JP5727425B2 - ポリマー溶液の濾過方法、装置及びポリマー精製方法並びに溶液製膜方法 - Google Patents

ポリマー溶液の濾過方法、装置及びポリマー精製方法並びに溶液製膜方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリマー溶液を濾過助剤により濾過する濾過方法、装置及びポリマー精製方法並びに溶液製膜方法に関するものである。
液晶ディスプレイ等の各種表示装置には、偏光板の保護フィルムや視野角拡大フィルムをはじめとする様々なポリマーフィルムが使用されている。このような光学用途のポリマーフィルムの製法としては、溶融製膜方法、溶液製膜方法などがある。溶液製膜方法では、ポリマーと溶媒とを含むポリマー溶液(以下、ドープと称する)を、走行する支持体上に流延して流延膜を形成した後、流延膜を支持体から剥ぎ取り、乾燥してフィルムとする方法であり、溶融製膜方法のような熱ダメージの問題がない。したがって、透明度の高さや光学特性が求められるポリマーフィルムの製造方法としては最適である。
ところで、ドープの中には、ドープの溶媒に不溶な異物であって、元々ドープの原料に含まれていたものや、ドープを調製する際に混入したゴミや埃等の不純物が含まれている。ただし、不純物を含むドープを使用すると、支持体上に不純物が汚れとして析出し、支持体から流延膜を剥ぎ取ることが困難となる他、完成したフィルムでは不純物のところで光の散乱を生じる等の問題を引き起こす。このため、流延に供する前に、ドープ中の不純物をできる限り取り除く必要がある。
そこで、通常、溶液製膜方法では、ドープ中の不純物を取り除くことを目的として、流延する前のドープを多孔質の濾材で濾過する。濾材としては、濾紙や金属フィルタ、濾布等が使用される。しかし、いずれの濾材も濾過開始から時間が経つほど通液孔が閉塞し、濾過時間が長引いたり、濾圧の上昇や濾過流量が減少し濾過効率が低下したりするという問題を抱える。
また、濾紙や金属フィルタ、濾布等のような濾材を使用するだけでは、溶媒に対して難溶性を示す不純物を取り除くことが難しい。そこで、例えば、特許文献1では、濾材の他に濾過助剤を使用することにより、難溶性の不純物を取り除く助剤濾過方法が提案されている。濾過助剤としては、例えば二酸化珪素(SiO)などの不活性な粒又は粉末が用いられる。この濾過助剤は金網フィルタ等の濾材支持体の上にランダムに堆積させて使用される。このような堆積層が形成された濾材にドープを通過させると、難溶性であるか否かに係わらず不純物を濾過助剤に吸着させて回収することができるので、清澄度の高い良ドープが得られる。この他にも、濾過助剤を使用すれば、濾材の目詰まりを抑えることができるので生産性の向上が見込まれる。
特開2009−214057号公報
濾過助剤を用いる濾過方式では、濾過時の濾過圧力の急激な変動により、助剤が支持体から剥がれて、下流へ流れ、異物故障の原因となる。したがって、濾過圧力の変動は極力抑えたいという要請がある。このため、濾過開始時から定常状態になるまで、または定常状態から濾過停止時までの間、濾過圧力の変動を抑えるため、濾過流量を穏やかに上昇させる必要がある。この結果、この工程に要する時間が長くなるという不都合があり、効率の良い濾過が行えないという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するものであり、濾過開始や終了時等の過渡期に濾過圧力の変動を抑えて、濾過助剤が下流へ流れて異物故障が発生することがないようにしたポリマー溶液の濾過方法、装置及びポリマー精製方法並びに溶液製膜方法を提供することを目的とする。
本発明のポリマー溶液の濾過方法は、濾過助剤を有する濾過器を用いて、ポリマー及び溶媒を含むポリマー溶液を濾過する濾過方法であって、前記濾過器の上流側で前記ポリマー溶液に前記溶媒を添加して粘度を下げ、前記濾過器の圧力損失の変動を一定範囲内に抑える溶媒添加工程と、前記濾過器に送られる前記ポリマー溶液の温度がT1からT2(T1<T2)になるように前記ポリマー溶液を加熱して前記ポリマー溶液の粘度を漸減する加熱工程と、前記加熱工程による前記ポリマー溶液の粘度の低下分に対応させて前記溶媒添加工程の溶媒添加量を漸減する溶媒添加漸減工程とを有することを特徴とする。
本発明のポリマー精製方法は、ポリマーを溶媒に溶解させてポリマー溶液を得る溶解工程と、上記ポリマー溶液の濾過方法を用いる濾過工程と、ポリマ及び溶媒と非相溶性であり、溶媒の沸点以上に加熱されている液体に、濾過工程を経たポリマー溶液を散布し溶媒を乾燥させポリマーを析出するポリマー析出工程とを含むことを特徴とする。
なお、溶解工程では、ポリマー溶液濃度を2質量%以上19質量%以下とすることが好ましい。また、濾過工程は、絶対濾過精度が2μm以上30μm以下の助剤濾過を行うことが好ましい。また、溶媒は単一溶媒であることが好ましい。また、ポリマーがセルロースアシレートであり、溶媒がメチレンクラロイドであり、液体が水であることが好ましい。さらに、ポリマー析出工程では、セルロースアシレート溶液の温度が20℃以上120℃以下であり、水が40℃以上100℃以下であることが好ましい。
本発明の溶液製膜方法は、上記ポリマー精製方法により得られた析出ポリマーを溶媒に溶解させてポリマー溶液を作る溶解工程と、この溶解工程から得られたポリマー溶液に対し、添加剤を混合した添加剤液をインライン添加する添加工程と、添加剤液が添加されたポリマー溶液を流延ドープとして流延ダイから流延支持体に流し流延膜を形成する流延工程と、流延膜を流延支持体から剥がして乾燥する乾燥工程とを有することを特徴とする。
本発明の濾過装置は、濾過助剤を有する濾過器を用いて、ポリマー及び溶媒を含むポリマー溶液を濾過する濾過装置であって、前記濾過器の上流側で前記ポリマー溶液に前記溶媒を添加して粘度を下げ、前記濾過器の圧力損失の変動を一定範囲内に抑える溶媒添加ユニットと、前記濾過器に送られる前記ポリマー溶液の温度をT1からT2(T1<T2)になるように加熱器により加熱して前記ポリマー溶液の粘度を漸減し、前記加熱器による前記ポリマー溶液の粘度の漸減分に対応させて前記溶媒添加ユニットにおける溶媒添加量を漸減するコントローラとを有することを特徴とする。
本発明によれば、濾過開始から定常状態まで、または定常状態から濾過停止までの濾過圧力の急激な変動を抑え、濾過助剤のポリマー溶液中への流出を無くすことができる。また、濾過開始時または終了時の濾過処理量を向上させ、効率良い濾過処理が行える。効率の良い濾過処理により、ポリマーの精製や溶液製膜を効率良く行うことができる。
