JP6536236B2 - エンジンの冷却システム - Google Patents

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本発明は、エンジンの冷却システムに関し、詳しくは電動ファンを有するエンジンの冷却システムに関する。
従来、エンジンの冷却システムとして、車両のエンジンルームでエンジンよりも前方側に配置されてエンジンの冷却水を冷却するラジエータと、ラジエータとエンジンとの間に配置された電動ファンを備える冷却システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
このような電動ファンは、エンジンのクランクシャフトの動力によって駆動されるACジェネレータ等の発電機が発電した電力によって駆動される。そして、電動ファンが正転した場合、電動ファンがラジエータの背面から空気を吸引することで、ラジエータを通過してエンジンに向かう空気の流量は増大する。これにより、エンジンルーム内の空気の流れを促進して、エンジンの冷却水の冷却を促進することができる。
特開2012−246790号公報
ところで、近年、上述したような電動ファンを備える冷却システムにおいて、エンジンブレーキ力の増大が要求されるような条件下において、電動ファンを強制的に正転させることで、発電機の負荷を増大させて、回生発電で生じるクランクシャフトにおける制動力を大きくして、エンジンブレーキ力を増大させる技術が開発されてきている。
しかしながら、エンジンの冷却水が低温であり、その結果、エンジンの暖機が終了する前の状態において、上記のように電動ファンを強制的に正転した場合、エンジンの冷却水が過冷却されてしまい、エンジンの暖機に長時間を要してしまう。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンブレーキ力を増大させることが要求される条件下において、エンジンの暖機が終了した状態ではエンジンの冷却水の冷却を促進しつつエンジンブレーキ力を増大でき、暖機が終了する前の状態ではエンジンの冷却水が過冷却されることを抑制して暖機を促進しつつエンジンンブレーキ力を増大させることができるエンジンの冷却システムを提供することである。
上記の目的を達成するための本発明のエンジンの冷却システムは、車両のエンジンルームでエンジンよりも前方側に配置されて前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、前記エンジンによって駆動される発電機の電力によって駆動され、正転した場合に前記ラジエータを通過して前記エンジンに向かう空気の流量を増大させる電動ファンと、前記電動ファンを制御する制御装置と、を有するエンジンの冷却システムにおいて、
前記制御装置は、予め設定されたエンジンブレーキ力の増大が要求される条件であるエンジンブレーキ力増大条件が満たされた場合において、前記エンジンの暖機が終了した状態では前記電動ファンを正転させ、前記エンジンの暖機が終了する前の状態では前記電動ファンを逆転させることを特徴とする。
本発明によれば、エンジンブレーキ力を増大させることが要求される条件下において、エンジンの暖機が終了した状態では電動ファンが正転するので、エンジンの冷却水の冷却を促進しつつ、発電機の負荷を増大させてエンジンブレーキ力を増大させることができる。一方、エンジンの暖機が終了する前の状態では電動ファンが逆転するので、エンジンルーム内の空気の流れを抑制して、エンジンの冷却水が過冷却されることを抑制してエンジンの暖機を促進しつつ、発電機の負荷を増大させてエンジンブレーキ力を増大させることができる。
なお、本発明によれば、電動ファンが逆転することにより、エンジンルーム内の空気の流れを抑制することができるので、エンジンの冷却水の冷却を抑制することもできる。また、電動ファンが逆転した場合、ラジエータに詰まっている異物を逆転した電動ファンからの風によって除去することもできる。これにより、ラジエータの目詰まりを抑制することもできる。さらに、電動ファンが逆転した場合、ラジエータに流入してくる走行風を阻止する方向の空気流を発生させるので車両の走行抵抗を増加させることもできる。この場合は、車両のブレーキ性能を向上させることができる。
上記構成において、前記制御装置は、前記エンジンブレーキ力増大条件が満たされない場合に、前記エンジンが暖機運転中は、前記電動ファンを停止させる構成としてもよい。
この構成によれば、エンジンブレーキ力を増大させることが要求されないときにエンジンが暖機運転中であるにもかかわらず、電動ファンを回転させる場合に比較して、この電動ファンを回転させるためのエネルギーを不要にできるので、燃費を節約することができる。また、電動ファンを停止させることで、エンジンの暖機を促進することもできる。
上記構成において、前記エンジンブレーキ力増大条件は、前記車両が前方側に向かって走行しているときにおいて、前記車両の速度が予め設定された範囲内にあり、且つ、前記車両のアクセルペダルの踏み込み量がゼロになったという条件であるとしてもよい。
