JP5724884B2 - 内燃機関冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される内燃機関を冷却する内燃機関冷却装置に関するものである。
従来、車両に搭載される内燃機関を冷却する内燃機関冷却装置として、下記特許文献1に開示される内燃機関の冷却装置が知られている。この冷却装置では、内燃機関の暖機が不十分な状況下で車室内ヒータを作動させるべき要求が生じた場合には、車両の走行中にラジエータ(放熱器)の表面に生ずる走行圧を車速から推定しこの推定された走行圧とほぼ均衡する圧力をラジエータ裏面側に発生させるように、ラジエータの裏面側に配置される電動ファンを逆回転させることにより、エンジンルーム内の空気の流れを阻止する。これにより、内燃機関で発生した熱がエンジンルーム内に蓄えられて、ヒータコアに高温の冷却水が導かれることとなり、内燃機関の暖機状態が不十分な場合においても、車室内ヒータに十分に高いヒータ能力を発揮させている。
特開平08−232658号公報
ところで、上記特許文献1に開示される構成では、内燃機関の暖機が不十分な状況下で電動ファンを逆回転させてエンジンルーム内の空気の流れを阻止すると、内燃機関を冷却するための冷媒が放熱器(ラジエータ)にて冷やされにくくなり、内燃機関の暖機を早めることができる。
しかしながら、上記走行圧を車速から推定する構成では、車両停止中などの場合には、上記走行圧を精度良く測定することができないという問題がある。また、車両の走行中に放熱器の表面に生ずる走行圧を検出するための検出装置を別途設けると、部品点数の増大や製品重量の増大を招くという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、簡易な構成にて内燃機関の早期暖機を実施し得る内燃機関冷却装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、内燃機関(2)を冷却する冷媒(W)の循環経路に設けられる放熱器(11)と、導入口(4)から導入される外気を利用して前記放熱器を冷却するファン(13)と、前記ファンを回転させるファン用モータ(14)と、前記ファン用モータを駆動制御する制御手段(16)と、を備える内燃機関冷却装置(10,10a,10b)であって、前記ファンの回転状態に応じて前記放熱器の周囲の風速に相当する物理量(Nx)を検出する物理量検出手段(16)と、前記内燃機関の温度(Tp)を検出する温度検出手段(15)とを備え、前記ファンは、正回転することで前記導入口を介して導入される前記外気を前記放熱器に向けて送風し、逆回転することで前記放熱器を介して前記導入口に向けて送風するように構成され、前記制御手段は、前記内燃機関の駆動時であって前記温度検出手段により検出される温度が当該内燃機関の暖機を必要とする温度(Tt)以下である場合に、前記物理量検出手段により検出される前記物理量に基づいて前記風速が0に近づくように前記ファンを逆回転させて前記ファン用モータを駆動制御し、前記ファンは、前記導入口に対して前記放熱器を介して対向する位置に配置され、前記物理量検出手段は、前記ファンの回転数(N)を検出する回転数検出手段(14a)を備え、前記ファン用モータが通電状態である場合には、当該ファン用モータを一定時間非通電状態にしたときに前記回転数検出手段により検出される前記ファンの回転数の変化に応じて前記物理量を検出することを特徴とする。
なお、特許請求の範囲および上記手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、ファンは、正回転することで導入口を介して導入される外気を放熱器に向けて送風し、逆回転することで放熱器を介して導入口に向けて送風するように構成されている。そして、制御手段は、内燃機関の駆動時であって温度検出手段により検出される温度が当該内燃機関の暖機を必要とする目標温度以下である場合に、物理量検出手段により検出される物理量に基づいて上記風速が0(ゼロ)に近づくようにファンを逆回転させてファン用モータを駆動制御する。
このように、内燃機関の温度が目標温度以下である場合に、放熱器の周囲の風速が0に近づくようにファンが逆回転制御されるため、冷媒が放熱器にて冷やされにくくなり、内燃機関の暖機を早めることができる。特に、ファンの回転状態は、放熱器の周囲の風速に影響を及ぼされることから、放熱器の周囲の風速に相当する物理量を、既存のファンの回転状態に応じて検出することができ、上記物理量を検出するための検出装置を別途設ける必要が無く、当該物理量検出手段が複雑に構成されることもない。
したがって、簡易な構成にて内燃機関の早期暖機を実施することができる。
特に、ファンは、導入口に対して放熱器を介して対向する位置に配置されるため、導入口を介した外気を放熱器に向けて送風しやすくなるだけでなく、ファンの回転状態が放熱器の周囲の風速からさらに影響を及ぼされやすくなるので、放熱器の周囲の風速に相当する物理量を、精度良く検出することができる。
特に、物理量検出手段は、ファン用モータが通電状態である場合には、ファン用モータを一定時間非通電状態にしたときに回転数検出手段により検出されるファンの回転数の変化に応じて、上記物理量を検出する。通電状態のファン用モータが非通電状態となり、ファン用モータからファンに伝達される回転駆動力がなくなると、ファンは惰性で減速しながら回転することとなる。このファンの回転数の変化量(減速度合い)は、放熱器の周囲の風速に影響されるため、当該ファンの回転数の変化量に応じて上記風速に相当する物理量を検出することができる。
