以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置について添付図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置が従来装置と相違する点は特にディスプレイ台の周辺であり、ここでは従来装置と相違するディスプレイ台の周辺について説明することとし、また、自動販売機の全体構成は図14に示したものと同一であるので適宜図14を参照しつつ説明を行う。
(実施の形態1)
図1において、1はディスプレイ台であり、このディスプレイ台1は鋼板製の固定部材2と商品載置台3とからなる。前記固定部材2は商品載置台3を支持する腕木としてのブラケット21(図2参照)を有し、当該ブラケット21が中扉60(図14参照)に係止固定されている。4は液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイであり、商品載置台3に載置された複数の商品見本80若しくは後述するシート状商品見本81に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温表示及び商品価格の価格表示を行う液晶表示部41を備えている。この商品情報デジタルディスプレイ4が請求項3の商品情報表示部品を構成する。5は左右方向に延在する鋼板製の取付金具であり、前記固定部材2にねじ止めされて商品情報デジタルディスプレイ4の下端を保持するものである。
前記固定部材2は、図2に示すように左右のブラケット21を天板22により連結してなり、天板22には複数の開口221が形成されるとともに天板22の前縁には前方斜め上方に折り曲げられた係止片222が設けられている。前記固定部材2の左右のブラケット21は左右対称であるので、ここでは正面視右側のブラケット21を代表として説明する。前記ブラケット21には上面に向けて開放した挿脱溝部21aが形成されるとともに前縁に商品情報デジタルディスプレイ4を係止する係止部21b、及びねじSが螺合するねじ穴21cが形成されている。前記ブラケット21の後縁には内方に向けて折り曲げられた後壁23(図2の(a)参照)が形成され、この後壁23に切起しにより係止片231が形成されている。この係止片231を中扉60(図14参照)に設けた係止穴に嵌合させることにより固定部材2が中扉60に係止固定される。
前記商品載置台3は、図2に示すように、上面壁31の両端から下方に延在された左右側壁32を備えてなり、上面壁31には商品見本80を嵌合保持する係合穴311が左右方向に複数並設されている。前記商品載置台3の左右側壁32は左右対称であるので、ここでは正面視右側の側壁32を代表として説明する。前記側壁32には、前方斜め下方向に開放した切欠33が形成されている。また、前記側壁32には内側に向けて切起した当接片34が形成されている。
前記商品情報デジタルディスプレイ4は、図2に示すように、液晶表示部41が実装された回路基板を内蔵する横長のデジタル表示ユニット42の前面に白色塗装が施された化粧枠43を組付けてなるものである。前記化粧枠43には液晶表示部41に対応する箇所に窓431が形成されており、化粧枠43の上端部は後方斜め下方に向けて傾斜した係合片432が形成されている。この係合片432は固定部材2の天板22に形成された係止片222に係合するものである。なお、図2の(b)に示すように、化粧枠43の前面から側方寄りには切り起こしにより係止爪433が形成されている。図示は省略したが、化粧枠43の左端側にも前記係止爪433と向い合うように係止爪が切り起こしにより形成されているものである。これらの係止爪433により化粧枠43の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44が保持されているものである。前記透明なカバー部材44は、デジタル表示ユニット42の液晶表示部41を保護するものである。
前記取付金具5は縦断面が略L字形に形成された鋼板製になり、白色塗装が施されている。また、前記取付金具5の前面側の板面(L字形における長辺側の板面)には階段状の段差部51(図2の(b)参照)が形成されているとともにねじSが挿通するねじ挿通穴52が穿孔されている。
次に、ディスプレイ台1の組立てについて説明すると、まず、左右一対の固定部材2を中扉60(図14参照)に取付ける。この固定部材2の中扉60への取付けは、左右ブラケット21の後壁23に切起しにより形成された係止片231を中扉60の所定位置に穿孔した係合穴に嵌合させることにより固定部材2が中扉60に固着される。次いで、中扉60に固着された固定部材2の左右ブラケット21に対して商品載置台3を、固定部材2の上方から被せるように装着する。この場合、商品載置台3の左右側壁32に内側に向けて切起した当接片34を左右ブラケット21の挿脱溝部21aに対峙させた上で、商品載置台3を固定部材2に被せる。そして、商品載置台3の上面壁31が固定部材2の天板22に当接すると、商品載置台3の左右側壁32の当接片34が左右ブラケット21の挿脱溝部21aに嵌合した状態で固定部材2にセットされる。ここで、商品載置台3の左右側壁32に内側に向けて切り起した当接片34が固定部材2の挿脱溝部21aに嵌合しているので、商品載置台3の前後方向への移動が規制される。
次いで、前記商品情報デジタルディスプレイ4を中扉60(図14参照)に固着された前記固定部材2に次のように組付ける。すなわち、商品情報デジタルディスプレイ4の背面を固定部材2の左右ブラケット21の前縁に当接させ、その際、商品情報デジタルディスプレイ4の下面を左右ブラケット21の係止部21bの上方に位置させた上で、商品情報デジタルディスプレイ4を左右ブラケット21の前縁に沿わせた状態で商品情報デジタルディスプレイ4の下面が左右ブラケット21の係止部21bに当接するまで下方にスライドさせる。前記商品情報デジタルディスプレイ4の下面が前記係止部21bに当接すると商品情報デジタルディスプレイ4が固定部材2に位置決めされるとともに前記商品情報デジタルディスプレイ4における化粧枠43の係合片432が固定部材2の天板22の前縁に形成した係止片222に係合する。この状態で取付金具5を、その段差部51が商品情報デジタルディスプレイ4の下面に沿うように配設し、ねじSにより左右ブラケット21にねじ止めする。これにより、商品情報デジタルディスプレイ4が固定部材2に固定される。なお、前記固定部材2の左右ブラケット21の中扉60(図14参照)への固着位置を適宜定めることにより、商品情報デジタルディスプレイ4の左右端部は、当該左右ブラケット21よりも外側に突出しているものである。