上記構成において、前記エンジンの暖機が終了した状態の場合は、前記冷却水の温度が予め設定された基準値以上の場合とし、前記エンジンの暖機が終了する前の状態の場合は、前記冷却水の温度が前記基準値より小さい場合としてもよい。
この構成によれば、エンジンブレーキ力を増大させることが要求される条件下において、冷却水の温度が基準値以上の場合には、電動ファンを正転させてエンジンの冷却水の冷却を促進しつつエンジンブレーキ力を増大させることができる。一方、冷却水の温度が基準値より小さい場合には電動ファンを逆転させてエンジンの冷却水が過冷却されることを抑制してエンジンの暖機を促進しつつエンジンブレーキ力を増大させることができる。
本発明によれば、エンジンブレーキ力を増大させることが要求される条件下において、エンジンの暖機が終了した状態では、電動ファンを正転させることによりエンジンの冷却水の冷却を促進しつつエンジンブレーキ力を増大でき、暖機が終了する前の状態の場合では、電動ファンを逆転させることによりエンジンの冷却水が過冷却されることを抑制して暖機を促進しつつエンジンンブレーキ力を増大させることができる。
図1(a)は車両の走行中において電動ファンが正転した状態の車両を示す概略図であり、図1(b)は車両の走行中において電動ファンが逆転した状態の車両を示す概略図である。 制御装置による電動ファンの制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係るエンジンの冷却システム10(以下、冷却システム10と略称する)について図面を参照しつつ説明する。
図1(a)及び図1(b)は本実施形態に係るエンジンの冷却システム10が適用された車両1の構成を示す概略図である。なお、図1(a)は車両1の走行中において、後述する電動ファン13が正転した状態の車両1を示し、図1(b)は車両1の走行中において電動ファン13が逆転した状態の車両1を示している。図1(a)及び図1(b)において、左側が車両1の前方側であり、右側が車両1の後方側である。
車両1の種類は特に限定されるものではないが、本実施形態においては一例としてバス、トラック等の大型車両を用いる。車両1は、エンジン2、発電機3、アクセルペダル4、アクセル開度センサ5、車速センサ6、温度センサ7、制御装置8、及び冷却システム10を備えている。エンジン2は車両1のエンジンルームに配置されている。エンジン2の種類は特に限定されるものではないが、本実施形態においては一例として、ディーゼルエンジンを用いる。
発電機3はエンジン2によって駆動されて発電する装置である。このようなものであれば発電機3の具体的構成は特に限定されるものではないが、本実施形態においては、発電機3の一例として、エンジン2のクランクシャフトにベルト等を介して接続されることで、エンジン2のクランクシャフトの動力によって駆動されるACジェネレータ(ACG)を用いる。
アクセルペダル4は車両1の運転席に配置されている。アクセル開度センサ5は、アクセルペダル4の開度(すなわちアクセル開度)を検出し、検出結果を制御装置8に伝える。制御装置8は、アクセル開度センサ5の検出結果に基づいて取得したアクセル開度に応じて、エンジン2の燃料噴射量やエンジン2に吸入される吸気量等を制御することで、エンジン2の運転状態を制御する。車速センサ6は、車両1の速度(すなわち車速)を検出して、検出結果を制御装置8に伝え、温度センサ7は、エンジン2の冷却水の温度を検出して、検出結果を制御装置8に伝える。
制御装置8は、エンジン2を制御するとともに、冷却システム10の後述する電動ファン13の動作も制御する。すなわち、本実施形態に係る制御装置8は、エンジン2の制御装置としての機能の他に、冷却システム10の制御装置としての機能も兼務している。このような制御装置8は、制御部としての機能を有するCPUと、制御部の動作に必要なプログラムや各種情報等を記憶する記憶部としての機能を有するROM、RAM等と、を有するマイクロコンピュータを備えた電子制御装置(Electric Control Unit:ECU)によって構成されている。
冷却システム10は、インタークーラ11、ラジエータ12、及び電動ファン13を備えている。また、本実施形態に係る冷却システム10は、前述した電動ファン13を制御する制御装置8も構成要素に含んでいる。インタークーラ11、ラジエータ12及び電動ファン13は、エンジンルームでエンジン2よりも前方側の部分に配置されている。具体的には、エンジンルームの前方側から順に、インタークーラ11、ラジエータ12、及び電動ファン13、並びにエンジン2が配置されている。
インタークーラ11は、ターボチャージャ(図示せず)によって過給された後の吸気を冷却するための冷却装置である。なお、冷却システム10において、このインタークーラ11は必須の構成というわけではなく、例えば冷却システム10は、インタークーラ11
