JP5725642B2 - コイル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステッピングモータ等におけるコイル装置に関し、特に、その端子台構造の改良に関する。
特許文献1に記載されたPM形ステッピングモータにおいて、2枚のインナーヨークを挟む2つのコイルボビンのうち一方のコイルボビンはその外側フランジに外周方向へ張り出た端子台を有しており、この端子台はコイルボビンの捲き掛け軸と平行な方向に端子孔を持ち、この端子孔には板状端子ピンが貫通固定されている。板状端子ピンの一端にはコイルボビンに巻装されたコイルからの巻線端末が絡げられて半田付けされており、板状端子ピンの他端側は半田付けでリード線が接続されるか、或いは雌コネクターが差し込まれるようになっている。
実開平5−60150(0014 図3)
しかしながら、板状端子ピンの他端側が雌コネクターで抜き差しされる場合は、板状端子ピンが端子台に対して押し引きされることになるため、板状端子ピンがいずれかの方向に緩んでしまい、事実上、雌コネクターの接続には不向きな構造であった。
そこで本発明の課題は、雌コネクターの抜き差しによっても端子ピンが端子台に対して緩み難い端子台を備えたコイル装置を提供することにある。
本発明に係るコイル装置は、巻き掛け軸方向に重ねた第1コイルボビン及び第2コイルボビンを有し、第1コイルボビンの内側フランジと第2コイルボビンの内側フランジとがいずれもその外周側から外方へ張り出て同方向に貫通する端子ピンを持つ端子台及びこの端子台の近傍の突起部を備え、端子ピンは端子台の内側から外側へ差し込まれたピン部とこのピン部の後端で端子台の内側面に当り止る頭部とを有し、第1コイルボビンの内側フランジ側の端子ピンの頭部に第2コイルボビンの内側フランジ側の突起部が当て止めすると共に、第2コイルボビンの内側フランジ側の端子の頭部に第1コイルボビンの内側フランジ側の突起部が当て止めして成ることを特徴とする。
端子台から突出したピン部に対し雌コネクターを差し込んでも、突起部が端子ピンの頭部に当り止っており、また逆に雌コネクターを引き抜いても、端子ピンの頭部が端子台の内側面に当り止っているため、端子ピンが端子台に対して緩み難い。
ここで、端子ピンのピン部が円柱ピン部である場合、この円柱ピン部のうち頭部付近に断面非円形のエッジ部を備えて成ることが望ましい。コイルボビンに巻装したコイルの巻線端末を円柱ピン部に絡げてからエッジ部で切断することができる。また、エッジ部が端子台に圧入されて食い込むため、端子ピンが回転することがない。
そして、PM形ステッピングモータとしては、上記のコイル装置を用い、第1及び第2コイルボビンの内側フランジは2枚のインナーヨークを挟んで成ることが望ましい。
本発明によれば、互いに相手方のフランジの突起部が端子の頭部を当て止めして抜け防止するため、雌コネクターの抜き差しに対しても端子が緩み難い。
(A)は本発明の実施例に係るPM形ステッピングモータ用アウターステータの一部を構成するコイル装置を示す斜視図、(B)は同コイル装置のコネクタ差し込み口を取り外した状態を示す斜視図である。 同コイル装置の組立斜視図である。 同コイル装置に用いる2個のコイルボビンを示す斜視図である。 (A)は同コイルボビンの平面図、(B)は同コイルボビンにおける端子台付近の部分拡大図である。 (A)は同コイル装置の断面図、(B)は同コイル装置における端子台付近の断面拡大図である。 (A)は同コイル装置に用いる端子ピンを示す斜視図、(B)は同端子ピンの平面図、(C)は図6(B)におけるb−b線で切断した状態を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本例のコイル装置1はPM形ステッピングモータのアウターステータを構成するもので、図1に示す如く、コイル装置本体10と端子台群を囲むコネクター差し込み口20とから成る。コイル装置本体10は、図2に示す如く、第1コイル11Aが巻装された樹脂製の第1コイルボビン12Aと、第2コイル11Bが巻装された樹脂製の第2コイルボビン12Bと、内周側に切り起された複数の極歯Kを持つ円環状の第1インナーヨーク13Aと、内周側に切り起された複数の極歯Kを持つ円環状の第2インナーヨーク13Bとから成り、第1コイルボビン12Aと第2コイルボビン12Bとが第1インナーヨーク13Aと第2インナーヨーク13Bを挟んだ状態で巻き掛け軸方向に重ね合わされている。
