JP2006187791A - インバータ式抵抗溶接電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インバータ式の抵抗溶接電源装置において溶接電流を短時間で設定通りの電流値まで立ち上げること。
【解決手段】 溶接トランス14の二次コイルの中間タップと溶接電極26とを接続する二次側導体には電流センサたとえばトロイダル・コイル28が取り付けられ、このトロイダル・コイル28の出力端子が溶接電流検出回路30に接続されている。制御部18は、入力部32から種々の溶接条件(溶接時間、溶接電流、加圧力等)について所望の設定値を入力する。そして、通電時間中は、溶接電流検出回路30より与えられる溶接電流検出信号EWとクロック回路34より与えられるインバータ周波数(たとえば5kHz)のクロック信号CKとに応じて、二次側電流ピーク値方式でインバータ10をスイッチング制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】 溶接トランス14の二次コイルの中間タップと溶接電極26とを接続する二次側導体には電流センサたとえばトロイダル・コイル28が取り付けられ、このトロイダル・コイル28の出力端子が溶接電流検出回路30に接続されている。制御部18は、入力部32から種々の溶接条件(溶接時間、溶接電流、加圧力等)について所望の設定値を入力する。そして、通電時間中は、溶接電流検出回路30より与えられる溶接電流検出信号EWとクロック回路34より与えられるインバータ周波数(たとえば5kHz)のクロック信号CKとに応じて、二次側電流ピーク値方式でインバータ10をスイッチング制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、抵抗溶接において被溶接材に溶接電流を供給するインバータ式の抵抗溶接電源装置に関する。
一般に、インバータ式の抵抗溶接電源装置は、商用周波数の交流を直流に整流してからインバータにより高周波数(たとえば5kHz)のパルスに変換し、該高周波パルスを溶接トランスで降圧して大電流の二次電流を抵抗溶接用の電流(溶接電流)としている。従来より、溶接電流を設定値に一致させるために、PWM(パルス幅変調)制御方式や一次側ピーク値制御方式が使用されている。PWM制御方式は、インバータ周波数のクロックサイクル毎に溶接電流の実効値をフィードバックして一次電流のパルス幅つまりインバータに対するスイッチング制御パルスのパルス幅を可変制御する。一次側ピーク値制御方式は、クロックサイクル毎に一次電流の瞬時的な電流値を検出ないし監視してその電流値が設定値またはリミッタ値に達した時点でスイッチング制御パルスを止める方式である。
しかしながら、PWM制御方式は、通常PID(比例・積分・微分)制御で動作するため、溶接電流を立ち上げる際、設定値に達するまでに時間がかかりすぎるという不利点がある。一方、一次側ピーク値制御方式は、溶接トランスの一次側で一次電流のピーク値をフィードバック制御で設定値に揃えるものの、二次側で溶接電流の値が実際にどうなっているのかは正確には分からないという欠点がある。
近年、電気部品の電流容量は増加する傾向にあり、鉛フリーの観点からも、金属パーツの接合、特に銅、アルミニウム、銅合金等のように導電率の高い金属パーツの接合には、溶接電流を短時間で大電流の設定値まで高速かつ正確に立ち上げられる抵抗溶接が求められている。しかるに、従来のインバータ式抗溶接電源装置はそのような要求性能を満たすものではない。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、溶接電流を短時間で設定通りの電流値まで立ち上げられるインバータ式の抵抗溶接電源装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1のインバータ式抵抗溶接電源装置は、溶接トランスの二次出力電流を直流に整流して直流の溶接電流を被溶接材に供給するインバータ式抵抗溶接電源装置であって、商用周波数の交流を整流して直流に変換する整流回路と、入力端子が前記整流回路の出