JP2003138024A - 粒状ポリアリレートおよびその製造方法 - Google Patents

粒状ポリアリレートおよびその製造方法

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JP2003138024A
JP2003138024A JP2001339619A JP2001339619A JP2003138024A JP 2003138024 A JP2003138024 A JP 2003138024A JP 2001339619 A JP2001339619 A JP 2001339619A JP 2001339619 A JP2001339619 A JP 2001339619A JP 2003138024 A JP2003138024 A JP 2003138024A
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bis
hydroxyphenyl
slurry
methylene chloride
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Shinkichi Tanaka
信吉 田中
Koji Imanishi
浩治 今西
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤に対する溶解性がよく、ハンドリング性
に優れた粒状ポリアリレートおよびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 平均粒子径が500〜5000μmの範
囲にあり、かつ嵩密度が0.15〜0.45の範囲にあ
る球形粒子であり、さらにその真球度がWadellの球形度
に換算した値で0.7〜1.0であることを特徴とする
粒状ポリアリレート。また、攪拌槽内で、ポリアリレー
ト−水スラリー中へ、ポリアリレートの塩化メチレン溶
液を供給し、塩化メチレンを留去しながら、槽内液を抜
き出して湿式粉砕機を通して撹拌槽に戻す循環ラインに
より該スラリーを循環させ、かつ一部をその循環ライン
から抜き取ることにより、粒状のポリアリレートを製造
する方法において、レイノルズ数200000以上とな
る条件で流動している該スラリーに、ポリアリレート溶
液を供給することを特徴とする粒状ポリアリレートの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒状ポリアリレート
とその製造方法に関するものであり、詳しくは装置の原
料液を供給する部分の流動状態が特定範囲にあるところ
で、ポリアリレートの塩化メチレン(ジクロロメタン)
溶液から粒状のポリアリレートを製造する方法、及びそ
の方法で製造される特定形状の粒状ポリアリレートに関
するものである。
【従来の技術】
【0002】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(ビスフェノールAと記すことがある)の残基
とテレフタル酸及びイソフタル酸の残基とからなる非晶
性ポリアリレートはエンジニアリングプラスチックとし
て既によく知られている。かかるポリアリレートは耐熱
性が高く、衝撃強度に代表される機械的強度や寸法安定
性に優れ、加えて非晶性で透明であるためにその成形品
は電気・電子、自動車、機械などの分野に幅広く応用さ
れている。
【0003】また、ポリアリレート樹脂は、各種溶剤へ
良好な溶解性を有していること、電気的特性(絶縁性、
誘電特性等)、耐摩耗性に優れていることを利用して、
コンデンサー用のフィルム等の電子部品に、また耐摩耗
性と耐擦傷性に優れていることを利用して、液晶表示装
置の各種フィルムやコーティング樹脂の様な被膜を形成
する用途への応用が行われている。
【0004】ポリアリレートの場合、このようなフィル
ム製膜やコーティングは、ポリアリレート樹脂を各種溶
剤に溶解し、流延や塗装を行った後、溶剤を蒸発させる
ソルベントキャスト法で行われている。この方法を採用
すると、ポリアリレート樹脂を溶剤に溶解する工程が必
要となるが、樹脂の溶解性が低い場合には、この工程に
おける樹脂の溶解時間が、フィルム製造あるいはコーテ
ィング処理全体にかかる時間に比較して、長くなる場合
があり、大量生産を行う際に装置の大型化等を招いてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリアリレート樹脂の
溶剤への溶解速度には溶剤に対する溶解度が密接に関係
しているが、それ以外に樹脂の形状にも大きく影響され
る。例えばブロック状のものと粉末状のものとを同量ず
つ同種の溶剤に溶解すると一般的には粉末状のものの方
が早く溶解する。しかし、粉末状のものは粉塵の発生や
ハンドリング性の悪化等の問題や、場合によっては、”
だま”を形成して溶剤への溶解性が低下することがあ
る。また、ポリアリレート樹脂を保管する際に、嵩密度
が大きいと、保管スペースが小さくて済み、好適である
が、反面、粒子が絞まったものになり、溶剤への溶解時
間が長くなるというデメリットもある。
【0006】上記のような実状に鑑み、本発明の課題
は、溶剤に対する溶解性、ハンドリング性に優れた粒状
のポリアリレート粒子およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の温度で撹
拌され、さらに特定状態で流動しているポリアリレート
−水系スラリー中へポリアリレートの塩化メチレン溶液
を添加して混合し、混合したスラリー中の塩化メチレン
を留去しつつ、湿式粉砕機を備えた循環ラインで粒子を
粉砕しながらスラリーを循環させる方法で製造した粒状
ポリアリレートは、絞まった粒の粒子にはならないもの
の、形状が真球状に近いため容器に充填されやすく、蒿
密度が高い粒子が得られることがわかった。さらにその
方法で得た粒状ポリアリレートを溶剤に溶かしたとこ
ろ、個々の粒子が絞まっていないことに加え、形状が球
形であること、及び微粒子状のポリアリレートの含有量
が少ないことにより、溶剤に添加した際に”だま”を発
生しないため、溶剤に対する溶解性も良好であるという
知見を得、本発明に到達した。すなわち本発明の要旨は
次の通りである。 (A)平均粒子径が500〜5000μmの範囲にあり
嵩密度が0.15〜0.45の範囲にある球形粒子であ
り、さらにその真球度がWadellの球形度に換算した値で
0.7〜1.0であることを特徴とする粒状ポリアリレ
ート。 (B)攪拌槽内で、常圧ないし減圧下で加熱し攪拌され
たポリアリレート−水スラリー中へ、ポリアリレートの
塩化メチレン溶液を供給し、塩化メチレンを留去しなが
ら、攪拌槽の底部から槽内液を抜き出して湿式粉砕機を
通して撹拌槽に戻す循環ラインにより該スラリーを循環
させ、かつ一部をその循環ラインから抜き取ることによ
り、粒状のポリアリレートを製造する方法において、該
スラリーがレイノルズ数200000以上となる条件で
流動しているところにポリアリレートの塩化メチレン溶
液を供給することを特徴とする請求項1に記載の粒状ポ
リアリレートの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の粒状ポリアリレー
トの製造方法について詳細に説明する。本発明のポリア
リレートは実質的に二価フェノールと芳香族ジカルボン
酸から構成される非晶性芳香族ポリエステルである。本
