JP2005256712A - センサ異常検出装置 - Google Patents

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裕 澤田
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Abstract

【課題】センサの異常をより正確に判定することができる技術を提供する。
【解決手段】センサの検出対象である内燃機関の状態が所定の基準値となるような内燃機関の運転状態であって、この基準値が検出される複数の運転状態を夫々基準運転状態として設定し、この基準運転状態においてセンサにより検出される検出値と基準値との差を少なくとも2つ以上の基準運転状態で算出し、この算出値の基準運転状態間のばらつきを算出する。そして、このばらつきが所定の範囲内であり且つ検出値と基準値との差が所定値よりも大きい場合にはセンサ異常と判定し、それ以外ではセンサ異常とは判定しないようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、センサ異常検出装置に関する。
内燃機関の排気系に空燃比センサを備えることにより、該空燃比センサから得られる空燃比に基づいて燃料供給量をフィードバック制御することができる。
そして、特定運転状態における空燃比センサの出力値と基準値とを比較して空燃比センサの異常を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−159640号公報 特開平10−280992号公報 特開平5−35146号公報
ところで、空燃比センサの出力値は、空燃比センサに異常が発生したとき以外にも、内燃機関における他の装置、例えば、エアフローメータの検出異常、燃料噴射弁の噴射量異常等によっても空燃比センサの出力値が変化し、基準値から大きく外れてしまう。このように、空燃比センサの出力値が基準値から外れた場合に、空燃比センサの異常によるものなのか、他の装置の異常によるものなのか判断することは困難である。これにより、空燃比センサの異常を正確に判定することが困難となる。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、センサの異常をより正確に判定することができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明によるセンサ異常検出装置は、以下の手段を採用した。すなわち、
内燃機関の状態を検出するセンサと、
前記センサの検出対象である内燃機関の状態が所定の基準値となるような内燃機関の運転状態であって、前記基準値が検出される複数の運転状態を夫々基準運転状態として設定し、前記基準運転状態において前記センサにより検出される検出値と前記基準値との差を少なくとも2つ以上の基準運転状態で算出する出力差算出手段と、
前記少なくとも2つ以上の基準運転状態で算出された検出値と基準値との差の基準運転状態間のばらつきを算出するばらつき算出手段と、
前記ばらつき算出手段により算出されたばらつきが所定の範囲内でありかつ前記出力差算出手段により算出された差が所定値よりも大きい場合にはセンサ異常と判定し、前記ばらつき算出手段により算出されたばらつきが所定の範囲より大きい場合若しくは前記出力差算出手段により算出された差が前記所定値以下の場合にはセンサ異常とは判定しない判定手段と、
を具備することを特徴とする。
本発明の最大の特徴は、センサ出力が略同一である運転状態を基準運転状態として2つ以上設定しておき、各運転状態となった場合のセンサ出力と基準値との差を夫々算出し、
さらに各運転状態間でセンサ出力と基準値との差がどれだけばらつくかを算出して、このばらつきが小さいときであってセンサ出力と基準値との差が大きい場合にはセンサの異常であると判定することにある。
ここで、内燃機関の運転状態が異なる場合であってもセンサ出力が略同一となる運転状態が複数存在することがある。例えば、内燃機関の回転数や負荷が異なっている場合であっても、空燃比センサにより検出される空燃比が略同一な場合があったり、排気温度センサにより検出される排気温度が略同一な場合があったりする。本発明では、このように内燃機関の運転状態が異なる場合であって、センサ出力が同一となり得る内燃機関の運転状態を基準運転状態として設定している。
ここで、基準運転状態では、内燃機関の運転状態の違いによるセンサ出力のばらつきはほとんどない。そして、基準運転状態では、センサに異常が発生しセンサ出力が変化した場合であっても、センサの異常がセンサ出力に与える影響は同程度となり、センサ出力に表れる変化は同程度となる。そのため、センサ出力の変化分が各基準運転状態間でほとんど同じとなる。すなわち、各基準運転状態間でのセンサ出力と基準値との差のばらつきが小さくなる。
一方、センサ異常以外の原因、例えばエアフローメータ若しくは燃料噴射弁の故障によってもセンサ出力が基準値からずれる。しかし、この場合には、センサ出力に与える影響が基準運転状態毎に異なり、基準運転状態毎にセンサ出力の変化分が異なる。したがって、少なくとも2つ以上の基準運転状態間におけるセンサ出力の変化のばらつきが大きい場合には、センサ以外に異常が発生しているとすることができる。
このように、2つ以上の基準運転状態におけるセンサ出力値と基準値とを比較してセンサの異常検出を行うことにより、センサ以外の他の原因によりセンサ出力がばらついている場合であってもより正確な異常判定を行うことができる。
