JP5730035B2 - 接続構造体の製造方法、異方性導電接続方法及び接続構造体 - Google Patents

接続構造体の製造方法、異方性導電接続方法及び接続構造体 Download PDF

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Description

本発明は、接続信頼性を良好にすることができる接続構造体の製造方法、異方性導電接続方法及び接続構造体に関する。
従来、異方性導電接続における硬化法として、例えば、熱硬化法と、UV(ultraviolet)硬化法(紫外線硬化法)とがそれぞれ単独で行われていた。
熱硬化法は、例えば、電極を有する基板と、電極を有する電子部品とを異方性導電接着剤を介して接続する際に、加熱押圧時に150〜220℃程度の熱を加えて、異方性導電接着剤の硬化反応を進行させる方法である。熱硬化法によれば、異方性導電接着剤が良好な反応性(硬化特性)を示すため、硬化不良が発生することはない。しかしながら、熱硬化法では、熱により基板等の反りが顕著となり、接続信頼性に不具合が生じてしまうことがある。
一方、UV硬化法によれば、基板等の反りを抑制することができるものの、熱硬化法に比べて異方性導電接着剤の反応性が十分ではないため、硬化不良の問題が発生してしまう。
そこで、例えば、特許文献1に記載のように、熱硬化法とUV硬化法とを併用する方法が提案されている。しかしながら、UV硬化を行うために照射されたUV光は、基板上の金属配線部を透過しないため、金属配線部上に存在する異方性導電接着剤に届きにくい問題がある。金属配線部上に存在する異方性導電接着剤にUV光が届きにくくなる結果、硬化不良が発生してしまい、接続部の接続信頼性を良好にすることができない。
WO00/46315号公報
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、接続部の接続信頼性を良好にすることができる接続構造体の製造方法、異方性導電接続方法及び接続構造体を提供することを目的とする。
本発明に係る接続構造体の製造方法は、表面に複数の第1の電極を有するとともに第1の電極間に凹部が形成されており凹部にポリマーが配置された透光性基板と、第2の電極を有する電子部品とを、エポキシ樹脂と重合開始剤とを含有する異方性導電接着剤を介して第1の電極と第2の電極とが対向するように配置する配置工程と、電子部品の異方性導電接着剤とは接していない面側から加熱押圧するとともに、加熱押圧の開始後、所定時間経過後に、透光性基板の異方性導電接着剤とは接していない面側から光を照射して、照射した光をポリマーに照射することにより、第1の電極と第2の電極とが電気的に接続された接続体を得る接続工程とを有し、ポリマーの屈折率を、異方性導電接着剤及び透光性基板の屈折率よりも小さくし、ポリマーの曲率半径を、前記透光性基板の電極間距離に対して0.5倍〜3倍とする。
本発明に係る異方性導電接続方法は、表面に複数の第1の電極を有するとともに第1の電極間に凹部が形成され凹部にポリマーが配置された透光性基板と、第2の電極を有する電子部品とを、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤とを含有する異方性導電接着剤を介して第1の電極と第2の電極とが対向するように配置する配置工程と、電子部品の異方性導電接着剤とは接していない面側から加熱押圧するとともに、加熱押圧の開始後、所定時間経過後に、透光性基板の異方性導電接着剤とは接していない面側から光を照射して、照射した光をポリマーに照射することにより、第1の電極と第2の電極とを電気的に接続する接続工程とを有し、ポリマーの屈折率を、異方性導電接着剤及び透光性基板の屈折率よりも小さくし、ポリマーの曲率半径を、前記透光性基板の電極間距離に対して0.5倍〜3倍とする。
本発明に係る接続構造体は、表面に複数の第1の電極を有するとともに第1の電極間に凹部が形成されており凹部にポリマーが配置された透光性基板と、第2の電極を有する電子部品とを、エポキシ樹脂と重合開始剤とを含有する異方性導電接着剤を介して第1の電極と第2の電極とが対向するように配置し、電子部品の異方性導電接着剤とは接していない面側から加熱押圧するとともに、加熱押圧の開始後、所定時間経過後に、透光性基板の異方性導電接着剤とは接していない面側から光を照射して、照射した光をポリマーに照射することにより第1の電極と第2の電極とが電気的に接続されており、ポリマーの屈折率が、異方性導電接着剤及び透光性基板の屈折率よりも小さく、ポリマーの曲率半径が、前記透光性基板の電極間距離に対して0.5倍〜3倍である。