請求項の発明では、物理量検出手段は、上記風速が0に近づくように制御手段によりファンが逆回転制御される状態であって、導入口を介する外気の導入風速を変化させるほどの車速の変化が車速検出手段により検出される場合には、ファン用モータを一定時間非通電状態にして回転数検出手段により検出されるファンの回転数の変化に応じて、上記物理量を検出する。
通電状態であるファン用モータを一定時間非通電状態にして上記物理量を検出した後に車速が大きく変化すると、外気の導入風速が大きく変化して放熱器の周囲の風速が大きくなり、物理量の検出精度が低下してしまう。そこで、上記導入風速を変化させるほどの車速の変化が車速検出手段により検出される場合には、その検出後に、非通電状態におけるファンの回転数の変化に応じた上記物理量を検出する。このように検出された物理量に基づいて上記風速が0に近づくようにファンが逆回転制御されることで、上記導入風速が大きく変化する場合でも早期暖機を実施することができる。
請求項の発明では、制御手段は、上記風速が0に近づくようにファンを逆回転させてファン用モータを駆動制御している状態で、温度検出手段により検出される温度と内燃機関の許容温度との差が小さくなるほどファンの逆回転数が小さくなるようにファン用モータを駆動制御する。
単に、放熱器の周囲の風速が0に近づくようにファンを逆回転制御して冷媒の冷却を妨げていると、内燃機関の温度が許容温度を大きく超えてしまう場合がある。そこで、内燃機関の温度と内燃機関の許容温度との差が小さくなるほどファンの逆回転数が小さくなるようにファン用モータを駆動制御することで、内燃機関の温度が上記許容温度以上となる状態を抑制することができる。
第1実施形態に係る内燃機関冷却装置を概略的に示す概略構成図である。 フロントグリルから流入する外気を、ファンの逆回転により生じる気流を用いて打ち消す状態を説明する説明図である。 第1実施形態においてコントローラにより実施されるモータ駆動制御処理の流れを例示するフローチャートである。 非通電状態におけるファンの回転数と逆回転数との関係を示すマップである。 無風状態における通電停止後のファンの回転数の時間変化を示すグラフである。 流入外気による損失を説明するための説明図である。 式(4)から得られる非通電時間ごとの回転数変化量と逆回転数との関係を示すグラフである。 逆回転数算出処理にて使用可能な逆回転数を求めるマップである。 第2実施形態に係る内燃機関冷却装置を概略的に示す概略構成図である。 第2実施形態においてコントローラにより実施されるモータ駆動制御処理の流れを例示するフローチャートである。 車速変化量に応じた通電時間の変化を説明する説明図である。 第3実施形態においてコントローラにより実施されるモータ駆動制御処理の流れを例示するフローチャートである。 図13(A)は、逆回転数を補正しない場合のエンジン温度の時間変化を示すグラフであり、図13(B)は、逆回転数を補正した場合のエンジン温度の時間変化を示すグラフである。 逆回転数補正処理にて使用する温度差と減率と関係を示す図表である。 第4実施形態に係る内燃機関冷却装置を概略的に示す概略構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の内燃機関冷却装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す内燃機関冷却装置10は、エンジンルーム1内に配置されて、ガソリンエンジン等の内燃機関(以下、単にエンジン2という)の表面側に設けられるウォータジャケット3に冷媒として機能する冷却水Wを流すことで、当該エンジン2を冷却する装置である。
内燃機関冷却装置10は、ラジエータ11と、このラジエータ11およびウォータジャケット3を冷却水Wの循環を可能に連通することで冷却水Wの循環経路12を構成する冷却水通路12a,12bと、を備えている。ラジエータ11は、外気をエンジンルーム1内に導入する導入口として機能するフロントグリル4に近接して対向するように配置されており、ウォータジャケット3内を流れることで高温になった冷却水Wを冷却する放熱器として機能する。なお、冷却水Wは、図略のウォータポンプによりその流量が調整されて循環経路12内を循環する。
また、内燃機関冷却装置10は、ファン13と、このファン13を回転させるファン用モータ14と、温度センサ15と、ファン用モータ14を駆動制御する制御手段として機能するコントローラ16と、を備えている。
図1に示すように、ファン13は、フロントグリル4に対してラジエータ11を介して対向する位置に配置されている。また、ファン13は、正回転することでフロントグリル4を介して導入される外気をラジエータ11に向けて送風し(図1の矢印A1参照)、逆回転することでエンジンルーム1内の空気をラジエータ11を介してフロントグリル4に向けて送風する(図1の矢印A2参照)、ように構成されている。
ファン用モータ14は、例えばブラシレスモータであって、エンコーダなどにより構成される回転数センサ14aによりその回転数に関する回転数信号がコントローラ16に出力されるように構成されている。なお、回転数センサ14aは、特許請求の範囲に記載の「回転数検出手段」の一例に相当し得る。
