JP5233860B2 - ヒュージング溶接方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電線と金属端子とを加圧しつつ通電加熱することにより互いに接合するヒュージング溶接方法及び装置に関するものである。
小型の電機機器又は電子部品の端子に被覆電線を機械的及び電気的に接続するためにヒュージング溶接が広く用いられている。ヒュージング溶接の工程は、接合すべき被覆電線と端子とを機械的に係止し、次いで電極により圧力を加えながら接合部に通電することにより被覆電線の絶縁皮膜をジュール熱により融かして剥離してから、電線と端子とを機械的及び電気的に接続するものである。
ヒュージング溶接の制御方法としては、通電開始点を基準点として電極の変位量が所定値に到達したときに通電を停止する変位量制御方法が一般的に用いられている。ところで、電極は、それに対する通電が停止されてからも慣性により移動し直ぐには停止しない。またそのような慣性による移動距離は電極及びワークの発熱状態の影響を受け、高温であるほど長くなる。そうすると変位量制御によって所定の同一の電極変位量において通電を停止したとしても、発熱量が過少な場合は慣性による移動距離及びワークのつぶれ量が不足し、また発熱量が過大な場合は前記移動距離及びワークのつぶれ量が過大になる。このため、発熱量の変動への適応性をより高めるために、変位量制御において、電極の変位の途中で電流値を変化させる2段階通電が行われている。特許文献1に記載された装置は、2段階通電を行うものであって、上部電極の変位量を計測し、変位量及びその変位量の変化量に基づいて電流を第1電流値から第2電流値に切替えるものである。これによれば、ヒュージングの前工程の電線と端子とのかしめ状態のばらつきの影響を受けることなく被覆電線の被膜剥離不足と溶接強度不足とが防止される。
ところで、ヒュージング溶接に用いる電極は、接合回数に応じて次第に劣化してゆくので、所定の接合回数、例えば300〜400回を寿命として交換するように管理されている。通常は、設定された電極の寿命内では、上述したような変位量制御によって安定にヒュージング溶接が実施可能である。
特開2002−164142号公報
ところで、ヒュージング工程の生産ラインで複数品種のワークのロット混流生産を行う場合があるが、その場合には各品種を流す順序や各品種のロットサイズは一定ではない。また、品種によって電流条件がそれぞれ異なるため電極の劣化の度合いもそれぞれ異なる。そのため品種を切り替えたときの電極の劣化の程度は先行して流した品種及びそのロットサイズによってそれぞれ異なるので一律に予測することは困難であるとともに、発熱量の変動幅は単一品種だけを生産する場合に比較して拡大する。その結果、前述したような2段階通電で変位量制御を行ったとしても発熱量の変動に十分対応できずに不良率が上昇することがあった。
本発明は前述した従来技術の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、接合部における発熱量の変動への適応性の高いヒュージング溶接方法及び装置を提供することである。
本発明によるヒュージング溶接をする方法は、第1被溶接材(W1)と第2被溶接材(W2)とからなるワーク(W)を、第1電極(1)と、変位量計測がなされる移動可能な第2電極(2)とを使ってヒュージング溶接をする方法であって、第1被溶接材(W1)と第2被溶接材(W2)とが組み合わされたワーク(W)を第1電極(1)及び第2電極(2)の間に配置する段階と、第2電極(2)を移動させることによりワーク(W)への加圧を開始する段階と、第1電極(1)及び第2電極(2)間の通電を第1電流値(I1)で開始する段階と、第2電極(2)の変位量が、予め設定した第1変位基準値(R1)に達したとき、第1電流値(I1)から第2電流値(I2)に変化させる段階と、第2電極(2)の変位量が、予め設定した第2変位基準値(R2)に達したとき、通電を停止する段階と、を含み、第1変位基準値(R1)が、通電開始からの経過時間により変化するように設定されていることを特徴とするものである。