前述したように固定部材2に商品載置台3をセットするとともに固定部材2に商品情報デジタルディスプレイ4を取付けたディスプレイ台1には、図1に示すように、商品載置台3に載置された立体状の商品見本80とシート状商品見本81とを起立姿勢で展示している。シート状商品見本81は、可撓性の薄いプラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状の透明若しくは半透明のシートからなるものである。このシート状商品見本81は本発明に係る商品見本展示用アタッチメント6を介してディスプレイ台1に取り付けられるが、これについては後述する。そして、ディスプレイ台1の前面に位置する商品情報デジタルディスプレイ4における各液晶表示部41にそれぞれの商品見本80,81のコールド,ホット状態を表す冷温状態及び商品価格が表示される。なお、商品情報デジタルディスプレイ4の下端を保持する取付金具5は、図14に示したディスプレイ室50の前面の透明板40に設けられた商品選択ボタンユニット90の背後に位置しており、自動販売機の正面からは商品選択ボタンユニット90に隠れて見えないようになっている。
さて、シート状商品見本81を起立姿勢でディスプレイ台1に展示するための商品見本展示用アタッチメント6について図3を用いて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6は、商品情報デジタルディスプレイ4の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44に相当する大きさを有する透明平板部61及び当該透明平板部61の上部に連ねて形成されたレール部62からなる透明なプラスチック成形品である。前記透明平板部61は、商品情報デジタルディスプレイ4の化粧枠43に形成された左右の係止爪433の間の間隔に相当する横幅を有する横長帯状に形成されている。前記透明平板部61の上部に連ねて形成されたレール部62は、透明平板部61の上端から前方に突出する庇部610(図3の(c)参照)の略中央から上側に突出し、左右方向に延在する塀状に形成されている。レール部62の前面には差し込み溝611が形成されている。この差し込み溝611には次に示すシート状商品見本81が差し込まれるものである。また、前記レール部62には複数のスリット621・・・が形成されている。
前記シート状商品見本81は、可撓性の薄いプラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状の透明若しくは半透明のシートからなるものである。このシート状商品見本81の下部には上下方向に延在するとともに下方に開放した少なくとも二つのスリット810、810が設けられ、左右側縁の下端寄りには切欠811,811がそれぞれ設けられている。前記スリット810、810の深さは、前記商品見本展示用アタッチメント6のレール部62におけるスリット621の下縁から差し込み溝611の溝底までの長さより僅かに長い寸法に定められている。
ここで、前記商品見本展示用アタッチメント6のレール部62に形成された複数のスリット621・・・は、シート状商品見本81の下部に形成されたスリット810、810に対応してそれぞれのシート状商品見本81ごとに設けられているものである。図3の(b)に示すように、各シート状商品見本81の下部に形成されたスリット810、810の間の幅寸法L2と、このスリット810、810に対応してレール部62に形成された一対のスリット621,621の間の幅寸法L1は、L2>L1となるように定められている。
次に、前記商品見本展示用アタッチメント6のディスプレイ台1への取付け、及びシート状商品見本81の商品見本展示用アタッチメント6への取付けについて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6は、商品情報デジタルディスプレイ4の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44を取外したうえで、透明平板部61を化粧枠43の前面に配備した後、化粧枠43に形成された係止爪433により係止固定する。このように、ディスプレイ台1に装着された商品見本展示用アタッチメント6のレール部62にシート状商品見本81が次のように取付けられる。すなわち、シート状商品見本81の下部に設けたスリット810、810をレール部62に形成した一対のスリット621,621に差し込む。この場合、左右のスリット810、810は互い違いにレール部62を跨ぐようにして一対のスリット621,621に差し込まれる。つまり、シート状商品見本81における左右のスリット810、810に挟まれた下端中央部81Aがレール部62の前面に位置する一方、左右のスリット810、810の外側の下端両端部81B,81Bがレール部62の背面に位置するようにスリット810、810をレール部62のスリット621,621に差し込む。
前述のように、シート状商品見本81における左右のスリット810、810が互いに違いにレール部62を跨ぐようにして一対のスリット621,621に差し込む場合、シート状商品見本81における左右のスリット810、810の間の幅寸法L2とレール部62の一対のスリット621,621の間の幅寸法L1とがL2>L1に定められていることから、シート状商品見本81は平面から見て前方側に凸となるように湾曲する。すなわち、シート状商品見本81の下端中央部81Aがレール部62の前面に位置して前方側に凸となるように強制的に湾曲させられる一方、レール部62の背面に位置するシート状商品見本81の下端両端部81B,81Bもシート状商品見本81の下端中央部81Aに準じて湾曲することからシート状商品見本81は平面から見て前方側に凸となるように湾曲するのでその剛性を高めることができる。そして、シート状商品見本81の左右のスリット810、810をレール部62に形成した一対のスリット621,621に差し込むことによってシート状商品見本81が位置決めされるとともに前方側に凸となるように湾曲した状態が維持されることにより薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を起立姿勢に自立させることが可能となる。このように、ディスプレイ台1に取付けられた商品見本展示用アタッチメント6のレール部62と商品載置台3の複数の係合穴311にシート状商品見本81と立体状の商品見本80を適宜取付けることにより、シート状商品見本81と立体状の商品見本80を同一のディスプレイ台1に並べて展示することができるものである。なお、シート状商品見本81の下端中央部81Aを差し込み溝611に差し込むのは、自立したシート状商品見本81が振動などにより前傾若しくは逆方向に傾くのを防止するためであるが、必ずしも必要なものではない。
