JP2002321068A - 被覆線用抵抗溶接装置 - Google Patents

被覆線用抵抗溶接装置

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JP2002321068A
JP2002321068A JP2001132883A JP2001132883A JP2002321068A JP 2002321068 A JP2002321068 A JP 2002321068A JP 2001132883 A JP2001132883 A JP 2001132883A JP 2001132883 A JP2001132883 A JP 2001132883A JP 2002321068 A JP2002321068 A JP 2002321068A
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voltage
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JP2001132883A
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Fumiaki Iida
文郷 飯田
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Miyachi Technos Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】被覆線の絶縁膜除去に供する電流から被覆線胴
体部の溶接に供する電流への切り替えタイミングを的確
に行え、被覆絶縁膜を溶解する電極発熱の安定性が向上
でき、本通電での電流供給効率との品質の向上をさせる
被覆線用抵抗溶接装置 【解決手段】溶接ヘッド10と溶接電源部12とを有
し、溶接ヘッド10に上部電極14および下部電極16
と加圧部18とを備える。上部電極14は、略Uまたは
V状の形体を有し、その左右一対の肢部14c,14d
の上端部を電極端子14a,14bとし、肢部14c,
14dの下端連結部を被覆線W1,W2に加圧接触するた
めの電極先端部14eとしている。下部電極16は、逆
さの略UまたはV状の形体を有し、その左右一対の肢部
16c,16dの下端部を電極端子16a,16bと
し、肢部16c,16dの上端連結部を被覆線W1,W2
に加圧接触するための電極先端部16eとしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の被覆線同士
を抵抗溶接で接合するための被覆線用抵抗溶接装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】被覆線は、導体をポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリウレタン、エナメルまたはビニル等の絶
縁膜で被覆してなる電線である。従来より、2本の被覆
線同士を化学的または機械的な前処理を施すことなく通
電だけでつまり抵抗溶接で接合するようにした被覆線用
の抵抗溶接装置が知られている。この種の抵抗溶接装置
は、溶接ヘッドにおいて、上部電極とワーク(被覆線)
との間に中間電極を介在させ、下部電極に対して該中間
電極を電気的にバイパスさせた構成を有する。
【0003】かかる構成によれば、通電初期は被覆線の
絶縁膜が電流を阻止するため、電流は上部電極および中
間電極を通って下部電極をバイパスする。これにより、
上部電極および中間電極(特に両電極間の接触部分)が
ジュール熱で発熱して、被覆線を加熱し、終いには被覆
線の絶縁膜が溶けて中の導体または素線が露出する。こ
うして被覆線の導体が露出した後は、ワーク(被覆線)
自体が導電路となり、上部電極と下部電極との間に電流
が流れる。このワークを貫通して流れる電流によってワ
ークの接触部分つまり両被覆線の導体同士がジュール熱
で発熱して溶融し、冶金的に接合する。このように、溶
接ヘッドを通電させるだけで、自動的に被覆線の絶縁膜
が除去され、両被覆線の導体が互いに抵抗溶接される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の被
覆線用抵抗溶接装置では、上部電極に中間電極を正確か
つ安定に取付するための電極構造が複雑で高くつくだけ
でなく、溶接性がよくないという問題がある。つまり、
ワークとしての両被覆線のうち上側の被覆線の絶縁膜は
上部電極および中間電極より直接与えられる熱(ジュー
ル熱)で溶けるが、下側の被覆線の絶縁膜は下部電極か
ら加熱されないためになかなか溶け難い。下側被覆線の
絶縁膜にも加熱が及ぶように上部電極および中間電極の
発熱を強めても、上側被覆線の絶縁膜が速く溶け過ぎて
燃えてしまうこともあり、溶接品質の面で具合がよくな
い。このため、実際の溶接作業現場では、上側被覆線の
絶縁膜を溶かした段階でいったん通電と加圧を停止し、
両被覆線の上下位置をひっくり返してから、改めて加圧
・通電を行うことにより、他方の被覆線の絶縁膜を溶か
し、両被覆線の導体に溶接電流を流すようにしていた。
しかし、この方法は、非常に面倒な両被覆線の上下反転
操作を必要とするうえ、多くの工程・時間をも要し、生
産性が低いという問題があり、根本的な解決にはなって
いない。
【0005】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、複数の被覆線同士を効率よくかつ良
好に溶接できるようにした被覆線用抵抗溶接装置を提供
することを目的とする。
【0006】本発明の別の目的は、被覆線の絶縁膜除去
に供する電流から被覆線導体部の溶接に供する電流への
切り換えを適確なタイミングで行えるようにした被覆線
用抵抗溶接装置を提供することにある。
【0007】本発明の別の目的は、被覆線の絶縁膜を溶
