JP5713272B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に画像を定着させる定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置に関し、詳しくは搬送する記録媒体上のトナーを加熱して定着する定着装置及び電子写真方式を用いて形成するトナー画像を記録媒体上に転写した後に定着して画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ装置あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置には、紙などの記録媒体に転写されたトナー画像を、熱と圧力によって定着させる定着装置が多く用いられている。この種の定着装置は、定着回転体と加圧回転体との間に形成されたニップ部に記録媒体を通過させ、記録媒体上のトナーを熱によって溶融させることによって、画像を定着するようにしている。
ところが、上記のような熱定着方式の定着装置において、記録媒体上の溶融したトナーが定着回転体へ付着することによる、記録媒体の定着回転体への巻き付きや、オフセット画像等の不具合が発生することがある。また、記録媒体の両面に画像を印刷した場合は、画像定着時において定着回転体以外に加圧回転体にも記録媒体の画像面が接触するため、加圧回転体側に記録媒体が巻き付くこともある。このような記録媒体の巻き付き等の不具合を防止する方法の1つとして、定着回転体や加圧回転体に対向して爪状または板状の分離部材を設け、この分離部材によって記録媒体を定着回転体等から分離させる方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置における定着装置での転写紙の分離機能は、ニップ形状により離型しやすい方向に転写紙を搬送して、定着部材に分離爪を当接させる、もしくは、定着部材の耐久性を考慮して、分離爪と定着部材との間に微小なギャップを設けて離型を達成する分離爪方式、または、転写紙の分離位置に圧縮空気を吹き付けるエアー分離方式が従来から用いられており、これらを組み合わせて用いることも既に知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、昨今ではウォームアップ時間の短縮から定着装置の定着部材に無端状の定着ベルトを用いたものが多く採用されている。例えば、図15に示すように、定着ローラ84及び加熱ローラ83に一定のテンションで架け渡された定着ベルト92と、該定着ベルト92に対して回転自在に圧接し定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ85と、を備える構成の定着装置がある。
この装置では、加熱ローラ85に熱せられて定着ベルト92は蓄熱されている。未定着のトナー像の乗った転写紙は、定着ベルトの回動によりニップ部Nに進入して加熱および加圧されて定着される。さらに、定着ローラ(定着ベルト)に巻き付きをおこす転写紙を剥がすため、定着ニップ部Nの転写紙出口に圧縮空気吐出部材(エアーノズル)90を配置されている(すなわちエアー分離方式である)。
ところで一般に分離爪方式では、分離部材の先端は定着回転体または加圧回転体の表面に対して微小なギャップを介して配設されている。このギャップは、分離部材の分離性に大きな影響を与えるため、一定に保たれるように厳しく管理されている。また、分離部材の分離性は、分離部材の先端とニップ部との距離によっても異なる。具体的には、分離部材の先端をニップ部に近づけるほど分離性は向上する。特に、回転体への巻き付きが生じやすい薄紙等を使用する場合は、分離部材の先端をニップ部に近づけて分離性を向上させることが好ましい。一方、分離部材の先端をニップ部に近づけると、分離部材の先端が記録媒体上の画像面に擦れることによって生じるスジ画像や、記録媒体から分離部材に付着したトナーが再度記録媒体に付着して記録媒体が汚されるなどの不具合が生じやすくなるデメリットがある。また、分離部材の先端がニップ部に近いと、ニップ部で詰まった記録媒体の除去作業が行いにくく、作業性が悪いと言った問題がある。
従って、分離部材の先端とニップ部との距離は、必要に応じて調整可能であることが望ましい。しかしながら、分離部材を移動させるときに、分離部材と定着回転体等との径方向の相対的位置関係が変動して上記ギャップが変化すると、分離性が不測に変化する虞がある。
定着された転写紙上のトナーと定着ベルトとの離型性が、転写紙の種類、坪量、剛度、熱力、圧力により異なるため、従来の定着装置では、一般的に分離しにくい坪量、剛度が低い等の転写紙の条件に合わせて、分離爪方式と、圧縮空気吐出部材を用いたエアー分離方式とのいずれかを採用、配置してきた。
しかし、今までの分離爪、エアー分離方法では、転写紙の種類、坪量、剛度、熱力、圧力によって離型性が異なり、ニップ部出口からエアー到達点間で、転写紙が定着部材への巻き付きを制御できない、すなわち各種条件により、定着部材への転写紙巻き付きによる熱量が制御できない。そのため、巻き付き長さが大きい場合にはトナー像の光沢度にバラツキが生じ、さらに熱量が加わりすぎると画像が乱れるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の事情にかんがみ、分離爪方式において、分離部材と回転体との径方向の相対的位置関係を一定に維持しつつ、分離部材を周方向に移動させることが可能な定着装置、及び前記定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
また本発明は、エアー分離方式において、エアーノズル位置、転写紙へのエアー到達位置を多種多様な条件に合わせた位置に制御し、転写紙の分離を確実にするとともに、熱量差による画像品質の問題を解決するための定着装置及び該定着装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、
互いに対向して配設された一対の回転体を備え、前記一対の回転体の間に形成されたニップ部に記録媒体を通過させて当該記録媒体上の画像を定着させる定着装置において、
前記ニップ部を通過した記録媒体を前記一対の回転体の一方から分離させるための分離部材を該一方の回転体の回転軸に回転可能に設け、
前記分離部材の回転角度位置を変更する回転角度位置可変手段を備え、
前記一対の回転体の少なくとも一方を他方に対して変位させ、当接させてニップ部を形成した状態と互いに離間した非接触状態とに切換可能に構成するとともに、
前記回転角度位置可変手段は、前記分離部材が取り付けられると共に前記一方の回転体の回転軸に回転可能に設けられた分離部材回転ギアと、前記分離部材回転ギアと噛合すると共にその分離部材回転ギアに駆動手段からの駆動力を伝達する駆動伝達ギアを有し、
前記分離部材回転ギアを設けた前記一方の回転体を前記他方の回転体に対して変位させて接触あるいは離間させる際における前記一方の回転体の移動経路を、前記駆動伝達ギアの回転中心を中心とした円弧状に構成し
前記分離部材が、前記ニップ部から排出される用紙を圧縮空気の吐出により剥離する剥離手段を有し、
該剥離手段は、前記一方の回転体の回転中心と同軸かつ回動可能に設けてある、
ものである。
分離部材は回転体の回転軸に回転可能に設けられているため、分離部材の回転角度位置を変化させて周方向に移動させても、分離部材とそれを設けた回転体との径方向の相対的位置関係を一定に維持することができる。これにより、分離部材の周方向の移動に伴って分離性が不測に変動することを防止する。
記録媒体の種類に応じてニップ部の圧力を変えることより、記録媒体の種類ごとに適したニップの圧力で定着させる。また、分離部材を設けた回転体を変位させても、分離部材はその回転体の回転軸に設けているので、回転体と分離部材との径方向の相対的距離を一定に維持し、分離性が不測に変動することを防止する。
記録媒体がニップ部に詰まった場合、回転体同士を離間させて非接触状態にすることで、詰まった記録媒体を容易に除去可能にし得る。また、分離部材を設けた回転体を変位させても、分離部材はその回転体の回転軸に設けているので、回転体と分離部材との径方向の相対的距離を一定に維持でき、分離性が不測に変動することを防止可能になる。
回転体が変位する際の移動経路を、駆動伝達ギアの回転中心を中心とした円弧状に構成しているため、回転体を変位させた際、分離部材回転ギアは駆動伝達ギアのギア列に沿って移動する。このように、回転体が変位しても、分離部材回転ギアは常に駆動伝達ギアと噛合した状態となっているため、回転体の任意の位置で駆動伝達ギアを回転させて分離部材の回転角度位置を変更することが可能である。また、駆動伝達ギアを静止させている場合は、回転体を変位させることにより、分離部材回転ギアが静止した駆動伝達ギアに沿って移動しつつ回転するため、分離部材の回転角度位置を変更させ得る。すなわち、この場
合は、駆動伝達ギアを回転させなくても、分離部材を回転体の変位動作に連動させてその回転角度位置を変更することが可能である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の定着装置において、記回転体を前記他方の回転体に対して変位させて非接触状態にする際、前記分離部材回転ギアが静止した前記駆動伝達ギアに沿って回転移動して、前記分離部材を前記一対の回転体の対向部から遠ざけるように構成したものである。
これにより、分離部材を回転体の離間動作と連動させて回転体同士の対向部から退避させる。すなわち、駆動手段を駆動させなくても、分離部材を前記対向部から退避させることが可能であるので、省エネルギー化を図り得る。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の定着装置において、記録媒体の種類に応じて前記回転角度位置可変手段が前記分離部材の回転角度位置を変更するように構成したものである。
