JP5726433B2 - 高強度のアルミニウム合金製品 - Google Patents
高強度のアルミニウム合金製品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5726433B2 JP5726433B2 JP2010092635A JP2010092635A JP5726433B2 JP 5726433 B2 JP5726433 B2 JP 5726433B2 JP 2010092635 A JP2010092635 A JP 2010092635A JP 2010092635 A JP2010092635 A JP 2010092635A JP 5726433 B2 JP5726433 B2 JP 5726433B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum alloy
- solution
- temperature
- induction heating
- sec
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 title claims description 207
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 247
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 141
- 230000006698 induction Effects 0.000 claims description 116
- 239000000047 product Substances 0.000 claims description 114
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 88
- 230000032683 aging Effects 0.000 claims description 71
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 70
- 239000000956 alloy Substances 0.000 claims description 53
- 239000011265 semifinished product Substances 0.000 claims description 53
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 claims description 40
- 238000002844 melting Methods 0.000 claims description 28
- 230000008018 melting Effects 0.000 claims description 28
- 238000001816 cooling Methods 0.000 claims description 27
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 claims description 24
- 238000010791 quenching Methods 0.000 claims description 23
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 claims description 22
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 claims description 14
- 230000001965 increasing effect Effects 0.000 claims description 8
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 claims description 5
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims description 4
- 238000005242 forging Methods 0.000 claims description 4
- 230000017525 heat dissipation Effects 0.000 claims description 4
- 238000010079 rubber tapping Methods 0.000 claims description 4
- 238000011084 recovery Methods 0.000 claims description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 30
- 230000002265 prevention Effects 0.000 description 14
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 12
- 238000000137 annealing Methods 0.000 description 9
- 239000013065 commercial product Substances 0.000 description 9
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 8
- 230000002950 deficient Effects 0.000 description 5
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 5
- CURLTUGMZLYLDI-UHFFFAOYSA-N Carbon dioxide Chemical compound O=C=O CURLTUGMZLYLDI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000000498 cooling water Substances 0.000 description 4
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 4
- 230000005674 electromagnetic induction Effects 0.000 description 4
- 230000014759 maintenance of location Effects 0.000 description 4
- 244000126211 Hericium coralloides Species 0.000 description 3
- 238000004090 dissolution Methods 0.000 description 3
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 3
- 239000000155 melt Substances 0.000 description 3
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 3
- 238000005496 tempering Methods 0.000 description 3
- 229910001250 2024 aluminium alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910001008 7075 aluminium alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 2