これによれば、第1変位基準値が通電開始からの経過時間により変化するように設定されているので、電極変位速度の変動すなわちワーク及び電極の発熱量の変動に応じてより適切なタイミングで電流値の切替を行うことが可能になる。
また、本発明のヒュージング溶接をする方法では、第1変位基準値(R1)は、経過時間の増加により単調に増加するように又は段階的に増加するように設定されていてよい。
また、本発明のヒュージング溶接をする方法では、第1電流値(I1)が第2電流値(I2)よりも大であっても、第1電流値(I1)が第2電流値(I2)よりも小であってもよい。
さらに、本発明のヒュージング溶接をする方法は、第1電極(1)及び第2電極(2)のメンテナンス又は交換をすることなく複数種類のワーク(W)をロット単位でヒュージング溶接するために、複数種類のワーク(W)の各ロットに対して前記各段階が繰り返し実施されてもよい。この場合、複数種類のワーク(W)に対応して複数組の第1及び第2変位基準値(R1,R2)が設定される。これにより、本発明による方法は、電極の劣化の度合いが一定ではないロット混流生産を行う場合に特に有効となる。
本発明によるヒュージング溶接装置は、第1被溶接材(W1)と第2被溶接材(W2)とからなるワーク(W)をヒュージング溶接するための装置であって、溶接電源(3)と、溶接電源(3)の一方の極に接続されている第1電極(1)と、溶接電源(3)の他方の極に接続されている第2電極(2)にして、上下に移動可能に構成され且つワーク(W)を第1電極(1)との間で挟持して加圧することができる第2電極(2)と、第2電極(2)の変位量を検出する電極変位検出手段(4)と、電極変位検出手段(4)により検出された第2電極(2)の変位量に基づいて溶接電源(3)の出力電流を制御する制御装置(6)にして、第1変位基準値(R1)及び第2変位基準値(R2)が設定及び記憶されている制御装置(6)と、を具備しており、制御装置(6)は、第2電極(2)がワーク(W)を加圧したあとに、第1及び第2電極(1、2)間の通電を第1電流値(I1)で開始し、第2電極(2)の変位量が第1変位基準値(R1)に達したとき、第1電流値(I1)を第2電流値(I2)に変化させ、第2電極(2)の変位量が第2変位基準値(R2)に達したとき、通電を停止するように出力電流を制御するものであり、第1変位基準値(R1)が、通電開始からの経過時間により変化するように設定されていることを特徴とするものである。
これによれば、第1変位基準値が通電開始からの経過時間により変化するように設定されているので、電極変位速度の変動すなわちワーク及び電極の発熱量の変動に応じてより適切なタイミングで電流値の切替を行うことが可能になる。
本発明によるヒュージング溶接装置では、第1及び第2変位基準値(R1,R2)の複数組が制御装置(6)に設定及び記憶されてよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の実施例によるヒュージング溶接装置の構成を示す図である。 前記ヒュージング溶接装置の制御装置のブロック図である。 前記制御装置に設定される変位基準値の一例を示す図である。 前記制御装置に設定される変位基準値の他の例を示す図である。 標準的な変位曲線を変位基準値とともに模式的に示す図である。 初期発熱が少ない場合の変位曲線及び電流波形を図5にさらに加えた図である。 初期発熱が大きい場合の変位曲線及び電流波形を図5にさらに加えた図である。 二種のワーク品種の溶接時間の変動を示す図である。 二種のワーク品種の変位量の変動を示す図である。 関連技術によるヒュージング溶接装置の構成を示す図である。 関連技術によるヒュージング溶接装置に設定される変位基準値を標準的な変位曲線とともに模式的に示す図である。 関連技術によるヒュージング溶接装置を利用した場合の変位曲線を示す図である。