を備えていない構成とすることもできる。但し、冷却システム10がインタークーラ11を備えている場合の方が、これを備えていない場合に比較して、過給後の吸気を効果的に冷却できる点において好ましい。
ラジエータ12は、エンジン2の冷却水とラジエータ12の周囲の空気との間で熱交換をさせることで、エンジン2の冷却水を冷却する冷却装置である。
電動ファン13は、ラジエータ12よりも後方側であり、且つエンジン2よりも前方側(すなわちラジエータ12とエンジン2との間の部分)に配置されている。電動ファン13は、発電機3の電力によって駆動する。具体的には電動ファン13は、発電機3と電気的に接続されたモータを備えており、発電機3の発電した電力を用いてモータが回転することで、駆動する。
また電動ファン13は、ラジエータ12を通過してエンジン2に向かう空気の流れを発生させる方向に回転する正転と、正転の回転方向とは逆方向に回転する逆転とを切り替えることが可能に構成されている。この一例として、本実施形態に係る電動ファン13は、正転と逆転とを切り替えることが可能なモーターアッセンブリ(モータとこのモータを駆動するための電気回路)を備えている。なお、正転と逆転とを切り替えることが可能な電動ファンの構造自体は、正転および逆転を切り替え可能な公知のファンの構造を適用できるので、これ以上詳細な説明は省略する。
図1(a)に示すように電動ファン13が正転した場合、電動ファン13が車両1の前方側からの空気を吸引することで、インタークーラ11及びラジエータ12を通過してエンジン2に向かう空気の流量は増大する。一方、図1(b)に示すように、車両1の前方側への走行中において電動ファン13が逆転した場合、電動ファン13は車両1の前方側に向けて空気を送り出す。この場合、エンジンルーム内の空気の流れは抑制される。
続いて制御装置8による電動ファン13の制御の詳細について説明する。本実施形態に係る制御装置8の制御部(CPU)は、予め設定された、エンジンブレーキ力の増大が要求される条件(以下、エンジンブレーキ力増大条件と称する)が満たされた場合において、エンジン2の暖機が終了した状態では電動ファン13を正転させ、エンジン2の暖機が終了する前の状態(すなわち暖機運転中)では電動ファン13を逆転させる。また制御部は、エンジンブレーキ力増大条件が満たされない場合において、エンジン2が暖機運転中では、電動ファン13を停止させる。
なお、上記エンジンブレーキ力増大条件は、エンジンブレーキ力を増大させることが要求される条件であれば、特に限定されるものではない。本実施形態においては、このエンジンブレーキ力増大条件の一例として、車両1の前方側への走行中において、車両1の速度が予め設定された範囲内にあり、且つアクセルペダル4の踏み込み量がゼロになった(すなわちアクセルがOFFになった)という条件を用いる。
また、本実施形態においては、上記エンジン2の暖機が終了した状態の判定の一例として、エンジン2の冷却水の温度が予め設定された基準値以上であることを用いる。また、上記エンジン2の暖機が終了する前の状態の判定の一例として、エンジン2の冷却水の温度が基準値より小さいことを用いる。
以上の制御についてフローチャートを用いて詳細に説明すると次のようになる。図2は、制御装置8による電動ファン13の制御の一例を示すフローチャートである。制御装置8の制御部は図2のフローチャートを所定周期で繰り返し実行する。なお図2の最初のスタート時において、電動ファン13は停止しているものとする。
図2のステップS10において、制御装置8の制御部は、車速センサ6の検出結果に基づいて取得した車速が、予め記憶部(例えばROM)に記憶された範囲内(すなわち、制御装置8に予め設定された設定範囲内)であるか否かを判定する。
このステップS10に係る車速の設定範囲として、本実施形態においては、エンジンブレーキ力を増大させることが要求される車速を用いる。この車速の具体的な値は特に限定されるものではなく、車両1の大きさや種類等を考慮して、適切な値を設定すればよい。本実施形態においては、この車速の設定範囲の一例として、15km/h以上の車速を用いることとする。すなわち、本実施形態の場合、車速センサ6の検出結果に基づいて取得した車速が15km/h以上の場合に、予め設定された設定範囲内であるとして、ステップS10でYesと判定される。
ステップS10でYesと判定された場合、制御部は、アクセル開度センサ5の検出結果に基づいて取得したアクセル開度に基づいて、アクセルがOFFになったか否か、具体的にはアクセルペダル4の踏み込み量がゼロになったか否かを判定する(ステップS20)。
アクセルペダル4の踏み込み量がゼロないことで、ステップS20でNoと判定された場合、制御部はステップS10を再度実行する。アクセルペダル4の踏み込み量がゼロであることで、ステップS20でYesと判定された場合、制御部は、次に説明するステップS30を実行する。なお、ステップS10及びステップS20を満たすことで、前述したエンジンブレーキ力増大条件を満たすことになる。
