JP5709475B2 - 乳化型毛髪用化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪への塗布性が良好で、毛髪の水分量を高め、おさまりをよくし得る乳化型毛髪用化粧料に関するものである。
シャンプーによる洗浄後の毛髪に塗布するトリートメント剤などの毛髪用化粧料には、脂肪族アルコール(高級アルコール)、カチオン性界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステルなどのノニオン性界面活性剤などが配合されたものが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
特開平11−79943号公報 特開2002−332216号公報 特開2010−120917号公報
ところで、毛髪においては、くせ毛のうねりによる広がりのために所望のヘアスタイルを形成することが困難な場合があることから、こうした毛髪の広がりを抑える技術のニーズがある。
毛髪の広がりなどの状態は、毛髪の水分量に影響を受け、それが少ない場合には毛髪の広がりが生じやすい。よって、毛髪用化粧料には、仕上がり後の毛髪の水分量を高める機能が求められることがある。
また、毛髪用化粧料には、塗布した際に毛髪に十分に馴染んで、仕上がり後の毛髪に十分に作用できることが求められる。毛髪用化粧料には、乳化物の剤型が採用されることが多いが、こうした毛髪用化粧料は、例えば、毛髪に適量を塗布し、その後に毛髪を揉み込むことで、毛髪用化粧料を毛髪中にしっかりと浸透させる方法で使用されることが一般的になってきている。
ところが、静置状態では、手にとって毛髪に塗布するのに適した粘度の毛髪用化粧料であっても、塗布した毛髪を揉み込む際に一時的に粘度が低下するといった塗布性に劣るものもあり、このような毛髪用化粧料は毛髪中に良好に浸透させることが難しく、その機能を十分に発揮し得ないことがある。
よって、毛髪用化粧料には、塗布した毛髪を揉み込んだ際にも粘度の一時的な低下が生じ難い良好な塗布性を確保することも求められる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、毛髪への塗布性が良好で、毛髪の水分量を高め、おさまりをよくし得る乳化型毛髪用化粧料を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の乳化型毛髪用化粧料は、脂肪族アルコール、カチオン性界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルが配合されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、毛髪への塗布性が良好で、毛髪の水分量を高め、おさまりをよくし得る乳化型毛髪用化粧料を提供することができる。
本発明の乳化型毛髪用化粧料(以下、「毛髪用化粧料」と省略する)は、クリーム状の剤型を取る。そして、油性成分として脂肪族アルコールを配合する。脂肪族アルコールの具体例としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの直鎖状の飽和アルコール;イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの分岐状の飽和アルコール;オレイルアルコールなどの不飽和アルコール;などの、炭素数が12〜22のアルコール(いわゆる高級アルコール)が挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
毛髪用化粧料における脂肪族アルコールの配合量は、塗布性をより良好にするとともに、仕上がり時の毛髪の感触をより高める観点から、5質量%以上であることが好ましい。ただし、脂肪族アルコールの量が多すぎると、毛髪と馴染み難くなったり、仕上がり時に毛髪に硬さを感じるようになる傾向があることから、毛髪用化粧料における脂肪族アルコールの配合量は、7.5質量%以下であることが好ましい。
本発明の毛髪用化粧料に係るカチオン性界面活性剤は、毛髪用化粧料の乳化状態を維持する役割と、毛髪に吸着して毛髪を柔軟にする役割とを果たすものである。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、脂肪酸アミドアミン塩、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。脂肪酸アミドアミン塩としては、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどが挙げられる。モノアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。ジアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。ベンザルコニウム型4級アンモニウムとしては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどが挙げられる。本発明の毛髪用化粧料には、これらのカチオン性界面活性剤のうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
毛髪用化粧料におけるカチオン性界面活性剤の配合量は、毛髪用化粧料の乳化状態を安定に保ち、また、毛髪に吸着して毛髪の柔軟性を高める観点から、2質量%以上であることが好ましい。ただし、カチオン性界面活性剤の量が多すぎると、仕上がり時の毛髪の柔軟性向上効果が小さくなる虞があることから、毛髪用化粧料におけるカチオン性界面活性剤の配合量は、4質量%以下であることが好ましい。
本発明の毛髪用化粧料では、ノニオン性界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを使用する。これにより、毛髪用化粧料の塗布性を高め、また、仕上がり後の毛髪の水分量を高め、くせ毛のうねりによる広がりを抑えて、そのおさまりを良好にすることができる。
ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、ショ糖ベヘン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル(ステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、トリステアリン酸スクロース、ポリステアリン酸スクロースなど)、ショ糖パルミチン酸エステル(パルミチン酸スクロース、ヘキサパルミチン酸スクロースなど)、ショ糖ミリスチン酸エステル(ミリスチン酸スクロースなど)、ショ糖ラウリン酸エステル(ラウリン酸スクロース、ジラウリン酸スクロース、ポリラウリン酸スクロースなど)、ショ糖エルカ酸エステル(ペンタエルカ酸スクロース、ヘキサエルカ酸スクロースなど)、ショ糖オレイン酸エステル(オレイン酸スクロース、ポリオレイン酸スクロースなど)などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、ショ糖脂肪酸エステルには、種々のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値を有するものが存在するが、本発明の毛髪用化粧料においては、HLBが3〜7のものを使用することが好ましい。ショ糖脂肪酸エステルのHLBは、通常、ショ糖脂肪酸エステルのメーカーによって公表されており、本発明では、こうした情報に基づいて、使用するショ糖脂肪酸エステルのHLBを選択することができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンを平均10個縮重合したポリグリセリンと脂肪酸とのエステルが好ましく、グリセリンを平均10個縮重合したポリグリセリンと、オレイン酸とのモノエステル(モノオレイン酸デカグリセリル)がより好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1種のみを使用してもよく、複数種を併用してもよい。
ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとしては、例えば、エチレンオキサイドの平均付加モル数が、6以上のものが好ましく、30以上のものがより好ましく、また、60以下のものが好ましい。このようなポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビットなどが挙げられる[前記の各化合物中、「POE」は「ポリオキシエチレン」の略であり、その後の括弧内の数値は、エチレンオキサイドの付加モル数を意味している]。ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の毛髪用化粧料においては、ショ糖脂肪酸エステルの配合量とポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量との合計と、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量とのバランスを調整することが好ましく、これにより、毛髪用化粧料の塗布性の向上効果と、仕上がり後の毛髪の水分量を高め、くせ毛のうねりによる広がりを抑えて、そのおさまりを良好にする効果とがより向上する。
より具体的には、ショ糖脂肪酸エステルの配合量とポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量との合計をA(質量%)、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量をB(質量%)としたとき、A:Bを1:1〜8:1に調整することが好ましい。ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量Bに対して、ショ糖脂肪酸エステルの配合量とポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量との合計Aが小さすぎる毛髪用化粧料では、毛髪への塗布性の向上効果が小さくなる虞があり、また、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの作用によって、仕上がり後の毛髪のおさまりは良好になっても、毛髪にべたつきが生じる虞もある。他方、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量Bに対して、ショ糖脂肪酸エステルの配合量とポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量との合計Aが大きすぎる毛髪用化粧料では、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの作用が小さくなって、仕上がり後の毛髪のおさまりを良好にする効果が小さくなる虞がある。
また、毛髪用化粧料におけるショ糖脂肪酸エステルの配合量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、0.1質量%以上であることが好ましい。ただし、ショ糖脂肪酸エステルの量が多すぎると、仕上がり時に毛髪に硬さを感じるようになる傾向があることから、毛髪用化粧料におけるショ糖脂肪酸エステルの配合量は、1.0質量%以下であることが好ましい。
更に、毛髪用化粧料におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、0.1質量%以上であることが好ましい。ただし、ポリグリセリン脂肪酸エステルの量が多すぎると、仕上がり時に毛髪に硬さを感じるようになる傾向があることから、毛髪用化粧料におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量は、1.0質量%以下であることが好ましい。
また、毛髪用化粧料におけるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、0.1質量%以上であることが好ましい。ただし、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの量が多すぎると、仕上がり後の毛髪にべたつきが生じる虞があることから、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量は、0.5質量%以下であることが好ましい。
本発明の毛髪用化粧料は乳化物であり、水を主たる媒体とする。なお、媒体には、水のみを用いてもよく、必要に応じて、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール(炭素数が6以下のアルコール)などの有機溶媒を、媒体全量中5質量%以下程度の量で水と併用してもよい。毛髪用化粧料における媒体の配合量は、例えば、50〜90質量%であることが好ましい。
また、毛髪用化粧料には、ヒアルロン酸誘導体を配合することが好ましく、これにより、毛髪への塗布性を高める効果、および仕上がり後の毛髪の水分量を高め、くせ毛のうねりによる広がりを抑えて、そのおさまりを良好にする効果が、更に向上する。
ヒアルロン酸誘導体としては、例えば、ヒアルロン酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アセチルヒアルロン酸塩、カチオン化ヒアルロン酸などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
毛髪用化粧料におけるヒアルロン酸誘導体の配合量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、0.005質量%以上であることが好ましい。ただし、ヒアルロン酸誘導体の量が多すぎると、毛先のまとまりが低下しやすい傾向があることから、毛髪用化粧料におけるヒアルロン酸誘導体の配合量は、0.1質量%以下であることが好ましい。
本発明の毛髪用化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の毛髪用化粧料に配合されている各種成分を配合することができる。このような成分としては、例えば、動植物油脂、ロウ、炭化水素、脂肪酸、エーテル、エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル以外のノニオン性界面活性剤、ヒアルロン酸誘導体以外の水溶性高分子、シリコーン、保湿剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、香料などが挙げられ、このような成分の中から好ましいものを、適宜選択して配合することができる。
動植物油脂としては、例えば、エミュー油、馬油、ミンク油などの動物油脂;アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、ローズヒップ油、マカデミアナッツ油、パーシック油、綿実油、月見草油、メドウホーム油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、パーム油、ヒマシ油、グレープシード油、ヤシ油、硬化油、シア脂などの植物油脂;が挙げられる。ロウとしては、例えば、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ラノリン、ミツロウ、オレンジラフィー油などが挙げられる。
炭化水素としては、例えば、α−オレフィンオリゴマー、セレシン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸などが挙げられる。エーテルとしては、例えば、イソステアリルグリセリルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリンモノセチルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテルなどが挙げられる。
エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−ジエチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2−オクチルドデシル、イソパルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸2−オクチルドデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリ2−オクチルドデシル、リンゴ酸ジステアリル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリルなどの常温(25℃)で液状のエステル;ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、乳酸セチル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリルなどの常温で固体のエステル;などが挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル以外のノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。なお、上記の各ノニオン性界面活性剤におけるエチレンオキサイドの平均付加モル数は2〜50モルであることが好ましい。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルなどが挙げられる。更に、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルにおける脂肪酸としては、例えば、ウンデシレン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リノール酸などが挙げられる。
ヒアルロン酸誘導体以外の水溶性高分子としては、例えば、天然高分子、天然高分子誘導体、合成高分子などが挙げられる。カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ゼラチン、ペクチン、タマリンド種子多糖類、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、トラガカントガム、キトサンなどの天然高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、デンプンリン酸エステル、デンプングルコール酸ナトリウム、両性デンプン、カチオン化グアーガム、カルボキシメチル・ヒドロキシプロピル化グアーガム、ヒドロキシプロピル化グアーガムなどの天然高分子誘導体;カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体などの合成高分子;が挙げられる。シリコーンとしては、例えば、シクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、フェニルトリメチルシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ジメチコノールなどが挙げられる。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ソルビトール、トレハロース、高重合ポリエチレングリコールなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸などが挙げられる。防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノール、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、dl−α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、エリソルビン酸、無水亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸またはその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸またはその塩などが挙げられる。
本発明の毛髪用化粧料には、例えば、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、スタイリング剤などが含まれる。また、本発明の毛髪用化粧料は、縮毛矯正処理、パーマネントウェーブ処理、染毛処理といった化学処理を施す場合の前処理剤や後処理剤としても利用できる。なお、本発明の毛髪用化粧料は、毛髪に塗布後に洗い流して使用する用途、洗い流さずに使用する用途のいずれにも適用できるが、洗い流して使用する用途に適用することがより好ましい。
本発明の毛髪用化粧料は、例えば、適量を手に取り、濡れた状態の毛髪または乾燥した状態の毛髪に適量塗布する方法により使用されるが、毛髪への塗布の際には、毛髪用化粧料の成分が毛髪中に良好に浸透するように、毛髪用化粧料を付着させた毛髪を揉み込むことが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。なお、以下の表1〜表3では毛髪用化粧料全体で100%となるように、また、表4ではシャンプー全体で100%となるように、各成分の配合量を%で示すが、その%はいずれも質量%であり、また、表1〜表4中ではその%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。更に、本実施例で表1〜表4以外で用いる%も、特に断らない限り、質量%を意味している。
実施例1〜7および比較例1〜4
実施例1〜7および比較例1〜4の毛髪用化粧料を、表1〜表3に示す組成で調製した。なお、実施例1〜7および比較例1〜4の毛髪用化粧料は、これらの調製後に、いずれも良好に乳化していた。
表1〜表3において、水の欄の「計100とする」とは、毛髪用化粧料を構成する水以外の各成分の合計量に、水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している。また、表1〜表3における「ヒアルロン酸ナトリウム水溶液」は、ヒアルロン酸ナトリウムの濃度が0.25%のものである。更に、表1〜表3における「キレート剤」は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和塩である。また、表1〜表3における「A:B」は、毛髪用化粧料におけるショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量の合計Aと、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量Bとの比である。
実施例および比較例の毛髪用化粧料を用いて、毛髪への塗布性および処理後(仕上がり後)の毛髪のおさまりのよさを評価すると共に、処理前後での毛髪の水分量の差を測定した。
<毛髪への塗布性および処理後の毛髪のおさまりのよさの評価>
被験者5名の頭髪を、それぞれ別の専門の評価者5名が洗髪し、続いて実施例および比較例の毛髪用化粧料を塗布して仕上げ、その際の毛髪用化粧料の毛髪への塗布性と、処理後の毛髪のおさまりのよさとを、上記専門の評価者5名が評価した。まず、被験者の頭髪を表4に示す組成のシャンプー6gを用いて洗髪し、その後に実施例および比較例の毛髪用化粧料各6gを毛髪に付け、しっかりと毛髪を揉み込んだ後に温水で洗い流し、乾燥させた。そして、上記専門の評価者5名のそれぞれが、被験者の毛髪に毛髪用化粧料を付け、その毛髪を揉み込んだ際の毛髪用化粧料の塗布性と、処理後(乾燥後)の毛髪のおさまりのよさとを、下記の評価基準に従って点数付けした。
よい 2点、
ややよい 1点、
普通 0点、
やや悪い −1点、
悪い −2点。
表4における水の欄の「計100とする」とは、シャンプーを構成する水以外の各成分の合計量に、水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している。また、表4における「POE(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム」の「POE」は「ポリオキシエチレンの略で、その後の括弧内の数値はエチレンオキサイドの付加モル数を意味しており、「カチオン化セルロース」は、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチオアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース[Amerchol社製「UCARE Polymer JR−30M(商品名)」]であり、「防腐剤」は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物[ローム・アンド・ハース・ジャパン社製「ケーソンCG(商品名)」]であり、「キレート剤」は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和塩である。更に、表4におけるクエン酸の欄の「適量」は、シャンプーのpHが6となる量で使用したことを意味している。
そして、全評価者の点数を合計して、実施例および比較例の毛髪用化粧料のそれぞれについて、毛髪への塗布性と処理後の毛髪のおさまりのよさを評価した。
<毛髪用化粧料による処理前後での水分量の差の測定>
上記被験者のうち、最も毛髪のくせの強い者1名から、上記の毛髪への塗布性および処理後の毛髪のおさまりのよさを評価する前(洗髪前)の毛髪(すなわち、毛髪用化粧料での処理前の毛髪)0.5gと、各毛髪用化粧料で処理した後(乾燥後)の毛髪各0.5gとを採取した。次に、これらの毛髪を25℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上保管した後に、各毛髪約0.01gを採取してアルミホイルに精秤し、カールフィッシャー水分測定装置を用いて各毛髪中の水分量を測定した。そして、各毛髪用化粧料で処理した後の毛髪の水分量から、毛髪用化粧料での処理前の毛髪の水分量を引いて、これらの差を求めた。
上記の各評価結果を表5に示す。
表5に示す通り、脂肪族アルコール、カチオン性界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを配合した実施例1〜7の毛髪用化粧料は、毛髪への塗布性が良好で、これらの毛髪用化粧料で処理した毛髪は、処理前の毛髪に比べて水分量が多く、おさまりが良好である。また、上記の成分に加えて更にヒアルロン酸誘導体を配合した実施例7の毛髪用化粧料は、毛髪への塗布性、処理後の毛髪の水分量およびおさまりのよさが、特に優れている。
なお、A:Bの値が好適でない実施例5および実施例6の毛髪用化粧料のうち、Bの比率が大きな実施例6の毛髪用化粧料では、処理後の毛髪のおさまりは比較的良好であるが、毛髪にべたつきが生じていた。
これに対し、ショ糖脂肪酸エステルを配合しなかった比較例1の毛髪用化粧料は、毛髪への塗布性が劣っており、処理後の毛髪の水分量も低い。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合しなかった比較例2および比較例4の毛髪用化粧料、並びにポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを配合しなかった比較例3の毛髪用化粧料は、毛髪への塗布性が劣っており、また、処理後の毛髪の水分量が低く、おさまりのよさが劣っている。

Claims (3)

  1. 脂肪族アルコール、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が配合され
    ノニオン性界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルが配合されており、
    毛髪に塗布後に洗い流して使用されることを特徴とする乳化型毛髪用化粧料。
  2. ショ糖脂肪酸エステルの配合量とポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量との合計をA(質量%)、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量をB(質量%)としたとき、A:Bが1:1〜8:1である請求項1に記載の乳化型毛髪用化粧料。
  3. ヒアルロン酸誘導体が更に配合されている請求項1または2に記載の乳化型毛髪用化粧料。
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