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記溶接トランスの一次入力端子に電気的に接続されたインバータと、前記溶接電流の設定値に対応する基準値を設定する基準値設定部と、前記溶接トランスの二次側回路で前記溶接電流を検出する溶接電流検出部と、通電時間中に、所定周波数のクロック信号と前記溶接電流検出部により与えられる前記溶接電流の電流値とに応答し、前記クロック信号により規定される各単位通電サイクルの始端で前記インバータをスイッチング・オンし、前記溶接電流が前記基準値に達した時点もしくは前記溶接電流が前記基準値に達しないまま当該単位通電サイクルの上限通電時間に至った時点で前記インバータをスイッチング・オフする制御部とを有する。
上記の構成において、好ましい一態様によれば、前記制御部が、奇数番目のクロックサイクルでは第1の極性で通電し、偶数番目のクロックサイクルでは第1の極性とは逆極性の第2の極性で通電するように前記インバータをスイッチング制御する。
また、本発明の第2のインバータ式抵抗溶接電源装置は、溶接トランスの二次出力電流を整流することなく所望の二次側交流周波数を有する交流波形の溶接電流として被溶接材に供給するインバータ式抵抗溶接電源装置であって、商用周波数の交流を整流して直流に変換する整流回路と、入力端子が前記整流回路の出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記溶接トランスの一次入力端子に電気的に接続されたインバータと、前記溶接電流の設定値に対応する基準値を設定する基準値設定部と、前記溶接トランスの二次側回路で前記溶接電流を検出する溶接電流検出部と、前記二次側交流周波数の半サイクルを構成する正極性もしくは負極性の各単位通電期間中に、所定周波数のクロック信号と前記溶接電流検出部より与えられる前記溶接電流の電流値とに応答し、前記クロック信号により規定される各単位通電サイクルの始端で前記インバータをスイッチング・オンし、前記溶接電流が前記基準値に達した時点もしくは前記溶接電流が前記基準値に達しないまま当該通電サイクルの上限通電時間に至った時点で前記インバータをスイッチング・オフする制御部とを有する。
上記の構成において、好ましい一態様によれば、前記制御部が、奇数番目の前記単位通電期間では第1の極性で通電し、偶数番目の前記単位通電期間では前記第1の極性とは逆極性の第2の極性で通電するように前記インバータをスイッチング制御する。
本発明のインバータ式抵抗溶接電源装置では、通電時間または各単位通電期間中に、溶接トランスの二次側で溶接電流検出部により溶接電流が検出され、その電流検出値が制御部にフィードバックされる。インバータが通電している時は、溶接トランスを介して一次側から二次側へ電力が伝送され、溶接電流は一定の勾配(増加率)で増加する。制御部は、溶接電流の電流値を監視し、クロック信号のサイクル(クロックサイクル)毎に、溶接電流が基準値に達したときはその時点でインバータの通電を止め、溶接電流が基準値に達しないまま上限通電時間に達したときはその時点でインバータの通電を止める。インバータの通電が止まると、二次側で溶接電流の増加は止まり、それから溶接電流は一定の勾配で減少する。しかし、次のクロックサイクルが開始されると、インバータが再び通電して溶接電流は再び増加に転じる。こうして、溶接通電の開始直後は、溶接電流の電流値がそれまでの値(零)から基準値に向かって数クロックサイクルを要してほぼ直線的に基準値まで単調増加し、基準値に達した後はクロックサイクル毎に増減を繰り返して基準値付近に安定に保持される。
本発明のインバータ式抵抗溶接電源装置によれば、上記のような構成および作用により、溶接電流を短時間で設定通りの電流値まで立ち上げることが可能であり、導電率の高い被溶接材でも信頼性の高い溶接接合を得ることができる。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
[実施形態1]
図1に、本発明の第1の実施形態における直流インバータ式抵抗溶接電源装置の構成を示す。この抵抗溶接電源装置において、インバータ10は、三相整流回路12と溶接トランス14の一次コイルとの間に電気的に接続される。