なお、「所定の基準値」は、略同一とすることができる範囲内である程度の幅を持つこともできる。また、基準運転状態は、内燃機関の運転状態に限らず、内燃機関に付属する装置による状態、例えば燃料添加弁からの排気中への燃料添加を行うときに得られる状態をも含むことができる。
本発明に係るセンサ異常検出装置では、センサの異常をより正確に判定することができる。
以下、本発明に係るセンサ異常検出装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の触媒温度維持方法を適用する内燃機関1とその吸・排気系の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1には、気筒2内へ燃料の軽油を噴射する燃料噴射弁3が備えられている。
また、内燃機関1には、吸気通路4が接続されている。吸気通路4には、該吸気通路4
内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁5が設けられている。また、吸気絞り弁5よりも上流の吸気通路4の途中には、該吸気通路4を通過する吸気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ12が取り付けられている。このエアフローメータ12の出力信号により内燃機関1の吸入空気量を得ることができる。
一方、内燃機関1には、排気通路6が接続されている。この排気通路6は、下流にて大気へと通じている。
前記排気通路6の途中には、吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒という。)を担持したパティキュレートフィルタ7(以下、フィルタ7という。)が備えられている。そして、該フィルタ7の下流の排気通路6には、該排気通路6を流通する排気の温度を検出する排気温度センサ8および排気の空燃比を検出する空燃比センサ9が備えられている。なお、排気温度センサ8および空燃比センサ9は、フィルタ7よりも上流側に取り付けられていてもよく、フィルタ7に取り付けられていてもよい。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU10には、排気温度センサ8、空燃比センサ9、エアフローメータ12の他、アクセル開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ11が電気配線を介して接続され、該センサ等の出力信号が入力されるようになっている。
一方、ECU10には、燃料噴射弁3および吸気絞り弁5が電気配線を介して接続され、ECU10によりこれらを制御することが可能になっている。この吸気絞り弁5の開閉操作によって機関燃焼に供される吸気の量を調整できるようになっている。
ここで、排気温度センサ8若しくは空燃比センサ9は、経年変化等により出力値が変化することがある。このような出力値の変化は、複数のセンサを設け、これらの出力値を比較することにより検出することができるが、コストの増大やセンサ搭載位置を確保できない等の理由により困難が伴う。
その点、本実施例においては、2つ以上の異なる運転状態であってセンサの異常がない場合には該センサの出力値が略同一となる運転状態(以下、基準運転状態という。)における基準値とセンサ出力値とに基づいてセンサの異常判定を行う。ここで、基準値はセンサに異常がない場合の出力値であり、センサの新品時の出力値としてもよい。
そして、センサ以外の他の装置に異常若しくは製造ばらつきがある場合には、センサの出力は基準運転状態において他の装置の異常若しくは製造ばらつき分だけ変化し、かつ夫々の基準運転状態においてその変化分は異なる。一方、センサに異常が発生すると、夫々の基準運転状態においてセンサ出力の変化分がほぼ等しくなる。すなわち、どの基準運転状態においても前記基準値は等しく、内燃機関の運転状態は異なるものの、センサに異常が発生していればその影響はどの基準運転状態においても等しく表れ、出力の変化分はほぼ等しくなる。一方、センサ以外の他の装置に異常若しくは製造ばらつきがある場合には、夫々の基準運転状態において内燃機関の運転状態が異なるため、その異常若しくは製造ばらつきのある装置の影響の大きさは夫々の基準運転状態で異なる。すなわち、出力の変化分は基準運転状態毎に異なる。
これらから、複数の基準運転状態におけるセンサ出力値と基準値との差を比較することによりセンサの異常を判定することができる。
次に、空燃比センサ9の異常検出を例に挙げて詳述する。空燃比センサ9の異常検出において、基準運転状態とは、空燃比センサ9に異常がない場合に該空燃比センサ9により検出される空燃比が等しくなる運転状態とすることができる。ここで、例えば機関回転数、吸入空気量、アクセル開度、排気温度等が異なる運転状態であって略同一の空燃比を得ることができる運転状態を基準運転状態として設定する。すなわち、複数の基準運転状態は、例えば機関回転数、吸入空気量、アクセル開度、排気温度等の少なくとも1つが夫々異なるが、空燃比は略同一となる運転状態である。