本発明によれば、ポリマーに照射された光が散乱して電極間に照射されるため、電極間の異方性導電接着剤の硬化反応が十分に進行して、接続部の接続信頼性を良好にすることができる。
本実施の形態に係る接続構造体の製造方法の配置工程を模式的に示す断面図である。 本実施の形態に係る接続構造体の製造方法の接続工程を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という)の一例について説明する。
<接続構造体の製造方法>
(配置工程)
図1は、本実施の形態に係る接続構造体の製造方法の配置工程を模式的に示す断面図である。
配置工程では、表面に複数の第1の電極1(以下、単に「電極1」と呼ぶ)を有する透光性基板2と、第2の電極3(以下、単に「電極3」と呼ぶ)を有する電子部品4とを、異方性導電接着剤5を介して電極1と電極3とが対向するように配置させる。
また、配置工程では、電極1間に形成された凹部6に、異方性導電接着剤5及び透光性基板2よりも屈折率が小さいポリマー(以下、単に「ポリマー」と呼ぶ)7を配置する。
電極1は、例えば、金属配線で構成されている。透光性基板2としては、透光性を有する基板、例えばガラス基板を用いることができる。電極3は、例えば、バンプで構成されている。電子部品4としては、例えば、半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板、ポリイミドやポリエステルを基材としたフレキシブル配線板、液晶パネル等のガラス上に酸化インジウム−スズ(ITO)やクロム、アルミニウム等で配線した透明電極等を用いることができる。
異方性導電接着剤5は、例えば、ペースト状や、剥離性基材上に接着剤組成物を塗布、乾燥してなるフィルム状で構成することができる。異方性導電接着剤5は、形状をフィルム状とすることにより、取扱性に優れるとともに、接続後の厚みを容易に均一化することができる。
異方性導電接着剤5は、例えば、エポキシ樹脂と、重合開始剤と、導電性粒子8とを含有する。エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせたものであってもよい。重合開始剤としては、熱及び紫外線(UV)の両方で酸を発生させることができるカチオン重合開始剤を用いることができ、例えば、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。
また、エポキシ樹脂に限定されず、種々のアクリレートを含有したアクリル樹脂も使用することができる。また、重合開始剤としては、熱及び紫外線(UV)の両方でフリーラジカルを発生させるラジカル開始剤を用いることができ、例えば、有機化酸化物等が例示される。
導電性粒子8としては、公知の導電性粒子を用いることができる。例えば、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金等の各種金属や金属合金の粒子、金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラス、セラミック、プラスチック等の粒子の表面に金属をコートしたもの、これらの粒子の表面に更に絶縁薄膜をコートしたもの等が挙げられる。
電極1間に形成された凹部6には、後に詳述するポリマー7が配置される。ポリマー7の曲率半径は、凹部6の曲率半径によって規定される。凹部6は、図1に示すように、その曲率半径を電極1間の距離D(配線間距離D)に対して、0.5〜3倍とすることが好ましい。凹部6の曲率半径を電極1間の距離Dに対して、0.5〜3倍とすることにより、後に詳述するように、ポリマー7の曲率半径を電極1間の距離Dに対して、容易に0.5〜3倍とすることが可能となる。凹部6は、透光性基板2の異方性導電接着剤5とは接していない面2a側から入射された光を屈折させる。