解するための電極発熱の安定性を向上させる被覆線用抵
抗溶接装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、被覆線の絶縁膜を除
去した後の本通電における電流供給効率および溶接品質
を向上させるようにした被覆線用抵抗溶接装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の被覆線用抵抗溶接装置は、複数の被覆線
を重ね合わせて抵抗溶接で接合するための被覆線用抵抗
溶接装置であって、第1および第2の端子を有する導電
性かつ高発熱性の部材からなり、前記第1および第2の
端子の間の電極先端部にて一方の前記被覆線に所定の加
圧力で接触する第1の電極と、第3および第4の端子を
有する導電性かつ高発熱性の部材からなり、前記第3の
端子が前記第1の電極の第2の端子に電気的に接続さ
れ、前記第1の電極とは反対側から前記第3および第4
の端子の間の電極先端部にて他方の前記被覆線に所定の
加圧力で接触する第2の電極と、前記第1の電極の第1
の端子に電気的に接続される第1の出力端子と、前記第
2の電極の第4の端子に電気的に接続される第2の出力
端子とを有し、前記第1および第2の出力端子間の導電
路に主電流を供給する電源回路とを具備する構成とし
た。
【0010】上記の構成においては、電源回路より第1
および第2の出力端子間の導電路に主電流を供給する
と、通電初期は両被覆線の絶縁膜が主電流を阻止するた
め、電流は両電極をシリーズに縦断して流れる。つま
り、電源回路の第1の出力端子から第1の電極の第1の
端子に流入した電流は、第1の電極の電極先端部を通っ
て第2の端子を出て、第2の電極の第3の端子に入り、
第2の電極の電極先端部を通って第4の端子から電源回
路の第2の出力端子へ抜ける。これにより、両電極の電
極先端部付近でジュール熱が発生し、このジュール熱で
両被覆線の絶縁膜が上下から同時に加熱される。
【0011】この上下同時加熱により両被覆線の絶縁膜
がほぼ同時に溶けてそれぞれの導体が露出すると、それ
以後は第1および第2の電極間で両被覆線の導体が導電
路を提供することにより、電源回路の第1の出力端子か
ら第1の電極の第1の端子に流入した電流の大部分は、
第1の電極の第2の端子や第2の電極の第3の端子を経
由することなく第1の電極の電極先端部から両被覆線の
導体を横断して第2の電極の電極先端部に入り、第2の
電極の第4の端子から電源回路の第2の出力端子へ抜け
る。こうして、両電極間の被溶接材(被覆線)に抵抗溶
接用の電流が効率よく安定に供給され、両被覆線の導体
同士がしっかりと高品質に溶接される。
【0012】本発明の被覆線用抵抗溶接装置の好ましい
態様は、前記電源回路または前記第1または第2の電極
を流れる所定の電流を監視して、前記電流が所定の変化
を示したタイミングで通電または加圧条件を切り替える
ための条件切替手段を有する構成である。
【0013】前記条件切替手段の好ましい一態様とし
て、前記電流が所定の変化を示したタイミングに応動し
て前記主電流の電流設定値を切り替えてよい。あるいは
別の好ましい一態様として、前記電流が所定の変化を示
したタイミングに応動して以後の通電時間を前記被覆線
の導体同士を溶接するための設定時間に切り替える構成
としてもよい。あるいは、前記電流が所定の変化を示し
たタイミングに応動して前記被覆線に対する加圧力の大
きさを切り替える構成も可能である。
【0014】また、好ましくは、前記条件切替手段が、
前記第1の電極の第2の端子と前記第2の電極の第3の
端子との間を流れる電流を測定するための第1の電流測
定手段と、前記第1の電流測定手段によって測定される
前記電流の電流値を監視し、前記電流の電流値が所定の
監視値よりも低下したタイミングを検出する第1の電流
監視手段とを有する構成としてよい。
【0015】あるいは、前記条件切替手段が、前記主電
流を測定するための第2の電流測定手段と、前記第2の
電流測定手段によって測定される前記主電流のリップル
を監視し、前記主電流のリップルが所定の監視値を超え
たタイミングを検出する第2の電流監視手段とを有する
構成でもよい。
【0016】本発明の被覆線用抵抗溶接装置における電
源回路の好ましい一態様は、 商用周波数の交流電圧を
直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路より出力
された直流電圧を高周波数のパルス電圧に変換するイン
バータと、一次側コイルの両端が前記インバータの出力
端子に電気的に接続され、二次側コイルの両端が整流回
路を介することなく前記第1の電極の第1の端子および
前記第2の電極の第4の端子にそれぞれ電気的に接続さ
れる溶接トランスと、1回の通電時間を単位通電期間の
複数回繰り返しで構成し、奇数番目の各単位通電期間で
は前記インバータより一方の極性で前記高周波パルスを
出力させて前記高周波数の単位通電サイクル毎に前記溶
接トランスの一次側回路または二次側回路で流れる電流
のピーク値または実効値を所望の電流設定値にほぼ一致
させ、偶数番目の各単位通電期間では前記インバータよ
り他方の極性で前記高周波パルスを出力させて前記単位
通電サイクル毎に前記溶接トランスの一次側回路または
二次側回路で流れる電流のピーク値または実効値を前記
電流設定値にほぼ一致させるように前記インバータのス
イッチング動作を制御するインバータ制御手段とを有す
る構成である。かかる交流インバータ式電源において
は、前記条件切替手段が、前記電流が所定の変化を示し
たタイミングに応動して前記単位通電期間の繰り返し周
波数を切り替える構成とすることもできる。
【0017】また、本発明の被覆線用抵抗溶接装置にお
ける電源回路の別の好ましい態様は、商用周波数の交流
電圧を直流電圧に変換する第1の整流回路と、前記第1
の整流回路より出力された直流電圧を高周波数の交流パ