本発明のポリマー精製設備の概略を示す側面図である。 濾過器の濾材を示す断面図である。 溶媒添加ユニット及びスタティックミキサの概略を示す斜視図である。 高分子溶液におけるドープ濃度と粘度との関係の一例を示すグラフである。 圧力損失と固形分処理量との関係を説明するためのグラフである。 ドープ温度及び溶媒添加量を変化させない状態での濾過器の濾過開始処理におけるドープ流量、圧力損失、ドープ温度、溶媒添加量の推移を示すグラフである。 ドープを徐々に加熱させた状態での濾過器の濾過開始処理におけるドープ流量、圧力損失、ドープ温度、溶媒添加量の推移を示すグラフである。 ドープを加熱させつつ溶媒添加量を漸増させた状態での濾過器の濾過開始処理におけるドープ流量、圧力損失、ドープ温度、溶媒添加量の推移を示すグラフである。 析出器及び振動フルイの概略を示す側面図である。 溶液製膜設備の概略を示す側面図である。 ダイナミックミキサを示す断面図である。
図1に示すように、ポリマー精製設備5は、溶解タンク6と、ドープ供給管路7と、析出器8、振動フルイ9、熱風乾燥機10、粉砕機19を備えている。ドープ供給管路7は、切換弁7a、ポンプ11、濾過器12、溶媒添加ユニット13、スタティックミキサ14、圧力調節弁7bを有する。
溶解タンク6には、原料ポリマーとしての原料セルロースアシレート(以下、原料CAという)17が投入される。また、溶解タンク6には、溶媒供給管路15を介して溶媒貯留タンク16が接続されている。この溶媒貯留タンク16には溶媒としてのメチレンクラロイド18が貯留されている。そして、溶媒貯留タンク16から溶媒供給管路15により、溶解タンク6にメチレンクラロイド18が投入される。溶解タンク6は攪拌機6aを有する。この攪拌機6aによって、原料CA17のメチレンクラロイド18への溶解が促進され、原料CA17がメチレンクラロイド18に溶解したポリマー溶液(ドープ)21を作る。ドープ21における原料CA17の濃度(ポリマー溶液濃度)は例えば7質量%である。このドープ濃度は2質量%以上19質量%以下であり、好ましくは5質量%以上14質量%以下である。ドープ濃度が2質量%未満では溶媒除去コストが高くなり好ましくない。また、19質量%を超えると粘度が高く、濾過による圧力損失が高くなり好ましくない。
溶解タンク6では、ジャケット6bによる加熱・保温効果により、ドープ21の温度を例えば120℃に保持する。なお、希薄ドープ21は溶解タンクで加熱する他に、溶解タンク6の下流側に別途加熱装置を設けて、希薄ドープを所定温度に加熱してもよい。この希薄ドープ21の温度は20℃以上120℃以下であることが好ましい。希薄ドープ21の温度が20℃未満では冷却が必要となり、また蒸発に必要なエネルギが大きくなり好ましくない。また、120℃を超えると一般に配管素材の腐食が発生し易くなり、好ましくない。希薄ドープ21の設定温度例えば120℃の維持は、圧力調節弁7bまでであり、後述するように第1ノズル25から噴出された状態では40℃付近となる。得られたドープ21はドープ供給管路7の濾過器12に送られる。
濾過器12では、送られてきた希薄ドープ21から、例えば5μm程度の異物を取り除く。濾過器12は助剤濾過方式であり、絶対濾過精度は2μm以上30μmの範囲内で、最終製品、例えば光学フィルムの用途や使用部位に応じて絶対濾過精度が決定される。なお、絶対濾過精度5μm以下とは、99.9%以上除去可能なサイズが5μmであることを意味する。
図2に示すように、濾過器12内の濾材12aは、金網フィルタ12b,濾過助剤12cの堆積層12dから構成されている。使用前の濾過器12内は単に金網フィルタ12bがあるだけであり、このままの状態では濾過が行えないため、金網フィルタ12b上に一定厚みの堆積層12dを形成する。この初期の堆積層12dがプレコート12eとなる。このプレコート12eを形成するには、図示しないプレコート液循環部によって、一定時間プレコート液を濾過器12内に循環させる。ドープ21は、この濾材12aを通過するときに、不純物などの異物21aが濾材12aによって捕捉される。
図1に示すように、濾過器12に対してドープ供給管路7の上流側には、溶媒添加ユニット13及びスタティックミキサ14が直列に配されている。図3に示すように、溶媒添加ユニット13は、ドープ供給管路7内に配置される添加ノズル13aを有する。添加ノズル13aは偏平に絞られたノズル口13bからメチレンクラロイド18をドープ21中に送り込む。
スタティックミキサ14は、ドープ供給管路7の流路14a内に配される第1エレメント14bと、第2エレメント14cが複数個直列に配されて構成される。第1エレメント14bと第2エレメント14cは、混合の角度や向きを変えた異種エレメントから構成されている。なお、異種エレメントの種類や直列配置個数は適宜変更してよい。これら各エレメント14b,14cを通過することにより、ドープ21にメチレンクラロイド18が均一に混合され、ドープ21の濃度が下げられる。
次に、濾過器12における圧力損失について説明する。層流に対する圧力損失を現すハーゲン・ポアゾイユの式を濾過器12における圧力損失に適用することは十分理に適っている。このハーゲン・ポアゾイユの式を、以下に示す。
Ff=(ΔPf/ρ)=32・μ・L・u/(ρ・D
なお、Ffは摩擦エネルギ損失流量、ΔPfは圧力損失、ρは流体の密度、μは粘度、Lは経路長さ、uは平均流速、Dは経路断面積である。このハーゲン・ポアゾイユの式によれば、濾過時の圧力損失ΔPfは、粘度μと平均流速uとに比例することが判る。すなわち、本式を用いた場合、フィルタでの圧力損失ΔPfは、使う濾過器形状が決まれば(=L,D)、後は、温度と濃度の関数である粘度μと、流速(=流量)uで決まる。流体密度ρはほぼ一定であり、本件では無視することができる。したがって、流速uを上げていくことに対して、反対に流体密度ρを下げてやれば、助剤漏れを引き起こすフィルタ圧力損失ΔPの変動をなくすことができる。
図4は、一般的な高分子溶液における、ドープ濃度と粘度μとの関係の一例を示している。多くの高分子溶液では、ドープ濃度が上がることで粘度μも指数関数的に上昇する。したがって、希釈ドープ21の濃度を例えば、8質量%から4質量%に低下させると、粘度は「16」から「4」へと低下し、低下前の値に対して1/4となる。
