JP5708609B2 - 内燃機関の気筒間の空燃比ばらつき異常検出装置 - Google Patents

内燃機関の気筒間の空燃比ばらつき異常検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の気筒間の空燃比ばらつき異常検出装置に関する。より詳細には、多気筒内燃機関の気筒間の空燃比ばらつきの異常の有無を、排気経路に設置された空燃比センサの出力に応じて判定する空燃比ばらつき異常検出装置に関する。
例えば、特許文献1には、多気筒内燃機関の気筒間の空燃比ばらつき異常の有無を判定する判定装置が開示されている。特許文献1によれば、気筒間に空燃比ばらつき異常(以下、「インバランス」とも称する)が生じている状態では、空燃比センサの信号の0.5次周波数成分が高くなる。特許文献1の判定装置では、空燃比センサの空燃比を示す信号の、機関回転数の0.5次周波数成分が抽出され、抽出された信号が、所定期間に渡って積算される。この積算値が閾値より大きい場合に、気筒間に空燃比ばらつき異常が生じていると判定される。
特開2009−270543号公報 特開2011−106309号公報 特開2010−203413号公報 特開2010−261846号公報 特開2010−038794号公報 特開2005−282475号公報 特開2012−092803号公報 特開2012−132392号公報 国際公開第2011−111183号
上記特許文献1のように、空燃比センサの出力信号を利用する気筒間のインバランスの判定装置において、空燃比センサに異常が生じていると、インバランスが生じている場合であっても、インバランス無し(正常)と判定するなど、誤判定をしてしまうことが起こり得る。
また、空燃比センサ出力は排気の圧力脈動の影響を受けるが、圧力脈動の影響は空燃比センサの個体差によるばらつきがある。従って、上記特許文献1のように、空燃比センサの出力の特定周波数成分のフィルタリング値を用いる場合、個体差によるばらつきと圧力脈動の影響によって、フィルタリング値及びその積算値にばらつきが生じる場合がある。このような場合、気筒間インバランスの誤判定が生じ得る。従って、より高い精度で気筒間インバランスの有無を判定できるシステムが望まれる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、気筒間の空燃比ばらつき異常判定において、異常な空燃比センサによる誤判定を抑制すると共に、より高い精度で気筒間の空燃比ばらつき異常の有無を判定できるように改良された空燃比ばらつき異常判定装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気通路に配置され、電極上に拡散層を備える空燃比センサを用いて、内燃機関の気筒間の空燃比ばらつき異常を検出する空燃比ばらつき異常検出装置であって、各気筒の空燃比が一定あるいは空燃比の変化がごく少ない内燃機関の回転数が十分に低下した燃料カット中における、前記空燃比センサの、前記内燃機関からの排気の圧力脈動の影響による出力変化量を推定又は検出する推定手段と、前記空燃比センサの実際の出力から前記出力変化量を除去した判定値に応じて前記空燃比ばらつき異常を検出する検出手段とを備える。
本発明において、推定手段は、出力変化量として、空燃比センサの出力の振幅又は振幅に応じた値を推定又は検出するものであってもよい。また、内燃機関の燃料カット運転中における空燃比センサの出力に応じて、出力変化量を推定又は検出するものであってもよい。
また、本発明の空燃比ばらつき異常検出装置は、更に、内燃機関からの排気の圧力脈動により、空燃比センサのセンサ素子が受ける圧力脈動を推定又は検出する手段と、第1振幅と第2振幅とを推定又は検出する手段とを更に備えるものとしてもよい。ここで第1振幅は、空燃比センサの出力の振幅であり、第2振幅は、第1振幅の検出時とは圧力脈動が異なるタイミングにおける空燃比センサの出力の振幅である。この場合、推定手段は、第1振幅と第2振幅との差異と、第1振幅検出時の圧力脈動と第2振幅検出時の圧力脈動との差異とに応じて、出力変化量を推定するものとすることができる。
また、本発明において、第1振幅及び第2振幅の検出するものの場合、その検出のタイミングは、共に、内燃機関の燃料カット運転中、及び、空燃比フィードバック制御の停止中であって同一の目標空燃比のとき、及び、空燃比フィードバック制御中であって目標空燃比が理論空燃比を含む基準範囲内にない同一の空燃比のとき、のうち、いずれかのタイミングとしてもよい。
また、本発明の空燃比ばらつき異常検出装置は、内燃機関の空燃比フィードバック制御運転中であって、目標空燃比が理論空燃比を含む基準範囲内に設定されている場合に、目標空燃比を基準範囲外のリッチ又はリーン空燃比に設定する手段と、目標空燃比をリッチ又はリーン空燃比とするフィードバック制御運転中に圧力脈動を強制的に変動させる制御を行う手段を、更に備えるものとしてもよい。この場合、第1振幅及び第2振幅の検出タイミングは、圧力脈動を強制的に変動させる制御中とすることができる。
また、本発明の空燃比ばらつき異常検出装置は、出力変化量が所定範囲外である場合に、空燃比センサの異常有りの判定をする手段を、更に備えるものであってもよい。
また、本発明における、上記の判定値は、空燃比ばらつき異常の検出時の、内燃機関の1サイクル中の空燃比センサの出力の振幅であってもよい。また、上記の判定値は、空燃比センサの出力の単位クランク角あたりの変化の割合であってもよい。
また、本発明において検出手段は、判定値を出力変化量に応じて補正した値が、基準値を越えている場合に、空燃比ばらつき異常を検出するものであってもよい。また、検出手段は、判定値が、基準値を出力変化量に応じて補正した値を超えている場合に、空燃比ばらつき異常を検出するものであってもよい。
また、本発明において、推定手段は、出力変化量の推定又は検出がされた後、内燃機関の運転時間が基準時間を越えた場合、あるいは、内燃機関を搭載する車両の走行距離が基準距離を越えた場合、出力変化量を、再度、推定又は検出するものとしてもよい。
また、本発明において検出手段は、出力変化量と、出力変化量を推定又は検出する期間中の吸入空気量と、判定値とに応じて、空燃比ばらつき異常を検出するものとしてもよい。
本発明によれば、空燃比センサの出力の圧力脈動の影響による変化量である出力変化量を推定又は検出し、この出力変化量と空燃比センサの出力とに応じて、空燃比ばらつき異常を検出することができる。内燃機関の1サイクルの中で、空燃比センサの出力は、気筒間の空燃比ばらつきの影響と、圧力脈動の影響とを受けて変動する。この点、圧力脈動の影響による出力変化量を推定又は検出し、空燃比センサの実際の出力から圧力脈動の影響による出力変化分を除去して、空燃比ばらつき異常の検出を行うことができる。これにより、本発明によれば、気筒間の空燃比ばらつきが、空燃比センサの出力に与えた出力変動分のみに基づいて、よりに高い精度で空燃比ばらつき異常を検出することができる。
また、特に、圧力脈動の影響は、1サイクルの中での空燃比センサの出力振幅、又は振幅の変化に現れる。従って、圧力脈動の影響による出力変化量として、振幅又は振幅に応じた値を用いることで、より高い精度で空燃比ばらつき異常を検出することができる。
また、特に燃料カット運転中は、気筒間の空燃比ばらつきが生じない状態にある。従って、燃料カット運転中のセンサ出力変化量は、圧力脈動の影響のみに起因すると考えられる。従って、燃料カット運転中の出力変化量を用いることで、空燃比ばらつき検出時のセンサ出力から圧力脈動の影響によるものを除去することができ、高い精度で気筒間の空燃比ばらつきを検出することができる。
また、本発明において、第1振幅及び第2振幅の検出のタイミングを、内燃機関の燃料カット運転中、及び、空燃比フィードバック制御の停止中、及び、空燃比フィードバック制御中であって目標空燃比が理論空燃比を含む基準範囲内にない状態での運転中、あるいは、圧力脈動を強制的に変動させる制御中とするものであれば、空燃比ばらつき異常による影響がある程度一定の環境下で、第1振幅及び第2振幅を検出することができる。従って、より高い精度で空燃比ばらつき異常の判定を行うことができる。
また、空燃比センサの出力への圧力脈動の影響が過度に小さい場合、あるいは過度に大きい場合には、センサ素子の拡散層に何らかの異常が生じていると考えられる。この点、本発明の、出力変化量が所定範囲外である場合に、空燃比センサの異常有りの判定をするものであれば、空燃比ばらつき異常の検出にあたり、空燃比センサの異常をも検出することができる。またこれにより、異常な空燃比センサによる空燃比ばらつき異常の誤判定を抑制することができる。
また、燃料カット運転中のセンサ出力変化量は、圧力脈動の影響のほかに、吸入空気量によっても変化する。従って、燃料カット運転中のセンサ出力変化量を、空燃比ばらつき異常の検出に用いるものについては、更に吸入空気量を考慮することにより、より高い精度で空燃比ばらつき異常を検出することができる。
本発明の実施の形態1のシステムの全体構成について説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1の空燃比センサのセンサ素子の構成について説明するための模式図である。 圧力脈動の変化に対する空燃比センサの出力の変化について説明するための図である。 本発明の実施の形態1において用いられる圧力脈動の変化と空燃比センサの振幅の変化との関係について説明するための図である。 本発明の実施の形態1において用いられるインバランス率の変化と空燃比センサの振幅の変化との関係について説明するための図である。 本発明の実施の形態1において用いられるインバランス率、空燃比センサの振幅、及び圧力脈動との関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において用いられる回転数とバルブタイミングと吸入空気量と圧力脈動との関係について定めたマップについて説明するための図である。 本発明の実施の形態1における空燃比センサの異常判定とインバランス判定とについて説明するための図である。 本発明の実施の形態1における空燃比センサの異常判定とインバランス判定とについて説明するための図である。 本発明の実施の形態1において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 内燃機関の吸入空気量とセンサ出力の傾きとの関係を説明するための図である。 内燃機関の燃料カット運転中における、吸入空気量と振幅率との関係を説明するための図である。 内燃機関の燃料カット運転中における振幅率と、センサ出力の傾きとの関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態2における燃料カット運転中の振幅率と、補正係数との関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において補正されたセンサ出力の傾きと、補正前のセンサ出力の傾きとを説明するための図である。 本発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 内燃機関の燃料カット運転中の振幅率と、吸入空気量との関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態2の制御により算出される傾き補正係数と吸入空気量との関係について説明するための図である。 本発明の実施の形態4における吸入空気量と、振幅率補正係数との関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態4における吸入空気量と、傾き補正係数との関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態4において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
実施の形態1.