温度センサ15は、エンジン2の温度(以下、エンジン温度Tpという)を検出する温度検出手段として機能するもので、ウォータジャケット3内を流れる冷却水Wを測定可能に配置されている。当該温度センサ15は、エンジン温度Tpとして冷却水Wの温度に応じた温度信号をコントローラ16に出力するように構成されている。
コントローラ16は、CPU、ROMおよびRAMなどから構成されたマイクロコンピュータおよび周辺回路などから構成されており、後述するモータ駆動制御処理を実施することで、ファン13を所定の回転数で正回転または逆回転させるように、ファン用モータ14を駆動制御する。
次に、本発明の特徴的制御構成について図2を用いて説明する。図2は、フロントグリル4から流入する外気B1を、ファン13の逆回転により生じる気流B2を用いて打ち消す状態を説明する説明図である。
エンジン2が始動し、冷却水Wが循環経路12内を循環するとともにファン13が回転してラジエータ11の放熱が促されると、ウォータジャケット3内での冷却水Wとエンジン2との熱交換が促進されて、エンジン2の冷却が開始される。一方、エンジン2の始動直後では、当該エンジン2の暖機運転が必要であり、上述のようなラジエータ11の放熱の促進は、エンジン2の早期暖機を阻害してしまう。また、エンジン2の始動時に単にファン13の回転を停止することも考えられるが、フロントグリル4から外気が流入していると、ラジエータ11の放熱が促されてしまう。
そこで、本実施形態では、ファン用モータ14を駆動制御するモータ駆動制御処理をコントローラ16にて実施することにより、図2に例示するように、フロントグリル4から流入する外気(図2の矢印B1参照)を、ファン13の逆回転により生じる気流(図2の矢印B2参照)を用いて打ち消すことで、ラジエータ11の周囲の風速が0(ゼロ)に近づくようにファン13の回転を制御する。
以下、コントローラ16にて実施されるモータ駆動制御処理について、図3に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。図3は、第1実施形態においてコントローラ16により実施されるモータ駆動制御処理の流れを例示するフローチャートである。
エンジン2が始動することでモータ駆動制御処理が開始されると、まず、図3のステップS101に示す判定処理にて、温度センサ15により検出されるエンジン温度Tpが目標温度Tt以下であるか否かについて判定される。ここで、目標温度Ttは、エンジン2の暖機を必要とするエンジン温度であり、エンジン2の始動直後であることからエンジン温度Tpが目標温度Tt以下である場合には、ステップS101にてYesと判定される。
次に、ステップS103に示す判定処理にて、ファン用モータ14が通電状態であるか否かについて判定される。エンジン2の始動直後でありファン用モータ14が非通電状態であることからステップS103にてNoと判定されると、ステップS105に示す回転数計測処理がなされる。この処理では、回転数センサ14aから入力される回転数信号に基づいて、ファン用モータ14が非通電状態である場合のファン13の回転数Nが回転方向を考慮して計測される。
このように非通電時のファン13の回転数Nが計測されると、ステップS107にて逆回転数Nxを算出する逆回転数算出処理がなされる。逆回転数Nxは、ラジエータ11の周囲の気流を打ち消してその風速を0(ゼロ)に近付けるために必要なファン13の回転数であり、非通電状態における逆回転数Nxを算出方法について、図4を用いて詳細に説明する。図4は、非通電状態におけるファン13の回転数Nと逆回転数Nxとの関係を示すマップである。
ファン用モータ14が非通電状態でありファン用モータ14からファン13に伝達される回転駆動力がない場合には、ラジエータ11の周囲の風速、すなわち、フロントグリル4から流入する外気に応じて、ファン13が正回転することとなる。そこで、この正回転と同じ回転数にてファン13を逆回転させることで、図2に例示するように、ラジエータ11の周囲の気流を打ち消してその風速を0(ゼロ)に近付けることができる。
そこで、上記逆回転数算出処理では、図4に例示するマップを用いて、計測された回転数Nに基づいて逆回転数Nxを算出する。すなわち、図4に例示するマップは、逆回転数Nxが、計測された回転数Nと回転方向が逆で同じ回転数として算出されるように、設定されている。なお、図4に例示されるマップは、予めコントローラ16のROM等に記憶される。また、上記ステップS107に示す逆回転数算出処理を実施するコントローラ16は、特許請求の範囲に記載の「物理量検出手段」の一例に相当し、逆回転数Nxは、特許請求の範囲に記載の「物理量」の一例に相当し得る。
上述のように逆回転数Nxが算出されると、ステップS109に示す逆回転制御処理がなされる。この処理では、上述のように算出された逆回転数Nxにてファン13が逆回転するように、ファン用モータ14が通電されて駆動制御される。これにより、フロントグリル4から流入する外気が、ファン13の逆回転により生じる気流を用いて打ち消されて、ラジエータ11の周囲の風速が0(ゼロ)に近づくこととなる。その結果、冷却液Wがラジエータ11にて冷やされにくくなり、エンジン2の暖機を早めることができる。