本発明によるヒュージング溶接装置及び溶接方法を説明する前に、先ず関連技術によるヒュージング溶接装置100について図10〜12を参照して説明する。関連技術によるヒュージング溶接装置100は、図10に示されるように、下部電極1と、下部電極1に対向して配置された上部電極2と、溶接電源3と、上部電極2の変位量を検出する電極変位センサ4と、電流センサ5と、制御装置106とを具備している。また、上部電極2と下部電極1との間にはワークWが挟まれており、このワークWは、この例ではU字形の金属製端子W1と、前記端子W1の内側に挟まれた被覆電線W2とから構成されている。端子W1と被覆電線W2は、ヒュージング工程の前工程のかしめ工程で、このように組み合わされて互いに係止されたものである。
上部電極2は、図示されない電極保持フレームによって上下に移動可能に支持されると共に、やはり図示されない加圧シリンダから力を受けて移動するように構成されている。前記加圧シリンダは駆動時に一定の力で上部電極2及び従ってワークWを加圧することができる。また、上部電極2は溶接電源3の一方の極に2次導体7によって電気的に接続されている。一方下部電極1は図示されない電極保持フレームに不動に固定されていて、2次導体8によって溶接電源3の他方の極に電気的に接続されている。
溶接電源3はその出力電流を制御装置106からの信号にしたがって変化させることができる。また、電極変位センサ4は、上部電極2に固定されたアームプレート4aの上下の変位を上部電極2の変位として検出してその変位データを制御装置106に送るように構成されている。また、電流センサ5は、下部電極1と溶接電源3とを接続する2次導体8にセットされていて、測定したデータは制御装置106に入力される。
図10の制御装置106は、2段階通電の変位量制御を行うものであり、より詳しくは、一定な力でワークWを加圧する上部電極2の変位量に基づいて電流値の切換えと通電停止を行うものである。そのため第1変位基準値R1及び第2変位基準値R2が予め設定されて記憶されている。制御装置106は、上部電極2の変位量が第1変位基準値R1に到達したときに電流を第1電流値I1から第2電流値I2に低下させ、上部電極2の変位量が第2変位基準値R2に到達したときに通電を停止するように溶接電源3を制御する。
図11は、このような関連技術によるヒュージング溶接装置100を使って、ヒュージング溶接をした場合の、上部電極2の変位量の時間に対する変化を示す変位曲線Dを模式的に示しており、第1変位基準値R1及び第2変位基準値R2も一定の値として示している。図11における時間のゼロ点は、上部電極2がワークWに接触した直後の通電開始時点に一致し、また変位量のゼロ点は通電開始時点における上部電極2の位置に一致している。そのため、図11の上部電極変位量はワークWのつぶれ量に実質的に一致する。また、この図の変位曲線Dと第1変位基準値R1を示す直線との交点が電流切替点C1であり変位曲線Dと第2変位基準値R2を示す直線との交点が通電停止点C2である。なお、通電が停止された後も電極は慣性により少し移動する。
図12も、図10の関連技術によるヒュージング溶接装置100を使ってヒュージング溶接をした場合の上部電極2の変位曲線を示しているが、この図では3本の変位曲線が示されている。変位曲線D1は標準的な合格品の場合を示し、変位曲線D2は発熱が過大であったために変位量が2090μmの上限許容値を超えた不合格品の場合を示し、変位曲線D3は発熱が過少であったために時間が90cycの上限許容値を超えた不合格品の場合を示している。なお本明細書では、時間の単位の1cycを16.7msとしている。
ところで、この関連技術によるヒュージング装置を使ってロット混流生産を行うと、前述したように一定ではない電極の劣化の度合い又は初期発熱量の大小に対して電流切替えが適切に対応できずに不良率の上昇という結果を招くことがあった。発熱量が過大な場合は、過熱状態にあるので、図12の変位曲線D2で示されるように変位速度が速く、通電を停止した後の電極の慣性による移動距離が大きくなり、変位量即ちワークのつぶれ量がその上限規格を超えてしまう。一方、発熱量が過少な場合は、変位曲線D3で示されるように変位速度が遅く、時間の上限規格である90cycの時点においても変位量は第2変位基準値R2に到達しない。
次に、本発明の実施例によるヒュージング溶接装置及び方法について、図1〜9を参照して説明する。