ここで、前記シート状商品見本81の左右側縁の下端寄りには切欠811(図3の(a)参照)が設けられている。この切欠811について次に説明する。前述したような矩形平板状のシート状商品見本81の下端を湾曲させた際、シート状商品見本81の全体が湾曲してしまうことがある。そこで、シート状商品見本81には左右側縁の下部側に切欠811を設けている。このように、切欠811を有するシート状商品見本81の下端を湾曲させる、つまり、左右のスリット810、810は互いに違いにレール部62を跨ぐようにして差し込んだ場合、シート状商品見本81の切欠811よりも下部側は湾曲(曲率の小さい湾曲)するが、前記切欠811によって下部側との繋がりが一部絶たれた切欠811よりも上部側の湾曲は下部側の湾曲に対して比較的小さくなる(曲率の大きな湾曲となる)。このように、切欠811を形成することによりシート状商品見本81の湾曲を抑えることができる一方、切欠811よりも下部側は湾曲することから薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定して起立姿勢に維持することができる。なお、切欠811は角型に限らず円弧形状とすることもでき、さらに、切欠811に代えて切り込みを入れることもできるものである。
なお、前記実施の形態ではシート状商品見本81と立体状の商品見本80とを一つのディスプレイ台1に混合して展示することについて説明したが、立体状の商品見本80の前面に位置する商品見本展示用アタッチメント6の保持溝621に広告シートを装着することもできる。この場合、広告シートはシート状商品見本81と同様に可撓性の薄い透明なプラスチックシートからなり、「新発売」などの広告を表示したものである。
前述したように本発明の実施の形態に係る商品見本展示用アタッチメント6によれば、立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1に取付けられる商品見本展示用アタッチメント6であって、前記ディスプレイ台1の前面に配設されて当該ディスプレイ台1に係止固着される横長帯状の透明平板部61及び当該透明平板61部の上部に連ねて形成され、薄い平板からなるシート状商品見本81の下部に上下方向に延在するとともに下方に開放した二つのスリット810,810が差し込まれる左右方向に延在する塀状のレール部62を備え、当該レール部62に前記シート状商品見本81の二つのスリット810,810間の幅寸法L2よりも小さい幅寸法L1(L2>L1)で前記各シート状商品見本81のスリット810,810と相互に係合するスリット621,621を形成してなることにより、シート状商品見本81を展示する商品見本展示用アタッチメント6を立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1に追加装備することができるので、立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つのディスプレイ台1に混合して展示することができる。また、前記商品見本展示用アタッチメント6のレール部62に形成したスリット621,621間の幅寸法(L1)がシート状商品見本81のスリット810,810間の幅寸法(L2)よりも小さいことから、前記商品見本展示用アタッチメント6のレール部62に形成したスリット621,621にシート状商品見本81のスリット810,810を差し込んで相互に係合させることによりシート状商品見81本が強制的に左右方向に湾曲させられる。したがって、薄い平板からなるシート状商品見本81の剛性を高めることができ、これによりシート状商品見本81を起立姿勢に維持することができる。
また、前述した本発明の実施の形態1に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1と、前記ディスプレイ台1上に展示された複数の商品見本80に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報及び商品の価格情報を表示する商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)とを備え、前記商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)をディスプレイ台1の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台1の前面に配設されて当該ディスプレイ台1に係止固着される横長帯状の透明平板部61、及び当該透明平板部61の上部に連ねて形成され、薄い平板からなるシート状商品見本81の下部に上下方向に延在するとともに下方に開放した二つのスリット810,810が差し込まれる左右方向に延在する塀状のレール部62を備え、当該レール部62に前記シート状商品見本81の二つのスリット810,810間の幅寸法L2よりも小さい幅寸法L1(L2>L1)で前記各シート状商品見本81のスリット810,810と相互に係合するスリット621,621を形成してなる商品見本展示用アタッチメント6を設け、当該商品見本展示用アタッチメント6の透明平板部61を前記商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)に前後に重ねて装着したことにより、シート状商品見本81を展示する商品見本展示用アタッチメント6を立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1に追加装備することができるので、立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つのディスプレイ台1に混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメント6のレール部62に形成したスリット621,621間の幅寸法L1がシート状商品見本81のスリット810,810間の幅寸法L2よりも小さいことから、前記商品見本展示用アタッチメント6のレール部62に形成したスリット621,621にシート状商品見本81のスリット810,810を差し込んで相互に係合させることによりシート状商品見本81が強制的に左右方向に湾曲させられる。したがって、薄い平板からなるシート状商品見本81の剛性を高めることができ、これによりシート状商品見本81を起立姿勢に維持することができる。
上記実施の形態においては、レール部62が前方を向く庇部610の上面に形成したについて説明したが、例えば、庇部610が後方を向くものであってもよく、また、透明平板部61の延長線上にレール部62を形成したうえで、シート状商品見本81の下端と当接する当接部を設けることもできる。したがって、レール部62とはシート状商品見本81のスリット810、810を差し込むことによりシート状商品見本81を湾曲した状態で自立させるものを総称するものである。また、商品見本展示用アタッチメント6は透明平板部61を商品情報デジタルディスプレイ4のカバー部材44を兼用するものについて説明したが、これに限るものではない。前記カバー部材44を残す場合には、取付金具5に商品見本展示用アタッチメント6の透明平板部61を係止固定する係止爪を設ければよく、前述した実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態2)