記録媒体の種類に応じて分離部材の回転角度位置を変更して分離部材の先端とニップ部との距離を調整することにより、記録媒体の種類ごとに適切な分離性を発揮させることを可能とする
請求項の発明は、請求項に記載の定着装置において、前記ニップ部での記録媒体の詰まりを検知する詰まり検知手段を備え、前記詰まり検知手段の検知信号に基づいて、前記回転角度位置可変手段が前記分離部材を前記一対の回転体の対向部から遠ざけるように回転角度位置を変更するように構成したものである。
記録媒体の詰まりを検知した詰まり検知手段の検知信号に基づいて、分離部材を一対の回転体の対向部から遠ざけることにより、記録媒体の除去作業の妨げとならないように分離部材を退避させる。これにより、記録媒体の除去作業効率を向上させることを可能にしている。
請求項の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の定着装置において、前記分離部材の回転角度位置を検知する回転検知手段を備え、前記回転検知手段の検知信号に基づいて、前記回転角度位置可変手段を制御可能に構成したものである。
これにより、分離部材の回転角度位置を正確に把握することができ、回転角度位置の変更動作の精度を向上させ得る。
請求項6の発明は、請求項1から5の いずれか1項に記載の定着装置において、前記分離部材を保持する回転保持部材を前記回転体の回転軸に回転可能に設け、前記回転保持部材に前記分離部材をその先端が前記回転体の表面に対して接近、離間するように揺動可能に設けると共に、前記分離部材に前記回転体の表面に当接する当接部を設け、前記回転角度位置可変手段によって前記回転持部材の回転角度位置を変更可能に構成したものである。
当接部を回転体に当接させて分離部材を位置決めすることにより、分離部材と回転体との径方向の相対的位置関係を高精度に維持することができるため、分離性がより安定して発揮されるようになる。また、分離部材の先端が回転体の表面に対して接近、離間するように構成されているので、万が一、分離部材と回転体との間に記録媒体が侵入して詰まっても、分離部材の先端を回転体から離間させることにより、詰まった記録媒体の除去処理が行いやすくなる。
請求項の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の定着装置において、前記分離部材を前記一対の回転体の回転軸にそれぞれ回転可能に設け、各分離部材の回転角度位置を前記回転角度位置可変手段によって変更可能に構成したものである。
分離部材を一対の回転体の両方に設けているので、両方の回転体から記録媒体を分離させることが可能である。また、各分離部材はそれぞれ回転体の回転軸に回転可能に設けられているため、分離部材の回転角度位置を変化させて周方向に移動させても、分離部材とそれを設けた回転体との径方向の相対的位置関係を一定に維持することができる。これにより、分離部材の周方向の移動に伴って分離性が不測に変動することを防止可能となる。
請求項の発明は、請求項記載の定着装置において、前記剥離手段が、圧縮空気を吐出する吐出部材を備え、該吐出部外を任意の位置に固定可能としてなることを特徴とする定着装置である。
この定着装置においては、吐出部材が定着ローラ軸中心で任意に圧縮空気吐出部材の位置を設定し得る。
請求項9の発明は、互いに対向して配設された一対の回転体を備え、前記一対の回転体の間に形成されたニップ部に記録媒体を通過させて当該記録媒体上の画像を定着させる定着装置において、
前記ニップ部を通過した記録媒体を前記一対の回転体の一方から分離させるための分離部材を該一方の回転体の回転軸に回転可能に設け、
前記分離部材の回転角度位置を変更する回転角度位置可変手段を備え、
前記一対の回転体の少なくとも一方を他方に対して変位させ、当接させてニップ部を形成した状態と互いに離間した非接触状態とに切換可能に構成するとともに、
前記回転角度位置可変手段は、前記分離部材が取り付けられると共に前記一方の回転体の回転軸に回転可能に設けられた分離部材回転ギアと、前記分離部材回転ギアと噛合すると共にその分離部材回転ギアに駆動手段からの駆動力を伝達する駆動伝達ギアを有し、
前記分離部材回転ギアを設けた前記一方の回転体を前記他方の回転体に対して変位させて接触あるいは離間させる際における前記一方の回転体の移動経路を、前記駆動伝達ギアの回転中心を中心とした円弧状に構成し、
前記分離部材が、圧縮空気を吐出する吐出部材を備え、該吐出部材を駆動装置により回動および固定可能としてなることを特徴とする定着装置である。
この定着装置においては、駆動装置により吐出部材の位置を自動で設定することができる。
請求項1の発明は、請求項記載の定着装置において、前記吐出部材の固定位置を、紙種、紙厚、紙剛度の条件によって制御することを特徴とする定着装置である。
この定着装置においては、紙種、紙厚、紙剛度ごとに異なる巻き付き易さに応じ、分離圧縮空気の吐出部材の位置を自動で設定できる。
請求項1の発明は、請求項記載の定着装置において、前記吐出部材の固定位置を、画像形成装置近傍の環境センサの温度、湿度の出力条件によって制御することを特徴とする定着装置である。
この定着装置においては、画像形成装置近傍の環境センサの温度、湿度の出力条件によって異なる巻き付き易さに応じ、圧縮空気の吐出部材の位置を自動で設定できる。
請求項1の発明は、請求項記載の定着装置において、前記吐出部材の固定位置を、定着制御温度の条件によって制御することを特徴とする定着装置である。
この定着装置においては、定着制御温度条件ごとに異なる巻き付きし易さに応じ圧縮空気の吐出部材の位置を自動で設定できる。
請求項13の発明は、請求項9記載の定着装置において、前記吐出部材の固定位置を前記一対の回転体の間に形成された前記ニップ部の幅の条件によって制御することを特徴とする定着装置である。
この定着装置においては、ニップ部の幅ごとに異なるニップ出口と圧縮空気吐出部材から吐出される圧縮空気到達点までの距離の変化に応じ圧縮空気の吐出部材の位置を自動で設定できる。
請求項1の発明は、請求項1から1のいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置である。
本発明に係る定着装置を、画像形成装置に搭載可能であるが、全ての構成において、画像の品質向上および安定化を図っている。
本発明によれば、分離部材を回転体の回転軸に回転可能に設けているため、分離部材と回転体との径方向の相対的位置関係を一定に維持しつつ、分離部材を周方向に移動させることが可能である。このため、分離部材の分離性が不測に変動することを防止することができ、分離機能を安定して発揮させることができる。
また本発明によれば、圧縮空気の吐出部材が定着ローラ軸中心で回動可能となっているため、任意に吐出部材の位置を移動させることができる。
本発明に係る画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の概略断面図である。 本発明に係る定着装置の側面断面図である。 本発明に係る定着装置の斜視図である。 定着ローラの表面に生じる折れ曲がりを説明するための模式図である。 ニップ部の圧力変化動作を説明するための模式図である。 定着ローラと加圧ローラの接離動作を説明するための模式図である。 本発明の実施例1に係る定着装置の側面図である。 上記実施例1に係る定着装置の定着ローラ等の正面図である。 本発明の実施例2に係る定着装置の側面図である。 上記実施例2に係る定着装置の定着ローラ等の正面図である。 本発明の実施例3に係る定着装置の側面図である。 上記実施例3に係る定着装置の動作を説明するための図である。 上記実施例3に係る定着装置の動作を説明するための図である。 分離板の回転角度位置を示す図であり、(A)はホームポジション、(B)は普通紙の通紙時、(C)は厚紙の通紙時、(D)は紙詰まり処理時の回転角度位置を示す。 公知のエアー分離方式を説明するための模式図である。 本発明の実施例4に係る定着装置の概略的側面断面図である。 本実施例の実施例4に係る定着装置のエアーノズル回動機構の概略図である。 本発明に係る画像形成装置の一実施例であるタンデム型のカラー複写機の構成を示す図である。
以下本発明の実施形態を図に示す実施例を参照して説明する。
<実施例1>
まず、図1に基づいて、本発明に係る画像形成装置の全体構成について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は紙等の記録媒体(以下、シートPと称するが、本発明が対象とする記録媒体は、いわゆるシート材のみにはあ限定されない。)Pが収容される給紙部、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部を示す。
また、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、18は中間転写ベルト17上に形成されたカラー画像をシートP上に転写する2次転写ローラ、19はシートP上のトナー像(未定着画像)を定着する電磁誘導加熱方式の定着装置を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿読込部4によって、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2から、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Yの表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11Mの表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11Cの表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BKの表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程)。