そして、空燃比センサ9に異常がなく、かつ他の装置、例えば、燃料噴射弁3、吸気絞り弁5、排気温度センサ8、アクセル開度センサ11、エアフローメータ12の少なくとも1つに異常等がある場合には、夫々の基準運転状態における空燃比センサ9の出力値と基準値との差が各基準運転状態で異なることとなる。すなわち、空燃比センサ9の出力値と基準値との差のばらつきが大きくなる。一方、空燃比センサ9に異常があり、かつ他の装置に以上がない場合には、夫々の基準運転状態において空燃比センサ9の出力値と基準値との差がほぼ等しくなる。すなわち、空燃比センサ9の出力値と基準値との差のばらつきが小さく所定の範囲内となる。そして、空燃比センサ9に異常が生じていれば、どの基準運転状態においてもセンサ出力値と基準値との差が大きくなる。
次に、本実施例によるセンサ異常の検出フローについて説明する。
図2および3は、本実施例によるセンサ異常の検出フローを示したフローチャート図である。本ルーチンは、同一の空燃比が検出され得る異なる運転状態において空燃比センサ9の出力値と基準値とを比較して該空燃比センサ9のセンサ異常を検出する。
ステップS101では、ECU10は、空燃比センサ9の異常検出を行う条件が成立しているか否か判定する。例えば、内燃機関1の暖機が完了しているか否か判定する。
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS102では、ECU10は、第1測定条件が成立したか否か判定する。この第1測定条件とは、排気の空燃比が予め設定された基準空燃比となり得る内燃機関の運転状態をいい、ECU10は、例えば機関回転数およびアクセル開度が予め設定された値となった場合に第1測定条件が成立したと判定する。
ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS105へ進む。
ステップS103では、ECU10は、第1測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したか否か判定する。後述する第1測定条件測定済フラグがONにセットされている場合に第1測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したと判定される。
ステップS103で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS104へ進む。
ステップS104では、ECU10は、第1測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定を行うと共に、第1測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したことを示す第1測定済フラグをONとする。
ステップS105では、ECU10は、第2測定条件が成立したか否か判定する。この第2測定条件とは、第1測定条件とは異なる内燃機関の運転状態であって同一の基準空燃比が検出され得る内燃機関の運転状態をいう。そして、ECU10は、例えば機関回転数およびアクセル開度が予め設定された値となった場合に第2測定条件が成立したと判定する。
ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS106では、ECU10は、第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したか否か判定する。後述する第2測定条件測定済フラグがONにセットされている場合に第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したと判定される。
ステップS106で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS107へ進む。
ステップS107では、ECU10は、第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定を行うと共に、第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したことを示す第2測定済フラグをONとする。
ステップS108では、ECU10は、第1測定条件および第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了しているか否か判定する。ここでは、第1測定済フラグおよび第2測定済フラグが共にONとなっているか否かにより判定される。
ステップS108で肯定判定がなされた場合にはステップS109へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS109では、ECU10は、第1測定条件および第2測定条件にて測定された空燃比と基準値との差を夫々算出し、さらにその差のばらつきを求める。なお、本ルーチンでは、測定条件が2つなので単に第1測定条件にて測定された空燃比と第2測定条件にて測定された空燃比との差をばらつきと称する。
ステップS110では、ECU10は、ステップS109で得られたばらつきが所定の範囲内であるか否か判定する。所定の範囲は、空燃比センサ9のみに異常が発生したとすることができる範囲であり予め実験等により求めておく。
ステップS110で肯定判定がなされた場合にはステップS111へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS112へ進む。