発明のポリアリレート樹脂を構成する二価フェノール成
分として用いられるものは、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ビ
フェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2
−メチルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−tertブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−secブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノ
ールフルオレン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチル
プロパン、4,4’−[1,4−フェニレン−ビス(2
−プロピリデン)−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)]、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロ
キシフェニルエーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1
−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メ
チル−ブタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t
ertブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジ
フェノール、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−
シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス(3,5−ジ−sec−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3
−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−
tert−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3
−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−
ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−
3,5−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)
メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、4,4−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、α,α’−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、1,1−
ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(3ーフ
ルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオ
ロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、2,
2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1
−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テ
トラメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,
5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ビフェノ
ール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン(即ち
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン)、3,3’−
ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,
5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエー
テル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)チオエーテル、1,1−ビス(2,3,5
−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ド
デカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジtert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,
1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブ
チルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエステ
ル、イサチンビスフェノール、イサチンビスクレゾー
ル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−
4,4’−ビフェノール、ビス(2ーヒドロキシフェニ
ル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4
−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェ
ニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−
ビス(2ーヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェ
ニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフ
ェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカ
ン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ
−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)メタン、
2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,
5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フ
ルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブ
チル−2,2’−ビフェノール、2,2’−ジアリル−
4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチル−5,5−ジメチル−シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3