上記実施の形態においては、ディスプレイ台の前面に商品情報表示部品としての商品情報デジタルディスプレイ4を配設したものについて説明したが、ディスプレイ台の前面に商品情報表示部品としての冷温表示部材と価格表示部材とを前後に重ね合わせて配設したものの場合、冷温表示部材と価格表示部材との間に商品見本展示用アタッチメント6の透明平板部61を差し込むこともできるものであり、以下にディスプレイ台の前面に冷温表示部材と価格表示部材を前後に重ね合わせて配設したものについて説明する。図4〜図10は、本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置を示す。
図4において、1Aはディスプレイ台であり、このディスプレイ台1Aは薄板鋼板製の商品載置台3Aと左右一対の固定部材としてのブラケット2Aとからなる。前記ブラケット2Aは商品載置台3Aを支持する腕木として機能し、当該ブラケット2Aがディスプレイ室50の中扉60(図14参照)に後述するように係止固定される。前記商品載置台3Aは、商品見本80が嵌合係止される複数、この実施の形態では、図5に示すように、12個の係合穴311Aを備えたステージ状の上面壁31Aと、上面壁31Aの両端から下方に延在する左右側壁32A,32Aと、上面壁31Aの前後端から下方に延在する前面壁33A及び後面壁(図では見えない)により下面が開放した横長の箱形に形成されている。この商品載置台3Aは、左右一対のブラケット2Aに跨る態様で当該左右一対のブラケット2Aに対して着脱自在に設けられている。前記商品載置台3Aの前面壁33Aには複数の商品見本80に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71が表示された冷温表示部材72、及び商品価格を表す価格情報73が表示された価格表示部材74が着脱自在に係止保持されている。前記冷温表示部材72、及び価格表示部材74が商品情報表示部品7を構成し、この例では冷温表示部材72及び価格表示部材74が左右に2分割されている。
図5はディスプレイ台1Aの分解斜視図、図6はディスプレイ台1Aの正面視右端側の拡大図、図7はディスプレイ台1Aのブラケット2Aを示し、(a)はその前方斜め上方から見た斜視図、(b)はその側面図、図8はディスプレイ台1Aの側面図、図9はディスプレイ台1Aから商品展示用アタッチメント6Aを取外して示す分解斜視図、図10はディスプレイ台1Aが配設されたディスプレイ室50の側面図であり、これらの図を用いて各部材について更に説明する。前記商品載置台3Aはステージ状の上面壁31Aに複数の係合穴311Aが形成され、左右両端部にはそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312及びストッパ313(図6も参照)が設けられている。前記商品載置台3Aの左右側面壁32A,32Aにはそれぞれ内側に向って突出する支持軸35が取付けられている。前記支持軸35は合成樹脂製になり、図5、図6では前記支持軸35の頭部が示されており、支持軸35の軸部(不図示)は上面壁31Aの嵌合突起312の下方まで延在するとともに軸部の上端側の周面の一部を削ぎ取って平坦面とした断面D状に形成されている(後述図8参照)。また、前記商品載置台3Aの前面壁33Aには左右方向に複数、この実施の形態では12個の光透過窓331が形成されるとともに前面壁33Aの下端を前方側に折り返して形成された係止部332を備えている。この係止部332は前面壁33Aとの間に、図6に示すように商品情報表示部品7を保持する係止溝を形成する。さらに、図5に全体を示し、図6で正面視右端側を拡大して示すように、前記商品載置台3Aの前面壁33Aの左右両端部及び中央部には前記係止部332により保持された商品情報表示部品7が左右方向にずれるのを防止する係止突起333が形成され、また、図6から明らかなように、商品情報表示部品7の脱落を防止するために係止部332から突出する突起片3321が設けられている。
前記商品載置台3Aとともにディスプレイ台1Aを構成する左右一対のブラケット2Aは左右対称であるので、ここでは正面視右側のブラケット2Aを代表として説明する。前記ブラケット2Aには、図7にも示すように、前記支持軸35を嵌合支持する異形溝26が形成され、また、ブラケット2Aの上縁には内側を向くようにガイド片24が形成され、さらに後端面にはディスプレイ室50の中扉60(図10参照)に設けた角穴(不図示)に引っ掛けて当該ブラケット2Aを定位置に固定する係合爪25,25が切り起こし形成されている。前記異形溝26は、前記支持軸35を回転可能に支える前半域の円弧状溝部261と、前記円弧状溝部261に連ねて後半域に形成され、前記支持軸35の移動を拘束して商品載置台3Aを展示位置に保持するスライド溝部262と、前記円弧状溝部261とスライド溝部262との中間位置からブラケット2Aの上縁に切欠き開口した挿脱溝部263とを組合わせて形成されている。なお、前記円弧状溝部261は支持軸35の軸部より一回り大きく形成され、また、前記スライド溝部262の高さ寸法hは支持軸35の直径よりも小さい寸法の断面D状の軸部35a(図8参照)に合わせて形成されている。また、ブラケット2Aの上縁に内側を向くように形成されたガイド片24は異形溝26の挿脱溝部263により前後に2分割されている。
前記商品載置台3Aの係止部332に装着して係止保持される商品情報表示部品7は、図5に示すように、複数の商品見本80に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71が表示された冷温表示部材72、及び商品価格を表す価格情報73が表示された価格表示部材74からなる。前記冷温表示部材72は光透過性のアクリル樹脂により横長帯状に形成されるとともに冷温情報71の表示領域を上下に区分し、当該上下の表示領域にそれぞれ異なる冷温情報71を互いに逆さにして表示してなる。この実施の形態では、冷温表示部材72の上部の表示領域には「COLD」の文字、下部の表示領域には「HOT」の文字が互いに逆さまに表示されている。なお、図には明示されていないが、冷温情報71は、商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字が施され、商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字が施されているものである。一方、価格表示部材74は透明なアクリル樹脂により横長帯状に形成され、上部領域に「\120」の価格情報73が施されて不透明である一方、下部領域が透明に形成されている。これらの冷温表示部材72及び価格表示部材74は、価格表示部材74を前方側に位置するようにして前後に重ね合わせて商品載置台3Aの前面壁33Aに沿って配設される。なお、冷温表示部材72及び価格表示部材74は商品載置台3Aの前面壁33Aの左右両端部及び中央部に形成した係止突起333(図6参照)間に収まる寸法に定められている。
