JPH0810964A - アルミニウム構造材の抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

アルミニウム構造材の抵抗スポット溶接方法

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JPH0810964A
JPH0810964A JP6148284A JP14828494A JPH0810964A JP H0810964 A JPH0810964 A JP H0810964A JP 6148284 A JP6148284 A JP 6148284A JP 14828494 A JP14828494 A JP 14828494A JP H0810964 A JPH0810964 A JP H0810964A
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JP
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welding
aluminum
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clad
time
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JP6148284A
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Inventor
Yoshihaya Imamura
美速 今村
Hidetoshi Yamaguchi
英俊 山口
Kikuro Toyose
喜久郎 豊瀬
Seiji Sasabe
誠二 笹部
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Shinko Alcoa Yuso Kizai KK
Original Assignee
Shinko Alcoa Yuso Kizai KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接欠陥が発生せず、安定した溶接品質を得
ることができて、自動車、車両及び航空機等のアルミニ
ウム構造材への適用が可能なアルミニウム構造材の抵抗
スポット溶接方法を提供する。 【構成】 先ず、アルミニウム合金板の両面に純アルミ
ニウム板をクラッドした厚さがt(mm)の第1のクラ
ッド板及び厚さがt1 (mm)(但し、t≦t1 )の第
2のクラッド板を夫々第1及び第2の構造材とし、2つ
の構造材を1対の電極で挟んで加圧し、前記1対の電極
間に溶接電流を供給する。第1の構造材の厚さがt(m
m)である場合は、安定した溶接電流が流れる溶接時間
を0.20t(秒)以上、0.5t(秒)未満とする。
なお、溶接電流は、例えばナゲット径が5√t(mm)
となる値を実験により予め求めておき、その値に設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム構造物を製
造する場合の抵抗スポット溶接方法に関し、特に自動
車、車両及び航空機等のように高い疲労信頼性を必要と
する構造物の抵抗スポット溶接に好適のアルミニウム構
造材の抵抗スポット溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の車体部品においては、車
体重量を軽減し燃費を向上させると共に、車体部品材料
のリサイクルの効率を高めるために、アルミニウム材の
利用が年々増加する傾向にある。鋼製の自動車の車体の
場合は、車体全体が抵抗スポット溶接によって組立てら
れている。しかし、アルミニウム材の場合は、抵抗スポ
ット溶接すると、溶接部に欠陥が生じるという欠点があ
る。図5は、アルミニウム材を抵抗スポット溶接した場
合の溶接部を示す模式的断面図である。アルミニウム材
20,21の溶接部には、この図5に示すように、ナゲ
ット(溶融溶接部)22の凝固収縮時に溶接部表面に割
れ(以下、表面割れという)23が発生すると共に、ナ
ゲット22内部に空孔24が発生する。
【0003】このため、従来、高い疲労信頼性を必要と
する部位には、アルミニウム材を使用しないか、又はア
ルミニウム材を使用する場合は抵抗スポット溶接を避け
て、例えば、リベット等によりアルミニウム材を接合し
ている。
【0004】ところで、従来、アルミニウム材の抵抗ス
ポット溶接方法において、電極チップの寿命を延長させ
る方法に関して種々の方法が提案されている。その中で
も、表面の酸化皮膜の厚さ及び表面粗さを所定の範囲に
したアルミニウム又はアルミニウム合金板材を使用する