- 238000009529 body temperature measurement Methods 0.000 description 2
- 229910002092 carbon dioxide Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000001569 carbon dioxide Substances 0.000 description 2
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 2
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 2
- 239000002826 coolant Substances 0.000 description 2
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 2
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 2
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 2
- 230000002500 effect on skin Effects 0.000 description 2
- 230000003028 elevating effect Effects 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 101100165186 Caenorhabditis elegans bath-34 gene Proteins 0.000 description 1
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- FFBHFFJDDLITSX-UHFFFAOYSA-N benzyl N-[2-hydroxy-4-(3-oxomorpholin-4-yl)phenyl]carbamate Chemical compound OC1=C(NC(=O)OCC2=CC=CC=C2)C=CC(=C1)N1CCOCC1=O FFBHFFJDDLITSX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000004020 conductor Substances 0.000 description 1
- PCHJSUWPFVWCPO-UHFFFAOYSA-N gold Chemical compound [Au] PCHJSUWPFVWCPO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052737 gold Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010931 gold Substances 0.000 description 1
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 1
- 238000000265 homogenisation Methods 0.000 description 1
- 239000002244 precipitate Substances 0.000 description 1
- 230000005855 radiation Effects 0.000 description 1
- 239000011856 silicon-based particle Substances 0.000 description 1
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 1
- 238000013519 translation Methods 0.000 description 1
Images
Description
(1)空気炉(バッチ炉)、連続焼鈍炉、熱風ファン、オイルバス、温湯浴槽等のいずれかの熱処理炉を使用して、溶体化処理及び焼入し、100〜145℃で5〜50hrの時効処理を行う、アルミボルトなどの高強度熱処理型7000系アルミニウム合金製単体品を得る製造方法が知られている。(例えば特許文献1)
(2)ボルトヘッドをプレス加工し、溶液焼きなまし(460℃〜520℃)あるいは電磁誘導焼きなまし(460℃〜520℃)を行い、水中で焼き入れ(急冷)し、人工時効硬化し、転造によりねじ山を形成するアルミニウム合金製ボルトの製造方法が知られている。(例えば特許文献2 [請求項11]、段落[0025])
(3)溶体化処理及び焼入れを行った後に、120℃で24hr(T6調質)の時効処理を行い、200〜260℃で7〜120秒の復元処理をオイルバス等の浴槽型の熱処理炉にて行い、115〜125℃(時間は任意)の再時効処理を行う、7000系合金の高強度で且つ高耐食性を狙った熱処理方法が知られている。(例えば特許文献3)
(1)特許文献1の技術は、溶体化を連続焼鈍炉、熱風ファン、オイルバス、温湯浴槽等のいずれかの熱処理炉によって多数のアルミニウム合金製単体品の加熱をいっぺんに行うものである。一般的に、熱処理炉はJIS規格によれば、熱処理炉の9箇所(炉の大きさにもよるが10m×6m×8mの炉)の温度を計測して、その温度差が±7.5℃以内(クラス3)にあるいは±5℃以内(クラス2)となるように温度分布制御されればよいことになっている。そのため特許文献1の技術は以下に述べるような問題を有するものであった。
このような特許文献1の技術にあっては、製品単品毎に昇温速度にバラツキが生じる、製品単品毎に溶体化保持温度に対し±5℃のバラツキを生じる。±5℃はJIS規格ではクラス2であり温度管理に多大なコストがかかる。また製品の温度は測定できず製品と少しはなれた位置を測定し熱伝導、輻射熱を利用し製品単体の温度を均等にしている。しかし製品単体の温度を測定していないため実際はもっと大きなバラツキが生じている可能性は大きい。冷却槽に纏めていっぺんに製品単体群を漬け込み急冷するために製品単体ごとに冷却速度にバラツキが生じるなど、製品単体の個々の品質にバラツキが生じ、個々の製品の品質の均一化が図れない、ある程度の品質の不均一を前提としており中には不良品が含まれる可能性が大きいという問題点を有するものであった。
例えば、±5℃の熱処理炉にあっては、溶解温度582℃のアルミニウム合金素材の溶体化目標温度を578℃に設定することは、高温の時では578℃+5℃=583℃となり溶解温度582℃を超えてアルミニウム合金素材の溶解するものが生じることを意味し、また、溶体化目標温度を575℃±5℃であるというように溶体化目標温度の管理最高温度を溶解温度582℃にとどかない580℃とした場合にあっても、溶解温度582℃を超える箇所が生じる危険が大きくその箇所では製品の溶解=不良品が生じる危険が大きいものである。よって、そのような不良品が生じないようにするために従来技術にあっては、溶体化目標温度をさらに下げた570℃±5℃あたりにせざるを得ない制約があるものであった。
以上の述べたことから明らかであるように、溶体化を熱処理炉で行う従来技術にあっては、溶解温度に至近した温度(溶解至近温度)での溶体化処理ができないという欠点を有するものであった。