[本実施の形態1の空燃比センサ及びその周辺機器の構成]
図1は、本発明の実施の形態1におけるシステムの全体構成について説明するための模式図である。図1のシステムは、車両等に搭載して用いられる。このシステムは内燃機関2を備えている。内燃機関2のクランクシャフト近傍にはクランク角センサ4が配置されている。クランク角センサ4はクランク角に応じた出力を発するセンサである。
内燃機関2の吸気経路30には、スロットルバルブ32が設置され、その上流側に、エアフロメータ34が設置されている。エアフロメータ34は吸入空気量に応じた出力を発するセンサである。一方、内燃機関2の排気経路40には、空燃比センサ42が設置されている。空燃比センサ42は、検出対象となるガスの空燃比に応じた出力を発する限界電流式のセンサである。空燃比センサ42の下流には触媒44が配置されている。
また、このシステムは、制御装置50を備えている。制御装置50の出力側には各種アクチュエータが接続され、入力側にはクランク角センサ4、エアフロメータ34、空燃比センサ42の他、各種センサが接続される。制御装置50は、各種センサ信号を受けて排気ガスの空燃比やクランク角、吸入空気量、機関回転数、その他内燃機関の運転に必要な種々の情報を検出すると共に、所定の制御プログラムに従って各アクチュエータを操作する。なお、制御装置50に接続されるアクチュエータやセンサは多数存在するが、本明細書においてはその説明は省略する。
図2は、本発明の実施の形態1におけるシステムにおいて用いられる空燃比センサ42のセンサ素子10について説明するための断面模式図であり、図2の(a)はセンサ素子10の全体構成を表し、(b)は、センサ素子の一部を拡大して表している。空燃比センサ42は、図2に示す断面構造を有するセンサ素子10と、そのセンサ素子10を保護するためのカバー(図示せず)とを備えている。空燃比センサ42は、カバーに覆われたセンサ素子10が排気ガスに晒されるように、内燃機関の排気通路に組み付けられる。空燃比センサ42のカバーには、排気通路の内部を流通する排気ガスがセンサ素子10に到達するように複数の通気孔が設けられている。
図2に示されるように、センサ素子10は、固体電解質12と、固体電解質12を挟む一対の電極である排気側電極14と大気側電極16とを備えている。排気側電極14の表面には、拡散層18が排気側電極14を覆うように形成されている。拡散層18は、多孔質性の材料で形成され、排気通路を流れる排気ガスを均質化させ、その流れを適度に律速させる機能を有している。
一方、固体電解質12の大気側電極16が配置された側には、絶縁基材20が配置されている。絶縁基材20には凹部が形成れ、この凹部と固体電解質12とで囲まれて大気室22が形成されている。大気側電極16は、固体電解質12の大気室22が形成された部分に配置されている。大気室22には、基準ガスとしての大気が外部から導入されるようになっている。大気側電極16表面は大気室22に導入される大気に接する。
[本実施の形態1の制御]
本実施の形態1において、制御装置50が実行する制御には、空燃比センサ42の異常検出と、気筒間に生じる空燃比のばらつき異常(以下、気筒間の空燃比のばらつき異常を、単に「インバランス」とも称する)の有無を判定する制御が含まれる。
<インバランスの有無の判定>
従来のシステムでは、例えば、インバランスを、空燃比センサの応答特性の指標の1つであるステップ応答に基づき検出するものがある。しかし、内燃機関の1サイクルの運転内の排気ガスの空燃比の変動周期は、一般に空燃比センサのステップ応答の変動周期よりも早い。具体的に、排気ガスの空燃比の変動周期が約1ms〜60msであるのに対し、ステップ応答の変動周期は100ms〜500ms程度であり、時間スケールが大きく異なる。従って、ステップ応答では、1サイクル中に起きる排気ガス空燃比の変化の異常を高い精度で検出することは難しいと考えられる。
ところで、ステップ応答の変動にはカバーのガス交換性の寄与が大きいが、内燃機関の1サイクルの燃焼の中に検出される空燃比の挙動には、センサ素子10内での排気ガスの到達速度及びセンサ素子10自身が持つ応答特性の影響が大きい。従って、空燃比センサ42のセンサ素子10自体の応答特性の変化を車載状態で把握することができれば、1サイクル中の排気ガス空燃比の変動の異常を把握し、気筒間インバランスを高い精度で検出できると考えられる。
センサ素子10自体の応答特性に対しては、拡散層の抵抗、拡散層の長さが支配的である。具体的には、拡散層18の抵抗が小さく、長さL(図2(b)参照)が短い場合ほど、応答特性が速くなる傾向がある。また応答特性が速いセンサ素子の場合、そのセンサ出力の、静的な圧力に対する圧力依存性は小さくなるが、動的な圧力依存性である脈動影響は大きくなる。従って、センサ素子の応答特性を把握してインバランスを判定するためには、脈動影響によるセンサ出力の変動をとらえることが有効である。
図3は圧力脈動を加えた場合の、圧力脈動、クランク角CA、センサ出力である限界電流ILの変化を表す図である。図3の例では排気ガスの空燃比は一定である。図3に示されるように、センサ出力は、空燃比が一定であっても、圧力脈動の影響を受けて脈動する。このときセンサ出力の振幅(センサ振幅)は例えば、拡散層18の気孔率が大きいほど、また拡散層18の長さが短いほど大きくなる。
図4は、検出対象となる排気ガスの圧力脈動を変化させた場合における、圧力脈動に対するセンサ振幅の変化を説明するための図である。図4において、横軸は圧力脈動、縦軸はセンサ振幅を表している。なお、本実施の形態1において圧力脈動の大きさは、圧力脈動の振幅を意味するものとする。また、図4において、検出対象となる排気ガスの空燃比は変化させていない。
図4に示されるように、空燃比が一定の環境では、圧力脈動とセンサ振幅は比例的に変化し、圧力脈動が大きくなるほど、センサ振幅も大きくなる。本実施の形態1では圧力脈動の単位あたりの、センサ振幅の変化(図4の傾き)を脈動係数kiとする。脈動係数kiは、脈動影響の大きさを示す空燃比センサ固有の値であり、理論的には、排気ガス空燃比が同一の環境下であれば固定値として得られる値である。
図5は、気筒間の空燃比にばらつきを生じさせた場合の、空燃比インバランス率に対するセンサ振幅の変化を表している。図5において横軸はインバランス率、縦軸はセンサ振幅である。図5の例では、圧力脈動は一定の状態としている。また、インバランス率は、気筒間の空燃比インバランスの度合いを示す値である。図5では、例えば各気筒に噴射される燃料噴射量を変更して強制的にインバランス状態を発生させたものであり、ここでのインバランス率は、基準の燃料噴射量に対する実際の噴射量の平均値として表される。
図5に示されるように、圧力脈動が一定の環境下では、インバランス率とセンサ振幅とは比例的な相関関係を有し、インバランス率が大きくなるほど、センサ振幅も大きくなることがわかる。インバランス率の単位変化あたりのセンサ振幅の変化(図5の傾き)を空燃比変動率ΔA/Fとすると、空燃比変動率ΔA/Fも、空燃比センサ固有の値であり、圧力脈動が同一の環境下であれば理論的には固定値として得られる値である。
以上の関係から、センサ振幅と、脈動係数kiと空燃比変動率ΔA/Fとの関係は、次式(1)で表される。
Figure 0005708609
ここで、αが係数であり、βは限界電流に応じて設定される値である。
図6は、インバランス率に対するセンサ振幅の変化を説明するための図である。図6において、横軸はインバランス率、縦軸はセンサ振幅の変化の傾きである。また、図6の例では、圧力脈動を変化させている。図6において線(a)は脈動が大きい場合、線(b)は脈動が小さい場合を示す。センサ振幅は、インバランス率と圧力脈動と相関を有する。具体的には、図6に示されるように、インバランス率が大きい場合ほど、また、圧力脈動が大きい場合ほど、センサ振幅が大きくなる関係を有している。
上記の関係を利用し、本実施の形態1では、空燃比が一定、あるいは空燃比の変化がごく少ない環境下で、センサ振幅と圧力脈動とを検出又は推定する。更に、センサ振幅と圧力脈動との関係から、圧力脈動の影響による出力変化量として、脈動係数kiを算出する。更に、算出された脈動係数kiの逆数を補正係数として、センサ振幅を補正することで、脈動影響を除去したセンサ振幅を求めることができる。脈動影響を除去したセンサ振幅と、インバランス率とは、図5に示すような相関を有する。従って、脈動係数kiに補正したセンサ振幅を、インバランス判定パラメータとして用いて、インバランス判定を行う。以下、具体的に説明する。
(空燃比センサのセンサ振幅と圧力脈動の推定)
ある時点iでのセンサ振幅は、脈動係数kiと、空燃比変動率ΔA/F、空気量等と相関を有し、次式(2)により算出される。式(2)において、Kは定数、NEは機関回転数である。また、脈動係数は、前回算出されて制御装置50に記憶されている値(脈動係数k(i−1))を用いるものとする。空燃比変動率ΔA/Fは、脈動係数ki算出制御中の1サイクルの中での空燃比センサ42の出力の単位時間(または単位クランク角)あたりの変化量を検出することで求められる。
Figure 0005708609