ステップS30において制御部は、エンジン2の暖機が終了した状態であるか否かを判定する。前述したように本実施形態においては、このエンジン2の暖機が終了した状態の一例として、エンジン2の冷却水の温度が基準値以上である状態を用いているので、ステップS30において制御部は、温度センサ7の検出結果に基づいて取得したエンジン2の冷却水の温度が予め記憶部(例えばROM)に記憶された基準値以上であるか否かを判定する。なお、この基準値の具体的な値は特に限定されるものではなく、車両1の大きさや種類等を考慮して、適切な値を求めて、記憶部に記憶しておけばよい。本実施形態においては、この基準値の一例として、80℃以上、90℃以下の温度範囲から選択された値を用い、具体的には85℃を用いることとする。但し、基準値の具体的な値はこれに限定されるものではない。
ステップS30でYesと判定された場合、すなわち、冷却水の温度が基準値以上であり、その結果、エンジン2の暖機が終了した状態となる場合、制御部は電動ファン13を正転させる(ステップS40)。この場合、前述した図1(a)のような状態になり、その結果、電動ファン13が車両1の前方側からの空気を吸引することで、インタークーラ11及びラジエータ12を通過してエンジン2に向かう空気の流量は増大する。これにより、エンジンルーム内の空気の流れを促進させてエンジン2の冷却水の冷却を促進しつつ、発電機3の負荷を増大させて、回生発電で生じるクランクシャフトにおける制動力を大きくして、エンジンブレーキ力を増大させることができる。次いで制御部はフローチャートの実行を終了する。
ステップS30でNoと判定された場合、すなわち、冷却水温が基準値より小さく、その結果、エンジン2の暖機が終了する前の状態となる場合、制御部は電動ファン13を逆転させる(ステップS50)。この場合、前述した図1(b)のような状態になり、その結果、電動ファン13が車両1の前方側に向けて空気を送り出すことで、エンジンルーム内の空気の流れを抑制して、エンジン2の冷却水が過冷却されることを抑制しつつ、発電
機3の負荷を増大させてエンジンブレーキ力を増大させることができる。次いで制御部はフローチャートの実行を終了する。
ステップS10でNoと判定された場合、制御部は、電動ファン13に対して第2の制御を行う(ステップS60)。具体的には制御部は、この第2の制御において、エンジンブレーキ力増大条件が満たされない場合にエンジン2が暖機運転中は電動ファン13を停止させる制御を行う。より具体的には制御部は、この第2の制御において、エンジンブレーキ力を増大させることが要求されない車速の場合(本実施形態では一例として車速が15km/hより小さい場合)で、エンジン2の冷却水を冷却する必要がない暖機運転中は電動ファン13を停止させる。
すなわち、この結果、例えばステップS40において電動ファン13が正転した場合、あるいはステップS50において電動ファン13が逆転した場合において、次のフローチャートの実行時に車速がステップS10の設定範囲内に入らなくなった場合、制御部はエンジン2が暖機運転中か否かを判定し、暖機運転中の場合には電動ファン13を停止させる(ステップS60)。なお、制御部は、このステップS60におけるエンジン2が暖機運転中か否かの判定として、具体的には、ステップS30と同様に、エンジン2の冷却水の温度が基準値より低い場合に、エンジン2が暖機運転中であると判定する。ステップS60の後に制御部はフローチャートの実行を終了する。
以上説明した本実施形態の作用効果をまとめると次のようになる。本実施形態によれば、エンジンブレーキ力を増大させることが要求される条件下において、エンジン2の暖機が終了した状態の場合には電動ファン13が正転するので、エンジン2の冷却水の冷却を促進しつつ、発電機3の負荷を増大させてエンジンブレーキ力を増大させることができる。一方、エンジン2の暖機が終了する前の状態の場合には電動ファン13が逆転するので、エンジンルーム内の空気の流れを抑制して、エンジン2の冷却水が過冷却されることを抑制してエンジン2の暖機を促進しつつ、発電機3の負荷を増大させてエンジンブレーキ力を増大させることができる。
また本実施形態によれば、電動ファン13が逆転することにより、エンジンルーム内のラジエータ12を通過する空気の流れを抑制することができるので、エンジン2の冷却水の冷却を抑制することもできる。これにより、例えば長い下り坂を車両1が走行中において、ステップS10でYesと判定され且つステップS20でYesと判定され、ステップS30でNoと判定された場合に、電動ファン13が逆転することで、エンジン2の冷却水の冷却を抑制することができる。また、電動ファン13が逆転した場合、ラジエータ12に詰まっている異物を逆転した電動ファン13からの風によって除去することもできる。これにより、ラジエータ12の目詰まりを抑制することもできる。また本実施形態によれば、電動ファン13が逆転した場合、インタークーラ11とラジエータ12に流入してくる走行風を阻止する方向の空気流を発生させるので、車両1の走行抵抗を増加させることもできる。この場合、車両1のブレーキ性能を向上させることができる。