前記ディスプレイ台1Aの分解斜視図を示す図5において、9は照明光源としての蛍光灯である。この蛍光灯9はソケット91を有する左右一対の蛍光灯取付金具92に装着されるものである。前記蛍光灯取付金具92はブラケット2Aと同様に中扉60(図10参照)に係止固定される。すなわち、蛍光灯取付金具92の後端面に板面を切り起して形成された不図示の係合爪をディスプレイ室50の中扉60に設けた角穴に引っ掛けることによって中扉60に係止固定される。なお、左右一対の蛍光灯取付金具92はそれぞれ左右一対のブラケット2Aの内方に配設され、左右一対のブラケット2Aに跨るように商品載置台3Aを取付けた場合、箱形の商品載置台3Aの内部に位置するように定められている。このように、蛍光灯9は箱形の商品載置台3A(ディスプレイ台1A)の内部に位置しており、蛍光灯9からの光が商品載置台3Aの上面壁31Aに形成した係合穴311Aを介して商品見本80の内部に照射されるとともに前面壁33Aに形成した光透過窓331を介して商品情報表示部品7に照射される。
次に、ディスプレイ台1Aの組立てについて説明すると、まず、左右一対のブラケット2Aを中扉60(図10参照)に取付ける。このブラケット2Aの中扉60への取付けは、ブラケット2Aの後端面に切り起しにより形成された係合爪25,25を中扉60の所定位置に設けた角穴に挿入係止させる。これによりブラケット2Aが中扉60の所定位置に固定される。次いで、中扉60に固着された左右一対のブラケット2Aに対して商品載置台3Aを、左右一対のブラケット2Aの上方から被せるように装着する。この場合、商品載置台3Aの左右側壁32Aに内側に向けて突出する支持軸35をブラケット2Aの挿脱溝部233に対峙させた上で、商品載置台3Aをブラケット2Aに被せる。そして、商品載置台3Aの上面壁31Aの内壁がブラケット2Aの上縁に当接すると、支持軸35がブラケット2Aの異形溝26に嵌合した状態で商品載置台3Aがブラケット2Aに一体化される。この後、商品載置台3Aを後方(中扉60側)にスライドさせると、支持軸35が異形溝26のスライド溝部262に移動する。この状態を図10に示し、支持軸35の断面D状の軸部35aの上端側の平坦面がスライド溝部262の平坦な上縁に対峙する。一方、商品載置台3Aの上面壁31Aの左右両端部にそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312及びストッパ313が、ブラケット2Aの上縁に内側を向くように形成された前後のガイド片24,24を乗り越えてその後方側に落とし込まれる。この場合、前記嵌合突起312及びストッパ313がそれぞれのガイド片24,24を乗り越えることができるように、支持軸35の断面D状の軸部35aの上端側の平坦面とスライド溝部262の平坦な上縁との間には遊びが形成されている。
前述したように、商品載置台3Aの上面壁31Aの左右両端部にそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312及びストッパ313がブラケット2Aの上縁に形成した前後のガイド片24,24を乗り越えてその後方側に落とし込まれると、嵌合突起312及びストッパ313がガイド片24,24に係合する一方、支持軸35がスライド溝部262に嵌合することにより商品載置台3Aの前後方向の移動が規制され、商品載置台3Aは商品見本80を展示する展示位置にセットされる。この状態で、商品載置台3Aの前面壁33Aに形成した係止部332に価格表示部材74を前面にして冷温表示部材72を重ね合わせた商品情報表示部品7を装着する。この場合、商品情報表示部品7は、左端部若しくは右端部と中央部の係止突起333,333の間に位置させたうえで、係止部332の上方から商品情報表示部品7の背面を前面壁33Aに沿わせつつ係止部332の保持溝に挿入する。これにより商品情報表示部品7はディスプレイ台1Aの前面に係止保持される。
前述したように、ブラケット2Aの異形溝26に支持軸35を嵌合させて商品載置台3Aを商品展示位置にセットするとともに商品載置台3Aの前面壁33Aの係止部332に商品情報表示部品7を装着したディスプレイ台1Aは、図4,図10に示すように、商品載置台3Aに載置された複数の商品見本80を起立姿勢で展示している。そして、ディスプレイ台1Aの前面に位置する商品情報表示部品7によりそれぞれの商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71及び商品価格の価格情報73(図4、図6参照)が表示される。この場合、商品情報表示部品7の冷温情報71及び価格情報73は商品載置台3Aの前面壁33Aに形成された光透過窓331の前方に位置しており、ディスプレイ台1Aの内部に配設された蛍光灯9により照射される。ここで、前記商品情報表示部品7を保持する係止部332は、ディスプレイ室50(図10参照)の前面を覆う透明板40の前面に配設された商品選択ボタンユニット90の背後に位置しており、自動販売機の正面からは商品選択ボタンユニット90に隠れて見えないようになっている。なお、図10において、900は商品選択ボタンユニット90を透明板40に取付けるための取付金具である。この取付金具900は商品選択ボタンユニット90の幅に対応する幅を有する断面コ字状の横長帯状に形成されている。また、この実施の形態における商品見本80は、商品を縦方向に半分に切断した半割りタイプのものである。
さて、この実施の形態2に係るシート状商品見本81を起立姿勢でディスプレイ台1Aに展示するための商品見本展示用アタッチメント6A(図4、図9、図10参照)の基本構成は、実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6と同一である。すなわち、ディスプレイ台1Aから取外した状態を示す図9から分かるように、商品展示用アタッチメント6Aは、横長帯状の透明平板部61A及び当該透明平板部61Aの上部に連ねて形成されたレール部62Aからなるプラスチック成形品からなる。前記透明平板部61Aの上部に連ねて形成されたレール部62Aは、透明平板部61Aの上端から前方に突出する庇部610(図3の(c)参照)の略中央から上側に突出し、左右方向に延在する塀状に形成されている。レール部62Aの前面には差し込み溝611Aが形成され、また、前記レール部62Aには複数のスリット621A・・・が形成されている。この実施の形態2に係る商品見本展示用アタッチメント6Aが実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6が商品情報デジタルディスプレイ4の化粧枠43に形成された左右の係止爪433の間の間隔に相当する横幅を有するものである、つまり、ディスプレイ台1の左右方向の略横幅に相当するものであるのに対し、前記ディスプレイ台1Aの横幅方向にn分割(n<2以上の整数)されてなる点である。具体的には、ディスプレイ台1Aの横幅方向に2分割され、ディスプレイ台1Aを構成する商品載置台3Aに形成された12個の係合穴311A(図7,図8参照)の1/2である6個の係合穴311Aに対応する長さのものとして構成されている。