また、圧力脈動は、回転数、空気量、バルブタイミングと相関を有する。バルブタイミングは、例えば可変動弁機構(VVT)により制御される。図7は、内燃機関の回転数、吸入空気量、バルブタイミング(VVT)と、圧力脈動との関係を定めたマップについて説明するための図である。本実施の形態1では、図7に示されるような、回転数、吸入空気量、バルブタイミングと、圧力脈動との関係を予め求め、この関係を定めたマップを制御装置50に記憶しておく。実際の制御においては、回転数、吸入空気量、バルブタイミングを検出することで、圧力脈動が求められる。
(脈動係数kiの算出)
ある時点iにおける脈動係数kiは、単位圧力脈動あたりのセンサ振幅の変化として求める。具体的には、次式(3)に示すように、空燃比が一定(あるいは変化のほとんどない環境下)において、圧力脈動が異なる2つのタイミングにおけるセンサ振幅と、そのタイミング間の圧力脈動の差から、脈動係数kiを算出される。
Figure 0005708609
上記式(3)において、第1振幅は、ある検出タイミング(第1検出時点)におけるセンサ振幅である。また、第2振幅は、第1検出時点とは異なる検出タイミング(第2検出時点)におけるセンサ振幅である。第1振幅及び第2振幅は、それぞれの検出時点における各種検出値に応じて、式(2)に従って算出される。
また、上記式(3)において脈動変化量は、第1検出時点における圧力脈動と第2検出時点における圧力脈動との差である。各圧力脈動は、図7に説明したマップにより、第1検出時点、第2検出時点における回転数、吸入空気量、バルブタイミングに応じて算出される。具体的に、第1検出時点での圧力脈動が図7のa9であり、第2検出時点での圧力脈動がa1であった場合には、脈動変化量はa1−a9となる。
気筒間にインバランスが生じている場合、第1振幅、第2振幅のそれぞれには、インバランスの影響が含まれる。しかし、第1振幅、第2振幅は、空燃比が一定(あるいはほとんど変化のない)環境で検出される。従って、インバランスが生じていても、第1振幅及び第2振幅検出時のインバランス率は一定であり、第1振幅と第2振幅とのセンサ出力に含まれる、インバランスの影響による振幅の増加分は同一又は近似すると想定される。従って、上記式(3)により算出される脈動係数kiは、インバランスの影響がある程度排除されたセンサ振幅に応じたものであり、つまり、圧力脈動の影響による空燃比センサ42の出力(振幅)の変化量に応じたものとなる。
(インバランス判定パラメータの算出)
上記のように、圧力脈動が一定の状態であれば、インバランス率とセンサ振幅とは比例関係を示す。従って、センサ振幅から、圧力脈動の変動による影響を除去した値を、インバランス判定パラメータとすることで、高い精度でインバランスの有無を判定することができる。従って、式(4)に示されるように、インバランス判定パラメータは、センサ振幅に基準係数を掛け、更に、算出された脈動係数kiの逆数を掛けた値とする。なお、基準係数は、初期状態の空燃比センサ42の脈動係数の初期値k0や、後述するインバランスの判定閾値との関係で設定される値である。
Figure 0005708609
なお、式(4)において判定値であるセンサ振幅は、インバランス判定時に検出されるセンサ出力の、1サイクル内における最大値と最小値との差として算出する。あるいは、複数サイクル間のセンサ振幅を算出し、この平均値を判定値としてもよい。上記式(3)により算出される第1、第2振幅が、脈動係数ki算出時の運転条件を満たす状態で検出されたセンサ出力に基づくセンサ振幅であるのに対して、ここでのセンサ振幅は、実際のインバランス検出制御において検出されたセンサ出力の振幅である。
本実施の形態1では、上記の通りに算出されたインバランス判定パラメータが判定閾値(閾値)より大きい場合に、インバランス有りと判定する。判定閾値は、インバランス判定パラメータとの関係で、許容されるインバランス率等を考慮した適正な値に設定され、制御装置50に予め記憶された値である。
<空燃比センサの異常検出>
ところで、上記により算出された脈動係数kiは、理論的には空燃比センサごとの固有値となる。しかし脈動係数kiは、拡散層18における抵抗により大きな影響を受ける。仮に、拡散層18にクラックが生じているような場合、拡散層18における抵抗は小さくなるため、脈動係数kiは大きくなる。一方、例えば、拡散層18が目詰まりを起こしている場合など、実際の拡散層の気孔率が大きく低下しているような場合には、拡散層18の抵抗は大きくなる。このため、脈動係数kiは小さな値となる。
従って、本実施の形態1では、脈動係数kiが、その初期値k0を中心に定められる許容範囲内にない場合、空燃比センサ42の異常と判断する。具体的には、脈動係数kiの初期値k0を中心とする許容範囲(所定範囲)の上限値、下限値を定め、算出された脈動係数kiが、下限値より小さい場合、又は上限値より大きい場合に、空燃比センサ42の異常と判別する。
[本実施の形態1のインバランス判定と空燃比センサの異常検出]
図8は、本実施の形態1におけるインバランス判定と空燃比センサ42の異常検出とについて説明する図である。図8において横軸は脈動係数ki、縦軸はインバランス判定パラメータである。また、図8の例は実際のインバランス率が50%における例を表している。
インバランス率50%であるとき、インバランス判定パラメータに対する判定閾値は、図8の閾値の線に示されるように、脈動係数kiの値に関わらず一定である。図8の例では、判定閾値よりインバランス判定パラメータが小さい場合、インバランス無しと判定され、判定閾値以上である場合、インバランス有りと判定される。
ただし、図8に示されるように、インバランス判定に先立って、脈動係数kiが下限値より小さい場合、及び上限値より大きい場合、空燃比センサ42の異常と判定される。例えば、点Aのインバランス判定パラメータが算出されたような場合には、空燃比センサ42の異常と判定され、インバランス無しとの判定はされない。このように、インバランスがある場合に、空燃比センサ42の異常によりインバランス無しとの判定がなされるのを抑制することができる。
図9は、本実施の形態1におけるインバランス判定パラメータと脈動係数kiとの関係を説明するための図である。図9において、横軸は脈動係数ki、縦軸はインバランス判定パラメータを表している。図9において、脈動係数kiが、左側の下限値より小さい領域及び右側の上限値より大きい領域は空燃比センサ42の異常と判定される範囲である。
また、図9において、基準線は、インバランス有りと判断されるべきインバランス率における、脈動係数kiとインバランス判定パラメータとの関係を表している。従って、図9では、算出された脈動係数kiとインバランス判定パラメータとで示される点が、基準線より大きい側の領域にプロットされる場合にインバランス有りと判定される。
本実施の形態1の具体的な制御においては、上記式(4)に示したように、インバランス判定パラメータは、基準係数/脈動係数kiにより補正される。これにより、例えば、算出された脈動係数kiとセンサ振幅とが図9中のA点で示される場合に、判定の基準軸上の点A´に補正された値がインバランス判定パラメータとなる。点A´は、基準軸と基準線との交点である判定閾値より小さい。従って、ここでは、インバランス無しと判定される。
一方、算出された脈動係数kiとセンサ振幅とが図中のB点で示される場合、インバランス判定パラメータは、基準軸上の点B´に補正された点である。点B´は判定閾値より大きい値であるから、インバランス有りと判定されることとなる。
[本実施の形態1の制御を実行する運転状態]
なお、理論空燃比(以下「ストイキ」とも称する)を含んでストイキ近傍の基準範囲の空燃比で制御されている環境下においては、センサ出力自体が小さくなるため、高い精度で脈動係数kiやインバランス判定パラメータ等を算出することは難しい場合がある。従って、本実施の形態1では、より大きくセンサ出力等が変化する環境下で各値を検出又は算出するため、以下の検出タイミングで必要な検出値(機関回転数、吸入空気量、バルブタイミング等)を検出する。
(1)第1、第2検出時点とも燃料カット運転中であって、かつ第2検出時点は、機関回転数が第1時点よりも大きくしたとき。
(2)第1、第2検出時点ともフィードバック制御中でないとき、かつ空燃比が同一の環境であって、かつ第2検出時点は、第1振幅の検出時点とは圧力脈動が大きく異なるとき。
(3)第1、第2検出時点ともフィードバック制御中であり、空燃比が同一であり、かつリッチ又はリーン側のいずれかに振れているときであって、かつ、第2検出時点は、第1検出時点とは圧力脈動が大きく異なるとき。
(4)ストイキを含む基準範囲でのフィードバック制御中(以下、ストイキ運転中)である場合には、空燃比をリッチ側、リーン側の基準範囲外の一定の目標値に設定し、更に、圧力脈動が強制的に変動するようにバルブタイミングを制御する。この制御中を第1、第2検出時点とする。
[本実施の形態1の具体的な制御のルーチン]
