JP5714854B2 - セメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、土木・建築分野で使用する、耐久性を有するセメント組成物に関する。
一般には、寒冷地等において凍結融解作用による劣化を防ぐ方法として、例えば、AE剤等を用いて、微細な連行空気を3〜6%導入して初期養生することが行なわれている。
しかしながら、微細な連行空気を所定量導入して硬化体を得るには、不安定要因を多く生じ、構造物の美観や耐久性を損なう場合があった。
この不安定要因としては、一般的には、配合の相違によるセメント量、指定スランプの大小、混練り時間、ミキサ形式、並びに、温度、骨材粒度、及び骨材に含有する泥分の日内変動や季節の変化の他に、界面活性剤類や増粘剤の連行空気を押えるための消泡剤、ミキサに使用されるグリス類、及び油類の混入等が挙げられる。
前記不安定要因が原因で連行空気量が変動し、その調整のためにAE剤の使用量を増減させ、連行空気量を3〜6%の所定量導入する作業が行われている。
しかしながら、コンクリートの運搬時間の遅延や振動機による過度な締め固めなどの施工上の問題により、コンクリート中の空気が逃げ、所要の空気泡が確保されていない場合がある。
一方、コンクリートの特性を変えるために用いられる混和剤(材)が、空気泡の連行や安定的な確保を困難にすることがある。
例えば、水中不分離性コンクリートに用いられるセルロース系の混和剤には消泡剤が混入されているため、このような混和剤を用いたコンクリートは、良質な空気泡の確保が困難となり、一般に耐凍結融解性に劣ると言われている。
そのため、微細な空気を連行するために、AE剤の代わりに有機系の中空微小球を用いることは知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献1は、水溶性セルロース、高分子系中空微小球、及び消泡剤を含有する気中打設用コンクリート組成物に関するものであり、特許文献2は、セメント、膨張材、中空微小球、及び消泡剤を含有するセメント組成物に関するものであり、特許文献3は、セメント、乾燥収縮低減剤、中空微小球、及び消泡剤を含有するセメント組成物に関するものであり、いずれも、セメントコンクリート分野に有機系の中空微小球を使用し、凍結融解抵抗性を向上することが記載されてはいるが、どのような中空微小球を使用するかについては記載がない。
また、特許文献4は、炭酸カルシウム微粉末で被覆したポリマー中空粒子を使用することによって、屋外環境で併用された場合でも卓越した耐久性・耐候性を有する水硬性組成物に関するものであるが、含水率が10%以下の中空微小球を使用することについては記載がない。
一方、セメント、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、凝結遅延剤、ミクロフィブリル化した繊維物質、及び水を含有してなるセメント組成物が提案されている(特許文献5参照)。
しかしながら、特許文献5には、含水率が10%以下の有機系中空微小球を併用することの記載がない。
特開平08−059327号公報 特開2005−008484号公報 特開2005−008485号公報 特開2009−227563号公報 特開2008−120621号公報
本発明は、上述のような問題点を解決しようとするものであり、セメント、含水率が0.5〜%で密度が0.1〜0.30g/cmで、粒径が200μm以下であり、表面に、炭酸カルシウム及び/又は被覆用セメントが被覆されている樹脂中空微小球、及び減水剤を含有してなるセメント組成物であって、前記樹脂中空微小球が、セメント100質量部に対して、0.5〜1.5質量部であるセメント組成物を使用することによって、寒冷地でも耐久性が優れるセメント硬化体を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)セメント、樹脂中空微小球、及び減水剤を含有し、前記樹脂中空微小球の含水率が0.5〜%で、密度が0.1〜0.30g/cm3 で、粒径が200μm以下であり、前記樹脂中空微小球の表面に、炭酸カルシウム及び/又は被覆用セメントが被覆されているセメント組成物であって、前記樹脂中空微小球が、セメント100質量部に対して、0.5〜1.5質量部であることを特徴とするセメント組成物である。