−ジメチル−4−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5
−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シク
ロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−
シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−
4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メ
チル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチ
ル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチ
ル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−
メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−
5−メチル−シクロヘキサン、レゾルシノール、ハイド
ロキノン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジ
(4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−
ジ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メン
タン、1,4−ジ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−p−メンタン等のテルペンジフェノール類
等を挙げることができる。
【0009】この中で2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンが好適に用いられる。これ
らの二価フェノールは、1種類で用いることもできる
し、2種類以上で併用することも可能である。
【0010】また、二価フェノールの一部を、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオー
ル、オクタンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒ
ドロキシメチルシクロヘキサン等の二価アルコールで置
き換えてもよい。
【0011】さらに、本発明のポリアリレートを構成す
る芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基
等のアルキル基が1ないし2個置換したフタル酸誘導体
類、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸誘導体類、
4,4’−ジカルボキシビフェニル、ジフェン酸、4,
4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カ
ルボキシフェニル)アルカン、4,4’−ジカルボキシ
ジフェニルスルホンなどが挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が混合して用いられていてもよい。この中
でも好ましいのは、テレフタル酸及びイソフタル酸であ
り、特に好ましいのはテレフタル酸とイソフタル酸の混
合物である。上記芳香族ジカルボン酸成分は、遊離の芳
香族ジカルボン酸として用いても、芳香族ジカルボン酸
ジハライドとして用いてもよい。
【0012】本発明においては、前述した芳香族ジカル
ボン酸の一部を、実質的にその特性を損なわない範囲
で、他の脂肪族ジカルボン酸類で置き換えてもよい。そ
のようなジカルボン酸としては、ジカルボキシメチルシ
クロヘキサン、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、グルタル酸、ドデカン二酸等を挙げる
ことができる。
【0013】本発明において、粒状ポリアリレートの末
端は、フェノールのほか、o,m,p−クレゾール、ジ
メチルフェノール、o,m,p−エチルフェノール、
o,m,p−n−プロピルフェノール、o,m,p−イ
ソプロピルフェノール、o,m,p−n−ブチルフェノ
ール、o,m,p−イソブチルフェノール、o,m,p
−sec−ブチルフェノール、o,m,p−tert−
ブチルフェノール等の一価フェノールやメタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタ
ノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコ
ール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フ
ェネチルアルコール等の一価のアルコールや酢酸、プロ
ピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安
息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブ
チル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸等の一価のカ
ルボン酸、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロ
ライド、フェニルクロロホルメートなどの酸クロライド
類で封鎖されていてもよい。
【0014】また、本発明の方法で得られるポリアリレ
ートの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーで測定したポリスチレン換算で、5000以
上、好ましくは、10000〜300000である。分
子量が5000未満であると、ポリマーとしての機械的
物性が低下し、一方300000を超えると溶剤に溶解
した時の加工性が低下するので好ましくない。
【0015】本発明の粒状ポリアリレートは平均粒子径
が500〜5000μmの範囲のものである。平均粒子
径が500μm未満であると粒子が細か過ぎてハンドリ
ングが悪くなり、5000μmを超えると溶剤への溶解
時間が長くなる。好ましくは平均粒子径が1000〜4
000μmの範囲である。平均粒子径の測定方法は種々
提案されているが、本発明の平均粒子径とは光学顕微鏡
によって直接測定した各粒子の粒子径の数平均値を単に
平均粒子径と呼ぶ。
【0016】また、本発明の粒状ポリアリレートの蒿密
度についても、条件によって種々のものが得られる。特
に0.15〜0.45の範囲の嵩密度を有したポリアリ
レート粒子を効率的に製造することができる。好ましく
は蒿密度が0.20〜0.40の範囲であり、嵩密度が
0.15未満であると保管場所として広い場所が必要に
なるばかりでなく、ハンドリングが悪くなる傾向にあ
り、0.45を超えると粒子が絞まったものとなって溶
剤への溶解時間が長くなり好ましくない。嵩密度は、公
知の方法で測定することができる。本発明においては、
JIS K 7365に記載の手順で測定した。
【0017】さらに、本発明の粒状ポリアリレートは球
形であることが好ましく、具体的には真球度がWadellの
球形度に換算した値で0.7〜1.0、好ましくは0.