ルス電圧に変換するインバータと、一次側コイルが前記
インバータの出力端子に電気的に接続される溶接トラン
スと、前記溶接トランスの二次側コイルに得られる交流
電圧を直流電圧に変換して前記主電流を出力する第2の
整流回路と、前記溶接トランスの一次側または二次側で
流れる電流のピーク値または実効値を所望の電流設定値
にほぼ一致させるように前記インバータのスイッチング
動作を制御するインバータ制御手段とを有する構成であ
る。
【0018】また、本発明の被覆線用抵抗溶接装置にお
ける電源回路の別の好ましい態様として、商用周波数の
交流電圧を一対のサイリスタからなるコンタクタを介し
て一次側コイルに入力し、二次側コイルより前記主電流
を出力する溶接トランスと、前記溶接トランスの一次側
または二次側で流れる電流の実効値を所望の電流設定値
にほぼ一致させるように前記サイリスタの点弧角を制御
するサイリスタ制御手段とを有する単相交流式も可能で
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図を参照して本発明の
好適な実施形態を説明する。
【0020】図1に、本発明の一実施形態における被覆
線用抵抗溶接装置の主要な構成を示す。この抵抗溶接装
置は、溶接ヘッド10と溶接電源部12とを有し、溶接
ヘッド10に上部電極14および下部電極16と加圧部
18とを備える。
【0021】溶接電源部12は、たとえば三相の交流電
源端子(R,S,T)から商用周波数の交流電源電圧を
入力し、内部で溶接用の直流または交流電圧に変換し、
一対の出力端子12a,12bより溶接ヘッド10の導
電路に主電流Iwを供給するように構成されている。
【0022】溶接ヘッド10において、上部電極14お
よび下部電極16は、互いに上下に重ね合わせられた2
本の被覆線W1,W2を両側(上方および下方)から挟
み、加圧部18からの加圧力で加圧接触するようになっ
ている。
【0023】上部電極14は、高発熱性の導電体たとえ
ばモリブデンまたはタングステン系の合金からなり、任
意の形状を有してよいが、好ましくは略UまたはV状の
形体を有し、その左右一対の肢部14c,14dの上端
部を電極端子14a,14bとし、肢部14c,14d
の下端連結部をワークに加圧接触するための電極先端部
14eとしてよい。なお、上部電極14においては、少
なくとも電極先端部14e付近が高発熱性の部材であれ
ばよく、他の部分は低発熱性の部材(たとえば銅合金)
であってもよい。
【0024】下部電極16も、高発熱性の導電体たとえ
ばモリブデンまたはタングステン系の合金からなり、任
意の形状を有してよいが、好ましくは逆さの略Uまたは
V状の形体を有し、その左右一対の肢部16c,16d
の下端部を電極端子16a,16bとし、肢部16c,
16dの上端連結部をワークに加圧接触するための電極
先端部16eとしてよい。下部電極16においても、少
なくとも電極先端部16e付近が高発熱性の部材であれ
ばよく、他の部分は低発熱性の部材(たとえば銅合金)
であってもよい。
【0025】上部電極14および下部電極16は、機械
的には、加圧部18の上部電極支持部材20および下部
電極支持部材22にそれぞれ取付される。電気的には、
溶接電源部12の両出力端子12a,12bが下部電極
16の電極端子16aおよび上部電極14の電極端子1
4aにそれぞれ接続され、下部電極16の電極端子16
bと上部電極14の電極端子14bとが相互に接続され
ている。
【0026】かかる構成において、溶接ヘッド10を通
電させると、つまり溶接電源部12より溶接ヘッド10
の導電路に主電流Iwを流すと、通電初期は両被覆線W
1,W2の絶縁膜が主電流Iwを阻止するため、電流Iwは
両電極14,16をシリーズに縦断して流れる。より詳
細には、たとえば主電流Iwが図示の向きで流れるとき
は、電流Iwの全部が溶接電源部12の出力端子12a
→下部電極16(電極端子16a→肢部16c→電極先
端部16e→肢部16d→電極端子16b)→上部電極
14(電極端子14b→肢部14d→電極先端部14e
→肢部14c→電極端子14a)→溶接電源部12の出
力端子12bの導電経路を流れる。主電流Iwが図示の
向きとは反対の向きで流れるときは、上記の経路を逆向
きに流れる。
【0027】このように、通電を開始してしばらくの間
は、主電流Iwの全部が上部電極14および下部電極1
6の端から端までシリーズに縦断することにより、両電
極14,16の電極先端部14e,16eおよび肢部1
4c,14d,16d,16cでジュール熱が発生し、
このジュール熱で両被覆線W1,W2の絶縁膜が上下から
同時に加熱される。
【0028】この上下同時加熱により両被覆線W1,W2
の絶縁膜がほぼ同時に溶融して、それぞれ中の導体が露
出してくる。そうすると、上部電極14と下部電極16
との間でワーク(W1,W2)に導電路が形成され、主電
流Iwの大部分がこの導電路を流れるようになる。
【0029】より詳細には、たとえば主電流Iwが図示
の向きで流れるときは、溶接電源部12の出力端子12
aから下部電極16に流入した主電流Iwの大部分が、
下部電極16の電極先端部16eから両被覆線W2,W1
の導体を横断して上部電極14の電極先端部14eに入
り、そこから上部電極14の肢部14cおよび電極端子
14aを通って溶接電源部12の出力端子12b側に抜
ける。また、下部電極16に流入した主電流Iwの一部
(残りの部分)は、下部電極16の電極先端部16eか
ら肢部16dおよび電極端子16bを通って、上部電極
14の電極端子14bに迂回し、電極先端部14eにて
ワーク(W1,W2)経由の電流と合流して、溶接電源部
12の出力端子12b側に流れる。主電流Iwが図示の
向きとは反対の向きに流れるときは、各部の電流が上記
の各経路を逆向きに流れる。
【0030】このように、通電途中で両被覆線W1,W2