2000系、6000系、7000系の展伸材用熱処理合金のいずれか一種からなるアルミニウム合金製の高強度材のボルト、アルミニウム合金製の高強度材のタッピングネジ、アルミニウム合金製の高強度材のナット、アルミニウム合金製の高強度材のリベット、アルミニウム合金製の高強度材の機械部品、アルミニウム合金製の高強度材の自動車部品、またはアルミニウム合金製の高強度材の航空機部品であるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材から、アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる前記アルミニウム合金製単体素材に対応した形態の誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記アルミニウム合金製単体素材を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(b)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記アルミニウム合金製単体素材の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(c)この溶体化工程直後に前記アルミニウム合金製単体素材を急冷する急冷工程と、
(d)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法である。
6000系の展伸材用熱処理合金からなるボルトであるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材からアルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)焼きなまし状態にある前記アルミニウム合金製単体素材を圧造してボルトヘッドを有する半製品を形成する半製品形成工程と、
(b)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記半製品を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(c)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記半製品の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(d)この溶体化工程直後に前記半製品を急冷する急冷工程と、
(e)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
(f)前記半製品にねじ山を転造形成するねじ転造工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法である。
7000系あるいは2000系の展伸材用熱処理合金からなるボルトであるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材から、アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記アルミニウム合金製単体素材を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(b)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記アルミニウム合金製単体素材の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(c)この溶体化工程直後に前記アルミニウム合金製単体素材を急冷する急冷工程と、
(d)ボルトヘッドおよびねじ形成シャフト部分を切削加工により形成して半製品を形成する半製品形成工程と、
(e)前記半製品のねじ山を転造形成するねじ転造工程と、
(f)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法である。
溶体化目標温度が溶解温度より−6℃以内の溶解至近温度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法である。
溶体化目標温度が±1℃の範囲で制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法である。
前記単体素材セット工程から時効処理工程におけるアルミニウム合金製単体素材に対する各処理が、全て自動的に所定の時間の流れに基づいて行われる工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法の製造方法である。
溶体化工程が、
昇温速度20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱を行い該溶体化目標温度に達したら高周波電源をOFFにする第1加熱段階と、
前記溶体化目標温度より−1℃となったら出力を落とした状態で高周波電源をONにして、該溶体化目標温度まで放熱に打ち勝つ出力でゆっくり昇温させてゆく第2加熱段階と、
前記第2加熱段階において前記溶体化目標温度に達したら、微量の加熱状態でゆっくり冷却してゆく第3加熱段階とからなり、
前記溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持するための処理は、前記第2加熱段階と前記第3加熱段階の処理を繰り返すことによって制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法である。
溶体化工程での昇温速度20℃/sec以上の昇温加熱は電源電圧を第1電圧で行い、溶体化目標温度への到達後の温度計の検出結果に基づいて、前記第1電圧よりも低い第2電圧と該第2電圧よりも高く該第1電圧よりも低い第3電圧の間で電源電圧を自動的に制御部によって切り替えることによって、前記溶体化目標温度到達後の温度を±2℃で5sec〜180secに保持することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法である。
アルミニウム合金製単体素材が7000系であり、時効処理工程において、120℃で24hrの人工時効処理を行い、該人工時効処理の直後に300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える第2の高周波誘導加熱装置によって、完成品、半製品を含むアルミニウム合金製単体素材を昇温速度20℃/sec以上の昇温速度で200〜260℃の復元目標温度に加熱し且つ該復元目標温度を7sec〜120sec保持する復元処理工程を行い、この復元処理工程の直後に115〜125℃の再時効処理工程を行うことを特徴とする請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法である。
<請求項1記載の発明の効果>
2000系、6000系、7000系の展伸材用熱処理合金のいずれか一種からなるアルミニウム合金製の高強度材のボルト、アルミニウム合金製の高強度材のタッピングネジ、アルミニウム合金製の高強度材のナット、アルミニウム合金製の高強度材のリベット、アルミニウム合金製の高強度材の機械部品、アルミニウム合金製の高強度材の自動車部品、またはアルミニウム合金製の高強度材の航空機部品であるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材から、アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる前記アルミニウム合金製単体素材に対応した形態の誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記アルミニウム合金製単体素材を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(b)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記アルミニウム合金製単体素材の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(c)この溶体化工程直後に前記アルミニウム合金製単体素材を急冷する急冷工程と、