図10は、本発明の実施の形態1において制御装置50が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図10のルーチンは内燃機関の運転中に一定周期で繰り返し実行されるルーチンである。図10のルーチンでは、まず、第1振幅の算出に必要となる検出値が検出される(S102)。具体的には、上記式(2)により、第1振幅を算出するために必要となる検出値であり、例えば、現在の内燃機関の回転数、バルブタイミング、吸入空気量、及びこれらにより推定される圧力脈動などが検出される。
次に、ステップS102の第1検出時点から現在までの運転状態が、燃料カット(F/C)運転であるか否かが判別される(S104)。燃料カット運転中である場合、第1検出時点から機関回転数が十分低下したか否かが判別される(S106)。ここで機関回転数が十分低下したか否かの判別は、例えば、第1検出時点における機関回転数と現在の回転数との差が、予め設定された基準値より大きいか否かに基づいて判別される。機関回転数の十分な低下が認められない場合、ステップS104に戻される。一方、機関回転数の十分な低下が認められた場合、ステップS120の処理に進む。
また、ステップS104において燃料カット運転であることが認められない場合、次に、ステップS102の第1検出時点と現在との内燃機関の運転状態が、フィードバック(FB)制御中であるか否かが判別される(S108)。
ステップS108において、フィードバック制御中であることが認められると、次に、第1検出時点と現在との内燃機関の運転状態が、共に、ストイキ運転中であるか否かが判別される(S110)。ここでストイキ運転中であるか否かの判別は、例えば、目標空燃比が、予め設定されたストイキを含む所定範囲内の値であるか否かに基づき判別される。
ステップS108において、フィードバック制御中であることが認められない場合、又は、ステップS110において、ストイキ運転中であることが認められない場合、次に、圧力脈動が、ステップS102の第1検出時点から大きく変化したか否かが判別される(S112)。圧力脈動が大きく異なるか否かは、例えば、第1検出時点と現在とで、機関回転数、吸入空気量、及び/又はバルブタイミングが大きく変化しているかなどにより判別される。ステップS112において、圧力脈動の変化が大きいことが認められない場合、ステップS104に戻される。一方、圧力脈動の変化が大きいことが認められると、ステップS120の処理に進む。
また、ステップS108においてフィードバック制御中であることが認められ、かつ、ステップS110において、ストイキ運転中であることが認められた場合、次に、空燃比フィードバック制御における目標空燃比が、所定のリッチ側又はリーン側に基準範囲外の値に設定され、このリッチ又はリーンの目標空燃比に制御される(S114)。
その後、再び、第1振幅の各検出値が検出される(S118)。次に、脈動アクティブ制御が実行される(S116)。ここでは、ステップS114において設定された目標空燃比に維持された空燃比フィードバック制御の状態で、圧力脈動が大きく変化するようにバルブタイミングが所定のタイミングで制御される。その後ステップS120の処理に進む。
ステップS120の処理では、第2振幅を算出するための各検出値が検出される。具体的には、機関回転数、吸入空気量、バルブタイミング、及びこれらにより推定される圧力脈動等が検出される。
次に、脈動係数kiが算出される(S122)。脈動係数kiは、ステップS102、S120においてそれぞれ検出された、第1振幅と第2振幅と、第1検出時点、第2検出時点での圧力脈動に応じて、上記式(3)に従って演算される。
次に、空燃比センサ42に異常が認められるか否かが判別される(S124)。具体的には、ステップS122で演算された脈動係数kiの値が、下限値より小さいか、あるいは上限値より大きいか否かに基づき判別され、下限値より小さい場合又は上限値より大きい場合には、空燃比センサ42の異常と判別される。なお、この上限値、下限値は、上記の通り脈動係数の初期値k0を含む適当な範囲に予め設定され、制御装置50に記憶された値である。
ステップS124において、空燃比センサ42の異常が認められた場合、空燃比センサ42の異常と判定され(S126)、MIL等の警告灯が点灯されるなど異常時の所定の処理が実行された後、今回の処理は終了する。
一方、ステップS124において、空燃比センサ42の異常が認められない場合、次に、インバランス判定パラメータが算出される(S128)。インバランス判定パラメータ算出においては、まず、制御の開始から現在までのセンサ出力の最大値から最小値を減算したセンサ振幅が求められる。このセンサ振幅と、基準係数、及びステップS122で演算された脈動係数kiに応じて、式(4)に従って、インバランス判定パラメータが算出される。
次に、ステップS128で算出されたインバランス判定パラメータが、判定閾値より大きいか否かが判別される(S130)。判定閾値は、許容されるインバランス率等を考慮して決定され、予め制御装置50に記憶された値である。
ステップS130において、インバランス判定パラメータ>判定閾値の成立が認められた場合、インバランス有りと判定され(S132)、インバランス有り時に行われる所定の処理が実行された後、今回の処理は終了する。
一方、ステップS130において、インバランス判定パラメータ>判定閾値の成立が認められない場合には、インバランス無しと判断されるため、今回の処理は、このまま終了する。
以上説明したように、本実施の形態1では、圧力脈動による影響を踏まえ、空燃比センサ42の異常を検出すると共に、気筒間に生じているインバランスを判定することができる。従って、より高い精度で空燃比センサ42の異常を判定すると共に、圧力脈動の変化の影響を除去したセンサ出力に基づく判定パラメータにより、インバランスの有無を判定することができる。従って、異常な空燃比センサ42による誤判定を防ぐと共に、インバランス判定の精度を向上させることができる。
[本実施の形態1の制御の他の例について]
なお、本実施の形態1では、脈動係数kiにより、センサ出力を補正する場合について説明した。しかし、本発明においては脈動係数kiによる補正対象はこれに限るものではなく、例えば、判定閾値を補正するものであってもよい。この場合、たとえば図9の例では、判定閾値が基準線上の点になるように、判定閾値に脈動係数kiと所定の係数とを掛けることで判定閾値を補正する。そして、センサ振幅と、脈動係数kiにより補正された判定閾値とを比較する。このように判定閾値を補正することでも、同様に、脈動影響を除いて、高い精度でインバランス判定を行うことができる。
また、本実施の形態1では、インバランス判定のための判定値として、センサ振幅を用いる場合について説明した。しかし本発明はこれに限るものではなく、インバランス率と相関を有する他の判定値を用いたものであってもよい。具体的に例えば、インバランス率は、単位クランク角あたりの空燃比センサ42の出力変化の割合と相関を有する。また、空燃比センサ42の出力変化の割合は、脈動影響を受ける。従って、出力変化の割合を判定値として用いる場合にも、脈動係数kiにより脈動影響を除去するように補正することで、インバランス有無の判定をより正確に行うことができる。また、出力変化の割合に対する、判定閾値を脈動係数kiにより補正するものであってもよい。また、インバランス判定のための判定値は、センサ振幅や空燃比センサ42の出力変化の割合に限るものでもなく、センサ出力の変化に応じて算出される他の判定値を用いるものであってもよい。
また、脈動係数kiを、式(3)により求める場合について説明した。しかし、本発明において脈動係数kiの算出方法はこれに限られるものではなく、第1振幅、第2振幅にインバランスによる影響が含まれる場合であってもこれらが排除されるように、第1振幅と第2振幅との差異に応じて脈動係数kiが設定されればよい。従って、脈動係数kiは、次式(5)又は式(6)のように、第1振幅又は第2振幅に対する、第1振幅と第2振幅との差の割合としてもよい。
Figure 0005708609
Figure 0005708609
あるいは、脈動係数kiは、次式(7)又は式(8)のように、第1振幅と第2振幅との割合としてもよい。
Figure 0005708609
Figure 0005708609
また、本実施の形態1では、空燃比センサ42の異常検出と、インバランス判定とを同時に行う場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、脈動係数kiを用いた、空燃比センサ42の異常検出のみであってもよい。あるいは、空燃比センサ42の異常検出を行わず、インバランス有無の判定のみを行うものであってもよい。このように空燃比センサ42の異常検出を行わない場合であっても、脈動係数kiによる補正後にインバランスの判定を行うことで、インバランス判定の精度を向上させることができる。
また、本実施の形態1においては、上記(1)〜(4)の運転中に、インバランス判定と空燃比センサ42の異常検出とを行う場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、他の運転環境下でインバランス判定や空燃比センサ42の異常検出を行うものであってもよい。
実施の形態2.
実施の形態2のシステム及び空燃比センサは、図1、図2に示すシステム及び空燃比センサ42と同一の構成を有している。実施の形態1では、第1振幅と第2振幅と、圧力脈動の変化量とに応じて脈動係数Kiを求め、これにより判定値を補正し、補正後のインバランス判定パラメータに基づきインバランス判定を行う場合について説明した。
これに対し、実施の形態2では、圧力脈動の影響によるセンサ出力の変化量(出力変化量)を、燃料カット運転(以下「FC」とも称する)中の振幅率(以下「FC中振幅率」とも称する)から求める場合について説明する。図11は、内燃機関の吸入空気量とセンサ出力の傾きとの関係を説明するための図である。図11において横軸は吸入空気量を表し、縦軸はセンサ出力の傾きを表している。
図11から、インバランスが生じている場合、内燃機関の燃焼の1サイクルの中でのセンサ出力の傾き(以下「出力傾き」とも称する)は大きくなることが判る。インバランス率と出力傾きとは相関を有している。また、空燃比センサは応答性にある程度の公差を有している。上記したように空燃比センサの応答性が異なると圧力脈動の影響が異なり、応答性が速いセンサほど圧力脈動の影響は大きくなる。従って、図11に示されるように、応答性が公差の下限(応答性が遅い)空燃比センサでは出力傾きが小さくなり、応答性が公差の上限(応答性が速い)の空燃比センサでは、出力傾きが大きくなる。この傾向は、インバランスが生じている場合の方が顕著となる。そして、特に、インバランスが生じていない場合(正常時)における応答性が上限の出力傾きと、インバランスが生じている場合の応答性が下限の出力傾きとの間の差は小さくなる。従って、1サイクル中の出力傾きに基づいてインバランスの有無の判定を行う場合、応答性による圧力脈動の影響を除去することが必要である。
図12は、FC中の、吸入空気量とFC中振幅率との関係を説明するための図である。図12において横軸は吸入空気量、縦軸はFC中振幅率を表している。なお、FC中振幅率は、センサ出力の振幅の、出力平均値に対する割合を言うものとする。内燃機関のFC中、排気ガス空燃比は大気に対応する一定値となる。従って、仮にインバランスが生じていても、センサ出力はインバランスの影響を受けない。従って、FC中の出力の変化は、圧力脈動に起因するものと考えられる。つまり、FC中のセンサ出力変化量であるFC中振幅率には、インバランスの影響が排除された、センサ素子10のサイクル間の応答性の差(つまり脈動影響の差)が現れているものと考えられる。具体的には、図12に示されるように、サイクル応答性が速い空燃比センサほどFC中振幅率は大きくなり、サイクル応答性が遅いセンサほどFC中振幅率が小さくなる。
図13は、FC中振幅率と、出力傾きとの関係を表している。図13において横軸はFC中振幅率、縦軸は出力傾きを表している。図13に示されるように、出力傾きとFC中振幅率との間には相関がある。本実施の形態2では、この相関関係に基づいて、出力傾きからFC中振幅率の影響を除去するための補正を行う。補正された出力傾きからは脈動影響の差が除去されているものと考えられ、補正された出力傾きに応じてインバランスの有無の判定を行うことができる。
図14は、本発明の実施の形態2におけるFC中振幅率と、出力傾きに対する補正係数との関係を表している。図14に示すFC中振幅率と補正係数との関係は、図13に示されるような正常時のFC中振幅率と出力傾きとの相関関係に基づいて求めることができる。求められたFC中振幅率と補正係数との関係は、予め演算式やマップ等により定められ、制御装置50に記憶される。
図15は、空気量に対する出力傾きの変化を説明するための図であり、図15において(a)は補正前の出力傾き、(b)は補正係数により補正された出力傾きを表している。また、図15の(a)(b)それぞれにおいて、横軸は吸入空気量、縦軸は出力傾きを表している。図15の(a)と(b)とを比較すると、Aに対して、Bが増加している。つまり、FC中振幅率に応じた補正係数により出力傾きが補正されることで、応答性の差の出力傾きに対する影響が排除されるため、正常時の出力傾きと、インバランス有り時との出力傾きとの差が増加する。従って、インバランス有無の検出精度を向上させることができる。
図16〜19は、本発明の実施の形態2において制御装置50が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図16のルーチンは、一定の時間(例えば1ms〜4ms程度)ごとに繰り返し実行される。図16のルーチンでは、まず、傾き算出制御が実行される(S02)。傾き算出制御は出力傾きkatamukiを算出するための制御である。なお傾き算出制御のルーチンの詳細は後述する。
次に、補正係数算出制御が実行される(S04)。補正係数算出制御はFC中振幅率に基づく補正係数fckを算出するための制御である。なお補正係数算出制御のルーチンの詳細は後述する。
次に、出力傾きkatamukiの算出が完了し、かつ、補正係数fckの算出が完了したか否かが判別される(S06)。出力傾きkatamuki算出完了及び、補正係数fckの算出完了のいずれか一方でも認められない場合には、今回の処理はこのまま終了する。
一方、ステップS06のルーチンにおいて、出力傾きkatamuki算出完了、かつ、補正係数fckの算出完了が認められると、次に、補正係数fckにより補正された出力傾きkatamukiの補正値katamuki*fckが、閾値Thresholdより大きいか否かが判別される(S08)。ここで、閾値Thresholdは、例えば、応答性が公差の上限にある空燃比センサの正常時の出力傾きを考慮するなどして予め適宜設定される値であり、この制御においては、制御装置50に予め記憶された値が用いられる。
ステップS08において、補正後の出力傾きkatamuki*fckが、閾値Thresholdより小さいことが認められた場合には、正常(即ち、気筒間の空燃比ばらつきが生じていない)と判定される(S10)。一方、補正後の出力傾きkatamuki_avg*fckが、閾値Thresholdより小さいことが認められない場合、異常、即ちインバランスが生じていると判定される(S12)。ステップS10又はS12の判定処理の後、今回の処理は終了する。
次に、傾き算出制御ルーチンについて、図17を用いて説明する。傾き算出制御が開始されると、まず、前回のこのルーチン実行時の空燃比eaf0と今回の空燃比ef0の差、即ち出力傾きeafsubが算出される(S202)。次に出力傾きeafsubが0より大きいか否かが判別される(S204)。
ステップS204において、出力傾きeafsubがゼロより大きいことが認められた場合、算出された出力傾きeafsubが、正の傾き積算値sumpに積算される(S206)。その後、正の傾きの積算回数sumpcntに1加算されインクリメントされる(S208)。一方、出力傾きeafsubがゼロより大きいことが認められない場合、算出された出力傾きeafsubが負の傾き積算値summに積算される(S210)。その後、負の傾きの積算回数summcntがインクリメントされる(S212)。なお、積算回数sumpcnt、summcntは、初期値においてゼロに設定され、ステップS206又はS210の積算処理ごとに1が加算されることで、それぞれの出力傾きeafsubの積算回数をカウントするカウンタである。
ステップS208又はS212の処理の後、次に、クランク角CAがゼロであるか否かを判別する(S214)。クランク角CAはクランク角センサ4の出力に応じて検出される。クランク角CAがゼロであることが認められない場合には、現在、出力傾き算出のタイミングではないと判断される。従って、今回の処理は一旦、終了する。
一方、ステップS214において、クランク角CAがゼロであることが認められると、出力傾き算出のタイミングであると判断される。この場合、ステップS216の処理に進み、正の傾き積算値sumpの平均値sump/sumpcntが、正の傾き平均値の積算値avpsumに積算され、負の傾きの積算値summの平均値summ/summcntが、負の傾きの平均値の積算値avmsumに積算される(S216)。
なおS214の判別処理を行うことで、クランク角CAがゼロから、再びゼロとなるまでの1サイクルの間、出力傾きが積算されて、その1サイクルごとに傾き積算値の平均値が算出される。
次に、正の傾き平均値の積算回数avpcntと、負の傾きの平均値の積算回数avmcntとがそれぞれインクリメントされる(S218)。積算回数avpcnt、avmcntは、初期値においてゼロに設定され、ステップS216の積算処理ごとにavpcntとavmcntにそれぞれ1が加算されることで、それぞれの平均値の積算値avpsum、avmsumの積算回数をカウントするカウンタである。
次に、正の傾き積算値sumpと負の傾き積算値summとがそれぞれ初期化され、ゼロとされる(S220)。次に、正の傾き積算回数sumpcntと負の傾き積算回数summcntとが、それぞれ初期化され、ゼロとされる(S222)。
次に、正の傾き平均値の積算回数avpcntと、負の傾きの平均値の積算回数avmcntとが、共に、所定回数Nより大きいか否かが判別される(S224)。ステップS224において、積算回数avpcnt、avmcntが共に所定回数より大きいことが認められない場合には、今回の処理は一旦終了する。
一方、ステップS224において、積算回数avpcnt、avmcntが共に所定回数より大きいことが認められた場合、次に出力傾きkatamukiが算出される(S226)。具体的には、正の傾き平均値の積算値avpsumを積算回数avpcntで除算した平均値avpsum/avpcntと、負の傾き平均値の積算値avmsumを積算回数avmcntで除算した平均値avmsum/avmcntとが算出され、いずれか大きい方の値が出力傾きkatamukiとして設定される。
その後、積算回数avpcnt、avmcntが初期化されゼロとされる(S228)。また、各傾き平均値の積算値avpsum、avmsumがゼロとされ初期化される(S230)。その後、傾き算出制御が終了する。
次に、図18を用いて、補正制御算出制御のルーチンについて説明する。図18のルーチンにおいて補正係数算出制御のルーチンが開始されると、まず、FC実行フラグexfcflgがONとなっているか否かが判別される(S240)。FC実行フラグexfcflgは、FC制御中ONとされるフラグであり、別途設定されるFC制御のルーチンにより、そのON、OFFが制御される。
ステップS240においてFC実行フラグexfcflgがONであることが認められない場合、補正係数fckを算出する環境下にないため、FC制御の継続実行時間を計測する時間カウンタfcexetimeがゼロとされ(S242)、許可フラグexfcstがOFFとされる(S244)。その後、今回の処理は終了する。なお、許可フラグexfcstは、後述するステップS284の処理によりFC制御が所定時間より長く継続された場合にONとされ、FC中でなくなった場合にOFFステップS244の処理によりOFFとされるフラグである。
一方、ステップS240において、FC実行フラグexfcflgがONとなっていることが認められると、次に、時間カウンタfcexetimeに、FC実行時間T_Unitが加算される(S246)。FC実行時間T_Unitは、補正係数算出制御ルーチンの開始後、前回、ステップS246の処理により時間カウンタfcexetimeにFC実行時間T_Unitが加算された後、再びS246の処理が実行されるまでの経過時間である。
次に、時間カウンタfcexetimeが所定時間FCTIMEより大きいか否かが判別される(S248)。ここで所定時間FCTIMEは、補正係数を安定的に算出するのに必要十分と考えられるFC運転の継続時間等に応じて適宜設定され、制御装置50に記憶された値である。ステップS248において時間カウンタfcexetimeが所定時間FCTIMEより大きいことが認められない場合、今回の処理はこのまま一旦終了する。
一方、ステップS248において時間カウンタfcexetimeが所定時間FCTIMEより大きいことが認められると、次に、許可フラグexfcstがONであるか否かが判別される(S250)。ステップS250において、許可フラグexfcstがONであることが認められない場合、このサイクル中の出力積算値eaffcsumと、出力積算値の積算回数eaffccntが、共にゼロとされ初期化される(S264、S266)。
一方、ステップS250において、許可フラグexfcstがONであることが認められた場合、次に、センサ出力eafが、現在までの出力積算値eaffcsumに加算される(S252)。次に、出力積算値eaffcsumの積算回数eaffccntに1加算され、インクリメントされる(S254)。なお、積算回数eaffccntは初期値においてゼロに設定され、ステップS252の積算処理ごとに1が加算されることで、出力積算値eaffcsumの積算回数をカウントするカウンタである。
次に、このサイクルのFC中の出力最大値eaffcmaxより、現在の出力eafが大きいか否かが判別される(S256)。出力最大値eaffcmaxより現在の出力eafが大きいことが認められた場合、現在の出力eafが出力最大値eaffcmaxとされる(S258)。
ステップS256において、現在の出力eafが出力最大値eaffcmaxより大きいことが認められない場合、又は、ステップS258において出力最大値eaffcmaxが更新された後、次に、現在の出力eafが出力最小値eaffcminより小さいか否かが判別される(S260)。現在の出力eafが出力最小値より小さいことが認められると、現在の出力eafが出力最小値eaffcminとされる(S262)。
ステップS260において現在の出力eafが出力最小値eaffcminより小さいことが認められない場合、又はステップS262において、出力最小値eaffcminが更新された場合、又は、S266において積算回数eaffccntがゼロとされた場合には、次に、図19のルーチンのステップS270の処理に進み、クランク角CAがゼロであるか否かが判別される。
ステップS270において、クランク角CAがゼロであることが認められると、次に、許可フラグexfcstがONであり、かつ、完了フラグexfckfinがOFFであるか否かが判別される(S272)。完了フラグexfckfinは、補正係数の算出が完了した場合に、後述するステップS282の処理によりONとされるフラグである。ステップS272において、許可フラグexfcstがONであり、かつ、完了フラグexfckfinがOFFであることが認められた場合、現在補正係数を算出中の状態にあると判断される。従って、次に、ステップS274において、FC時振幅率積算値eaffcamprsumに、今回のサイクルのFC中振幅率が積算される。今回のサイクルのFC中振幅率としては、出力最大値eaffcmaxと出力最小値eaffcminとの差(eaffcmax-eaffcmin)を、出力平均値(eaffcsum/eaffccnt)で除算した値が用いられる。その後、FC中振幅率積算値eaffcamprsumの積算回数のカウンタeaffcamprcntがインクリメントされる(S276)。
次に、現在のFC中振幅率の積算回数eaffcamprcntが、所定回数FCRCNTより大きいか否かが判別される(S278)。ここで所定回数FCRCNTは、FC中振幅率をより正確に検出するため必要十分な回数であり、適宜設定される。
ステップS278において、積算回数eaffcamprcntが所定回数より多いことが認められると、次に、S280において、補正係数fckが算出される。補正係数fckは、算出された振幅積算値の平均値(eaffcamprsum/eaffcamprcut)に応じて、マップに基づいて算出される。
次に、完了フラグexfckfinがONとされる(S282)。これにより、今回の補正係数の算出が終了したことが示される。完了フラグexfckfinがONとされた後、又は、ステップS270において、まだクランク角CAがゼロであることが認められない場合、又はステップS272において、許可フラグexfcstがONであり及び完了フラグexfckfinがOFFであることのいずれか一方でも認められなかった場合、又は、ステップS278において、FC中振幅率の積算回数eaffcamprcntが所定回数FCRCNより大きいことが認められない場合には、まだ、補正係数の算出のためのFC中振幅率の検出が継続される状態であるため、許可フラグexfcstがONとされ(S284)、今回の処理は終了する。
以上、説明したように、本実施の形態2によれば、FC中振幅率に応じた補正係数fckにより補正された出力傾きkatamukiを判別のパラメータとして用いることで、空燃比ばらつきをより高い精度で判別することができる。
なお、出力傾きkatamukiの算出、FC中振幅率の算出においては、複数回検出された積算値の平均値を用いる場合について説明した。しかし本発明においてはこのような平均値を用いたものに限られるものではなく、算出された出力傾きが、FC中振幅率に応じて補正したものを用いるものであればよい。また、平均値を用いる場合にも、平均値算出のための制御ルーチンは、図17〜19に説明したものに限られない。これについては以下の実施の形態でも同様である。
また、本実施の形態2では、算出された出力傾きを、補正係数fckにより補正した値を、判定パラメータとして用いる場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、FC振幅率に応じて判定の基準値である閾値Thresholdを補正するものであってもよい。また、FC中振幅率に応じて出力傾きと閾値との両者を補正してインバランス判定を行うものであってもよい。これについては以下の実施の形態でも同様である。
また、傾き算出制御ルーチンにおいて、出力傾きkatamukiは、正の傾きの平均値と負の傾きの平均値の最大値を用いているが、本発明はこれに限られるものでもない。具体的に、正の傾きの平均値と負の傾きの平均値の和であってもよいし、正、負の傾きそれぞれの最大値を傾きとして用いても良く、空燃比ばらつきと相関を有するように出力傾きの算出手法を適宜設定することができる。また、インバランス判定のためのパラメータとして、出力傾きを用いる場合ついて説明した。しかし、本発明においてはこれに限られるものではなく、燃料の1サイクルの中でのセンサ出力変化量に応じたものであれば、他のパラメータを用いたものであっても良い。具体的には、例えば、単位クランク角あたりのセンサ出力の変化の割合や、1サイクル中のセンサ振幅等は、インバランス率と相関を有するため、これらを判定のパラメータとして用いることができる。またセンサ出力変化の割合や、1サイクルの中でのセンサ振幅は、圧力脈動の影響受ける。従って、判定のパラメータとFC中振幅率との相関を予め求め、FC中振幅率に応じて、これらパラメータあるいはパラメータに対する判定の基準値を補正することで、圧力脈動の影響を排除して、インバランス判定を行うことができる。これについては以下の実施の形態でも同様である。
また、本実施の形態2では、サイクル間空燃比の出力平均値と、出力最大値、出力最小値とから、FC中振幅率を求める場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば振幅(出力最大値−出力最小値)に応じた補正によって、補正係数を求めるようにしてもよい。これについては以下の実施の形態でも同様である。
また、本実施の形態2では、空燃比センサの異常を検出する制御を含まない場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、実施の形態1に説明した空燃比センサの異常検出を合わせて行うものであってもよい。実施の形態1で説明したように、拡散層18にクラックが生じているような場合、拡散層18における抵抗は小さくなるため、FC中振幅率は大きくなり、例えば、拡散層18が目詰まりを起こしている場合など、実際の拡散層の気孔率が大きく低下しているような場合には、拡散層18の抵抗は大きくなる。このため、FC中の振幅率は小さな値となる。従って、例えば、本実施の形態2においては、出力変化量として算出されるFC中振幅率が、その初期値(正常な場合の値)を中心に定められる許容範囲内にない場合、空燃比センサ42の異常と判断することができる。これは、以下の実施の形態でも同様である。
実施の形態3.