凹部6に配置されるポリマー7は、レンズ構造体として機能して光を散乱させる。ポリマー7の屈折率は、異方性導電接着剤5及び透光性基板2の屈折率よりも小さくする。ポリマー7の屈折率を異方性導電接着剤5及び透光性基板2の屈折率よりも小さくすることにより、透光性基板2の面2a側から入射された光をポリマー7によって散乱させて、電極1と電極3との間に光を照射することができる。これにより、電極1と電極3との間に存在する異方性導電接着剤5の硬化反応が十分に進行するため、電極1と電極3との接続部の接続信頼性を良好にすることができる。
ポリマー7としては、高い透明性と低屈折率とを両立できるものが好ましく、例えば、透過率が95%であり屈折率が1.34であるアモルファスフルオロポリマーを用いることができる。ポリマー7の曲率半径は、電極1間の距離Dに対して、0.5〜3倍とすることが好ましく、0.5倍とすることが特に好ましい。ポリマー7の曲率半径を電極1間の距離Dに対して0.5〜3倍とすることにより、後に詳述する接続工程において、ポリマー7によって透光性基板2の面2a側から入射された光を効果的に散乱させることができる。これにより、電極1と電極3との間に、より多くの光が照射されるため、電極間の異方性導電接着剤5の硬化反応が十分に進行して、接続部の接続信頼性をさらに良好にすることができる。
(接続工程)
図2は、本実施の形態に係る接続構造体の製造方法の接続工程を模式的に示す断面図である。
接続工程では、図2に示すように、電子部品4の異方性導電接着剤5とは接していない面4a側から加熱押圧(加熱加圧)するとともに、加熱押圧の開始後、所定時間経過後に、透光性基板2の異方性導電接着剤5とは接していない面2a側から光を照射する。照射された光は、ポリマー7に照射され、ポリマー7に照射された光が散乱して電極1と電極3との間に照射される。その結果、電極間の異方性導電接着剤5の硬化反応が十分に進行して、電極1と電極3とが電気的に接続された接続体が得られる。
接続工程では、加熱押圧を行うとともに光照射を行うことにより、低温で透光性基板2と電子部品4とを圧着することが可能となる。したがって、例えば、透光性基板2としてLCD(Liquid Crystal Display)パネルを用いた場合においては、LCDパネルの色ムラを低減することができる。また、例えば、電子部品4としてフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuits)を用いた場合においては、熱膨張によるフレキシブルプリント基板のピッチズレを改善することができる。低温で透光性基板2と電子部品4とを圧着することが可能となるため、例えば、加熱押圧を行う加熱押圧装置9にかかる熱衝撃を軽減することができる。
接続工程では、加熱押圧するとともに、加熱押圧の開始後、所定時間経過後に、透光性基板2の面2a側から光を照射する。これにより、異方性導電接着剤5の硬化反応が開始する前に異方性導電接着剤5の樹脂を十分に流動させて、電極1と電極3との間に存在する樹脂を迅速に排除することができる。また、加熱によって異方性導電接着剤5の樹脂が流動している際に光照射を行うことにより、硬化反応の進行を促進させることができる。さらに、加熱によって異方性導電接着剤5の樹脂が流動している際に光照射を行うことにより、光が届きにくい部分、すなわち、電極1と電極3との間の異方性導電接着剤5の硬化反応を十分に進行させることができる。
接続工程では、加熱押圧と光照射とを同時に停止させることが好ましい。加熱押圧と光照射とを同時に停止させることにより、例えば、電極1が光を吸収することによって電極1が発熱してしまうことを防止して、異方性導電接着剤5の樹脂が緩んで導電性粒子8の押さえ込みが弱くならないようにすることができる。これにより、接続部の接続信頼性が悪化してしまうことを防止することができる。
加熱押圧は、例えば、加熱押圧を行うことが可能であり、透光性基板2の面2a側から光を照射することが可能な加熱押圧装置9を用いることができる。
加熱押圧時間は、例えば、5〜30秒とすることが好ましい。加熱押圧時間を5〜30秒とすることにより、異方性導電接着剤5の流動性が不十分となってしまうことを防止し、また、作業性が低下してしまうことを防止することができる。
接続工程では、加熱押圧の開始後、1〜3秒経過後に、透光性基板2の面2a側から光を照射することが好ましい。加熱押圧の開始から1秒経過する前に光照射を開始した場合には、電極1と電極3との間の導通が確保される前に異方性導電接着剤5の硬化反応が始まってしまい、導通不良の原因となってしまう。また、加熱押圧を開始して3秒経過後から光照射を開始した場合には、光照射に要する時間が短くなってしまい、異方性導電接着剤5の硬化不良を引き起こしてしまう。
