JP5732628B2 - 巻線方法及び巻線機 - Google Patents
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Description
この線材整列性向上を目的として、例えば特許文献4に示されるような巻線機がある。本出願人も、特許文献5に示される巻線機を出願している。ほかに特許文献1〜特許文献3に示すような巻線機もある。
何故なら、先ず線材の細線化に関しては、その径が細くなるに従い、線材巻付け位置の制御が難しくなり、線材整列性が悪化し易いからである。ここに、線材巻付け位置とは、ワイヤーガイドを通過した線材が、まさしく巻芯に巻付けられるその位置を謂う。
これが、線材巻付け位置の微妙なズレや送り速度の脈流化を齎し、線材整列性を悪くする一因となる。特に、ワイヤーガイドの前後で生ずるブレや振動は、整列性にかなり影響を与えると推測される。
即ち、巻線機では、クロスポイントの位置を安定させるため、位置決め治具の回転角と巻芯の回転角とを正確に整合させている。一例を図7に示す。図に於て、91は位置決め治具、92は治具キャップ、93は巻芯である。
各基準線が揃って真上に指向しているとき、線材導入溝94は、この基準線より7〜10度だけ反時計方向に指向される(図7)。これでコイルのクロスポイント位置が安定する。
しかし、上述した巻芯の小径化、断面形状多様化は、この関係の維持を困難にする。何故なら、小径であるため、或いは断面形状複雑であるため、線材の巻芯への進入角に微妙に影響し、クロスポイントの位置を不安定にする可能性があるからである。
また、請求項2の構成を引用する請求項3の巻線方法では、前記1層目の巻回終了までの、前記巻芯及び前記第1の巻枠の、前記第2の巻枠からの離間が、間歇的に実行される。
また、請求項1乃至請求項3の何れかの構成を引用する請求項4の巻線方法では、線材が1回又は所定回巻回される毎に、その1回又は所定回の巻回の終了付近で、前記第1の巻枠及び巻芯が前記第2の巻枠に向って一旦付勢され、そのあと直ぐこの付勢の直前の位置に復帰される。
また、請求項1乃至請求項5の何れかの構成を引用する請求項6の巻線方法では、前記第1の巻枠が前記巻芯に向って付勢されており、前記巻芯が移動されるとき前記第1の巻枠も該巻芯に押されて移動する。
また、請求項8の構成を引用する請求項9の巻線機では、前記1層目の巻回終了までの、前記巻芯及び前記第1の巻枠の、前記第2の巻枠からの離間が、間歇的に実行される。
また、請求項7乃至請求項9の何れかの構成を引用する請求項10の巻線機では、線材が1回又は所定回巻回される毎に、その1回又は所定回の巻回の終了付近で、前記第1の巻枠及び巻芯が前記第2の巻枠に向って一旦付勢され、そのあと直ぐこの付勢の直前の位置に復帰される。
また、請求項7乃至請求項11の何れかの構成を引用する請求項12の巻線機では、前記第1の巻枠が前記巻芯に向って付勢されており、前記巻芯が移動されるとき前記第1の巻枠も該巻芯に押されて移動する。
また、請求項7乃至請求項12の何れかの構成を引用する請求項13の巻線機では、前記巻芯が、回転角度は不変で且つ軸方向への摺動は自在であるように前記第1の巻枠と係合されている。
即ち、従来の巻線方法或いは巻線機では、1層目の巻回の際、所謂ワイヤーガイドをトラバースしている。即ち、線材の巻付け位置の移動に追随してワイヤーガイドを移動している。
これにより、線材の走行軌跡は不変となる。腰の弱い線材でもブレや振動は起こりにくくなる。
これら二つの構成が相乗し、請求項1又は請求項7の巻線方法又は巻線機では、1層目の線材整列が一層精緻になり、従来より高速での線材巻回を可能にする。
こうすれば、一巻きごとの各線材が、その一巻きの中の或る回転角では互いに密着し、別の回転角では微妙に離間しているというように、着かず離れずの状態になる。実際には、何度か試してみて適正な引出し量を設定する。
本発明では、離間されるのは巻芯の方である。即ち、そのとき迄に巻回された線材の方である。巻芯に向って行く線材自身は走行軌跡不変である。従って、巻付け位置が安定し、その位置が一層正確になり、着かず離れずの微妙な状態が所望のとおり実現される。