図5は圧力損失ΔPと固形分処理量との関係を示すグラフである。圧力損失ΔPは濾過寿命を決定する重要な因子である。この圧力損失ΔPを制約と考えた場合は、低濃度ほど処理量が増加する。圧力損失ΔPは、上記したように粘度μ×流量の関数で表される。また、固形分処理量は固形分濃度×流量の関数で表される。さらに粘度μは固形分濃度の2乗の関数となる。したがって、図4に示すように、固形分濃度を半分、例えば8質量%から4質量%に低下させると、粘度μは1/4となる。図5に示すように、圧力損失ΔPが例えば「8」のときに、流量は4倍、固形分濃度は半分となるので、固形分処理量は、ドープ濃度8質量%のものが「4」であるのに対し、ドープ濃度4質量%のものが「8」であり、固形分処理量としては2倍になる。このように、同じ圧力損失でも希釈ドープの濃度を低くすることで、固形分処理量が大幅に増加し、処理量の向上が望めることが判る。なお、図5における圧力損失ΔPは、ドープ濃度が4質量%の処理量を1とし、これを基準にして数値化している。また、図4における粘度μも、ドープ濃度が2質量%のときを1として、これを基準にして数値化している。
なお、従来の濾過方法では、助剤漏れと濾過効率との観点から、以下のような二通りの方法が選択可能である。
(1)図6(A)に実線L1で示すように、助剤漏れを許容して濾過を実施し、処理量を増やす。
(2)図6(A)に破線L2で示すように、助剤漏れを起こさないようにするために、処理量を犠牲にして低流量期間を長くし、濾過を実施する。
上記(1)の助剤漏れを許容して濾過を実施する場合には、流量Q1が早期に立ち上がるため、処理量が大となる。しかし、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP1/t0が大きくなり、助剤漏れが発生しやすいこと、後段に高精度フィルタが必要となるため、設備投資が高額になること、メンテナンス代が嵩むこと、スタートアップ時の処理量が増えてしまうこと等の不利益が発生する。
上記(2)の処理量を犠牲にする場合には、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP2/t0が小さいため、助剤漏れが発生しない利点があるものの、所定流量Q1になるまで流量Qが低い状態が続くため、処理量が少なくなり、スタートアップ時間が長くなる。このため、生産能力が低下する不利益がある。なお、図6においては、ドープ温度は一定であり、溶媒も添加することはなく「0」である。
そこで、本発明では、圧力損失ΔPがハーゲン・ポアゾイユの式で整理できることに着目し、以下のような制御を行うことにより、圧力損失ΔPを一定範囲内として、助剤漏れを無くしつつ、効率の良い濾過処理を行っている。ハーゲン・ポアゾイユの式において、圧力損失ΔPを一定とするためには、流体の平均流速uと粘度μとの積u・μを一定とすれば良い。そして、高生産性のためには、図7に示すように、ドープの温度を上げることによる粘度μの低下分に対応させて、平均流速uを上げる方法と、図8に示すように、ドープの温度を上げると共に溶媒添加を実施して、平均流速uを上げる方法とがある。
図7は、希薄ドープの温度を上げることにより、その粘度μを下げ、この粘度低下分に対応させて平均流速uを上げて、濾過効率を上げている。流量Qを目標値Q1まで上げるための第1段階では、ドープ温度を効率の観点から例えばフル能力で上昇させる。このとき、圧力損失ΔPの時間変化である圧力損失変化量ΔP3/t0を監視しながら温度上昇を行う。なお、図6及び図7では、溶媒は添加していないためドープ密度ρは一定になり、流量Qと圧力損失ΔPの推移は略同じである。
図7(C)は時間経過による希釈ドープの温度変化を示している。ドープ温度の上昇の上限は、以下を考慮して決定する。先ず、設備能力を上げ過ぎると、投資コストが大きくなり、好ましくない。また、熱源温度を上げ過ぎると、高分子溶液が沸騰し、固形分の析出や、泡発生などの問題が発生することがあり、好ましくない。このため、両者を考慮して、適正な値に決定する。
図7に示すように、温度だけを上げる場合には、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP3/t0が小さい。同時に単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP3/t0を許容範囲に収める制御を行う。実際には、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP3/t0を計測して、許容できない値であれば、流速の上昇速度を減少させる制御を行う。この実施形態の場合には、処理量は中程度となるが、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP3/t0が小さいため、助剤漏れは無くなる。
図8は、希釈ドープの温度Tを上げる他に、希釈ドープに溶媒を添加して、粘度μを低下させ、この粘度低下分に対応させて平均流速uを上げて、濾過効率を上げている。希薄ドープの温度上昇の他に、溶媒を添加してドープ濃度を下げることにより、希薄ドープの粘度μが更に低下する。流量Qを目標値Q2まで上げるための第1段階では、温度をフル能力で上昇させると共に、溶媒添加量を増やす。温度は上昇を続け、それ以上に粘度低下が必要な分に対しては、溶媒添加量を増やす。
ドープ流量Qが一定(=Q2)になった第2段階でも、ドープ温度Tは上昇を続ける。溶媒添加量が一定では、希薄ドープの粘度μが低下し、圧力損失ΔPが下がる。したがって、この圧力損失ΔPが下がる分だけ溶媒添加量Xを徐々に少なくしていく。そして、第2段階の終わりには、ドープ温度Tは最大値T3まで到達する。その後の第3段階では、徐々に溶媒添加量Xを下げていくことにより、圧力損失ΔPの上昇速度を制御する。
この図8における実施形態では、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP4/t0が小さいため、濾過助剤の漏れは発生することがない。実際には、希薄ドープの加熱による温度上昇を一定にし、流速も一定で上げていく。そして、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP4/t0の上昇を計測して、許容することができない上昇である場合に、溶媒添加量を増減して制御範囲内に収める。なお、図7の最終的な圧力損失ΔP3に比べて、図8に示す最終的な圧力損失ΔP4が高くなっているものの、変化量が重要であり、最終的な圧力損失ΔP4が高いこと自体はそれほど問題にはならない。