そして、エンジン2が停止されなければ(S111でNo)、上記ステップS101からの処理がなされる。上述のようにファン13が逆回転し始めた直後では、エンジン温度Tpが目標温度Tt以下であり(S101でYes)、ファン用モータ14が通電状態であるので(S103でYes)、ステップS113に示す判定処理がなされて、ファン用モータ14が正回転制御されているか否かについて判定される。
上述のように、逆回転制御されている場合には(S113でNo)、ステップS115に示す判定処理にて、上記逆回転制御処理が実施されてからの経過時間である逆回転制御時間が所定の通電時間(以下、通電時間tという)を経過したか否かについて判定される。ここで、通電時間tは、後述する非通電時間tよりも十分長い時間に設定され、本実施形態では、例えば、通電時間tは10sに設定されており、非通電時間tは、0.5sに設定されている。そして、上記逆回転制御時間が通電時間tを経過するまでステップS115にてNoと判定されて、上記ステップS107にて算出された逆回転数Nxに基づいてファン用モータ14が駆動制御される。
そして、上記逆回転制御時間が通電時間tを経過すると(S115でYes)、ステップS117に示す回転数計測処理がなされて、回転数センサ14aから入力される回転数信号に基づいて、ファン13の回転数Nが計測される。続いて、ステップS119に示す通電停止処理がなされて、ファン用モータ14への通電が一定時間停止され、次に、ステップS121に示す回転数減少量計測処理がなされて、この通電停止期間中におけるファン13の回転数Nの減少量が、通電停止期間終了直後に計測されるファン13の回転数Nと上記ステップS117にて計測されたファン13の回転数Nとの差に基づいて、回転数変化量ΔNとして計測される。そして、このように計測された回転数変化量ΔNに基づいて、ステップS123に示す逆回転数算出処理にて逆回転数Nxが算出される。
ここで、通電が一定時間停止された状態で計測された回転数変化量ΔNに基づく逆回転数Nxの算出について、図5〜図7を用いて詳細に説明する。図5は、無風状態における通電停止後のファン13の回転数Nの時間変化を示すグラフである。図6は、流入外気による損失を説明するための説明図である。図7は、式(4)から得られる非通電時間tごとの回転数変化量ΔNと逆回転数Nxとの関係を示すグラフである。
通電状態でファン13を回転させているファン用モータ14への通電が停止されると、ファン13は惰性で減速しながら回転することとなる。例えば、フロントグリル4から外気が流入しておらずファン13やラジエータ11の周囲の風速が0m/sであり無風状態であれば、図5に例示するように、ファン13の回転数Nは、徐々に減少していく。このとき、車両が走行していることからフロントグリル4から外気が流入していると、この流入外気がファン13の回転を妨げる要因となり、流入外気の風速が大きくなるほどファン13の回転数の変化量(減速度合い)が大きくなる。
この流入外気に起因するファン13の回転数の変化量について、以下に詳細に説明する。ファン13は、回転数Nに比例した風速vの気流を発生させ、そのエネルギーEは、風速vの2乗に比例する。そこで、気流の質量mは、単位時間当たりにファン13の面積Aを通過する空気の質量となるので、空気の密度をρとすると、以下の式(1)の関係が成立する。すなわち、ファン13の回転により発生する気流のエネルギーEは、回転数Nの3乗に比例する。
E=1/2×m×v=1/2×A×ρ×v∝N ・・・(1)
ファン用モータ14への通電を停止すると、ファン13は惰性で逆回転するが、流入外気及びモータ自身の損失W(t)により回転数Nが徐々に減少していく。通電停止直後のエネルギーをE、この通電停止から時間t後のエネルギーをE、流入外気による損失をExとすると、図6から分かるように、エネルギー保存則より、以下の式(2)の関係が成立する。なお、図6における斜線領域Sの総和がEx×t+W(t)に相当し、実線Fは、ファン13の逆回転により生じる気流の力に相当する。
(E−E)×1/t=Ex×t+W(t) ・・・(2)
この式(2)を変形すると、以下の式(3)の関係が成立する。
1/2×A×ρ×(v −v )×1/t
=1/2×A×ρ×vx×t+W(t)・・・(3)
このため、風速vxの流入外気により時間tでファン13の回転数がNからNに減少した場合を想定すると、逆回転数Nxについて、上記式(3)に基づいて以下の式(4)の関係が成立する。なお、W’=W(t)/(1/2×A×ρ/t)である。
−N =Nx×t +W’ ・・・(4)
この式(4)からわかるように、時間t(すなわち、非通電時間t)ごとに、ファン13の回転数変化量ΔN(=N−N)と逆回転数Nxとの間に所定の関係が成立する。これにより、上記回転数減少量計測処理後に実施されるステップS123に示す逆回転数算出処理にて、上記式(4)から、上述のように計測した回転数変化量ΔN(回転数N,N)と非通電時間tとに基づいて、逆回転数Nxを算出することができる。なお、非通電時間tは、気流のエネルギー変化が線形に近い領域で設定することが望ましい。また、上記ステップS123に示す逆回転数算出処理を実施するコントローラ16は、特許請求の範囲に記載の「物理量検出手段」の一例に相当し得る。
ここで、上記式(4)を、非通電時間tごとの回転数変化量ΔNと逆回転数Nxとの関係についてグラフを用いて表すと、図7に例示するグラフのように表すことができる。この図7に示すグラフは、初期回転数Nが2000rpmであって、非通電時間tが0.5s,0.7s,1.0sの3パターンについて、表している。