ステップS111では、ECU10は、第1測定条件および第2測定条件にて測定された空燃比と基準値との差が所定値よりも大きいか否か判定する。ここでの所定値は、空燃比センサ9の出力値であって誤差として許容できる値である。所定値と比較する測定された空燃比と基準値との差は、夫々の測定条件で得られた差の平均値を用いることができる。
ステップS111で肯定判定がなされた場合にはステップS113へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS114へ進む。
ステップS112では、ECU10は、空燃比センサ9以外で異常が発生しているとする。
ステップS113では、ECU10は、空燃比センサ9に異常が発生しているとする。
ステップS114では、ECU10は、空燃比センサ9およびその他の装置において異常は発生していないとする。
このようにして、異なる運転状態における同一の基準空燃比に基づいて空燃比センサ9の異常検出をすることができる。
なお、排気温度センサ8の異常も同様にして検出することができる。すなわち、排気温度センサ8の異常検出において、基準運転状態とは、排気温度センサ8に異常がない場合に該排気温度センサ8により検出される排気温度が等しくなる運転状態とすることができる。ここで、例えば機関回転数、吸入空気量、アクセル開度、空燃比等が異なる運転状態であって略同一の排気温度を得ることができる運転状態を基準運転状態として設定する。すなわち、複数の基準運転状態は、例えば機関回転数、吸入空気量、アクセル開度、空燃比等の少なくとも1つが夫々異なるが、排気温度は略同一となる運転状態である。
そして、排気温度センサ8に異常がなく、かつ他の装置、例えば、燃料噴射弁3、吸気絞り弁5、空燃比センサ9、アクセル開度センサ11、エアフローメータ12の少なくとも1つに異常等がある場合には、夫々の基準運転状態における排気温度センサ8の出力値と基準値との差が異なることとなる。すなわち、排気温度センサ8の出力値と基準値との差のばらつきが大きくなる。一方、排気温度センサ8に異常があり、かつ他の装置に異常がない場合には、夫々の基準運転状態において排気温度センサ8の出力値と基準値との差がほぼ等しくなる。すなわち、排気温度センサ8の出力値と基準値との差のばらつきが小さく所定の範囲内となる。そして、排気温度センサ8に異常が発生していれば、どの基準運転状態においてもセンサ出力値と基準値との差が大きくなる。
以上より、基準運転状態におけるセンサ出力値と基準値との差のばらつきが大きい場合にはセンサに異常はなく、一方、基準運転状態におけるセンサ出力値と基準値との差のばらつきが小さくかつその差が大きい場合にはセンサに異常が発生していると判定することができる。
なお、排気中へ燃料を添加する燃料添加弁を排気通路6に備えている場合には、センサの異常検出時に燃料を添加することにより基準運転状態を得るようにしてもよい。同様に、排気行程終期から吸気行程初期のピストンが上死点近傍にあるときに気筒内に燃料を噴射してもよく、内燃機関1への燃料噴射を通常よりも遅延して行う遅延噴射、内燃機関1へ機関出力のための燃料を噴射させる主噴射の後の膨張行程若しくは排気行程に再度燃料を噴射させる副噴射を行うことにより基準運転状態を得るようにしてもよい。
このような燃料供給により、排気の空燃比や排気の温度が基準値となり得る状態を速やかに作ることができる。これにより、センサ異常の検出頻度を向上させることができる。また、容易に基準運転状態とすることができセンサ異常の検出精度を向上させることができる。さらに、排気中への燃料添加では、内燃機関の出力に影響を与えずにセンサの異常を検出することができる。
本実施例においては、内燃機関の運転状態およびセンサにより検出される状態
が異なる2つ以上の運転状態を基準運転状態として設定し、この基準運転状態における基
準値とセンサ出力値とに基づいてセンサの異常判定を行う。ここで、基準値はセンサに異常がない場合の出力値であり、センサの新品時の出力値としてもよい。すなわち、本実施例では、基準運転状態が複数設定され、且つ各基準運転状態で基準値が異なる。
ここで、センサに異常が発生すると、夫々の基準運転状態における基準値に対するセンサ出力の変化した値(すなわち、基準値とセンサ出力値との差)の割合(以下、出力の変化割合という。)がほぼ等しくなる。すなわち、どの基準運転状態においても前記基準値および内燃機関の運転状態は異なるものの、センサに異常が発生していればその影響はどの基準運転状態においても等しく表れ、出力の変化割合はほぼ等しくなる。
次に、空燃比センサ9の異常検出を例に挙げて詳述する。空燃比センサ9の異常検出において、基準運転状態とは、空燃比センサ9に異常がない場合に該空燃比センサ9により検出される空燃比が基準空燃比となる運転状態である。そして、複数の基準運転状態は、例えば機関回転数、吸入空気量、アクセル開度、排気温度等の少なくとも1つが異なり、これにより空燃比が夫々異なる運転状態である。
ここで、空燃比センサ9に異常がある場合には、夫々の基準運転状態において空燃比センサ9の出力は、基準値に対して等しい割合だけ基準値から外れる。
ここで、図4は、空燃比センサ9に異常がある場合とない場合とを比較した図である。横軸に基準値(すなわち、基準となる空燃比)、縦軸に空燃比センサ9の出力値(すなわち、検出された空燃比)をとっている。そして、基準値となる空燃比を20と30とに設定し、この基準値が得られる内燃機関の運転状態において得られた空燃比センサ9の出力値を最小二乗法を用いて一次関数化している。「基準」で示される線(以下、基準線という。)は、空燃比センサ9に異常がない場合に得られる線である。線Aは、空燃比センサ9に異常がある場合に得られる線である。