濾過開始処理では、濾過器12にドープ21が送られて濾過が開始される。なお、濾過開始前のプレコート処理では、濾過器12にプレコート液が供給されることにより、図2に示すように、金網フィルタ12bに濾過助剤12cがランダムに堆積して堆積層12dが形成される。この堆積層12dの初期状態がプレコート12eとなる。
図1に示すように、コントローラ23はポンプ11の回転数を調節してドープ21の流量Qを調節し、図8(A)に示すように、濾過開始時にはドープ流量Qを「0」から所定量Q2になるように漸増させていく。また、温度調節器23bを制御してドープ21を加熱し、図8(C)に示すように、その温度Tを徐々に上げていく。さらに、流量調節弁23aを制御してドープ21のメチレンクラロイド18の添加量Xを漸増する。そして、ドープ流量Qが目標値である一定値Q2に達した時点で、温度加熱分による粘度低下に相当する分だけメチレンクラロイド18の添加量Xを漸減していく。これにより、濾過開始処理から定常処理に移行することができる。
コントローラ23における制御パラメータとしては、ドープ流量、ドープ温度、溶媒添加量がある。全てを制御しながら運転しても良いが、簡単な制御とするためには、メチレンクラロイドの沸点が40℃であり、温度に制約があり、添加量に制約が無いとして、制御を行うことが好ましい。
運転の開始前には、初期設定が行われる。初期設定では、濾過の流量増加速度、ドープの加熱速度、及び溶媒添加量が設定される。濾過の流量増加速度は、生産性を考慮して決定される。この流量増加速度が低すぎると、本方式を用いる利点が無くなる。高すぎると、溶媒添加量が増加し過ぎ、溶媒除去工程でのエネルギロスが大きくなる。したがって、流量増加速度は、エネルギ効率や生産性の観点から最適値が決定される。ドープの加熱速度は、設備規模から決定される。例えば、溶媒の沸点、ポリマー変性を許容する範囲でドープの加熱速度は大きく設定される。溶媒添加量はエネルギ効率や生産性の観点から最適値が設定される。
初期設定後に、プレコート処理が行われる。プレコート処理では、図示省略のプレコート形成ラインから濾過助剤12cが送られて、図2に示すように、濾過助剤12cが金網フィルタ12b上に堆積することにより、プレコート12eが形成される。このプレコート処理後に、濾過が開始される。
濾過処理では、先ずドープ温度が一定速度で上げられる。そして、この加熱中に、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP4/t0を一定時間毎に求める。この圧力損失変化量ΔP4/t0が一定範囲を超えてしまうと、助剤漏れが発生する。このため、図8(C)に示すように、助剤漏れを抑えるように、溶媒を添加する。
表1は、圧力損失変化量ΔP4/t0(Mpa/h)を変化させたときの結果を表している。この表1中で、「◎」は目視による助剤漏れが無い場合を、「○」は目視による助剤漏れが有るが、十分許容内である場合を、「△」は目視による助剤漏れがあり、次工程の濾過負荷が上昇するものの、ぎりぎり許容範囲内である場合を、「×」は助剤漏れがあり、濾過効果がない場合をそれぞれ意味している。この表1から、圧力損失変化量ΔP4/t0が0.8Mpa/hを超えると、助剤漏れが発生する。そのため、助剤漏れが多少残るものの、次工程の濾過負荷を上げることが無い0.6Mpa/h以下にすることが好ましい。また、0.5Mpa/h以下であると、次工程の濾過負荷が無く好ましい。さらに、0.4Mpa/h以下であると、目視観察ではあるが、助剤漏れの発生が確認されなかった。
Figure 0005727425
以上のようにして、濾過開始処理を終了し、定常状態に移行すると、その後はこの定常状態を維持しつつ、濾過処理が行われる。ポリマー精製設備5を停止する場合には、濾過停止処理が行われる。この濾過停止処理では、図8とは時間経過を逆にしたパターンにより、ドープ温度と溶媒添加量が制御されて、単位時間当たりの圧力損失変化量ΔP4/t0が一定となるようにして、ドープ流量を漸減させて「0」にする。このようにして濾過停止処理が行われることにより、濾過処理量を減らすことなく、且つ濾過助剤漏れを無くして、濾過を効率良く停止させることができる。
濾過定常処理において、濾過助剤12cで捕捉された異物21aの堆積等により濾過圧力が高くなり濾過限界に達したときには、図示しない助剤回収ラインにより濾過器12から濾過助剤12cが回収される。また、濾過器12内が溶媒にて洗浄される。その後、図2に示すように、プレコート形成ラインから新たな濾過助剤12cが送られて、濾過助剤12cが堆積することにより金網フィルタ12b上にプレコート12eが形成される。このプレコート12eの形成後に、濾過開始処理が行われる。なお、濾過終了後の助剤回収やプレコート12eの形成は例えば特開2009−66569号公報などに詳しく説明されており、その説明は省略する。
以上のように、本発明の濾過方法では、濾過開始から定常状態に移行するまでや、定常状態から濾過停止や濾過終了するまでの間の濾過方法において、ドープ21の粘度に着目し、粘度を変化させる要因であるドープ21の温度や、ドープ21への溶媒添加量を制御することにより、濾過処理量を増やしつつ、濾過助剤12cの漏れがなく濾過を開始したり、終了したりすることができる。
上記のようにして本発明の濾過器12で濾過されたドープ21は、析出器8に送られて、ここでドープ21中のポリマーが析出される。図9に示すように、析出器8は内部の気体及び液体が外部に洩れ出ることがない密閉タイプであり、例えば横型の円筒タンクが用いられる。析出器8の内部には、ドープ21中のメチレンクラロイド18を蒸発させるために、メチレンクラロイド18の沸点以上の温度に保持された温水22が貯留されている。
析出器8の底部には不活性ガス(空気や窒素など)の排出ノズル24が配されている。排出ノズル24へ送られる不活性ガスの温度は、20℃以上100℃以下に保持されている。この排出ノズル24から排出される不活性ガス中に、水への難溶解成分であるメチレンクラロイドが放散される。初期の不活性ガス気泡中のメチクロ濃度は0であり、これに対して水中のメチクロ濃度が高い場合、この濃度差を駆動力として、水と気泡の境膜を通じ、メチレンクラロイドが水から気泡へと移動する。そして、気泡温度が高いほど、気泡中の飽和蒸気圧は高くなるので、移動しうるメチレンクラロイド量が増加する。結果として希薄ドープ21中のメチレンクラロイド18の蒸発が促進され、効率が向上する。なお、不活性ガスの温度が100℃を超えると、水が沸騰する懸念があり、その結果蒸気中の水割合が増加するため、100℃以下とする。