接続工程では、光照射時間を3〜30秒とすることが好ましい。光照射時間を3秒より少なくした場合には、異方性導電接着剤5の硬化不良の原因となってしまう。また、光照射時間を30秒より多くした場合には、例えばタクトタイムが長くなってしまうため、作業性が低下してしまう。
異方性導電接着剤5の硬化反応に用いる光は、例えば、紫外線を用いることができ、光源10で発生させることができる。光源10は、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ等で構成することができる。光の照射量は、100〜3000W/cm(10〜300J/cm)とすることが好ましい。光の照射量を100〜3000W/cmとすることにより、異方性導電接着剤5の硬化反応を十分に進行させることができる。また、急激に異方性導電接着剤5の硬化反応が進行して、異方性導電接着剤5の樹脂の流動及び電極間からの樹脂の排除を妨げないようにすることができる。
以上説明したように、接続構造体の製造方法では、透光性基板の他方の面側から入射された光がエポキシ樹脂よりも屈折率が小さいポリマーによって散乱して、光が届きにくい電極間にも光が照射される。これにより、電極1と電極3との間の異方性導電接着剤5の硬化反応が十分に進行するため、異方性導電接着剤5が硬化不良となることを防止することができる。したがって、接続部の接続信頼性を良好にすることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、下記のいずれかの実施例に本発明の範囲が限定されるものではない。
(実施例1)
固形重量比でフェノキシ樹脂40質量部、液状エポキシ樹脂29質量部、光カチオン重合開始剤10質量部となるように配合し、さらに導電性粒子20質量部、シランカップリング剤1質量部を分散させ、トルエンを加え固形分50%の樹脂組成物を調整した。更に前記樹脂組成物を剥離処理したポリエチレンテレフタレート上に塗布し、溶媒を乾燥させ、接着層の厚みが20μmの異方性導電フィルムを得た。
・フェノキシ樹脂
(商品名PKHC、(ユニオンカーバイド社製))
・光カチオン重合性化合物
ビスフェノール型液状エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名:エピコート828、油化シェルエポキシ社製)
・シランカップリング剤
(商品名:A−187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
・光カチオン重合開始剤
(商品名:サンエイドSI−80、三新化学工業社製)
・平均粒径4μmの導電性粒子(AUL704、積水化学工業社製)
得られた異方性導電フィルムを用いて、電極間距離10μmの電極を有するIC基板(厚み0.5mm)と、電極としての金属配線が形成されたガラス基板(厚み0.5mm)とを接続した。
また、実施例1では、ガラス基板の凹部と異方性導電フィルムとの間に、屈折率1.3、透過率95%のアモルファスフルオロポリマー(品名 テフロン(登録商標)AF)をレンズ構造体として配置した。アモルファスフルオロポリマーの曲率半径は、ガラス基板上の電極間距離の2倍とした。
接続条件は、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス社製の加熱押圧ボンダーによって、110℃、60MPaで5秒間の加熱押圧と、ガラス基板側からの紫外線照射とを同時に行った。具体的には、加熱押圧のみを開始して2秒経過後から紫外線照射を開始し、加熱押圧開始から10秒後に加熱押圧と紫外線照射とを同時に終了させた。その後、圧力を開放して、接続体を得た。なお、光源から異方性導電フィルムに照射する紫外線照射量は、10J/cmとした(工法A)。
(実施例2)
実施例2では、アモルファスフルオロポリマーの曲率半径を、ガラス基板上の電極間距離と同じとしたこと以外は、実施例1と同様にしてIC基板とガラス基板との接続体を作製した。
(実施例3)
実施例3では、アモルファスフルオロポリマーの曲率半径を、ガラス基板上の電極間距離の0.5倍としたこと以外は、実施例1と同様にしてIC基板とガラス基板との接続体を作製した。