次に、前記商品見本展示用アタッチメント6Aのディスプレイ台1Aへの取付けについて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6Aは、その透明平板部61Aを、ディスプレイ台1Aの前面壁33Aに沿って配設された商品情報表示部品7に前後に重ね合わせて装着することによりディスプレイ台1Aの前面に配備される。具体的には、商品情報表示部品7を構成するところの、前後に重ね合わせて配備された価格表示部材74と冷温表示部材72との間に商品見本展示用アタッチメント6Aの透明平板部61Aを挿入し、前記価格表示部材74と冷温表示部材72とにより透明平板部61Aを挟持固定する。このように、ディスプレイ台1Aに装着された商品見本展示用アタッチメント6Aのレール部62Aにシート状商品見本81が取付けられる。このシート状商品見本81のレール部62Aへの取付けは、前述した実施の形態1と同様に、シート状商品見本81の左右のスリット810、810(図3の(a)参照)をレール部62Aに形成した一対のスリット621A,621Aに差し込むことによってシート状商品見本81が位置決めされるものであるので、重複する説明は割愛するが、シート状商品見本81の左右のスリット810、810をレール部62Aに形成した一対のスリット621A,621Aに差し込むことによってシート状商品見本81が位置決めされるとともに前方側に凸となるように湾曲した状態が維持されることにより薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を起立姿勢に自立させることが可能となる。このように、ディスプレイ台1Aに取付けられた商品見本展示用アタッチメント6Aのレール部62Aと商品載置台3Aの複数の係合穴311Aにシート状商品見本81と立体状の商品見本80を適宜取付けることにより、シート状商品見本81と立体状の商品見本80を同一のディスプレイ台1Aに並べて展示することができるものである。
前述した本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1Aと、前記ディスプレイ台1A上に展示された複数の商品見本80に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報71及び商品の価格情報73を表示する商品情報表示部品7とを備え、前記商品情報表示部品7をディスプレイ台1Aの前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台1Aの前面に配設されて当該ディスプレイ台1Aに係止固着される横長帯状の透明平板部61A、及び当該透明平板部61Aの上部に連ねて形成され、薄い平板からなるシート状商品見本81の下部に上下方向に延在するとともに下方に開放した二つのスリット810,810が差し込まれる左右方向に延在する塀状のレール部62Aを備え、当該レール部62Aに前記シート状商品見本81の二つのスリット810,810間の幅寸法よりも小さい幅寸法で前記各シート状商品見本81のスリット810,810と相互に係合するスリット621A,621Aを形成してなる商品見本展示用アタッチメント6Aを設け、当該商品見本展示用アタッチメント6Aの透明平板部61Aを前記商品情報表示部品7に前後に重ねて装着したことにより、シート状商品見本81を展示する商品見本展示用アタッチメント6Aを立体状の商品見本を展示するディスプレイ台1Aに追加装備することができるので、立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つのディスプレイ台1Aに混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメント6Aのレール部62Aに形成したスリット621A,621A間の幅寸法がシート状商品見本81のスリット810,810間の幅寸法よりも小さいことから、前記商品見本展示用アタッチメント6Aのレール部62Aに形成したスリット621A,621Aにシート状商品見本81のスリット810,810を差し込んで相互に係合させることによりシート状商品見本81が強制的に左右方向に湾曲させられる。したがって、薄い平板からなるシート状商品見本81の剛性を高めることができ、これによりシート状商品見本81を起立姿勢に維持することができる。
(実施の形態3)
上記実施の形態2においては、ディスプレイ台1Aの前面部に冷温表示部材72と価格表示部材74と重ねて配設したものについて説明したが、価格表示部材74に代えて商品価格を表す価格情報をデジタル表示する価格表示ユニットを配備し、ディスプレイ台1Aの前面部に前記価格表示ユニットと冷温表示部材と前後に重ね合わせて配設したものの場合、前記価格表示ユニットの前面に配備される冷温表示部材と前後に重ね合わせて商品見本展示用アタッチメント6の透明平板部61を配設することもできるものであり、以下にディスプレイ台の前面に冷温表示部材と価格表示ユニットを配備したものについて説明する。図11〜図13は、本発明の実施の形態3に係る自動販売機の商品見本展示装置を示す。なお、ディスプレイ台は左右対称であるので、図では正面視右側を代表して図示している。
図11において、1Bはディスプレイ台であり、このディスプレイ台1Bは薄板鋼板製の商品載置台3Bと固定部材2Bとからなる。前記固定部材2Bは商品載置台3Bを支持し、当該固定部材2Bがディスプレイ室50の中扉60(図14参照)に係止固定される。前記商品載置台3Bは、商品見本80が嵌合係止される複数の係合穴311Bを備えたステージ状の上面壁31Bと、上面壁31Bの両端から下方に延在する左右側壁32B,32Bとからなる。前記固定部材2Bは、後述する図12に示すように、下面が開放した横長の箱形に形成され、前記商品載置台3Bを被せることができるように当該商品載置台3Bよりも一回り小さく形成されている。前記固定部材2Bに対して商品載置台3Bは着脱自在に設けられている。前記固定部材2Bの前面壁23Bの前面には複数の商品見本80に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報75が表示された冷温表示部材76が着脱自在に係止保持され、また、前記固定部材2Bの前面壁23Bの背面には商品価格の価格情報78をデジタル表示する価格表示ユニット77が固定されている。前記価格表示ユニット77、及び冷温表示部材76が商品情報表示部品7を構成し、この例では冷温表示部材76、及び価格表示ユニット77が左右に2分割されている。
図12はディスプレイ台1Bの分解斜視図、図13はディスプレイ台1Bの組立てを示す分解斜視図であり、これらの図を用いて各部材について更に説明する。
前記商品載置台3Bはステージ状の上面壁31Bに複数の係合穴311Bが形成され、左右側面壁32Bにはそれぞれ内側に向って突出する支持軸35Bが取付けられている。この支持軸35Bは、実施の形態2に示した支持軸35と同一であり、支持軸35Bの軸部(不図示)の上端側の周面の一部を削ぎ取って平坦面とした断面D状に形成されている。また、前記商品載置台3Bの前面壁33Bは、商品載置台3Bの左右端部に化粧金として形成され、左右の前面壁33Bの間は大きく切り欠かれて開口している。