75〜1.0の範囲であることが必要である。粒子の形
状が真球状であると容器に入れたときの充填効率がよく
なって結果として嵩密度が大きいものとなり、さらには
粒子の流動性がよくなるため取り扱いやすくなる。ま
た、実際に溶剤に溶解するときに真球に近い形状の方が
粒子同士が凝集する”だま”の発生があまり見られなく
なって好適である。
【0018】次に、本発明の粒状のポリアリレートの製
造方法について説明する。本発明の方法が適用されるポ
リアリレートの重合方法は特に限定されず、界面重合法
でも溶媒を用いない溶融重合法でもよく、いずれの方法
で得られた得られたポリアリレートでも、再溶解して粒
子状のポリアリレートを得ることができる。しかし、界
面重合で製造されたポリアリレートは、液−液分離した
後のポリアリレート塩化メチレン溶液をそのまま使用す
ることができる点で、操作を連続的に行えるので好適で
ある。界面重合は重合触媒の共存下で、二価フェノール
化合物を溶解したアルカリ水溶液と、場合によっては前
述した末端封鎖剤も一緒に溶解したアルカリ水溶液と、
芳香族ジカルボン酸ジハライドの塩化メチレン溶液を混
合して、2〜50℃で0.5〜5時間攪拌しながら、二
価フェノールと芳香族ジカルボン酸ジハライドを反応さ
せることにより行われる。
【0019】界面重合時の塩化メチレンの量は、通常ポ
リマー濃度が5〜25質量%となるように用いることが
好ましく、10〜25質量%となることがより好まし
い。ポリマー濃度が25質量%を超えると重合時にポリ
マーがゲル状になって析出することがある。ゲル状にな
ったポリマー中の酸ハライド基等の活性末端は失活させ
ることが困難であり、このようなポリマーは成形時の色
調に悪影響を与える。また、アルカリ水の量は塩化メチ
レンに対して、通常、体積比で1〜3倍の範囲である。
反応時に用いるアルカリとしては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等が挙げられる。
【0020】さらに重合触媒としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ
−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、ト
リヘキシルアミン、トリデシルアミン、N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン、ピリジン、キノリン、ジメチ
ルアニリン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルア
ンモニウムハライド、テトラメチルベンジルアンモニウ
ムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライ
ド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、
テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド等の第4級ア
ンモニウム塩等、トリメチルベンジルホスホニウムハラ
イド、テトラメチルベンジルホスホニウムハライド、ト
リエチルベンジルホスホニウムハライド、トリ−n−ブ
チルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチ
ルホスホニウムハライド、トリフェニルベンジルホスホ
ニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムハライド
等の第4級ホスホニウム塩類、18−クラウン−6、1
8−ベンゾクラウン−6、18−ジベンゾクラウン−
6、15−クラウン−5等のクラウンエーテル類が挙げ
られ、特に重合速度と価格の面から第4級アンモニウム
塩が好ましい。
【0021】なお、本発明の製造法においては、ヒンダ
ードフェノール系化合物、亜燐酸系化合物、ヒンダード
アミン化合物またはチオエーテル系化合物等の酸化防止
剤、着色剤等の添加剤を重合後の塩化メチレン溶液中に
添加することによって各種添加剤を含有した粒状のポリ
