JP5719064B1 - こんにゃく含有麺およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】 麺伸びしにくく、スープの濁りが少なく、コシが有り食感がよく、生麺の食感を有するこんにゃく含有麺を提供する。【解決手段】 こんにゃくを含有する麺であって、主原料と、前記主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、麺の総質量に対して6質量%以上35質量%以下の水分とを含むこんにゃく含有麺。【選択図】 図1

Description

本発明は、こんにゃく含有麺およびその製造方法に関する。
従来から、35%以上の水分含量の麺生地を作る、所謂、多加水練りにより麺を製造する方法が知られている。この方法で製造された麺は、一般的に多加水麺とも称され、グルテンの網目構造が良好にでき上がり、麺がなめらかで、コシが有り、食感が非常に良好である。それゆえ生麺に利用されている。
しかしながら、多加水麺を乾燥する場合、当然の事ながら、乾燥に時間がかかり、非効率的である。また、乾燥に時間がかかる為、麺表面が荒れ、例えば、ひび割れや発泡が生じ、なめらかさが失われる。さらに、α化するために蒸煮などの処理をすると、麺線同士が付着し、ほぐれの非常に悪い麺塊となる。
更に、そのような麺は、乾麺、即席麺、蒸し麺、茹麺などの種類に関らず、「麺伸び」により品質変化または品質低下を生じる。これは、麺に含まれるでん粉やタンパク質などの成分の吸水性によるものである。従って、通常は「麺伸び」による品質変化または品質低下を大幅に防止することはできない。
また、麺類の食感を向上させるために、主原料にこんにゃく粉または粉末化させたこんにゃくゲルを加えることも行われている。しかし、従来知られている、こんにゃく粉または粉末化させたこんにゃくゲルを含む麺は、湯戻りに時間がかかるという問題がある。
特公昭64−5858号公報 特開2007−014355号公報 特開平7−327622号公報 特開平10−155440号公報 特許第4206469号公報 特開2010−207151号公報
即席麺は、普通湯戻ししなければ食することができない。一定時間の湯戻しで食することができるように配合や製造工程を組み立てるため、即席麺は生麺とは違った食感になる。すなわち、油揚げ麺は麺自体が油っぽく、湯戻りが早く伸びやすい。また、ノンフライ麺は湯戻りに時間がかかり、食感は硬めでコシがない。
本発明の目的は、麺伸びしにくく、スープへの濁りが少なく、コシが有り食感がよく、生麺の食感を有するこんにゃく含有麺およびその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係るこんにゃく含有麺は、主原料と、前記主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、麺の総質量に対して6質量%以上35質量%以下の水分とを含む。本発明の一態様に係るこんにゃく含有麺は、多孔質構造を有し、断面の空隙率が2.0%以上13.0%以下であり、断面の単位空隙率が0.01%以上2.5%以下であることが好ましい。
本発明の他の態様に係るこんにゃく含有麺の製造方法は、主原料と、前記主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、前記主原料100質量部に対して30質量部を超え50質量部未満の水とを含む生地材料から麺生地を作製し、前記麺生地から麺線を形成し、直ちに20秒〜60秒に亘り蒸煮し、次に70℃より高く110℃より低い熱風で乾燥することにより、麺の総質量に対して水分が6質量%以上35質量%以下であるこんにゃく含有麺を形成することを含む。
本発明によれば、スープへの濁りが少なく、コシが有り食感がよく、生麺の食感を有するこんにゃく含有麺およびその製造方法を提供できる。
実施例1において製造されたこんにゃく含有麺の断面を示す電子顕微鏡写真。 比較例3においてこんにゃく粉を使用して製造された麺の断面を示す電子顕微鏡写真。 比較例12の従来の製法で製造された麺の断面を示す電子顕微鏡写真。 こんにゃく含有麺の製造方法の1例を示すスキーム図。
本発明に係るこんにゃく含有麺は、主原料と、前記主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、乾燥麺の総質量に対して6質量%以上35質量%以下の水分とを含む。
本発明において用いられるこんにゃくは、たとえば特許文献4において用いられているこんにゃく粉末(こんにゃく粉)とは、構造および性質が大きく異なる。