実施の形態3のシステム及び空燃比センサ42の構成は、図1、図2に説明したものと同一である。実施の形態3のシステムは、補正係数算出完了後から一定時間経過した場合に、補正係数をクリアし再度算出する点を除き、実施の形態2のシステムの制御と同一の制御を行う。
具体的に、実施の形態3のシステムでは、補正係数算出完了後からの経過時間を計測する。経過時間が基準時間ULTIMEを越えた場合に、完了フラグexfckfinがOFFとされる。補正完了算出フラグexfckfinがOFFとなると、図18及び図19の補正係数算出制御ルーチンによる補正係数の算出が再開され、補正係数が再計算されて更新される。なお、基準時間ULTIMEは、補正係数の更新に適切な時間が適宜設定され、予め制御装置50に記憶される。
図20は、本発明の実施の形態3において制御装置50が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図20のルーチンは、図16のルーチンに替えて実行されるルーチンであり、ステップS20の処理を有する点を除き、図16のルーチンと同一のものである。
具体的に、図20のルーチンが開始されると、傾き算出制御ルーチン(図17)が開始され、続いて補正係数算出制御ルーチン(図18、19)が実行される。次に、ステップS20において、補正係数の有効判定制御ルーチンが実行される。補正係数の有効判定制御ルーチンについては後述する。
その後、図16のルーチンと同様に、ステップS06において、出力傾き算出完了と補正係数算出完了とが認められるか否か判別され、算出完了が認められると、ステップS08〜S12の処理に従って、インバランスの有無の判定が行われる。
図21は、本発明の実施の形態3において制御装置50が実行する、補正係数の有効判定制御ルーチンについて説明するためのフローチャートである。図21のルーチンでは、現在の完了フラグがONであり、前回の完了フラグがOFFとなっているか否かが判別される(S302)。完了フラグexfcfinがONであり、かつ、前回のフラグがOFFであることが認められない場合、補正係数算出後経過時間exfckfintimeがゼロとされ初期化される(S304)。
一方、現在の完了フラグexfcfinがONであり、かつ、前回の完了フラグexfcfin0がOFFであることが認められた場合、補正係数算出後経過時間に、経過時間T_UNITが加算される(S306)。この処理により、補正係数fckの算出が完了し、完了フラグexfcfinがONとされてからの経過時間がカウントされる。
次に、補正係数算出後経過時間exfckfintimeが、基準時間ULTIMEより大きいか否かが判別される(S308)。補正係数算出後経過時間exfckfintimeが、基準時間ULTIMEを越えていないと判別される場合には、今回の処理は一旦終了する。
ステップS308の処理において、補正係数算出後経過時間exfckfintimeが基準時間ULTIMEを越えていると判別された場合、完了フラグexfcfinがOFFとされ(S310)、今回の処理が終了する。完了フラグexfcfinがOFFとされることで、FC実行中フラグがONであれば、図18のステップS272の処理においてYESと判別されるため、その後の補正係数の算出の処理(S274〜S282)が実行される。これにより、補正係数fckが更新される。
以上説明したように、実施の形態3によれば、補正係数完了後、一定時間が経過した場合には、再度、補正係数fckが計算され、更新される。これにより例えば空燃比センサ42の経時劣化により応答性に変化が生じた場合にも、現在の状態の空燃比センサ42に合わせた補正係数fckを用いることができる。従って、より高い精度で気筒間のインバランスを検出することができる。
なお、上記実施の形態3では、前回補正係数算出後の経過時間が一定時間に達した場合に補正係数fckを再計算する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではない。例えば、補正係数算出後からの走行距離が所定の走行距離に到達した場合に、補正係数fckを再計算し、更新する処理を行うものとしてもよい。具体的なルーチンを図22に示す。図22のルーチンは、ステップS304〜S308の処理に替えて、S314〜S318の処理が実行される点を除き、図21のルーチンと同一である。
具体的に、ステップS302において、現在の完了フラグexfcfinがONであり、前回の完了フラグexfcfinがOFFであることが認められると、走行距離exfckfinlenに、走行距離espd*T_UNITが加算される(S316)。これにより、完了フラグexfcfinがONとなってからの走行距離がカウントされる。次に、走行距離exfckfinlenが基準走行距離ULLENを越えたか否かが判別される。そして、走行距離excfkfinlenが基準走行距離ULLENを越えたことが認められた場合、完了フラグexfcfinがOFFとされる。
なお、上記の処理では走行距離をカウントするので、ステップS302において、完了フラグexfcfinがONであること等が認められない場合、ステップS314においては走行距離exfckfinlenがゼロクリアされる。
また、補正係数の再計算のタイミングは、経過時間exfckfintimeや走行距離exfckfinlenに基づくものに限られない。例えば、高地や外気圧が異なる環境では、FC中振幅率と出力傾きとの関係が異なる。従って、例えば、気圧又は温度等によって区画された所定の領域ごとに補正係数を算出するものとし、現在算出されている補正係数と異なる領域の環境にあると判別された場合に、完了フラグexfcfinをOFFとして、補正係数を再計算してもよい。この場合、例えば、現在、使用されている補正係数の算出時の領域とは異なる環境にある場合に、毎回、補正係数を計算することとしてもよいし、各領域ごとに補正係数を計算して記憶するものとして、補正係数の計算が未完了の領域の環境となった場合にのみ補正係数を算出することとしてもよい。更には、ある領域の環境にある場合に、その領域の補正係数の算出後の経過時間や走行距離が一定以上となっていた場合に、補正係数を再計算するようにしてもよい。これは以下の実施の形態でも同様である。
また、実施の形態3では、実施の形態2の補正係数算出に組み合わせて、補正係数の再計算を行う場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、実施の形態1と組み合わせて、前回の脈動係数kiの算出からの経過時間、あるいは走行距離が一定以上となった場合、あるいは、脈動係数kiの算出時とは異なる環境となった場合に、脈動係数kiを再計算するものとしてもよい。またこの場合、上記同様に、脈動係数kiを、各環境領域ごとに行うものとしてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4のシステム及び空燃比センサは、図1及び図2のシステム及び空燃比センサ42と同一の構成を有している。実施の形態4のシステムでは、FC中振幅率に与える吸入空気量の影響を考慮して補正係数を算出する点においてのみ、実施の形態2のシステムと異なる制御を実行する。
図23は、吸入空気量とFC中振幅率との関係について説明するための図である。図23において横軸は吸入空気量、縦軸はFC中振幅率を表している。図23から、空燃比センサのFC振幅率は、応答性の公差が上限であっても下限であっても、吸入空気量が増加すると増加し、応答性が上限の空燃比センサの方がその増加率が大きいことがわかる。
図24は、本発明の実施の形態2の制御により算出される補正係数と吸入空気量との関係を説明するための図である。図24において横軸は吸入空気量、縦軸は出力傾きに対する補正係数(以下「傾き補正係数」とも称する)を表している。吸入空気量が増加するとFC中振幅率が変化することから、FC中振幅率を算出した時の吸入空気量のばらつきによって、図24に示されるように補正係数にばらつきが生じる。特に、応答性の速いセンサの場合、吸入空気量が与えるFC振幅率への影響も大きいため、算出される傾き補正係数のばらつきが大きくなる。
図25は、本発明の実施の形態4における吸入空気量と振幅率補正係数fckkとの関係を説明するための図である。図25において横軸は吸入空気量であり、縦軸は振幅率補正係数fckkを表している。図25に示されるように、FC中振幅率を算出したときの吸入空気量に応じてFC中振幅率に対する補正係数(振幅率補正係数)を求める。振幅率補正係数fckkは、図23に示されるような吸入空気量とFC中振幅率との吸入空気量によるFC中振幅率への影響が排除されるように設定される。具体的には、吸入空気量が大きい場合ほど振幅率補正係数fckkは小さい値となるように設定される。振幅率補正係数fckkと吸入空気量との関係は、予め実験やシミュレーション等により求められ、マップ等として定められ制御装置50に記憶される。制御実行時には、このマップ等に従って、吸入空気量に応じた振幅率補正係数fckkが求められ、FC中振幅率が補正される。