アリレートを得ることもできる。
【0022】次に、界面重合終了後に、酸を添加して反
応の停止と中和を行い塩類と未反応モノマーを含む水相
とポリアリレートを溶解した塩化メチレン相を、デカン
ター、遠心分離機など公知の方法を用いて分離する。こ
の時に用いられる酸としては塩酸、硫酸、リン酸及び酢
酸等が好ましい。さらに、塩化メチレン相を水洗し残留
する塩類やモノマーを除去した後、引き続き本発明の方
法に使用できる。
【0023】本発明の方法においては、ポリアリレート
−水スラリーが循環・混合されている攪拌槽へ、上記ポ
リアリレートの塩化メチレン溶液を連続的または間欠的
に供給し、懸濁状態を保ちながら塩化メチレンの留去を
行う。
【0024】以下、図によって本発明の実施の様態を説
明する。図1は、本発明を実施する装置の一例を示す概
略図である。図1において、1は攪拌槽、2は攪拌機、
3は補給水供給管、4は塩化メチレンの留出管、5は循
環抜き出し管、6は湿式粉砕機、7は循環戻り管、8は
製品スラリーの抜き出し管、9は本体側原料溶液供給
管、10は循環系側原料溶液供給管を示す。
【0025】攪拌槽1は撹拌機2を有した槽であり、そ
の形状は、ポリアリレートの塩化メチレン溶液が水中で
懸濁状態を保つことが出来る装置であれば特に限定され
ないが、ジャケットを備えたものが槽内液の加熱が容易
に行えるので好ましい。
【0026】また撹拌槽1には、上部に補給水供給管
3、塩化メチレンの留出管4及び循環戻り管7、原料溶
液供給管9が設けられており、下部には循環抜き出し管
5が設けられている。循環抜き出し管5から湿式粉砕機
6を通り、循環戻り管7から撹拌槽1に戻る外部循環経
路を構成している。また、外部循環経路には湿式粉砕機
6から循環戻り管7に至る途中に製品スラリーの抜き出
し管8と循環系側原料溶液供給管10が設けられてい
る。循環抜き出し管5から抜き出した粒状ポリアリレー
ト−水スラリーを湿式粉砕機6を通した後、一部を製品
スラリー抜き出し管8から製品用に連続的または間欠的
に抜き取ると共に、残りを循環戻り管7から循環させな
がら、補給水供給管3から補給水を、本体側原料溶液供
給管9または循環系側原料溶液供給管10のいずれかか
らポリアリレートの塩化メチレン溶液を攪拌槽1内に連
続的または間欠的に供給する。
【0027】攪拌機2の攪拌翼の形状としては特に限定
されず、プロペラ型、タービン型、パドル型およびブル
マージン型等を例示することができるが、塩化メチレン
の蒸発にともなってスラリーは浮上してくる傾向がある
ので、かき下げ型のものを選択することが好ましい。特
に、傾斜パドル型、傾斜タービン型で、2枚羽根から6
枚羽根のものが、効率よくかき下げによる均一攪拌がで
きる点で好ましい。
【0028】さらにポリアリレートの塩化メチレン溶液
の供給管として本体側原料溶液供給管9を使用する場
合、撹拌機2の翼径および攪拌速度は、スラリーを均一
に分散させ浮上を防ぐことに加え、供給されたポリアリ
レート溶液の分散性の点から、スラリーの流動状態を特
定の状態にするため慎重に選択する必要がある。化学工
学では流体の流動状態をレイノルズ数(Re)と呼ばれ
る無次元数で評価することが多く、本発明でもこのパラ
メータに基づいて流動状態を評価し、撹拌機の翼径と撹
拌速度を決定する。撹拌による流動の場合、撹拌機の回
転数をn(1/sec)、撹拌翼径をd(m)、槽内液の密度およ
び粘度をそれぞれρ(kg/m3)とμ(Pa・sec)としたとき
に、レイノルズ数(Re)はn・d2・ρ/μで計算さ
れ、本発明ではReが200000以上、好ましくは3
00000以上となるように、撹拌機の翼径と撹拌速度
を設定することが必要である。Reが200000未満
であると、供給されたポリアリレートの塩化メチレン溶
液がポリアリレート−水スラリー中で均一に分散されな
いため、槽内にポリマーが餅状に付着したり、得られる
粒状ポリアリレート粒子がいびつな形状となって球形に
ならないため好ましくない。
【0029】また、攪拌槽1で塩化メチレンが蒸発しな
がら、循環しているポリアリレート−水スラリーと、ポ
リアリレート溶液が接触することによって粒子同士が合