こんにゃく粉は主成分がグルコマンナンであり、基本構造はD−グルコースとD−マンノースが約1:1.6の割合でβ−1,4結合により結合し、糖50〜60残基に1個の割合で分岐を持っている。また、これらの糖19残基に1個の割合で、アセチル基が存在している。立体構造は丸く、糖鎖が折りたたまれている状態である。こんにゃく粉の緩密度は0.10〜0.15kg/Lの範囲で、平均で0.12kg/L程度であり、密密度は0.12〜0.16kg/Lの範囲で、平均で0.15kg/L程度である。
これに対し、こんにゃく粉を水で充分に膨潤させ、得られた水和物にアルカリ(水酸化カルシウム)を添加して加熱すると、熱不可逆性のこんにゃくゲル(こんにゃく)になる。即ち、アルカリを添加すると低分子の有機酸を脱離させ、グルコマンナンが水素結合によって部分的に結合し、この点が結節点となって網状構造を形成する。網目構造内部では繊維が複雑に絡み合っており、多量の水が保持される。この水が、こんにゃくの弾力性や透明感を生み出す役目をしている。熱不可逆性のこんにゃくゲル(こんにゃく)の緩密度は0.3〜1.3kg/Lの範囲で、平均で0.81kg/L程度であり、密密度は0.3〜1.3kg/Lの範囲で、平均で0.82kg/L程度である。このように、熱不可逆性のこんにゃくゲル(こんにゃく)は多量の水が保持されるため、こんにゃく粉に比べて緩密度および密密度が高く、しかも緩密度と密密度との差が小さい。以下、熱不可逆性のこんにゃくゲルを単に「こんにゃく」と記す場合があるが、「こんにゃく」という用語は上述したようにこんにゃく粉と異なる意味をもつことを意図している。
本発明に係るこんにゃく含有麺は、主原料と、前記主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、乾燥麺の総質量に対して6質量%以上35質量%以下の水分とを含むので、湯戻し後の麺伸び率を1.6%以下、湯戻し時のスープの濁度を35.0%以下にすることができる。
本発明の一態様に係るこんにゃく含有麺は、断面の空隙率が2.0%以上13.0%以下であり、断面の単位空隙率が0.01%以上2.5%以下であることが好ましい。
図1に、実施形態に係るこんにゃく含有麺の微細構造の例を示す。この乾燥麺は、10質量%の水分を含むものである。このこんにゃく含有麺に使用したこんにゃくは、コンニャクイモを粉砕したこんにゃく粉を水とともに捏ねた後、アルカリ液を混ぜて煮沸し、固めてできたこんにゃくを粉砕することによって得られた、流動性を示す液状のものである。図1に示されるように、実施形態に係るこんにゃく含有麺は、複数の微細な空洞(図中、黒色で表示される領域)を有し、多孔質である。湯戻し時には、この空洞にお湯が入り、こんにゃく含有麺の内部に均一に分散したこんにゃく成分が再度膨潤される。これにより麺は速やかに喫食状態となり、こんにゃく成分に由来する弾力を持った麺となる。こんにゃく含有麺に含まれるこんにゃく成分は、乾燥麺の製造時に主原料に対して添加されるこんにゃく成分に由来する。上述したように、本発明に係るこんにゃく含有麺に含まれるこんにゃく成分は、いわゆるこんにゃく粉ではなく、粒子状のこんにゃく(こんにゃくゲル)として存在する。粒子状のこんにゃくは、こんにゃく含有麺中に好ましくはほぼ均一に分散して存在している。麺製造時には、液中に粒子状のこんにゃくが分散して流動性を示す状態で用いられ、粒子状のこんにゃくが充分に水を含んで存在し、こんにゃくの組織が開いた状態のまま乾燥させ、水分を減少させているため、喫食のためにお湯で再膨潤させると迅速に復元する。
図2に、こんにゃく粉を含む麺の断面を示す。図1と同様に、黒色で表示される領域は空洞である。この麺には、コンニャクイモを粉砕したこんにゃく粉を使用している。こんにゃく粉を水で膨潤させるには、長時間を有することが知られている。即ち、麺製造時にこんにゃく粉は充分に膨潤することができない。麺内部においてもこんにゃく粉の組織が開いた状態となっていないため、喫食のためのお湯での再膨潤が遅い。このため、図2のこんにゃく粉を含む麺は、図1の本発明の実施形態に係るこんにゃく含有麺と異なり、こんにゃくに由来する弾力を得ることができない。
図3に、従来の方法によって製造された麺の断面を示す。図1と同様に、黒色で表示される領域は空洞である。
「空隙率」とは、麺を長手方向と直交する方向で切断したときの断面積に占める全空隙面積の割合である。以下の式により表すことができる。この「空隙率」は、「1本の麺の1つの断面積」に対する、「前記1つの断面に存在する全ての空隙の面積を足し合わせた面積」の割合である。本発明に係るこんにゃく含有麺において、空隙率は麺の何れの位置で切断した場合でも2.0%以上13.0%以下であることが好ましい。