方法は極めて有効である(特開平4−358094
号)。また、Al−Mg系又はAl−Mg−Si系のア
ルミニウム合金の片面に純アルミニウム板をクラッドし
たアルミニウム合金複合板を使用して電極のチップの寿
命を延長させる方法も提案されている(特開平4−33
9571号)。
【0005】また、従来、アルミニウム材同士を抵抗ス
ポット溶接する場合には、一般的にWES7302(日
本溶接協会規格)で推奨されている通電条件が使用され
る。この通電条件は、アルミニウム材の特性を考慮して
比較的短時間に設定されており、被溶接材の板厚をt
(mm)とすると、通電時間は0.1t(秒)程度に設
定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−358094号に開示された方法においては、溶接
部表面に表面割れが生じるため、構造材に適用するには
不向きであるという問題点がある。また、特開平4−3
39571号に開示された方法においても、抵抗スポッ
ト溶接部の品質が低く、ナゲット内部に空孔が発生し、
構造材としての信頼性に欠けるという問題点がある。更
に、WES7302で推奨されている通電条件では、ナ
ゲット内部に空孔が発生することが多い。
【0007】なお、従来の抵抗スポット溶接方法におい
て、通電時間を長くすることによりナゲット内部の空孔
は減少する。しかし、この場合は、表面割れが発生しや
すくなるため、空孔及び表面割れの双方を抑制できる適
正な通電時間を得ることは極めて困難である。仮に、適
正な通電時間が得られたとしても、その範囲は極めて狭
く、その適正な通電時間に設定することは極めて困難で
あり、実用的ではない。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接部の欠陥の発生を著しく低減でき、ア
ルミニウム構造材への抵抗スポット溶接の適用を可能に
して安定した溶接品質を得ることができるアルミニウム
構造材の抵抗スポット溶接方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム構造材の抵抗スポット溶接方法は、アルミニウム合金
材の両面に純アルミニウム材がクラッドされた厚さがt
(mm)の第1のクラッド材及び厚さがt1 (mm)
(但し、t≦t1 )の第2のクラッド材を夫々第1及び
第2の構造材として、これらの第1及び第2の構造材を
重ねて相互に加圧した状態で、溶接時間が0.20t
(秒)以上、0.5t(秒)未満の条件で抵抗スポット
溶接することを特徴とする。
【0010】なお、本発明において溶接時間とは、構造
材に流れる溶接電流が安定する時間であり、例えば溶接
開始時の溶接電流が増加している時間であるスロープ時
間及び溶接終了時の溶接電流が減少している時間である
後熱時間を含まない。本願においては、これらのスロー
プ時間及び後熱時間の長さは任意であり、またスロープ
時間及び後熱時間がゼロであってもよい。
【0011】
【作用】本発明に係るアルミニウム構造材の抵抗スポッ
ト溶接方法においては、アルミニウム合金材の両面に純
アルミニウム材がクラッドされた第1及び第2のクラッ
ド材を夫々第1及び第2の構造材とする。この場合に、
2つのクラッド材の厚さが相互に異なるときは、厚さが
薄いほうのクラッド材を第1のクラッド材とする。従っ
て、第1のクラッド材の厚さをt、第2のクラッド材の
厚さをt1 とすると、t≦t1 の関係が成り立つ。そし
て、本発明においては、この第1及び第2の構造材を抵
抗スポット溶接する場合に、溶接時間を0.20t
(秒)以上、0.5t(秒)未満とする。厚さが相互に
異なる2つの構造材を抵抗スポット溶接する場合は、溶
接部(継手)の強度は厚さが薄い構造材の溶接品質で決
まる。従って、この場合は、厚さが薄いほうの第1の構
造材の厚さをt(mm)として溶接時間を設定する必要
がある。
【0012】以下、溶接時間の限定理由について説明す
る。通常、アルミニウム合金板を抵抗スポット溶接する
と、アルミニウム合金板中から例えばMg等が蒸発して
溶接部に空孔が発生するが、厚さがt(mm)のアルミ
ニウム合金板に対して0.20t(秒)間以上通電して
抵抗スポット溶接すると、空孔が発生しなくなる。即
ち、通電時間を長くすると、空孔内部の気体が散りとな
ってナゲットの外部に放出され、空孔の発生を回避でき
る。しかし、この場合に、アルミニウム合金板は過入熱
気味となり、溶接部に表面割れが発生しやすくなる。一
方、本発明においては、アルミニウム合金材の両面に純
アルミニウム材がクラッドされた第1及び第2のクラッ
ド材を夫々第1及び第2の構造材として、これらの構造