また本実施形態によれば、エンジン2の暖機が終了した状態の場合として、冷却水の温度が基準値以上の場合(ステップS30でYesの場合)を用い、エンジン2の暖機が終了する前の状態の場合として、冷却水の温度が基準値より小さい場合(ステップS30でNoの場合)を用いているので、エンジンブレーキ力を増大させることが要求される条件下において、冷却水の温度が基準値以上の場合には、エンジン2の冷却水の冷却を促進しつつエンジンブレーキ力を増大させることができる。一方、冷却水の温度が基準値より小さい場合には、エンジン2の冷却水が過冷却されることを抑制してエンジン2の暖機を促進しつつエンジンブレーキ力を増大させることができる。
なお、ステップS60において説明したように、本実施形態に係る制御装置8は、エンジンブレーキ力増大条件が満たされない場合で、エンジン2が暖機運転中は、電動ファン13を停止させているが、冷却システム10の構成はこれに限定されるものではない。例えば制御装置8は、エンジンブレーキ力増大条件が満たされない場合に、エンジン2が暖機運転中に、電動ファン13を回転させてもよい。
しかしながら、本実施形態のように、エンジンブレーキ力増大条件が満たされない場合でエンジン2が暖機運転中に(すなわちエンジン2の冷却水をラジエータ12で冷却する必要が無い場合に)電動ファン13を停止させることにより、エンジンブレーキ力を増大させることが要求されないときにエンジン2が暖機運転中であるにもかかわらず、電動ファン13を回転させる場合に比較して、この電動ファン13を回転させるためのエネルギーを不要にできるので、燃費を節約することができる。また、電動ファン13を停止させることで、エンジン2の暖機を促進することもできる。
また本実施形態によれば、図2のステップS10及びステップS20で説明したように、エンジンブレーキ力増大条件として、車両1が前方側に向かって走行しているときにおいて、車両1の速度が予め設定された範囲内にあり、且つ、車両1のアクセルペダル4の踏み込み量がゼロになったという条件を用いている。この場合、例えば、長い下り坂を走行中のようにアクセルオフの状態が継続した状態の場合、すなわちエンジンブレーキ力を増大させることが要求される状態であり且つエンジン2の冷却水の温度が低下する状態の場合において、実際にエンジン2の冷却水の温度が基準値より小さくなった場合に(ステップS30でNoと判定された場合に)、ステップS50で電動ファン13が逆転することでエンジン2の冷却水が過冷却されることを抑制できる。また、これにより、エンジン2が暖機状態から冷間状態に移行するのを抑制することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 車両
2 エンジン
3 発電機
8 制御装置
10 エンジンの冷却システム
11 インタークーラ
12 ラジエータ
13 電動ファン

Claims (4)

  1. 車両のエンジンルームでエンジンよりも前方側に配置されて前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータと、前記エンジンによって駆動される発電機の電力によって駆動され、正転した場合に前記ラジエータを通過して前記エンジンに向かう空気の流量を増大させる電動ファンと、前記電動ファンを制御する制御装置と、を有するエンジンの冷却システムにおいて、
    前記制御装置は、予め設定されたエンジンブレーキ力の増大が要求される条件であるエンジンブレーキ力増大条件が満たされた場合において、前記エンジンの暖機が終了した状態では前記電動ファンを正転させ、前記エンジンの暖機が終了する前の状態では前記電動ファンを逆転させることを特徴とするエンジンの冷却システム。
  2. 前記制御装置は、前記エンジンブレーキ力増大条件が満たされない場合に、前記エンジンが暖機運転中は、前記電動ファンを停止させる請求項1記載のエンジンの冷却システム。
  3. 前記エンジンブレーキ力増大条件は、前記車両が前方側に向かって走行しているときにおいて、前記車両の速度が予め設定された範囲内にあり、且つ、前記車両のアクセルペダルの踏み込み量がゼロになったという条件である請求項1または2に記載のエンジンの冷却システム。
  4. 前記エンジンの暖機が終了した状態の場合は、前記冷却水の温度が予め設定された基準値以上の場合とし、
    前記エンジンの暖機が終了する前の状態の場合は、前記冷却水の温度が前記基準値より小さい場合とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの冷却システム。
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