JPH08232658A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置

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JPH08232658A
JPH08232658A JP3403695A JP3403695A JPH08232658A JP H08232658 A JPH08232658 A JP H08232658A JP 3403695 A JP3403695 A JP 3403695A JP 3403695 A JP3403695 A JP 3403695A JP H08232658 A JPH08232658 A JP H08232658A
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JP
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internal combustion
combustion engine
heater
cooling water
electric fan
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JP3403695A
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Takashi Miyake
▲高▼志 三宅
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車室内ヒータ用の熱交換機であるヒ
ータコアがその一部に組み込まれてなる内燃機関の冷却
装置に関し、内燃機関の低負荷時においても車室内ヒー
タに高いヒータ能力を付与することを目的とする。 【構成】 内燃機関10のシリンダヘッド内及びシリン
ダブロック内に冷却水通路を設ける。冷却水通路に連通
してラジエタ22を設ける。ラジエタ22の近傍に電動
ファン32を設けると共に冷却水通路に連通する車室内
ヒータ用のヒータコア30とを設ける。内燃機関10の
暖機が不十分であり、かつ、電動ファン32に所定の逆
回転を付与することでエンジンルーム内の流速を抑制し
得る状況下で、ヒータブロアS/W40がオンとされた
場合に、電動ファン32に所定の逆回転を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の冷却装置に
係り、特に、車室内ヒータ用の熱交換機であるヒータコ
アがその一部に組み込まれてなる内燃機関の冷却装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を搭載する車両においては、一
般に、内燃機関が発する熱を熱源として利用するヒータ
装置が用いられている。すなわち、例えば水冷式内燃機
関においては、内燃機関(以下、内燃機関と称する場
合、水冷式内燃機関を指すものとする)のシリンダヘッ
ド、及びシリンダブロック内に冷却水通路が設けられ、
その内部に冷却水を循環させることにより冷却が図られ
る。この場合、内燃機関の冷却水通路から流出した冷却
水をヒータコアに導き、外気又は車室内空気と冷却水と
の間で熱交換を行わせることとすれば、暖かい空気を車
室内に供給することが、すなわち、ヒータ装置としての
機能を実現することができる。
【0003】ところで、内燃機関の冷却装置は、一般に
ラジエタ、及びラジエタ冷却用の電動ファンを備えてい
る。内燃機関の冷却水通路から流出した冷却水を効率良
く冷却し、冷却装置として高い能力を確保するためであ
る。しかしながら、内燃機関の暖機が完了していない場
合等に、敢えて冷却水をラジエタで冷却すれば、ヒータ
コア内に導かれる冷却水も低温となり、十分なヒータ性
能が得られない事態を生ずる。
【0004】これに対して、実開昭61−190432
号公報は、冷却水温が低く、かつ、車速が中速の場合に
は、冷却水装置としての能力を意図的に低下せしめるべ
く電動ファンの回転を停止させる装置を開示している。
かかる装置によれば、冷却水が低く、かつ、内燃機関か
ら大きな熱量が発せられない場合におけるラジエタの放
熱能力が抑制される。従って、上記公報記載の装置によ
れば、内燃機関の暖機が不十分であり、かつ、内燃機関
から大きな熱量が発せられない状況下において、冷却装
置としての機能を実現しつつ、車室内ヒータのヒータ能