材を重ねて抵抗スポット溶接する。従って、構造材の両
面の純アルミニウム材が高熱伝導性を有しており、この
純アルミニウム材が電極により効率よく冷却され、ナゲ
ットがクラッド材の表面に到達することを回避できる。
従って、本発明方法によれば、ナゲットの凝固収縮によ
る表面割れの発生を回避できる。また、純アルミニウム
材が軟質であるため、電極加圧による応力が緩和され、
その結果、表面割れの発生を更に確実に防止することが
できる。
【0013】しかし、前記構造材の厚さをt(mm)と
した場合に、溶接時間を0.5t(秒)以上とすると、
電極による構造材表面の冷却が限界に達し、クラッド材
表面の純アルミニウム材が破壊される。従って、溶接時
間は0.20t(秒)以上、0.5t(秒)未満とする
必要がある。
【0014】この場合に、前記純アルミニウム材の厚さ
が20μm未満であると、溶接時の加圧によりアルミニ
ウム合金材と純アルミニウム材との接合界面が破壊され
やすく、溶接部(継手)の強度が不安定になる。このた
め、前記純アルミニウム材の厚さは20μm以上である
ことが好ましい。なお、純アルミニウム材の厚さの上限
値は特に限定されるものではなく、クラッド材の製造コ
スト及び要求される強度等のクラッド材の材料特性に与
える影響等を考慮して決定すればよい。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。本発明の実施例に係るア
ルミニウム構造材の抵抗スポット溶接方法においては、
アルミニウム合金板の両面に純アルミニウム板をクラッ
ドした第1及び第2のアルミニウムクラッド板を夫々第
1及び第2の構造材として使用する。そして、2枚のク
ラッド板を重ね合わせ、これらのクラッド板を1対の電
極で挟み込んで加圧し、この1対の電極間に溶接電流を
通電して抵抗スポット溶接する。図1は、溶接電流の時
間変化を示す模式図である。この図1に示すように、抵
抗スポット溶接を開始すると、溶接電流は初期電流値か
ら次第に増加し、所定の溶接電流値に到達する。この溶
接電流が増加する期間をスロープ時間という。そして、
スロープ時間が経過した後、安定した溶接電流がアルミ
ニウムクラッド板に通電される。この溶接電流が安定し
た期間を溶接時間という。その後、所定の溶接時間が経
過すると、溶接電流は減少して後熱最終電流値に達す
る。この溶接電流が減少する期間を後熱時間という。本
実施例においては、第1及び第2のアルミニウムクラッ
ド板の厚さが同一の場合は、その厚さをt(mm)と
し、第1及び第2のアルミニウムクラッド板の厚さが相
互に異なる場合は、薄いほうのクラッド板の厚さをt
(mm)とする。そして、前記溶接時間を、0.20t
(秒)以上、0.5t(秒)未満に設定する。また、こ
の溶接時間における溶接電流は、予めナゲット径が5√
t(mm)になる値を実験等により求め、その電流値に
設定する。このような条件で2枚のアルミニウムクラッ
ド板を抵抗スポット溶接する。
【0016】次に、本実施例のアルミニウム構造材の抵
抗スポット溶接方法について更に詳細に説明する。本実
施例においては溶接時間を0.20t(秒)以上、0.
5t(秒)未満とするが、この溶接時間は従来の抵抗ス
ポット溶接方法における溶接時間に比して長い。WES
7302で推奨されている抵抗スポット溶接条件を下記
表1に示す。但し、被溶接材の板厚をt(mm)とし、
溶接時間は電源周波数が60Hzのときのサイクル数及
びこのサイクル数を時間に換算したもの(即ち、(1/
60)×サイクル数)を示した。また、溶接時間と板厚
との比も併せて示した。
【0017】
【表1】
【0018】この表1より、WES7302では溶接時
間を0.09t〜0.12t(秒)と比較的短く設定し
ていることがわかる。
【0019】図2(a)は、アルミニウム材を従来設定
されている通電時間で抵抗スポット溶接した場合のナゲ
ットを示す模式的断面図である。従来は、通電時間は比
較的短く設定されており、アルミニウム材1,2の接合
部にはナゲット3が形成され、このナゲット3中には空
孔4が発生していた。この空孔4は、アルミニウム材中
の例えばMg等が蒸発することにより発生するため、短
時間の通電で発生し易く、特に高強度のAl−Mg系及
びAl−Mg−Si系アルミニウム合金の場合は、空孔
4の発生を回避することはできない。しかし、本実施例
においては、溶接時間が0.20t(秒)間以上の条件
で抵抗スポット溶接するため、空孔内部の気体が散りと
なってナゲット外に放出され、空孔の発生を抑制でき
る。
【0020】一般的に、溶接時間を長くすると、過入熱
気味となり、表面割れが発生しやすくなる。図2(b)