)前記炭酸カルシウムが、前記樹脂中空微小球の樹脂100質量部に対して、100〜800質量部であることを特徴とする前記()のセメント組成物である。
)前記セメントが、前記樹脂中空微小球の樹脂100質量部に対して、100〜900質量部であることを特徴とする前記()のセメント組成物である。
)さらに、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び凝結遅延剤を含有してな
り、前記石膏が、前記アルミノケイ酸カルシウムガラスと前記石膏からなる急硬成分100質量部中、30〜70質量部であり、前記急硬成分が、セメントと前記急硬成分からなる急硬セメント100質量部中、10〜30質量部であることを特徴とする前記(1)〜()のうちのいずれか1項のセメント組成物である。
)前記(1)〜()のうちのいずれか1項のセメント組成物を用いることを特徴とする耐久性向上方法である。
本発明は、セメント組成物として均一なものが得られ、作業性が良好である、寒冷地において耐久性が優れるといった効果が得られる。
なお、本発明における部や%は、特に断わらない限り質量基準で示す。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用するセメントは、通常市販されている普通、早強、中庸熱、低熱、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、これらのポルトランドセメントに、フライアッシュや高炉スラグなどを混合した各種混合セメント、並びに、エコセメントなどが挙げられ、これらを微粉末化して使用することも可能である。
セメントの粒度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で3,000cm2/g以上が好ましく、4,000cm2/g以上がより好ましい。3,000cm2/g未満では急硬性や初期強度発現性が低下する場合がある。
本発明では、寒冷地において、耐凍結融解性等の耐久性が優れるセメント硬化体を得るなどのために、樹脂中空微小球を使用する。
樹脂中空微小球としては、火災等に対して安全であること、生産と保管が安定であることなどから、含水率が85%と高いものが、また、乾燥したものも生産されている。
本発明の樹脂中空微小球の含水率は0.5〜%である。0.5%未満では、飛散しやすく、10%を超えるとセメント組成物と混合した場合、セメント組成物が硬化し、使用できない場合や、樹脂中空微小球が分散せず耐久性が得られない場合がある。
樹脂中空微小球の材質は、アクリロニトリル、フェノール、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、塩化ビニリデン、及びポリフェノールなどがあり、共重合物や架橋体であっても特に限定されるものではなく、高分子球形弾性体からできているものである。
樹脂中空微小球の粒径は200μm以下であり、100μm以下が好ましい。粒径が300μmを超えると使用量が同じでも凍結融解等の耐久性が劣る場合がある。
樹脂中空微小球の密度は、0.10〜0.30g/cm3である。0.10g/cm3未満ではセメント組成物に混合する場合、飛散したり、均等に分散しない場合や、輸送中に分離する場合がある。0.35g/cm3を超えると、凍結融解の耐久性が得られない場合がある。
高分子球形弾性体である樹脂中空微小球の表面に、炭酸カルシウムやセメントを被覆したものは、飛散しにくく、材料分離が少なく、配合成分のセメントとの付着が得られて好ましい。
樹脂中空微小球は、樹脂中空微小球の材質中に液状炭化水素を含有したものを、微粉の炭酸カルシウムやセメントとともに170℃程度まで加熱し、所定のサイズになるまで、均一に温度が伝わるように製造する。
樹脂中空微小球の樹脂と炭酸カルシウムの質量比率は、樹脂中空微小球の樹脂100部に対して、炭酸カルシウム100〜800部が好ましく、200〜800部がより好ましい。
また、樹脂中空微小球の樹脂とセメントの質量比率は、樹脂中空微小球の樹脂100部に対して、セメント100〜900部が好ましく、200〜900部がより好ましい。