析出器8に供給される温水22の温度は、40℃以上100℃以下であることが好ましい。40℃未満では、メチレンクラロイドが蒸発せず、ポリマーの析出が不可能となる。また、100℃を超えると水を液体状態に保つため与圧運転が必要となり、いずれも好ましくない。
析出器8の内面上部には、第1ノズル25及び第2ノズル26が配される。また、析出器8内部には攪拌翼27が配される。攪拌翼27は回転軸27aに複数の翼体27bを固定して構成されている。この攪拌翼27は、回転軸27aが水平になるように析出器8内に取り付けられる。回転軸27aの一端は析出器8から外部に出ており、これにモータ29が連結されている。そして、モータ29の回転によって、攪拌翼27を回転させ、析出器8内の温水22を攪拌し、水面温度が一定になるように保持する。
攪拌翼27の回転軸27aは、1本であっても複数本であってもよい。複数本の場合には、隣接するもの同士で回転方向を変えてもよく、同一方向でもよい。そして、温水22が水面近くで排出口8aに向かって流れるようにすることが好ましい。なお、攪拌翼27の配置方向や攪拌翼の型式は図示例のものに限定されることなく、要は析出器8内の温水22を攪拌することができるものであればよい。
図1に示すように、第1ノズル25にはドープ供給管路7が接続されている。これにより、第1ノズル25からはドープ21(図9参照)が噴射され、水面に向かって散布される。圧力調節弁7bから析出器8の第1ノズル25までの配管は短く形成されており、ドープ21が析出器8内で安定的にフラッシュ蒸発される。なお、第1ノズル25は1本のみ配されているが、配置本数は1本に限らず適宜増やしてよい。
第2ノズル26には温水供給管路28が接続されている。図9に示すように、第2ノズル26は、析出器8の長手方向に配されたノズルヘッド26aと、このノズルヘッド26aに所定ピッチで配される複数のノズル本体26bとから構成されている。温水供給管路28は、温水貯留タンク39からの温水22を第2ノズル26に送る。これにより、第2ノズル26からは温水22が噴射され、水面に向かって散布される。
第1ノズル25によるドープ21及び、第2ノズル26による温水22の散布は、円筒タンクの幅方向に均一に行うことが好ましい。これにより、セルロースアシレートの析出を効率良く行うことができる。
図1に示すように、温水供給管路28は、必要に応じて適宜に設けられる切換弁28aの他に、ポンプ28b、濾過器28c、逆止弁28d、温度調節器28eを有する。ポンプ28bは回転数が調整されることにより温水の流量を調節する。濾過器28cは温水22から異物を濾過する。温度調節器28eは、温水貯留タンク39で温度調節された温水の最終的な温度調整を行う。これにより、第2ノズル26からは適温に加熱された温水22(図9参照)が所定の流量で水面に向けて噴射される。
図9に示すように、第1ノズル25から噴射されたドープ21は析出器8内の温水22に接触する。温水22はメチレンクラロイド18の沸点以上に加熱保持されている。このため、温水22に接触したドープ21中のメチレンクラロイド18は、温水22による加熱によって瞬時に蒸発し、原料CA17が例えば糸状に析出し、析出セルロースアシレート(以下、析出CAという)30となる。本実施形態では、水面の上方からも、メチレンクラロイド18の沸点以上に加熱(例えば80℃)された温水22が第2ノズル26から散布されて、ドープ21中のメチレンクラロイド18の蒸発を促進させている。
析出器8の一端には、析出CA30の排出口8aが開口している。排出口8aに向かって析出CA30が進むように、攪拌翼27の回転によって、水面近くの温水22は排出口8aに向かって流れる。また、第2ノズル26の複数のノズル本体26bは、噴出方向が析出CA30の排出方向に向かうように、傾けて配される。したがって、第2ノズル26から噴射された温水22による押し出しによっても、析出CA30は排出口8aに向かって送り出される。
排出口8aの下方には、振動フルイ9が配されている。析出器8で析出された析出CA30は、排出口8aから温水22と一緒にオーバーフローして、析出器8から振動フルイ9に排出される。振動フルイ9では、フルイ本体9aで析出CA30を受ける。温水22はフルイ本体9aを通過して、温水回収樋9bに流れる。そして、水回収管路38により温水貯留タンク39(図1参照)に戻される。
フルイ本体9aは振動機構9cにより振動されている。このフルイ本体9a上で析出CA30は水分が振るい落とされ、スクイズローラ33に向けて振動により送り出される。スクイズローラ33,34は、析出CA30を上下方向から挟持し、水分を搾り取る。なお、スクイズローラ33,34は2個設けているが、これら1個または3個以上であってもよい。
この水分は温水回収樋9b、水回収管路38を経て温水貯留タンク39(図1参照)に戻される。
図1に示すように、水回収管路38は、切換弁38a、ポンプ38b,濾過器38c、逆止弁38dを有する。濾過器38cで温水22に含まれる異物が濾過されると、この温水22は温水貯留タンク39に戻される。
析出器8と振動フルイ9とは、同一密閉タンク8b内に配される。これら密閉タンク8bには溶媒回収管路55が接続されている。溶媒回収管路55を介し回収されたメチレンクラロイド18は、図1に示すように、コンデンサ56、分離槽57を経て、溶媒貯留タンク16に戻されて、循環使用される。同様にして、後述する熱風乾燥機10及び粉砕機19にも溶媒回収管路55が接続されており、溶媒回収管路55を介して、メチレンクラロイド18が循環使用される。
スクイズローラ34を出た析出CA30はガイド板35で案内されて、ロータリーバルブ40に送られる。ロータリーバルブ40は、シリンダ40a内に複数枚のバルブプレート40bを有し、このバルブプレート40bの先端がシリンダ40aの内壁に密着して回転することにより、析出CA30の分断と密閉タンク8bの密閉性を確保する。ロータリーバルブ40を出た析出CA30は、熱風乾燥機10に送られる。
熱風乾燥機10はロータリーバルブ40により送られた析出CA30を熱風にて乾燥させる。乾燥された析出CA30は、粉砕機19に送られて、粉砕され、一定サイズの塊にされる。粉砕後の析出CA30はフレコンバッグ20に袋詰めされる。