図1に、本発明の第1の実施形態における直流インバータ式抵抗溶接電源装置の構成を示す。この抵抗溶接電源装置において、インバータ10は、三相整流回路12と溶接トランス14の一次コイルとの間に電気的に接続される。
三相整流回路12は、たとえば三相交流電源端子(U,V,W)からの商用周波数の三相交流電圧を整流して直流電圧に変換する。三相整流回路12より出力される直流電圧は、平滑用の電解コンデンサ16を介してインバータ10の入力端子(L0 ,L1 )に供給される。
インバータ10は、たとえばGTR(ジャイアント・トランジスタ)またはIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)等のトランジスタからなる4個のスイッチング素子Q1 ,Q2 ,Q3 ,Q4 をブリッジ接続してなる。これら4個のスイッチング素子のうち、第1(正極側)の対のスイッチング素子Q1 ,Q2は制御部18からの同相のスイッチング制御パルスS1,S2 により同時にオン・オフし、第2(負極側)の対のスイッチング素子Q3 ,Q4 は制御部18からの同相のスイッチング制御パルスS3,S4 によって同時にオン・オフするようになっている。ここで、各スイッチング素子Qi(i=1〜4)は、各対応するスイッチング制御パルスSiが論理値Hのときはオンし、論理値Lのときはオフするようになっている。
インバータ10の出力端子(M0 ,M1 )は、溶接トランス14の一次コイルの両端子に接続されている。溶接トランス14の二次側では、二次コイルの両端子が整流回路を構成するダイオード20,22を介して一方の溶接電極24に電気的に接続され、中間タップが他方の溶接電極26に電気的に接続されている。両溶接電極24,26は、被溶接材W1,W2に対して互いに離れて(たとえば対向して)当接し、加圧機構(図示せず)からの所定の加圧力で加圧接触するようになっている。
溶接トランス14の二次コイルの中間タップと溶接電極26とを接続する二次側導体には電流センサたとえばトロイダル・コイル28が取り付けられ、このトロイダル・コイル28の出力端子が溶接電流検出回路30に接続されている。溶接トランス14の二次側回路で溶接電流IWが流れると、その微分値を表す電圧信号がトロイダル・コイル28より出力される。溶接電流検出回路30は、トロイダル・コイル28の出力信号を積分して、溶接電流IWの瞬時的な電流値を表す電圧信号EWを生成する。
制御部18は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路で構成され、入力部32から種々の溶接条件(溶接時間、溶接電流、加圧力等)について所望の設定値を入力する。そして、通電時間中は、溶接電流検出回路30より与えられる溶接電流検出信号EWとクロック回路34より与えられるインバータ周波数(たとえば5kHz)のクロック信号CKとに応じて、インバータ10をスイッチング制御する。なお、溶接電流検出信号EWは、たとえば溶接電流検出回路30と制御部18との間に設けられるA/D変換器(図示せず)により、クロック信号CKよりも格段に高速のサンプリング周波数でディジタル信号に変換されてよい。
ここで、図2Aおよび図2Bにつき、このインバータ式抵抗溶接電源装置における通電方式を説明する。なお、図2Bは、図2Aにおける通電開始直後の各部の波形を拡大して示す。
制御部18は、溶接通電を開始すると、各クロックCKの立ち上がりエッジに応動してインバータ10をスイッチング・オンする。より詳細には、正極側スイッチング素子(Q1 ,Q2)および負極側スイッチング素子(Q3 ,Q4 )の一方をオフ(開路)状態に保ち他方をスイッチング・オン(閉路)する。図示の例では、1番目のクロックCKの立ち上がりエッジに応動して正極側のスイッチング素子(Q1 ,Q2 )をスイッチング・オンする。これにより、溶接トランス14の一次側では、三相整流回路12の正極端子(+)→インバータ入力端子L0→オン状態のスイッチング素子Q1→インバータ出力端子M0→溶接トランス14の一次コイル→インバータ出力端子M1→オン状態のスイッチング素子Q2→インバータ入力端子L1→三相整流回路12の負極端子(−)のルートまたは回路で正極性の一次電流が流れる。この時、溶接トランス14の二次側では、二次コイルの一方の端子→ダイオード20→溶接電極24→被溶接材(W1,W2)→溶接電極26→二次コイルの中間タップのルートまたは回路で溶接電流IWが正方向に流れる。こうして、溶接電流IWの電流値はそれまでの値(零)から一定の勾配(増加率)で直線的に立ち上がる。この溶接電流IWの電流値(瞬時値)は、溶接電流検出回路30からの溶接電流検出信号EWを通じて制御部18にフィードバックされる。