(d)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
(1)300KHz〜2MHzの高周波によりアルミニウム合金製単体素材の一つ一つを、20℃/sec以上の昇温速度でかつ精密な温度制御線でコントロールした昇温コントロールができ、且つ、±2℃という狭い温度範囲での溶体化保持温度にコントロールされるものである。すなわち、一つ一つのアルミニウム合金製単体素材の結晶粒度の成長が、同一の急速加熱および同一の溶体化目標温度保持の精密温度制御(制御部によって高周波電源の電圧を自在にコントロールすることによって、アルミニウム合金製単体素材に誘起される渦電流を高精度にコントロールすることができる)という同一条件によって個々になされるものであるから、アルミニウム合金製単体素材の一つ一つが最も高い機械的性質のものにできるという効果を奏する。
また、溶体化保持時間は溶解温度に近づけば近づくほど短縮できるので、生産性を向上させることを可能とするものである。
太さが0.5mm程度〜1mm程度のボルトなどのファスナーとするアルミニウム合金製品単体の加熱は、2MHzの高周波での導体の表面浅い部位を電流が流れる表皮効果によって効率的に加熱することが可能であるので1KW〜数KW程度の電力で可能である。
6061合金においては、市販品(T6済み材)295MPa、本発明製造419MPa、その差124MPa、向上率42%。
7075合金においては、市販品(T6済み材)540MPa、本発明製造684MPa、その差144MPaMPa、向上率20%。
6000系の展伸材用熱処理合金からなるボルトであるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材からアルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)焼きなまし状態にある前記アルミニウム合金製単体素材を圧造してボルトヘッドを有する半製品を形成する半製品形成工程と、
(b)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記半製品を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(c)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記半製品の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(d)この溶体化工程直後に前記半製品を急冷する急冷工程と、
(e)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
(f)前記半製品にねじ山を転造形成するねじ転造工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であるで、6000系アルミニウム合金製品ボルトにおいて請求項1と同様な効果を奏する。
7000系あるいは2000系の展伸材用熱処理合金からなるボルトであるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材から、アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記アルミニウム合金製単体素材を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(b)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記アルミニウム合金製単体素材の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(c)この溶体化工程直後に前記アルミニウム合金製単体素材を急冷する急冷工程と、
(d)ボルトヘッドおよびねじ形成シャフト部分を切削加工により形成して半製品を形成する半製品形成工程と、
(e)前記半製品のねじ山を転造形成するねじ転造工程と、
(f)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であるので、7000系あるいは2000系アルミニウム合金製品ボルトにおいて請求項1と同様な効果を奏する。
溶体化目標温度が溶解温度より−6℃以内の溶解至近温度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であるので、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、溶体化目標温度を溶解至近温度という溶解温度に至近した温度とすることにより、溶体化保持時間を短縮することができるので、生産性をあげることができるという効果を奏する。
溶体化目標温度が±1℃の範囲で制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であるので、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、溶体化目標温度が±1℃という狭い温度範囲で一つ一つのアルミニウム合金製品の溶体化が行われるので、より品質にバラツキの少ない均一な品質のアルミニウム合金製品を実現するという効果を奏する。
前記単体素材セット工程から時効処理工程におけるアルミニウム合金製単体素材に対する各処理が、全て自動的に所定の時間の流れに基づいて行われる工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であるので、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
溶体化工程が、
昇温速度20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱を行い該溶体化目標温度に達したら高周波電源をOFFにする第1加熱段階と、
前記溶体化目標温度より−1℃となったら出力を落とした状態で高周波電源をONにして、該溶体化目標温度まで放熱に打ち勝つ出力でゆっくり昇温させてゆく第2加熱段階と、
前記第2加熱段階において前記溶体化目標温度に達したら、微量の加熱状態でゆっくり冷却してゆく第3加熱段階とからなり、
前記溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持するための処理は、前記第2加熱段階と前記第3加熱段階の処理を繰り返すことによって制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であので、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する。
溶体化工程での昇温速度20℃/sec以上の昇温加熱は電源電圧を第1電圧で行い、溶体化目標温度への到達後の温度計の検出結果に基づいて、前記第1電圧よりも低い第2電圧と該第2電圧よりも高く該第1電圧よりも低い第3電圧の間で電源電圧を自動的に制御部によって切り替えることによって、前記溶体化目標温度到達後の温度を±2℃で5sec〜180secに保持することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であるので、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する。
