知器
32:画素
33:バンプ
34:信号読み出し回路
41:化合物半導体層
41a:AlAs部
41b:GaAs部
42:量子ドット

Claims (6)

  1. 第1のコンタクト層と、
    前記第1のコンタクト層上方に形成された化合物半導体層と、
    前記化合物半導体層上に形成された量子ドットと、
    前記量子ドットを埋める障壁層と、
    前記障壁層上方に形成された第2のコンタクト層と、
    を有し、
    前記化合物半導体層は、互いに組成が異なる第1の組成部及び第2の組成部を有し、
    前記第1の組成部及び前記第2の組成部は、いずれも前記量子ドットの下面と接しており、前記量子ドットの平面視での直径よりも小さい周期で配列していることを特徴とする赤外線検知器。
  2. 前記化合物半導体層は、量子細線を含むことを特徴とする請求項1に記載の赤外線検知器。
  3. 前記量子細線は、分子層超格子量子細線であることを特徴とする請求項2に記載の赤外線検知器。
  4. 前記第1の組成部の組成がAlAsで表わされ、前記第2の組成がGaAsで表わされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の赤外線検知器。
  5. 前記化合物半導体層下に形成された中間層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の赤外線検知器。
  6. 第1のコンタクト層上方に、互いに組成が異なる第1の組成部及び第2の組成部を有する化合物半導体層を形成する工程と、
    前記化合物半導体層上に量子ドットを形成する工程と、
    前記量子ドットを埋める障壁層を形成する工程と、
    前記障壁層上方に第2のコンタクト層を形成する工程と、
    を有し、
    前記第1の組成部及び前記第2の組成部は、いずれも前記量子ドットの下面と接しており、前記量子ドットの平面視での直径よりも小さい周期で配列していることを特徴とする赤外線検知器の製造方法。
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