JP2018162214A - コンクリート硬化体 - Google Patents

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昇 坂田
林 大介
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大介 林
橋本 学
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橋本  学
吾郎 坂井
Goro Sakai
吾郎 坂井
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Abstract

【課題】微細気泡のサイズと存在量が安定的に制御されていることによって、強度や施工性等の基本性能を確保しながら、凍結融解抵抗性を十分に向上させたコンクリート硬化体を提供すること。【解決手段】セメント硬化体内に気泡部を分散形成したコンクリート硬化体であって、コンクリート硬化体内の全ての前記気泡部のうち、体積比で97%以上の気泡部は、直径0.01mm以上0.3mm以下の樹脂製の中空ビーズによって形成されている微細気泡部であり、前記微細気泡部の前記セメント硬化体に対する体積比が、0.5%以上6%以下であるコンクリート硬化体とする。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート硬化体及びフレッシュコンクリートの製造方法に関する。更に詳しくは、セメント硬化体内に気泡部を分散形成したコンクリート硬化体、所謂、気泡コンクリートであって、強度や施工性等の基本性能を確保しながら、凍結融解抵抗性を向上させたコンクリート硬化体等に関する。
コンクリート硬化体について、コンクリート硬化体内部の水分が凍結して体積増加することによりコンクリートに悪影響を与える凍害を防止するために、一般に、フレッシュコンクリート中における空気量は3〜6%以上が適切であるとされており、硬化体内に所定比率の気泡を形成することが一般的なコンクリートの品質基準として定められている。
しかし、実際に、上記の凍害防止に寄与する空気は、直径0.15mm程度未満の微細な気泡として形成されている部分のみであり直径1mmを超える気泡は、凍結融解抵抗性の向上にほとんど寄与しないことも、本発明の発明者を含む研究グループの研究成果として、近年知られるようになっている(非特許文献1参照)。
そのような微細な気泡をコンクリート内に形成する方法として、例えば、AE剤又はAE減水剤をフレッシュコンクリートに混入することによって、コンクリート内の微細気泡の径を0.25mm以下程度にする方法が開示されている(特許文献1参照)。
又、コンクリート内に微細な気泡を形成する他の手段として、合成樹脂発泡ビーズをフレッシュコンクリート内に混入させることによって物理的に微細な気泡部(中空部)をコンクリート内に形成する方法も開示されている(特許文献2参照)。但し、この中空部の形成は、単に、コンクリートの強度を保ったまま、軽量化を図ることをその目的としているものである。
特開平10−259050号公報 特開平5―310483号公報
コンクリート工学論文集 第23巻第1号 2012年1月 コンクリートの気泡組織と耐凍害性の関係に関する考察
上記の通り、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を向上させるためには、コンクリート硬化体に、直径0.15mm程度以下の微細な気泡を硬化体内に形成することが有効である。元来、一定以上の空気量の確保は、耐凍害対策としての必要量として定められたものではあったが、過剰な気泡の存在は、コンクリート硬化体の強度の面からは、必ずしも好ましくはないものでもあった。
上記のようなごく微細な気泡のみを硬化体に安定的に形成することができれば、コンクリート硬化体内の空気量は、必ずしも、一般的な基準とされている上記の空気量(3〜6%以上)は、必要ではなく、1%程度以上あれば足りることも、本発明者らの研究によって明らかになっている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、フレッシュコンクリートからコンクリート硬化体となる硬化の過程において、組成物中に一時的に形成された気泡を形成する空気の一部流出や、逆に組成物中への空気、所謂エントラップドエアの混入、更には、不安定な気泡同士が結合することによって個々の気泡の径が拡大する場合もあり、上記のように硬化後における気泡のサイズや量を最適範囲に制御することは極めて困難であった。
又、特許文献2に記載の方法によれば、気泡は、硬化の前後を通じて、フレッシュコンクリート中に安定的に存在することができるが、その場合であっても、やはり、上記のエントラップドエアの混入等に起因するコンクリート内での気泡の存在態様の変動は避けがたく、いずれにしても、硬化後の微細な気泡の存在を安定的に好ましい態様に制御できるものではなかった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、微細気泡のサイズと存在量が安定的に制御されていることによって、強度や施工性等の基本性能を確保しながら、凍結融解抵抗性を十分に向上させたコンクリート硬化体を提供することを課題とする。