(実施例4)
実施例4では、アモルファスフルオロポリマーの曲率半径を、ガラス基板上の電極間距離の3倍としたこと以外は、実施例1と同様にしてIC基板とガラス基板との接続体を作製した。
(比較例1)
比較例1では、アモルファスフルオロポリマーを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてIC基板とガラス基板との接続体を作製した。
(比較例2)
比較例2では、加熱押圧と紫外線照射とを同時に開始したこと以外は実施例1と同様の工法(工法B)によって、IC基板とガラス基板との接続体を作製した。
(比較例3)
比較例3では、紫外線照射を行わず、加熱押圧の接続条件を180℃、60MPa、5秒間としたこと以外は実施例1と同様の工法(工法C)によって、IC基板とガラス基板との接続体を作製した。
(比較例4)
比較例4では、紫外線照射の接続条件を20J/cmとして、加熱押圧を行わなかったこと以外は実施例1と同様の工法(工法D)によって、IC基板とガラス基板との接続体を作製した。
(比較例5)
比較例5では、加熱押圧を開始して0.5秒経過後から紫外線照射を開始し、加熱押圧開始から10秒後に加熱押圧と紫外線照射とを同時に終了させたこと以外は実施例1と同様の工法(工法E)によって、IC基板とガラス基板との接続体を作製した。
(比較例6)
比較例6では、紫外線照射を開始して2秒経過後から加熱押圧を開始し、紫外線照射開始から10秒後に加熱押圧と紫外線照射とを同時に終了させたこと以外は実施例1と同様の工法(工法F)によって、IC基板とガラス基板との接続体を作製した。
実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6の結果をまとめたものを以下の表1に示す。
Figure 0005730035
(反応性評価について)
反応性は、赤外分光光度計(品番 FT/IR−4100、日本分光社製)を用いて、実装前と実装後のエポキシ環の吸収波長の減衰量(%)から算出した。
表1において、反応性が「○」とは、異方性導電フィルムの70%以上が反応していることを示す。反応性が「△」とは、異方性導電フィルムの30%を超えて70%未満が反応していることを示す。反応性が「×」とは、異方性導電フィルムの30以下が反応していることを示す。
(パネル反り評価について)
パネル反りは、触針式表面粗度計(商品名:SE−3H、小阪研究所社製)を用いて、ガラス基板の下側からスキャンし、ICチップ圧着後のガラス基板面の反り量(μm)を測定した。
表1において、パネル反りが「◎」とは、パネル反りが5μm以下であることを示す。パネル反りが「○」とは、パネル反りが5μmを超えて12μm以下であることを示す。パネル反りが「△」とは、パネル反りが12μmを超えて20μm未満であることを示す。パネル反りが「×」とは、パネル反りが20μm以上であることを示す。
(接続信頼性評価について)
表1において、「接続信頼性(初期)」とは、接続体を製造した直後の接続信頼性である。また、「接続信頼性(85℃ 85% RH500Hr)」とは、85℃、湿度85%の環境下で500時間放置した後の接続信頼性である。
接続信頼性評価が「◎」とは、接続体における電極間の接続部を含む抵抗値が10Ω以下であることを示す。初期の接続信頼性評価が「○」とは、接続体における電極間の接続部を含む抵抗値が10Ωを超えて50Ω以下であることを示す。初期の接続信頼性評価が「△」とは、接続体における電極間の接続部を含む抵抗値が50Ωを超えて100Ω未満であることを示す。初期の接続信頼性評価が「×」とは、接続後の接続部を含む抵抗値が100Ω以上であることを示す。
抵抗値の測定は、デジタルマルチメーター(商品名:デジタルマルチメーター7561、横河電機社製)を用いて、接続抵抗(Ω)の測定を行った。
実施例1〜実施例4では、ガラス基板の凹部と異方性導電フィルムとの間に、アモルファスフルオロポリマーを配置してIC基板とガラス基板とを接続させたため、反応性評価、パネル反り評価及び接続信頼性評価が良好であった。
実施例2では、アモルファスフルオロポリマーの曲率半径を、ガラス基板上の電極間距離と同じとしたため、初期の接続信頼性評価が特に良好であった。