アルミニウム合金製単体素材が7000系であり、時効処理工程において、120℃で24hrの人工時効処理を行い、該人工時効処理の直後に300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える第2の高周波誘導加熱装置によって、完成品、半製品を含むアルミニウム合金製単体素材を昇温速度20℃/sec以上の昇温速度で200〜260℃の復元目標温度に加熱し且つ該復元目標温度を7sec〜120sec保持する復元処理工程を行い、この復元処理工程の直後に115〜125℃の再時効処理工程を行うことを特徴とする請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法であるので、請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
6000系展伸材用熱処理合金からなるボルト、タッピングネジ、ナット、リベット、タペット、機械部品、自動車部品、航空機部品などのアルミニウム合金製品単体となるアルミニウム合金製単体素材2、
電源出力1KW〜50KWの範囲で300KHz〜2MHz(好ましくは400KHz〜2MHz){本実施例では400KHz(20KW)・2MHz(10KW)を切り替えて使用でき、400KHz(20KW)では電力を電源電圧OFF〜20KWの間で電源電圧の可変により自在にコットロールでき、2MHz(10KW)では電力を電源電圧OFF〜10KWの間で電源電圧の可変により自在にコットロールできる高周波誘導加熱装置を使用}の高周波電流を供給する高周波電源3、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイル4(銅管部材で該銅管内を冷却水が流されている)、この誘導加熱コイル4にセットされて誘導加熱される前記アルミニウム合金製単体素材2の温度を検出する放射温度計からなる温度計5(他の温度計でもよい)、この温度計5の検出温度に基づいて前記誘導加熱コイル4に流れる前記高周波電流を制御する制御部6とかなる高周波誘導加熱装置7、
焼きなまし状態(質別記号0)にある前記アルミニウム合金製単体素材2を圧造してボルトヘッドを有する半製品8を形成する半製品形成工程Aと、
前記誘導加熱コイル4に前記半製品8を1個セット(誘導加熱コイルの形態によっては複数個セットも可能)する単体素材セット工程Bと、
前記誘導加熱コイル4に前記高周波電流を流し、セットされた前記半製品8を{50℃/secの昇温速度で溶体化目標温度570℃まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃(好ましくは±1℃)で5sec〜180sec{本実施例においては60sec}に保持する溶体化工程Cと、
この溶体化工程C直後に前記半製品8を真下の水のはられた冷却槽9(水温20℃)に真っ直ぐに落とし漬けて急冷する急冷工程Dと、
冷却槽9のかご10に溜まった半製品8群を該かご10ごと該冷却槽9から取り出して、加熱炉11に収納(かご10に収めたまま入れても良い)して行う180℃.8hrの人工時効処理工程Eと、
人工時効処理済みの半製品8にダイス12によってねじ山を転造形成するねじ転造工程Fと、を備えてなるものである。
冷却媒体は水に限られず、オイルなど他の冷却媒体でもよい。
これは、50℃/secの昇温速度で溶体化目標温度まで加熱する(M10ボルト相当で11secで溶体化目標温度に到達)という、急速昇温加熱によってSiなどの析出粒が微細な状態での固溶化を実現するとともに、60sec以内の溶体化保持という短時間の溶体化によってその粗大が進行しないで急冷焼き入れがされたことによって、その後の人工時効処理では微細な析出物の析出がなされたものであることによると推察される。
時効処理時間は長くなるが、自然時効処理とすることによって人工時効処理より強い機械的性質のものをえることができることが多い。これは、人工時効処理の場合にあっては亜時効→ピーク時効(最も良好な機械的性質が得られる)→過時効(機械的性質が低下する)のに対して、自然時効処理は時間が経過するにつれて機械的性質が向上し続け人工時効処理のピーク時効時の機械的性質を超える機械的性質を実現するからである。
(1)昇温速度50℃/secあるいはそれ以上の急速昇温加熱は電源電圧を第1電圧(例えば170V)で行い、溶体化目標温度570℃への到達後の温度計5の検出結果に基づいて、前記第1電圧(例えば170V)よりも低い第2電圧(例えば70V)と該第2電圧よりも高く該第1電圧よりも低い第3電圧(例えば90V)の間で、電源電圧を自動的に制御部6によって切り替え指示して、前記溶体化目標温度570℃到達後の温度を±3℃好ましくは±2℃、より好ましくは±1℃で保持することが可能である。
(2)昇温速度50℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度570℃まで加熱を行い該溶体化目標温度570℃に達したら高周波電源3をOFFにする第1加熱段階と、前記溶体化目標温度570℃より−1℃となったら高周波電源3の出力を落とした状態でONにして、該溶体化目標温度570℃まで放熱に打ち勝つ出力でゆっくり昇温させてゆく第2加熱段階と、前記溶体化目標温度570℃に達したら微量の加熱を加えてゆっくり冷却してゆく第3加熱段階とからなり、前記溶体化目標温度570℃を±1℃で60secに保持する過程にあっては、前記第2加熱段階と前記第3加熱段階の処理を繰り返すことによって制御しすることによって可能である。
≪6061合金≫
:成分(Si0.4〜0.8、Fe0.7、Cu0.15〜0.4、Mn0.15、Mg0.8〜1.2、Cr0.04〜0.35、Zn0.25、Pb0.003、Ti0.15、残Al)
:機械的性質(引張強さ295MPa(T6))、耐力245MPa(T6)、伸び8〜10%、溶解温度582℃〜652℃)
6061合金製ボルトの溶解温度582℃の至近温度である565℃から575℃での溶体化が最も良好な機械的性質が得られていることが確認できる。ここでは、570℃±3℃(好ましくは±2℃、より好ましくは±1℃)とするのが均一な高品質の製品の実現できると考えられる。
市販品(T6済み材) 295MPa
本実施例1のボルトでねじを切削形成したもの 380MPa(市販品より29%向上)
本実施例1のボルトでねじを転造形成したもの 419MPa(市販品より42%向上)
本発明は、ボルト、ナット、リベットなどのアルミニウム合金製ファスナーの製造に最適である。
トレー17に並べられた半製品8を制御部6によって制御されるハンド18で1個掴み搬送して、誘導加熱コイル4の下部に設けられた制御部6によって回動(開閉)自在に制御されたセラミックス製の受け皿19に載せて誘導加熱コイル4内にセットする(単体素材セット工程B)。
冷却槽9には半製品8を受け該冷却槽9外に搬送するコンベアー20が設けられ、加熱炉21のコンベアー22に自動的に半製品8を搬送するようになっている。
コンベアー22に載った半製品8は加熱炉21内を所定時間流されて人工時効処理される(人工時効処理工程E)。
工程にねじ転造工程が無く、製造されるアルミニウム合金製品がリベットとするのもよい。
7075アルミニウム合金あるいは2024アルミニウム合金からなるボルトであるアルミニウム合金製品単体となるアルミニウム合金製単体素材26、
高周波誘導加熱装置7、