炭酸カルシウムとセメントを併用する場合の樹脂中空微小球の樹脂と、炭酸カルシウムとセメントの合計との質量比率は、樹脂中空微小球の樹脂100部に対して、炭酸カルシウムとセメントの合計が200〜850部が好ましい。
炭酸カルシウムやセメントの被覆量が範囲未満では、飛散しやすく、均一分散されず、偏析傾向になり、耐久性が劣る場合があり、範囲を超えると、耐久性が得られない場合がある。
樹脂中空微小球の表面に被覆するセメント中の石膏は、接水時の流動性が損なわれないことから無水石膏が好ましい。セメントとしては、各種ポルトランドセメント、混合セメント、アルミナセメント、及び白色セメントを用いることが可能である。
樹脂中空微小球の使用量は、耐久性の要求性能、樹脂中空微小球の密度、ペースト、モルタル、及びコンクリートの配合により異なるが、セメント100部に対して、0.51.5とする。0.02部未満では耐久性が得られない場合があり、2部を超えると強度の低下が大きくなり引き抜き強度が得られない場合がある。
本発明では、30〜60分程度の作業時間が取れ、その後硬化し、1〜3時間で初期強度が得られる面でアルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び凝結遅延剤を使用することが好ましい。
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムガラス(以下、CASガラスという)は、カルシア(CaO)を含む原料と、アルミナ(Al2O3)を含む原料、及びケイ酸(SiO2)を含む原料等を混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaO、Al2O3、及びSiO2を主たる成分とし、水和活性を有する物質の総称である。
CASガラスは、例えば、溶融体を圧縮空気や高圧水等により急冷することによって得られるガラス質である。
CASガラス中のCaO、Al2O3、及びSiO2の割合は特に限定されるものではないが、CaO 30〜60部、Al2O3 20〜60部、及びSiO21〜25部が好ましく、CaO 30〜55部、Al2O3 30〜60部、及びSiO2 5〜20部がより好ましい。CaOが30部未満、あるいは、Al2O3が60部を超えると急硬性が劣る場合があり、CaOが60部を超えるか、あるいは、Al2O3が20部未満では凝結遅延剤を多量に併用しても瞬結する場合がある。また、SiO2が1部未満では長期的な強度の伸びが期待できない場合があり、25部を超えると初期強度が小さい場合がある。
また、CASガラス中のガラス質は80%以上が、強度発現性が良好であることから好ましい。
CASガラスの粒度は、ブレーン値で3,000cm2/g以上が好ましく、4,000〜7,000cm2/gがより好ましい。3,000cm2/g未満では急硬性や初期強度発現性が低下する場合がある。
本発明で使用する石膏は、CASガラス、水、セメントの水和物である水酸化カルシウムと反応し初期強度を得るもので、市販のいずれの石膏も使用できるが、強度発現性の面で、II型無水石膏及び/又は天然無水石膏の使用が好ましい。
石膏の粒度は、ブレーン値で3,000cm2/g以上が好ましく、4,000〜7,000cm2/gがより好ましい。3,000cm2/g未満では初期強度発現性が低下する場合がある。
石膏の使用量は、CASガラスと石膏からなる急硬成分100部中、20〜90部が好ましく、30〜70部がより好ましく、40〜60部が最も好ましい。30部未満では、凍結融解の耐久性や、長期強度発現性が低下する場合があり、70部を超えると凍結融解の耐久性や初期強度発現性が低下する場合がある。
本発明において、急硬成分は、CASガラスと石膏を含有する。
急硬成分の使用量は、セメントと急硬成分からなる急硬セメント100部中、10〜30部が好ましく、15〜25部がより好ましい。10部未満では寒冷地での初期強度発現性が小さい場合があり、30部を超えると長期強度が小さい場合がある。
本発明で使用する凝結遅延剤は、施工時の作業性保持を可能とするものである。粉状で使用する場合と練り水に溶解させ使用する場合がある。
凝結遅延剤としては、有機酸類やアルカリ金属炭酸塩類等が挙げられる。これらの中では、硬化時間をコントロールでき、硬化後の強度発現性が良好な点で、有機酸類とアルカリ金属炭酸塩類を併用することが好ましい。