一するので、循環抜き出し管5から抜き出したスラリー
を湿式粉砕機6で合一した粒子を再度分散させる。この
湿式粉砕機6としては、送液能力を有していて、さらに
合一した粒子を連続して分散できるものであれば特に限
定しないが、粉砕を行う箇所が粉砕羽根車と格子とから
なる構造のものが好適である。
【0030】なお、循環系側原料溶液供給管10を使用
して、ポリアリレート塩化メチレン溶液をこの循環流路
内に供給する場合、ポリアリレート−水スラリー循環流
の線速度とその配管径に注意しなくてはならない。すな
わち、撹拌の条件を選定した場合と同様に循環流のRe
を評価する必要があり、循環流路内のスラリーの線速度
をu(m/sec)、流路の配管の内径をD(m)、循環液の密度
および粘度をそれぞれρ(kg/m3)とμ(Pa・sec)としたと
きにu・D・ρ/μで計算される循環流のReが、撹拌の
Reと同様に、200000以上、好ましくは3000
00以上となるように設定することが必要となる。な
お、循環系側原料溶液供給管10の位置は、湿式粉砕機
6から循環戻り管7に至る途中にあって、循環流のRe
が本発明の範囲内にあれば特に限定されない。
【0031】なお、撹拌による流動、循環流による流
動、いずれの場合にも、Re数は500000以下であ
ることが好ましい。Re数を大きくするためには装置の
大きさに比して大動力が必要となり、また、Reが大き
くなると、供給されたポリアリレート溶液の分散性が良
すぎるためか、微粒子が発生し、平均粒子径の低下やハ
ンドリング性が悪化する傾向にある。
【0032】原料溶液供給管9および10の形状は、ポ
リアリレート溶液を分散させて供給できるものであれば
特に限定されないが、好ましくは細孔を有するノズル状
のものがよい。また、本体側供給管9の先端のポリアリ
レート溶液吐出部は、気液界面部分に届いていなくて
も、スラリー中に届いていてもいずれの場所にあっても
差し支えない。
【0033】本発明の方法においては、ポリアリレート
の塩化メチレン溶液の濃度は、5〜25質量%である
が、製造速度と装置の大きさとを勘案すれば10〜25
質量%が好ましい。
【0034】また、攪拌槽1で塩化メチレンを留去させ
るにあたり、水媒体の温度を40〜60℃の範囲とする
ことが好ましい。塩化メチレンの蒸発速度と得られる粒
子の嵩密度は密接に関係しており、水媒体の温度が60
℃を超えると供給されたポリマー溶液から塩化メチレン
が突沸的に蒸発してポリマー成分が多孔質形状となるた
め、ポリマー粒子の嵩密度は非常に低くなってしまい、
水媒体の温度が40℃未満のときは塩化メチレンの蒸発
速度が非常に遅く、ポリマー成分が完全に固化せずに撹
拌槽内壁や外部循環経路内さらには湿式粉砕機に餅状の
ポリマーが付着してしまい、所望の粒子が得られないば
かりか、トラブルの原因になるので好ましくない。
【0035】攪拌槽1における上記粒状ポリアリレート
のスラリー濃度は、3〜30質量%の範囲、好ましくは
5〜25質量%の範囲である。また、スラリー濃度は、
できるだけ一定に保つことが好ましく、通常、ポリアリ
レート溶液の供給量、塩化メチレンの蒸発量、製品粒状
ポリアリレートの抜き出し量、補給水の供給量を調整す
ることによって一定濃度に保たれる。
【0036】このようにして得られた、粒状ポリアリレ
ートを含むスラリーは、公知の固液分離機を用いてろ過
され、さらに真空乾燥機、流動層乾燥機等を用いて乾燥
され粒状ポリアリレートが得られる。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、これらの実施例に限定されるものではなく、本発
明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形および応用が可
能である。
【0038】参考例1(界面重合によるポリアリレート
の調製) 攪拌装置を備えた反応容器中に2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン100質量部、p−tert−ブ
チルフェノール3.4質量部、水酸化ナトリウム41.