は、溶接時間を長くしてアルミニウム材を抵抗スポット
溶接した場合のナゲットを示す模式的断面図である。こ
の図2(b)に示すように、溶接時間を長くすると、ア
ルミニウム材5,6の接合部にナゲット7が形成され、
このナゲット7の内部に空孔8が発生すると共に、アル
ミニウム材5,6表面に到達する表面割れ9が発生す
る。しかし、本実施例においては、アルミニウム合金板
の両面に純アルミニウム板がクラッドされたアルミニウ
ムクラッド板を使用しており、外側の純アルミニウムか
らなるクラッド層(以下、純アルミニウムクラッド層と
いう)の熱伝導性が高いため、クラッド板の表面が電極
により効率よく冷却される。従って、ナゲットがアルミ
ニウムクラッド板の表面に到達することはなく、更に純
アルミニウムクラッド層が軟質であるため電極加圧によ
る応力が緩和されることも相俟って、表面割れの発生を
抑制できる。
【0021】しかし、溶接時間が0.5t(秒)以上の
場合は、電極による冷却も限界に達し、アルミニウムク
ラッド板の表面の純アルミニウムクラッド層が破壊され
る。図3は、溶接時間が0.5t(秒)以上の場合の溶
接部分を示す模式的断面図である。アルミニウム合金板
10の両面上に純アルミニウムクラッド層11が形成さ
れた厚さがt(mm)のアルミニウムクラッド板12,
13を抵抗スポット溶接する場合に、溶接時間を0.5
t(秒)以上とすると、ナゲット14がアルミニウムク
ラッド板12,13の表面まで到達してクラッド層11
が破壊される。また、ナゲット14には表面割れ15も
発生する。このように、溶接時間を0.5t(秒)以上
とするとアルミニウムクラッド板の溶接部に溶接欠陥が
生じるため、溶接時間は0.5t(秒)未満とする。
【0022】次に、本実施例のアルミニウム構造材の抵
抗スポット溶接方法によりアルミニウムクラッド板に対
し抵抗スポット溶接を実施し、溶接部の溶接欠陥を調べ
た結果について説明する。なお、アルミニウム合金板
(母材)の板厚は0.6〜3.0mmであり、その材質
はA5182及びA6061である。また、純アルミニ
ウムクラッド層の厚さは30μmである。この場合の抵
抗スポット溶接条件を以下に示す。
【0023】抵抗スポット溶接条件 電極形状;直径:16〜20mm、先端曲率半径:40
〜150mm(キャップチップ) 電極材料;クロム銅合金 電極内部循環冷却水量;5リットル/分 電源周波数;50Hz 加圧条件;初期加圧時間:20サイクル、加圧保持時
間:25サイクル、加圧力:2.9〜6.9kN 溶接電流;直径が5mmのナゲットを生成できる値。
【0024】このような条件で抵抗スポット溶接を実施
した結果を下記表2及び図4に示す。なお、図4は、表
2に示した溶接欠陥を調べた結果を示す模式図である。
【0025】また、比較例1〜3、6として、本願の特
許請求の範囲から外れる溶接時間でアルミニウムクラッ
ド板を溶接し、その溶接部を調べた結果も併せて示す。
更に、比較例7〜12として、特開平4−358094
号公報に記載されているように、表面を硝酸により洗浄
したアルミニウム合金板を使用し、溶接時間を変化させ
て抵抗スポット溶接し、溶接部における溶接欠陥を調べ
た。その結果も表2に併せて示す。なお、溶接欠陥は表
面観察及び断面観察により調査した。
【0026】
【表2】
【0027】表2及び図4から明らかなように、硝酸洗
浄した比較例7〜12のアルミニウム合金板は通電時間
を変化させても溶接欠陥をなくすことはできなかった。
また、純アルミニウム板をクラッドしたアルミニウムク
ラッド板の場合は、WES7302で推奨されている
0.09t〜0.12t(秒)の通電時間の範囲(比較
例2)では空孔が発生しており、更に0.15t(秒)
とした比較例3でも空孔が発生した。しかし、通電時間
を0.20t及び0.25t(秒)とした実施例4,5
においては、空孔及び長時間通電でみられるような表面
割れは発生しなかった。一方、溶接時間が0.5t
(秒)である比較例6は純アルミニウムクラッド層が破
壊された。
【0028】このように、本実施例においては、溶接欠
陥の発生を回避できる溶接時間の適正範囲が0.20t
(秒)以上、0.5t(秒)未満と長く、溶接時間の設
定が容易である。例えば、溶接すべき構造材の厚さが1
(mm)であれば、溶接時間は0.20(秒)以上、
0.5(秒)未満であり、電源周波数が50Hzの地域
で、10サイクル以上、25サイクル未満となる。そし
て、溶接時間をこの範囲に設定して抵抗スポット溶接す
ることにより、溶接欠陥を抑制することができる。
【0029】次に、アルミニウム合金板にクラッドした
純アルミニウム板の厚さと溶接欠陥との関係を調べた結