有機酸類とは、有機酸又はその塩であり、具体的には、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、及びリンゴ酸等のオキシカルボン酸又はこれらの塩の一種又は二種以上であり、その塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩が好ましい。これらの中では、使用量と比例して凝結時間が長くなり、施工時の作業時間のコントロールがしやすく、凝結遅延剤をスラリー化した場合に、カルシウム成分と化学反応を起こしにくい、有機酸塩が好ましく、オキシカルボン酸塩がより好ましい。
アルカリ金属炭酸塩類(以下、炭酸アルカリという)としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムなどの炭酸塩や、炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどの重炭酸塩が挙げられ、これらのうち、硬化後の強度発現性が良好な面で、アルカリ金属の炭酸塩が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
有機酸類と炭酸アルカリを併用する場合の有機酸類の使用量は、炭酸アルカリ100部に対して、5〜200部が好ましく、10〜100部がより好ましい。5部未満では硬化時間をコントロールしにくく、施工がしにくい場合があり、200部を超えると強度発現性が低下する場合がある。
凝結遅延剤の使用量は、施工の作業時間、温度、及び凝結遅延剤の組成等により幅があるため、一義的に決定することは難しいが、本発明では、急硬セメント100部に対して、0.1〜5部が好ましく、0.3〜3部がより好ましい。0.1部未満では硬化時間が短くて施工しにくい場合があり、5部を超えると強度発現性が低下する場合がある。
本発明では骨材として、5mm以下の細骨材を使用することが可能である。
細骨材としては、天然砂、珪砂、及び石灰砂等が挙げられる。
細骨材の使用量は、セメント100部に対して、50〜400部が好ましい。50部未満では脆い場合があり、400部を超えると施工がしにくく、所定の性能が得られない場合がある。
本発明では、減水剤を、モルタルやコンクリートのフレッシュ性状を良くし、作業性を改善するために使用する。
減水剤としては、リグニンスルホン酸塩やその誘導体等の通常の減水剤のほかに、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤がある。
AE減水剤は、一般土木・建築構造物に使用されるモルタルやコンクリートに使用されるもので、リグニンスルホン酸系AE減水剤、変性ポリオール系AE減水剤、及びオキシカルボン酸系AE減水剤がある。
高性能減水剤は、コンクリート二次製品に使用されるモルタルやコンクリートに使用されるもので、ポリエチレングリコールなどのポリオール誘導体、芳香族スルホン酸系高性能減水剤、ポリカルボン酸系高性能減水剤、エチレングリコール鎖やスルホン酸基を含有するポリエーテル系高性能減水剤、メラミン系高性能減水剤、リグニンスルホン酸系高性能減水剤、及びこれらの混合物等が挙げられる。このうち、特に、急硬成分を併用する場合は、ポリカルボン酸系高性能減水剤やリグニンスルホン酸系高性能減水剤が好ましい。
高性能AE減水剤は、高性能減水剤に比べて流動性の保持性能が優れ、高強度コンクリート、高流動コンクリート、及び高耐久性コンクリートなどに使用されるもので、ポリカルボン酸エーテル、分子間架橋ポリマー、配向ポリマー、カルボキシル基含有ポリエーテル、ポリエーテルカルボン酸、マレイン酸共重合物又はそれらの混合物が挙げられる。
減水剤の使用量は、セメント100部に対して、0.05〜3.0部が好ましい。0.05部未満では、所定の作業性が得られない場合やその保持が難しい場合があり、3.0部を超えると材料分離や凝結が不良となり、初期強度発現性が小さい場合がある。
本発明の水/セメント比は、20〜50%が好ましく、25〜45%がより好ましい。20%未満では、所定の作業性が得られない場合があり、50%を超えると耐久性が劣る場合がある。