図1に示すように、温水貯留タンク39は、ヒータ39a、ジャケット39b、攪拌機39cを有する。ヒータ39aは温水貯留タンク39内の温水22を一定温度に加熱する。ジャケット39bには、熱媒体が循環されており、温水貯留タンク39内の水を一定温度に保持する。また、温水貯留タンク39の温水22が一定量以下になると、純水貯留タンク60から給水管路51により温水貯留タンク39に一定量の温水22が補充される。給水管路51は、切換弁51a、ポンプ51b、純水用濾過装置51cを有する。純水用濾過装置51cは、温水22中の不純物を濾過する。
本実施形態で用いるメチレンクラロイド18は、環境負荷とヒトへの毒性の懸念からPRTP(Pollutant Release and Transfer Register)法により、利用と廃棄が監視される物質である。このため、工場建屋内から屋外への排出は避けなければならない。したがって、建屋を例えば二重構造にして密閉性を高める他に、各機器から漏れるメチレンクラロイドガスを極力少なくする必要がある。このため、本実施形態では、メチレンクラロイド18を密閉した循環系の中でのみ流通させている。そして、析出器8、振動フルイ9、熱風乾燥機10、粉砕機19、温水貯留タンク39は個々に密閉されている。そして、この密閉された各機器8〜10、19、39に対して溶媒回収管路55を接続し、循環系で再度利用するようにして、メチレンクラロイドガスが外部に洩れるのを防いでいる。
析出器8、振動フルイ9、熱風乾燥機10、粉砕機19、温水貯留タンク39の内部で蒸発したメチレンクラロイド18は溶媒回収管路55を介してコンデンサ56に送られる。溶媒回収管路55は、切換弁55a、ポンプ55bを有する。溶媒回収管路55から送られるメチレンクラロイド18は、後に説明するように水と分離されて、再度、循環して使用される。
なお、図示は省略したが、建屋や、各機器の設置スペースは密閉された空間として仕切られている。そして、各仕切り単位毎にメチレンクラロイドガスを回収し、吸着塔などにより吸着回収する。このため、各機器8〜10,19,39からメチレンクラロイドガスが洩れた場合でも、最終的には捕捉され、建屋の外部に放出されることはない。
コンデンサ56では、各機器8〜10,19,39から送られてきた蒸気とメチレンクラロイドが混合された気体を例えば冷水と熱交換して凝集し液化する。凝集された液体は分離槽57に送られる。分離槽57は比重により、液体をメチレンクラロイド18と温水22とに分離する。そして、メチレンクラロイド18は下層に、温水22は上層に位置する。このため、分離槽57はジャケット57a及び切換弁57bを有する。ジャケット57aには、温度制御媒体として例えば水が循環されており、メチレンクラロイド18及び温水22を適正な温度で保持する。
分離槽57で分離された温水22は純水貯留タンク60に、メチレンクラロイド18は溶媒貯留タンク16にそれぞれ送られて貯留される。
析出器8に供給される温水22は温水貯留タンク39に貯留されている。温水貯留タンク39はジャケット39bを有し、温度制御媒体の流通により、一定温度に保持される。温水貯留タンク39からの水は、温水供給管路28により、析出器8内の第2ノズル26に送られ、この第2ノズル26によって水面に向けて散布される。そして、温度調節器28eによって温水22の温度が調節される。また、ポンプ28bの回転数を制御することによって温水22の流量が調節され、析出器8内の水面が一定位置に保持される。
次に、本実施形態の作用を説明する。図1に示すように、析出CA30を製造するときには、溶解タンク6に原料CA17とメチレンクラロイド18とが入れられて攪拌機6aにより攪拌され、例えばポリマー溶液濃度が7質量%のドープ21が作られる。このドープ21は濾過器12を通り、圧力調節弁7bで圧力が一定に調節されて、析出器8の第1ノズル25に送られる。本実施形態では、ドープ21の濃度を7質量%としているので、濾過負荷が少なく、高性能濾過が可能になる。
図9に示すように、第1ノズル25からは、析出器8内の水面に向けてドープ21が噴射され、水面に拡散される。温水22の温度はメチレンクラロイド18の沸点よりも高い温度に設定されている。したがって、水面に接触したドープ21中のメチレンクラロイド18が温水22からの熱によって瞬時に蒸発し、糸状の析出CA30が得られる。この析出CA30は第2ノズル26からの温水シャワーによっても、効率良くメチレンクラロイド18が蒸発させられる。また、攪拌翼27と第2ノズル26からの温水22の噴射によって、析出CA30は排出口8aに送られる。
排出口8aに温水22が達すると析出CA30と一緒に温水22はオーバーフローし、振動フルイ9に落下する。析出CA30はフルイ本体9aで掬われて、ロータリーバルブに向けて送り出される。また、フルイ本体9aを通過した温水22は、9bにより回収される。
以上のようにして、原料CA17から異物等が取り除かれた析出CA30が得られる。この析出CA30は、原料CA17に比べてメチレンクラロイド18やその他の各種溶媒に溶けやすくなる。これは、原料CA17の段階で一度溶解されており、原料CA17内の難溶解部分が消失したためと推定される。
原料CA17に対して溶媒としてメチレンクラロイド18を用い、メチレンクラロイド18の沸点以上に加熱された温水22によりメチレンクラロイド18を蒸発させるようにしたので、簡単な設備構成で溶解性に優れた析出CA30を熱エネルギのロスを少なくして、効率良く作ることができる。また、単一溶媒を用いることにより、その後の溶媒の回収と再利用が簡単になる。
析出CA30を振動フルイ9で分断させて析出器8を密閉状態に保持することにより、メチレンクラロイド18のような溶媒を機器外部に洩らすことなく、利用することができる。
上記実施形態では、原料CA17に対して溶媒としてメチレンクラロイド18を用い、メチレンクラロイド18の沸点以上に加熱された温水22によりメチレンクラロイド18を蒸発させるようにしたが、これらの物質に限定されるものではなく、溶媒は良溶媒であれば、他の単一溶媒や混合溶媒を用いることができる。また、溶媒の沸点以上に加熱することができる液体であれば水に限定されることなく、他の液体を用いてもよいなお、混合溶媒を用いる場合には、溶媒回収管路55で回収した混合溶媒を分離し、それぞれの溶媒として回収したり、あるはい混合溶媒として再利用する。
また、上記実施形態では、温水22の流れによって、析出CA30を排出口方向に送るようにしたが、これに代えて、または加えて、ローラやその他の搬送部により排出口8aに送るようにしてもよい。