実施例3では、アモルファスフルオロポリマーの曲率半径を、ガラス基板上の電極間距離の半分としたため、初期の接続信頼性評価と、85℃、湿度85%の環境下で500時間放置後の接続信頼性評価とが特に良好であった。
比較例1では、ガラス基板の凹部と異方性導電フィルムとの間に、アモルファスフルオロポリマーを配置せずにIC基板とガラス基板とを接続させたため、反応性評価及び接続信頼性評価が良好ではなかった。
比較例2では、加熱押圧と紫外線照射とを同時に開始したため、接続信頼性評価が良好ではなかった。
比較例3では、加熱押圧のみを行ったため、接続体のパネル反り評価と接続信頼性評価とが良好ではなかった。
比較例4では、紫外線照射のみを行ったため、反応性評価と接続信頼性評価とが良好ではなかった。
比較例5では、加熱押圧のみを開始して0.5秒経過後から紫外線照射を開始したため、反応性評価と、85℃、湿度85%の環境下で500時間放置後の接続信頼性評価とが良好ではなかった。
比較例6では、紫外線照射のみを開始して2秒経過後から加熱押圧を開始したため、反応性評価と接続信頼性評価とが良好ではなかった。
1 第1の電極、2 透光性基板、2a 面、3 第2の電極、4 電子部品、4a 面、5 異方性導電接着剤、6 凹部、7 ポリマー、8 導電性粒子、9 加熱押圧装置、10 光源

Claims (4)

  1. 表面に複数の第1の電極を有するとともに該第1の電極間に凹部が形成されており該凹部にポリマーが配置された透光性基板と、第2の電極を有する電子部品とを、エポキシ樹脂と重合開始剤とを含有する異方性導電接着剤を介して該第1の電極と該第2の電極とが対向するように配置する配置工程と、
    前記電子部品の前記異方性導電接着剤とは接していない面側から加熱押圧するとともに、該加熱押圧の開始後、所定時間経過後に、前記透光性基板の前記異方性導電接着剤とは接していない面側から光を照射して、該照射した光を前記ポリマーに照射することにより、前記第1の電極と前記第2の電極とが電気的に接続された接続体を得る接続工程とを有し、
    前記ポリマーの屈折率を、前記異方性導電接着剤及び前記透光性基板の屈折率よりも小さくし、
    前記ポリマーの曲率半径を、前記透光性基板の電極間距離に対して0.5倍〜3倍とする接続構造体の製造方法。
  2. 前記ポリマーの曲率半径を、前記透光性基板の電極間距離に対して0.5倍とする請求項1記載の接続構造体の製造方法。
  3. 表面に複数の第1の電極を有するとともに該第1の電極間に凹部が形成され該凹部にポリマーが配置された透光性基板と、第2の電極を有する電子部品とを、エポキシ樹脂と重合開始剤とを含有する異方性導電接着剤を介して該第1の電極と該第2の電極とが対向するように配置する配置工程と、
    前記電子部品の前記異方性導電接着剤とは接していない面側から加熱押圧するとともに、該加熱押圧の開始後、所定時間経過後に、前記透光性基板の前記異方性導電接着剤とは接していない面側から光を照射して、該照射した光を前記ポリマーに照射することにより、前記第1の電極と前記第2の電極とを電気的に接続する接続工程とを有し、
    前記ポリマーの屈折率を、前記異方性導電接着剤及び前記透光性基板の屈折率よりも小さくし、
    前記ポリマーの曲率半径を、前記透光性基板の電極間距離に対して0.5倍〜3倍とする異方性導電接続方法。
  4. 表面に複数の第1の電極を有するとともに該第1の電極間に凹部が形成されており該凹部にポリマーが配置された透光性基板と、第2の電極を有する電子部品とを、エポキシ樹脂と重合開始剤とを含有する異方性導電接着剤を介して該第1の電極と該第2の電極とが対向するように配置し、
    前記電子部品の前記異方性導電接着剤とは接していない面側から加熱押圧するとともに、該加熱押圧の開始後、所定時間経過後に、前記透光性基板の前記異方性導電接着剤とは接していない面側から光を照射して、該照射した光を前記ポリマーに照射することにより前記第1の電極と前記第2の電極とが電気的に接続されており、
    前記ポリマーの屈折率が、前記異方性導電接着剤及び前記透光性基板の屈折率よりも小さく、
    前記ポリマーの曲率半径が、前記透光性基板の電極間距離に対して0.5倍〜3倍である接続構造体。
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