前記商品載置台3Bとともにディスプレイ台1Bを構成する固定部材2Bは、上面壁21Bと、上面壁21Bの両端から下方に延在する左右の側壁22Bと、上面壁21Bの前後端から下方に延在する前面壁23B及び後面壁24Bにより下面が開放した横長の箱形に形成されている。前記固定部材2Bの上面壁21B及び前面壁23Bの中央部は大きく切り欠かれて開口しており、当該開口は桟211により左右に二分されている。また、前記固定部材2Bの側壁22Bには、前記支持軸35Bを嵌合支持する異形溝26Bが形成されている。この異形溝26Bは、実施の形態2に示した異形溝26と同一であり、前記支持軸35Bを回転可能に支える前半域の円弧状溝部261Bと、前記円弧状溝部261Bに連ねて後半域に形成され、前記支持軸35Bの移動を拘束して商品載置台3Bを展示位置に保持するスライド溝部262Bと、前記円弧状溝部261Bとスライド溝部262Bとの中間位置から側壁22B上縁に切欠き開口した挿脱溝部263Bとからなる。
前記固定部材2Bの前面壁23Bの下端には前方側に折り返して形成された係止部231Bを備えている。この係止部231Bは、前面壁23Bとの間に冷温表示部材76を係止保持する係止溝を形成する。また、前記固定部材2Bの前面壁23Bの左右両端部及び桟211には前記係止部231Bにより保持された冷温表示部材76が左右方向にずれるのを防止する係止突起232が形成されている。なお、前記固定部材2Bの後面壁24Bには、ディスプレイ室50の中扉60(図14参照)に設けた角穴(不図示)に引っ掛けて当該固定部材2Bを定位置に固定する係合爪25が切り起こし形成されている。
前記固定部材2Bの前面壁23Bの背面に固着される価格表示ユニット77は、図12に示すように、7セグメント型数字表示器や液晶ディスプレイからなる表示部が実装された回路基板を内蔵する横長の枠体770を備え、当該枠体770の前面に前記表示部の表示面が露出する表示窓771が形成されている。この価格表示ユニット77は、前記固定部材2Bの前面壁23Bの背面に図示を省略したねじにより固着される。
前記固定部材2Bの前面壁23Bに係止保持される冷温表示部材76は、乳白色(光透過性)のアクリル樹脂により横長帯状に形成されるとともに冷温情報75の表示領域が上下に間隔を置いて区分され、当該上下の表示領域にそれぞれ異なる冷温情報75を互いに逆さにして表示してなる。この実施の形態では、冷温表示部材76の上部の表示領域には「HOT」の文字、下部の表示領域には「COLD」の文字が互いに逆さまに表示されている。なお、図には明示されていないが、冷温情報75は、商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字が施され、商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字が施されているものである。前記冷温情報75が表示された上下の表示領域の間の中間領域は、当該冷温表示部材76を固定部材2Bの前面壁23Bに形成された係止部231Bに装着した際に前記価格表示ユニット77の表示窓771に対峙するように定められている。また、前記冷温表示部材76を固定部材2Bの前面壁23Bに形成された係止部231Bに装着した際、冷温情報75を表示する上下の表示領域のうち、下方の表示領域が係止部231Bに隠れるように定められている。
なお、ディスプレイ台1B(横長の箱形の固定部材2B)の内部には、実施の形態2と同様に、照明光源としての蛍光灯(不図示)が配設され、当該蛍光灯からの光が固定部材2Bの上面壁21Bの開口、及び商品載置台3Bの上面壁31Bに形成した係合穴311Bを介して商品見本80の内部に照射されるように構成されているものである。
次に、ディスプレイ台1Bの組立てについて説明すると、まず、図13に示すように、固定部材2Bに価格表示ユニット77を組付ける。この場合、横長の箱形の固定部材2Bの開放した下面から固定部材2Bの内部に価格表示ユニット77を挿入し、固定部材2Bの前面壁23Bの開口に価格表示ユニット77が臨むように位置決めしたうえで価格表示ユニット77を前面壁23Bの背面にねじ止めする。このように、価格表示ユニット77が組付けられた固定部材2Bをディスプレイ室50の中扉60(図14参照)に取付ける。この固定部材2Bの中扉60への取付けは、固定部材2Bの後面壁24Bに、背面側に切り起しにより形成された係合爪25を中扉60に設けた角穴に挿入係止させる。これにより固定部材2が中扉60の所定位置に固定される。次いで、中扉60に固着された固定部材2Bに対して商品載置台3Bを、前記固定部材2Bの上方から被せるように装着する。この場合、商品載置台3Bの左右側壁32Bに内側に向けて突出する支持軸35Bを固定部材2Bの異形溝26Bにおける挿脱溝部263Bに対峙させた上で、商品載置台3Bを固定部材2Bに被せる。そして、商品載置台3Bの上面壁31Bの内壁が固定部材2Bの上面壁21Bに当接すると、支持軸35Bが固定部材2Bの異形溝26Bに嵌合した状態で商品載置台3Bが固定部材2Bに一体化される。この後、商品載置台3Bを後方(中扉60側)にスライドさせると、支持軸35Bが異形溝26Bのスライド溝部262Bに移動して商品見本展示位置にセットされる。
前述したように、固定部材2Bに対して商品載置台3Bを商品見本展示位置にセットした状態で、固定部材2Bの前面壁23Bに形成した係止部231Bに冷温表示部材76を装着する。この場合、冷温表示部材76は、左端部若しくは右端部と中央部の係止突起232,232の間に位置させたうえで、係止部231Bの上方から冷温表示部材76の背面を前面壁23Bに沿わせつつ係止部231Bの保持溝に挿入する。これにより冷温表示部材76はディスプレイ台1Bの前面に係止保持される。
前述したように、固定部材2Bの異形溝26Bに支持軸35Bを嵌合させて商品載置台3Bを商品見本展示位置にセットするとともに固定部材2Bの前面壁33Aの係止部231Bに冷温表示部材76を装着したディスプレイ台1Bは、図11に示すように、商品載置台3Bに載置された複数の商品見本80を起立姿勢で展示している。そして、ディスプレイ台1Bの前面に位置する冷温表示部材76及び価格表示ユニット77によりそれぞれの商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報75及び商品価格の価格情報78が表示される。この場合、冷温表示部材76における冷温情報75を表示した上下の表示領域のうちの上方の表示領域が表示(図示の場合、「HOT」の冷温情報)され、冷温表示部材76における冷温情報75を表示した上下の表示領域の間の中間領域に価格表示ユニット77の価格情報78が表示される。前記価格表示ユニット77の価格情報78が表示される冷温表示部材76における中間領域は光透過性の乳白色に着色されているので、価格情報78が浮き上がって表示される。なお、価格表示ユニット77の表示部に商品価格の数字のみを表示する場合には、エンマーク(\)を表示した透明板を冷温表示部材76に重ね合わせて配設することができる。この場合、価格表示ユニット77に透明板に表示したエンマーク(\)を照射するLEDを設けると、冷温表示部材76における中間領域に価格情報78とともにエンマーク(\)も浮かび上がって表示される。