このように、空燃比センサ9に異常がある場合には、線Aと基準線との傾きが異なる。そして、空燃比センサ9の出力値と実際の空燃比との差が大きくなるほど、傾きの差が大きくなっていく。したがって、基準線からの傾きの差が予め設定しておいた許容範囲内にあるときは空燃比センサ9に異常はなく、許容範囲外となった場合に空燃比センサ9に異常が発生していると判定することができる。
なお、図5に示すように縦軸に基準値とセンサ出力値との差をとり、横軸に基準値(すなわち、基準となる空燃比)をとって、得られた一次関数(線B)が所定の傾きの範囲外となった場合に空燃比センサ9に異常が発生しているとしてもよい。
次に、本実施例によるセンサ異常の検出フローについて説明する。
図6および7は、本実施例によるセンサ異常の検出フローを示したフローチャート図である。本ルーチンは、異なる2つの空燃比を基準値として設定し、この基準値に対応した基準運転状態を夫々設定している。そして、夫々の基準運転状態において空燃比センサ9の出力値と基準値とを比較して該空燃比センサ9のセンサ異常を検出する。
ステップS201では、ECU10は、空燃比センサ9の異常検出を行う条件が成立しているか否か判定する。例えば、内燃機関1の暖機が完了しているか否か判定する。
ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS202へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS202では、ECU10は、第1測定条件が成立したか否か判定する。この第1測定条件とは、予め設定された基準運転状態をいい、ECU10は、例えば機関回転数およびアクセル開度が予め設定された値となった場合に第1測定条件が成立したと判定する。
ステップS202で肯定判定がなされた場合にはステップS203へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS205へ進む。
ステップS203では、ECU10は、第1測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したか否か判定する。後述する第1測定条件測定済フラグがONにセットされている場合に第1測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したと判定される。
ステップS203で肯定判定がなされた場合にはステップS208へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS204へ進む。
ステップS204では、ECU10は、第1測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定を行うと共に、第1測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したことを示す第1測定済フラグをONとする。
ステップS205では、ECU10は、第2測定条件が成立したか否か判定する。この第2測定条件とは、第1測定条件とは異なる運転条件であり予め設定された基準運転状態をいう。そして、ECU10は、例えば機関回転数およびアクセル開度が予め設定された値となった場合に第2測定条件が成立したと判定する。
ステップS205で肯定判定がなされた場合にはステップS206へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS206では、ECU10は、第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したか否か判定する。後述する第2測定条件測定済フラグがONにセットされている場合に第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したと判定される。
ステップS206で肯定判定がなされた場合にはステップS208へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS207へ進む。
ステップS207では、ECU10は、第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定を行うと共に、第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了したことを示す第2測定済フラグをONとする。
ステップS208では、ECU10は、第1測定条件および第2測定条件にて空燃比センサ9による空燃比の測定が完了しているか否か判定する。ここでは、第1測定済フラグおよび第2測定済フラグが共にONとなっているか否かにより判定される。
ステップS208で肯定判定がなされた場合にはステップS209へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS209では、ECU10は、図4に示したように、基準値を横軸にとり、第1測定条件および第2測定条件にて測定された空燃比を縦軸にとって一次関数を求める。なお、測定条件が2つよりも多い場合には、最小二乗法により一次関数を求める。