制御部18は、フィードバックされた溶接電流IWの電流値を設定値に対応するピーク値制御の基準値またはリミッタ値ISと比較する。通常、1回目のクロックサイクルでは、溶接電流IWが設定値ISに達しないままスイッチング制御パルスS1,S2のHレベル時間(パルス幅)が上限通電時間(最大パルス幅)MAXに至り、この時点で制御部18はスイッチング制御パルスS1,S2をHレベルからLレベルに切り替えて正極側のスイッチング素子(Q1 ,Q2)をスイッチング・オフする。そうすると、一次電流は遮断され、二次電流または溶接電流IWの単調増加(立ち上がり)が停止する。この後、溶接電流IWは、一定の勾配で減少し始める。
直後に、2番目のクロックCKが入ると、その立ち上がりエッジに応動して、制御部18は負極側のスイッチング素子(Q3 ,Q4 )をスイッチング・オンする。そうすると、溶接トランス14の一次側では、三相整流回路12の正極端子(+)→インバータ入力端子L0→オン状態のスイッチング素子Q3→インバータ出力端子M1→溶接トランス14の一次コイル→インバータ出力端子M0→オン状態のスイッチング素子Q4→インバータ入力端子L1→三相整流回路12の負極端子(−)のルートで正極性の一次電流が流れる。この時、溶接トランス14の二次側では、二次コイルの他方の端子→ダイオード22→溶接電極24→被溶接材(W1,W2)→溶接電極26→二次コイルの中間タップの経路で溶接電流IWが正方向に流れる。こうして、溶接電流IWの電流値は、1回目のクロックサイクルの終了間際にいったん増加を止めて減少に転じたものの、2回目のクロックサイクルが開始されるや否や再び増加に転じて基準値ISに向かって一定の勾配(増加率)で増大する。
制御部18は、トロイダル・コイル28および溶接電流検出回路30を通じて溶接電流IWの電流値(瞬時値)をフィードバックして基準値ISと比較する。図示の例では、2回目のクロックサイクルでも、溶接電流IWが基準値ISに達しないままスイッチング制御パルスS3,S4のHレベル時間(パルス幅)が上限通電時間(最大パルス幅)MAXに達したため、制御部18はこの時点でスイッチング制御パルスS3,S4をHレベルからLレベルに切り替えて両スイッチング素子(Q3 ,Q4)をスイッチング・オフする。これにより、一次電流は遮断され、溶接電流IWの単調増加は止まる。
次に、3番目のクロックCKが入ると、その立ち上がりエッジに応動して、制御部18は正極側のスイッチング素子(Q1 ,Q2 )をスイッチング・オンする。そうすると、上記と同様に、溶接トランス14の一次側ではオン状態のスイッチング素子Q1,Q2を介して正極性の一次電流が流れ、二次側では溶接電流IWが再び一定の勾配で単調増加を開始する。そして、図示の例のように、このクロックサイクルにおける通電時間が上限通電時間(最大パルス幅)MAXに達する前に溶接電流IWの電流値が基準値ISに達すると、この時点で制御部18はスイッチング制御パルスS1,S2をHレベルからLレベルに切り替えて両スイッチング素子(Q3 ,Q4)をスイッチング・オフする。そうすると、一次電流が遮断され、溶接電流IWの単調増加は基準値ISで止まる。この後、次のクロックサイクルが開始するまで溶接電流IWの電流値は一定の勾配で単調減少する。