上記現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ(図示省略)が設置されている。その転写バイアスローラの位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程)。
1次転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程)。その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、図示しない除電部によって除電されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト17は、2次転写ローラ18との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラが、2次転写ローラ18との間に中間転写ベルト17を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト17上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送されたシートP上に転写される(2次転写工程)。このとき、中間転写ベルト17には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト17は、中間転写クリーニング部16の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト17上の未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト17上で行われる、一連の転写プロセスが終了する。
上記2次転写ニップの位置に搬送されたシートPは、装置本体1の下方に配設された給紙部7から、給紙ローラ8やレジストローラ等が設置された搬送経路Rを経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部7には、シートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ8が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPが搬送経路Rに向けて給送される。搬送経路Rに搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ(図示省略)のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト17上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラが回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置19の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程)。定着工程後のシートPは、排紙ローラ9によって、装置本体1外に出力画像として(図の破線矢印の方向に)排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、画像形成装置本体1に設置される定着装置19の構成、動作について詳述する。 図2に示すように、定着装置19は、誘導加熱部25(磁束発生手段)、誘導加熱部25に対向する定着回転体としての定着ローラ20、定着ローラ20に圧接する加圧回転体としての加圧ローラ30、入口ガイド板41、拍車ガイド板42、分離部材としての分離板43、出口ガイド板50、サーミスタ61、62、等で構成される。
ここで、上記定着ローラ20は、鉄やステンレス鋼等からなる芯金23上に、発泡シリコーンゴム等からなる断熱弾性層22、スリーブ層21が順次積層されたものであって、その外径が40mm程度に形成されている。
定着ローラ20のスリーブ層21は、内周面側から基材層、第1酸化防止層、発熱層、第2酸化防止層、弾性層、離型層が順次積層された多層構造体である。詳しくは、基材層は層厚が40μm程度のステンレスで形成されたものであり、第1酸化防止層及び第2酸化防止層は層厚が1μm以下のニッケルをストライクめっき処理にて形成したものであり、発熱層は層厚が10μm程度の銅で形成されたものであり、弾性層は層厚が150μm程度のシリコーンゴムで形成されたものであり、離型層は層厚が30μm程度のPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で形成されたものである。
このように構成された定着ローラ20は、誘導加熱部25から発せられる磁束によってスリーブ層21の発熱層が電磁誘導加熱されることになる。なお、定着ローラ20の構成は、本実施の形態1のものに限定されることなく、例えば、スリーブ層21を断熱弾性層22(定着補助ローラ)に接着しないで別体化することもできる。ただし、スリーブ層21(定着スリーブ)を別体化した場合には、稼動中にスリーブ層21が幅方向(スラスト方向)に移動するのを抑止するための部材を設置することが好ましい。
ここで、定着ローラ20に対向する位置であって、ニップ部Nの上流側(搬送方向上流側)には、複数の拍車が幅方向に並設された拍車ガイド板42が設置されている。拍車ガイド板42は、ニップ部Nに送入されるシートPの定着面(画像が定着される面)に対向する位置に配設されて、シートPをニップ部Nに案内するものである。拍車ガイド板42は、シートP上の未定着画像に拍車が接触してもその画像に擦れ跡が生じないように、拍車の周面がノコ歯状に形成されている。
また、定着ローラ20に対向する位置であって、ニップ部Nから送出されるシートPの定着面に対向する位置(ニップ部Nの搬送方向下流側)には、分離板43が設置されている。分離板43は、ニップ部Nから送出された定着工程後のシートPが、定着ローラ20に吸着して巻き付く不具合を防止するためのものである。すなわち、定着工程後のシートPが定着ローラ20に吸着してしまった場合に、シートPの先端に分離板43が接触して、シートPを定着ローラ20から強制的に分離させる。
また、ニップ部Nの上流側(シートPの搬送方向上流側)であって、ニップ部Nに近接する位置には、定着ローラ20に接触する接触型温度検知センサとしてのサーミスタ62が配設されている。サーミスタ62は、駆動部側の幅方向端部に配設されていて、定着ローラ20の幅方向端部の表面温度を検知する。また、図示は省略するが、定着ローラ20の幅方向中央部に対向する位置には、サーモパイル(非接触型温度検知センサ)が配設されている。このサーモパイルや上記サーミスタ62によって、定着ローラ20上の温度(定着温度)を検知し、それらの検知結果に基づいて、誘導加熱部25による加熱量を調整するようになっている。なお、本実施例では、定着工程時(通紙時)における定着温度が160〜165℃になるように誘導加熱部25の制御が行われている。
また、上記加圧ローラ30は、鉄鋼、アルミニウム等からなる円筒部材32上に、シリコーンゴム等からなる弾性層31、PFA等からなる離型層(図示省略)が形成されたものである。加圧ローラ30の弾性層31は、肉厚が1〜5mmとなるように形成されている。また、加圧ローラ30の離型層は、層厚が20〜200μmとなるように形成されている。加圧ローラ30は、定着ローラ20に圧接している。そして、定着ローラ20と加圧ローラ30との圧接部(ニップ部N)に、シートPが搬送されるようになっている。
なお、本実施例では、定着ローラ20の加熱効率を高めるために、加圧ローラ30にハロゲンヒータ等のヒータ33が内設されている。ヒータ33に電力が供給されることにより、ヒータ33の輻射熱によって加圧ローラ30が加熱されて、定着ローラ20の表面が加圧ローラ30を介して加熱されることになる。
また、ニップ部Nの上流側(シートPの搬送方向上流側)であって、ニップ部Nに近接する位置には、加圧ローラ30に接触する接触型温度検知センサとしてのサーミスタ61が配設されている。サーミスタ61は、駆動部側の幅方向端部に配設されていて、加圧ローラ30の幅方向端部の表面温度を検知する。また、図示は省略するが、加圧ローラ30の幅方向中央部に対向する位置には、サーモパイル(非接触型温度検知センサ)が配設されている。このサーモパイルやサーミスタ61によって、加圧ローラ30上の温度を検知し、これらの検知結果に基づいて、ヒータ33による加熱量を調整するようになっている。
ここで、加圧ローラ30に対向する位置であって、ニップ部Nに送入されるシートPの非定着面に対向する位置(ニップ部Nの上流側)には、入口ガイド板41が設置されている。入口ガイド板41は、ニップ部Nに送入されるシートPをニップ部Nに案内するものである。また、加圧ローラ30に対向する位置であって、ニップ部Nから送出されるシートPの非定着面に対向する位置(ニップ部Nの下流側)には、出口ガイド板50が設置されている。出口ガイド板50は、ニップ部Nから送出された定着工程後のシートPを定着工程後の搬送経路に向けて案内するためのものである。
図3に示すように、出口ガイド板50には把持部70が設置されている。そして、ユーザーやサービスマン等の作業者は、定着装置19の位置でシートPのジャム(搬送中のシートPが詰まる現象)が発生したときに、定着装置19の主部(図3に示すもの)を装置本体1から取出して、把持部70を把持して出口ガイド板50を回転軸部50aを中心に回転(図2の矢印方向に)させて、ニップ部Nを露呈させた状態でジャム紙をニップ部Nから引き抜き除去することになる。