ステップS210では、ECU10は、ステップS209で得られた一次関数の傾きが所定の範囲外となっているか否か判定する。所定の範囲は、センサ出力値のずれの許容範囲として予め実験等により求めておく。
ステップS210で肯定判定がなされた場合にはステップS211へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS212へ進む。
ステップS211では、ECU10は、空燃比センサ9に異常が発生しているとする。
ステップS212では、ECU10は、空燃比センサ9に異常は発生していない、すなわち正常であるとする。
このようにして、異なる基準運転状態における異なる基準空燃比に基づいて空燃比センサ9の異常検出をすることができる。
なお、排気温度センサ8の異常も同様にして検出することができる。すなわち、排気温度センサ8の異常検出において、基準運転状態とは、排気温度センサ8に異常がない場合に該排気温度センサ8により検出される排気温度が基準排気温度となる運転状態である。そして、複数の基準運転状態は、例えば機関回転数、吸入空気量、アクセル開度、空燃比等の少なくとも1つが異なり、これにより排気温度が夫々異なる運転状態である。
ここで、排気温度センサ8に異常がある場合には、夫々の基準運転状態において排気温度センサ8の出力は、基準値に対して等しい割合だけ基準値から外れる。
すなわち、図4を排気温度センサ8に適用すると、横軸に基準値(すなわち、基準となる排気温度)、縦軸に排気温度センサ8の出力値(すなわち、検出された排気温度)をとる。さらに、基準値となる排気温度を設定し、この基準値が得られる内燃機関の運転状態において得られた排気温度センサ8の出力値を最小二乗法を用いて一次関数化する。
そして、排気温度センサ8に異常がある場合には、線Aと基準線との傾きが異なる。そして、排気温度センサ8の出力値と実際の排気温度との差が大きくなるほど、傾きの差が大きくなっていく。したがって、基準線からの傾きの差が予め設定しておいた許容範囲内にあるときは排気温度センサ8に異常はなく、許容範囲外となった場合に排気温度センサ8に異常が発生していると判定することができる。
以上より、複数の基準運転状態におけるセンサ出力値から得られる一次関数の傾きが所定の範囲内の場合にはセンサに異常はなく、一方、所定の範囲外となった場合にはセンサに異常が発生していると判定することができる。
なお、排気中へ燃料を添加する燃料添加弁を排気通路6に備えている場合には、センサの異常検出時に燃料を添加することにより基準運転状態を得るようにしてもよい。同様に、排気行程終期から吸気行程初期のピストンが上死点近傍にあるときに気筒内に燃料を噴射してもよく、内燃機関1への燃料噴射を通常よりも遅延して行う遅延噴射、内燃機関1へ機関出力のための燃料を噴射させる主噴射の後の膨張行程若しくは排気行程に再度燃料を噴射させる副噴射を行うことにより基準運転状態を得るようにしてもよい。
このような燃料供給により、排気の空燃比や排気の温度が基準値となり得る状態を速やかに作ることができる。これにより、センサ異常の検出頻度を向上させることができる。また、容易に基準運転状態とすることができセンサ異常の検出精度を向上させることがで
きる。さらに、排気中への燃料添加では、内燃機関の出力に影響を与えずにセンサの異常を検出することができる。
実施例に係る内燃機関の触媒温度維持方法を適用する内燃機関とその吸・排気系の概略構成を示す図である。 実施例1によるセンサ異常の検出フローを示したフローチャート図である。 実施例1によるセンサ異常の検出フローを示したフローチャート図である。 空燃比センサに異常がある場合とない場合とを比較した図である。 空燃比センサに異常がある場合とない場合とを比較した他の図である。 実施例2によるセンサ異常の検出フローを示したフローチャート図である。 実施例2によるセンサ異常の検出フローを示したフローチャート図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 燃料噴射弁
4 吸気通路
5 吸気絞り弁
6 排気通路
7 パティキュレートフィルタ
8 排気温度センサ
9 空燃比センサ
10 ECU
11 アクセル開度センサ
12 エアフローメータ

Claims (1)

  1. 内燃機関の状態を検出するセンサと、
    前記センサの検出対象である内燃機関の状態が所定の基準値となるような内燃機関の運転状態であって、前記基準値が検出される複数の運転状態を夫々基準運転状態として設定し、前記基準運転状態において前記センサにより検出される検出値と前記基準値との差を少なくとも2つ以上の基準運転状態で算出する出力差算出手段と、
    前記少なくとも2つ以上の基準運転状態で算出された検出値と基準値との差の基準運転状態間のばらつきを算出するばらつき算出手段と、
    前記ばらつき算出手段により算出されたばらつきが所定の範囲内でありかつ前記出力差算出手段により算出された差が所定値よりも大きい場合にはセンサ異常と判定し、前記ばらつき算出手段により算出されたばらつきが所定の範囲より大きい場合若しくは前記出力差算出手段により算出された差が前記所定値以下の場合にはセンサ異常とは判定しない判定手段と、
    を具備することを特徴とするセンサ異常検出装置。
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