そして、4番目のクロックCKが入ると、その立ち上がりエッジに応動して、制御部18は負極側のスイッチング素子(Q3 ,Q4 )をスイッチング・オンする。これにより、溶接トランス14の一次側ではオン状態のスイッチング素子Q3,Q4を介して負極性の一次電流が流れ、二次側回路では溶接電流IWが再び一定の勾配で単調増加を開始する。このときは、基準値ISより少し減少したところから単調増加を開始するため、溶接電流IWはすぐに基準値ISに達し、そこで制御部18が両スイッチング素子(Q3 ,Q4)をスイッチング・オフする。こうして、溶接電流IWのピーク値は基準値ISでリミットされる。5番目のクロックサイクル以降も上記と同様の増減動作が繰り返され、溶接電流IWは基準値IS付近に安定に保持される。
[実施形態2]
図3に、本発明の第2の実施形態における交流波形インバータ式抵抗溶接電源装置の構成を示す。図中、上記第1実施形態の直流インバータ式抵抗溶接電源装置におけるものと同様の構成または機能を有する部分には同一の符号を附している。
図3に、本発明の第2の実施形態における交流波形インバータ式抵抗溶接電源装置の構成を示す。図中、上記第1実施形態の直流インバータ式抵抗溶接電源装置におけるものと同様の構成または機能を有する部分には同一の符号を附している。
この交流波形インバータ式抵抗溶接電源装置においては、溶接トランス14の二次側に整流回路(20,22)が設けられず、溶接トランス14の二次コイルの両端子がそれぞれ二次側導体を介して溶接電極24,26に電気的に接続される。溶接条件のうち、通電時間は、所望の二次側交流周波数(たとえば50Hz)の各半サイクルを単位通電期間として、その整数倍のサイクル数として全通電時間(溶接通電の開始から終了までの時間)が設定される。各単位通電期間(二次側交流周波数の半サイクル)は、インバータ10が正極側または負極側で連続的または持続的にスイッチング動作する1回の独立した通電期間である。
上記した第1の実施形態における直流インバータ式が正極側スイッチング素子(Q1 ,Q2)と負極側スイッチング素子(Q3 ,Q4)とをインバータ周波数で(クロックサイクル毎に)交互にオン・オフさせるのに対して、この実施形態における交流波形インバータ式は、図4に示すように、奇数番目の各単位通電期間(二次側交流半サイクル)では負極側のスイッチング素子(Q3 ,Q4)の双方をオフ状態に保ち、かつ正極側のスイッチング素子(Q1 ,Q2)の一方(たとえばQ2)をオン状態に保ったまま他方(たとえばQ1)をクロックサイクル毎に連続的にスイッチング動作させ、偶数番目の各通電期間(二次側交流半サイクル)では正極側のスイッチング素子(Q1 ,Q2)の双方をオフ状態に保ち、かつ負極側のスイッチング素子(Q3 ,Q4)の一方(たとえばQ4)をオン状態に保ったまま他方(たとえばQ3)をクロックサイクル毎に連続的にスイッチング動作させる。このようなインバータ10のスイッチング動作により、二次側回路ではほぼ台形状の電流波形を有する溶接電流IWが、奇数番目の単位通電期間では正方向に、偶数番目の単位通電期間では負方向に流れる。
各単位通電期間内では、二次側回路から溶接電流IWの電流値がトロイダル・コイル28および溶接電流検出回路30を通じて制御部18にフィードバックされ、制御部18は、クロックサイクル毎に溶接電流IWの電流値が基準値ISに達した時点で、あるいは溶接電流IWの電流値が基準値ISに達しないまま当該クロックサイクルにおける通電時間が上限通電時間(最大パルス幅)MAXに達した時点でインバータ10をスイッチング・オフする。こうして、上記第1実施形態と実質的に同様の二次側電流ピーク値制御が行われることにより、溶接電流IWは基準値ISまで極短い時間で立ち上がり、基準値ISに達した後も基準値IS付近に安定に保持される。
図5に、参考例として、PWM制御方式のインバータ・スイッチング制御と溶接電流の立ち上がり特性を示す。PWM制御方式は通常PID制御で動作するため、溶接電流が基準値ISに近づくと、電流増加率が下がり、基準値ISに達するまでに時間がかかってしまう。その点、本発明における二次側電流ピーク値制御は、インバータをスイッチング・オンするときは常に同一の増加率で溶接電流を増加させるため、基準値ISへの到達時間を大幅に短縮することができる。一例として、溶接電流を所定の設定値まで立ち上げるのに、PWM制御方式による従来のインバータ式抵抗溶接電源装置では1.5ms要していたのに対して、本発明のインバータ式抵抗溶接電源装置は0.4msまで短縮できることが確認されている。