また、上記ステップS123に示す逆回転数算出処理では、式(4)を用いた計算により逆回転数Nxを算出することに限らず、図8に例示するようなマップに基づいて逆回転数Nxを算出してもよい。図8は、逆回転数算出処理にて使用可能な逆回転数Nxを求めるマップである。
図8に例示するように、回転数変化量ΔNと逆回転数Nxとの関係を示すマップを、初期回転数Nおよび非通電時間tごとに作成して、予めコントローラ16のROM等に記憶しておく。これにより、上記逆回転数算出処理にて、ROM等に記憶される上記マップから、上述のように計測した回転数変化量ΔN(回転数N,N)と非通電時間tとに基づいて、逆回転数Nxを算出することができる。
上述のように逆回転数算出処理にて逆回転数Nxが算出されると、ステップS109に示す逆回転制御処理がなされ、上述のように算出された逆回転数Nxにてファン13が逆回転するように、ファン用モータ14が通電されて駆動制御され、ラジエータ11の周囲の風速が0(ゼロ)に近づきエンジン2の暖機が早められる。
そして、エンジン2が停止されなければ(S111でNo)、上記ステップS101からの処理がなされ、エンジン温度Tpが目標温度Tt以下であり(S101でYes)、逆回転制御中であるので(S103でYes,S113でNo)、ステップS115に示す判定処理にて、逆回転制御時間が通電時間tを経過したか否かについて判定される。ここで、上記ステップS123にて算出された逆回転数Nxに基づいてファン用モータ14が駆動制御されてからの逆回転制御時間が通電時間tを経過していない場合には(S115でNo)、上記ステップS117以降の処理が実施されることなく前回算出された逆回転数Nxに基づいてファン用モータ14が駆動制御される。
上述のような逆回転制御中に、上記逆回転制御時間が通電時間tを経過すると(S115でYes)、ステップS117以降の処理がなされる。すなわち、ファン13が非通電時間t中の惰性回転と通電時間t中の逆回転とを繰り返す間欠動作が実施されることで、ラジエータ11の周囲の風速が0(ゼロ)近傍に維持されることとなる。
そして、このように間欠的に逆回転制御が実施されている際にエンジン温度Tpが目標温度Ttを超えると(S101でNo)、エンジン2の暖機が完了したとして、ステップS125に示す正回転制御処理がなされ、エンジン温度Tpに応じてファン13を正回転させる。これにより、正回転するファン13による送風によりラジエータ11が冷却されて、このラジエータ11により冷却された冷却水Wによりエンジン2の冷却が促進される。
以上説明したように、本実施形態に係る内燃機関冷却装置10では、ファン13は、正回転することでフロントグリル4を介して導入される外気をラジエータ11に向けて送風し、逆回転することでラジエータ11を介してフロントグリル4に向けて送風するように構成されている。そして、コントローラ16は、エンジン2の駆動時であって温度センサ15により検出されるエンジン温度Tpが目標温度Tt以下である場合に、逆回転数算出処理にて算出される逆回転数Nx(ラジエータ11の周囲の風速に相当する物理量)に基づいてラジエータ11の周囲の風速が0(ゼロ)に近づくようにファン13を逆回転させてファン用モータ14を駆動制御する。
このように、エンジン温度Tpが目標温度Tt以下である場合に、ラジエータ11の周囲の風速が0に近づくようにファン13が逆回転制御されるため、冷却水Wがラジエータ11にて冷やされにくくなり、エンジン2の暖機を早めることができる。特に、ファン13の回転状態は、ラジエータ11の周囲の風速に影響を及ぼされることから、逆回転数Nxを、既存のファン13の回転状態に応じて算出することができる。このため、標準で搭載されるファン13およびファン用モータ14を利用することで、上記風速を検出するための検出装置を別途設ける必要が無く、コントローラ16等が複雑に構成されることもない。
したがって、簡易な構成にてエンジン2の早期暖機を実施することができる。
また、ファン13は、フロントグリル4に対してラジエータ11を介して対向する位置に配置されるため、フロントグリル4を介した外気をラジエータ11に向けて送風しやすくなるだけでなく、ファン13の回転状態がラジエータ11の周囲の風速からさらに影響を及ぼされやすくなるので、逆回転数Nxを、精度良く算出することができる。
特に、ステップS123に示す逆回転数算出処理では、ファン用モータ14が通電状態である場合には、ファン用モータ14を一定時間非通電状態にしたときに回転数センサ14aにより検出されるファン13の回転数Nの変化(回転数変化量ΔN)に応じて、逆回転数Nxを算出することができる。
また、ステップS107に示す逆回転数算出処理では、ファン用モータ14が非通電状態である場合には、回転数センサ14aにより検出されるファン13の回転数に応じて、逆回転数Nxを算出することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る内燃機関冷却装置について図9〜図11を参照して説明する。図9は、第2実施形態に係る内燃機関冷却装置10aを概略的に示す概略構成図である。図10は、第2実施形態においてコントローラ16により実施されるモータ駆動制御処理の流れを例示するフローチャートである。図11は、車速変化量Δvに応じた通電時間tの変化を説明する説明図である。なお、図11では、間欠動作のうち非通電状態を斜線領域にて示している。