の絶縁膜が溶けてそれぞれの導体が露出した後は、主電
流Iwの大部分が両電極14,16間の最短ルートつま
り両被覆線W1,W2の導体を横断して流れることによ
り、両被覆線W1,W2の導体同士を効率よくかつ安定に
抵抗溶接することができる。
【0031】溶接電源部12は、溶接ヘッド10におけ
る通電や加圧を制御するための後述する制御部を含んで
いる。該制御部は、通電の途中で、両被覆線W1,W2の
絶縁膜が溶融した頃合またはタイミングを見計らって通
電または加圧の条件を適宜切り替えることができる。こ
の条件切替の制御を行うために、たとえば上部電極14
の電極端子14bと下部電極16の電極端子16bとの
間の導電路15を流れる電流Icおよび/または溶接電
源部12の出力端子12a,12bと両電極16,14
の電極端子16a,14aとの間の導電路17,19を
流れる電流つまり主電流Iwを電流センサ24,26を
用いて測定し、後述するような電流モニタリング法によ
り電流Ic,Iwの所定の属性(たとえば電流値、リップ
ル、波形等)の変化をとらえて、両被覆線W1,W2の絶
縁膜が溶けたタイミングを検知する。
【0032】図2に、この実施形態における溶接ヘッド
10の要部の構成を示す。
【0033】上部電極支持部材20は、加圧部18(図
1)内の図示しない加圧駆動部(たとえばエアシリン
ダ)に作動結合されている垂直アーム30と、この垂直
アーム30の下端部に絶縁材(図示せず)を介して一体
に固定されている導電性の水平アーム32と、この水平
アーム32の先端面に垂直に取付固定されている左右一
対の電極支持板34,36とを有する。両電極支持板3
4,36のうち、右側の電極支持板36は水平アーム3
2に電気的に接続される一方、左側の電極支持板34は
水平アーム32から絶縁材(図示せず)を介して電気的
に分離されている。両電極支持板34,36の間も絶縁
材38を介して互いに電気的に分離されている。
【0034】上部電極14の左右の電極端子14b,1
4aは左側および右側電極支持板34,36にボルト4
0,42でそれぞれ着脱可能に取付される。水平アーム
32の後端部(背面側)には、電源出力端子12b(図
1)からの導体板44が結合されている。導体板44、
水平アーム32および右側電極支持板36は、電源出力
端子12bと上部電極14の右側電極端子14aとの間
の導電路19(図1)を構成している。
【0035】下部電極支持部材22は、支持台46上に
絶縁材(図示せず)を介して固定されている導電性のブ
ロック48と、この導電性ブロック48の一端面に垂直
に固定取付されている左右一対の電極支持板50,52
とを有する。両電極支持板50,52のうち、右側の電
極支持板52は導電性ブロック48に電気的に接続され
る一方、左側の電極支持板50は導電性ブロック48か
ら絶縁材(図示せず)を介して電気的に分離されてい
る。両電極支持板50,52の間も絶縁材54を介して
互いに電気的に分離されている。下部電極16の左右の
電極端子16b,16aは左側および右側電極支持板5
0,52にボルト56,58でそれぞれ着脱可能に取付
される。導電性ブロック48の後端部(背面側)には、
電源出力端子12a(図1)からの導体板60が結合さ
れている。導体板60、導電性ブロック48および右側
電極支持板52は、電源出力端子12aと下部電極16
の右側電極端子16aとの間の導電路17(図1)を構
成している。
【0036】上部の左側電極支持板34と下部の左側電
極支持板50同士はケーブル61を介して相互に接続さ
れている。これらの電極支持板34,50およびケーブ
ル61は上部電極14の左側電極端子14bと下部電極
16の左側電極端子16bとの間の導電路(バイパス導
電路)15を構成している。ケーブル61には、電流セ
ンサ24としてたとえばトロイダルコイルが取り付けら
れてよい。
【0037】図3に、一実施例による溶接電源部12の
構成を示す。この実施例の溶接電源部12は交流インバ
ータ式の電源回路を用いている。この電源回路における
インバータ62は、GTR(ジャイアント・トランジス
タ)またはIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トラン
ジスタ)等からなる4つのトランジスタ・スイッチング
素子64,66,68,70を有している。
【0038】これら4つのスイッチング素子64〜70
のうち、第1組(正極側)のスイッチング素子64,6
8はドライブ回路72を介して制御部74からの同相の
駆動パルスG1,G3 により所定のインバータ周波数
(たとえば4kHz)で同時にスイッチング(オン・オ
フ)制御され、第2組(負極側)のスイッチング素子6
6,70はドライブ回路72を介して制御部74からの
同相の駆動パルスG2,G4 により上記インバータ周波
数で同時にスイッチング制御されるようになっている。
【0039】インバータ62の入力端子[L0 ,L1]
は三相整流回路76の出力端子に接続されている。三相
整流回路76は、たとえば6個のダイオードを三相ブリ
ッジ結線してなり、三相交流電源端子(R,S,T)よ
り入力する商用数の三相交流電圧を全波整流して直流電
圧に変換する。三相整流回路76より出力された直流電
圧は、コンデンサ78で平滑されてからインバータ62
の入力端子[L0 ,L1]に与えられる。
【0040】インバータ62の出力端子[M0 ,M1]
は溶接トランス80の一次側コイルに接続されている。
溶接トランス80の二次側コイルの両端はそれぞれ出力
端子12a,12bおよび二次導体(導電路)17,1
9を介して下部電極16の電極端子16aおよび上部電
極14の電極端子14aに電気的に接続されている。
【0041】制御部74は、マイクロコンピュータから
なり、CPU、ROM(プログラムメモリ)、RAM
(データメモリ)、インタフェース回路等を含んでお