図1に示されるように、本発明の実施例によるヒュージング溶接装置10は、前述した関連技術によるヒュージング溶接装置100とは、制御装置6が異なるのみで他の構成要素は同じものである。したがって、同様の構成要素に同じ参照符号を付し、またその説明を省略する。
図2は、図1のヒュージング溶接装置10の制御装置6の構成を示すブロック図である。この制御装置6は、電流センサ5からのアナログ信号を増幅してノイズフィルタリング処理を施す電流センサ入力部61と、電流センサ入力部61から受けたアナログ信号をA/D変換して後述するマイクロプロセッサ部67にデータを渡すA/D変換部62と、変位センサ4からのデジタル信号に対してノイズフィルタリング処理を施す変位センサ入力部63と、変位センサ入力部63からの信号を受けてパルスのアップダウンカウントを行うカウンタ回路部64と、電流センサ5及びカウンタのデータを取得するタイミング信号を発生する計測タイミング発生部65と、各計測タイミングにおける第1変位基準値R1及び第2変位基準値R2のそれぞれの設定されたデータを記憶する変位基準値設定テーブル66と、電流センサ5及びカウンタのデータを取得し、カウンタのデータと変位基準値設定テーブル66のデータとをそれぞれ比較して、制御出力信号をONするか否かを判断するマイクロプロセッサ部67と、溶接電源3に対して通電停止の信号を出力する制御信号出力部68とを具備している。
制御装置6の変位基準値設定テーブル66には、混流生産に対応できるようにするために、複数のワーク品種に対応した複数組の第1及び第2変位基準値R1,R2が設定されている。また、設定される変位基準値は一定値に限られることはない。図3は、本実施例における変位基準値設定テーブル66に設定されたワーク品種Aのための第1変位基準値R1及び第2変位基準値R2を示す図である。図3の品種A用の第2変位基準値R2は時間の経過にかかわらず約1550μmで一定であるが、第1変位基準値R1は時間の経過と共に1000μmから最初は直線状に増加し途中で段階的に増加して約1300μmに至るように変化している。図4は、品種B用の第1変位基準値R1及び第2変位基準値R2を示す図3と同様の図である。図4の品種B用の第2変位基準値R2も時間の経過にかかわらず2000μmで一定であるが、第1変位基準値R1は時間の経過と共に約1000μmから最初は直線状に増加し途中で段階的に増加して約1600μmに至るように変化している。
制御装置6は、上部電極2の変位量が第1変位基準値R1に到達したときに電流を第1電流値I1から第2電流値I2に低下させ、上部電極2の変位量が第2変位基準値R2に到達したときに通電を停止するように溶接電源3を制御することができる。
次に、本発明の実施例によるヒュージング溶接方法が、品種A及びBの二種類のワークのロット混流生産に適用された例について説明する。また、この実施例の方法による工程は上部及び下部電極のメンテナンス又は交換を実施することなく行われる。
まず準備段階として、二種のワークWのための二組の第1及び第2変位基準値を制御装置6の変位基準値設定テーブル66に入力して記憶させておく。それら変位基準値は、図3及び図4に示されるようなもので、第2変位基準値R2は一定であるが、第1変位基準値R1は通電開始からの時間の経過にともなって増加するように設定されたものである。また、二種のワークWのための二組の第1電流値I1及び第2電流値I2も設定しておく。第1及び第2電流値I1、I2はそれぞれ一定値であり、また本実施例では第2電流値I2は第1電流値I1より小さく設定されている。
最初に、予め組み合わされて互いに係止された端子W1と被覆電線W2とからなる品種AのワークWを上部電極2と下部電極1との間に配置する。このとき上部電極2は、ワークWに接触しない始点位置にある。
次に、図示しない加圧シリンダを作動させることにより上部電極2を下方に移動させる。また、上部電極2の移動と同時にその変位量の計測も開始する。
次に、上部電極2が端子W1に接触して、一定の力で端子W1及び被覆電線W2を加圧したら、上部電極2と下部電極1との間の通電を第1電流値I1で開始するとともに、この通電開始時の上部電極2の位置を変位量のゼロ点とする。
上部電極2の変位量が第1変位基準値R1に達したとき、電流を第1電流値I1から第2電流値I2に変化させる。