本実施形態に係る内燃機関冷却装置10aでは、車速センサ17を新たに採用するとともに、モータ駆動制御処理を図3に示すフローチャートに代えて図10に示すフローチャートに基づいて実施する点が、上記第1実施形態に係る内燃機関冷却装置と異なる。したがって、第1実施形態の内燃機関冷却装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、内燃機関冷却装置10aは、上述した内燃機関冷却装置10に対して、車速センサ17が追加されて構成されている。この車速センサ17は、搭載される車両の車速vcを検出する車速検出手段として機能するもので、検出した車速vcに応じた車速信号をコントローラ16に出力するように構成されている。
通電状態であるファン用モータ14を一定時間非通電状態にして逆回転数Nxを算出した直後に車速vcが大きく変化すると、外気の導入風速が大きく変化してラジエータ11の周囲の風速が大きくなり逆回転数Nxの算出精度が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、上記導入風速を変化させるほどの車速vcの変化が車速センサ17により検出される場合には、その検出後に非通電状態におけるファン13の回転数の変化に応じた逆回転数Nxを算出する。
以下、本実施形態において、コントローラ16にて実施されるモータ駆動制御処理について、図10に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
上記第1実施形態と同様に、上記ステップS123にて算出された逆回転数Nxに基づいてファン用モータ14が駆動制御されてからの逆回転制御時間が、通電時間tを経過していない場合には(S115でNo)、すなわち、間欠動作における逆回転制御が実施されている場合には、図10のステップS127に示す判定処理がなされる。
この判定処理では、車速センサ17にて検出される車速vcの変化量(以下、車速変化量Δvという)が、フロントグリル4を介する外気の導入風速を変化させるほどであるか否かについて判定される。具体的には、車速変化量Δvの絶対値|Δv|が所定の閾値Δvt以上であるか否かについて判定される。ここで、所定の閾値Δvtは、フロントグリル4を介する外気の導入風速を変化させるほどの値であって、例えば、2.2m/sに設定されている。この2.2m/sという値は、例えば、車速vcが0.5sで4.0km/h以上増減した場合に相当する。
そして、急加速等により車速変化量Δvが大きく変化し、車速変化量Δvの絶対値|Δv|が所定の閾値Δvt以上となると(S127でYes)、ステップS129に示す通電時間変更処理がなされる。この処理では、通電時間tが初期設定値よりも短くなるように変更される。具体的には、通電時間tは、初期設定値として上述したように10sに設定されており、上記通電時間変更処理により、最低通電時間tmin、例えば、3sに変更される。
そして、ステップS131に示す判定処理にて、上記逆回転制御時間が最低通電時間tminを経過しているか否かについて判定され、上記逆回転制御時間が最低通電時間tminを経過している場合には(S131でYes)、ステップS117以降の処理が実施される。すなわち、車速変化量Δvが大きく変化する場合(導入風速を変化させるほどの車速vcの変化が検出される場合)には、新たに非通電状態におけるファン13の回転数の変化に応じた逆回転数Nxが算出されるだけでなく、逆回転数Nxの算出間隔が短くなる。なお、上記ステップS131に示す判定処理にて、上記逆回転制御時間が最低通電時間tminを経過していない場合には(S131でNo)、上記逆回転制御処理にて、既に算出された逆回転数Nxに基づいてファン用モータ14が駆動制御される。
一方、車速変化量Δvが大きく変化しないことから、車速変化量Δvの絶対値|Δv|が所定の閾値Δvt未満である場合には(S127でNo)、ステップS133に示す通電時間変更解除処理がなされる。この処理では、上述のように通電時間tが最低通電時間tminに変更されていると、その変更が解除されて、通電時間tが初期設定値に設定される。そして、ステップS117以降の処理を実施することなく、ステップS109以降の処理がなされる。
ここで、車速変化量Δvに応じた通電時間tの変化について、図11を用いて詳細に説明する。ファン13が非通電時間t中の惰性回転と通電時間t中の逆回転とを繰り返す間欠動作が実施されている場合に、車速変化量Δvの絶対値|Δv|が所定の閾値Δvt以上になると(図11の車速領域S1参照)、通電時間tが最低通電時間tminに変更される。この変更時に上記逆回転制御時間が最低通電時間tminを経過している場合には、最新の逆回転数Nxを算出するために非通電状態となる。
そして、車速変化量Δvの絶対値|Δv|が所定の閾値Δvt未満になると(図11の車速領域S2参照)、通電時間tが初期設定値に再設定される。そして、再び車速変化量Δvの絶対値|Δv|が所定の閾値Δvt以上になると(図11の車速領域S3参照)、通電時間tが最低通電時間tminに変更される。この変更時に上記逆回転制御時間が最低通電時間tminを経過していない場合には、直ちに非通電状態とならずに、最低通電時間tminの経過後に最新の逆回転数Nxを算出するために非通電状態となる。