力を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の走行
中は、車速に応じた走行風がエンジンルーム内に流入す
る。そして、一般に、エンジンルーム内の構造は、この
走行風がラジエタに導かれるように工夫されている。従
って、車両の走行中に電動ファンの回転を停止しても、
ラジエタは走行風によって冷却されることになる。この
意味で、単に電動ファンの回転を停止させることにより
ラジエタの熱交換能力の低下を図る上記従来の冷却装置
は、冷間時における車室内ヒータのヒータ能力を確保す
るという観点からして、必ずしも理想的な装置ではなか
った。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、車室内ヒータのヒータ能力を高める必要がある
場合には、走行風を打ち消すように電動ファンを逆回転
させることにより、上記の課題を解決する内燃機関の冷
却装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載するように、内燃機関のシリンダヘッド内及びシ
リンダブロック内に設けた冷却水通路と、該冷却水通路
に連通するラジエタと、該ラジエタの近傍に設けた電動
ファンと、前記冷却水通路に連通する車室内ヒータ用の
ヒータコアとを備える内燃機関の冷却装置において、内
燃機関の暖機状態を検出する暖機状態検出手段と、前記
車室内ヒータの作動要求を検出するヒータ作動要求検出
手段と、前記電動ファンに所定の逆回転を付与すること
で、エンジンルーム内の流速を抑制し得る所定の運転状
況を検出する運転状況検出手段と、内燃機関の暖機が不
十分であり、かつ、前記運転状況検出手段が前記所定の
運転状況を検出している状況下で、前記車室内ヒータに
作動要求が生じた場合に、前記電動ファンに所定の逆回
転を付与する電動ファン制御手段とを備える内燃機関の
冷却装置により達成される。
【0008】また、上記の目的は、請求項2に記載する
ように、上記請求項1記載の内燃機関の冷却装置におい
て、前記電動ファン制御手段は、前記運転状況検出手段
が検出する車両の運転状況に応じた逆回転を前記電動フ
ァンに付与する内燃機関の冷却装置によっても達成され
る。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明において、内燃機関は、冷
却水が、冷却水通路の内部を流通することで冷却され
る。また、冷却水通路内を流通することで加熱された冷
却水は、ラジエタに導かれて空冷される。ここで、電動
ファンが回転している場合は、ラジエタにおいて高い熱
交換能力が発揮され、高い冷却能力が実現される。一
方、車室内ヒータは、ヒータコアに導かれた冷却水によ
って加熱した大気又は車室内空気を供給することで車室
内を暖房する。従って、ヒータコアに導かれる冷却水が
高温であるほど高いヒータ能力が得られる。
【0010】これに対して、電動ファン制御手段は、暖
機状態検出手段、ヒータ作動要求検出手段、及び運転状
況検出手段の検出結果に応じて、内燃機関の暖機が不十
分であり、かつ、所定の運転状況が検出されており、更
に、車室内ヒータに作動要求が生じている場合に、電動
ファンに所定の逆回転を付与する。この場合、ラジエタ
からエンジンルーム内に流入しようとする走行風の流れ
は、電動ファンが逆回転することにより阻止され、エン
ジンルーム内の冷却が抑制される。従って、内燃機関の
暖機が不十分であるにも関わらずヒータコアには大きな
熱量が導かれ、高いヒータ能力が実現されることにな
る。
【0011】請求項2記載の内燃機関の冷却装置におい
て、電動ファン制御手段は、電動ファンに付与する逆回
転を車両の運転状況に応じて制御する。この場合、電動
ファンには、車両の運転状況に応じて、常に走行風を相
殺し得る逆回転が付与されることになり、エンジンルー
ム内の空気の流れが適切に阻止されることになる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明に係る内燃機関の冷却装置の
構成概念図を示す。また、図2は、本実施例の冷却装置
の冷却水回路図を示す。以下、図1及び図2を参照し
て、本実施例の冷却装置の構成及び動作について説明す
る。
【0013】図2において内燃機関10は、そのシリン
ダヘッド内部、及びシリンダブロック内部に、冷却水循
環用の冷却水通路(図示せず)を備えている。冷却水通