なお、ワイヤガイドの位置を正対位置より僅かに第2の巻枠寄りとするのも良い。こうすると、線材が第2の巻枠の内壁面を僅かに擦りつつ巻芯に巻き付けられて行くことになる。巻付け位置が更に正確になり、好ましい結果が得られる。ここに正対位置とは、そのとき巻き付けられて行く線材が、巻芯の回転軸に対し垂直になる位置を謂う。
第1の巻枠と第2の巻枠との間は、線材ほぼ1本分しか空けられていないので、線材はそこで維持されている隙間の形状どおりにはなる。しかし、癖は幾らか残っている。仮に自由な状態に置いたなら、巻芯に巻き付けられていく部分の線材は第2の巻枠側に幾らか弧を描く。
従って、1巻目と2巻目の線材が、全体で密着し、コイルの整列性が向上する。特に1巻目の巻始め部分が、2巻目の線材と完全に平行する状態になり、両者は良く密着する。始端がバラけにくいボビンレスコイルとなる。
上述したように、巻回の最初に於て、第1の巻枠を第2の巻枠に向って一旦付勢してやると、1巻目は平坦なリングになる。これは、第1の巻枠の内壁面に対してと同様に、第2の巻枠の内壁面に対しても平行になるということである。巻き付けられて行く線材の行く手に存在する間隙、即ち1巻目の線材と第2の巻枠内壁面との間の間隙は、その全周に亘って、ほぼ同一の幅を保つ。
従って、ここに於けるように離間を間歇的に実行してやると、この2巻目の巻き付けのほぼ終りまで、間隙がより正確に維持されていることになり、巻き付け位置が一層正確になる。3巻目以降についても同様である。
こうすると、そのとき巻回された1巻き分の線材が、その1回前に巻回された線材に一瞬押付けられる。線材表面の熱融着層は、このとき加熱されて所定の溶融状態にあり、この押付けで、両者の熱融着層はその全周に於て融着する。
そのあと直ぐ、第1の巻枠と巻芯とを、この一旦付勢直前の位置に復帰させる。そのとき巻回された線材は、上記融着した夫々の融着層の弾力で押し戻され、第2の巻枠との間は所定の間隙に戻る。
この形式でもほぼ同様の効果が期待できる。但し、この所定回数が多すぎると、一旦付勢による融着効果は期待しにくくなる。
しかし、2層目以降の巻回でも、供給手段(不図示)、ワイヤーガイド及び巻付け位置の位置関係を不変にすると、線材の整列がもっと確実になる。それは、第1の巻枠、第2の巻枠及び巻芯を一緒に移動することで実現される。こうすれば、供給手段→ワイヤーガイド→そのときの巻付け位置に至る線材の通行軌跡は、2層目以降でも不変となり、2層目以降の整列が一層確実となる。巻回の高速化にも耐えられる。
こうすれば、これらを一本のスピンドルで回転できる。従って、第1の巻枠と巻軸とを組部品に出来る。これで、従来のように位置決め治具(の線材導入溝)と巻芯間の回転角整合に気を遣う必要が無くなる。
外筒6の左端には、第1垂直プレート7が取着されている。その中央下側にはスピンドル摺動用モータ8が配置されている。その出力軸には駆動用スクリュー9が連結されている。ブロック左2には受けねじ11が挿通固定されている。駆動用スクリュー9はこれに螺合されている。スピンドル摺動用モータ8が回動されると第1垂直プレート7及び外筒6は左右に移動する。
外筒6の内側には可動側スピンドル13が回転自在に支承されている。外筒6の左側は前述したように第1垂直プレート7に挿通固定されている。従って、スピンドル摺動用モータ8の回動で、この可動側スピンドル13とその右端に取着された可動側巻枠14も左右に摺動する。
巻芯17の左側には堤状のキー18が図の上下に対称に形成されている。可動側スピンドル13の内周には、これに対応して、軸方向に延伸する溝19が図の上下対称に形成されている。ここに前記堤状のキー18が係合されている。これにより、巻芯17は軸方向には摺動可能である一方で単独では回転せず、可動側スピンドル13と一緒に回転する。
第1垂直プレート7の上部には左へ伸びる支承アーム24が取着されている。これに第2垂直プレート26が摺動自在に支承されている。第1垂直プレート7の更に上部にはエアシリンダ27が取着されている。その駆動杆28は第2垂直プレート26に連結されている。そして、第2垂直プレート26の下側には前記巻芯摺動杆16が回転自在に連結されている。従って、エアシリンダ27への給排気で巻芯17が左右に摺動する。