り、電源装置内の一切の制御たとえば通電制御(特にイ
ンバータ制御)や各種溶接条件の設定ないし表示処理等
を行うほか、加圧部18その他の外部関連装置に対して
も所要の制御を行う。機能的には、通電時間を管理する
ための通電シーケンス部、インバータ62のスイッチン
グ動作を制御するインバータ制御部、通電時間の途中で
通電・加圧等の条件を切り替えるための条件切替部等が
制御部74に含まれている。
【0042】入力部82は、溶接電源部12の操作パネ
ル(図示せず)に設けられたキーボードまたはキー・ス
イッチ群を含み、抵抗溶接用の各種条件の設定入力に用
いられる。表示部84は、該操作パネルに設けられたデ
ィスプレイたとえば液晶ディスプレイを含み、制御部7
4の制御の下で各種条件の設定値や測定値等を表示す
る。
【0043】この溶接電源部12では、電流フィードバ
ック方式の通電制御を行なえるように、一次側回路にお
いて整流回路76とインバータ62との間(図1の構成
例ではコンデンサ78とインバータ62との間)の導体
にたとえばカレント・トランスからなる電流センサ86
を取り付け、この電流センサ86の出力信号を基に電流
測定回路88がインバータ62の入力側で流れる一次電
流I1の測定値(瞬時値)を電流測定信号MI1として求
め、その電流測定信号MI1を制御部74に与えるよう
にしている。
【0044】また、二次側回路に設けられる電流センサ
24,26の出力信号を基に電流測定回路90,92が
電流Ic,Iwの測定値(実効値)をそれぞれ求め、それ
らの電流測定値を表す電流測定信号MIc,MIwを制御
部74に与えるようにしている。
【0045】次に、この実施例の溶接電源部12におけ
る作用を説明する。
【0046】制御部74内のメモリには、所与のワーク
(W1,W2)に対する溶接条件が予め設定されている。
特に重要な条件は、通電時間、電流値、加圧力である。
【0047】通電時間は、両被覆線W1,W2の絶縁膜を
溶解除去するための第1通電時間WE1と、両被覆線W
1,W2の導体同士を溶接するための第2通電時間WE2
とに分割して設定される。ここで、第1通電時間WE1
は不定であり、ただし上限時間WE’が設定されてよ
い。第2通電時間WE2は第1通電時間WE1の終了と同
時に開始される。この溶接電源部12では、後述するよ
うに第1通電時間WE1の通電を終了させるべきタイミ
ングを適確に検出できるため、第2通電時間WE2の通
電開始のタイミングを管理することができ、したがって
WE2の期間を設定通りに管理することができる。この
ため、第2通電時間WE2は、被覆線W1の導体を端子部
材W2に接合するのに適した通電時間に設定することが
できる。
【0048】電流値は、第1通電時間WE1と第2通電
時間WE2とで別個に設定されてよい。第1通電時間W
E1における主電流Iwの設定電流値は、両被覆線W1,
W2の絶縁膜を所望の所要時間で溶解除去するのに適し
た電流値Is1に選ばれてよい。一方、第2通電時間WE
2における設定電流値は、通電時間WE2で両被覆線W
1,W2の導体同士を溶接するのに適した電流値Is2に選
ばれてよい。
【0049】加圧力も、第1通電時間WE1と第2通電
時間WE2とで別個に設定されてよい。たとえば、被覆
線W1,W2の線径が小さい場合は、ワーク(導体同士)
の溶け込みが速いため、第2通電時間WE2における加
圧力を第1通電時間WE1における加圧力よりも低い値
に設定してよい。
【0050】また、この実施例の溶接電源部12は交流
インバータ式であるため、二次側交流サイクルの周波数
を任意に設定することが可能であり、第1通電時間WE
1と第2通電時間WE2とで独立した交流サイクル周波数
を設定することも可能である。
【0051】図4および図5に、この実施例における通
電中の各部の電流の波形(一例)を示す。図示の例で
は、制御部74内のインバータ制御部が、電流センサ8
6および電流測定回路88を通じて一次電流I1の瞬時
値をフィードバックして、定電流リミッタ制御を行って
いる。交流インバータ式の定電流リミッタ制御では、所
定のクロックサイクルTCの始端でドライブ回路72を
介して駆動パルスG1,G3をHレベルに立ち上げ、片側
たとえば正極側のスイッチング素子64,68をオンに
する。この時、駆動パルスG2,G4はLレベルに保持
し、負極側のスイッチング素子66,70をオフにして
おく。正極側のスイッチング素子64,68をオンにす
ると、一次電流I1が正極方向で立ち上がる。
【0052】一次電流I1が正常に立ち上がると、電流
測定信号MI1が当該クロックサイクル内で第1通電時
間WE1用の設定電流値Is1に応じた所定のリミッタレ
ベルに達し、制御部74内のインバータ制御部はこのリ
ミッタレベル到達時点で制御パルスG1,G3をLレベル
に戻し、正極側のスイッチング素子64,68をオフに
する。
【0053】二次側回路の抵抗値の増大あるいは三相交
流電源電圧の降下等の変動に起因して、一次電流I1の
立ち上がりがよくなく、電流測定信号MI1が当該クロ
ックサイクル内でリミッタレベルに達しないことがあ
る。この場合は、クロックサイクルTCの終端手前で、
制御パルスG1,G3を立ち下げて正極側のスイッチング
素子64,68をオフにする。
【0054】このようにして、二次側交流サイクルの各
正極性の半サイクル(たとえば奇数番目の単位通電期間
T)中は、上記のように負極側のスイッチング素子6
6,70をオフにしたまま正極側のスイッチング素子6
4,68を定電流リミッタ制御で高速に(インバータ周
波数で)スイッチング動作させることにより、溶接トラ
ンス80の二次側回路ではほぼ台形波で主電流Iwが正
方向に流れる。
【0055】二次側交流サイクルの各負極性の半サイク
ル(偶数番目の単位通電期間T)中は、インバータ62
内で正極側のスイッチング素子64,68と負極側のス