上記のようにして原料ポリマーを溶媒に溶解させ、この溶解液を濾過した後に、ポリマーを析出するので、ポリマー中の異物が取り除かれる。また、溶媒に対する溶解性が向上した析出ポリマーが得られる。この析出ポリマーは保管され、製膜時に析出ポリマーが溶媒により溶解されて流延ドープが作られて、製膜される。
[溶液製膜設備]
図10に示すように、溶液製膜設備68は、混合装置69、流延装置73、ピンテンタ74、乾燥室75、巻取装置76を有する。混合装置69は、溶解タンク80と、ポンプ81と、スタティックミキサ82と、ダイナミックミキサ83と、濾過器84を有する。溶解タンク80は、溶解タンク6と同様の構成であり、析出ポリマーとして例えば析出CA30と、これを溶解する溶媒79とが投入される。投入後に攪拌機80aにて、攪拌することにより、析出CA30は溶媒79に溶解される。
異物が無く溶媒に溶けやすい析出ポリマーである析出CA30を使用することにより、溶解タンク80で例えば20質量%程度の濃度を有する流延ドープ85を、溶解タンク80での溶解作業によって製造することができる。したがって、従来のようなドープ調製に必要な加熱、加圧、濃縮などの複雑な装置を用いたランニングコストも高い工程を経ることがなく、しかも、高精度濾過も不要になり、濾過するためのランニングコストも減少させることができる。
また、複雑な装置構成を採用することなく、溶解タンク80のみから構成されるため、流延ドープ85の流延ダイ78までの通路容量を従来のものに比べて1/30程度に小さくすることができる。このため、品種の切り替え時に新たな品種の流延ドープで、その通路容量の3倍程度の量を流して、新たな品種のドープに置換する場合に、置換するための流量を従来のものに比べて1/30程度に少なくすることができる。また、置換するドープ流量が少なくなることから、新品種の切り替えに要する時間も短縮することができ、効率良く新品種のドープに切り替えることができる。
溶解タンク80で溶解された流延ドープ85は、ポンプ81によりスタティックミキサ82に送られる。また、スタティックミキサ82の入口には、添加ノズル86を有する添加ユニット71が配される。
添加ユニット71は、添加ノズル86の他に、二系統の添加剤液貯留タンク89a,89b、三方弁90、ポンプ91を有する。三方弁90は、添加剤液貯留タンク89a,89bのいずれか一方の添加剤液例えば93aを選択する。ポンプ91は選択された添加剤液93aを添加ノズル86に送る。
スタティックミキサ82は、図3に示すスタティックミキサ14と同様に構成されており、第1エレメント14bと、第2エレメント14cが複数個直列に配されて構成される。これら各エレメント14b,14cを通過することにより、流延ドープ85に添加剤液93aが混合される。
図11に示すように、ダイナミックミキサ83は、スタティックミキサ82で混合された添加剤液93aと流延ドープ85を、配管83a内でステータ83b及びローテータ83cにより混合する。ローテータ83cは駆動軸83dに固定されている。このローテータ83cは、駆動軸83dの回転によってステータ83bに対して相対的に回転する。駆動軸83dは図示省略のモータに連結されている。これにより、流延ドープ85と添加剤液93aとの混合を促進させ、添加剤液93aを流延ドープ85中により一層均一に混合させる。
配管83aの両端部には、シール部材83e及びラビリンス部材83fが配されている。ラビリンス部材83fの周面には螺旋突条83gが突出して形成されている。ラビリンス部材83fは駆動軸83dに固定されており、駆動軸83dと一体に回転する。左右のラビリンス部材83fの螺旋突条83gは左右で螺旋の向きが逆になっている。駆動軸83dが回転すると、各螺旋突条83gによって、シール部材83eから侵入する流延ドープ85が配管83a内に戻される。これにより、駆動軸83dとシール部材83eとの隙間からの流延ドープ85の洩れが防止される。
ダイナミックミキサ83を通過した流延ドープ85は濾過器84により濾過される。析出CA30は析出時に異物が取り除かれているので、濾過器84の濾過負荷は少なく、濾過寿命が長くなる。この後、流延ドープ85は流延ダイ78に送られて、回転する流延ドラム95上に流延される。
図10に示すように、流延装置73は、流延ダイ78、流延ドラム95、剥取ローラ96を有し、これらは流延室73a内に配されている。流延ドラム95は図示を省略した駆動装置により軸を中心にして回転する。流延ドラム95は、図示しない温調装置によって、流延膜97を冷却する温度に設定されている。
流延ダイ78は、回転する流延ドラム95の周面に向けて、流延ドープ85を連続的に流す。流延ドラム95には、流延ドープ85により帯状の流延膜97が形成される。冷却により、流延ドラム95上の流延膜97は、自立して搬送可能な状態となる。この後、流延膜97は、剥取ローラ96によって流延ドラム95から剥ぎ取られ、帯状の湿潤フィルム98となる。
流延室73aとピンテンタ74との間の渡り部99では、搬送ローラ99aが、湿潤フィルム98をピンテンタ74に導入する。ピンテンタ74は、湿潤フィルム98の両側縁部を貫通して保持する多数のピンプレートを有する。移動するピンプレートにより保持された湿潤フィルム98には乾燥風が送られる。これにより、湿潤フィルム98は乾燥し、帯状のフィルム100となる。
ピンテンタ74の下流には耳切装置101が設けられている。耳切装置101はフィルム100の両側縁部を裁断する。この裁断した両側縁部は、送風によりクラッシャに送られて、粉砕される。粉砕された両側縁部が溶媒に溶解したものは、原料CA17や析出CA30の代わりに用いられ、再利用が図られる。
乾燥室75には、多数のローラ75aが配されており、これらにフィルムが巻き掛けられて搬送される。乾燥室75内の雰囲気の温度や湿度などは、図示しない空調機により調節されており、乾燥室75内をフィルム100が通過することによりフィルム100の乾燥処理が行われる。
乾燥室75と巻取装置76との間には、フィルム100を冷却する冷却室102、フィルム100を除電する強制除電装置(除電バー)、及びフィルム100の両側縁部にナーリングを付与するナーリング付与ローラ等が設けられる。巻取装置76はプレスローラを有し、フィルム100を巻き芯に巻き取る。