第1コイルボビン12Aと第2コイルボビン12Bは図3に示す如く同じものを用いて成り、第1コイルボビン12Aの内側フランジFの面にも、第2コイルボビン12Bの内側フランジFの面にも、嵌め合い突起Mと嵌め合い穴Hとがインナーヨーク13A,13Bの切り欠き部Sに係合するヨーク位置決め部P上に一体的に形成されており、一方の内側フランジF側の嵌め合い突起Mが他方の内側フランジF側の嵌め合い穴Hに嵌合すると共に、他方の内側フランジF側の嵌め合い突起Mが一方の内側フランジF側の嵌め合い穴Hに嵌合するようになっている。
また、いずれの内側フランジF,Fにも、外周側から外方へ張り出て同方向に貫通する端子孔hを持つ端子台T〜Tが一体的に配列形成されている。更に、2つの端子台挟間V,Vと最端の端子台Tの脇Vとの内周側には突起部W〜Wが一体的に形成されている。各端子台T〜Tの端子孔hには端子ピン5が差し込まれているが、この端子ピン5は、図6に示す如く、頭部5aと円柱ピン部5bとから成り、円柱ピン部のうち頭部5a付近には圧潰して形成した断面十字状のエッジ部Eが付帯している。
一方の内側フランジFの嵌め合い突起Mが他方の内側フランジFの嵌め合い穴Hに係合すると共に、他方の内側フランジFの嵌め合い突起Mが一方の内側フランジFの嵌め合い穴Hに係合し、2枚のインナーヨーク13A,13Bが内側フランジF,Fに挟まれており、また、一方の内側フランジFの端子台T〜Tと他方の内側フランジFの端子台T〜Tとが噛み合うように配列し、一方の内側フランジFの突起部W〜Wが他方の内側フランジFの端子台T〜Tの端子ピン5の頭部5aを当て止めしていると共に、他方の内側フランジFの突起部W〜Wが一方の内側フランジFの端子台T〜Tの端子ピン5の頭部5aを当て止めしている。
このため、端子台T〜Tから突出したピン部5bに対し雌コネクター(図示せず)を差し込んでも、突起部W〜Wが端子ピン5の頭部5aに当り止っており、また逆に雌コネクターを引き抜いても、端子ピン5の頭部5aが端子台T〜Tの内側面に当り止っているため、端子ピン5が端子台T〜Tに対して緩み難い。
本例においては、端子ピン5のピン部5bは円柱状としてあるが、エッジ部Eを備えているため、コイル11A,11Bの巻線端末を円柱ピン部5bに絡げてからエッジ部Eで切断することができる。また、エッジ部Eが端子台T〜Tに圧入されて食い込むため、端子ピン5が回転することがない。
なお、本例のコイル装置はPM形ステッピングモータに限らず、2つのコイルボビンが巻き掛け軸方向に重なるものであれば、種々のコイル装置に適用できる。
1…コイル装置
5…端子ピン
5a…頭部
5b…円柱ピン部
10…コイル装置本体
11A…第1コイル
11B…第2コイル
12A…第1コイルボビン
12B…第2コイルボビン
13A…第1インナーヨーク
13B…第2インナーヨーク
20…コネクター差し込み口
E…エッジ部
,F…内側フランジ
H…嵌め合い穴
h…端子孔
,K…極歯
M…嵌め合い突起
P…ヨーク位置決め部
S…切り欠き部
〜T…端子台
,V…端子台挟間
…脇
〜W…突起部

Claims (2)

  1. 巻き掛け軸方向に重ねた第1コイルボビン及び第2コイルボビンを有し、前記第1コイルボビンの内側フランジと前記第2コイルボビンの内側フランジとがいずれもその外周側から外方へ張り出て同方向に貫通する端子ピンを持つ端子台及びこの端子台の近傍の突起部を備え、前記端子ピンは前記端子台の内側から外側へ差し込まれたピン部とこのピン部の後端で前記端子台の内側面に当り止る頭部とを有し、前記第1コイルボビンの前記内側フランジ側の前記端子ピンの前記頭部に前記第2コイルボビンの前記内側フランジ側の前記突起部が当て止めすると共に、前記第2コイルボビンの前記内側フランジ側の前記端子ピンの前記頭部に前記第1コイルボビンの前記内側フランジ側の前記突起部が当て止めして成り、前記ピン部は前記頭部付近に断面十字状のエッジ部を備えて成ることを特徴とするコイル装置。
  2. 請求項1に規定するコイル装置を用い、前記第1及び第2コイルボビンの前記内側フランジが2枚のインナーヨークを挟んで成ることを特徴とするPM形ステッピングモータ。
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