イッチング素子66,70を入れ替えて上記と同様の高
速スイッチング動作を行うことにより、溶接トランス8
0の二次側回路ではほぼ台形波で主電流Iwが負方向に
流れる。
【0056】上記のように、通電を開始してからしばら
くの間、つまり第1通電時間WE1の初期ないし中間段
階では、溶接ヘッド10において主電流Iwの全部がバ
イパス導電路15経由で上部電極14および下部電極1
6をシリーズに縦断する。したがって、バイパス導電路
15を流れる電流Icは主電流Iwと一致する。この段階
では、上部電極14および下部電極16がそれぞれ発熱
して、両被覆線W1,W2を上下から同時に加熱する。
【0057】この上下同時加熱により、両被覆線W1,
W2の絶縁膜がほぼ同時に溶ける。すると、図4に示す
ように、バイパス電流Ic、主電流Iwおよび一次電流I
1に顕著な変化が現れる。すなわち、バイパス電流Icは
電流値が突然または急激に低くなる。主電流Iwはリッ
プルが突然または急激に大きくなる。また、一次電流I
1においては、各クロックパルス毎のパルス幅Tpに突然
に大きな変動Qが生じる。
【0058】制御部74内の条件切替部は、第1通電時
間WE1中に、電流センサ24および電流測定回路90
を通じてバイパス電流Icの電流値を監視することが可
能であり、電流センサ26および電流測定回路92を通
じて主電流Iwのリップルを監視することも可能であ
る。
【0059】したがって、各単位通電期間Tにおいて電
流立ち上げ後にバイパス電流Icの電流値Ifを所定の監
視値Ikと比較し、If<Ikになった時点をもって両被
覆線W1,W2の絶縁膜が溶けたタイミングと判定してよ
い。
【0060】あるいは、主電流IwのリップルδIを演
算して所定の監視値ΔIと比較し、δI>ΔIになった
時点をもって両被覆線W1,W2の絶縁膜が溶けたタイミ
ングと判定してよい。なお、主電流Iwのリップル演算
は、所定の周波数でサンプル値を抽出して極大点と極小
点を求め、隣り合う極大点と極小点との差分をリップル
δIとしてよい。
【0061】あるいは、一次電流I1のパルス幅Tpの変
動率dTpをクロックサイクル毎に求めて所定の監視値
DTpと比較し、dTp>DTpになった時点をもって両
被覆線W1,W2の絶縁膜が溶けたタイミングと判定して
よい。なお、一次電流I1のパルス幅Tpの代わりに駆動
パルスGのパルス幅を監視してもよい。
【0062】上記のようにして両被覆線W1,W2の絶縁
膜が溶けたタイミングを検知すると、制御部74内の条
件切替部は、そのタイミングを検知した単位通電期間T
で第1通電時間WE1を終了させ、次の単位通電期間T
から第2通電時間WE2を開始させ、ここで通電時間、
電流設定値、加圧力等の溶接条件を切り替える。図示の
例では、第2通電時間WE2を二次側交流サイクルベー
スで1サイクル(単位通電期間ベースでは2サイクル)
に設定している。また、主電流Iwの設定値Is2を第1
通電時間WE1における設定値Is1よりも一段と大きな
値に設定している。
【0063】第2通電時間WE2では、主電流Iwの大部
分が上部電極14および下部電極16間の最短ルートつ
まり両被覆線W1,W2の導体を横断して流れるため、バ
イパス導電路15を迂回して流れる電流Icは漸次減少
して零に近づく。主電流Iwにおいては相変わらず大き
なリップルδIが現れ、この二次側電流リップルδIと
呼応して一次電流I1のパルス幅も断続的に大きく変動
し続ける。しかし、両電極14,16より両被覆線W
1,W2に供給される熱エネルギーは安定しており、両被
覆線W1,W2の導体同士は効率的で安定した抵抗溶接に
よってしっかりと高品質に接合される。
【0064】図7に、別の実施例による溶接電源部12
の構成を示す。この実施例の溶接電源部12は直流イン
バータ式の電源回路を用いている。図中、上記実施例に
おける交流インバータ式電源回路のものと実質的に同様
の構成または機能を有する部分には同一の符号を付して
いる。
【0065】直流インバータ式では、溶接トランス80
の二次側に一対のダイオード94,96を有する整流回
路98が設けられる。より詳細には、溶接トランス80
の二次側コイルの両端がそれぞれダイオード94,96
を介して正極側の出力端子12aに共通接続され、二次
側コイルの中間タップが負極側の出力端子12bに接続
される。
【0066】一次側のインバータ62においては、通電
時間を通して正極側のスイッチング素子64,68と負
極側のスイッチング素子66,70とがクロックサイク
ル毎に交互にリミッタ制御によってスイッチング制御さ
れ、インバータ62の出力端子[M0,M1]より溶接ト
ランス80の一次側コイルにインバータ周波数の交流パ
ルス電圧が与えられる。
【0067】溶接トランス80の二次側コイルに誘導起
電力で発生した二次側の交流パルス電圧は整流回路98
によって直流に変換され、出力端子12a,12bより
溶接ヘッド10の溶接部に直流の主電流Iwが出力され
る。
【0068】この実施例においても、二次側の主電流I
wおよびバイパス電流Icが直流で流れることを除いて、
上記実施例の交流インバータ式のものと同様の作用が奏
される。特に、両被覆線W1,W2の絶縁膜が溶けたタイ
ミングを検知して、溶接条件を切り替える作用について
は、上記実施例の関連する構成および機能をそのまま用
いることが可能であり、それによって上記同様の効果を
得ることができる。
【0069】図6に、溶接電源部12に単相交流式の電
源回路を用いる構成例を示す。この電源部において、入
力端子100,102に入力された商用周波数の単相交
流電圧Vは、一対のサイリスタ104,106からなる
コンタクタを介して溶接トランス80の一次側コイルに
供給される。溶接トランス80の二次側コイルに交流の
誘導起電力(二次側電圧)が発生し、出力端子12a,
12bより交流の二次電流または主電流Iwが溶接ヘッ