さて、この実施の形態3に係るシート状商品見本81を起立姿勢でディスプレイ台1Bに展示するための商品見本展示用アタッチメント6Bの基本構成は、実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6と同一である。すなわち、図12から分かるように、商品展示用アタッチメント6Bは、横長帯状の透明平板部61B及び当該透明平板部61Bの上部に連ねて形成されたレール部62Bからなるプラスチック成形品からなる。前記透明平板部61Bの上部に連ねて形成されたレール部62Bは、透明平板部61Bの上端から前方に突出する庇部610(図3の(c)参照)の略中央から上側に突出し、左右方向に延在する塀状に形成されている。レール部62Bの前面には差し込み溝611B(図11の(b)参照)が形成され、また、前記レール部62Bには複数のスリット621B・・・が形成されている。この実施の形態3に係る商品見本展示用アタッチメント6Bが実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6が商品情報デジタルディスプレイ4の化粧枠43に形成された左右の係止爪433の間の間隔に相当する横幅を有するものである、つまり、ディスプレイ台1の左右方向の略横幅に相当するものであるのに対し、前記ディスプレイ台1Bの横幅方向にn分割(n<2以上の整数)されてなる点である。具体的には、実施の形態2に係るディスプレイ台1Aと同様に、ディスプレイ台1Bの横幅方向に2分割され、ディスプレイ台1Bを構成する商品載置台3に形成された複数の係合穴311Bの1/2の係合穴311Bに対応する長さのものとして構成されている。
次に、前記商品見本展示用アタッチメント6Bのディスプレイ台1Bへの取付けについて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6Bは、その透明平板部61Bを、ディスプレイ台1Bを構成する固定部材2Bの前面壁23Bに沿って配設された商品情報表示部品7に前後に重ね合わせて装着することによりディスプレイ台1Bの前面に配備される。具体的には、商品情報表示部品7を構成するところの冷温表示部材76と固定部材2Bの前面壁23Bとの間に商品見本展示用アタッチメント6Bの透明平板部61Bを挿入し、前記冷温表示部材76と固定部材2Bの前面壁23Bにより透明平板部61Bを挟持固定する。このように、ディスプレイ台1Bに装着された商品見本展示用アタッチメント6Bのレール部62Bにシート状商品見本81が取付けられる。このシート状商品見本81のレール部62Bへの取付けは、前述した実施の形態1と同様に、シート状商品見本81の左右のスリット810、810(図3参照)をレール部62Bに形成した一対のスリット621B,621Bに差し込むことによってシート状商品見本81が位置決めされるものであり、重複する説明は割愛するが、シート状商品見本81の左右のスリット810、810をレール部62Bに形成した一対のスリット621B,621Bに差し込むことによってシート状商品見本81が位置決めされるとともに前方側に凸となるように湾曲した状態が維持されることにより薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を起立姿勢に自立させることが可能となる。このように、ディスプレイ台1Bに取付けられた商品見本展示用アタッチメント6Bのレール部62Bと商品載置台3Bの複数の係合穴311Bにシート状商品見本81と立体状の商品見本80を適宜取付けることにより、シート状商品見本81と立体状の商品見本80を同一のディスプレイ台1Bに並べて展示することができるものである。
前述した本発明の実施の形態3に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1Bと、前記ディスプレイ台1B上に展示された複数の商品見本80に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報75及び商品価格の価格情報78を表示する商品情報表示部品7(冷温表示部材76,価格表示ユニット77)とを備え、前記商品情報表示部品7(冷温表示部材76,価格表示ユニット77)をディスプレイ台1Bの前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台1Bの前面に配設されて当該ディスプレイ台1Bに係止固着される横長帯状の透明平板部61B、及び当該透明平板部61B上部に連ねて形成され、薄い平板からなるシート状商品見本81の下部に上下方向に延在するとともに下方に開放した二つのスリット810,810が差し込まれる左右方向に延在する塀状のレール部62Bを備え、当該レール部62Bに前記シート状商品見本81の二つのスリット810,810間の幅寸法よりも小さい幅寸法で前記各シート状商品見本81のスリット810,810と相互に係合するスリット621B,621Bを形成してなる商品見本展示用アタッチメント6Bを設け、当該商品見本展示用アタッチメント6Bの透明平板部61Bを前記商品情報表示部品7(冷温表示部材76,価格表示ユニット77)に前後に重ねて装着したことにより、シート状商品見本81を展示する商品見本展示用アタッチメント6Bを立体状の商品見本を展示するディスプレイ台1Bに追加装備することができるので、立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つのディスプレイ台1Bに混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメント6Bのレール部62Bに形成したスリット621B,621B間の幅寸法がシート状商品見本81のスリット810,810間の幅寸法よりも小さいことから、前記商品見本展示用アタッチメント6Bのレール部62Bに形成したスリット621B,621Bにシート状商品見本81のスリット810,810を差し込んで相互に係合させることによりシート状商品見本81が強制的に左右方向に湾曲させられる。したがって、薄い平板からなるシート状商品見本81の剛性を高めることができ、これによりシート状商品見本81を起立姿勢に維持することができる。また、ディスプレイ台1Bの前面側に配設された価格表示ユニット77に重ねて当該ディスプレイ台1B上に展示された複数の商品見本に対応する商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報75を表示する冷温表示部材76を備えた既設の自動販売機にも商品見本展示用アタッチメント6Bを簡単に追加装備することができるという効果を有するものである。