路のインレット側には、ウォータポンプ12の冷却水吐
出口が連通されている。このウォータポンプ12は、内
燃機関10の出力トルクの一部を駆動源として作動する
ポンプであり、内燃機関10の運転中は、所定流量の冷
却水をウォータジャケット内に吐出する。
【0014】ウォータジャケットのアウトレット側に
は、内燃機関10の主冷却通路14を構成するラジエタ
通路16及びバイパス通路18、更には主冷却通路14
から分岐して設けられる分岐路20が連通している。ラ
ジエタ通路16は、ウォータジャケット内で加熱された
冷却水をラジエタ22に導くと共に、ラジエタ22内で
空冷された冷却水をサーモスタット24の第1インレッ
ト24aに導く通路である。また、バイパス通路18
は、ウォータジャケットから流出した冷却水を、ラジエ
タ22をバイパスしてサーモスタット24の第2インレ
ット24bへ導く通路である。
【0015】サーモスタット24は、ウォータポンプ1
2の流入口に連通して設けられたアウトレット24c
と、第1及び第2インレットとを適当な比率で連通させ
る切り換え弁であり、流通する冷却水温が高いほど主と
して第1インレット24aを、冷却水温が低いほど主と
して第2インレット24bをアウトレット24cに導通
させる。このため、内燃機関10のウォータジャケット
から流出した冷却水の温度が低温である場合には、流出
した冷却水が主としてバイパス通路18を流通し、一
方、冷却水温が高温である場合には、流出した冷却水が
主としてラジエタ通路18を流通する。
【0016】かかる構成によれば、内燃機関10の冷間
始動直後等は、ほとんどの冷却水がラジエタ22をバイ
パスして流通することになり、内燃機関10の早期暖気
が実現される。また、内燃機関10が十分な暖気状態に
達した後は、ほとんどの冷却水がラジエタ22を流通す
ることになり、その結果、高い冷却能力が確保される。
【0017】上記した分岐路20は、ウォータバルブ2
6を介してヒータ通路28に連通している。ここで、ウ
ォータバルブ26は、後述するヒータブロアスイッチ
(ヒータブロアS/W)40(図1参照)と連動して作
動する切り換え弁であり、ヒータブロアS/W40がオ
ンである場合、すなわち、車室内ヒータを作動させるべ
き要求が生じている場合にのみ開弁する。また、ヒータ
通路28は、車室内ヒータの熱源として機能するヒータ
コア30に冷却水を導くと共に、ヒータコア30から流
出した冷却水をウォータポンプ12に循環させる通路で
ある。
【0018】従って、車室内ヒータに作動要求が生じて
いない場合は、ヒータ通路28、及びヒータコア30が
分岐路20から遮断された状態となり、内燃機関10か
ら流出した高温の冷却水がヒータコア30に供給される
ことはない。一方、車室内ヒータに作動要求が生ずる
と、ウォータバルブ26が開弁し、ヒータ通路28及び
ヒータコア30の内部に、加熱された冷却水が導かれる
ことになる。
【0019】ところで、本実施例の冷却装置は、車載用
内燃機関の冷却装置として構成した装置であり、図1に
示す如く、内燃機関10の前方(同図中左方)にラジエ
タ22が、また、内燃機関10の後方(同図中右方)に
ヒータコア28が位置するようにエンジンルーム内に搭
載される。
【0020】エンジンルームには、ラジエタ22の前面
を車両の前面空間に開放するフロントグリル(図示せ
ず)が設けられている。従って、車両の走行中は、フロ
ントグリルから流入した空気がラジエタ22の正面に導
かれることになる。また、図1に示すように、ラジエタ
22の後方には、ファン32aとモータ32bとからな
る電動ファン32が配設されている。更に、電動ファン
32とラジエタ22との間に形成される空間の周囲はフ
ァンシュラウド34で覆われている。このため、電動フ
ァン32が回転した場合、ラジエタ22の裏面にはその
回転に伴う流速、又は圧力が導かれることになる。
【0021】尚、以下の記載においては、電動ファン3
2の回転方向のうち、ラジエタ22の表面から裏面に向
かって空気を流通させ、又は、ラジエタ22の裏面と電
動ファン32との間に負圧を生じさせる方向を正転方向
と、その逆方向を逆転方向と称す。
【0022】電動ファン32のモータ32bは、電子制
御ユニット(ECU)36によって駆動される。ここ
で、ECU36は、本実施例の冷却装置の要部であり、
内燃機関10の冷却水通路内を流通する冷却水の温度T