上記誘導加熱部25は、コイル部26(励磁コイル)、コア部27(励磁コイルコア)、コイルガイド28、等で構成される。コイル部26は、定着ローラ20の外周面の一部を覆うように配設されたコイルガイド28上に細線を束ねたリッツ線を巻回して幅方向(図2の紙面垂直方向)に延設したものである。
コイルガイド28は、ガラス材料が45%程度含有されたPET(ポリエチレンテレフタレート)等の耐熱性の高い樹脂材料からなり、定着ローラ20の外周面に対向してコイル部26を保持する。なお、本実施例では、コイルガイド28(誘導加熱部25)の対向面と、定着ローラ20の外周面とのギャップが2±0.1mmに設定されている。
コア部27は、フェライト等の強磁性体(比透磁率が2500程度である。)からなり、定着ローラ20の発熱層に向けて効率のよい磁束を形成するためのものでありアーチコア、センターコア、サイドコア等で構成されている。
このように構成された定着装置19は、以下のように動作する。
図示しない駆動モータによって定着ローラ20が図2の反時計方向に回転駆動され、それに伴い加圧ローラ30が時計方向に回転する。そして、定着ローラ20のスリーブ層21(発熱層)は、誘導加熱部25との対向位置で、誘導加熱部25から発生される磁束によって加熱される。
詳しくは、発振回路が周波数可変の電源部(図示省略)からコイル部26に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである。)の高周波交番電流が通電されることで、コイル部26から定着ローラ20のスリーブ層21に向けて磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、スリーブ層21の発熱層に渦電流が生じて、発熱層はその電気抵抗によってジュール熱が発生して誘導加熱される。こうして、スリーブ層21(定着ローラ20)は、自身の発熱層の誘導加熱によって加熱される。
その後、誘導加熱部25によって加熱された定着ローラ20表面は、加圧ローラ30との当接部(ニップ部N)に達する。そして、搬送されるシートP上のトナー像T(トナー)を加熱して溶融する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持したシートPが、入口ガイド板41(または拍車ガイド板42)に案内されながら定着ローラ20と加圧ローラ30との間(ニップ部N)に送入される(矢印Y1の搬送方向の移動)。そして、定着ローラ20から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像TがシートPに定着されて、シートPは定着ローラ20と加圧ローラ30との間から送出される(矢印Y2の搬送方向の移動)。また、ニップ部Nを通過した定着ローラ20表面は、その後に再び誘導加熱部25との対向位置に達する。このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
ところで、上記のような誘導加熱方式の定着装置19において、定着ローラ20の表層を構成するスリーブ層21がSUS、Ni、PI等の部材で構成さている場合は、そのスリーブ層21の耐久性及び強度はあまり高くない。このため、図4に示すように、定着ローラ20と加圧ローラ30との間にシートPを通紙すると、シートPの幅方向の両端部側(図4の符号E1、E2で示す箇所)でスリーブ層21に折れ曲がりが生じる。特に、厚紙等を通紙するときは、上記折れ曲がりが顕著となるため、スリーブ層21に折れ曲がり跡が残る虞がある。そして、スリーブ層21に折れ曲がり跡が残ってしまうと、その後、良好な定着を行えなくなる虞がある。そこで、本実施例では、上記スリーブ層21の折れ曲がりを抑制するために、記録媒体の厚さに応じてニップ部の圧力を変更するように構成している。
具体的には、図5に示すように、加圧ローラ30を定着ローラ20に対して近づく方向及び遠ざかる方向に変位するように構成して、ニップ部Nの圧力を変更可能としている。なお、図5において、加圧ローラ30を変位させる機構は図示省略している。上記スリーブ層の折れ曲がりが顕著となる厚紙等を通紙する場合は、加圧ローラ30を定着ローラ20に対して接触させたまま遠ざけ、各ローラ20、30の回転中心間の距離をD1からD2へ大きくすることによって、ニップ部Nの圧力を低くすることができる。これにより、上記折れ曲がりを抑制することが可能である。一方、スリーブ層の折れ曲がりがあまり生じない薄紙や普通紙等を通紙する場合は、各ローラ20、30の回転中心間の距離をD2からD1へ戻し、薄紙や普通紙等に適した圧力で画像の定着処理を行う。
また、通紙する記録媒体の種類の判別は、例えば、ユーザー等が画像形成装置に設けてある記録媒体種別指定手段(操作パネルやスイッチ、あるいはメニュー選択等)で指定した記録媒体情報の信号に基づいて制御部が行う。そして、その制御部からの指示で、記録媒体の種類に応じてニップ部Nの圧力を変化させるように制御されている。また、使用する記録媒体の種別を指定する情報はホスト側のプリンタドライバなどからも与えることも可能である。
なお、記録媒体の種類(または厚さ)ごとに適したニップ部の圧力、または各ローラ20、30の回転中心間の距離は、実験やシミュレーションによって予め求めておけばよい。また、上記実施例では、ニップ部の圧力を変化させるために、加圧ローラを変位させているが、定着ローラを変位させる、あるいは加圧ローラと定着ローラの両方を変位させるように構成してもよい。
また、本発明に係る定着装置19は、図6に示すように、定着ローラ20と加圧ローラ30は互いに接近、離間して、互いに接触してニップ部Nを形成した接触状態と、互いに接触しない非接触状態とに切換可能に構成されている。ここでは、加圧ローラ30を定着ローラ20に対して変位させるようにしているが、定着ローラ20を変位させるように構成してもよいし、あるいは加圧ローラ30と定着ローラ20の両方を変位させるように構成してもよい。このように、定着ローラ20と加圧ローラ30を離間させて非接触状態にすることにより、定着ローラ20と加圧ローラ30との間に記録媒体が詰まっても、詰まった記録媒体の除去作業を容易に行い得るようにしている。
また、本発明の定着装置は、ニップ部Nで記録媒体が詰まったことを検知する詰まり検知手段(図示省略)を設けている。そして、この詰まり検知手段の検知信号に基づいて、制御部が加圧ローラ30を定着ローラ20に対して離間させるように構成されている。
図7及び図8は、上記定着装置19の特徴部分であって、本発明の実施例1に係る構成を示す図である。図7は、定着装置19の側面図であり、図8は、定着ローラ20及び分離板43等を加圧ローラ30側から見た正面図である。
図7及び図8に示すように、分離板43は、定着ローラ20の回転軸20aに取り付けられた回転保持部材44によって保持されている。回転保持部材44は、分離板43を保持する保持部441と、保持部441の両端に設けた一対のアーム部442を有する。各アーム部442は、軸受としてのベアリング45を介して定着ローラ20の回転軸20aに回転可能に取り付けられている。これにより、分離板43は、定着ローラ20の回転軸を中心に回転可能となっている。また、分離板43が回転保持部材44に保持された状態で、分離板43の先端430は、定着ローラ20の表面に対して所定のギャップを介して非接触に保持されている。
さらに、本実施例に係る定着装置19は、分離板43を定着ローラ20の周方向に移動させてその回転角度位置を変更する回転角度位置可変手段46を備えている。この回転角度位置可変手段46は、分離部材回転ギア47と、駆動伝達ギア48と、図示しない駆動手段等とを有する。分離部材回転ギア47は、上記定着ローラ20の回転軸20aに取り付けた一対のベアリング45のうち、一方(図8において左側のベアリング45)に外嵌されている。また、分離部材回転ギア47は、上記回転保持部材44に固定されている。従って、分離部材回転ギア47、回転保持部材44、分離板43は、定着ローラ20の回転軸20aを中心に一体的に回転するようになっている。また、駆動伝達ギア48は、分離部材回転ギア47に噛合しており、この駆動伝達ギア48によって駆動手段からの駆動力が分離部材回転ギア47に伝達されるようになっている。
実施例1では、上記駆動手段としてステッピングモータを用いている。ステッピングモータは、そのドライバーに駆動パルス信号を入力することによって、駆動パルス信号のパルス数に応じて決まった角度だけ正逆回転させることができるものである。従って、ステッピングモータの駆動を制御することにより、分離板43を任意の回転角度位置に精度良く配置することが可能となっている。
上記分離板43の回転角度位置の制御は、分離板43の回転角度位置を検知する回転検知手段と、その回転検知手段の検知信号に基づいて上記ステッピングモータの駆動を制御する制御部とによって行われる。
詳しくは、図7に示すように、上記回転検知手段として、分離板43のホームポジション(基準位置)を検知するための第1センサ51と、ホームポジション以外の各目的に応じた回転角度位置を検知するための第2センサ52を設けている。この場合、第1センサ51及び第2センサ52は、光を照射する発光部とその照射された光を受光する受光部とを互いに対向させて配設した透過型の光学センサによって構成されている。また、図7において、符号K1及びK2で示す箇所が、第1センサ51及び第2センサ52の発光部と受光部を配設した検知部となっている。