図26は、本発明の実施の形態4における、吸入空気量と振幅率補正係数fckkにより補正されたFC中振幅率を用いて計算された傾き補正係数との関係を説明するための図である。図26に示されるように、吸入空気量の影響を除去するように補正されたFC中振幅率を用いて傾き補正係数を算出することで、傾き補正係数の、吸入空気量に対するばらつきは小さく抑制される。従って、このような補正係数を用いることで、より正確にインバランスを検出することが可能となる。
図27及び図28は、本発明の実施の形態4において制御装置50が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図27及び図28のルーチンは、図18及び図19のルーチンに替えて実行されるルーチンであり、ステップS274の後に、ステップS302の処理を有し、ステップS278の後にステップS304の処理を有する点を除き、図18及び図19のルーチンと同一である。
具体的に、ステップS272において、FC制御実行フラグexfcstがONであり、完了フラグexfcfinがOFFであることが認められ、ステップS274においてFC中振幅率積算値が算出されると、次に、吸入空気量積算値egasumに現在の吸入空気量egaが積算される(S302)。吸入空気量egaは、エアフロメータ34の出力に応じて求められる。その後、積算回数eaffcamprcntが積算される(S276)。ここで積算回数は、FC中振幅率の積算回数に加え、吸入空気量の積算回数をカウントするカウンタとしても用いられる。
次に、ステップS278の処理において、積算回数eaffcamprcntが、基準回数FCRCNTを越えたことが認められると、ステップS304においてFC中振幅率に対する振幅率補正係数fckkが算出される。吸入空気量egasumと振幅率補正係数fckkとの関係は、予め制御装置50に記憶されている。
次に、ステップ280において、傾き補正係数fckが算出される。この算出においては上記ステップS304において算出された補正係数fckkにより補正されたFC中振幅率が用いられる。
以上説明したように、本実施の形態4においては、吸入空気量により補正される。従って、吸入空気量による出力傾きの変化を除去することができ、インバランスをより正確に検出することができる。
なお、本実施の形態4では、吸入空気量に応じた補正を、FC中振幅率に対して行う場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく例えば、吸入空気量による振幅率の変動が、出力傾きに与える影響を除去するように、吸入空気量に応じた出力傾きの補正を行うようにしてもよい。また、例えば、吸入空気量に応じて、インバランス判定における閾値Thresholdに対する補正を行うものであってもよい。
また、本実施の形態4では、吸入空気量に応じた補正と、実施の形態2の制御を組み合わせる場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、本実施の形態4に、実施の形態3のように、運転時間、走行距離あるいは外気圧等に応じて補正係数の再計算を行う制御を、更に組み合わせて行うものであってもよい。
また、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
2 内燃機関
4 クランク角センサ
10 センサ素子
12 固体電解質
14 排気側電極
16 大気側電極
18 拡散層
20 絶縁基材
22 大気室
30 吸気経路
32 スロットルバルブ
34 エアフロメータ
40 排気経路
42 空燃比センサ
44 触媒
50 制御装置

Claims (14)

  1. 内燃機関の排気通路に配置され、電極上に拡散層を備える空燃比センサを用いて、内燃機関の気筒間の空燃比ばらつき異常を検出する空燃比ばらつき異常検出装置であって、
    各気筒の空燃比が一定あるいは空燃比の変化がごく少ない内燃機関の回転数が十分に低下した燃料カット中における、前記空燃比センサの、前記内燃機関からの排気の圧力脈動の影響による出力変化量を推定又は検出する推定手段と、
    前記空燃比センサの実際の出力から前記出力変化量を除去した判定値に応じて前記空燃比ばらつき異常を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする空燃比ばらつき異常検出装置。
  2. 前記推定手段は、前記出力変化量として、前記空燃比センサの出力の振幅又は振幅に応じた値を推定又は検出することを特徴とする請求項1に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  3. 前記推定手段は、前記内燃機関の燃料カット運転中における空燃比センサの出力に応じて、前記出力変化量を推定又は検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  4. 前記内燃機関からの排気の圧力脈動により、前記空燃比センサのセンサ素子が受ける圧力脈動を推定又は検知する手段と、
    前記空燃比センサの出力の振幅である第1振幅を推定又は検出し、前記第1振幅の推定又は検出時とは圧力脈動が異なるタイミングで、前記空燃比センサの出力の振幅である第2振幅を推定又は検出する手段と、を更に備え、
    前記推定手段は、
    前記第1振幅と第2振幅との差異と、前記第1振幅検出時の圧力脈動と前記第2振幅検出時の圧力脈動との差異とに応じて、前記出力変化量を推定することを特徴とする請求項1に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  5. 前記推定手段は、前記内燃機関の燃料カット運転中における空燃比センサの出力に応じて、前記出力変化量を推定又は検出することを特徴とする請求項4に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  6. 前記第1振幅の検出タイミング及び前記第2振幅の検出のタイミングは、
    共に、前記内燃機関の燃料カット運転中、及び、
    共に、空燃比フィードバック制御の停止中であって、同一の目標空燃比のとき、及び、
    共に、空燃比フィードバック制御中であって、目標空燃比が理論空燃比を含む基準範囲内にない、同一の空燃比のとき、
    のうちいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  7. 前記内燃機関の空燃比フィードバック制御運転中であって、前記目標空燃比が理論空燃比を含む準範囲内に設定されている場合に、前記目標空燃比を基準範囲外のリッチ又はリーン空燃比に設定する手段と、
    前記目標空燃比をリッチ又はリーン空燃比とするフィードバック制御運転中に圧力脈動を強制的に変動させる制御を行う手段と、
    を、更に備え、
    前記第1振幅及び前記第2振幅の検出タイミングは、前記圧力脈動を強制的に変動させる制御中であることを特徴とする請求項4に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  8. 前記出力変化量が所定範囲外である場合に、前記空燃比センサの異常有りの判定をする手段を、更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  9. 前記判定値は、前記空燃比ばらつき異常の検出時の、前記内燃機関の1サイクル中の前記空燃比センサの出力の振幅であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  10. 前記判定値は、前記空燃比センサの出力の単位クランク角あたりの変化の割合であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  11. 前記検出手段は、前記判定値を前記出力変化量に応じて補正した値が、基準値を越えている場合に、空燃比ばらつき異常を検出することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  12. 前記検出手段は、前記判定値が、基準値を前記出力変化量に応じて補正した値を超えている場合に、空燃比ばらつき異常を検出することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  13. 前記推定手段は、前記出力変化量の推定又は検出がされた後、前記内燃機関の運転時間が基準時間を越えた場合、あるいは、前記内燃機関を搭載する車両の走行距離が基準距離を越えた場合、前記出力変化量を、再度、推定又は検出することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
  14. 前記検出手段は、前記出力変化量と、前記出力変化量を推定又は検出する期間中の吸入空気量と、前記判定値とに応じて、前記空燃比ばらつき異常を検出することを特徴とする請求項3に記載の空燃比ばらつき異常検出装置。
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