HWを検出する水温センサ38、車室内ヒータの作動要
求発生時に手動又は自動でオンとなるヒータブロアS/
W40、及び車速を検出する車速センサ42からそれぞ
れ供給されるセンサ出力を基に後述の処理を行い、電動
ファン32のモータ32bに対して適当な駆動信号を供
給する。
【0023】ところで、ヒータコア30の近傍には、フ
ァン44a及びブロアモータ44bからなるブロアファ
ン44が配設されている。ブロアモータ44bは、ヒー
タブロアS/W40がオンであることを条件に、ファン
44aに対して適当な回転トルクを付与する。そして、
ファン44に回転が付与されると、大気又は車室内空気
がヒータコア30越し車室内に圧送される。
【0024】ここで、ヒータブロアS/W40がオンで
ある場合、ウォータバルブ26が開弁状態となり、ヒー
タコア30には、内燃機関10の冷却水通路から流出し
た直後の冷却水が導かれることは前記した通りである。
従って、本実施例において、ファン44aに回転が付与
される場合には常に、内燃機関10の冷却水通路から流
出した直後の冷却水がヒータコア30内に導かれている
ことになる。このため、内燃機関10の冷却水通路内で
冷却水に十分な熱量が付与できる状況においては、車室
内に適当に暖めた空気が圧送されることになる。この場
合、車室内ヒータの暖房能力は十分に確保されているこ
とになる。
【0025】これに対して、内燃機関10の発熱量が少
ない場合は、内燃機関10の冷却水通路内で冷却水に対
して十分な熱量が付与できず、車室内ヒータのヒータ能
力を十分に確保することが困難となる。特に、内燃機関
10がディーゼル機関である場合には、ガソリン機関に
比して低負荷運転中における発熱量が更に少量であるこ
とから、低速走行時にヒータ能力が不足する状況に陥り
易い。
【0026】本実施例の内燃機関の冷却装置は、かかる
点に着目して構成したものであり、冷却水の温度THW
が高温であり、十分にヒータ能力が確保できると考えら
れる場合には、電動ファン32を停止又は正回転させる
一方、THWが低温であり、ヒータ能力の確保が困難で
あると推認できる場合には、電動ファン32を逆回転さ
せてエンジンルーム内の空気の流れを阻止することとし
た点に特徴を有している。
【0027】図3は、かかる機能を実現すべくECU3
6が実行する電動ファン制御ルーチンの一例のフローチ
ャートを示す。以下、同図を参照して、本実施例の内燃
機関の冷却装置の特徴的動作について説明する。図3に
示すルーチンが起動すると、先ずステップ100におい
て、冷却水の温度THWが80℃以上であるか否かの判
別を行う。THW≧80℃が成立する程度に内燃機関1
0が暖機されていれば、何ら特別の措置を講ずるまでも
なく十分なヒータ能力が確保できると共に、かかる場合
には、冷却装置において高い冷却能力を発揮して内燃機
関10の過熱を防止する必要があるからである。
【0028】このため、上記ステップ100において、
THW≧80℃が成立すると判別された場合は、以後ス
テップ102へ進み、電動ファン102を正転させるた
めの処理を行った後今回のルーチンを終了する。この場
合、ラジエタ22の表面に車速に応じた走行圧が作用す
ると共に、ラジエタ22の裏面には電動ファン32が正
転することにより生ずる負圧が作用するため、ラジエタ
22内には多量の空気が流通する。また、このように冷
却水が高温である場合、サーモスタット24(図2参
照)の機能により、主冷却通路14(図2参照)を流通
する全ての冷却水はラジエタ22を流通する。従って、
上記ステップ102の処理が実行された場合は、冷却装
置として高い冷却能力が確保されることになり、以後、
確実に内燃機関10の過熱が防止される。
【0029】一方、上記ステップ100において、TH
W≧80℃が不成立であると判別された場合は、次にス
テップ104へ進み、ヒータブロアS/W40がオンで
あるか否かの判別を行う。そして、ヒータブロアS/W
40がオンではない、と判別された場合は、以後ステッ
プ106へ進み、電動ファン32を停止するための処理
を行った後、今回のルーチンを終了する。すなわち、T
HW≧80℃が不成立であることから高い冷却能力が要
求されていないことが判断できる。また、ヒータブロア
S/W32がオフであること、すなわち、車室内ヒータ
に作動要求が生じていないことから、何ら特別の措置を
講ずる必要がないと判断できる。従って、かかる状況に
おいては、消費電力の低減を図る意味で、電動ファン3
2を停止状態とするのが最も好ましいと判断できるから
である。
【0030】これに対して、上記ステップ104でヒー
タブロアS/W40がオンであると判別された場合は、
次にステップ108へ進み、車速が5km/h以上、15km
/h以下の範囲内に納まっているか否かの判別を行う。車
速が5km/hに満たない場合は、フロントグリル周辺に作
用する走行圧が微圧であり、何ら特別の措置を講ずるま
でもなく走行風がほとんどエンジンルーム内には流入し
ないこと、及び、車速が15km/hを越える場合は、電動
ファン32を逆回転させることにより走行風の進入を阻
止することが困難であると共に、かかる場合には、一般
に内燃機関10からの発熱量が多量となり、ヒータ能力
不足の弊害が生じ難いこと等を考慮したものである。
【0031】このため、上記ステップ108において、
5km/h≦車速≦15km/hが不成立であると判別された場
合は、以後、ステップ106の処理を行った後今回のル
ーチンを終了する。一方、上記ステップ108におい
て、条件が成立すると判別された場合には、ステップ1
10へ進み、電動ファン32に所定の逆回転を付与する
ための処理を行った後、今回のルーチンを終了する。
【0032】ここで、本実施例においては、ステップ1
10において、車両の走行中にラジエタ22の表面に生
ずる走行圧とほぼ均衡する圧力をラジエタ22裏面側に
発生させ得る逆回転を電動ファン32に付与することと
している。より具体的には、図4に示す車速−デューテ
ィ比マップを用いて電動ファン32をデューティ駆動す
ることにより、車速が高速であるほど高速の逆回転が電
動ファン32に付与されるように制御を行うこととして
いる。
【0033】この場合、ラジエタ22の表面に生ずる走
行圧と、電動ファン32が逆回転することによりラジエ
タ22の裏面に生ずる圧力とが、車速の変動に関わらず
適当に均衡することになり、エンジンルーム内への走行
風の流入が適切に阻止できることになる。このため、本
実施例の内燃機関の冷却装置によれば、冷却水の温度T
HWが低く、かつ、内燃機関10の発熱量が少ない場合
には、エンジンルーム内に空気の流れが生じ難くなる。
【0034】つまり、本実施例の冷却装置によれば、ヒ
ータコア30内に高温の冷却水が導き難い状況、すなわ
ち、車室内ヒータにおいて高いヒータ能力を確保し難い
状況が形成されると、内燃機関10の発する熱が空気中
に放熱され難い状況、すなわち、冷却水が受熱し易い状
況を形成することができる。従って、本実施例の内燃機
関の冷却装置によれば、電動ファン32を正転状態、又
は停止状態のみで用いる装置に比して広い環境下で車室
内ヒータに十分なヒータ能力を付与し得るという利益を
有していることになる。
【0035】ところで、上記実施例は、電動ファン32
に与えるべき逆回転を、車速に応じて変化させる構成と
しているが、これに限るものではなく、設定した車速範
囲内全体にわたって均一な逆回転を付与することによっ
ても、十分に所望の効果を得ることが可能である。
【0036】また、上記実施例においては、内燃機関1
0の暖機が終了しているか否かを、THW≧80℃が成
立しているか否かに基づいて判断することとしている
が、その判断手法はこれに限るものではなく、例えば、
サーモスタット24の作動状態等に基づいて判断するこ
とも可能である。
【0037】更に、上記実施例においては、電動ファン
32を逆回転させることにより、エンジンルーム内の空
気の流れを阻止し得る状況か否かを、5km/h≦車速≦1
5km/hが成立しているか否かに基づいて判断することと
しているが、その判断手法は、これに限るものではな
く、例えばフロントグリルの周辺において走行圧を検出
し、その検出値に基づいて判断することも可能である。
【0038】尚、上記実施例においては、ECU36が
上記ステップ100を実行することにより前記した暖機
状態検出手段が、上記ステップ104を実行することに
よりヒータ作動要求検出手段が、上記ステップ110を
実行することにより運転状況検出手段が、また、上記ス
テップ102,106,110を実行することにより電
動ファン制御手段が、それぞれ実現されている。
【0039】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、内燃機関の暖機が不十分な状況下で車室内ヒータを
作動させるべき要求が生じた場合には、電動ファンを逆
回転させることによりエンジンルーム内の空気の流れを
阻止することができる。この場合、内燃機関で発生した
熱は適切にエンジンルーム内に蓄えられることになり、
ヒータコアに高温の冷却水を導くことが可能となる。従
って、本発明に係る内燃機関の冷却装置によれば、内燃
機関の暖機状態が不十分な場合においても、車室内ヒー
タに十分に高いヒータ能力を発揮させることができる。
【0040】また、請求項2記載の発明によれば、電動
ファンには、車両の運転状況に応じて、常に走行風を相
殺し得る逆回転が付与される。この場合、車両の運動状
況が変動しても、ラジエタからエンジンルーム内への空
気の流入、及びエンジンルーム内からラジエタ外部への
空気の流出を適切に阻止することが可能となる。従っ
て、本発明に係る内燃機関の冷却装置によれば、請求項
1記載の冷却装置に比して更に効率良く冷却水を加熱し
て、内燃機関の暖機状態が不十分な場合における車室内
ヒータに高いヒータ能力を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関の冷却装置の
構成概念図である。
【図2】本実施例の冷却装置に用いる冷却水回路の回路
図である。
【図3】本実施例において実行される電動ファン制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図4】本実施例において実行される電動ファン制御ル
ーチンで用いるマップの一例である。
【符号の説明】
10 内燃機関 14 主冷却水通路 22 ラジエタ 24 サーモスタット 30 ヒータコア 32 電動ファン 36 電子制御ユニット(ECU) 38 水温センサ 40 ヒータブロアスイッチ 42 車速センサ 44 フロアファン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のシリンダヘッド内及びシリン
    ダブロック内に設けた冷却水通路と、該冷却水通路に連
    通するラジエタと、該ラジエタの近傍に設けた電動ファ
    ンと、前記冷却水通路に連通する車室内ヒータ用のヒー
    タコアとを備える内燃機関の冷却装置において、 内燃機関の暖機状態を検出する暖機状態検出手段と、 前記車室内ヒータの作動要求を検出するヒータ作動要求
    検出手段と、 前記電動ファンに所定の逆回転を付与することで、エン
    ジンルーム内の流速を抑制し得る所定の運転状況を検出
    する運転状況検出手段と、 内燃機関の暖機が不十分であり、かつ、前記運転状況検
    出手段が前記所定の運転状況を検出している状況下で、
    前記車室内ヒータに作動要求が生じた場合に、前記電動
    ファンに所定の逆回転を付与する電動ファン制御手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の冷却装置にお
    いて、 前記電動ファン制御手段は、前記運転状況検出手段が検
    出する車両の運転状況に応じた逆回転を前記電動ファン
    に付与することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU721598B2 (en) * 1998-09-07 2000-07-06 Yoshikazu Kuze Electronic control cooling system of automotive engine for prevention of the global warming
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JP2013142326A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Denso Corp 内燃機関冷却装置
JP2015182751A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 マツダ株式会社 車両用通風制御装置
US11655742B2 (en) 2021-09-03 2023-05-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle control device

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