このように、上記導入風速を変化させるほどの車速vcの変化が検出される場合には、その検出後に、非通電状態におけるファン13の回転数の変化に応じた逆回転数Nxを算出する。このように算出された逆回転数Nxに基づいてファン13が逆回転制御されることで、上記導入風速が大きく変化する場合でもエンジン2の早期暖機を実施することができる。
なお、車速変化量Δvの絶対値|Δv|が所定の閾値Δvt以上になると、上記逆回転制御時間が最低通電時間tminを経過しているか否かを判定することなく、最新の逆回転数Nxを算出するためにステップS117以降の処理を実施してもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る内燃機関冷却装置について、図12〜図14を参照して説明する。図12は、第3実施形態においてコントローラにより実施されるモータ駆動制御処理の流れを例示するフローチャートである。図13(A)は、逆回転数Nxを補正しない場合のエンジン温度Tpの時間変化を示すグラフであり、図13(B)は、逆回転数Nxを補正した場合のエンジン温度Tpの時間変化を示すグラフである。図14は、逆回転数補正処理にて使用する温度差ΔTと減率αと関係を示す図表である。
本実施形態に係る内燃機関冷却装置10では、エンジン2のエンジン温度Tpがエンジン2の許容温度を大きく超える状態を抑制するため、モータ駆動制御処理を図3に示すフローチャートに代えて図12に示すフローチャートに基づいて実施する点が、上記第1実施形態に係る内燃機関冷却装置と異なる。したがって、第1実施形態の内燃機関冷却装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
単に、エンジン温度Tpが目標温度Ttを超えるまでラジエータ11の周囲の風速が0に近づくようにファン13を逆回転制御して冷却水Wの冷却を妨げていると、エンジン2のエンジン温度Tpが許容温度を大きく超えてしまう場合がある(図13(A)参照)。これは、エンジン温度Tpが目標温度Ttを超えてからファン13を正回転制御してラジエータ11の冷却を開始しても、エンジン2を急に冷却することができないからである。
そこで、本実施形態では、エンジン温度Tpとエンジン2の許容温度との差が小さくなるほど、具体的には、エンジン温度Tpと目標温度Ttとの差が小さくなるほど、ファン13の逆回転数が小さくなるようにファン用モータ14を駆動制御することで、エンジン温度Tpが上記許容温度以上となる状態を抑制する。
以下、本実施形態において、コントローラ16にて実施されるモータ駆動制御処理について、図12に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
上記第1実施形態と同様に、上記ステップS107またはステップS123にて逆回転数Nxが算出されると、図12のステップS135に示す逆回転数補正処理がなされる。この処理では、エンジン温度Tpと目標温度Ttとの差が小さくなるほど、逆回転数Nxが小さくなるように補正される。
具体的には、例えば、図14に例示する図表のように、エンジン温度Tpと目標温度Ttとの差を温度差ΔTとすると、逆回転数Nxに乗算することで補正する減率αを、温度差ΔTが20℃以上では、減率α=1.0、温度差ΔTが10℃以上20℃未満では、減率α=0.8、温度差ΔTが5℃以上10℃未満では、減率α=0.5、温度差ΔTが0℃以上5℃未満では、減率α=0.2に設定する。これにより、温度差ΔTが20℃以上であれば算出された逆回転数Nxが補正されず、温度差ΔTが小さくなるほど減率αが小さくなることから、逆回転数Nxが小さくなるように補正される。
上述のように減率αが乗算された逆回転数Nxにて上記ステップS109に示す逆回転制御処理がなされる。これにより、図13(B)に例示するように、温度差ΔTが20℃以上では、ラジエータ11の冷却が抑制されることで、エンジン温度Tpの増加度合いが比較的大きくなり、温度差ΔTが小さくなるほど、ラジエータ11の冷却が促進されて、エンジン温度Tpの増加度合いが徐々に小さくなる。
このように、本実施形態では、上記モータ駆動制御処理により、上記風速が0に近づくようにファン13を逆回転させてファン用モータ14を駆動制御している状態で、エンジン温度Tpと目標温度Tt(エンジン2の許容温度)との差が小さくなるほどファン13の逆回転数が小さくなるようにファン用モータ14が駆動制御される。これにより、エンジン温度Tpが上記許容温度以上となる状態を抑制することができる。なお、上述した減率αは一例であり、使用環境等に応じて温度差ΔTと減率αとの関係を任意に設定することができる。
なお、上述した逆回転数補正処理は、他の実施形態におけるモータ駆動制御処理中にて実施してもよい。これにより、他の実施形態におけるモータ駆動制御処理における作用効果をも奏することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る内燃機関冷却装置について、図15を参照して説明する。図15は、第4実施形態に係る内燃機関冷却装置10bを概略的に示す概略構成図である。
本実施形態に係る内燃機関冷却装置10bでは、ファン13がフロントグリル4とラジエータ11との間に配置される点が、上記第1実施形態に係る内燃機関冷却装置と異なる。したがって、第1実施形態の内燃機関冷却装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
