JP5717006B2 - スタッド溶接方法 - Google Patents
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Description
これらは、プロジェクション溶接用としてJISB1195で制定された溶接ボルトと異なり、鋼板に挿入用の孔を必要としていない。そのため、JIS制定の溶接ボルトの溶接状態に比較して、余分な孔がなく、見映えも良い。
アーク溶接での接合では、薄い鋼板へ溶接する場合は、外観面や変形などの優位性から、コンデンサを用いて瞬間的な放電で溶接するCD方式(Capacitor Discharge)と呼ばれる工法が多く用いられている。しかし、その溶接での結合は充分な強度とは言い難く、高い強度を要する機能には適していない。
一方、抵抗溶接での従来の工法では、溶接スタッドの先端にプロジェクションを必要とし、溶接した鋼板の裏面に圧痕や溶融熱による焼けが生じ、外観面での難点がある。
〈構成1〉
平行部25aと両端のU字状の湾曲部25bにより構成される環状磁心25と、前記環状磁心25の平行部25aに、複数の部分に分けて間隙12aを空けて分割巻きされる1次コイル12と、前記1次コイル12と共に環状磁心25の平行部25aに巻回され、前記1次コイル12に設けられた前記各間隙12aに1個ずつ挟み込むように、複数の正側コイル14と複数の負側コイル16とを交互に配列した2次コイルと、前記複数の正側コイル14は全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、前記複数の負側コイル16は全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、前記接続された複数の正側コイル14と前記複数の負側コイル16とが互いに直列接続されるように、前記正側コイル14と負側コイル16の端子間を電気接続をする導体群を有し、かつ、前記導体群により、前記全ての正側コイル14と負側コイル16とを一方の面上に支持固定する接続基板62を備え、前記複数の正側コイル14の一方の端子は、前記接続基板62の他方の面上で、前記環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第1連結極板44に電気接続され、前記複数の負側コイル16の一方の端子は、前記接続基板62の他方の面側で、前記環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第2連結極板46に電気接続され、前記正側コイル14と負側コイル16の他端は、共に、前記接続基板62の他方の面側で、前記環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第3連結極板48に電気接続され、前記第1連結極板44には、正側導体30が連結され、前記第2連結極板46には、負側導体32が連結され、前記正側導体30と負側導体32とは、前記接続基板62の他方の面側において、当該他方の面から垂直に離れる方向に伸びる境界面に配置された絶縁層31を介して重ね合わされた一対の導体板であって、前記正側導体30と第1極板34に挟まれて、前記正側導体30に負極を接触させ前記第1極板34に正極を接触させた整流素子18と、前記負側導体32と第2極板36に挟まれて、前記負側導体32に負極を接触させ前記第2極板36に正極を接触させた整流素子20と、前記第1極板34と前記第2極板36を支持し、両者を電気接続する第3極板38とを備えていることを特徴とする溶接トランスと、
高周波交流を溶接トランスの1次コイルに供給し2次コイルに生起する電流を直流化して電極に供給する方式の溶接装置に適用される抵抗溶接方法であって、
溶接電流供給開始時刻t0からその後の時刻t1までの、電流増加率が最大の部分を立ち上げ制御期間T1と呼び、これに続く時刻t1から時刻t2までの、ピーク電流値C1に近い所定レベルの電流を維持する期間をピークレベル制御期間T2と呼び、その後の時刻t2から電流遮断時刻t3に至るまでの期間を、温度維持制御期間T3と呼ぶとき、
前記立ち上げ制御期間T1は10ミリ秒以下とし、前記立ち上げ制御期間T1と前記ピークレベル制御期間T2の和の(T1+T2)時間は15ミリ秒以下とし、前記立ち上げ制御期間T1と前記ピークレベル制御期間T2と前記温度維持制御期間T3の和の(T1+T2+T3)時間は、50ミリ秒以下としたことを特徴とする制御方法の溶接制御電源装置と、