このようにして得られるフィルム100は、特に、位相差フィルムや偏光板保護フィルムに用いることができる。フィルム100の幅は、600mm以上であることが好ましく、1400mm以上2500mm以下であることがより好ましい。また、フィルム100の幅は2500mmより大きくてもよい。フィルム100の膜厚は、15μm以上120μm以下であることが好ましい。
(ポリマー)
なお、ポリマーは、熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えば、セルロースアシレート、ラクトン環含有重合体、環状オレフィン、ポリカーボネイト等が挙げられる。中でも好ましいのがセルロースアシレート、環状オレフィンであり、中でも好ましいのがアセテート基、プロピオネート基を含むセルロースアシレート、付加重合によって得られた環状オレフィンであり、さらに好ましくは付加重合によって得られた環状オレフィンである。
(セルロースアシレート)
セルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、すなわち、アシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものが好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、アシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、トリアセチルセルロース(TAC)の90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.0≦A+B≦3.0
(II) 1.0≦ A ≦3.0
(III) 0 ≦ B ≦2.9
アシル基の全置換度A+Bは、2.20以上2.90以下であることがより好ましく、2.40以上2.88以下であることが特に好ましい。また、炭素原子数3〜22のアシル基の置換度Bは、0.30以上であることがより好ましく、0.5以上であることが特に好ましい。
セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明にも適用できる。また、溶媒及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。また、セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター、パルプのいずれかから得られたものでもよい。
なお、支持体として、流延ドラム95を用いたが、流延バンドを用いてもよい。この場合には、回転軸を水平にした1対のドラムに、流延バンドを掛け渡し、ドラムを回転させることにより、流延バンドを走行させる。
また、流延ドラム95上の流延膜97を冷却する冷却ゲル化方式により、流延膜97を剥ぎ取り可能な状態にしたが、本発明はこれに限られず、ドラムやバンドなどの支持体上の流延膜を乾燥する乾燥方式により、流延膜を剥ぎ取り可能な状態にしてもよい。
5 ポリマー精製設備
6 溶解タンク
7 ドープ供給管路
8 析出器
9 振動フルイ
10 熱風乾燥機
11 ポンプ
12 濾過器
12a 濾材
12b 金網フィルタ
12c 濾過助剤
12d 堆積層
12e プレコート
13a 添加ノズル
13 溶媒添加ユニット
14 スタティックミキサ
17 原料CA(原料セルロースアシレート)
18 メチレンクラロイド
21 ドープ
22 温水
28 温水供給管路
30 排出CA(析出セルロースアシレート)
37 オーバーフロー回収部
38 水回収管路
39 温水貯留タンク
55 溶媒回収管路

Claims (9)

  1. 濾過助剤を有する濾過器を用いて、ポリマー及び溶媒を含むポリマー溶液を濾過する濾過方法において、
    前記濾過器の上流側で前記ポリマー溶液に前記溶媒を添加して粘度を下げ、前記濾過器の圧力損失の変動を一定範囲内に抑える溶媒添加工程と、
    前記濾過器に送られる前記ポリマー溶液の温度がT1からT2(T1<T2)になるように前記ポリマー溶液を加熱して前記ポリマー溶液の粘度を漸減する加熱工程と、
    前記加熱工程による前記ポリマー溶液の粘度の低下分に対応させて前記溶媒添加工程の溶媒添加量を漸減する溶媒添加漸減工程と
    を有するポリマー溶液の濾過方法。
  2. ポリマーを溶媒に溶解させてポリマー溶液を得る溶解工程と、
    請求項1記載のポリマー溶液の濾過方法を用いる濾過工程と、
    前記ポリマー及び前記溶媒と非相溶性であり、前記溶媒の沸点以上に加熱されている液体に、前記濾過工程を経たポリマー溶液を散布し前記溶媒を乾燥させポリマーを析出するポリマー析出工程とを有するポリマー精製方法。
  3. 前記溶解工程では、ポリマー溶液濃度を2質量%以上19質量%以下とする請求項記載のポリマー精製方法。
  4. 前記濾過工程は、絶対濾過精度が2μm以上30μm以下の助剤濾過を行う請求項記載のポリマー精製方法。
  5. 前記溶媒は単一溶媒である請求項記載のポリマー精製方法。
  6. 前記ポリマーがセルロースアシレートであり、前記溶媒がメチレンクラロイドであり、前記液体が水である請求項記載のポリマー精製方法。
  7. 前記ポリマー析出工程では、前記セルロースアシレート溶液の温度が20℃以上120℃以下であり、前記水が40℃以上100℃以下である請求項記載のポリマー精製方法。
  8. 請求項2から7いずれか1項記載のポリマー精製方法により得られた析出ポリマーを溶媒に溶解させてポリマー溶液を作る溶解工程と、
    前記溶解工程から得られたポリマー溶液に対し、添加剤を混合した添加剤液をインライン添加する添加工程と、
    前記添加剤液が添加されたポリマー溶液を流延ドープとして流延ダイから流延支持体に流し流延膜を形成する流延工程と、
    前記流延膜を前記流延支持体から剥がして乾燥する乾燥工程とを有する溶液製膜方法。
  9. 濾過助剤を有する濾過器を用いて、ポリマー及び溶媒を含むポリマー溶液を濾過する濾過装置において、
    前記濾過器の上流側で前記ポリマー溶液に前記溶媒を添加して粘度を下げ、前記濾過器の圧力損失の変動を一定範囲内に抑える溶媒添加ユニットと、
    前記濾過器に送られる前記ポリマー溶液の温度をT1からT2(T1<T2)になるように加熱器により加熱して前記ポリマー溶液の粘度を漸減し、前記加熱器による前記ポリマー溶液の粘度の漸減分に対応させて前記溶媒添加ユニットにおける溶媒添加量を漸減するコントローラとを有するポリマー溶液の濾過装置。
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