4質量部、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド
0.6質量部を仕込み、水1350質量部に溶解した
(水相)。これとは別に塩化メチレン767質量部に、
テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1
/1混合物93質量部を溶解した(有機相)。この有機
相を先に調製した水相中に強攪拌下で添加し、4時間重
合反応を行った。この後、酢酸50質量部を添加して反
応を停止し、水相と有機相を分離し、有機相が中性とな
るまで水洗を繰り返し17質量%のポリアリレートの溶
解した塩化メチレン溶液を得た。
【0039】実施例1 図1に示す装置を用い、粒状ポリアリレートの製造を行
った。まず、内径700mm、槽実容積250リットル
で加熱用温水ジャケットを有する攪拌槽1に50℃の温
水135リットルを仕込み、乾燥したポリアリレート粒
子23.0kgを仕込んで、張り込み容積を約153リ
ットル、スラリー濃度を17%に調整した。翼径200
mmの傾斜パドル翼の撹拌機2を200rpmで回転さ
せて撹拌を行っているところへ、参考例1で得られた1
7質量%のポリアリレート塩化メチレン溶液を、本体側
原料溶液供給管9から25.9kg/hrの速度で供給
した。また、補給水供給管3より25.9kg/hrの
速度で50℃の温水を供給した。攪拌槽1内の温度を5
0℃に保ちながら、槽内のスラリーの循環は、循環抜き
出し管5を通じて湿式粉砕機6により200リットル/
minの循環流量で行い、スラリーの全量を循環戻り管
7を通じて攪拌槽1に戻した。留去された塩化メチレン
は、留出管4を通じて抜き出した。ポリアリレート塩化
メチレン溶液の供給開始と共に、製品スラリー抜き出し
管8より、30.3kg/hr(約0.49リットル/
min)の割合で、循環しているポリアリレート−水系
スラリー(樹脂分17質量%)の一部を抜き出し、残り
は循環スラリー導入管7を通じて引きつづき循環させ
た。抜き出した粒状ポリアリレート−水スラリーは、固
液分離機を用いてろ過して乾燥を行い粒状ポリアリレー
トを得た。得られた粒子の特性を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】なお、表1において、Reの算出には、5
0℃における水の密度(988kg/m3)と粘度(0.5497mPa・se
c)を使用し、粒子の各特性は以下の方法で評価した。 (1)嵩密度:JIS K 7365に記載の手順で測定した。 (2)平均粒子径:実体顕微鏡で粒子を観察し、任意に
選んだ50個の粒子について、各粒子の長径を測定し、
50個の数平均値を平均粒子径とした。 (3)Wadellの球形度:粒子の形状は次式で定義される
Wadellの球形度として判定した。 Wadellの球形度=[投影面積に等しい面積を持つ円の直
径]/[投影像に外接する最小円の直径] ここで、投影面積に等しい面積を持つ円の直径は、粒子
を実態顕微鏡で写真撮影し、その面積から計算により求
めた。また、投影像に外接する最小円の直径は、各粒子
の長径とした。任意に選んだ50個の粒子について上記
測定を行い、その数平均値を用いた。 (4)溶解テスト:密閉容器内で20℃に維持した塩化
メチレン80gを撹拌しているところへ、粒状ポリアリ
レート20gを投入し、完全に溶解するのに要した時間
を測定した。
【0042】実施例2〜4および比較例1〜2 撹拌機2の回転数を変化させて、その他は実施例1と同
様にして粒状ポリアリレートの製造を行った。実施例2
〜4では良好な状態で粒状ポリアリレートを製造できた
が、比較例1〜2では撹拌槽1の内壁に餅状のポリアリ
レートが付着した。これらの条件および結果を表1に示
す。
【0043】実施例5 実施例1と同じ撹拌槽1に、50℃の温水135リット
ルと乾燥したポリアリレート粒子23.0kgを仕込ん
で、張り込み容積を約153リットル、スラリー濃度を