以下、本発明を実験例にて詳細に説明するが、本発明はこれら実験例に限られるものではない。
実験例1
早強セメント100部と、表1に示す樹脂中空微小球a、減水剤α0.1部をVブレンダーに入れて20分混合して試料とし、高さ50cmのVブレンダーの排出口から、床に広げたシートに排出し、粉体中への樹脂中空微小球の分散性を目視観察とすいひにより評価した。その後、20kg/袋のポリ袋中に密封し、30℃、90%RH貯蔵室で貯蔵安定性の試験をした。
貯蔵安定性を試験した試料100部、標準砂300部、及び水40部を使用し、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して、練り混ぜ、供試体を作製し、圧縮強度を測定した。圧縮強度試験の結果を表1に示す。
<使用材料>
セメント :早強ポルトランドセメント、太平洋セメント社製、住友大阪セメント社製、及び電気化学工業社製の3種混合品、ブレーン値4,470cm2/g、密度3.12g/cm3
樹脂中空微小球a:塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合物製、炭酸カルシウム被覆品(樹脂中空微小球表面に、樹脂100部に対して、炭酸カルシウム150〜650部を被覆したもの)、含水率0.5〜11%、粒径38〜300μm、密度0.10〜0.30g/cm3
減水剤α :リグニンスルホン酸系高性能減水剤、市販品、粉体
標準砂 :セメント協会発売品
水 :水道水
<測定方法>
粒径 :MIE理論を用いたレーザー回折法に準じて測定。
密度 :ピクノメーターを用い測定。
含水率 :試料5gを1/1,000gまで測定可能な秤を使用し質量測定。50℃、6時間乾
燥、その後デシケータ中で冷却後に質量測定。
分散性 :粉体中への樹脂中空微小球の分散性状態を目視観察した。評価は、混合した
試料中、目視で確認できる樹脂中空微小球の塊やブロックが全くない場合を100点とし、
目視で確認できる樹脂中空微小球の塊やブロックのみの場合を0点とし、目視で確認でき
る樹脂中空微小球の塊やブロックの量を全体の体積の対する割合で数値化した。分散が良
好に行われた場合を良とし、粉体を使用することが可能である場合を可とし、粉体を使用
すると性能が劣り、使用不可能である場合を不可とした。
すいひ :1袋の中央と両端の3ケ所から試料100gを採取し、1,000mlの水に入れ分散
させ、浮いたものをろ紙Aとロートを用いて分別と水洗浄し、50℃、6時間乾燥させ、質
量を測定し、混合した樹脂中空微小球質量からの、標準偏差を測定した。
貯蔵性 :貯蔵安定性、パレット積みを想定した試験。30℃、90%RH貯蔵室で、ポリ
袋20kgに詰め、密封した袋の上に、100kgの鉄板を平均に載せ、28日後に開封し、袋の中
の状態を目視で観察した。評価は、均一に分散し製造した場合、1袋中に含まれる樹脂中
空微小球体積を基準に、目視で確認できる樹脂中空微小球の塊やブロックが全く無い状態
を良とし、目視で確認できる樹脂中空微小球の塊やブロックが有るが指で簡単に崩れる状
態を可とし、目視で確認できる樹脂中空微小球の塊やブロックが有り、指では簡単に崩れ
ない状態を不可とした。
強度変動 :圧縮強度の変動、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて材齢7
日の圧縮強度をn=6で測定し、標準偏差を算出した。
Figure 0005714854
実験例2
20℃、80%RHの条件にて、実験例1で貯蔵安定性を試験した試料100部、姫川砂300部、及び水40部を使用し、ハンドミキサを用いて、2分間練り混ぜ、供試体を作製し、材齢28日から、凍結融解試験を行った。結果を表2に示す。
<使用材料>
姫川砂 :川砂、5mm下、FM=2.81、密度2.60g/cm3
<測定方法>
相対的動弾性係数比:凍結融解試験、JIS A 1148「コンクリートの凍結融解試験方法」に準じて測定
Figure 0005714854
実験例3
表3に示す樹脂中空微小球bを使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
<使用材料>
樹脂中空微小球b:塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合物製、表面無処理品、含水率1〜12%、粒径55μm、密度0.04g/cm3
Figure 0005714854
実験例4
実験例3で貯蔵安定性を試験した試料100部を用いたこと以外は実験例2と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 0005714854
実験例5
早強セメント100部と、表5に示す含水率5%の樹脂中空微小球と、減水剤α0.1部を混合して試料とし、実験例1と同様に貯蔵安定性の試験をした。
その後、貯蔵安定性を試験した試料100部、標準砂300部、及び水40部を配合し、練り混ぜ、供試体を作製し、実験例1と同様に圧縮強度を測定した。結果を表5に示す。
<使用材料>
樹脂中空微小球a:塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合物製、炭酸カルシウム被覆品(樹脂中空微小球の表面に、樹脂100部に対して、炭酸カルシウム100〜800部を被覆したもの)、粒径38μm、含水率5%、密度0.10〜0.32g/cm3
樹脂中空微小球b:塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合物製、表面無処理品、含水率5%、粒径55μm、密度0.04g/cm3
樹脂中空微小球c:アクリル樹脂製、炭酸カルシウム300部被覆品、含水率5%、粒径300μm、密度0.14g/cm3
樹脂中空微小球d:塩化ビニリデン製、炭酸カルシウム400部被覆品、含水率5%、粒径40μm、密度0.18g/cm3
樹脂中空微小球e:ポリメチルメタクリレート製、炭酸カルシウム500部被覆品、含水率5%、粒径200μm、密度0.22g/cm3
樹脂中空微小球f:ポリスチレン製、炭酸カルシウム600部被覆品、含水率5%、粒径150μm、密度0.25g/cm3
樹脂中空微小球g:アクリロニトリル製、炭酸カルシウム450部被覆品、含水率5%、粒径200μm、密度0.20g/cm3
樹脂中空微小球h:フェノール製、炭酸カルシウム450部被覆品、含水率5%、粒径200μm、密度0.20g/cm3
Figure 0005714854
実験例6
20℃、80%RHの条件にて、実験例5で貯蔵安定性を試験した試料100部、姫川砂300部、及び水40部を使用し、ハンドミキサを用いて練り混ぜ、供試体を作製し、凍結融解試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 0005714854
実験例7
早強ポルトランドセメント70%、CASガラスA15%、及び石膏15%からなる急硬セメント100部と、表7に示す樹脂中空微小球a(粒径38μm)と樹脂中空微小球b(粒径55μm)、凝結遅延剤0.5部、及び減水剤β0.1部をVブレンダーに入れて実験例1と同様に評価を行った。結果を表7に示す。
<使用材料>
セメント :早強ポルトランドセメント、太平洋セメント社製、住友大阪セメント社製、及び電気化学工業社製の3種混合品、ブレーン値4,620cm2/g、密度3.12g/cm3
CASガラスA:CaO/Al2O3/SiO2質量比=50/45/5、ガラス化率100%、ブレーン値4,410cm2/g
石膏 :天然無水石膏の粉砕品、ブレーン値4,770cm2/g
凝結遅延剤:グルコン酸ナトリウム/炭酸カリウム質量比2/8
減水剤β :ポリカルボン酸系高性能減水剤、市販品、粉体
Figure 0005714854
実験例8
実験例7で貯蔵安定性を試験した試料100部、姫川砂300部、及び水40部を使用し、ハンドミキサを用いて練り混ぜ、供試体を作製し、凍結融解試験を行った。
使用材料、練り混ぜ、養生は5℃で行い、凍結融解試験は材齢3時間後から開始した。結果を表8に示す。
Figure 0005714854
実験例9
表9に示す樹脂中空微小球を使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表9に示す。
<使用材料>
樹脂中空微小球i:塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合物製、セメント被覆品、含水率2%、粒径180μm、密度0.04〜0.35g/cm3
樹脂中空微小球j:塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合物製、樹脂中空微小球の表面に、樹脂100部に対して、炭酸カルシウム200部とセメント200部を被覆したもの、含水率3%、粒径200μm、密度0.20g/cm3
被覆セメント:デンカ普通ポルトランドセメント、密度3.14g/cm3に、天然無水石膏を添加して三酸化硫黄1.9%、ブレーン値3,280cm2/gにしたもの、試作品
Figure 0005714854
実験例10
実験例9で貯蔵安定性を試験した試料100部を用いたこと以外は実験例2と同様に行った。結果を表10に示す。
Figure 0005714854
実験例11
セメント100部に対して、樹脂中空微小球aを2.0%使用し、表11に示すCASガラス、石膏、及びCASガラスと石膏からなる急硬成分を使用したこと以外は実験例7と同様に行った。結果を表11に併記する。
<使用材料>
樹脂中空微小球a:塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合物製、炭酸カルシウム被覆品(樹脂中空微小球の表面に、樹脂100部に対して、炭酸カルシウム300部を被覆したもの)、粒径38μm、含水率1%、密度0.20g/cm3
CASガラスB:CaO/Al2O3/SiO2質量比=30/60/10、ガラス化率100%、ブレーン値4,410cm2/g
CASガラスC:CaO/Al2O3/SiO2質量比=60/30/10、ガラス化率100%、ブレーン値4,410cm2/g
CASガラスD:CaO/Al2O3/SiO2質量比=60/20/20、ガラス化率100%、ブレーン値4,410cm2/g
CASガラスE:CaO/Al2O3/SiO2質量比=35/60/5、ガラス化率100%、ブレーン値4,410cm2/g
CASガラスF:CaO/Al2O3/SiO2質量比=40/35/25、ガラス化率100%、ブレーン値4,410cm2/g
減水剤γ :ナフタレンスルホン酸系高性能減水剤、市販品、粉体
Figure 0005714854
実験例12
実験例11で貯蔵安定性を試験した試料100部、姫川砂300部と水40部を使用し、ハンドミキサを用いて練り混ぜ、供試体を作製し、凍結融解試験と圧縮強度測定を行った。
使用材料、練り混ぜ、養生は5℃で行い、凍結融解試験は材齢3時間後から開始した。結果を表12に示す。
<測定方法>
圧縮強度 :JIS R 5201 セメントの物理試験方法に準じて、材齢3時間で測定
Figure 0005714854
特に、冬季において、高い耐久性が得られるセメント組成物として利用可能である。

Claims (5)

  1. セメント、樹脂中空微小球、及び減水剤を含有し、前記樹脂中空微小球の含水率が0.5〜%で、密度が0.1〜0.30g/cm3 で、粒径が200μm以下であり、前記樹脂中空微小球の表面に、炭酸カルシウム及び/又は被覆用セメントが被覆されているセメント組成物であって、前記樹脂中空微小球が、セメント100質量部に対して、0.5〜1.5質量部であることを特徴とするセメント組成物。
  2. 前記炭酸カルシウムが、前記樹脂中空微小球の樹脂100質量部に対して、100〜800質量部であることを特徴とする請求項に記載のセメント組成物。
  3. 前記被覆用セメントが、前記樹脂中空微小球の樹脂100質量部に対して、100〜900質量部であることを特徴とする請求項に記載のセメント組成物。
  4. さらに、アルミノケイ酸カルシウムガラス、石膏、及び凝結遅延剤を含有してなり、前記石膏が、前記アルミノケイ酸カルシウムガラスと前記石膏からなる急硬成分100質量部中、30〜70質量部であり、前記急硬成分が、セメントと前記急硬成分からなる急硬セメント100質量部中、10〜30質量部であることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1項に記載のセメント組成物。
  5. 請求項1〜のうちのいずれか1項に記載のセメント組成物を用いること特徴とする耐久性向上方法。
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