ド10の溶接部に出力される。
【0070】主電流Iwの大きさ(実効値)は、通電角
によって決まるが、点弧角と通電角との間にはほぼ一定
の関係があるので、点弧角によって決まるともいえる。
この実施例では、制御部74内のサイリスタ制御部が点
弧回路108を介してサイリスタ104,106の点弧
角(点弧タイミング)を制御することによって、主電流
Iwの実効値を制御する。
【0071】この実施例においても、上記実施例の交流
インバータ式よりは制御の速度や精細度の面で劣るもの
の、基本的には上記実施例の交流インバータ式のものと
ほぼ同様の作用ないし効果を得ることができる。
【0072】上記した実施形態における各部の構成、特
に溶接ヘッド10の電極回りの構成や溶接電源部12内
の回路構成は一例であり、本発明の技術思想の範囲内で
種々の変形が可能である。たとえば、上部電極14およ
び下部電極16の形状・サイズ・材質は必ずしも同一で
ある必要はなく、両被覆線W1,W2の材質・形状や溶接
仕様に応じて別個の電極構造とすることも可能である。
【0073】上記実施例の直流インバータ式では、溶接
ヘッド10に直流の主電流Iwが供給されるため、両電
極14,16の各部には常に同一方向の電流が流れるこ
とにより、両電極14,16の磨耗度に片寄りが生じや
すい。この問題に対しては、溶接電源部12の出力端子
12a,12bと両電極14,16との間に切替器を設
けて溶接ヘッド10における通電の極性つまり電源出力
端子12a,12bと両電極14,16との間の接続関
係を定期的に逆転させることも可能である。上記実施例
のインバータ式電源では定電流制御をリミッタ制御方式
で行ったが、クロックサイクル毎に測定値と設定値間の
誤差を求めてパルス幅を変調するパルス幅変調方式で行
うことも可能である。
【0074】さらに、上記実施例では定電流制御方式で
あったが、定電圧制御や定電力制御などの他の制御方式
でもよい。また、被覆線についても、2本の接合に限定
されるものではなく、1本の線に2本同時あるいは3本
同時と、3本以上の同時接合にも適用可能である。ま
た、被覆線は丸線に限らず平角線などでもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被覆線用
抵抗溶接装置によれば、複数の被覆線同士を効率よくか
つ良好に溶接することができる。特に、上部電極および
下部電極の双方を単一または一体型のヒータ電極で構成
して、両被覆線の絶縁膜を上下から同時に溶かすことが
可能であり、両被覆線の絶縁膜を除去した後は両被覆線
の導体同士を抵抗溶接するのに最適な溶接条件に切り替
えることで、良好な溶接品質を得ることができる。被覆
線の絶縁膜除去に供する電流から被覆線導体部の溶接に
供する電流への切り替えを適確なタイミングで行うこと
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における被覆線用抵抗溶接
装置の主要な構成を示す図である。
【図2】実施形態における溶接ヘッドの要部の構成を示
す。
【図3】一実施例による溶接電源部の回路構成を示す図
である。
【図4】実施例における通電中の各部の電流の波形を示
す図である。
【図5】実施例における交流インバータ式の定電流リミ
ッタ制御を説明するための各部の電流波形およびクロッ
クパルスを示す図である。
【図6】別の実施例による溶接電源部の回路構成を示す
図である。
【図7】別の実施例による溶接電源部の回路構成を示す
図である。
【符号の説明】
10 溶接ヘッド 12 溶接電源部 14 上部電極 15 バイパス導電路 16 下部電極 17,19 導電路(二次導体) 18 加圧部 24,26 電流センサ 62 インバータ 64,66,68,70 スイッチング素子 74 制御部 76 整流回路 80 溶接トランス 82 入力部 86 電流センサ 88,90,92 電流測定回路 98 整流回路 104,106 サイリスタ 108 点弧回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 11/24 340 B23K 11/24 340 392 392 394 394 11/25 510 11/25 510 H01R 4/02 H01R 4/02 C 43/02 43/02 B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の被覆線を重ね合わせて抵抗溶接で
    接合するための被覆線用抵抗溶接装置であって、 第1および第2の端子を有する導電性かつ高発熱性の部
    材からなり、前記第1および第2の端子の間の電極先端
    部にて一方の前記被覆線に所定の加圧力で接触する第1
    の電極と、 第3および第4の端子を有する導電性かつ高発熱性の部
    材からなり、前記第3の端子が前記第1の電極の第2の
    端子に電気的に接続され、前記第1の電極とは反対側か
    ら前記第3および第4の端子の間の電極先端部にて他方
    の前記被覆線に所定の加圧力で接触する第2の電極と、 前記第1の電極の第1の端子に電気的に接続される第1
    の出力端子と、前記第2の電極の第4の端子に電気的に
    接続される第2の出力端子とを有し、前記第1および第
    2の出力端子間の導電路に主電流を供給する電源回路と
    を具備する被覆線用抵抗溶接装置。
  2. 【請求項2】 前記電源回路または前記電極を流れる所
    定の電流を監視して、前記電流が所定の変化を示したタ
    イミングで通電または加圧条件を切り替えるための条件
    切替手段を有する請求項1に記載の被覆線用抵抗溶接装
    置。
  3. 【請求項3】 前記条件切替手段が、前記電流が所定の
    変化を示したタイミングに応動して前記主電流の電流設
