JP5718954B2 - 圧電トランス - Google Patents
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本発明の圧電トランスは、平板状の圧電体と、圧電体の周面のうち、厚み方向に対をなす外面に形成された複数の電極と、開口を有する箱型をなしており、圧電体を内部に収容するケース体と、ケース体に設けられ、各電極に対応して電気的に接続される端子と、電極及びこれに対応する端子を相互に接続するリード線とを備える。本発明の圧電トランスにおいて、圧電体は、圧電体の周面がケース体の内側面から離れた状態でリード線により支持されている。
なおリード線をスリット状の溝(切欠き部)に引っ掛けることにより固定させてもよい。あるいは、弾性接着剤を用いてリード線の一部を切欠き部に固着させてもよい。
このような態様によれば、リード線の弛みを確実に防止することができるため、リード線は、圧電体を安定した姿勢で支持することができる。
弾性接着剤として、例えばシリコーンゴムを適用することができる。弾性接着剤は、リード線の端部と電極とを接続する半田よりも弾性に優れているため、外部からの振動がリード線に加わったとしても、この振動を柔軟に吸収してリード線の破断を防止することができる。
切欠き部で用いられる弾性接着剤として、例えば、樹脂を適用することができる。この樹脂は、上記固着部で用いられるシリコーンゴムよりも硬いものであることが好ましい。
上記の態様によれば、硬い素材の弾性接着剤を用いることで、リード線を切欠け部から抜け落ちてしまうことが防止される。すなわち、圧電体をケース体の内部から脱落させることなく回路基板に実装することができる。
このような構成によれば、リード線は、圧電体を幅方向でみた一方の周縁側で端部が電極に半田付けされ、端部から上記の中心線を跨いで、他方の周縁側に向けて敷設される。この先リード線は、例えば切欠き部を経由して端子に接続される。すなわち、リード線は、圧電体を敷設方向へ向けて強く引っ張った状態で支持しつつも、その長さに充分な余裕が確保されている。したがって、外部の振動がケース体を通じてリード線に伝わったとしても、この振動が、電極に半田付けされたリード線の端部に対して伝わりにくい。このため、リード線の断線が防止されることにより、圧電体を安定した姿勢で支持することができる。
上記の構成によれば、外部からの衝撃によって圧電体がぐらついたとしても、リード線自体がケース体に接触することはない。したがって、リード線の断線が防止されることのより、圧電体を安定した姿勢で支持することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態の圧電トランス1を分解して示す斜視図である。圧電トランス1は、例えば、イオン発生器やオゾン発生器、空調機、レーザプリンタ等の高圧用電源として使用されるものである。
圧電セラミックス2には、その外面(厚み方向で対向する面)に一次側電極2a及び二次側電極2bが長手方向に沿って形成されている。図1では一方の面のみが示されているが、図示の外面と反対側の面にも一次側電極2a及び二次側電極2bが形成されている。なお、圧電セラミックス2の長手方向で、一次側電極2aが形成されている部分は駆動部として機能する。また、二次側電極2bが形成されている部分は発電部として機能する。
ケース体4は、圧電セラミックス2よりも大きな外形をなし、その内部には凹形状の収容部(参照符号省略)が形成されている。ケース体4は、回路基板の実装面に対向する上面が開口しており、この開口からケース体4の内部に向けて収容部が延びている。
ケース体4を幅方向でみた側壁の外側面には、4つの端子6,8,10,12が設けられている。端子6,8,10,12は、それぞれ一次側電極2a及び二次側電極2bに対応しており、各電極と電気的に接続される。
またケース体4には、幅方向でみた両端側の側壁にそれぞれ切欠き部14,16,18,20が形成されている。図1中に示す切欠き部14,18は、ケース体4を幅方向でみた一方の側壁に形成されており、切欠き部16,20は、他方の側壁に形成されている。切欠き部14,16,18,20は、開口に向けて凹型をなしている。切欠き部14,16,18,20は、挿通されたリード線を固定する。また、リード線は、切欠き部14,16,18,20にて、例えば樹脂からなる弾性接着剤により固着されてもよい。
一次側電極2aと一次側端子6,8とは、それぞれリード線22,24を介して接続される。また、二次側電極2bと二次側端子10,12とは、それぞれリード線26,28を介して接続される。本実施形態では、リード線22〜28として、例えば、金糸線を適用することができる。金糸線は、例えば、束ねた多数の細線を縄状に編んで芯(芯線)とし、その表面に帯状の銅箔を螺旋状に巻き付けた構成である。
またリード線22〜28は、半田2c以外にも、固着部2dによって固定されている。固着部2dは、リード線22〜28の敷設方向に沿う圧電セラミックス2の外面に形成され、リード線22〜28の一部を固着させた状態で支持する。固着部2dは、例えば、弾性接着剤(シリコーンゴム)により実現される。なお、切欠き部14,16,18,20でリード線を固着させるために用いられる弾性接着剤としては、例えば、樹脂を適用することができ、この樹脂は、固着部2dにてリード線22〜28を固着させる弾性接着剤よりも硬い素材であることが好ましい。なお、固着部2dは、半田2cに接していても、半田2cを覆っていても構わない。