次に、上部電極2の変位量が第2変位基準値R2に達したとき、通電を停止する。
次に、上部電極2を上昇させて始点位置に戻した後に品種AのワークWを取り出し1サイクルの工程が完了する。上記工程を繰り返して品種AのワークWのロットの加工を完了させる。
次に、品種BのワークWに切り替えて同様の工程を繰り返し実施して品種BのワークWのロットの加工を完了させる。なお、品種Bの場合は、第1及び第2変位基準値R1,R2は図4に示されたものが適用され、また第1及び第2電流値I1、I2も品種Aの場合とは異なる値のものが適用される。
次に、本発明の実施例によるヒュージング溶接方法による作用及び効果について説明する。
図5は、標準的な電極変位量の変化を表す第1変位曲線D1を模式的に示している。図5では、第1変位基準値R1は、時間の経過と共にほぼ直線的に増加する関数として示されている。この図では電流波形は示されないが、電流切替点C1において電流が第1電流値I1から第2電流値I2へ切り替えられ、通電停止点C2において通電が停止される。
図6は、初期の発熱が少ない場合の制御を説明するための図であり、標準的な第1変位曲線D1に加えて発熱が少ない場合の第2変位曲線D2と、さらに電流波形も示す図である。図6に示されるように、発熱が少ない場合には第2変位曲線D2に示されるように変位速度が低下すること、及び第1変位基準値R1を表す直線が右肩上がりに変化していることにより、標準的な発熱の場合に比べて電流切替点C1が時間Δtaだけ遅れる。
一方、図7は、初期の発熱が大きい場合の制御を説明するための図であり、第2変位曲線D2に代えて発熱が多い場合の第3変位曲線D3を示している。図7に示されるように、発熱が多い場合には第3変位曲線D3に示されるように変位速度が増大すること、及び第1変位基準値R1を表す直線が右肩上がりに変化していることにより、標準的な発熱の場合に比べて電流切替点C1が時間Δtbだけ早まる。
勿論、第1変位基準値R1が水平の直線で表される一定値の場合であっても、発熱の過少に応じて電流切替点C1が前後に移動するが、本発明の上記実施例によれば、第1変位基準値R1が一定値の場合に比べて、前記遅れ時間Δta及び早期化の時間Δtbが増大し、その結果より適切な電流切替点C1を得ることが可能になる。この特徴は、電極の劣化の度合いが一定ではないロット混流生産を行う場合において特に効果を発揮する。
図8及び9は、ロット混流生産をした品種A及びBの、溶接時間及び変位量の変動の実測データである。なお、品種Aのロット数量は170個、品種Bは130個である。
図8について、品種AとBはそれぞれ異なる基準溶接時間を有しており、またどちらの品種についても溶接時間の変動は許容範囲内であった。
図9について、品種Aの変位量の許容範囲は1200〜1800μmであり、品種Bは1870〜2400μmであるが、品種A及びBのどちらも前記許容範囲内に十分入ることが確認された。
前記実施例では、本発明による方法は、二種のワーク品種A及びBを対象にしたロット混流生産に適用されていたが、この方法を単一品種のワークWを対象にした生産に適用しても勿論よい。単一品種の場合であっても、第1変位基準値R1を一定にした場合に比べて、発熱量の変動への適応性の高い制御が可能になる。
前記実施例では、第2電流値I2は第1電流値I1よりも小であったが、これとは逆に第2電流値I2が第1電流値I1よりも大であってもよい。
前記実施例では、ワークWは、U字形の金属製端子W1と被覆電線W2とから構成されていたが、本発明は、様々なワークに適用が可能であり、例えば金属製端子と被覆のない電線とから構成されたワークに対して適用されてもよい。
1 下部電極
2 上部電極
3 溶接電源
4 電極変位センサ
5 電流センサ
6 制御装置
1 第1電流値
2 第2電流値
1 第1変位基準値
2 第2変位基準値
W ワーク

Claims (8)

  1. 第1被溶接材(W1)と第2被溶接材(W2)とからなるワーク(W)を、第1電極(1)と、変位量計測がなされる移動可能な第2電極(2)とを使ってヒュージング溶接をする方法であって、