    定値を切り替える請求項2に記載の被覆線用抵抗溶接装
    置。
  4. 【請求項4】 前記条件切替手段が、前記電流が所定の
    変化を示したタイミングに応動して以後の通電時間を前
    記被覆線の導体同士を溶接するための設定時間に切り替
    える請求項2に記載の被覆線用抵抗溶接装置。
  5. 【請求項5】 前記条件切替手段が、前記電流が所定の
    変化を示したタイミングに応動して前記被覆線に加える
    加圧力の大きさを切り替える請求項2に記載の被覆線用
    抵抗溶接装置。
  6. 【請求項6】 前記条件切替手段が、 前記第1の電極の第2の端子と前記第2の電極の第3の
    端子との間を流れる電流を測定するための第1の電流測
    定手段と、 前記第1の電流測定手段によって測定される前記電流の
    電流値を監視し、前記電流の電流値が所定の監視値より
    も低下したタイミングを検出する第1の電流監視手段と
    を有する請求項2〜5のいずれかに記載の被覆線用抵抗
    溶接装置。
  7. 【請求項7】 前記条件切替手段が、 前記主電流を測定するための第2の電流測定手段と、 前記第2の電流測定手段によって測定される前記主電流
    のリップルを監視し、前記主電流のリップルが所定の監
    視値を超えたタイミングを検出する第2の電流監視手段
    とを有する請求項2〜6のいずれかに記載の被覆線用抵
    抗溶接装置。
  8. 【請求項8】 前記電源回路が、 商用周波数の交流電圧を直流電圧に変換する整流回路
    と、 前記整流回路より出力された直流電圧を高周波数のパル
    ス電圧に変換するインバータと、 一次側コイルの両端が前記インバータの出力端子に電気
    的に接続され、二次側コイルの両端が整流回路を介する
    ことなく前記第1の電極の第1の端子および前記第2の
    電極の第4の端子にそれぞれ電気的に接続される溶接ト
    ランスと、 1回の通電時間を単位通電期間の複数回繰り返しで構成
    し、奇数番目の各単位通電期間では前記インバータより
    一方の極性で前記高周波パルスを出力させて前記高周波
    数の単位通電サイクル毎に前記溶接トランスの一次側回
    路または二次側回路で流れる電流のピーク値または実効
    値を所望の電流設定値にほぼ一致させ、偶数番目の各単
    位通電期間では前記インバータより他方の極性で前記高
    周波パルスを出力させて前記単位通電サイクル毎に前記
    溶接トランスの一次側回路または二次側回路で流れる電
    流のピーク値または実効値を前記電流設定値にほぼ一致
    させるように前記インバータのスイッチング動作を制御
    するインバータ制御手段とを有する請求項1に記載の被
    覆線用抵抗溶接装置。
  9. 【請求項9】 前記電源回路が、 商用周波数の交流電圧を直流電圧に変換する整流回路
    と、 前記整流回路より出力された直流電圧を高周波数のパル
    ス電圧に変換するインバータと、 一次側コイルの両端が前記インバータの出力端子に電気
    的に接続され、二次側コイルの両端が整流回路を介する
    ことなく前記第1の電極の第1の端子および前記第2の
    電極の第4の端子にそれぞれ電気的に接続される溶接ト
    ランスと、 1回の通電時間を単位通電期間の複数回繰り返しで構成
    し、奇数番目の各単位通電期間では前記インバータより
    一方の極性で前記高周波パルスを出力させて前記高周波
    数の単位通電サイクル毎に前記溶接トランスの一次側回
    路または二次側回路で流れる電流のピーク値または実効
    値を所望の電流設定値にほぼ一致させ、偶数番目の各単
    位通電期間では前記インバータより他方の極性で前記高
    周波パルスを出力させて前記単位通電サイクル毎に前記
    溶接トランスの一次側回路または二次側回路で流れる電
    流のピーク値または実効値を前記電流設定値にほぼ一致
    させるように前記インバータのスイッチング動作を制御
    するインバータ制御手段とを有する請求項2〜7のいず
    れかに記載の被覆線用抵抗溶接装置。
  10. 【請求項10】 前記条件切替手段が、前記電流が所定
    の変化を示したタイミングに応動して前記単位通電期間
    の繰り返し周波数を切り替える請求項9に記載の被覆線
    用抵抗溶接装置。
  11. 【請求項11】 前記電源回路が、 商用周波数の交流電圧を直流電圧に変換する第1の整流
    回路と、 前記第1の整流回路より出力された直流電圧を高周波数
    の交流パルス電圧に変換するインバータと、 一次側コイルが前記インバータの出力端子に電気的に接
    続される溶接トランスと、 前記溶接トランスの二次側コイルに得られる交流電圧を
    直流電圧に変換して前記主電流を出力する第2の整流回
    路と、 前記溶接トランスの一次側または二次側で流れる電流の
    ピーク値または実効値を所望の電流設定値にほぼ一致さ
    せるように前記インバータのスイッチング動作を制御す
    るインバータ制御手段とを有する請求項1〜7のいずれ
    かに記載の被覆線用抵抗溶接装置。
  12. 【請求項12】 前記電源回路が、 商用周波数の交流電圧を一対のサイリスタからなるコン
    タクタを介して一次側コイルに入力し、二次側コイルよ
    り前記主電流を出力する溶接トランスと、 前記溶接トランスの一次側または二次側で流れる電流の
    実効値を所望の電流設定値にほぼ一致させるように前記
    サイリスタの点弧角を制御するサイリスタ制御手段とを
    有する請求項1〜6のいずれかに記載の被覆線用抵抗溶
    接装置。
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