「単位空隙率」とは、麺を長手方向と直交する方向で切断したときの断面積に占める1つの空隙の面積の割合である。「単位空隙率」は、「1本の麺の1つの断面積」に対する、最小単位としての「1つの空隙の面積」の割合である。本発明に係るこんにゃく含有麺において単位空隙率は、麺の何れの位置で切断した場合でも0.01%以上2.5%以下であることが好ましい。
本発明に係るこんにゃく含有麺は、麺を何れの位置で切断した場合であっても、上述した多孔質構造であればよい。
こんにゃく含有麺の湯戻しは、1分間〜5分間、500mLの熱湯中で80gの麺を茹でる条件で行えばよい。或いは、こんにゃく含有麺の湯戻しは、1分間〜5分間、500mL程度の沸騰した湯に80gの麺を浸漬することにより行ってもよい。このような喫食に適した湯戻しを行った直後を基準時間(即ち、0分)として、この基準時間から5分が経過したとき(即ち、「5分後」)の麺は次のような「麺伸び率」および「スープの濁度上昇率」により表される性質を示す。
「麺伸び率」(Soggy Rate of Noodle)とは、「こんにゃく含有麺1g」当たりの「麺を湯戻しした直後(基準時間0分)の麺の質量」に対する「5分後の麺の質量」の割合である。即ち、「5分後の麺の質量(g)」を「湯戻し直後の麺の質量(g)」で除した値を、更に「こんにゃく含有麺の質量(g)」で除した値に数値「100」を乗じた値である。この値が大きいほど、麺の伸びが速い。本発明に係るこんにゃく含有麺の麺伸び率は、麺の形状およびサイズに関らず、即ち、麺の幅および/または厚みに関らず、1.6%以下である。
「スープの濁度上昇率」(Change Rate of Soup’s Turbidity)とは、「こんにゃく含有麺を湯戻しした直後(基準時間0分)から5分後のスープの濁度」から「こんにゃく含有麺を湯戻し直後(基準時間0分)の濁度」を引くことによって得られる「濁度変化値」を、「こんにゃく含有麺の湯戻し直後(基準時間0分)の濁度」(即ち、「喫食設定時の濁度」)で割った値に数値「100」を乗じた値である。この値が大きいほど、麺からの溶け出しによるスープの濁りが大きいと判断される。当該こんにゃく含有麺においてスープの濁度上昇率は、麺の形状およびサイズに関らず、即ち、麺の幅および/または厚みに関らず、35%以下である。
本発明に係るこんにゃく含有麺は、生地材料から作製した麺線を乾燥する工程を経て製造される。本発明に係るこんにゃく含有麺は、総質量に対して6質量%以上35質量%以下の水分を含む。こんにゃく含有麺は、常温、冷蔵および/または冷凍で流通してもよい。例えば、こんにゃく含有麺に含まれる水分量に応じて、流通時の状態を選択してもよい。水分量が多いこんにゃく含有麺の場合、例えば18〜35質量%の水分量の場合に、冷蔵および/または冷凍で流通するように商品を設計してもよい。水分量が少ないこんにゃく含有麺の場合、例えば6〜14.5質量%の水分量の場合に、常温で流通するように商品を設計してもよい。このように、こんにゃく含有麺の水分量は流通形態に応じて、6〜14.5質量%または18〜35質量%とすることがより好ましい。
こんにゃく含有麺の製造方法は、主原料と、前記主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、前記主原料100質量部に対して30質量部を超え50質量部未満、好ましくは35質量部以上50質量部未満、より好ましくは35質量部以上45質量部以下の水とを含む生地材料から麺生地を作製し、前記麺生地から麺線を形成し、直ちに20秒〜60秒に亘り蒸煮し、次に70℃より高く110℃より低い熱風で乾燥することにより、麺の総質量に対して最終水分が6質量%以上35質量%以下であるこんにゃく含有麺を形成することを含む。
熱不可逆性のこんにゃくゲル(こんにゃく)の具体的な調製方法の一例を説明する。36gのこんにゃく粉を500mLの水に30分間〜4時間に亘り浸漬する。それにより得られた膨潤こんにゃくを、水酸化カルシウム0.5gを水50gに溶解したアルカリ液で処理する。ここで、使用されるアルカリ液の例は、水酸化ナトリウム液、水酸化カルシウム液などが挙げられる。アルカリ液での処理は、膨潤こんにゃくをアルカリ液中に含ませて、例えば30〜60分間に亘って放置することによって行う。次に、アルカリ液で処理された膨潤こんにゃくを加熱処理する。加熱処理は、例えば100℃の環境に30〜60分間に亘ってさらすことによって行う。加熱処理を行う際の溶液は、アルカリ液の処理のために用いた溶液であっても、アルカリ液を水で洗浄した後に新たに添加した水であってもよい。アルカリ液による処理の後に、得られたこんにゃくを強制撹拌する。強制撹拌により、こんにゃく成分が磨り潰されて、より微細な粒子状のこんにゃくになる。強制撹拌は、例えばフードミキサーによって磨り潰すことにより行ってもよい。このような方法により流動性のあるこんにゃくゲルを調製する。