誘導加熱コイル4にアルミニウム合金製単体素材26を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程Jと、
誘導加熱コイル4に高周波電流を流し、セットされたアルミニウム合金製単体素材26の一つ一つを50℃/secの昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃(好ましくは±1℃)で60secに保持する溶体化工程Kと、
この溶体化工程K直後にアルミニウム合金製単体素材26を急冷する急冷工程Lと、
ボルトヘッド27およびねじ形成シャフト部分28を切削加工により形成して半製品29を形成する半製品形成工程Mと、
半製品29のねじ形成シャフト部分28にねじ山を転造形成して半製品ボウル31を形成するするねじ転造工程Nと、
半製品ボウル31を熱間時効処理して合金ボルト32を形成する人工時効処理工程Pとからなっている。
現時点での最適値は次のようである。
アルミニウム合金製単体素材26が7075アルミニウム合金である場合は、溶体化目標温度=溶体化保持温度は480℃、人工時効処理工程Pは125℃ 24hrとしている。
アルミニウム合金製単体素材26が2024アルミニウム合金である場合は、溶体化目標温度=溶体化保持温度は500℃、人工時効処理工程Pは195℃ 8hrとしている。
≪2024合金≫
:成分(Si0.5、Fe0.5、Cu3.8〜4.9、Mn0.3〜0.9、Mg1.2〜1.8、Cr0.1、Zn0.25、Zr打ち合わせ、Ti0.15、残Al)
:機械的性質(引張強さ440MPa(N/mm2)(T6) 480MPa(T851)、耐力345MPa(T6) 430MPa(T851)、伸び3〜5%、溶解温度502℃〜638℃)
2024合金製ボルトの溶解温度502℃の極めて至近した至近温度である500℃での溶体化が最も良好な機械的性質が得られていることが確認できる。ここでは、500℃±2℃、より好ましくは±1℃とするのが均一な高品質の製品の実現できると考えられる。
≪7075合金≫
:成分(Si0.4、Fe0.5、Cu1.2〜20、Mn0.3、Mg21〜29、Cr0.18〜0.28、Zn5.1〜6.1、Zr打ち合わせ、Ti0.2、残Al)
:機械的性質(引張強さ540MPa(T6))、耐力460MPa(T6)、伸び8%、溶解温度477℃〜635℃(テスト品の溶解温度は502℃))
7075合金製ボルトの溶解温度502℃の至近温度である480℃での溶体化が最も良好な機械的性質が得られていることが確認できる。ここでは、480℃±3℃(好ましくは±2℃、より好ましくは±1℃)とするのが均一な高品質の製品の実現できると考えられる。
市販品(T6済み材) 540MPa
本実施例3のボルトでねじを切削形成したもの 629MPa(市販品より16%向上)
本実施例3のボルトでねじを転造形成したもの 648MPa(市販品より20%向上)
このような製造方法としたことによって、結晶粒径が45μm以下でアスペクト比(結晶粒の縦横比、以下同じ)が4以下であるミクロ組織を有する耐食性に優れるアルミニウム合金製単体素材を実現している。
第2の高周波誘導加熱装置35が高周波誘導加熱装置7であるもの、すなわち、高周波誘導加熱装置7によって溶体化工程Cと復元処理工程Qを行うものも含まれるものである。
高周波誘導加熱装置7aの前記実施例1の高周波誘導加熱装置7と主に異なる点は、誘導加熱コイル4の内側にボルトと該誘導加熱コイル4の接触を防止するためのセラミックス部材製(耐熱性で絶縁性の部材であればよい)の接触防止管40がセットされ、誘導加熱コイル4の下方に制御部6の指示によって昇降動作および回動動作するアルミニウム合金製単体素材(2、8、26、32)を載せ置く支持部材41を設けた点にある。
支持部材41は制御部6によって制御された支持部材操作部43によって、昇降移動および回動動作を行うようになっている。
図5にあってはボルトヘッドが誘導加熱コイル4および誘導加熱コイル4外にしているが、ボルトヘッドを誘導加熱コイル4および誘導加熱コイル4内とするのもよい。
接触防止管40の形態はボルトヘッドも入るようにしている。
高周波誘導加熱装置7dは、誘導加熱コイルをアルミニウム合金製単体素材(2、8、26、32)が三本同時にセットできる長さのU字形態をした誘導加熱コイル55とし、この誘導加熱コイル55の下方に櫛歯形態のアルミニウム合金製単体素材(2、8、26、32)を受ける支持部材56a、56bが、櫛歯が相手の櫛歯の隙間に入る形態で対抗するように設けられ、支持部材56a、56bは棒状の回動体57a、57bに根本が支持部材操作部58に回動動作するように設けられ、支持部材操作部58は制御部6に制御されて回動体57a、57bを回動動作するようになっている。
急冷は下方に逆△形態の受け網かごを設け、アルミニウム合金製単体素材(2、8、26、32)を受けると同時に左右から大量の冷却水を噴出かけて、全面が同時に平均的に急冷されるようにするのがよい。
前記実施例5と主に異なる点は、高周波誘導加熱装置7eの前記実施例1の高周波誘導加熱装置7と主に異なる点は、誘導加熱コイルが一本の管によって三つの誘導加熱コイル4a、4b、4cを形成し、三本のアルミニウム合金製単体素材(2、8、26、32)を同時に溶体化できるようにした点にある。
B:単体素材セット工程、
C:溶体化工程、
D:急冷工程、
E:人工時効処理工程、
F:ねじ転造工程、
J:単体素材セット工程、
K:溶体化工程、
L:急冷工程、
M:半製品形成工程、
N:ねじ転造工程、
P:人工時効処理工程、
Q:復元処理工程、
R:急冷工程、
S:再時効処理工程、
1:アルミニウム合金製品の製造工程、
2:アルミニウム合金製単体素材、
3:高周波電源、
4、4a、4b、4c:誘導加熱コイル、
5:温度計、
6:制御部、
7、7a、7b、7c、7d、7e:高周波誘導加熱装置、
8:半製品、
9:冷却槽、
10:かご、
11:、加熱炉、
12:ダイス、
13:6061合金ボルト、
16:アルミニウム合金製品の製造システム、
17:トレー、
18:ハンド、
19:受け皿、
20:コンベアー、
21:加熱炉、
22:コンベアー、
25:アルミニウム合金製品の製造工程、
26:アルミニウム合金製単体素材、
27:ボルトヘッド、
28:ねじ形成シャフト部分、
29:半製品、
30:昇降体、
31:半製品ボウル、
32:合金ボルト。
34:冷却槽、
35:第2の高周波誘導加熱装置、
36:加熱炉、
37:合金製ボルト、
38:アルミニウム合金製品の製造方法、
40:接触防止管、
41:支持部材、
42:鍔、
43:支持部材操作部、
44:温度測定孔、
45:測定光線、
46:空洞部、
48、48a、48b、48c:支持部材、
49、49a、49b、49c:支持部材操作部、
51:誘導加熱コイル、
52:接触防止管、
53a、53b、53c:支持部材通し孔、
55:誘導加熱コイル、
56a、56b:支持部材、
57a、57b:回動体、
58:支持部材操作部。
Claims (9)
- 2000系、6000系、7000系の展伸材用熱処理合金のいずれか一種からなるアルミニウム合金製の高強度材のボルト、アルミニウム合金製の高強度材のタッピングネジ、アルミニウム合金製の高強度材のナット、アルミニウム合金製の高強度材のリベット、アルミニウム合金製の高強度材の機械部品、アルミニウム合金製の高強度材の自動車部品、またはアルミニウム合金製の高強度材の航空機部品であるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材から、アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる前記アルミニウム合金製単体素材に対応した形態の誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記アルミニウム合金製単体素材を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(b)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記アルミニウム合金製単体素材の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(c)この溶体化工程直後に前記アルミニウム合金製単体素材を急冷する急冷工程と、