17質量%に調整した。翼径200mmの傾斜パドル翼
の撹拌機2を150rpmで回転させて撹拌を行い、さ
らに循環抜き出し管5を通じて湿式粉砕機6によりスラ
リーの全量を循環戻り管7を通じて、250リットル/
minの流量で循環を行った。この循環ラインのスラリ
ー抜き出し管8から循環戻り管7に至る配管(内径43
mm)の途中には循環系側原料溶液供給管10が設置さ
れており、そこから17質量%のポリアリレート塩化メ
チレン溶液を25.9kg/hrの速度で供給した。ま
た、補給水供給管3より25.9kg/hrの速度で5
0℃の温水を供給した。そして、その他の条件は実施例
1と同様にして塩化メチレンを留去しつつ粒状ポリアリ
レートを得た。得られた粒子の特性を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例6 実施例5の条件の中で、循環ラインの循環系側原料溶液
供給管10が設置されている部分の配管径を28.4m
m、循環の流量を150リットル/minとした以外は
実施例5と同様にして粒状ポリアリレートを製造した。
得られた粒子の特性を表2に示す。
【0046】比較例3 実施例5の条件の中で、循環ラインの循環系側原料溶液
供給管10が設置されている部分の配管径を54.9m
m、循環の流量を250リットル/minとした以外は
実施例5と同様にして粒状ポリアリレートを製造した。
ただし、製造中に循環戻り管7の内部に餅状のポリマー
が付着し、さらに撹拌槽1の内部にも同様のものが見ら
れた。得られた粒子の特性を表2に示す。
【0047】実施例1〜6では、Re数が本発明の範囲
であったため、操業上問題なく、特定形状の粒状ポリア
リレートが得られ、溶剤への溶解性に優れていた。比較
例1〜3では、Re数が本発明の範囲を外れていたた
め、攪拌槽の内壁に餅状のポリアリレートが付着し、生
産効率が悪かった。また、得られた粒状ポリアリレート
の真球度が低くなり、溶剤への溶解性が低かった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、真球形に近い形状の粒
子で、さらに溶剤に対する溶解性がよい粒状ポリアリレ
ートを得ることができる。さらに本発明の粒状ポリアリ
レートは微粉末の含有率が少ないため、ハンドリング性
に優れたものであり、フィルム原料やコーティング原料
として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 撹拌槽 2 撹拌機 3 補給水供給管 4 塩化メチレンの流出管 5 循環抜き出し管 6 湿式粉砕機 7 循環戻り管 8 製品スラリー抜き出し管 9 本体側原料溶液供給管 10 循環系側原料溶液供給管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が500〜5000μmの範
    囲にあり、かつ嵩密度が0.15〜0.45の範囲にあ
    る粒子であり、さらにその真球度がWadellの球形度に換
    算した値で0.7〜1.0であることを特徴とする粒状
    ポリアリレート。
  2. 【請求項2】 攪拌槽内で、常圧ないし減圧下で加熱し
    攪拌されたポリアリレート−水スラリー中へ、ポリアリ
    レートの塩化メチレン溶液を供給し、塩化メチレンを留
    去しながら、攪拌槽の底部から槽内液を抜き出して湿式
    粉砕機を通して撹拌槽に戻す循環ラインにより該スラリ
    ーを循環させ、かつ一部をその循環ラインから抜き取る
    ことにより、粒状のポリアリレートを製造する方法にお
    いて、レイノルズ数200000以上となる条件で流動
    している該スラリーに、ポリアリレートの塩化メチレン
    溶液を供給することを特徴とする粒状ポリアリレートの
    製造方法。
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