或いは、流動性のあるこんにゃくとして、例えば蒟蒻屋本舗株式会社から商品名「ナノコン」(登録商標)で市販されているもの(特許第4945132号参照)を使用してもよい。
以下、図4を参照して、本発明に係るこんにゃく含有麺の製造方法の一例を説明する。
小麦粉100質量部に対して、0.25質量部以上15.0質量部未満の流動性のある液状のこんにゃくと、30質量部を超え50質量部未満、好ましくは35質量部以上45質量部以下の水とを含む生地配合物を練る(S1)。次に、生地配合物を適当な長さにカットし、麺線(S2)を形成する。これを蒸煮しデンプンをα化させる。例えば沸騰したお湯に麺線を所定時間、例えば20秒〜60秒に亘り浸漬する(S3)。次に、この蒸煮した麺線をリテーナーに入れ、これを熱風乾燥機(70℃より高く110℃より低い)で乾燥する(S4)。乾燥した麺を冷却し、最終水分が6〜35質量%であるこんにゃく含有麺を形成する(S5)。
このような方法により得られた麺は、袋麺タイプの麺の場合には3分間の茹で、カップ麺タイプの麺の場合には3分で食することができる。麺は、ストレート麺またはウェーブの付いた麺であってよい。このような麺は、茹でた後のほぐれがよく、しかも麺伸びが少ない。また、食感は、生麺に非常に近い。
麺生地の作製は、原料の混練により行えばよい。混練は公知の何れかの常法によって行えばよい。
生地配合物は、基本的に主原料、水、こんにゃくおよび食塩を含む。任意にその他の添加物を含んでもよい。生地配合物を練ることにより麺生地が作製される。
「主原料」は、これらに限定されるものではないが、例えば強力粉、準強力粉、薄力粉およびデュラムセモリナ粉などの小麦粉、並びに例えば米粉およびトウモロコシ粉などを含む公知の何れかの穀粉、例えば馬鈴薯などのジャガイモ、サトウキビおよびタピオカなどの澱粉、並びにこれらを公知の手段により加工した加工澱粉などが挙げられる。
その他の添加物の例は、これらに限定するものではないが、かんすい、植物性たんぱく質、卵粉、やまいも粉、乳化剤、増粘多糖類、色素および食品添加物として通常使用可能な公知の添加物が挙げられる。添加物は、最終製品の特徴、例えば麺の種類などに応じて、例えば中華風、和風および欧風麺などの特徴に応じて選択すればよい。
かんすいとは、成分規格に適合する炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸類のカリウム塩もしくはナトリウム塩を原料とし、その1種もしくは2種以上を混合したもの又はこれらの水溶液もしくは小麦粉で希釈したものをいう(食品衛生法に基づく食品添加物公定書)。本発明に係るこんにゃく含有麺の製造方法においては、前記成分規格の要件を満足するかんすいを使用することができる。また、かんすいとしての作用を奏するものであれば代替物質を使用することも、あるいはかんすいと代替物質とを併用することも可能である。穀粉、食塩、水及びその他の添加剤の配合比率は特に制限されない。
作製された麺生地からの麺線の形成は、圧延等により麺帯状にした後、麺線状に切り出し、および/または押出機を使用して麺線状に加工することによって行ってもよい。上述したように、麺線形状に代わり、他の形状の麺体としてもよい。それぞれの形状の麺体を形成する方法は、公知の何れかの手段を用いればよい。
麺体の形状は、最終製品、例えば、中華麺、パスタ、うどんおよびソバなどの形態に依存して、一般的に麺として公知の何れの形態であってもよい。例えば、中華麺、スパゲティ、うどんおよびソバなどの場合にはひも状であってもよい。この場合、「麺体」を「麺線」と呼んでもよい。或いは、当業者に公知の何れかのパスタまたは中華麺に適した形状であってもよい。
本発明に係るこんにゃく含有麺は、乾麺、即席麺、半生麺等の形態を包含し、常温や冷蔵および/または冷凍で流通する麺も包含する。また、本発明に係るこんにゃく含有麺の製造方法は、乾麺、即席麺、半生麺等に特有の製造方法も包含し、常温や冷蔵および/または冷凍で流通する麺の製造方法も包含する。
本発明に係るこんにゃく含有麺は、例えば、カップ、箱または袋など公知の何れかの容器に収容された状態で提供してもよい。例えば、樹脂製の小袋に1食分として封入して提供してもよいし、複数食分を纏めて1つの樹脂製の袋に封入して提供してもよい。また、1食分または複数食分のこんにゃく含有麺を、それぞれ小袋に封入したスープの素および/またはかやくと共に1つの袋に封入して提供してもよい。また、例えば、ポリスチレン製または紙製のカップに麺とスープ、かやくを1食分として提供してもよい。
こんにゃく含有麺の調理方法の一例は次の通りである。鍋に湯を沸かし、沸騰した後にこんにゃく含有麺を加えて約1分〜約5分間に亘り放置またはかき混ぜながら茹で戻しする。所望によりその湯に味付けおよびかやくおよび/または具材を加えてもよい。また、調理方法の他の例は次の通りである。容器に収容されたこんにゃく含有麺に水を注ぎ、電子レンジなどによるマイクロウェーブにより加熱してもよく、IH調理器などによる超低周波により加熱してもよい。しかしながら、これらに限定されるものではなく、必要時間に亘って、こんにゃく含有麺を水からの加熱または湯中での加熱、湯に浸すことなど、公知の手段により調理してもよい。
湯への味付けは、調理者が公知の何れかの調味料により行ってもよく、専用のスープの素により行ってもよい。スープの素は液体状の濃縮スープの素であっても、粉末スープの素であってもよい。
本発明に係るこんにゃく含有麺は、微細な多孔質構造を有しているため、湯戻し時間が短く、復元性と弾力に優れており、麺伸びやスープの濁りのような時間的な物性変化も少ない。
本発明に係るこんにゃく含有麺は、乾燥しているが、生麺のような食感、すなわちなめらかで、のどごしがよく、ふっくらとしてコシがあり、さらに伸びにくいという特徴を有する。
実施例
以下に示す実施例に基づいて本発明を更に説明する。以下の例において、単位「%」はいずれも質量%である。
<製造例>
こんにゃくを次のように調製した。36gのこんにゃく粉(こんにゃく粉、蒟蒻屋本舗株式会社)を450mLの水に30分間に亘り浸漬した。このこんにゃく粉膨潤物に対して、50mLの水に0.5gの水酸化カルシウムを溶解したアルカリ液を添加して、30分間放置した。この懸濁物を100℃で30分間に亘り加熱して、こんにゃくを得た。このこんにゃくを室温にまで冷却した。次に、フードミキサーを用いて、こんにゃくを30分間に亘り磨り潰し、流動性のある液状のこんにゃくを得た。これに含まれる粒子状のこんにゃくは、平均粒径2.66mm、最小粒径1.30mm、最大粒径4.35mmであった。これを以下の実施例4において使用した。
(実施例1)
主原料としての小麦粉1000gをミキサーに投入した。こんにゃく(「ナノコン」、平均粒径0.16mm)50g(小麦粉100質量部に対して5質量部)と水400g(小麦粉100質量部に対して40質量部)を混合し、これに食塩30g、かんすい10gを加えて撹拌溶解した後に、前記ミキサー内に投入し、混練して麺生地とした。次いで、前記麺生地を常法に従って、ロール圧延して、1.30mmの厚さとし、20番丸刃で切り出して幅1.5mmの生麺線とした。この生麺線を定量にカットし、95℃の沸騰水で30秒茹で、リテーナーに収納して温度95℃、風速10m/s、32分間、熱風乾燥してこんにゃく含有麺を得た。得られたこんにゃく含有麺の水分量は10〜12質量%であった。製造例に記載する温度は、何れも乾燥用の庫内温度として設定された温度である。
(実施例2〜3)加水量を変更した例
加える水の量をそれぞれ350g、450g(小麦粉100質量部に対して、それぞれ35質量部、45質量部)としたこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法によりこんにゃく含有麺を作製した。得られたこんにゃく含有麺をそれぞれ実施例2および実施例3とした。
(実施例4)こんにゃくの性状を変更した例
上記製造例により製造したこんにゃくを使用したこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて、同様の方法によりこんにゃく含有麺を作製した。得られたこんにゃく含有麺を実施例4とした。
(実施例5〜8)こんにゃくの量を変更した例
こんにゃくをそれぞれ2.5g、5g、10g、100g(小麦粉100質量部に対して、それぞれ0.25質量部、0.5質量部、1質量部、10質量部)としたこと以外は、実施例1と同様な材料を用いてこんにゃく含有麺を作製した。得られたこんにゃく含有麺をそれぞれ実施例5、実施例6、実施例7および実施例8とした。
(実施例9〜11)茹で時間を変更した例
茹で時間をそれぞれ20秒、45秒、60秒としたこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法によりこんにゃく含有麺を作製した。得られたこんにゃく含有麺をそれぞれ実施例9、実施例10および実施例11とした。
(実施例12〜15)乾燥温度および乾燥時間を変更した例
乾燥温度および乾燥時間をそれぞれ80℃・60分、90℃・42分、100℃・25分、105℃・18分としたこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法によりこんにゃく含有麺を作製した。得られたこんにゃく含有麺をそれぞれ実施例12、実施例13、実施例14および実施例15とした。実施例12〜15のこんにゃく含有麺の水分量は10〜12質量%であった。
(実施例16〜20)乾燥時間を変更した例
乾燥時間をそれぞれ4分、5分、9分、12分、74分としたこと以外は、実施例1と同様の材料を用いて同様の方法によりこんにゃく含有麺を作製した。得られたこんにゃく含有麺をそれぞれ実施例16、実施例17、実施例18、実施例19および実施例20とした。実施例16、17、18、19および20のこんにゃく含有麺の水分量はそれぞれ34.8質量%、31.6質量%、20.0質量%、17.6質量%および6.0重量%であった。
(比較例1〜2)加水量を変更した例
加える水の量をそれぞれ300g、500g(小麦粉100質量部に対して、それぞれ30質量部、50質量部)としたこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法により麺を作製した。得られた麺をそれぞれ比較例1および比較例2とした。
(比較例3)こんにゃく材料を変更した例
ナノコンまたは製造例のこんにゃくの代わりに、こんにゃく粉4g(小麦粉100質量部に対して0.4質量部)を添加したこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法により麺を製造した。得られた麺を比較例3とした。比較例3のこんにゃく粉のグルコマンナン量と、実施例1のこんにゃくのグルコマンナン量とを等量にした。
(比較例4)こんにゃくの量を変更した例
こんにゃくを添加しないこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法により麺を製造した。これを比較例4とした。
(比較例5)こんにゃくの量を変更した例
こんにゃくの添加量を、150g(小麦粉100質量部に対して15質量部)としたこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法により麺を製造した。これを比較例5とした。
(比較例6〜7)茹で時間を変更した例
茹で時間をそれぞれ15秒、70秒としたこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法により麺を作製した。得られた麺をそれぞれ比較例6および比較例7とした。
(比較例8〜9)乾燥温度および乾燥時間を変更した例
乾燥温度および乾燥時間をそれぞれ70℃・100分、110℃・14分としたこと以外は、実施例1と同様な材料を用いて同様な方法により麺を作製した。得られた麺をそれぞれ比較例8および比較例9とした。
(比較例10〜11)乾燥処理時間を変更した例
乾燥時間をそれぞれ3分、80分としたこと以外は、実施例1と同様の材料を用いて同様の方法により麺を作製した。得られた麺を比較例10および比較例11とした。比較例10および11の麺の水分量はそれぞれ45.1質量%および5.0質量%であった。
(比較例12)市販の即席ノンフライ麺
常法により製造された一般的な市販のカップ入り即席ノンフライ麺(断面の大きさ:0.6mm×1.2mm、断面の形状:長方形)を比較例12とした。これは、製造者の推奨調理時間が4分の中華麺である。
官能試験
実施例1〜20および比較例1〜12について、官能試験を行った。
1.加水量の違いによる比較
加える水の量(30質量部、35質量部、40質量部、45質量部、50質量部)を変えて、製麺適性評価と試食評価を行った。その結果を表1に示す。
製麺適性評価は、各々の麺の麺帯の圧延状況、切り出しでの麺線の切断状況を明らかにすることが可能である。麺帯の圧延も問題なく、麺線の切断も容易である製麺状態の場合に、製麺適性が良好であると判定した。麺帯の圧延が困難で、麺線の切断ができない製麺状態の場合に、製麺適性が不良であると判定した。
試食評価は、実施例1〜3および比較例1〜2の麺をカップに入れ、沸騰したお湯を注ぎ、4分間お湯戻しを行った後、7名のパネラーにより評価を行い、その平均評価を示した。この試食評価により、各々の麺の食感、即ち、なめらかさ、弾力性、硬さという性質について評価することが可能である。特に生麺らしい食感を良好としている。評価は5段階評価、即ち、専門パネラー7名による5点法で行った。評点は、次の通りである;(5=非常によい、4=やや良い、3=良い、2=やや悪い、1=悪い)。
上記の実施例1〜3および比較例1〜2の麺を用いて、製麺適性評価・試食評価を行った。小麦粉100質量部に対して加水量50質量部での製麺適性は不良であり、それ以外の加水量では良好であった。また、試食評価では加水量30質量部で製造された乾燥麺では、生麺らしい食感が得られず、それ以外は良好な食感を有していた。この結果から、小麦粉100質量部に対して30質量部を超え50質量部未満、さらに35質量部以上45質量部以下の加水量が好ましいことが明らかになった。
2.こんにゃくの性状の違いによる効果
性状の異なるこんにゃく成分(こんにゃく、こんにゃく粉)を使用して製造した麺の製麺適性評価と試食評価を、上記の実施例1、実施例4および比較例3の麺を用いて行った。その結果を表2に示す。
実施例1、4のこんにゃく含有麺は、試食評価において顕著に優れた効果を示した。製麺適性は、両者とも良好であった。
3.こんにゃく量の比較
こんにゃくの添加量(無添加、0.25質量部、0.5質量部、1質量部、5質量部、10質量部、15質量部)を変更した場合の麺の製麺適性評価と試食評価を、上記の実施例1、5〜8および比較例4〜5の乾燥麺を用いて行った。その結果を表3に示す。
試食評価において、こんにゃく無添加の麺では生麺らしい食感が得られなかった。こんにゃくを15質量部添加した麺は硬い食感となった。製麺適性は、両者とも良好であった。この結果から、0.25質量部以上15.0質量部未満のこんにゃくを添加することが好ましいことが明らかになった。
4.茹で時間の比較
茹で処理時間(15秒、20秒、30秒、45秒、60秒、70秒)を変更した麺の製麺適性評価・試食評価を、上記の実施例1、9〜11および比較例6〜7の麺を用いて行った。その結果を表4に示す。
試食評価において、茹で処理15秒の麺は硬い食感となり、茹で処理70秒の麺は生麺らしい食感が得られなかった。この結果から、茹で時間は20秒以上70秒未満が好ましいことが明らかになった。
5.乾燥処理の比較
乾燥処理の乾燥温度(70℃、80℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃)および時間を変更した麺の試食評価を、上記の実施例1、12〜15および比較例8〜9の麺を用いて行った。その結果を表5に示す。
試食評価において、乾燥処理70℃の麺は柔らかい食感となり、乾燥処理110℃の麺は生麺らしい食感が得られなかった。この結果から、乾燥温度は70℃より高く110℃より低くするのが好ましいことが明らかになった。
6.乾燥処理時間の比較
乾燥処理の時間を3分、4分、5分、9分、12分、74分または80分に変更した麺の水分値および試食評価を、上記の実施例16〜20および比較例10〜11の麺を用いて行った。その結果を表6に示す。
試食評価の結果、乾燥処理時間を変更した麺であっても、水分値35〜17%程度の麺はもちもちとした食感があり、生麺らしい食感であった。しかし、3分以下の乾燥においては、麺が非常に柔らかくなり、麺の伸びも非常に早かった。
7.麺の多孔質構造についての検討
上述した実施例1〜15、比較例1〜9、12の麺の多孔質構造について比較した。同様に、市販の麺(比較例12)についても調べた。その結果を表7に示す。観察は日本電子(株)社製の走査型電子顕微鏡(JSM−5800LV)により150倍の倍率で行った。空隙の検出限界は0.03mm以上である。
本発明の方法によって製造した麺は2.49%から12.21%までの空隙率を有していた。空隙率が13.0%より大きくなると、麺が柔らかくなり、コシがなく、麺の伸びも早い。また、空隙率が2.0%未満では生麺のようなコシを得ることはできない。
本発明の方法によって製造した麺は1つ当たり0.40%から1.50%までの単位空隙率を有していた。単位空隙率が2.5%より大きくなると、麺が柔らかくなり、コシがなく、麺の伸びも早い麺となった。
8.麺伸び率(SR)、スープの濁度上昇率(CRT)の比較
本発明の方法によって製造した麺(実施例1)、加水量の違う麺(実施例2)、こんにゃくの性状の違う麺(実施例4)、こんにゃく粉を使用して製造した麺(比較例3)、市販品のノンフライ麺(比較例12)について、麺伸び率(SR)とスープの濁度上昇率(CRT)を比較した。その結果を表8に示す。
麺伸び率は、各々の麺の喫食設定時間を基準として、麺を湯戻しし、喫食設定時間(0分)と湯戻し後5分のときの質量を測定し、上記計算式から算出する。
スープの濁度上昇率は、各々の麺の喫食設定時間を基準として、麺を湯戻しし、喫食設定時間(0分)と湯戻し後5分のときの濁度を測定し、上記計算式から算出する。
本発明の方法によって製造した麺は、スープの濁度上昇率(CRT)が非常に低い値であった。こんにゃく粉を含む麺、市販品では経時的なスープの変化が大きかった。麺伸び率(SR)は、こんにゃくとこんにゃく粉を添加した麺で小さいことが分かる。本発明に係る麺は、スープの濁度上昇率(CRT)が35%以下、且つ麺伸び率(SR)が1.6%以下であることが明らかになった。
9.麺断面の微細構造観察
実施例1の麺の断面に、予め導電性物質である金をコーティングして、走査型電子顕微鏡(JSM-5800LV、日本電子)で観察した。具体的には次のように試料を作製した。実施例1の麺の断面を導電性物質である金でコーティングし、観察試料を高真空中(10−3Pa以上)に置き、この表面を絞った電子線で走査した。走査は直線的に行い、走査軸を順次ずらして試料表面全体の情報を得た。図1は本発明の方法で製造した麺の断面(実施例1)、図2はこんにゃく粉を使用して製造した麺の断面(比較例3)、図3は従来の方法で製造された麺の断面である。
図1(実施例1)は、麺内部に複数の空洞がある多孔質構造を有していることが確認できた。この空洞の存在と、麺に均一に含まれる粒子状のこんにゃくの存在と、本発明に係る麺の製造工程と、製造工程における乾燥条件などの全ての条件とが総合的に関与し合うことにより、従来は得ることができなかった良好な食感と性質的特徴を兼ね備えた優れた麺を提供することが可能となった。湯戻し時には、この空洞にお湯が入り、麺の内部に均一に分散したこんにゃく成分が再度膨潤される。これにより麺は速やかに喫食状態となり、こんにゃく成分に由来する弾力を持った麺となる。麺に含まれるこんにゃく成分は、麺の製造時にこんにゃくとして主原料に対して添加される成分に由来する。従って、麺に含まれるこんにゃく成分は、粒子状のこんにゃくとして存在する。粒子状のこんにゃくは、麺中に好ましくはほぼ均一に分散して存在している。実施形態に係る麺に使用したこんにゃくは、コンニャクイモを粉砕したこんにゃく粉を水とともに捏ねた後、アルカリ液を混ぜて煮沸し、固めてできたこんにゃくを粉砕して、粒子状としたこんにゃくを含む流動性のある液体である。この粒子状のこんにゃくは、麺製造時に充分に水を含んだこんにゃくとして存在し、こんにゃくの組織が開いた状態のまま乾燥されているため、喫食のためのお湯での再膨潤において迅速な復元に寄与する。
図2に示すように、こんにゃく粉を使用した比較例3の麺にも空洞が観察された。図1に示す実施形態に係るこんにゃく含有麺では空隙が均一な大きさで分散していたが、図2に示す比較例3の麺では、空隙の大きさが大きかったり小さかったり不均一であった。この図の麺にはコンニャクイモを粉砕したこんにゃく粉を使用している。こんにゃく粉を水により膨潤させるには長時間を要する。即ち、麺製造時にこんにゃく粉は充分に膨潤することができない。麺内部においてもこんにゃく粉の組織が開いた状態とならず、喫食のためのお湯での再膨潤が遅い。このため、図2のこんにゃく粉を含む麺は、図1の本発明の実施形態に係るこんにゃく含有麺と異なり、こんにゃくに由来する弾力を得ることができない。即ち、図2のこんにゃく粉を含む麺は、空洞はあるものの、喫食時においてコシがある生麺の食感を得ることはできない。
図3(比較例12)の麺では、空洞がなかった。これらの比較例を含む何れの比較例の評価も、実施形態に従う麺の評価には及ばなかった。
以上のように、主原料と、主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満のこんにゃくと、主原料100質量部に対して30質量%を超え50質量%未満、好ましくは35質量%以上45質量%以下の水とを含む生地材料から麺生地を作製し、前記麺生地から麺線を形成し、直ちに20秒〜60秒の間に亘り蒸煮し、次に70℃より高く110℃より低い熱風で乾燥することにより製造される、麺の総質量に対して最終水分が6質量%以上35質量%以下であるこんにゃく含有麺は、麺伸びしにくく、スープの濁りが少なく、コシがある生麺の食感が得られる。

Claims (4)

  1. こんにゃくを含有する麺であって、主原料と、前記主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、麺の総質量に対して6質量%以上35質量%以下の水分とを含み、多孔質構造を有し、断面の空隙率が2.0%以上13%以下であり、断面の単位空隙率が0.01%以上2.5%以下であるこんにゃく含有麺。
  2. こんにゃくを含有する麺を製造する方法であって、
    主原料と、前記主原料100質量部に対して0.25質量部以上15.0質量部未満の液状の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、前記主原料100質量部に対して30質量部を超え50質量部未満の水とを含む生地材料から麺生地を作製し、
    前記麺生地から麺線を形成し、直ちに20秒〜60秒に亘り蒸煮し、次に70℃より高く110℃より低い熱風で乾燥することにより、麺の総質量に対して水分が6質量%以上35質量%以下である麺を形成することを含むこんにゃく含有麺の製造方法。
  3. 前記生地材料に含まれる水が、前記主原料100質量部に対して35質量部以上50質量部未満である請求項2に記載のこんにゃく含有麺の製造方法。
  4. 請求項2または3に記載の製造方法により得られたこんにゃく含有麺。
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