次に、圧電セラミックス2がケース体4に収容された構成について説明する。
図2は、第1例の圧電トランス1を示す平面図である。図2から図9では、ケース体4の内部構成を便宜的に簡略化して示している。
また、圧電セラミックス2にて同一の平面上に敷設された2本のリード線は、それぞれ互い違いの方向に敷設されている。具体的に、図2中に示すリード線26は、ケース体4の幅方向でみて、端部から右側に向けて敷設されている。これに対して、リード線24は、幅方向でみて端部から左側に向けて敷設されている。
図4は、第2例の圧電トランス1を示す平面図である。第2例の圧電トランス1は、図2中に示す第1例の圧電トランス1の構成に対して、ケース体4にリブ32,34が設けられている。
図7は、第3例の圧電トランス1の構成を分解して示す斜視図である。第3例の圧電トランス1では、圧電セラミックス2に導電性被膜36が設けられている。
次に、第2実施形態の圧電トランス1について説明する。第1実施形態の圧電トランス1は、圧電セラミックス2を平置きした姿勢でケース体4に収容していたが、第2実施形態の圧電トランス1は、圧電セラミックス2を小端立てした姿勢でケース体4に収容する点で相違する。第2実施形態の圧電トランス1の基本的な構成は、第1実施形態の圧電トランス1と共通しており、共通する部材には、同一の符号を付すともに、重複する説明については適宜省略する。
各半田2cの上方には固着部2dが配置され、固着部2dにより、各リード線22〜28は圧電セラミックス200上に固着されている。
2 圧電セラミックス
2a 一次側電極(電極)
2b 二次側電極(電極)
2d 固着部
4 ケース体
6,8,10,12 端子
14,16,18,20 切欠け部
22,24,26,28 リード線
36 導電性被覆
Claims (9)
- 平板状の圧電体と、
前記圧電体の周面のうち、厚み方向に対をなす外面に形成された複数の電極と、
開口を有する箱型をなしており、前記圧電体を内部に収容するケース体と、
前記ケース体に設けられ、前記各電極に対応して電気的に接続される複数の端子と、
前記各電極及びこれに対応する前記各端子を相互に接続するべく前記圧電体の厚み方向に対をなして配置され、前記各電極から前記各端子に向けて敷設される敷設方向が相互に逆方向である複数のリード線とを備え、
前記圧電体は、
前記圧電体の周面が前記ケース体の内側面から離れた状態で、前記圧電体の厚み方向に対をなして敷設された複数の前記リード線により二方向から支持されている
ことを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1に記載の圧電トランスにおいて、
前記リード線は、
金糸線からなることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1又は2に記載の圧電トランスにおいて、
前記ケース体は、
前記リード線の敷設方向でみた両端側の側壁に形成され、前記圧電体の外面に沿って敷設された前記リード線が挿通される切欠き部を有し、
前記切欠き部は、
挿通された前記リード線を固定することを特徴とする圧電トランス。 - 請求項3に記載の圧電トランスにおいて、
前記圧電体は、
前記リード線の敷設方向に沿う前記外面に形成され、前記リード線の一部を固着させた状態で支持する固着部を有していることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項4に記載の圧電トランスにおいて、
前記固着部は、
弾性接着剤により前記リード線の一部を固着させることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項5に記載の圧電トランスにおいて、
前記切欠き部は、
前記固着部にて前記リード線を固着させる前記弾性接着剤よりも硬い素材の弾性接着剤により前記リード線を固着させることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1から6のいずれかに記載の圧電トランスにおいて、
前記リード線は、
前記圧電体を幅方向でみた前記外面の中心線を跨いで敷設されていることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1から7のいずれかに記載の圧電トランスにおいて、
前記ケース体は、
前記開口に対向する底面に形成され、前記底面と前記底面に対向する前記圧電体の外面との間の空間を確保するためのリブを有していることを特徴とする圧電トランス。 - 請求項1から8のいずれかに記載の圧電トランスにおいて、
前記圧電体の周面に沿って設けられ、前記圧電体の厚み方向に対をなして形成された前記電極間に抵抗値を付与する導電性被膜を備えたことを特徴とする圧電トランス。
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