本発明のインバータ式抵抗溶接電源装置は、任意の金属材の抵抗溶接に使用可能であるが、特に銅、アルミニウム、銅合金等のように導電率の高い金属パーツの接合に用いて好適なものである。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。たとえば、三相整流回路を単相整流回路に置き換えて単相の商用交流電源を使用することも可能である。また、各部(特にインバータ)の回路構成も種々変形できる。
10 インバータ
12 三相整流回路
14 溶接トランス
16 コンデンサ
18 制御部
20,22 ダイオード
24,26 溶接電極
28 トロイダル・コイル(電流センサ)
30 溶接電流検出回路
32 入力部
34 クロック回路
Q1,Q2,Q3,Q4 スイッチング素子
12 三相整流回路
14 溶接トランス
16 コンデンサ
18 制御部
20,22 ダイオード
24,26 溶接電極
28 トロイダル・コイル(電流センサ)
30 溶接電流検出回路
32 入力部
34 クロック回路
Q1,Q2,Q3,Q4 スイッチング素子
Claims (4)
- 溶接トランスの二次出力電流を直流に整流して直流の溶接電流を被溶接材に供給するインバータ式抵抗溶接電源装置であって、
商用周波数の交流を整流して直流に変換する整流回路と、
入力端子が前記整流回路の出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記溶接トランスの一次入力端子に電気的に接続されたインバータと、
前記溶接電流の設定値に対応する基準値を設定する基準値設定部と、
前記溶接トランスの二次側回路で前記溶接電流を検出する溶接電流検出部と、
通電時間中に、所定周波数のクロック信号と前記溶接電流測定部より与えられる前記溶接電流の検出値とに応答し、前記クロック信号により規定される各単位通電サイクルの始端で前記インバータをスイッチング・オンし、前記溶接電流が前記基準値に達した時点もしくは前記溶接電流が前記基準値に達しないまま当該単位通電サイクルの上限通電時間に至った時点で前記インバータをスイッチング・オフする制御部と
を有するインバータ式抵抗溶接電源装置。 - 前記制御部が、奇数番目のクロックサイクルでは第1の極性で通電し、偶数番目のクロックサイクルでは前記第1の極性とは逆極性の第2の極性で通電するように前記インバータをスイッチング制御する請求項1に記載のインバータ式抵抗溶接電源装置。
- 溶接トランスの二次出力電流を整流することなく所望の二次側交流周波数を有する交流波形の溶接電流として被溶接材に供給するインバータ式抵抗溶接電源装置であって、
商用周波数の交流を整流して直流に変換する整流回路と、
入力端子が前記整流回路の出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記溶接トランスの一次入力端子に電気的に接続されたインバータと、
前記溶接電流の設定値に対応する基準値を設定する基準値設定部と、
前記溶接トランスの二次側回路で前記溶接電流を検出する溶接電流検出部と、
前記二次側交流周波数の半サイクルを構成する正極性もしくは負極性の各単位通電期間中に、所定周波数のクロック信号と前記溶接電流検出部より与えられる前記溶接電流の測定値とに応答し、前記クロック信号により規定される各単位通電サイクルの始端で前記インバータをスイッチング・オンし、前記溶接電流が前記基準値に達した時点もしくは前記溶接電流が前記基準値に達しないまま当該通電サイクルの上限通電時間に至った時点で前記インバータをスイッチング・オフする制御部と
を有するインバータ式抵抗溶接電源装置。 - 前記制御部が、奇数番目の前記単位通電期間では第1の極性で通電し、偶数番目の前記単位通電期間では前記第1の極性とは逆極性の第2の極性で通電するように前記インバータをスイッチング制御する請求項3に記載のインバータ式抵抗溶接電源装置。
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