第1センサ51、第2センサ52によって検知される被検知部として、凸状の遮光板53が回転保持部材44のアーム部442に設けてある。遮光板53は回転保持部材44の回転に伴って上記各センサ51、52の発光部と受光部との間(検知部K1、K2)を通過するようになっている。遮光板53が第1センサ51または第2センサ52の発光部と受光部との間に介在しない場合は、受光部によって光が受光され、遮光板53が介在する場合は、発光部からの光が遮光板53によって遮断される。各センサ51、52は、受光部によって光が受光される場合の出力と、受光部によって受光されない場合の出力の変化を利用して、遮光板53の位置を検知し、回転保持部材44が保持する分離板43の回転角度位置を検知するように構成されている。
なお、この実施例では、上記回転検知手段として透過型の光学センサを適用したが、これに限らず、例えば、回転検知手段として反射型の光学センサを用いてもよい。この場合は、上記遮光板53の代わりに反射板を設け、その反射板が通過するときの反射光を反射型の光学センサで検知することによって、反射板の位置を把握することが可能である。また、回転検知手段を、光学センサのほか、磁気センサとしてもよい。この場合は、回転保持部材44等に被検知部として磁性体を設け、その被検知部が通過するときの磁界変化を検知することによって、被検知部の位置を把握することが可能である。
<実施例2>
図9及び図10に、本発明の実施例2に係る定着装置の構成を示す。なお、図9及び図10において、図7及び図8と同じ符号は同じ部材または同じ部分を示している。
実施例2に係る定着装置19は、上記実施例1と比べて、分離板43と、それを保持する回転保持部材44の構成が異なる。具体的には、図9及び図10に示すように、回転保持部材44は、分離板43を取り付けた保持部441と、定着ローラ20の回転軸20aに回転可能に設けられた一対のアーム部442を有するが、保持部441は各アーム部442に設けた回転支点443に回転可能に取り付けられている。保持部441が回転支点443を中心に回転することにより、分離板43は図の矢印の方向に揺動して、分離板43の先端430が定着ローラ20の表面に対して接近、離間するようになっている。
また、分離板43の両端側には、定着ローラ20の表面に当接する一対の当接部49が設けてある。当接部49が定着ローラ20に当接した状態では、分離板43の先端430は、定着ローラ20の表面に対して所定のギャップを介して非接触に保持されている。この場合、分離板43がその自重によって下方(定着ローラ20側)に付勢されることで、当接部49が定着ローラ20の表面に当接した状態で維持されている。また、バネ等の付勢手段によって分離板43を定着ローラ20側に付勢して、当接部49の定着ローラ20への当接を維持してもよい。また、一対の当接部49は、記録媒体通過領域H(図10参照)の外側に配設されている。これは、当接部49の当接によって、定着ローラ20の記録媒体通過領域H内の表面に摩耗や傷等が生じると、良好な定着性を発揮できなくなる虞があるからである。なお、複数の幅サイズの記録媒体を通紙可能に構成されている場合は、それらの記録媒体の幅サイズの中で最大のものを記録媒体通過領域(最大記録媒体通過領域)として設定すればよい。
また、実施例2について上記説明した構成以外は、上記実施例1と同様に構成されているので詳しい説明は省略する。従って、実施例2においても、分離板43は定着ローラ20の回転軸20aに回転可能に設けられ、その回転角度位置を変更可能に構成されている。
<実施例3>
図11〜図13に、本発明の実施例3に係る定着装置の構成を示す。この実施例3に係る定着装置19は、定着ローラ20と加圧ローラ30の両方に分離板43A、43Bが設けてある。この場合、2つの分離板43A、43Bによって、定着ローラ20と加圧ローラ30の両方から記録媒体を分離させることが可能である。特に、両面印刷機能を備える画像形成装置においては、画像の定着時に、記録媒体の両面に転写されたトナー画像がそれぞれ定着ローラ20と加圧ローラ30に接触するため、各ローラ20、30への記録媒体の巻き付き等を防止するのに有効である。
各分離板43A、43Bは、それぞれ回転保持部材44A、44Bに保持されている。ここでは、図7に示す実施例1と同様に、分離板43A、43Bを回転保持部材44A、44Bに対して固定しているが、図9に示す実施例2のように、分離板43A、43Bを回転保持部材44A、44Bに対して揺動可能に構成することも可能である。各回転保持部材44A、44Bは、ベアリング45A、45Bを介して定着ローラ20、加圧ローラ30のそれぞれの回転軸20a、30aに回転可能に取り付けられている。
また、実施例3に係る定着装置19は、各分離板43A、43Bの回転角度位置を変更する回転角度位置可変手段46として、一対の分離部材回転ギア47A、47Bと、一対の駆動伝達ギア48A、48Bと、1つの駆動入力ギア54と、図示しない駆動手段等とを有する。各分離部材回転ギア47A、47Bは、それぞれ、回転保持部材44A、44Bに固定されると共に、ベアリング45A、45Bに外嵌されている。従って、分離部材回転ギア47A、47Bが回転すると、回転保持部材44A、44B及び分離板43A、43Bが、対応するローラ20、30の回転軸20a、30aを中心に一体的に回転するようになっている。一対の駆動伝達ギア48A、48Bは、それぞれ分離部材回転ギア47A、47Bに噛合すると共に、互いに噛合している。また、一対の駆動伝達ギア48A、48Bの一方(図11において右側の駆動伝達ギア48B)に駆動入力ギア54が噛合している。これにより、駆動手段から駆動入力ギア54に付与された駆動力は、各駆動伝達ギア48A、48Bを介して各分離部材回転ギア47A、47Bへ伝達されるようになっている。
例えば、図12に示すように、駆動入力ギア54を図の時計回りに回転させた場合、駆動入力ギア54と噛合する駆動伝達ギア48Bが図の反時計回りに回転し、この駆動伝達ギア48Bの回転に伴って、もう一方の駆動伝達ギア48Aが図の時計回りに回転する。そして、これらの駆動伝達ギア48A、48Bの回転によって、各分離部材回転ギア47A、47B及び各回転保持部材44A、44Bが図の矢印の方向に回転して、一対の分離板43A、43Bがニップ部Nから遠ざかる方向に移動する。また、駆動入力ギア54を上記と逆方向の反時計回りに回転させた場合は、駆動伝達ギア48A、48B及び分離部材回転ギア47A、47Bもそれぞれ上記と逆方向に回転するため、一対の分離板43A、43Bはニップ部Nに近づく方向に移動する。このように、実施例3では、駆動手段からの駆動力を各ギアを介して回転保持部材44A、44Bに伝達することにより、一対の分離板43A、43Bを連動させてニップ部Nに対して接近、離間させるように構成している。
また、図13に示すように、実施例3に係る定着装置19においても、加圧ローラ30が定着ローラ20に対して接近、離間するように変位して接触状態と非接触状態とに切換可能に構成されている。ただし、この場合、加圧ローラ30が接近、離間する際の移動経路Jは、加圧ローラ30側に配設した駆動伝達ギア48Bの回転中心Oを中心とした円弧状に構成されている。また、加圧ローラ30の回転軸に設けられた分離部材回転ギア47Bは、加圧ローラ30と一体的に移動するため、上記移動経路Jは、分離部材回転ギア47Bの移動経路でもある。従って、分離部材回転ギア47Bは、噛合する駆動伝達ギア48Bのギア列(歯列)に沿って円弧状に移動可能に構成されている。
また、図13に示す実施例では、加圧ローラ30を接近、離間させるように構成しているが、定着ローラ20を加圧ローラ30に対して接近、離間させるように構成し、その移動経路を定着ローラ20側の駆動伝達ギア48Aの回転中心を中心とした円弧状となるようにすることも可能である。また、実施例3において、上記説明した構成以外は、上記実施例1と同様であるので説明を省略する。
以下、上記各実施例に係る定着装置の制御方法について説明する。 まず、図14に基づいて、実施例1に係る定着装置の制御方法について説明する。図14の(A)〜(D)は、それぞれ、上記実施例1に係る分離板43の異なる場合における回転角度位置を示している。具体的には、図14の(A)はホームポジション、(B)は普通紙の通紙時、(C)は厚紙の通紙時、(D)は紙詰まり処理時の回転角度位置を示している。
画像形成装置の電源投入時は、分離板43は図14(A)に示すホームポジションに配置されている。この場合、遮光板53が第1センサ51の検知部K1に重なって配置されており、第1センサ51の発光部からの光は遮光板53によって遮断されている。一方、第2センサ52は、発光部から受光部へ光が照射された状態となっている。また、この状態において、加圧ローラ30の回転中心と定着ローラ20の回転中心との距離は、所定の距離D1に設定されており、ニップ部Nには所定の圧力が作用している。
定着装置に普通紙を通紙する場合は、回転保持部材44を図の反時計回りに回転させて、分離板43を、図14(A)に示すホームポジションにある状態から図14(B)に示す状態に配置する。詳しくは、ユーザー等が記録媒体種別指定手段(操作パネルやスイッチ、あるいはメニュー選択等)で指定した記録媒体情報の信号に基づいて、制御部がステッピングモータを駆動させ、その駆動力を駆動伝達ギア48を介して分離部材回転ギア47に伝達して、分離部材回転ギア47及び回転保持部材44を図の反時計回りに一体的に回転させる。この回転保持部材44の回転に伴って、遮光板53が第2センサ52側へ移動する。そして、遮光板53が第2センサ52の検知部K2に到達し、発光部からの光が遮光板53によって遮断されたことを第2センサ52が検知した時点で、制御部がステッピングモータの駆動を停止して遮光板53を静止させる。この状態で、分離板43は普通紙通紙時の回転角度位置に配置される。なお、普通紙通紙時は、加圧ローラ30の回転中心と定着ローラ20の回転中心との距離は、図14(A)と同様の所定の距離D1に設定されている。このように、分離部材43を普通紙通紙用の回転角度位置に配置した状態で、普通紙をニップ部Nに通過させて画像の定着処理を行い、その後、分離板43によって普通紙を定着ローラ20から分離する。
定着装置に厚紙を通紙する場合は、図14(C)に示すように、加圧ローラ30を定着ローラ20に対して離れる方向に変位させ、加圧ローラ30の回転中心と定着ローラ20の回転中心との距離を、普通紙通紙時の距離D1よりも大きい距離D2に設定する。これにより、厚紙通紙時のニップ部Nの圧力を普通紙通紙時の圧力よりも低くし、厚紙の通紙によって定着ローラ20の表面(スリーブ層)に折れ曲がりが生じるのを抑制する。
また、厚紙通紙時は、回転保持部材44を図の反時計回りに回転させて、分離板43を、図14(A)に示すホームポジションにある状態から図14(C)に示す状態に配置する。この場合は、上記普通紙通紙時と同様に遮光板53を第2センサ52側へ移動させ、遮光板53が検知部K2に到達したことを第2センサ52が検知した時点から、さらにステッピングモータに所定数のパルス信号を入力し、回転保持部材44を図の反時計回りに所定の角度だけ回転させてからステッピングモータを停止させる。その結果、遮光板53は、図14(B)に示す普通紙通紙時の位置よりも、幾分か反時計回りに進んだ位置であって、検知部K2を完全に通過しない位置に静止される。このように、厚紙通紙時においては、遮光板53を普通紙通紙時の位置よりも反時計回りに進めた分だけ、分離板43は普通紙通紙時の位置よりもニップ部Nから遠ざかった回転角度位置に配置される。
厚紙通紙時は、普通紙通紙時の場合に比べて、分離板43をニップ部Nから遠ざけて配置することにより、分離板43の先端が記録媒体上の画像面に擦れることによって生じるスジ画像や、記録媒体から分離板43に付着したトナーが再度記録媒体に付着して記録媒体が汚されるなどの不具合を抑制することができる。また、厚紙は一般に普通紙に比べ剛性が大きく、定着ローラ20に対する分離性が良い。このため、厚紙通紙時では、分離板43をニップ部Nから遠ざけても(分離板43の分離性を低くしても)、厚紙を定着ローラ20から分離させることが可能である。
なお、上記分離板43の回転角度位置の変更動作と、上記ニップ部Nの圧力変更動作は、同じタイミングで行ってもよいし、それぞれ異なるタイミングで行ってもよい。
普通紙通紙時または厚紙通紙時において、定着ローラ20と加圧ローラ30との間で紙詰まりが発生した場合は、図14(D)に示すように、加圧ローラ30を定着ローラ20に対して離間させて非接触状態にする。また、このときの加圧ローラ30の離間動作は、紙詰まりを検知した図示しない詰まり検知手段の検知信号に基づいて制御部が行う。このように、加圧ローラ30と定着ローラ20を離間させて非接触状態にすることで、詰まった記録媒体を容易に除去することができる。
さらに、紙詰まり処理時は、回転保持部材44を図の反時計回りに回転させて、分離板43を、図14(B)の普通紙通紙時における位置、または図14(C)の厚紙通紙時における位置から、図14(D)に示す状態に配置する。詳しくは、詰まり検知手段の検知信号に基づいて制御部がステッピングモータを駆動させることにより、回転保持部材44を図の反時計回りに回転させ、遮光板53が第2センサ52の検知部K2を通過し、発光部の光が受光部に受光されるようになったことを検知した時点で、ステッピングモータの駆動を停止して遮光板53を静止させる。この状態で、分離板43は、図14(B)に示す普通紙通紙時の位置、または図14(C)の厚紙通紙時の位置よりも、加圧ローラ30と定着ローラ20との対向部からさらに遠ざかった退避位置(図14(D)に示す回転角度位置)に配置される。このように、紙詰まり処理時では、分離板43を記録媒体の除去作業の妨げとならないように退避させることより、記録媒体の除去作業効率を向上させることが可能である。
なお、上記分離板43の回転角度位置の変更動作と、上記加圧ローラ30の離間動作は、同じタイミングで行ってもよいし、それぞれ異なるタイミングで行ってもよい。
紙詰まり処理後は、図14(A)に示す状態に戻す。また、普通紙通紙と厚紙通紙の切換を行う際も、一度図14(A)に示す状態に戻してから、普通紙通紙時または厚紙通紙時の状態にするようにしている。図14(B)、(C)または(D)に示す状態から図14(A)に示す状態へ戻す場合は、ステッピングモータを駆動させて、回転保持部材44を図の時計回りに回転させる。そして、遮光板53が第1センサ51の検知部K1に到達し、遮光板53によって発光部からの光が遮断されたことを第1センサ51が検知した時点で、制御部がステッピングモータの駆動を停止して遮光板53を静止させる。これにより、分離板43は図14(A)に示すホームポジションへ配置される。また、図14(C)または(D)の状態から(A)の状態に戻す場合は、加圧ローラ30を定着ローラ20側に接近させ、加圧ローラ30の回転中心と定着ローラ20の回転中心との距離を所定の距離D1となるようにする。
なお、加圧ローラ30の接近動作と、分離板43をホームポジションへ戻す動作は、同じタイミングで行ってもよいし、それぞれ異なるタイミングで行ってもよい。
以上、本発明の実施例1に係る定着装置の制御方法について説明したが、実施例2に係る定着装置においても、実施例1と同様に制御することができる。また、実施例2の場合は、分離板43の先端が定着ローラ20の表面に対して接近、離間するように構成されているので、万が一、分離板43と定着ローラ20との間に記録媒体が侵入してジャム化しても、分離板43を揺動させてその先端を定着ローラ20から離間させれば、ジャム化した記録媒体の除去処理を容易に行うことができる。
次に、実施例3に係る定着装置の制御方法について説明する。
実施例3の定着装置において、紙詰まりが発生した場合は、図13に示すように、加圧ローラ30を図の矢印Fの方向に移動させて定着ローラ20から離間させる。このとき、駆動入力ギア54には駆動力が入力されておらず、駆動伝達ギア48A、48Bは静止している。従って、加圧ローラ30側に設けた分離部材回転ギア47Bは、静止した駆動伝達ギア48Bのギア列(歯列)に沿って図の矢印Fに示す方向に移動しつつ図の矢印Gに示す方向に回転する。この分離部材回転ギア47Bの回転に伴って、回転保持部材44Bがそれと同方向に回転するため、加圧ローラ30側に設けた分離板43Bは、加圧ローラ30と定着ローラ20との対向部に対して遠ざかる方向に移動する。これにより、分離板43Bを記録媒体の除去作業の妨げとならないように退避させることができ、記録媒体の除去作業効率を向上させることができる。
また、記録媒体の除去作業終了後は、加圧ローラ30を定着ローラ20に対して接近させる方向に移動させる。これにより、分離部材回転ギア47Bが上記と逆方向に駆動伝達ギア48Bに沿って回転移動し、分離板43Bは対向部またはニップ部に対して接近して元の位置へ戻される。
以上のように、実施例3では、分離板43Bの退避動作及び接近動作を、ステッピングモータを駆動させなくても行うことができる。このため、ステッピングモータを駆動させる電力消費を抑えることができ、省エネルギー化を図ることが可能である。
また、実施例3は、加圧ローラ30及びこれに設けた分離部材回転ギア47Bの移動経路Jを、駆動伝達ギア48Bの回転中心を中心とした円弧状に構成しているため、加圧ローラ30が定着ローラ20に対して接近、離間しても、分離部材回転ギア47Bは常に駆動伝達ギア48Bと噛合した状態に保持される。このため、加圧ローラ30の任意の位置で駆動入力ギア54を回転させて分離板43A、43Bの回転角度位置を変更することが可能である。従って、上記加圧ローラ30の離間動作に伴う分離板43Bの移動だけでは、分離板43Bを十分に退避させることができない場合は、さらにステッピングモータを駆動させることにより、分離板43Bをさらに退避させる方向に移動させることが可能である。なお、このステッピングモータの駆動による分離板43Bの移動と、上記加圧ローラ30の離間動作に伴う分離板43Bの移動は、同時あるいはそれぞれ異なるタイミングで行うことが可能である。
また、実施例3においても、上記各実施例と同様に、普通紙を通紙する場合と、厚紙を通紙する場合とで、加圧ローラ30を定着ローラ20に対して変位させてニップ部Nの圧力を変化させることができる。さらに、一対の分離板43A、43Bの回転角度位置を変化させて、各分離板43A、43Bの先端とニップ部との距離を、普通紙通紙時と厚紙通紙時に適した値に調整することも可能である。
以上のように、本発明によれば、分離板の回転角度位置を変更することができるので、分離板の先端をニップ部に対して接近、離間させて、分離性を調整することが可能である。例えば、剛性が低く分離性の良くない薄紙等の記録媒体を通紙する場合は、分離板の先端をニップ部に対して接近させることにより、分離性を向上させることができる。一方、剛性が高く分離性の良い厚紙等の記録媒体を通紙する場合は、分離板の先端をニップ部に対して離間させることにより、必要な分離性を確保しつつ、分離板の先端が記録媒体上の画像面に擦れることによって生じるスジ画像や、記録媒体から分離板に付着したトナーが再度記録媒体に付着して記録媒体が汚されるなどの不具合を抑制することが可能である。このように、本発明は、分離板とニップ部との距離を、記録媒体の種類に応じて適切な値に調整することが可能である。
また、ニップ部に記録媒体が詰まった場合でも、分離板の回転角度位置を変更することにより、ニップ部またはローラの対向部から分離板を退避させることができ、詰まった記録媒体の除去処理を行いやすくすることが可能である。
さらに、本発明において、分離板は定着ローラまたは加圧ローラの回転軸に回転可能に設けられているため、分離板を周方向に移動させてその回転角度位置を変化させても、分離板とその分離板を設けた定着ローラまたは加圧ローラとの径方向の相対的位置関係を一定に維持することができる。これにより、分離板の先端と定着ローラまたは加圧ローラとの間のギャップを一定に保持することができるため、分離性が不測に変動することを防止することができ、分離機能を安定して発揮させることができる。
特に、図9に示す実施例2のように、分離板43に設けた当接部49を定着ローラ20に当接させて位置決めする構成は、上記ギャップを高精度に保持することができるため、分離機能をより安定して発揮させることができる。
<実施例4>
図16に示すように、本実施例に係る定着装置100は、定着カバー100cの内部に、定着ローラ111及び加熱ローラ114に対して一定のテンションで架け渡された第1ニップ形成部材である定着部材(定着ベルト112)と、定着ベルト112に対して下側で回転自在に圧接し定着ニップ部Nを形成する第2ニップ形成部材である加圧部材(加圧ローラ113)と、定着ニップ部Nの記録媒体排出側(図中、分離爪116の左側))であって先端が定着ベルト112に近接して配置され、定着ベルト112へのシートPの巻き付きを防止する圧縮空気吐出部材であるエアーノズル120と、定着ニップ部Nの記録媒体排出側であって先端が加圧部材である加圧ローラ113に当接して配置され加圧ローラ113へのシートPの巻き付きを防止する分離爪116と、クリーニングウェブを押し付けて定着ベルト112のクリーニングを行うクリーニング機構117とを備えている。
定着ベルト112は、図示の例では無端ベルトであり、断面構造としては、例えばニッケル、ステンレス、ポリイミドなどの基材にシリコンゴム層などの弾性層を形成した2層構造のものなどが用いられる。。また、定着ローラ111は、金属の芯金の外周にシリコンゴムを有したものである。ウォームアップ時間短縮のため、定着ベルト112の熱を吸収しにくいように、発泡のシリコンゴムを用いることもある。また、加熱ローラ114は、アルミまたは鉄の中空ローラで、内部にハロゲンヒータなどのヒータ114hからなる熱源を有している。熱源は誘導加熱機構(IH)でもよい。
このような定着装置100の駆動の際には、例えば定着ローラ111の図中時計回り方向の回転駆動により、定着ベルト112にはテンションローラ115の押圧によって適切なテンションが付与され、その状態でシートPを排出するための回転方向(図16では時計回り方向)に回転し、加圧ローラ113が連れ回りする。回転駆動するローラは、定着ローラ111に限らず、加圧ローラ113や加熱ローラ114であってもよい。また、定着の際には、定着ベルト112は、加熱ローラ114内部に配置されたヒータ114hの発熱によりサーミスタ(不図示)で検出される温度が所定の温度(例えばトナー定着に適する温度)まで加熱される。なお、本実施例では、定着部材として図2に示す例と同様に定着ベルト112(無端ベルト)を用いた形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、中空円筒形状のローラ(定着ローラ)としてもよい。
また加圧ローラ113は、通常はアルミまたは鉄等の芯金の上にシリコンゴム等の弾性層が設けられた円筒形状のローラである。また、図示していない加圧脱圧手段により加圧ローラ113を定着ベルト112側へ移動させて加圧すること、及び定着ベルト112から引き離す方向に移動させて脱圧することが可能であり、定着装置100が駆動するときには該加圧脱圧手段により加圧ローラ113の定着ベルト112への押し当てが一定の圧力で定着ベルト112の方向へ押されることにより行われる。また、定着の際など必要なときに、加圧ローラ113は、内部に配置されたヒータ113hの発熱により所定の温度まで加熱される。なお、本実施例では、加圧部材として、図2に示す例と同様に加圧ローラ113(ローラタイプ)の形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つのローラに架け渡された無端ベルト状の加圧部材(ベルトタイプ)としてもよい。
この定着装置100では、定着ベルト112、加圧ローラ113が回転駆動された状態で、定着ベルト112の表面は所定の温度まで加熱されており、定着ニップ部Nに未定着トナーTが形成されたシートPが通され(図中、右側から左側方向への通紙)、定着ニップ部Nにおける加圧及び加熱により未定着トナーをシートP上に熱融着させて定着を行う。
ついで、トナー定着されたシートPは定着ニップ部Nから排出されるが、このときシートPが定着ベルト112あるいは加圧ローラ113に巻き付いたまま出てくることがある。そのため、定着ベルト112側ではエアーノズル120より吐出される圧縮空気により分離させ、加圧ローラ113側では分離爪116の先端にシートPの先頭部分が当接することにより分離する。定着ニップ部Nから排出されたシートPは、所定の排出経路を通過して定着装置100から送り出される。
以上が本実施例の定着装置100の構成であり、基本的には図15に示した従来の定着装置の構成例と同様の構成を有するので、共通する部分には共通する符号を付して説明する。
図17に、本実施例に係る定着装置の特徴部分であるエアーノズル回動機構の概略図を示す。エアーノズル81は、エアーノズル保持部材88に取り付けられ、エアーノズル保持部材88は、定着ローラ84を中心として回動可能な構成となっている。また、エアーノズル保持部材88の外周に設けられたギヤ88aはモータギヤ89と噛み合っており、不図示のモータの回転によりエアーノズル保持部材88が定着ローラ84の軸を中心として回転する。そして、モータギヤ89を図中の矢印X1方向に回転させることにより、エアーノズル811が矢印X2方向に移動して定着ニップNの出口に近づく。
逆にモータギヤ89を矢印Y1方向に回転させると、ニップN後の転写紙巻き付き長さLが長くなる。例えばシートPが巻き付き易い条件の場合は、エアー到達点とニップ出口の転写紙巻き付き長さLの違いにより、図17(A)、図17(B)に示す巻付き量の違いが発生し画像品質に違いが生じる。図示の通り図17では、不図示のモータにより回動させる構成としたが、手動で回動させる構成としてもよく駆動方法はこの例のものに限定されない。
次に、本実施例に係る画像形成装置について説明する。
図18に、本発明に係る画像形成装置の一実施例であるタンデム型のカラー複写機の構成を示す。カラー複写機200は、装置本体中央部に位置する画像形成部200Aと、該画像形成部200Aの下方に位置する給紙部200Bと、画像形成部200Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有する高速機であり、画像形成部200Aに前述した定着装置100を組み込んでいる。
画像形成部200Aには、水平方向に延びる転写面を有する定着ベルト112が配置されており、定着ベルト112の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体205Y、205M、205C、205Kが定着ベルト112の転写面に沿って並置されている。
各感光体205Y、205M、205C、205Kは、それぞれ同じ方向(図では反時計回り方向)に回転するドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行するための、光書き込み装置201、帯電装置202Y、202M、202C、202K、現像装置203Y、203M、203C、203K、1次転写装置204Y、204M、204C、204K及びクリーニング装置206Y、206M、206C、206Kが配置されている。また、各現像装置203Y、203M、203C、203Kには、それぞれのカラートナーが収容されている。
転写ベルト210は、複数のローラ(一が駆動ローラで、他が従動ローラ)に掛け回されており、感光体205Y、205M、205C、205Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つであるローラ211に対向する位置に転写ローラ212が設けられている。また、転写ローラ212から定着装置100までのシートPの搬送経路は横パスとなっている。
給紙部200Bは、記録媒体としてのシートPを積載収容する給紙トレイ220と、給紙トレイ220内のシートPを最上のものから順に1枚ずつ分離して、転写ローラ212の位置まで搬送する搬送機構を有している。
本実施例の画像形成装置200における画像形成にあたっては、感光体205Yの表面が帯電装置202Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体205Y上に静電潜像が形成される。静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置203Yによりトナー像として可視像化され、このトナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置204Yにより転写ベルト210上に1次転写される。他の感光体205M、205C、205Kでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が定着ベルト112上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
つぎに、感光体205Y、205M、205C、205Kから定着ベルト112上に1次転写されたトナー像Tは、ローラ211、転写ローラ212により搬送されてきたシートPに転写される。トナー像Tが転写されたシートPは、さらに定着装置100まで搬送され、定着ベルト112と加圧ローラ113との定着ニップ部Nにて定着が行なわれる。定着ニップ部Nの出口には、定着ベルト112側のエアーノズル120、加圧ローラ113側の分離爪116が配置され、シートPは定着ベルト112、加圧ローラ113に巻き付くことなく定着ニップ部Nの出口側に排出される。
そっして、定着ニップ部Nから排出されたシートPは排出経路に沿ってスタッカ215へ送り出される。
以上のように、本実施例のように本発明に係る定着装置100を有する画像形成装置により、より高度な定着分離機能が得られ、さまざまな紙種、画像への対応が可能となる。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。すなわち、本発明は上述してきた実施形態、実施例に限定されるものではなく、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更等することができ、いずれの態様においても本発明の作用、効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。例えば、本発明に係る定着装置は、上述の実施例に挙げた電磁誘導加熱方式のものに限らない。一例でいえば、ハロゲンヒータのみを熱源とする定着装置とすることも可能である。また、本発明の定着装置として、定着ローラ、加圧ローラの少なくとも一方に無端状のベルトを掛け渡した定着装置を適用することも可能である。また、上記実施例では、本発明に係る定着装置をタンデム型カラー複写機に搭載した場合を例に挙げているが、その他の複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等に本発明の定着装置を搭載することも可能である。
1:タンデム型カラー複写機の装置本体
2:書込み部
4:原稿読込部
5:コンタクトガラス
7:給紙部
8:給紙ローラ
11Y、11M、11C、11BK:感光体ドラム
12:帯電部
13:現像部
15:クリーニング部を示す。
17:中間転写ベルト
16:中間転写ベルトクリーニング部
18:2次転写ローラ
19:電磁誘導加熱方式の定着装置
84:定着ローラ
83:加熱ローラ
92:定着ベルト
85:加圧ローラ
90::エアーノズル
20:定着ローラ
20a:定着ローラの回転軸
21:スリーブ層
22:断熱弾性層
25:誘導加熱部
26:コイル部(励磁コイル)
27:コア部(励磁コイルコア)
28:コイルガイド
30:加圧ローラ
31:弾性層
32:円筒部材
33:ヒータ
41:入口ガイド板
42:拍車ガイド板
43:分離板
43A、43B:分離板
430:分離板の先端
44:回転保持部材
44A、44B:回転保持部材
441:保持部
442:アーム部
45:ベアリング
45A、45B:ベアリング
46:回転角度位置可変手段
47:分離部材回転ギア
47A、47B:分離部材回転ギア
48:駆動伝達ギア
48A、48B:駆動伝達ギア
49:当接部
50:出口ガイド板
50a:回転軸部
51:第1センサ
52:第2センサ
53:遮光板
54:駆動入力ギア
61、62:サーミスタ
70:把持部
81:エアーノズル
84:定着ローラ
88:エアーノズル保持部材
88a:ギヤ
89:モータギヤ
100:定着装置
100c:定着カバー
111:定着ローラ
112:定着ベルト
113:加圧ローラ
113h:ヒータ
114:加熱ローラ
114h:ヒータ
115:テンションローラ
116:分離爪
117:クリーニング機構
120:エアーノズル
200:カラー複写機
200A:画像形成部
200B:給紙部
205Y、205M、205C、205K:感光体
201:光書き込み装置
202Y、202M、202C、202K:帯電装置
203Y、203M、203C、203K:現像装置
204Y、204M、204C、204K:1次転写装置
206Y、206M、206C、206K:クリーニング装置
210:転写ベルト
211:ローラ
212:転写ローラ
220:給紙トレイ
215:スタッカ
D:原稿
J:移動経路
K1、K2:検知部
N:定着ニップ部
O:駆動伝達ギアの回転中心
P:記録媒体(シート)
R:搬送経路
T:トナー像
特開2006−11193号公報 特開2007−232877号公報 特開2005−157179号報

Claims (14)

  1. 互いに対向して配設された一対の回転体を備え、前記一対の回転体の間に形成されたニップ部に記録媒体を通過させて当該記録媒体上の画像を定着させる定着装置において、
    前記ニップ部を通過した記録媒体を前記一対の回転体の一方から分離させるための分離部材を該一方の回転体の回転軸に回転可能に設け、
    前記分離部材の回転角度位置を変更する回転角度位置可変手段を備え、
    前記一対の回転体の少なくとも一方を他方に対して変位させ、当接させてニップ部を形成した状態と互いに離間した非接触状態とに切換可能に構成するとともに、
    前記回転角度位置可変手段は、前記分離部材が取り付けられると共に前記一方の回転体の回転軸に回転可能に設けられた分離部材回転ギアと、前記分離部材回転ギアと噛合すると共にその分離部材回転ギアに駆動手段からの駆動力を伝達する駆動伝達ギアを有し、
    前記分離部材回転ギアを設けた前記一方の回転体を前記他方の回転体に対して変位させて接触あるいは離間させる際における前記一方の回転体の移動経路を、前記駆動伝達ギアの回転中心を中心とした円弧状に構成し、
    前記分離部材が、前記ニップ部から排出される用紙を圧縮空気の吐出により剥離する剥離手段を有し、
    該剥離手段は、前記一方の回転体の回転中心と同軸かつ回動可能に設けてある、
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転体を前記他方の回転体に対して変位させて非接触状態にする際、前記分離部材回転ギアが静止した前記駆動伝達ギアに沿って回転移動して、前記分離部材を前記一対の回転体の対向部から遠ざけるようにした請求項1に記載の定着装置。
  3. 記録媒体の種類に応じて前記回転角度位置可変手段が前記分離部材の回転角度位置を変更するように構成した請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記ニップ部での記録媒体の詰まりを検知する詰まり検知手段を備え、前記詰まり検知手段の検知信号に基づいて、前記回転角度位置可変手段が前記分離部材を前記一対の回転体の対向部から遠ざけるように回転角度位置を変更するように構成した請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記分離部材の回転角度位置を検知する回転検知手段を備え、前記回転検知手段の検知信号に基づいて、前記回転角度位置可変手段を制御可能に構成した請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記分離部材を保持する回転保持部材を前記一方の回転体の回転軸に回転可能に設け、該回転保持部材に前記分離部材をその先端が前記回転体の表面に対して接近・離間するように揺動可能に設けると共に、
    前記分離部材に前記回転体の表面に当接する当接部を設け、前記回転角度位置可変手段によって前記回転持部材の回転角度位置を変更可能に構成した請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記分離部材を前記一対の回転体の回転軸にそれぞれ回転可能に設け、各分離部材の回転角度位置を前記回転角度位置可変手段によって変更可能に構成した請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 請求項1に記載の定着装置において、前記剥離手段が、圧縮空気を吐出する吐出部材を備え、該吐出部材を任意の位置に固定可能としてなることを特徴とする定着装置。
  9. 互いに対向して配設された一対の回転体を備え、前記一対の回転体の間に形成されたニップ部に記録媒体を通過させて当該記録媒体上の画像を定着させる定着装置において、
    前記ニップ部を通過した記録媒体を前記一対の回転体の一方から分離させるための分離部材を該一方の回転体の回転軸に回転可能に設け、
    前記分離部材の回転角度位置を変更する回転角度位置可変手段を備え、
    前記一対の回転体の少なくとも一方を他方に対して変位させ、当接させてニップ部を形成した状態と互いに離間した非接触状態とに切換可能に構成するとともに、
    前記回転角度位置可変手段は、前記分離部材が取り付けられると共に前記一方の回転体の回転軸に回転可能に設けられた分離部材回転ギアと、前記分離部材回転ギアと噛合すると共にその分離部材回転ギアに駆動手段からの駆動力を伝達する駆動伝達ギアを有し、
    前記分離部材回転ギアを設けた前記一方の回転体を前記他方の回転体に対して変位させて接触あるいは離間させる際における前記一方の回転体の移動経路を、前記駆動伝達ギアの回転中心を中心とした円弧状に構成し、
    前記分離部材が、圧縮空気を吐出する吐出部材を備え、該吐出部材を駆動装置により回動および固定可能としてなる
    ことを特徴とする定着装置。
  10. 請求項9記載の定着装置において、前記吐出部材の固定位置を、紙種、紙厚、紙剛度の条件によって制御することを特徴とする定着装置。
  11. 請求項9記載の定着装置において、前記吐出部材の固定位置を、画像形成装置近傍の環境センサの温度・湿度の出力条件によって制御することを特徴とする定着装置。
  12. 請求項9記載の定着装置において、前記吐出部材の固定位置を、定着制御温度の条件によって制御することを特徴とする定着装置。
  13. 請求項9記載の定着装置において、前記吐出部材の固定位置を、前記一対の回転体の間に形成された前記ニップ部の幅の条件によって制御することを特徴とする定着装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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