(d)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。 - 6000系の展伸材用熱処理合金からなるボルトであるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材からアルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)焼きなまし状態にある前記アルミニウム合金製単体素材を圧造してボルトヘッドを有する半製品を形成する半製品形成工程と、
(b)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記半製品を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(c)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記半製品の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(d)この溶体化工程直後に前記半製品を急冷する急冷工程と、
(e)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
(f)前記半製品にねじ山を転造形成するねじ転造工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。 - 7000系あるいは2000系の展伸材用熱処理合金からなるボルトであるアルミニウム合金製品単体を製造するためのアルミニウム合金製単体素材から、アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
(a)300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える高周波誘導加熱装置の該誘導加熱コイルに、前記アルミニウム合金製単体素材を1個あるいは複数個セットする単体素材セット工程と、
(b)前記誘導加熱コイルに前記高周波電流を流し、セットされた前記アルミニウム合金製単体素材の一つ一つを20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱し、該溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持する溶体化工程と、
(c)この溶体化工程直後に前記アルミニウム合金製単体素材を急冷する急冷工程と、
(d)ボルトヘッドおよびねじ形成シャフト部分を切削加工により形成して半製品を形成する半製品形成工程と、
(e)前記半製品のねじ山を転造形成するねじ転造工程と、
(f)人工時効処理あるいは自然時効処理を行う時効処理工程と、
を備えることを特徴とする高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。 - 溶体化目標温度が溶解温度より−6℃以内の溶解至近温度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。
- 溶体化目標温度が±1℃の範囲で制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。
- 前記単体素材セット工程から時効処理工程におけるアルミニウム合金製単体素材に対する各処理が、全て自動的に所定の時間の流れに基づいて行われる工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。
- 溶体化工程が、
昇温速度20℃/sec以上の昇温速度で溶体化目標温度まで加熱を行い該溶体化目標温度に達したら高周波電源をOFFにする第1加熱段階と、
前記溶体化目標温度より−1℃となったら出力を落とした状態で高周波電源をONにして、該溶体化目標温度まで放熱に打ち勝つ出力でゆっくり昇温させてゆく第2加熱段階と、
前記第2加熱段階において前記溶体化目標温度に達したら、微量の加熱状態でゆっくり冷却してゆく第3加熱段階とからなり、
前記溶体化目標温度を±2℃で5sec〜180secに保持するための処理は、前記第2加熱段階と前記第3加熱段階の処理を繰り返すことによって制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。 - 溶体化工程での昇温速度20℃/sec以上の昇温加熱は電源電圧を第1電圧で行い、溶体化目標温度への到達後の温度計の検出結果に基づいて、前記第1電圧よりも低い第2電圧と該第2電圧よりも高く該第1電圧よりも低い第3電圧の間で電源電圧を自動的に制御部によって切り替えることによって、前記溶体化目標温度到達後の温度を±2℃で5sec〜180secに保持することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。
- アルミニウム合金製単体素材が7000系であり、時効処理工程において、120℃で24hrの人工時効処理を行い、該人工時効処理の直後に300KHz〜2MHzの高周波電流を供給する高周波電源、前記高周波電流が流れる誘導加熱コイルを備える第2の高周波誘導加熱装置によって、完成品、半製品を含むアルミニウム合金製単体素材を昇温速度20℃/sec以上の昇温速度で200〜260℃の復元目標温度に加熱し且つ該復元目標温度を7sec〜120sec保持する復元処理工程を行い、この復元処理工程の直後に115〜125℃の再時効処理工程を行うことを特徴とする請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の高強度のアルミニウム合金製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010092635A JP5726433B2 (ja) | 2010-04-13 | 2010-04-13 | 高強度のアルミニウム合金製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010092635A JP5726433B2 (ja) | 2010-04-13 | 2010-04-13 | 高強度のアルミニウム合金製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011219838A JP2011219838A (ja) | 2011-11-04 |
JP5726433B2 true JP5726433B2 (ja) | 2015-06-03 |
Family