固定側スピンドル31の右側には固定側スピンドル回転用プーリ34が取着されている。主シャフト4の右側にも主シャフト右プーリ36が取着されており、これと固定側スピンドル回転用プーリ34との間にベルト右37が張架されている。これにより固定側スピンドル31とそれに取着されている固定側巻枠32が回転する。なお、39は線材、40はワイヤーガイドである。また、図2に示す「7°〜10°」の角度表示は、巻付け開始位置に於ける、巻芯表面に対する線材導入溝38の角度を表す。
先ず、前回のコイル巻回終了時に、線材39の始端は不図示始端把持機構に把持されている。最初に、線材39が可動側巻枠14と固定側巻枠32の間に導入され、巻芯17に少しだけ巻付けられた状態で、可動側巻枠14を固定側巻枠32に向って一旦付勢される(請求項2、請求項8に対応。)。
可動側巻枠14と固定側巻枠32との間は、線材ほぼ1本分しか空けられていないので、線材39はそこで維持されている隙間の形状どおりにはなる。しかし、癖は幾らか残っている。仮に自由な状態に置いたなら、巻芯17に巻き付けられていく部分の線材39は固定側巻枠32側に幾らか弧を描く。
この結果、1巻目と次に巻回される2巻目の線材39が、全体で密着し、コイルの整列性が向上する。特にコイルの1巻目の巻始め部分が、2巻目の線材39と完全に平行する状態になり、両者は良く密着する。始端がバラけにくいボビンレスコイルとなる。
なお、可動側巻枠14の固定側巻枠32への付勢は、1巻目の巻回開始前から1巻目の巻回終了までの間に実行すると良い。また、線材の仕様やコイルの仕様により、ここまで癖付けする必要が無い場合は、この一旦付勢を省いても良い。
所定の距離とは、当該線材1本分にほぼ等しい距離であって、個別に定められるものを謂う。線材外径は勿論決った値だが、巻回の際はその融着層が溶融していて、それがその前に巻回された線材39の融着層と接着する。ここに所定の距離と言っているのは、そうした融着層の溶融温度、融着層の厚み、その他、その線材の仕様を勘案して、個別に定められる距離を指す。必要なら何度か試し巻きをして定める。
そして、可動側巻枠14が線材ほぼ1本分離間されたところから、1層目の巻回が開始される。可動側巻枠14、固定側巻枠32及び巻芯17が同期して回転される。このとき、ワイヤーガイド40も同じように位置不変とされる。
これにより、ワイヤーガイド40から供給されて来た線材39が、前記維持されている線材ほぼ1本分の所定幅の間隙Gに進入し、順次巻芯17に巻回される。このようにして1層目の巻回が実行される(図3(1)(2),(3))。
間歇式とは、次の1周に入る手前、例えば次の巻付けの手前45度辺りで、巻芯17及び可動側巻枠14を前述した所定の間隙Gだけ短時間に引出すことを謂う。
3巻目以降も同じ振舞いになる。各1巻きが平面状になり、夫々が略全周に亘って密着する。各一巻きが最初から平面状なので整列性も向上する。
こうすると、そのとき巻回された1巻分の線材39が、その1回前に巻回された線材39に一瞬押付けられる。線材表面の熱融着層は、このとき加熱されて所定の溶融状態にあり、この押付けで、両者の熱融着層はその全周に於て融着する。
そのあと直ぐ、可動側巻枠14と巻芯17とを、この一旦付勢の直前の位置に復帰させる。このとき巻回された線材39は、上記融着した夫々の融着層の弾力で押し戻され、固定側巻枠32との間は所定の間隙Gに戻る。
この形式でも、ほぼ同様の効果が期待できる。但し、この所定回数が多すぎると、各線材間の融着効果は期待しにくくなる。
ワイヤーガイド40を往復動させる第1の方法を図4に示す。ワイヤーガイド40を不動とし、可動側巻枠14、固定側巻枠32及び巻芯17を往復動させる第2の方法を図5に示す(第2の実施の形態例)。
なお、この手法を実施するには、固定側巻枠32を摺動する機構が必要になる。これは、可動側巻枠14を摺動させる機構と同様に実現出来る。
この第2の方法に於ても異数巻と同数巻が考えられる。異数巻が図5の分図4−2−1に示される。同数巻が図5の分図4−2−2に示される。
このとき、これらは、そのときの線材巻付け位置が、ワイヤーガイド40及び不図示テンション装置に対してその位置関係が不変であるように、一緒に移動される。これで、2層目の線材39が巻回されて行く。1層目の線材と線材の谷間に線材39が収まる。3層目以降も同様にして巻回が行われる。
その状態で2層目の巻回が実行される。巻芯17、可動側巻枠14及び固定側巻枠32が、巻芯17の回転角に比例して、一緒に右に移行されて行く(分図4−2−2。二点鎖線)。
このときも、これらは、そのときの線材巻付け位置が、ワイヤーガイド40及び不図示テンション装置に対してその位置関係が不変であるように、一緒に移動される。これで、一層目の線材の真上に2層目の線材39が巻回されて行く。3層目以降も同様にして巻回が行われる。
この実施の形態例では、巻芯42が右に繰出されながら1層目の巻回が実行される。これに押されて可動側巻枠44も右に移動する((1)→(2)→(3))。ここでも固定側巻枠43、ワイヤーガイド40及び不図示テンション装置の位置関係が固定である。2層目以降は、図4又は図5に示される仕組みで巻回が実行される。このとき図5の方式を適用する場合は、固定側巻枠43も左右に往復動させるので、その機構を設ける(不図示。)。
この第3の実施の形態例は、請求項6又は請求項12の発明の一つの実施の形態例に当る。ここでは、左側の固定側巻枠43が第2の巻枠、右側の可動側巻枠44が第1の巻枠に当る。この構造にすると、右側の可動側巻枠44を駆動する機構が不要になる。
要は、1層目の巻回の際、固定側巻枠32及びワイヤーガイド40が、そこまで線材が到来する際の供給経路に対して、或いは巻線機のフレームに対して、位置関係不変にされているということである。なお、この供給手段を始めとして、これら請求項に謂う構成は、実施の形態例で示した構成には限定されない。公知の種々の構成を適用し得る。
1…基底部 2…ブロック左
3…ブロック右 4…主シャフト
5…主モータ 6…外筒
7…第1垂直プレート 8…スピンドル摺動用モータ
9…駆動用スクリュー 10…スリーブ左
11…受けねじ 12…スプラインシャフト雌型
13…可動側スピンドル 14…可動側巻枠
16…巻芯摺動杆 17…巻芯
18…堤状のキー 19…溝
21…可動側スピンドル回転用プーリ 22…スプラインシャフト雌型プーリ
23…可動側ベルト 24…支承アーム
26…第2垂直プレート 27…エアシリンダ
28…駆動杆 29…スリーブ右
31…固定側スピンドル 32…固定側巻枠
33…巻芯挿通孔 34…固定側スピンドル回転用プーリ
36…主シャフト右プーリ 37…ベルト右
38…線材導入溝 39…線材
40…ワイヤガイド 42…巻芯
43…固定側巻枠 44…可動側巻枠
45…巻芯収容孔 50…巻線機
91…位置決め治具 92…治具キャップ
93…巻芯 94…線材導入溝
95…スピンドル(位置決め治具側)
Claims (13)
- 第1の巻枠と、該第1の巻枠に対向して配置された第2の巻枠と、該第2の巻枠に摺動可能に挿通された巻芯と、該巻芯に巻回されていく線材を案内するワイヤーガイドと、該ワイヤーガイドに向って線材を供給する供給手段(不図示)とを備え、
1層目の巻回に於て、その終了まで、前記巻芯及び前記第1の巻枠は、前記巻回の進行に従って前記第2の巻枠から逐次離間され、該離間により、そのとき線材が巻回されていく位置に於て、そこに先に巻回されている線材と前記第2の巻枠との間に当該線材の外径に適合する所定の間隙が維持されているものであり、
同じく該1層目の巻回終了まで、前記間隙、それを生成している前記第2の巻枠、前記ワイヤーガイド及び前記供給手段は、それらの位置関係が不変とされており、
これらの状態下で前記供給手段から供給された線材が前記維持されている間隙に進入し、順次巻芯に巻回され、1層目の整列巻線が実行される
ことを特徴とする巻線方法。 - 1層目の最初の巻回について、その開始前から終了迄の間に、前記第1の巻枠が前記第2の巻枠に向って一旦付勢される
ことを特徴とする請求項1に記載の巻線方法。 - 前記1層目の巻回終了までの、前記巻芯及び前記第1の巻枠の、前記第2の巻枠からの離間が、間歇的に実行される
ことを特徴とする請求項2に記載の巻線方法。 - 線材が1回又は所定回巻回される毎に、その1回又は所定回の巻回の終了付近で、前記第1の巻枠及び巻芯が前記第2の巻枠に向って一旦付勢され、
そのあと直ぐこの付勢の直前の位置に復帰される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の巻線方法。 - 2層目以後の巻回に於ても、前記ワイヤーガイド及び前記供給手段(不図示)は、その位置関係が不変とされており、
且つ、そのときの線材巻付け位置も、前記ワイヤーガイド及び前記供給手段に対してその位置関係が不変であるように、前記第1の巻枠、前記第2の巻枠及び巻芯が移動され、当該層の巻回が実行される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の巻線方法。 - 前記第1の巻枠が前記巻芯に向って付勢されており、前記巻芯が移動されるとき前記第1の巻枠も該巻芯に押されて移動する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の巻線方法。 - 第1の巻枠と、該第1の巻枠に対向して配置された第2の巻枠と、該第2の巻枠に摺動可能に挿通された巻芯と、該巻芯に巻回されていく線材を案内するワイヤーガイドと、該ワイヤーガイドに向って線材を供給する供給手段(不図示)と、前記各手段を作動させる制御手段とを備え、
1層目の巻回に於て、その終了まで、前記巻芯及び前記第1の巻枠は、前記巻回の進行に従って前記第2の巻枠から逐次離間され、該離間により、そのとき線材が巻回されていく位置に於て、そこに先に巻回されている線材と前記第2の巻枠との間に当該線材の外径に適合する所定の間隙が維持されているものであり、
同じく該1層目の巻回終了まで、前記間隙、それを生成している前記第2の巻枠、前記ワイヤーガイド及び前記供給手段は、それらの位置関係が不変とされており、
これらの状態下で前記供給手段から供給された線材が前記維持されている間隙に進入し、順次巻芯に巻回され、1層目の整列巻線が実行される
ことを特徴とする巻線機。 - 1層目の最初の巻回について、その開始前から終了迄の間に、前記第1の巻枠が前記第2の巻枠に向って一旦付勢される
ことを特徴とする請求項7に記載の巻線機。 - 前記1層目の巻回終了までの、前記巻芯及び前記第1の巻枠の、前記第2の巻枠からの離間が、間歇的に実行される
ことを特徴とする請求項8に記載の巻線機。 - 線材が1回又は所定回巻回される毎に、その1回又は所定回の巻回の終了付近で、前記第1の巻枠及び巻芯が前記第2の巻枠に向って一旦付勢され、
そのあと直ぐこの付勢の直前の位置に復帰される
ことを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れかに記載の巻線機。 - 2層目以後の巻回に於ても、前記ワイヤーガイド及び前記供給手段(不図示)は、その位置関係が不変とされており、
且つ、そのときの線材巻付け位置も、前記ワイヤーガイド及び前記供給手段に対してその位置関係が不変であるように、前記第1の巻枠、前記第2の巻枠及び巻芯が移動され、当該層の巻回が実行される
ことを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れかに記載の巻線機。 - 前記第1の巻枠が前記巻芯に向って付勢されており、前記巻芯が移動されるとき前記第1の巻枠も該巻芯に押されて移動する
ことを特徴とする請求項7乃至請求項11の何れかに記載の巻線機。 - 前記巻芯が、回転角度は不変で且つ軸方向への摺動は自在であるように前記第1の巻枠と係合されている
ことを特徴とする請求項7乃至請求項12の何れかに記載の巻線機。
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