これらの装置を使い、フランジ部を有し、その下端面は平らな面を持つ溶接スタッドを前記フランジ部から上電極で給電し、抵抗溶接することを特徴とするスタッド溶接方法。
前記溶接スタッドのフランジ部をなくし、更に、上端面および下端面は平らな面を形成し、上電極のチャック部材で前記溶接スタッドを保持し、前記上端面から上電極で給電し、抵抗溶接することを特徴とする請求項1記載のスタッド溶接方法。
(1)正側導体30と負側導体32とを絶縁層を介して密着させ、正側コイル14と負側コイル16との間に1次コイル12を挟むように配置したので、2次回路の転流時のインダクタンスを低減して、転流時間を短くし、高い周波数のインバータ制御が可能になる。
(2)複数の正側コイル14と複数の負側コイル16との間に分割巻きされた1次コイル12の各部を挟むように配置したので、トランス全体の熱分布が均一になる。
(3)1次コイルと2次側の正側コイルと負側コイルとを分割巻きして、1次2次コイル間の結合を良くし、2次側の大電流による磁気飽和を防止できる。
(4)1次コイル12と正側コイル14と負側コイル16との関係がどの場所でも均等で互いに密接して配置させることができる。
(5)この結果として高速で大電流の図8に示すような溶接制御に追随できる溶接トランスが、得られ、これらを有する溶接装置を使用することと、ツバ付きスタッド形状により、スタッドの直角度と接合強度とも高品質となる。また、通電時間が極めて短いことと、溶接用スタッドの接合面は突起がなく平らなため、溶接部裏面の焼けや圧痕のない外観が得られ、かつ、消費電力を低減するスタッド溶接方法が得られる。
〈構成2の効果〉
スタッド形状は至って単純な形状とすることができ、構成1と同様にスタッドの接合強度は高品質となる。また、通電時間が極めて短いことと、溶接用スタッドの接合面は突起がなく平らなため、溶接部裏面の焼けや圧痕のない外観が得られ、かつ、消費電力を低減するスタッド溶接方法が得られる。
溶接トランス10の1次コイル12には、後で図4を用いて説明する1次電流が供給される。整流回路は、単相全波整流式を採用する。この回路自体は良く知られている。2次コイル自体に極性を考慮する必要はないが、便宜上、2次コイルを、正側コイル14と負側コイル16とを直列接続したものと呼ぶことにする。正側コイル14の一端に整流素子18の一端を接続し、負側コイル16の一端に整流素子20の一端を接続し、整流素子18の他端と整流素子20の他端をまとめてプラス電極22に接続する。正側コイルの他端と負側コイルの他端は接続点を介して連結しているが、この接続点をマイナス電極24に接続する。プラス電極22とマイナス電極24が溶接機28に接続されている。
回路動作上問題になる等価的なインダクタンス成分を図2と3に書き加えた。即ち、正側コイル14と整流素子18を接続する正側導体30と、負側コイル16と整流素子20を接続する負側導体32、及び溶接機28内部の導体のインダクタンスが、溶接装置の性能に影響を及ぼすと考えられる。その詳細は後で説明する。
一方、溶接される材料や構造等に最適な溶接電流を供給するためには、溶接電流の供給時間をきわめて高精度に制御しなければならない。
このために、溶接電流を供給するトランスの1次側にインバータを接続して、PWM制御により溶接電流の大きさと供給時間とを制御することが行われている。
図示しないインバータにより制御された幅Wのパルスが、一定時間H内に一定回数、ここでは正方向のパルスと負方向のパルスとで合計10回、1次コイルに供給される。その結果、トランスの1次コイル12(図1)には、図4(b)に示すような電流が流れる。トランスの2次側で全波整流をして、(c)に示すような溶接電流を発生させる。
本発明での溶接条件はいずれも1万5千アンペア以上の溶接電流で通電時間は15m秒以下である。
(a)、(b)は本発明で溶接した状態を示し、(a)は図10(a)、(b)は図11(a)の各溶接スタッド、各上電極を用いて溶接した結果を示す。M5溶接スタッドの本発明の溶接方法の事例では溶接電流は1万5千アンペアで通電時間は15m秒としている。
(c)は従来のプロジェクション溶接を示した図13(a)の溶接スタッド7、上電極を用いて溶接した結果のナゲットを示している。この従来の方式での溶接電流は8千アンペアで通電時間は200m秒(10サイクル)としている。(a)、(b)、(c)のナゲットの形態に違いが見られ、本発明は高電流を極めて短い時間の通電方式のため、ナゲットは(a)、(b)が(c)に比べ、厚みは薄いが面積が大きくなっている。
2 上電極
3 下電極
4 溶接用スタッド
5 鋼板
6 溶着面
7 プロジェクション溶接スタッド
8 溶接用スタッド