図15に示すように、内燃機関冷却装置10bでは、ファン13がフロントグリル4とラジエータ11との間に配置されている。このようにしても、上記モータ駆動制御処理を実施することにより、算出される逆回転数Nxに基づいてファン13を逆回転させるようにファン用モータ14を駆動制御することで、エンジン2の暖機を早めることができる。
特に、ファン13は、フロントグリル4とラジエータ11との間に配置されるため、フロントグリル4を介した外気をラジエータ11に向けて送風しやすくなるだけでなく、ファン13の回転状態がラジエータ11の周囲の風速から影響を及ぼされやすくなるので、逆回転数Nxを、精度良く検出することができる。
なお、上述したファン13の配置構成は、他の実施形態にて実施してもよい。これにより、他の実施形態におけるモータ駆動制御処理における作用効果をも奏することができる。
なお、本発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)上記各実施形態におけるモータ駆動制御処理では、回転数センサ14aにより検出される回転数Nに基づいて逆回転数Nxを算出することに限らず、ファン13の回転状態に応じてファン用モータ14の逆起電力が変化することを利用してこの逆起電力に応じて、逆回転数Nxを算出してもよい。また、逆回転数Nxを算出することなく、上記逆起電力に応じて直接上記逆回転制御処理を実施してもよい。
(2)上記各実施形態におけるモータ駆動制御処理では、回転数センサ14aにより検出される回転数Nに基づいて、逆回転数Nxを算出することなくラジエータ11の周囲の風速を求めてもよい。ファン13の回転状態は、ラジエータ11の周囲の風速に影響を及ぼされるからである。この場合、上記逆回転制御中に、上述のように求めた風速が0に近づくようにファン13を逆回転させてファン用モータ14を駆動制御することができる。
2…エンジン(内燃機関) 4…フロントグリル(導入口)
10,10a,10b…内燃機関冷却装置
11…ラジエータ(放熱器)
13…ファン
14…ファン用モータ 14a…回転数センサ(回転数検出手段)
15…温度センサ(温度検出手段)
16…コントローラ(制御手段,物理量検出手段)
17…車速センサ(車速検出手段)
N…回転数 Nx…逆回転数(物理量)
Tp…エンジン温度(内燃機関の温度) Tt…目標温度 W…冷却液(冷媒)

Claims (3)

  1. 内燃機関(2)を冷却する冷媒(W)の循環経路に設けられる放熱器(11)と、
    導入口(4)から導入される外気を利用して前記放熱器を冷却するファン(13)と、
    前記ファンを回転させるファン用モータ(14)と、
    前記ファン用モータを駆動制御する制御手段(16)と、
    を備える内燃機関冷却装置(10,10a,10b)であって、
    前記ファンの回転状態に応じて前記放熱器の周囲の風速に相当する物理量(Nx)を検出する物理量検出手段(16)と、
    前記内燃機関の温度(Tp)を検出する温度検出手段(15)とを備え、
    前記ファンは、正回転することで前記導入口を介して導入される前記外気を前記放熱器に向けて送風し、逆回転することで前記放熱器を介して前記導入口に向けて送風するように構成され、
    前記制御手段は、前記内燃機関の駆動時であって前記温度検出手段により検出される温度が当該内燃機関の暖機を必要とする温度(Tt)以下である場合に、前記物理量検出手段により検出される前記物理量に基づいて前記風速が0に近づくように前記ファンを逆回転させて前記ファン用モータを駆動制御し、
    前記ファンは、前記導入口に対して前記放熱器を介して対向する位置に配置され、
    前記物理量検出手段は、
    前記ファンの回転数(N)を検出する回転数検出手段(14a)を備え、
    前記ファン用モータが通電状態である場合には、当該ファン用モータを一定時間非通電状態にしたときに前記回転数検出手段により検出される前記ファンの回転数の変化に応じて前記物理量を検出することを特徴とする内燃機関冷却装置。
  2. 搭載される車両の車速(vc)を検出する車速検出手段(17)を備え、
    前記物理量検出手段は、前記風速が0に近づくように前記制御手段により前記ファンが逆回転制御される状態であって、前記導入口を介する前記外気の導入風速を変化させるほどの車速の変化(Δv)が前記車速検出手段により検出される場合には、直ちに前記ファン用モータを一定時間非通電状態にして前記回転数検出手段により検出される前記ファンの回転数の変化に応じて前記物理量を検出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関冷却装置。
  3. 前記制御手段は、前記風速が0に近づくように前記ファンを逆回転させて前記ファン用モータを駆動制御している状態で、前記温度検出手段により検出される温度と前記内燃機関の許容温度との差(ΔT)が小さくなるほど前記ファンの逆回転数が小さくなるように前記ファン用モータを駆動制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関冷却装置。
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