ID=45037179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010092635A Active JP5726433B2 (ja) | 2010-04-13 | 2010-04-13 | 高強度のアルミニウム合金製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5726433B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2980215B1 (fr) * | 2011-09-20 | 2019-11-22 | Psa Automobiles Sa. | Procede de traitement thermique d'une piece en alliage d'aluminium coulee sous pression |
JP6351229B2 (ja) * | 2013-10-08 | 2018-07-04 | Sus株式会社 | ボルトの製造方法 |
RU2720289C1 (ru) * | 2019-11-05 | 2020-04-28 | федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Тамбовский государственный университет имени Г.Р. Державина" | Электрофизический способ повышения прочности и механической устойчивости листовых заготовок из алюминий-магниевых сплавов |
CN113106364A (zh) * | 2021-03-24 | 2021-07-13 | 武汉理工大学 | 一种铝合金构件及其制造方法 |
CN113846279A (zh) * | 2021-09-26 | 2021-12-28 | 浙江大学 | 一种用于7075铝合金的超快速时效工艺及其应用 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3939414B2 (ja) * | 1997-12-12 | 2007-07-04 | 古河スカイ株式会社 | 高強度アルミニウム合金製ねじおよびその製造方法 |
JP4323296B2 (ja) * | 2003-11-26 | 2009-09-02 | 住友軽金属工業株式会社 | 熱処理型アルミニウム合金材の接合方法並びにプレス成形用接合材 |
JP4219871B2 (ja) * | 2004-08-18 | 2009-02-04 | 一郎 大倉 | アルミニウム合金リベットの製造方法 |
JP5128109B2 (ja) * | 2006-10-30 | 2013-01-23 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 電線導体およびその製造方法 |
-
2010
- 2010-04-13 JP JP2010092635A patent/JP5726433B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011219838A (ja) | 2011-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5726433B2 (ja) | 高強度のアルミニウム合金製品 | |
CN102165080B (zh) | 高强度高导电铜合金轧制板及其制造方法 | |
JP6750116B2 (ja) | 金属鋳造及び圧延ライン | |
JP2020041221A (ja) | 金属合金の加工方法 | |
CN110042332B (zh) | 一种铝合金及其制备方法 | |
ES2298238T3 (es) | Componente basado en aleaciones de tial gamma con zonas de estructura graduada. | |
CN107598068B (zh) | 一种基于镍基高温合金的航空发动机叶片锻造工艺 | |
JPH10504606A (ja) | 金属部品を熱処理する方法 | |
CN110249068B (zh) | 钛合金零件的热处理方法 | |
US11473173B2 (en) | α+βtitanium alloy extruded shape | |
JP6242903B2 (ja) | アルミニウム加工材を熱処理するための方法および装置とアルミニウム加工材 | |
US20170009322A1 (en) | Method for the manufacturing of products with anodized high gloss surfaces from extruded profiles of al-mg-si or al-mg-si cu extrusion alloys | |
JP6817345B2 (ja) | アルミニウムストリップ用通過式炉 | |
JP2016534232A (ja) | Al−Mg−SiおよびAl−Mg−Si−Cu押出用合金の製造方法 | |
CN102844452A (zh) | 电子材料用Cu-Si-Co系合金及其制备方法 | |
JP2016020530A (ja) | Al−Mg−Si系合金圧延板の温間成形方法 | |
CN103556094B (zh) | 利用精锻机锻造生产tc4钛合金棒材的方法 | |
JP2004269994A (ja) | 生体適合性Co基合金及びその製造方法 | |
CN110042327A (zh) | 一种降解速率大范围可控的生物镁合金 | |
JPH09287046A (ja) | 高強度で耐食性に優れる熱処理型7000系アルミニウム合金及びその製造方法 | |
JP4898087B2 (ja) | 微粒状電気メッキアノードの製造 | |
RU2753103C1 (ru) | Способ получения сложнопрофильных изделий из высоколегированных жаропрочных никелевых сплавов, содержащих более 30% упрочняющей γ'-фазы | |
WO2019094400A1 (en) | Highly alloyed stainless steel forgings made without solution anneal | |
KR101044899B1 (ko) | 알루미늄 단조 방법 | |
Francis et al. | Investigation of forged-like microstructure produced by a hybrid manufacturing process |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130402 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140425 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140618 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150109 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150309 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150327 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150401 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5726433 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |