JP6421947B2 - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

溶接装置及び溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6421947B2
JP6421947B2 JP2016092172A JP2016092172A JP6421947B2 JP 6421947 B2 JP6421947 B2 JP 6421947B2 JP 2016092172 A JP2016092172 A JP 2016092172A JP 2016092172 A JP2016092172 A JP 2016092172A JP 6421947 B2 JP6421947 B2 JP 6421947B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
welding
negative
coil
positive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016092172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017196656A (ja
JP2017196656A5 (ja
Inventor
和裕 橋爪
和裕 橋爪
甲斐 美利
美利 甲斐
甲斐 孝治
孝治 甲斐
幸徳 小野田
幸徳 小野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Giken Co Ltd
Original Assignee
Koyo Giken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Giken Co Ltd filed Critical Koyo Giken Co Ltd
Priority to JP2016092172A priority Critical patent/JP6421947B2/ja
Publication of JP2017196656A publication Critical patent/JP2017196656A/ja
Publication of JP2017196656A5 publication Critical patent/JP2017196656A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6421947B2 publication Critical patent/JP6421947B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、被溶接物(例えば、鋼板等の金属板を2枚重ねたもの)を平坦なテーブルに載置し、該テーブルと並行となる横向き姿勢に保持された溶接ガンで該被溶接物に対してスポット溶接を行う溶接装置及び溶接方法に係り、特に片側電極構造の溶接ガンを備える溶接装置及び該溶接装置を用いて被溶接物をスポット溶接する溶接方法に関する。
スポット溶接を効率良く実施できる溶接装置として、本願の発明者等は被溶接物を載置するテーブルを備えた溶接装置を提供してきた(特許文献1、特許文献2を参照)。
スポット溶接は、一般的には、対向配置した上下2つの電極で被溶接物を挟持し、上下電極間に溶接電流を供給することで被溶接物を溶接するものである。
一方、近年、上下両方向から電極を被溶接物に押し付けて溶接するのではなく、一方向(主に上方向)から電極を被溶接物に押し付けて溶接を行う所謂片側溶接の発明が多く見られるようになってきた(例えば、特許文献3〜特許文献6参照)。
特開平06−328265号公報 特開2011−183421号公報 特開2011−031269号公報 特開2012−071311号公報 特開2012−096249号公報 特開2013−052427号公報
しかしながら、片側溶接は技術的にかなり難しく、以下に示すような課題がある。
即ち、大電流を短時間通電するための制御が確立されていないことから、被溶接物を溶接した際に、被溶接物の裏面(例えば、重ねた2枚の鋼板のうち、片側電極から遠い方の裏面)に圧痕や熱による焼け、歪が多く生じて美観が損なわれてしまう。特に、裏面に保護シートが貼られた鋼板を溶接した場合に当該シートが焼けたり、熱変色したりする。また、裏面に塗装が施された鋼板においては塗装が熱変色したりする。
また、片側電極を被溶接物に当てた際に、予め被溶接物に形成された複数個のプロジェクション(突起)に対する外側電極の加圧力の差によって接合不良を起こすことがあり、確実な接合に至らないことがある。
また、大電流を短時間通電するための制御が確立されていないことで、効率の良い電力制御が難しく消費電力が大きくなる。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、大電流を短時間通電するための制御を可能とし、被溶接物を溶接したときに、該被溶接物の裏面に圧痕や熱による焼け、歪が生じることがなく、また効率の良い電力制御を行えて省電力化が図れる溶接装置及び溶接方法を提供することを目的とする。
本発明の溶接ガンは、両端が開口した円筒形状を成す外側電極と、前記外側電極に内挿自在であり、前記外側電極に内挿させた際に先端部分が前記外側電極の先端面より露出する長さの円柱形状を成す内側電極と、前記外側電極と前記内側電極とを絶縁する第1の絶縁部材と、前記内側電極の先端部分の外周表面を覆い、前記内側電極と、被溶接物に形成された前記内側電極が通過可能な大きさの逃がし孔とを絶縁する第2の絶縁部材と、を備えた片側電極と、先端部分で前記片側電極を保持し、該先端部分が本体部分に対して略直角方向に曲がったL字形状を成し、前記片側電極の前記外側電極を溶接トランスのプラス電極に接続するためのシャンクホルダと、前記片側電極の前記内側電極を前記溶接トランスのマイナス電極に接続するためのブスバー導電体と、を備えた溶接ガンであって、前記外側電極は、固定部と、可動部と、前記固定部と前記可動部を接続する接続部材とからなり、前記固定部は、円筒形状を成す本体の一端が極僅かに凸状に形成され、また前記円筒形状を成す本体の一端近傍の外面側に周方向に沿って連続して延びる溝が形成され、前記可動部は、円筒形状を成す本体の一端が前記固定部の前記一端と嵌合するように極僅かに凹に形成され、また前記円筒形状を成す本体の一端近傍の外面側に周方向に沿って連続して延びる溝が形成され、前記接続部材は、弾性を有し、軸心方向に切り欠きが形成された断面C字状の円筒形状を成し、一端近傍の内面側に前記固定部の前記溝に嵌合する突起が形成され、また他端近傍の内面側に前記可動部の前記溝に嵌合する突起が形成され、前記固定部の前記一端と前記可動部の前記一端を嵌合させた状態で、前記固定部と前記可動部を連結する。
上記構成によれば、外側電極の可動部が固定部に対して軸線回りに円弧運動可能となっているので、片側電極を被溶接物に当てた際に、予め被溶接物に形成された複数個のプロジェクション(突起)に対する外側電極の加圧力の差を低減でき、接合不良を起こすことなく常に確実な接合が可能となる。
本発明の溶接装置は、前記溶接ガンと、1次コイルに高周波交流が供給されることで2次コイルに生起する電流を直流化する溶接トランスと、前記溶接トランスの1次コイルに高周波交流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する溶接制御回路と、を備える溶接装置であって、前記溶接トランスは、平行部と両端のU字状の湾曲部により構成される環状磁心と、前記環状磁心の前記平行部に、複数の部分に分けて間隙を空けて分割巻きされる1次コイルと、前記1次コイルと共に前記環状磁心の前記平行部に巻回され、前記1次コイルに設けられた前記各間隙に1個ずつ挟み込むように、複数の正側コイルと複数の負側コイルとを交互に配列した2次コイルと、前記複数の正側コイルは全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、前記複数の負側コイルは全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、前記接続された複数の正側コイルと前記複数の負側コイルとが互いに直列接続されるように、前記正側コイルと負側コイルの端子間を電気接続する導体群を有し、かつ、前記導体群により、前記全ての正側コイルと負側コイルとを一方の面上に支持固定する接続基板を備え、前記複数の正側コイルの一方の端子は、前記接続基板の他方の面上で、前記環状磁心の前記平行部に平行な方向に伸びた第1連結極板に電気接続され、前記複数の負側コイルの一方の端子は、前記接続基板の他方の面側で、前記環状磁心の前記平行部に平行な方向に伸びた第2連結極板に電気接続され、前記正側コイルの他方の端子と負側コイルの他方の端子は、共に、前記接続基板の他方の面側で、前記環状磁心の前記平行部に平行な方向に伸びた第3連結極板に電気接続され、前記第1連結極板には、正側導体が連結され、前記第2連結極板には、負側導体が連結され、前記正側導体と前記負側導体は、前記接続基板の他方の面側において、当該他方の面から垂直に離れる方向に伸びる境界面に配置された絶縁層を介して重ね合わされた一対の導体板であり、前記正側導体とプラス電極が接続された第1極板との間に挟まれ、前記正側導体に正極が接触し、前記第1極板に負極が接触する第1整流素子と、前記負側導体とマイナス電極が接続された第2極板との間に挟まれ、前記負側導体に正極が接触し前記第2極板に負極が接触する第2整流素子と、前記第1極板と前記第2極板を支持し、両者を電気接続する第3極板と、を備え、前記溶接制御回路は、前記溶接ガンの前記片側電極に供給する溶接電流が、供給開始時刻から15ミリ秒以内で最大値となり、かつ50ミリ秒以下の通電時間で溶接が完了するように前記インバータ回路の動作を制御する。
上記構成によれば、短時間に大電流の供給を可能とする溶接トランスを有するとともに、水平方向への移動が可能であって、下側電極を必要とせず一方向からの溶接を可能とした片側電極が装着された溶接ガンを有するので、片面に保護シートが貼られた被溶接物を溶接する場合に、該被溶接物の裏面に圧痕や熱による焼けや歪が殆ど発生することなく溶接を行うことができ、また片面塗装された被溶接物を溶接する場合には、焼けや熱変色が殆ど発生することなく溶接を行うことができる。即ち、被溶接物の裏面の美観を損なうことなく溶接を行うことができる。また、短時間で溶接が完了することから省電力化も図れる。
本発明の溶接方法は、上記溶接装置を用いて被溶接物をスポット溶接する溶接方法であって、前記被溶接物が複数枚の金属板であり、前記複数枚の金属板の1枚を除く残りの金属板のそれぞれに対し、前記内側電極が通過可能な大きさの逃がし孔を形成するとともに、それぞれの一方の面の前記逃がし孔の外側周囲に同心円に沿って複数個のプロジェクションを形成し、その後、前記逃がし孔及び前記プロジェクションを形成していない前記金属板を最下位にし、その面上に前記逃がし孔及び前記プロジェクションを形成した全ての前記金属板を、それぞれの前記プロジェクションの形成面を下に向けるとともに、それぞれの前記逃し孔の中心同士が一致するように順次積み重ねて行き、全ての金属板を積層した後、前記逃がし孔を形成した全ての前記金属板の前記逃がし孔に前記内側電極の先端部分を挿入加圧するとともに、前記外側電極から前記内側電極へ流れる方向で溶接電流の供給を開始し、供給開始時刻から15ミリ秒以内で最大値となり、かつ50ミリ秒以下の通電時間で溶接が完了するように前記溶接電流を制御する。
上記方法によれば、片面に保護シートが貼られた被溶接物を溶接する場合に、該被溶接物の裏面に圧痕や熱による焼けや歪が殆ど発生することなく溶接を行うことができ、また片面塗装された被溶接物を溶接する場合には、焼けや熱変色が殆ど発生することなく溶接を行うことができる。即ち、被溶接物の裏面の美観を損なうことなく溶接を行うことができる。また、片側電極を被溶接物に当てた際に、予め被溶接物に形成された複数個のプロジェクション(突起)に対する外側電極の加圧力の差を低減でき、接合不良を起こすことなく常に確実な接合が可能となる。
本発明によれば、大電流を短時間通電するための制御を可能とし、被溶接物を溶接した場合に、該被溶接物の裏面に圧痕や熱による焼け、歪が生じることなく溶接を行うことができ、また短時間で溶接を行えることから省電力化も図れる。さらに、片側電極を被溶接物に当てた際に、予め被溶接物に形成された複数個のプロジェクション(突起)に対する外側電極の加圧力の差を低減でき、接合不良を起こすことなく常に確実な接合が可能となる。
本実施形態に係る溶接装置の外観を示す側面図 本実施形態に係る溶接装置の外観を示す平面図 本実施形態に係る溶接装置の溶接ガンの一部破断面を含む外観を示す側面図 本実施形態に係る溶接装置の溶接ガンの先端部の構造と片側電極の構造を示す断面図 本実施形態に係る溶接装置の電源ユニットの概略構成を示す図 本実施形態に係る溶接装置の溶接トランスと溶接ガンとの結線を示す図 本実施形態に係る溶接装置の溶接トランスの動作を説明するための結線図 本実施形態に係る溶接装置の溶接トランスの動作を説明するための結線図 本実施形態に係る溶接装置の溶接トランスの1次側に供給される電流を制御するための制御パルス、1次電流及び整流後の溶接電流を示す図 本実施形態に係る溶接装置の溶接トランスの外観を示す斜視図 本実施形態に係る溶接装置の溶接トランスの組み立て状態を示す斜視図 本実施形態に係る溶接装置において、溶接トランスから溶接ガンに供給される溶接電流を示す波形図 本実施形態に係る溶接装置で用いられる被溶接物の一例を示す断面図及び平面図 本実施形態に係る溶接装置の溶接ガンに装着された片側電極と被溶接物との間の溶接電流の流れを説明するための断面図
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る溶接装置1の外観を示す側面図である。また、図2は、本実施形態に係る溶接装置1の外観を示す平面図である。また、図3は、本実施形態に係る溶接装置1の溶接ガン6の一部破断面を含む外観を示す側面図である。図1及び図2において、本実施形態に係る溶接装置1は、冷却ユニット2と、電源ユニット3と、支持ポスト4と、支持アーム5と、溶接ガン6と、導電ケーブル7と、テーブル8と、溶接条件設定器9と、溶接トランス10と、テーブル駆動部100と、を備える。
冷却ユニット2は、溶接時に溶接ガン6にて発生する熱を冷却するための冷却水を供給する。冷却ユニット2は、電源が投入されている間は常時動作し、溶接ガン6との間で冷却水を循環させる。電源ユニット3は、受電設備450(図5参照)から供給される三相の交流電力を整流素子にて直流に変換し、更に変換後の直流から高周波交流に変換して出力する。電源ユニット3の詳細については後述する。導電ケーブル7は、2本のケーブルで構成され、一端がテーブル駆動部100の前面部に内蔵された溶接トランス10の2次側出力端に接続され、他端が溶接ガン6に接続される。溶接トランス10は、本願発明者等が先に特開2012−210654号、特開2013−179205号で提案した抵抗溶接用の溶接トランスである。溶接トランス10の詳細については後述する。
支持ポスト4は、冷却ユニット2と電源ユニット3の近傍にて垂直方向に立設され、支持アーム5を水平方向に回動可能に支持する。支持アーム5は、溶接ガン6を保持するものであり、支持ポスト4に対して水平方向に延びた水平アーム部5Aと、水平アーム部5Aの先端部分から垂直方向下向きに延設された垂直アーム部5Bとを備えた略L字形状を成している。支持アーム5の水平アーム部5Aの基端部5aと中間部5bには、それぞれ回動軸5Aaが設けられており、これらの回動軸5Aaによって溶接ガン6の水平方向への移動が可能になっている。
テーブル8は、略正方形の平坦な板状に形成されており、被溶接物を載置する。被溶接物は鋼板等の金属板である。テーブル8は、テーブル駆動部100によって上下動する。テーブル8は、溶接ガン6と被溶接物との間の距離調整を行うときなどで使用される。テーブル8の上下動操作は作業者により行われる。溶接条件設定器9は、被溶接物の材料や板厚等の溶接条件の設定を行う。溶接条件設定器9にて設定された溶接条件に見合った溶接電流が決定される。
図3において、溶接ガン6は、基端部側にレバー式の起動スイッチ6Aを備えたハンドル6Bを有している。ハンドル6Bの起動スイッチ6Aは溶接指令を出すためのものであり、ハンドル6Bが握られることでスイッチオンとなって溶接指定が出力される。溶接指令が出力されると、この溶接指令が電源ユニット3に取り込まれ、これにより電源ユニット3が動作して高周波交流を出力する。電源ユニット3から出力された高周波交流は、溶接トランス10の1次コイル12(図6参照)に供給される。
次に、溶接ガン6について詳細に説明する。
図4は、シャンクホルダ300の先端部301の構造と片側電極200の構造を示す断面図である。同図において、溶接ガン6は、片側電極200と、先端部301に片側電極200を装着するシャンクホルダ300と、シャンクホルダ300に添送されたブスバー導電体400とを備える。片側電極200は、下側電極を必要とせず一方向からの溶接を可能としたものであり、外側電極201と、内側電極202とを有する。片側電極200の詳細については後述する。
シャンクホルダ300は、先端部301が本体部302(図3参照)に対して略直角方向に折れ曲がった略L字状に形成されている。シャンクホルダ300には、銅等の導電性に優れた金属材が用いられ。シャンクホルダ300は、片側電極200の外側電極201と導通する。シャンクホルダ300の内部には、冷却水を通流させるための流路303が形成されており、この流路303内に冷却水を送るためのチューブ350が挿入される。チューブ350は、シャンクホルダ300の流路303の径よりも小径の可撓性を有し、例えばフッ素樹脂チューブからなる。チューブ350の先端はシャンクホルダ300の先端部301に至り、チューブ350の後端は上述した冷却ユニット2に至る。
チューブ350の先端部分には短尺のチューブ351が接続されて、外側電極201内に挿入される。チューブ351は、チューブ350と同様に可撓性を有し、例えばフッ素樹脂チューブからなる。チューブ350を通して冷却ユニット2から送られてくる冷却水は、チューブ351から外側電極201内に注入される。外側電極201内に注入されることで溢れ出た冷却水は、シャンクホルダ300内の流路303に入り、流路303及び不図示のチューブを経て冷却ユニット2に戻る。冷却水は、冷却ユニット2と片側電極200の間を循環し、溶接ガン6に装着された片側電極200を冷却する。
ブスバー導電体400には、銅等の導電性に優れた金属材が用いられる。ブスバー導電体400は、片側電極200の内側電極202と導通する。シャンクホルダ300は、溶接トランス10のプラス電極22(図6参照)に接続され、ブスバー導電体400は、溶接トランス10のマイナス電極24(図6参照)に接続される。これにより、片側電極200に供給される溶接電流は、外側電極201から内側電極202に向かう方向に流れる。なお、本実施形態では、溶接トランス10のプラス電極22を片側電極200の外側電極201に接続し、溶接トランス10のマイナス電極24を片側電極200の内側電極202に接続するようにして、溶接電流が、外側電極201から内側電極202に向かう方向に流れるようにしたが、逆になるようにしても構わない。即ち、溶接トランス10のプラス電極22を片側電極200の内側電極202に接続し、溶接トランス10のマイナス電極24を片側電極200の外側電極201に接続するようにしてもよい。
片側電極200は、上述した外側電極201及び内側電極202の他に、内側電極固定部203と、内側電極固定部203と外側電極201との間に介挿される樹脂製のガイドブッシュ500及び樹脂製の平ワッシャ501と、外側電極201と内側電極202との間に介挿される樹脂製のガイドブッシュ502及び樹脂製の平ワッシャ504と、内側電極固定部203を介して内側電極202を被溶接物側へ付勢するための複数の皿ばねを積層してなる付勢部505と、付勢部505の両端に対して設けられる樹脂製の平ワッシャ506,507と、シャンクホルダ300の先端と平ワッシャ507との間に介挿される樹脂製のキャップ508と、を備える。
ガイドブッシュ500,502は、共に両端が開口した円筒状に形成されている。キャップ508は、断面略コ字状に形成されており、また軸方向に対して直角となる平坦面を有する底部には外側電極201の上端部が連通する貫通する孔(符号略)が形成されている。
外側電極201は、略クランク状に形成され、内側電極202を保持する固定部201aと、一端面が固定部201aの先端面と密着し、固定部201aと接触する一端面の中心を支点とする軸線回りに円弧運動可能な可動部201bと、を備える。外側電極201は、基端部分(即ち、シャンクホルダ300の先端部分と接合する部分)に、略その長さに相当する深さの穴201cが中心軸方向に形成されている。この穴201cには上述したチューブ351が挿入される。外側電極201の固定部201aの内側電極202を保持する部分は、両端が開口した円筒状に形成されている。外側電極201の可動部201bは、両端が開口した円筒状に形成されている。外側電極201の固定部201aの内側電極保持部と可動部201b内に内側電極202が挿通される。外側電極201の固定部201aの内側電極保持部の上端部分には上述したガイドブッシュ502が内装される。
ここで、外側電極201の固定部201aの内側電極保持部の上端部分の内径は、ガイドブッシュ502の肉厚分だけ他の部分よりも大きくなっている。また、外側電極201の固定部201aの内側電極保持部の内径(ガイドブッシュ502を内装する部分の内径を除く)が内側電極202の径よりも僅かに大きく形成されていて、内側電極202のスムーズな移動を可能にしている。但し、内側電極202の移動に伴って内側電極202が外側電極201に接触しないように(即ち、内側電極202が横方向に振れて外側電極201に接触しないように)、ガイドブッシュ502にて内側電極202の移動方向を規制している。なお、内側電極202が外側電極201に接触しないように、内側電極202と外側電極201との間に絶縁材(例えば、樹脂製のフィルム)を設けるようにしてもよい。なお、ガイドブッシュ502は、第1の絶縁部材に対応する。
外側電極201の可動部201bは、弾性を有する接続部材550によって外側電極201の固定部201aに密着するように連結される。接続部材550は、両端が開口するとともに、軸心方向に切欠を有する横断面C字状に形成されている。また、接続部材550には、その上端側の内面と下端側の内面のそれぞれに断面三角形状の突起(符号略)が円周方向に沿って形成されている。外側電極201の固定部201aの先端部分の外周面と、外側電極201の可動部201bの外周面のそれぞれには、接続部材550に形成された前記突起と嵌合するV字状の溝(符略)が円周方向に形成されている。外側電極201の可動部201bを、外側電極201の固定部201aに接触させた状態で、接続部材550を外側電極201の固定部201aと可動部201bに亘るようにして装着し、接続部材550の内側の上下両端側に形成された断面三角形状の突起が、外側電極201の固定部201aと可動部201bのそれぞれの外周面に形成されたV字状の溝に嵌合するように、接続部材550の上下位置を調整することで、外側電極201の可動部201bが外側電極201の固定部201aに回動自在に連結される。
外側電極201の固定部201aと可動部201bの連結部分の双方の面のうち、固定部側の面が極僅かに凸状の球面に形成されており、可動部側の面が極僅かに凹状の球面に形成されている。即ち、固定部201aは、円筒形状を成す本体の一端が極僅かに凸状に形成されており、可動部201bは、円筒形状を成す本体の一端が固定部201aの一端と嵌合するように極僅かに凹に形成されている。そして、固定部201aと可動部201bが弾性を有する接続部材550によって連結される。このような構造を採ったことで、外側電極201の可動部201bが、外側電極201の固定部201aと接触する一端面の中心を支点とする軸線回りに円弧運動できるようになる。即ち、可動部201bを、首を振るように回動させることができるようになる。外側電極201の可動部201bを首振り自在としたことで、溶接時に、片側電極200を被溶接物に対して加圧した際に、被溶接物に形成された複数個(主に3個)のプロジェクションに対する外側電極201の加圧力の差を低減できる。即ち、片側電極200を使用する場合、被溶接物に予め複数個のプロジェクションを形成するが、溶接時に、各プロジェクションに対して外側電極201が均等に加圧しないと、各プロジェクションにおける溶融状態に差が出て均一な溶接が行われなくなることから、外側電極201による各プロジェクションへの加圧力が均等になるように、外側電極201の可動部201bを首振り自在とした。但し、外側電極201の可動部201bの外側への振れ量は、可動部201bが内側電極202に接触しない程度となるように、外側電極201の固定部201aと可動部201bの連結部分の対向面の形状を規制する必要があることは言うまでもない。
なお、外側電極201の固定部201aと可動部201bの連結部分の対向面の形状を逆にしても構わない。即ち、外側電極201の固定部側の面を極僅かに凹状の球面とし、可動部側の面を極僅かに凸状の球面としても構わない。
内側電極202は、基端部側にねじ部202aとフランジ202bを有する断面略十字状に形成されている。内側電極202のフランジ202bより先端側の部分(図面に向かった下側の部分)が、内側電極部202cとなっている。内側電極202は、内側電極固定部203に固定されるため、内側電極固定部203には内側電極202を固定するためのねじ孔(符号略)が形成されている。このねじ孔に内側電極202のねじ部202aを螺合させることで、内側電極202が内側電極固定部203に固定される。但し、内側電極202の内側電極固定部203へのねじ込み量は、内側電極202のフランジ202bによって規制される。
内側電極部202cの先端部分は、他の部分よりも小径に形成されており、この小径部分にステンレス製のリング503が嵌装される。リング503の表面には絶縁性を持たせるための表面被膜処理が施されており、溶接時に、内側電極部202cの先端部分の外周表面が被溶接物に形成された内側電極202cが通過可能な大きさの逃がし孔に接触しないように絶縁する。なお、リング503は、第2の絶縁部材に対応する。
内側電極固定部203は、略長方形の立体状に形成されている。内側電極固定部203には、外側電極201の固定部201aを通すための貫通孔(符号略)と、内側電極202を固定するためのねじが切られた貫通孔(符号略)がそれぞれ形成されている。内側電極固定部203には、ブスバー導電体400の先端部分がボルト203aによって固定される。外側電極201の固定部201aを通すための貫通孔には上述したガイドブッシュ500が内装される。
このような構造を成す溶接ガン6において、被溶接物を溶接するときには、図4に示すように、内側電極202の内側電極部202cが、溶接しようとする2枚の被溶接物600A,600Bの一方の被溶接物600Aに設けられた逃がし孔601(図13参照)の内側で他方の被溶接物600Bを押圧し、同時に外側電極201が一方の被溶接物600Aを押圧する。内側電極202が他方の被溶接物600Bを押圧し、外側電極201が一方の被溶接物600Aを押圧した直後に溶接電流が給電される。一方の被溶接物600Aには、他方の被溶接物600Bとの接合部(逃がし孔の外側周囲)に複数個のプロジェクション602が形成されており、これらのプロジェクション602が外側電極201の押圧給電によって溶融して、被溶接物600A,600Bが接合する。外側電極201の可動部201bが首振り自在となっているので、外側電極201が被溶接物600Aを押圧したときに各プロジェクション602が均等に加圧されることから、接合不良が発生することなく確実に接合される。
次に、電源ユニット3について説明する。
図5は、電源ユニット3の概略構成を示す図である。同図において、電源ユニット3は、整流器80と、平滑用コンデンサ81と、溶接制御回路82と、インバータ回路83と、を備える。整流器80は、単相全波整流式を採用したものであり、受電設備450からの三相の交流を整流して直流に変換する。溶接制御回路82は、溶接電流の大きさと通電時間を制御する。溶接制御回路82は、例えばマイコンを用いて構成される。マイコンは溶接制御用のプログラムを保持し、該プログラムに従って動作する。溶接制御回路82は、溶接ガン6に備えられた起動スイッチ6Aからの溶接指令を検知することで、溶接条件設定器9にて設定された被溶接物の材質と厚さに応じたタイミング信号を生成し、インバータ回路83へ出力する。この場合、溶接制御回路82は、溶接電流が通電開始時から15ミリ秒以内で最大値となり、かつ50ミリ秒以下の通電時間で溶接を完了するように、タイミング信号を生成する。
インバータ回路83は、インバータ制御部831と、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用した4つのスイッチS1〜S4と、例えばCT(Current Transformer)を使用した電流センサ832とを備える。インバータ制御部831は、溶接制御回路82で生成されたタイミング信号と電流センサ832で検出された1次電流とに基づいてスイッチS1〜S4のそれぞれをオン・オフ制御し、高周波交流を発生する。インバータ制御部831が発生する高周波交流の大きさは、スイッチS1〜S4それぞれのオン・オフのデューティによって変化する。スイッチS1〜S4それぞれのオン・オフのデューティを変化させることで、後述する図9の(a)に示すようにスイッチング波形のWの幅が変化する。
図6は、溶接トランス10と溶接ガン6の結線を示す図である。同図において、溶接トランス10の1次コイル12は、電源ユニット3のインバータ回路83の出力端に接続される。インバータ回路83から高周波交流が出力されることで、溶接トランス10の1次コイル12に1次電流が流れる。溶接トランス10の2次コイル15は、それ自体に極性を考慮する必要はないが、便宜上、溶接トランス10の2次コイル15を、正側コイル14と負側コイル16とを直列接続したものと呼ぶことにする。正側コイル14の一端には第1整流素子18のアノード(正極)が接続され、負側コイル16の一端には第2整流素子20のアノード(正極)が接続される。第1整流素子18のカソード(負極)と第2整流素子20のカソード(負極)がプラス電極22に共通接続される。正側コイル14の他端と負側コイル16の他端とがマイナス電極24に共通接続される。プラス電極22とマイナス電極24には、導電ケーブル7を介して溶接ガン6が接続される。この場合、溶接ガン6の片側電極200では、外側電極201が溶接トランス10のプラス電極22に接続され、内側電極202が溶接トランス10のマイナス電極24に接続される。なお、外側電極201を溶接トランス10のマイナス電極24に接続し、内側電極202を溶接トランス10のプラス電極22に接続するようにしても構わない。
図7は、第1整流素子18に順方向電流が流れたときの回路動作を示す図である。また、図8は、第2整流素子20に順方向電流が流れたときの回路動作を示す図である。図7及び図8では、図6に示す回路に、回路動作上問題になる等価的なインダクタンス成分を書き加えている。即ち、正側コイル14と第1整流素子18を接続する正側導体30のインダクタンスと、負側コイル16と第2整流素子20を接続する負側導体32のインダクタンスと、導電ケーブル7等を含む溶接ガン6における導体のインダクタンスとが、溶接装置1の性能に影響を及ぼすと考えられる。
溶接トランス10や導電ケーブル7等を含む溶接ガン6のそれぞれで発生する大量の熱を抑制することができれば、溶接装置1の省エネルギー化が図れ、大きな節電効果が期待できる。これは、従来よりも大きな電流を短時間だけ溶接ガン6に供給するように制御できれば実現可能である。一方、溶接される材料や構造等に最適な溶接電流を供給するためには、溶接電流の供給時間を極めて高精度に制御する必要がある。これは、溶接電流を供給する溶接トランス10の1次側にインバータ回路83を接続して、PWM制御により溶接電流の大きさと供給時間とを制御することで実現可能である。
図9は、溶接トランス10の1次側に供給される電流を制御するための制御パルス、1次電流及び整流後の溶接電流を示す図である。同図において、インバータ回路83により制御された幅Wのパルス(スイッチングパルス)が、一定時間H内に一定回数、ここでは正方向のパルスと負方向のパルスとで合計10回、溶接トランス10の1次コイル12に供給される。これにより、溶接トランス10の1次コイル12には、図9の(b)に示すような1次電流が流れる。溶接トランス10の1次コイル12に1次電流が流れることで溶接トランス10の2次側に発生した2次電流が整流素子18,20で全波整流されて、図9の(c)に示すような溶接電流となって溶接ガン6へ流れる。
図9の(a)に示すパルスの幅Wを増減することで溶接電流の大きさを調整することができる。また、パルスの供給回数を増減すれば溶接時間を調整することができる。即ち、パルスの繰り返し周波数を高くすると溶接時間をより細かく微調整できる。また、溶接トランス10の1次コイル12に供給する電力を増やせば、2次コイル15からより大きな溶接電流を取り出すことができる。
ここで、従来の溶接装置は、例えば1万アンペアで200m秒〜700m秒の溶接電流を供給するようにしているが、溶接電流をその2倍の2万アンペアにしてみると、溶接ガン6以外の場所で熱エネルギーになって消費される電力損失が極めて大きくなり、実用上問題となる。そこで、溶接電流を2倍にしても溶接時間を10分の1に短縮すれば、消費電力を5分の1にすることができ、実用上問題とはならない。
一方、溶接電流を供給するためのインバータ回路の制御パルスは、従来、繰り返し周波数が1kHz程度のものを使用していたが、大電流を短時間供給するには、もっと分解能の高い制御パルスが必要になる。本実施形態の溶接装置1のインバータ回路83では、繰り返し周波数が5kHz〜50kHz程度のパルスを出力するようにしている。従来の数倍から数十倍の高い繰り返し周波数のパルスを従来の溶接トランスに供給した場合、予定した溶接電流が得られないが、本実施形態の溶接装置1で使用する溶接トランス10は、従来の数倍から数十倍の高い繰り返し周波数のパルスでも予定した溶接電流を得ることができる構造を有している。以下、本実施形態の溶接装置1で使用する溶接トランス10の構造を説明する。
図10は、本実施形態の溶接装置1の溶接トランス10の外観を示す斜視図である。また、図11は、溶接トランス10の組み立て状態を示す斜視図である。図10及び図11において、溶接トランス10は、平行部25aと両端のU字状の湾曲部25bにより構成される環状磁心25と、環状磁心25の平行部25aに、複数の部分に分けて間隙12aを空けて分割巻きされる1次コイル12と、1次コイル12と共に環状磁心25の平行部25aに巻回され、1次コイル12に設けられた各間隙12aに1個ずつ挟み込むように、複数の正側コイル14と複数の負側コイル16とを交互に配列した2次コイル15と、複数の正側コイル14は全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、複数の負側コイル16は全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、接続された複数の正側コイル14と複数の負側コイル16とが互いに直列接続されるように、正側コイル14と負側コイル16の端子間を電気接続する導体群を有し、かつ、該導体群により、全ての正側コイル14と負側コイル16とを一方の面上に支持固定する接続基板62を備え、複数の正側コイル14の一方の端子は、接続基板62の他方の面上で、環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第1連結極板44に電気接続され、複数の負側コイル16の一方の端子は、接続基板62の他方の面側で、環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第2連結極板46に電気接続され、正側コイル14の他方の端子と負側コイル16の他方の端子は、共に、接続基板62の他方の面側で、環状磁心25の平行部25aに平行な方向に伸びた第3連結極板48に電気接続され、第1連結極板44には、正側導体30が連結され、第2連結極板46には、負側導体32が連結され、正側導体30と負側導体32は、接続基板62の他方の面側において、当該他方の面から垂直に離れる方向に伸びる境界面に配置された絶縁層31を介して重ね合わされた一対の導体板であり、正側導体30とプラス電極22(図6参照)が接続された第1極板34との間に挟まれ、正側導体30にアノード(正極)が接触し、第1極板34にカソード(負極)が接触する第1整流素子18と、負側導体32とマイナス電極24が接続された第2極板36との間に挟まれ、負側導体32にアノード(正極)が接触し第2極板36にカソード(負極)が接触する第2整流素子20と、第1極板34と第2極板36を支持し、両者を電気接続する第3極板38と、を備える。
溶接トランス10は、このような構造を有したことで、インバータ回路83からの高い周波数(5kHz〜50kHz程度)のパルスでも、予定した溶接電流を得ることができる。
ところで、図6に示すような2個の整流素子18、20を使用した全波整流型の2次回路は、ブリッジを使用した回路に比べて整流素子数が少なく、小型化できて電力損失も少ないため、溶接装置に適することが知られている。しかしながら、この2次回路では、1次コイル12に流れる電流の極性反転によって、2次コイル15に誘起される電圧が極性反転したときに、一方の整流素子を通じて供給されていた負荷電流が他方の整流素子側に流れを変える転流が生じる。
溶接電流が大電流になると、回路各部のインダクタンスに蓄積された電流エネルギーは非常に大きくなる。この電流エネルギーが一方の整流素子から他方の整流素子の側に移る転流時間は、図7や図8に示す2次コイル15の各部のインダクタンスが大きいほど長くなる。図9に示す1次コイル12の電流の立ち下がり開始から反対極性の電流の立ち上がり終了までの時間Mの間に2次回路の転流が完了しないと、2次電流の立ち上がりが遅れて、図9の破線に示すように、予定した溶接電流が得られなくなる。
図10、図11に示す溶接トランス10は、前述したように、特開2013−179205号公報に記載された溶接トランスと同等のものであり、高速で精密な大電流の溶接制御に追随できるものである。また、図12は、溶接トランス10から溶接ガン6に供給される溶接電流を示す波形図である。同図において、溶接電流供給開始時刻t0からその後の時刻t1までの、電流増加率が最大の部分を立ち上げ制御期間T1と呼び、これに続く時刻t1から時刻t2までの、ピーク電流値C1に近い所定レベルの電流を維持する期間をピークレベル制御期間T2と呼び、その後の時刻t2から電流遮断時刻t3に至るまでの期間を温度維持制御期間T3と呼ぶとき、溶接電流iwは、立ち上げ制御期間T1が10ミリ秒以下、立ち上げ制御期間T1とピークレベル制御期間T2の和の(T1+T2)時間が15ミリ秒以下、立ち上げ制御期間T1とピークレベル制御期間T2と温度維持制御期間T3の和の(T1+T2+T3)時間が50ミリ秒以下となるように制御される。このように、溶接電流iwの通電時間は50m秒以下に抑えられる。これは従来の通電時間の5分の1程度である。なお、図12中において符号C2は、溶接電流iwの終了値を示す。
本実施形態の溶接装置1で使用している溶接トランス10は、正側導体30と負側導体32が絶縁層31を介して密着し、また2次コイル15の正側コイル14と負側コイル16の間に1次コイル12が挟まるようにこれらのコイルを配置しているので、溶接トランス10の2次側回路の転流時におけるインダクタンスが低減し、該2次側回路における転流時間が短くなる。したがって、溶接トランス10を使用することで、より高い周波数のインバータ制御が可能となる。
また、溶接トランス10は、1次コイル12と2次コイル15の配置によって、溶接トランス全体の熱分布を均一化できる。
また、溶接トランス10は、1次コイル12と2次コイル15の正側コイル14及び負側コイル16をそれぞれ分割巻きして1次コイル12と2次コイル15の結合を図っているので、1次コイル12と2次コイル15における結合を強くでき、2次側の大電流による磁気飽和を防止できる。
また、溶接トランス10は、1次コイル12と2次コイル15の正側コイル14と負側コイル16との関係がどの場所でも均等になるようにしていので、互いに密着した配置が可能となり、溶接トランス10の小型化が図れる。
次に、本実施形態に係る溶接装置1を使用した溶接方法について説明する。溶接装置1を使用した溶接方法については先に簡単に説明したが、ここでは図13及び図14を参照しながら詳しく説明することとする。被溶接物として銅板を使用し、2枚の鋼板を溶接する手順について説明する。図13の(a)は、銅板600Aを示す断面図、図13の(b)は、銅板600Aを示す平面図である。図14は、片側電極200の先端部分での溶接電流iwの流れを示す図である。
図13に示すように、銅板600Aに、片側電極200の内側電極202の先端部分が通過可能な大きさの逃がし孔601を形成するとともに、逃がし孔601の外側で同一円周上に3個のプロジェクション602を形成する。なお、3個のプロジェクション602の間隔は等間隔(120度間隔)が好ましい。プロジェクション602は、銅板600Aにのみ形成し、銅板600Bには形成しない。銅板600Bの片面には保護シートが貼られているか、もしくは塗装が施されているものとする。
銅板600Aに逃がし孔601及びプロジェクション602を形成した後、作業者は銅板600A,600Bをテーブル8上に載置する。この際、銅板600Bを下にして、その上に銅板600Aを積み上げる。テーブル8上に銅板600A,600Bを載置した後、作業者は溶接ガン6を銅板600A,600Bの直上に移動させる。次いで、作業者は溶接ガン6を回転させて、溶接ガン6の先端に装備した片側電極200の内側電極202を銅板600Aの逃がし孔601に挿入し、銅板600Bに押し当てる。このとき、内側電極202の内側電極部202cに装着された絶縁性を有するリング503により、内側電極部202cの先端部分が銅板600Aの板厚面に接触することがない。
テーブル8上に銅板600A,600Bを重ねて載置し、溶接ガン6を所定位置まで持ってきた後、作業者は溶接ガン6のハンドル6Bを握ってスイッチオンして溶接指令を出す。溶接ガン6から溶接指令が出力されると、溶接ガン6の上のエアシリンダ(図示略)が作動し、溶接ガン6の基端部側が上方へ引き上げられて、外側電極201が銅板600Aを押圧し、内側電極202が銅板600Bを押圧する。このとき、内側電極202が銅板600Bに当たることによって銅板600Bから抗力を受けるが、付勢部505にて付勢されるので、銅板600Bに堅固に接触することになる。
外側電極201が銅板600Aを押圧すると共に内側電極202が銅板600Bを押圧した直後に溶接電流iwの供給が開始される。溶接電流iwは、図14に示すように、外側電極201→銅板600Aの各プロジェクション602→銅板600B→内側電極202の経路で流れる。溶接電流iwが流れることで接触抵抗が最も高くなっている各プロジェクション602の部分で銅板600A及び600Bが溶融し、銅板600Aと銅板600Bが接合する。
外側電極201の可動部201bは、首を振るようにして円弧運動することから、可動部201bが銅板600Aを押圧したときに3個のプロジェクション602が均等に加圧される。これにより、プロジェクション間の溶融状態の差が小さくなり、ばらつきの少ない溶接が可能となる。
なお、銅板600Aに形成するプロジェクション602は、3個に限定されるものではなく、任意である。
また、プロジェクション602の形状は製品の用途により、溶接裏面の外観品質を保つためには、小さなプロジェクションとし、溶接強度を優先するときは大きなプロジェクションとすればよい。
また、溶接する枚数は、2枚に限定されるものではなく、3枚以上の場合も有り得る。3枚の銅板を溶接する場合を例に挙げると、以下のようになる。
3枚の銅板の1枚を除く残りの銅板のそれぞれに対し、内側電極202が通過可能な大きさの逃がし孔601を形成するとともに、それぞれの一方の面の逃がし孔601の外側周囲に同心円に沿って3個のプロジェクション602を形成し、その後、逃がし孔601及びプロジェクション602を形成していない銅板を最下位にし、その面上に逃がし孔601及びプロジェクション602を形成した全ての銅板を、それぞれのプロジェクション601の形成面を下に向けるとともに、それぞれの逃し孔601の中心同士が一致するように順次積み重ねて行き、全ての銅板を積層した後、逃がし孔601を形成した全ての銅板の逃がし孔601に内側電極202の先端部分を挿入加圧するとともに、外側電極201から内側電極202へ流れる方向で溶接電流の供給を開始し、15ミリ秒以内で最大値となり、かつ50ミリ秒以下の通電時間で溶接が完了するように制御する。
このように、本実施形態に係る溶接装置1によれば、短時間に大電流の供給を可能とする溶接トランス10を有するとともに、水平方向への移動が可能であって、下側電極を必要とせず一方向からの溶接を可能とした片側電極200が装着された溶接ガン6を有するので、片面に保護シートが貼られた被溶接物を溶接する場合に、該被溶接物の裏面に圧痕や熱による焼けや歪が殆ど発生することなく溶接を行うことができ、また片面塗装された被溶接物を溶接する場合には、焼けや熱変色が殆ど発生することなく溶接を行うことができる。即ち、被溶接物の裏面の美観を損なうことなく溶接を行うことができる。また、短時間で溶接が完了することから省電力化も図れる。さらに、片側電極を被溶接物に当てた際に、予め被溶接物に形成された複数個のプロジェクション(突起)に対する外側電極の加圧力の差を低減でき、接合不良を起こすことなく常に確実な接合が可能となる。
また、水平方向への移動を可能とする溶接ガン6は、上面に開口部を有し、該開口部の周縁から内側に延びる延設部を有する箱体の該延設部の直下部分で溶接を行うような場合、前記延設部があっても容易に溶接を行うことができる。
なお、本発明を特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本発明は、大電流を短時間通電するための制御を可能とし、被溶接物を溶接したときに、該被溶接物の裏面に圧痕や熱による焼け、歪が生じることがなく、また効率の良い電力制御を行えて省電力化が図れ、さらに、片側電極を被溶接物に当てた際に、予め被溶接物に形成された複数個のプロジェクション(突起)に対する外側電極の加圧力の差を低減でき、接合不良を起こすことなく常に確実な接合が可能となるといった効果を有し、スポット溶接への適用が可能である。
1 溶接装置
2 冷却ユニット
3 電源ユニット
4 支持ポスト
5 支持アーム
5A 水平アーム部
5a 基端部
5b 中間部
5Aa 駆動軸
5B 垂直アーム部
6 溶接ガン
7 導電ケーブル
8 テーブル
9 溶接条件設定器
10 溶接トランス
12 溶接トランスの1次コイル
14 溶接トランスの2次コイルの正側コイル
15 溶接トランスの2次コイル
16 溶接トランスの2次コイルの負側コイル
18 第1整流素子
20 第2整流素子
22 溶接トランスのプラス電極
24 溶接トランスのマイナス電極
82 溶接制御回路
83 インバータ回路
100 テーブル駆動部
200 片側電極
201 外側電極
201a 固定部
201b 可動部
202 内側電極
202a ねじ部
202b フランジ
202c 内側電極部
203 内側電極固定部
300 シャンクホルダ
400 ブスバー導電体
450 受電設備
600A,600A 被溶接物
601 逃がし孔
602 プロジェクション

Claims (2)

  1. 両端が開口した円筒形状を成す外側電極と、前記外側電極に内挿自在であり、前記外側電極に内挿させた際に先端部分が前記外側電極の先端面より露出する長さの円柱形状を成す内側電極と、前記外側電極と前記内側電極とを絶縁する第1の絶縁部材と、前記内側電極の先端部分の外周表面を覆い、前記内側電極と、被溶接物に形成された前記内側電極が通過可能な大きさの逃がし孔とを絶縁する第2の絶縁部材と、を備えた片側電極と、
    先端部分で前記片側電極を保持し、該先端部分が本体部分に対して略直角方向に曲がったL字形状を成し、前記片側電極の前記外側電極を溶接トランスのプラス電極に接続するためのシャンクホルダと、
    前記片側電極の前記内側電極を前記溶接トランスのマイナス電極に接続するためのブスバー導電体と、
    を備えた溶接ガンであって、
    前記外側電極は、固定部と、可動部と、前記固定部と前記可動部を接続する接続部材とからなり、
    前記固定部は、円筒形状を成す本体の一端が極僅かに凸状に形成され、また前記円筒形状を成す本体の一端近傍の外面側に周方向に沿って連続して延びる溝が形成され、
    前記可動部は、円筒形状を成す本体の一端が前記固定部の前記一端と嵌合するように極僅かに凹に形成され、また前記円筒形状を成す本体の一端近傍の外面側に周方向に沿って連続して延びる溝が形成され、
    前記接続部材は、弾性を有し、軸心方向に切り欠きが形成された断面C字状の円筒形状を成し、一端近傍の内面側に前記固定部の前記溝に嵌合する突起が形成され、また他端近傍の内面側に前記可動部の前記溝に嵌合する突起が形成され、前記固定部の前記一端と前記可動部の前記一端を嵌合させた状態で、前記固定部と前記可動部を連結する、
    溶接ガン。
  2. 請求項1に記載の溶接ガンと、
    1次コイルに高周波交流が供給されることで2次コイルに生起する電流を直流化する溶接トランスと、
    前記溶接トランスの1次コイルに高周波交流を供給するインバータ回路と、
    前記インバータ回路の動作を制御する溶接制御回路と、
    を備える溶接装置であって、
    前記溶接トランスは、
    平行部と両端のU字状の湾曲部により構成される環状磁心と、前記環状磁心の前記平行部に、複数の部分に分けて間隙を空けて分割巻きされる1次コイルと、前記1次コイルと共に前記環状磁心の前記平行部に巻回され、前記1次コイルに設けられた前記各間隙に1個ずつ挟み込むように、複数の正側コイルと複数の負側コイルとを交互に配列した2次コイルと、前記複数の正側コイルは全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、前記複数の負側コイルは全て並列接続されるかもしくは全部または一部が直列接続され、前記接続された複数の正側コイルと前記複数の負側コイルとが互いに直列接続されるように、前記正側コイルと負側コイルの端子間を電気接続する導体群を有し、かつ、前記導体群により、前記全ての正側コイルと負側コイルとを一方の面上に支持固定する接続基板を備え、前記複数の正側コイルの一方の端子は、前記接続基板の他方の面上で、前記環状磁心の前記平行部に平行な方向に伸びた第1連結極板に電気接続され、前記複数の負側コイルの一方の端子は、前記接続基板の他方の面側で、前記環状磁心の前記平行部に平行な方向に伸びた第2連結極板に電気接続され、前記正側コイルの他方の端子と負側コイルの他方の端子は、共に、前記接続基板の他方の面側で、前記環状磁心の前記平行部に平行な方向に伸びた第3連結極板に電気接続され、前記第1連結極板には、正側導体が連結され、前記第2連結極板には、負側導体が連結され、前記正側導体と前記負側導体は、前記接続基板の他方の面側において、当該他方の面から垂直に離れる方向に伸びる境界面に配置された絶縁層を介して重ね合わされた一対の導体板であり、前記正側導体とプラス電極が接続された第1極板との間に挟まれ、前記正側導体に正極が接触し、前記第1極板に負極が接触する第1整流素子と、前記負側導体とマイナス電極が接続された第2極板との間に挟まれ、前記負側導体に正極が接触し前記第2極板に負極が接触する第2整流素子と、前記第1極板と前記第2極板を支持し、両者を電気接続する第3極板と、を備え、
    前記溶接制御回路は、前記溶接ガンの前記片側電極に供給する溶接電流が、供給開始時刻から15ミリ秒以内で最大値となり、かつ50ミリ秒以下の通電時間で溶接が完了するように前記インバータ回路の動作を制御する、
    溶接装置。
JP2016092172A 2016-04-29 2016-04-29 溶接装置及び溶接方法 Active JP6421947B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016092172A JP6421947B2 (ja) 2016-04-29 2016-04-29 溶接装置及び溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016092172A JP6421947B2 (ja) 2016-04-29 2016-04-29 溶接装置及び溶接方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017196656A JP2017196656A (ja) 2017-11-02
JP2017196656A5 JP2017196656A5 (ja) 2018-06-28
JP6421947B2 true JP6421947B2 (ja) 2018-11-14

Family

ID=60238647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016092172A Active JP6421947B2 (ja) 2016-04-29 2016-04-29 溶接装置及び溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6421947B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102470169B1 (ko) * 2022-08-17 2022-11-23 비케이테크 주식회사 프로젝션 용접 장치

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5232730B2 (ja) * 1973-10-04 1977-08-23
JPS5874289A (ja) * 1981-09-30 1983-05-04 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 抵抗溶接方法及び抵抗溶接用電極
JP5220931B1 (ja) * 2012-02-29 2013-06-26 株式会社向洋技研 溶接トランスと溶接トランス組体と溶接装置
JP5892390B2 (ja) * 2013-08-22 2016-03-23 株式会社向洋技研 スタッド溶接方法および抵抗溶接機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017196656A (ja) 2017-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8253056B2 (en) Resistance welding method and resistance welding apparatus
JP2017185626A (ja) 接合装置及び接合方法
US6320774B2 (en) AC waveform inverter power supply apparatus for metallic member joining or reflow soldering
CN105562894A (zh) 一种应用脉冲tig电弧辅助mig焊接的装置及采用该装置实现的焊接方法
JP2002321068A (ja) 被覆線用抵抗溶接装置
JP6421947B2 (ja) 溶接装置及び溶接方法
US20010027962A1 (en) Metallic members joining method and reflow soldering method
JP5892390B2 (ja) スタッド溶接方法および抵抗溶接機
JP2017196656A5 (ja)
US6410885B1 (en) MIG brazing power source
KR20010061940A (ko) 리플로식 납땜장치
JP6447847B2 (ja) 抵抗溶接装置
JP2011088160A (ja) 抵抗溶接用電源装置及び当該電源を使用した抵抗溶接装置、並びに電源制御方法
JP5717006B2 (ja) スタッド溶接方法
JP6497629B2 (ja) スポット溶接用電極
JP2000326026A (ja) ヒュージング加工方法
JP6331198B2 (ja) 溶接装置
US20080041828A1 (en) Single-head multiple-electrode resistance welder
JP2018023984A5 (ja)
WO2018192038A1 (zh) 一种直接接触式交流梯形波铝电阻焊工艺方法
JP2006187791A (ja) インバータ式抵抗溶接電源装置
CN103056250B (zh) 一种铜包铝漆包线的焊接方法
JP2017035707A5 (ja)
JP2013166162A (ja) 溶接チップ及び抵抗溶接装置
JP6447846B2 (ja) 給電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180521

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180521

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180521

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6421947

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250