本発明者らは、フレッシュコンクリートの製造プロセスにおいて、凍結融解抵抗性に寄与しない気泡を、積極的に排除した上で、樹脂製の中空ビーズを混入させることにより、強度や施工性等の基本性能を確保しながら、凍結融解抵抗性を十分に向上させたコンクリート硬化体を得ることできることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) セメント硬化体内に気泡部を分散形成したコンクリート硬化体であって、コンクリート硬化体内の全ての前記気泡部のうち、体積比で70%以上の気泡部は、直径0.01mm以上0.3mm以下の樹脂製の中空ビーズによって形成されている微細気泡部であり、前記微細気泡部の前記セメント硬化体に対する体積比が、0.5%以上6%以下であるコンクリート硬化体。
(1)の発明によれば、フレッシュコンクリートの混入空気を除去した上で、中空ビーズによる物理的手段によって気泡形成を行うことにより、セメント硬化体内の気泡の大部分を、0.3mm以下の微細気泡とした。これにより、コンクリート硬化体の強度や施工性等の基本性能を確保しながら、その凍結融解抵抗性を十分に向上させることができる。
(2) 前記微細気泡部の直径の分散が、2.5×10−3〜62.5×10−3である(1)に記載のコンクリート硬化体。
(2)の発明によれば、微細気泡部の直径の分散が極めて小さいコンクリート硬化体を得ることができる。これにより、(1)の発明の効果をより安定的に発現させることができる。
(3) 前記コンクリート硬化体内の全ての気泡部のうち、体積比で90%以上の気泡部が、前記微細気泡部である(1)又は(2)に記載のコンクリート硬化体。
(3)の発明によれば、ほぼ全ての気泡部が微細気泡部であるコンクリート硬化体を得ることができる。これにより、(1)又は(2)の発明の効果を更に安定的に発現させることができる。
(4) 前記微細気泡部のセメント硬化体に対する体積比が、0.5%以上3%未満である(1)から(3)のいずれかに記載の気泡コンクリート硬化体。
(4)の発明によれば、従来の一般的基準よりも少ない空気量範囲で、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を十分に向上させることができるため、従来品よりも強度が大きい優れた耐凍害用のコンクリート硬化体を得ることができる。又、従来と同程度の強度を確保するためのセメント量を節約してコストを削減することもできる。
(5) 気泡間隔係数が0.4mm以下である、(1)から(4)のいずれかに記載のコンクリート硬化体。
(5)の発明によれば、(1)から(4)のいずれかに記載のコンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を更に向上させることができる。
(6) セメントと、水と、を含んでなるフレッシュコンクリートの製造方法であって、直径0.01mm以上0.3mm以下の樹脂製の中空ビーズを、フレッシュコンクリート材料に混入するだんせい弾性中空体混入工程と、フレッシュコンクリート中における前記中空ビーズ内の空気を除いた他の空気の空気量が2.0%以下となるように、空気を除去する空気除去工程と、を備え、前記弾性中空体混入工程における前記中空ビーズの混入量を、前記フレッシュコンクリートの硬化後におけるセメント硬化体に対する前記中空ビーズの体積比が0.5%以上6%以下となる量とするフレッシュコンクリートの製造方法。
(6)の発明によれば、フレッシュコンクリートの混入空気を除去した上で、中空ビーズによる物理的手段によって気泡形成を行うことにより、セメント硬化体内の気泡の大部分を、0.3mm以下の微細気泡とした。これにより、コンクリート硬化体の強度や施工性等の基本性能を確保しながら、その凍結融解抵抗性を十分に向上させることができる。
(7) 前記中空ビーズの混入量を、前記フレッシュコンクリートの硬化後におけるセメント硬化体に対する前記中空ビーズの体積比が0.5%以上3%未満となる量とする(6)に記載のフレッシュコンクリートの製造方法。
(7)の発明によれば、従来の一般的基準よりも少ない空気量範囲で、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を十分に向上させることができるため、従来品よりも強度が大きい優れた耐凍害用のコンクリート硬化体を得ることができる。又、従来と同程度の強度を確保するためのセメント量を節約してコストを削減することもできる。
(8) 前記中空ビーズの混入量を、前記フレッシュコンクリートの硬化後におけるセメント硬化体に対する前記中空ビーズの体積比が3%以上6%以下となる量とする(5)に記載のフレッシュコンクリートの製造方法。
(8)の発明によれば、フレッシュコンクリート中の空気中の総量は、従来の一般的基準と概ね同程度であるが、その気泡の大部分は、本発明独自の微細気泡部からなるものとした。このようなフレッシュコンクリートによっても、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を十分に向上させることができる。又、このようなフレッシュコンクリートは、気泡直径の分散が大きい同空気量程度の従来のフレッシュコンクリートよりもスランプが大きく施工性に優れたものとなる。
本発明によれば、微細気泡の直径と存在量が安定的に制御されて最適化されていることによって、強度や施工性等のコンクリートとしての基本性能を確保しながら、凍結融解抵抗性を十分に向上させたコンクリート硬化体を提供することができる。
以下、本発明の実施態様について説明する。尚、本発明は以下の実施態様に限定されない。
<フレッシュコンクリート>
本発明のコンクリート硬化体を製造するためのフレッシュコンクリート(以下、単に「フレッシュコンクリート」とも言う)は、所定サイズの樹脂製の中空ビーズが所定量範囲で混入されていること、及び、消泡剤の添加等の手段により結合剤中のエントラップドエアが十分に除去されていることを特徴とする。フレッシュコンクリートのその他の材料の配合比は、特段限定されない。従来公知の材料を実施用途に応じて適宜、設定すればよい。
(中空ビーズ)
フレッシュコンクリートに混入させる中空ビーズは、硬化時に直径0.01mm以上0.3mm以下、より好ましくは直径0.01mm以上0.15mm以下の微細気泡部を形成可能な樹脂製の中空ビーズであればよい。本明細書において「ビーズ」とは球形や長円形や円筒形の球を意味する。本発明に用いる中空ビーズは、凍結融解に伴う水圧を緩和して凍結融解抵抗性を発揮させるに足る可撓性を有するものであればよく、その形状は、中空であり、且つ、略球形状であることが好ましい。又、中空ビーズの粒径は、中空部の内径が、0.01mm以上0.3mm以下の範囲であればよく、その外径の0.95倍以上程度であることが好ましい。又、中空ビーズの粒径(外径)は、上記範囲内で一定の分散があってもよいが、粒径が0.1mm前後であって、その分散が少ないものが、より好ましい。具体的には、中空ビーズの全粒数のうち70%の粒が、粒径0.1mm±0.05mmの範囲にあるものが好ましい。
中空ビーズの材料の具体例としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、スチレン・エチレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の可撓性を有する樹脂を挙げることができる。これらの樹脂を発泡させることにより得ることができる中空ビーズを好ましく用いることができる。
中空ビーズのフレッシュコンクリートへの配合比は、中空ビーズによって形成される微細気泡部のセメント硬化体に対する体積比が、0.5%以上6%以下となる量とする。
尚、中空ビーズに代えて、消泡剤によって消失しにくいプレフォーム気泡を連行することによって、微細気泡部を形成するようにしても、本発明のコンクリート硬化体と同様の効果を発現しうるコンクリート硬化体とすることができる。この場合は、消泡剤に含まれるポリビニルアルコール等の合成高分子等からなるカプセル基剤の濃度を、一般的な濃度よりも高い50質量%程度の濃度まで高めることにより、そのような消失しにくいプレフォーム気泡を連行することが可能である。
(消泡剤)
消泡剤としては、例えば、ポリアルキレングリコール等、従来公知の消泡剤を用いることができる。使用量以上の主にエントラップドエアからなるフレッシュコンクリート中の中空ビーズ内の空気以外の空気を、十分に除去可能なものを、添加すればよい。その添加量は、一般的な添加量よりも多量となる。これにより、中空ビーズ内の空気以外の空気のフレッシュコンクリート中における存在量である空気量を20%程度以下、好ましくは2%以下に除去可能な添加量であればよい。
(結合剤)
フレッシュコンクリートにおいて結合剤として用いるセメント材としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント以外に高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等を挙げることができる。これらを上記の通り、コンクリート硬化体の使用用途により使い分けることが好ましい。
但し、セメント材としては、ブレーン値が普通ポルトランドセメントよりも小さいMKC(低発熱型高炉セメントB種)を用いることにより、コンクリート硬化体の施工性を更に向上させることもできる。この配合では、通常、ブリーディングが発生しやすいが、均質に微細な気泡を分散させることでブリーディングを抑制することができる。又、振動に対して広がりやすい性質を持つのでフレッシュコンクリートのスランプフローの値が大きくなるからである。
(その他の材料と配合比)
フレッシュコンクリートのその他の材料と組成物の配合比については特段限定されない。用途を考慮して適宜設定すればよい。具体的には例えば、水結合材比40〜60%、細骨材率(s/a)20〜60%、単位水量110〜185kg/m、単位結合材量210〜450kg/m、単位細骨材量450〜1000kg/mの範囲で配合を設定すればよい。フライアッシュ等の粉体で結合材の一部を置換してもよい。又、一般的なAE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤等の混和剤を添加することもできる。
尚、フレッシュコンクリートにおける気泡部の体積比等を測定する方法については、水中を上昇した気泡による浮力の経時変化より解析を行う浮力法等の従来公知の方法を採用することができる。
<コンクリート硬化体>
本発明のコンクリート硬化体(以下、単に「コンクリート硬化体」とも言う)は、上記のフレッシュコンクリートを硬化させて得ることができる。
コンクリート硬化体は、セメント内に多数の気泡部が分散形成された所謂気泡コンクリートである。このコンクリート硬化体は、その気泡部が、主として、樹脂製の中空ビーズによって形成されており、直径0.01mm以上0.3mm以下の微細気泡部からなるものであることを特徴とする。そして、コンクリート硬化体の気泡部のうち少なくとも、体積比において70%以上がこの微細気泡部によって占められている。よって、直径が0.3mmを超える粗大な気泡の比率は、体積比で30%以下となる。又、微細気泡部は、そのサイズのバラツキが極めて小さいことを特徴とする。具体的には、微細気泡部の直径の分散が、2.5×10−3以上62.5×10−3以下であることが好ましく、2.5×10−3以上10×10−3以下であることがより好ましい。コンクリート硬化体内における、このような気泡の直径のバラツキの制御は、後述する本願独自の製造方法によって実現可能である。
コンクリート硬化体の微細気泡部は、樹脂製の中空ビーズによって形成されている。そして、微細気泡部の前記セメント硬化体に対する体積比が、0.5%以上6%以下となっている。この体積比は、その下限が0.5%以上であれば、例えば、3%未満であってもよく、この範囲において、優れた強度を確保しながら、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を十分に向上させることができる。
或いは、上記体積比は3%以上6%以下であってもよく、この範囲においても、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を十分に向上させることができる。又、このようなフレッシュコンクリートは、気泡直径の分散が大きい同空気量程度の従来のフレッシュコンクリートよりも、コンクリート中の気泡が有するボールベアリングと呼ばれる効果により、単位水量を増やすことなく、コンクリートの流動性が向上するため、スランプが大きく施工性に優れたものとなる。
又、コンクリート硬化体の気泡間隔係数は、0.4mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.2mm以下である。気泡間隔係数を上記範囲とすることによって、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を更に向上させることができる。
尚、コンクリート硬化体における気泡部の体積比や気泡間隔係数等を測定する方法については、例えば、公知の方法である「ASTM C457 硬化コンクリートの気泡パラメータの顕微鏡による測定方法」等によることができる。
<フレッシュコンクリートの製造方法>
本発明のフレッシュコンクリートを製造するための材料は上述した通りである。本願独自の樹脂製の中空ビーズを含むそれらの材料を混錬するためには、従来公知の一般的なフレッシュコンクリートの混錬方法、混錬手段を用いることができる。但し、本発明の製造方法においては、フレッシュコンクリートから空気を除去する空気除去工程が必須の工程として、追加的に加わる点において従来方法とは異なる。
(弾性中空体混入工程)
この工程では、直径0.01mm以上0.3mm以下の樹脂製の中空ビーズを、フレッシュコンクリート材料に混入する。この処理は、空気除去工程に先行して行うことが好ましい。中空ビーズの混入量は本発明所定の微細気泡部の体積比を上述の範囲とすることができる範囲で適宜調整する。
(空気除去工程)
この工程では、セメント、水、中空ビーズ、及び、必要に応じて添加されるその他の材料からなるフレッシュコンクリートから、空気を除去する工程である。この処理は消泡剤の多量の添加によって行うことができる。この処理によって、フレッシュコンクリート中の空気量が2.0%以下、好ましくは0.2%以下となるようにする。尚、この工程における除去対象の空気は、中空ビーズ内の空気を除く空気であり、ここで言う空気量とは、中空ビーズ内の空気を除くその他の空気を言うものとする。
本発明のフレッシュコンクリートの製造方法によって得ることができるフレッシュコンクリートを硬化させることにより、強度や施工性等のコンクリートとしての基本性能を確保しながら、凍結融解抵抗性を十分に向上させた本発明のコンクリート硬化体を得ることができる。
以下、本発明のコンクリート硬化体について、実施例を挙げて詳細に説明する。尚、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
本発明の優れた物性を確認するために、以下に説明する各材料を用いて、下記の表1の組成によりコンクリート硬化体の製造を行った。実施例1及び2については、本発明の製造方法に則り、消泡剤により、フレッシュコンクリートからの空気の除去を行った。空気除去後のフレッシュコンクリート及び硬化後のコンクリートに対する直径0.3mm以下の微細気泡部の空気量(体積)と、コンクリートに対する全空気量をそれぞれ算出した。このコンクリートに対する微細気泡部の空気量(容量%)、全空気量(容量%)に占める割合を、それぞれ表2に記載した。微細気泡部の空気量(容量%)は、下記の中空ビーズの平均粒径と添加量から算出した値を微細気泡部の空気量とした。全空気量の(容量%)の測定は、JIS−A1128に準拠して行った。尚、硬化体については、硬化体の表面を研磨仕上げした供試体について、気泡組織をASTM−C457のリニアトラバース法に準拠して顕微鏡で測定することにより、直径が0.3mm以下の気泡部の割合を算出し、その空気量を微細気泡部の空気量とした。
セメント1:「普通ポルトランドセメント」。実施例1及び比較例1において、セメントとしてこれを用いた。
セメント2:「MKCセメント(高炉セメントB種)」実施例2において、セメントとしてこれを用いた。
細骨材:5mm以下、表乾密度2.58g/cm、F.M:2.85
粗骨材:25mm〜5mm、表乾密度:2.57g/cm3、実積率:63.5%
AE剤:高性能AE減水剤(BASFジャパン社製、SP8SBM)
消泡剤:消泡剤(サンノブコ株式会社の商品名:SNデフォーマー14HP)
中空ビーズ:平均粒径0.06mm、直径の分散が、10.0×10−3〜30.0×10−3の範囲にある、中空の樹脂製のビーズを用いた。実施例1、2ともに1.0Vol%の割合でフレッシュコンクリートに添加した。
Figure 2018162214
Figure 2018162214
(凍結融解抵抗性について)
実施例、比較例について、JIS A 1148のコンクリートの凍結融解試験を行い、凍結融解抵抗性を評価した。結果は表3の通り、微細気泡部の占める割合が高い実施例において、耐凍害性が大幅に向上した。
(施工性の向上について)
NEXCO管理要領JHS 733(中流動覆工コンクリートの配合選定)に準拠し、上記配合にて加振フロー試験を実施した。なお、振動時間は通常試験の10秒から5秒に変更した。5秒の振動によって、各実施例比較例における加振前のスランプ(スランプフロー)の値は同程度であるが、加振後のスランプフローでは100mm程度の差異が認められ、気泡ビーズを用いることで、振動によるコンクリートの広がりが大きくなることが分かった。つまり、気泡ビーズを用いることで施工性能が改善される可能性があることを、本実験結果より明らかとした。
尚、実施例、比較例についてJlSA1108−1999に準じて圧縮強度も測定した。結果は表3に示す通りである。
Figure 2018162214
以上の結果より、本発明に係るフレッシュコンクリートは、施工性に優れたものであり、又、それを用いてなるコンクリート硬化体は、空気量を抑えることにより強度を保持しながら、凍結融解抵抗性を十分に向上させたコンクリート硬化体であることが分る。

Claims (5)

  1. セメント硬化体内に気泡部を分散形成したコンクリート硬化体であって、
    コンクリート硬化体内の全ての前記気泡部のうち、体積比で97%以上の気泡部は、直径0.01mm以上0.3mm以下の樹脂製の中空ビーズによって形成されている微細気泡部であり、
    前記微細気泡部の前記セメント硬化体に対する体積比が、0.5%以上6%以下であるコンクリート硬化体。
  2. セメント材として、シリカセメント又はフライアッシュセメントが用いられている、請求項1に記載のコンクリート硬化体。
  3. 前記微細気泡部の直径の分散が、2.5×10−3〜62.5×10−3である請求項1又は2に記載のコンクリート硬化体。
  4. 前記微細気泡部のセメント硬化体に対する体積比が、0.5%以上3%未満である請求項1から3のいずれかに記載の気泡コンクリート硬化体。
  5. 気泡間隔係数が0.4mm以下である、請求項1から4のいずれかに記載のコンクリート硬化体。
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