9 チャック部材
10 溶接トランス
11 溶接制御電源装置
12 1次コイル
13 記憶装置
14 正側コイル
16 負側コイル
18 整流素子
20 整流素子
22 プラス電極
24 マイナス電極
25 磁心
28 溶接機
30 正側導体
31 絶縁層
32 負側導体
34 第1極板
36 第2極板
38 第3極板
44 第1連結極板
46 第2連結極板
48 第3連結極板
58 入力端子
62 接続基体
70 ナゲット
Claims (2)
- 平行部25aと両端のU字状の湾曲部25bにより構成される環状磁心25と、前記環状磁心25の平行部25aに、複数の部分に分けて間隙12aを空けて分割巻きされる1次コイル12と、前記1次コイル12と共に環状磁心25の平行部25aに巻回され、前記1次コイル12に設けられた前記各間隙12aに1個ずつ挟み込むように、複数の正側コイル14と複数の負側コイル16とを交互に配列した2次コイルと、前記複数の正側コイル14は全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、前記複数の負側コイル16は全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、前記接続された複数の正側コイル14と前記複数の負側コイル16とが互いに直列接続されるように、前記正側コイル14と負側コイル16の端子間を電気接続をする導体群を有し、かつ、前記導体群により、前記全ての正側コイル14と負側コイル16とを一方の面上に支持固定する接続基板62を備え、前記複数の正側コイル14の一方の端子は、前記接続基板62の他方の面上で、前記環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第1連結極板44に電気接続され、前記複数の負側コイル16の一方の端子は、前記接続基板62の他方の面側で、前記環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第2連結極板46に電気接続され、前記正側コイル14と負側コイル16の他端は、共に、前記接続基板62の他方の面側で、前記環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第3連結極板48に電気接続され、前記第1連結極板44には、正側導体30が連結され、前記第2連結極板46には、負側導体32が連結され、前記正側導体30と負側導体32とは、前記接続基板62の他方の面側において、当該他方の面から垂直に離れる方向に伸びる境界面に配置された絶縁層31を介して重ね合わされた一対の導体板であって、前記正側導体30と第1極板34に挟まれて、前記正側導体30に負極を接触させ前記第1極板34に正極を接触させた整流素子18と、前記負側導体32と第2極板36に挟まれて、前記負側導体32に負極を接触させ前記第2極板36に正極を接触させた整流素子20と、前記第1極板34と前記第2極板36を支持し、両者を電気接続する第3極板38とを備えていることを特徴とする溶接トランスと、
高周波交流を溶接トランスの1次コイルに供給し2次コイルに生起する電流を直流化して電極に供給する方式の溶接装置に適用される抵抗溶接方法であって、
溶接電流供給開始時刻t0からその後の時刻t1までの、電流増加率が最大の部分を立ち上げ制御期間T1と呼び、これに続く時刻t1から時刻t2までの、ピーク電流値C1に近い所定レベルの電流を維持する期間をピークレベル制御期間T2と呼び、その後の時刻t2から電流遮断時刻t3に至るまでの期間を、温度維持制御期間T3と呼ぶとき、
前記立ち上げ制御期間T1は10ミリ秒以下とし、前記立ち上げ制御期間T1と前記ピークレベル制御期間T2の和の(T1+T2)時間は15ミリ秒以下とし、前記立ち上げ制御期間T1と前記ピークレベル制御期間T2と前記温度維持制御期間T3の和の(T1+T2+T3)時間は、50ミリ秒以下としたことを特徴とする制御方法の溶接制御電源装置と、
これらの装置を使い、フランジ部を有し、その下端面は平らな面を持つ溶接スタッドを前記フランジ部から上電極で給電し、抵抗溶接することを特徴とするスタッド溶接方法。 - 前記溶接スタッドのフランジ部をなくし、更に、上端面および下端面は平らな面を形成し、上電極のチャック部材で前記溶接スタッドを保持し、前記上端面から上電極で給電し、抵抗溶接することを特徴とする請求項1記載のスタッド溶接方法。
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