    前記第1被溶接材(W1)と前記第2被溶接材(W2)とが組み合わされた前記ワーク(W)を前記第1電極(1)及び前記第2電極(2)の間に配置する段階と、
    前記第2電極(2)を移動させることにより前記ワーク(W)への加圧を開始する段階と、
    前記第1電極(1)及び前記第2電極(2)間の通電を第1電流値(I1)で開始する段階と、
    前記第2電極(2)の変位量が、予め設定した第1変位基準値(R1)に達したとき、前記第1電流値(I1)から第2電流値(I2)に変化させる段階と、
    前記第2電極(2)の変位量が、予め設定した第2変位基準値(R2)に達したとき、通電を停止する段階と、を含み、
    前記第1変位基準値(R1)が、通電開始からの経過時間により変化するように設定されていることを特徴とする、ヒュージング溶接をする方法。
  2. 前記第1変位基準値(R1)は、前記経過時間の増加により単調に増加するように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のヒュージング溶接をする方法。
  3. 前記第1変位基準値(R1)は、前記経過時間の増加により段階的に増加するように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のヒュージング溶接をする方法。
  4. 前記第1電流値(I1)が前記第2電流値(I2)よりも大であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒュージング溶接をする方法。
  5. 前記第1電流値(I1)が第2電流値(I2)よりも小であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒュージング溶接をする方法。
  6. 前記第1電極(1)及び前記第2電極(2)のメンテナンス又は交換をすることなく複数種類のワーク(W)をロット単位でヒュージング溶接するために、前記複数種類のワーク(W)の各ロットに対して前記各段階が繰り返し実施される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒュージング溶接をする方法であって、
    前記複数種類のワーク(W)に対応して複数組の前記第1及び第2変位基準値(R1,R2)が設定されていることを特徴とする、ヒュージング溶接をする方法。
  7. 第1被溶接材(W1)と第2被溶接材(W2)とからなるワーク(W)をヒュージング溶接するヒュージング溶接装置であって、
    溶接電源(3)と、
    前記溶接電源(3)の一方の極に接続されている第1電極(1)と、
    前記溶接電源(3)の他方の極に接続されている第2電極(2)にして、上下に移動可能に構成され且つ前記ワーク(W)を前記第1電極(1)との間で挟持して加圧することができる第2電極(2)と、
    前記第2電極(2)の変位量を検出する電極変位検出手段(4)と、
    前記電極変位検出手段(4)により検出された前記第2電極(2)の変位量に基づいて前記溶接電源(3)の出力電流を制御する制御装置(6)にして、第1変位基準値(R1)及び第2変位基準値(R2)が設定及び記憶されている制御装置(6)と、を具備しており、
    前記制御装置(6)は、前記第2電極(2)がワーク(W)を加圧したあとに、前記第1及び第2電極(1、2)間の通電を第1電流値(I1)で開始し、前記第2電極(2)の変位量が前記第1変位基準値(R1)に達したとき、前記第1電流値(I1)を第2電流値(I2)に変化させ、前記第2電極(2)の変位量が前記第2変位基準値(R2)に達したとき、通電を停止するように出力電流を制御するものであり、
    前記第1変位基準値(R1)が、通電開始からの経過時間により変化するように設定されていることを特徴とする、ヒュージング溶接装置。
  8. 前記第1及び第2変位基準値(R1,R2)の複数組が前記制御装置(6)に設定及び記憶されていることを特徴とする、請求項7に記載のヒュージング溶接装置。
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