果について説明する。母材であるアルミニウム合金板の
厚さが同一であり、クラッド材である純アルミニウム板
の厚さが種々異なるアルミニウムクラッド板(厚さt
(mm))に対して、溶接時間が0.2t(秒)の条件
で抵抗スポット溶接を実施し、溶接部の溶接欠陥を調べ
た。その結果を下記表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】この表3から明らかなように、純アルミニ
ウム板の厚さが10μmと薄い比較例13は純アルミニ
ウムクラッド層が破壊された。一方、純アルミニウム板
の厚さが20μm以上の実施例14乃至16はいずれも
溶接欠陥は発生しなかった。従って、純アルミニウム板
の厚さは20μm以上であることが好ましい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアル
ミニウム構造材の抵抗スポット溶接方法によれば、アル
ミニウム合金材の両面に純アルミニウム材がクラッドさ
れた厚さがt(mm)の第1のクラッド材及び厚さがt
1 (mm)の第2のクラッド材(但し、t≦t1 )を構
造材とし、2つの構造材を重ねて溶接時間が0.20t
(秒)以上、0.5t(秒)未満の条件で抵抗スポット
溶接するので、溶接欠陥を著しく減少でき、安定した溶
接品質が得られる。これにより、アルミニウム構造材の
抵抗スポット溶接を自動車、車両及び航空機等の構造物
に適用することができ、これらの構造物を軽量化できる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接電流の時間変化を示す模式図である。
【図2】アルミニウム材を抵抗スポット溶接して得られ
る溶接部を示す模式的断面図である。
【図3】純アルミニウム板を両面にクラッドしたアルミ
ニウムクラッド板を0.5t(秒)以上の溶接時間で溶
接した場合の溶接部の断面図である。
【図4】比較例及び実施例における溶接欠陥の発生状況
を調べた結果を示す模式図である。
【図5】アルミニウム材を抵抗スポット溶接して得られ
る溶接部を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2,5,6,20,21;アルミニウム材 3,7,14,22;ナゲット 4,8,24;空孔 9,15,23;表面割れ 10,16;アルミニウム合金板 11;純アルミニウムクラッド層 12,13;アルミニウムクラッド板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 103:16 (72)発明者 笹部 誠二 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金材の両面に純アルミニ
    ウム材がクラッドされた厚さがt(mm)の第1のクラ
    ッド材及び厚さがt1 (mm)(但し、t≦t1 )の第
    2のクラッド材を夫々第1及び第2の構造材として、こ
    れらの第1及び第2の構造材を重ねて相互に加圧した状
    態で、溶接時間が0.20t(秒)以上、0.5t
    (秒)未満の条件で抵抗スポット溶接することを特徴と
    するアルミニウム構造材の抵抗スポット溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記純アルミニウム材の厚さが20μm
    以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニ
    ウム構造材の抵抗スポット溶接方法。
JP6148284A 1994-06-29 1994-06-29 アルミニウム構造材の抵抗スポット溶接方法 Pending JPH0810964A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240116A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Brs:Kk 鉄筋のスポット溶接に用いる溶接電流の設定方法
JP2014087803A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Koyo Giken:Kk スタッド溶接方法
EP3528991B1 (en) * 2016-10-21 2022-02-09 Novelis Inc. Enhanced resistance spot welding using cladded aluminum alloys

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