JP6199777B2 - 気筒間ばらつき異常検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空燃比の気筒間ばらつき異常検知装置に関する。
従来から、エンジンの排気ガス中に含まれるHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)などの有害成分を低減するために、排気浄化触媒(以下、単に「触媒」ともいう)を用いた排気ガスの後処理が行われている。このような触媒として、COとHCの酸化反応とNOxの還元反応とを同時に行い、無害なCO(二酸化炭素)、HO(水)、N(窒素)に転換する機能を持つ三元触媒が、近年一般的に使用されている。
三元触媒では、高い浄化率を得ようとした場合に、混合気の空燃比を理論空燃比(λ=1)近傍の狭い範囲に制御(空燃比フィードバック制御)する必要がある。そのため、このような三元触媒を用いたシステムでは、エンジンの気筒間で空燃比がばらつくと排気エミッションが悪化するおそれがある。なお、北米法規では、このような排気エミッションの悪化要因となる空燃比の気筒間ばらつき異常(インバランス故障)を車載状態で検知するように定めている(OBD2:On−Board Diagnostics 2)。
このような空燃比の気筒間ばらつき異常を検知する手法として、従来から、排気浄化触媒の上流に設けた空燃比センサ(LAFセンサ)により検出される混合気の空燃比(A/F)の変動を利用した空燃比(A/F)変動法が知られている。しかしながら、例えば経年劣化等により、空燃比センサの応答性が悪化すると、空燃比センサの出力波形の振幅が減少し、気筒間ばらつき異常を検知できなくなるおそれがある。すなわち、気筒間ばらつきが生じているにも拘らず正常と誤判定してしまうおそれがある。
ここで、特許文献1には、空燃比センサの応答性劣化時における空燃比の気筒間ばらつき検出精度を向上させる技術が開示されている。この技術では、まず、エンジンの高負荷領域での空燃比センサの応答性劣化度合いが検出され、空燃比センサの劣化度合いに応じた補正ゲインが算出される。そして、補正後の各気筒の推定空燃比と基準空燃比との偏差が算出されることで、各気筒の空燃比のばらつきが算出される。これにより、空燃比センサの応答性劣化時における空燃比の気筒間ばらつき検出精度を向上させている。
また、特許文献2には、空燃比センサの応答性に関わらず、インバランスを精度よく判定することができる空燃比気筒間インバランス判定装置が開示されている。この装置では、空燃比センサの出力値の時間微分値に基づいて、気筒別空燃比の不均一性の程度が大きいほど大きくなるように補正前指標値が取得される。一方、フューエルカット運転中に、空燃比センサの出力値が大きいほど大きくなるように補正用出力値が求められる。そして、補正用出力値が大きいほど(すなわち、空燃比センサの応答性が高いほど)、補正前指標値が小さくなるように、補正前指標値が補正されて空燃比不均衡指標値が取得される。そして、この空燃比不均衡指標値がインバランス判定用閾値以上であるときに、空燃比気筒間インバランス状態が発生したと判定される。
特開2008−128161号公報 特開2012−31774号公報
ところで、空燃比センサ(LAFセンサ)の劣化のしかたは一様ではない。すなわち、空燃比センサの劣化形態(劣化モード)には、応答性が全体的に(リッチ側もリーン側も)一様に悪化する形態(モード)だけでなく、リッチ側の応答性のみが悪化する形態や、リーン側の応答性のみが劣化する形態もある。
しかしながら、特許文献1および2に記載の技術では、このような劣化形態(劣化モード)の違いは考慮されていない。そのため、特許文献1および2に記載の技術では、空燃比センサ(LAFセンサ)の劣化のしかたによっては(特に、リッチ側の応答性のみ又はリーン側の応答性のみが悪化する劣化形態のときには)、上述した補正(各気筒の空燃比の補正又は補正前指標値の補正)が適切に行なわれず、気筒間ばらつき異常を誤検知してしまうおそれ又は検知できなくなるおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、経年劣化等により空燃比センサの応答性が悪化した場合において、空燃比センサの劣化形態(劣化モード)にかかわらず、確実に気筒間ばらつき異常を検知することが可能な気筒間ばらつき異常検知装置を提供することを目的とする。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置は、所定の燃料噴射停止条件が成立した場合に、燃料噴射を停止する燃料噴射制御手段と、エンジンの排気ガス中の酸素濃度、未燃ガス濃度から混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、燃料噴射が停止されたときに、空燃比検出手段の出力がリーン方向に変化する際のリーン応答遅れ時間を取得するリーン応答遅れ取得手段と、燃料噴射停止からの復帰時に、空燃比検出手段の出力がリッチ方向に変化する際のリッチ応答遅れ時間を取得するリッチ応答遅れ取得手段と、空燃比検出手段により検出された空燃比の変動量に基づいて、気筒間ばらつき異常の有無を判定するための診断値を算出する診断値算出手段と、リーン応答遅れ時間に基づいてリーン応答補正値を求めるとともに、リッチ応答遅れ時間に基づいてリッチ応答補正値を求め、該リーン応答補正値およびリッチ応答補正値で診断値を補正する診断値補正手段と、診断値補正手段により補正された診断値が判定しきい値を超えている場合に、気筒間ばらつき異常が生じていると判定する異常判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置によれば、燃料噴射が停止されたときにリーン応答遅れ時間が取得される。一方、燃料噴射停止からの復帰時にリッチ応答遅れ時間が取得される。また、リーン応答遅れ時間に基づいてリーン応答補正値が求められるとともに、リッチ応答遅れ時間に基づいてリッチ応答補正値が求められる。そして、リーン応答補正値およびリッチ応答補正値により空燃比の変動量に基づいて算出された診断値が補正される。そのため、応答性が全体的に(リッチ側もリーン側も)一様に悪化する形態(モード)だけでなく、リッチ側の応答性のみが悪化する形態や、リーン側の応答性のみが劣化する形態に対しても適切に診断値を補正することができる。そして、補正後の診断値が判定しきい値を超えている場合に気筒間ばらつき異常が生じていると判定される。その結果、経年劣化等により空燃比検出手段の応答性が悪化した場合において、空燃比検出手段の劣化形態(劣化モード)にかかわらず、確実に気筒間ばらつき異常を検知することが可能となる。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置では、リーン応答遅れ取得手段が、燃料噴射が停止されてから空燃比検出手段の出力が空燃比検出手段の出力上限値に到達するまでの時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリーン応答遅れ時間を取得することが好ましい。
このようにすれば、燃料噴射が停止されたときに、空燃比検出手段の出力がリーン方向に変化する際の空燃比の変化量に対するリーン応答遅れ時間(すなわちリーン応答遅れの傾き)を適切に取得することができる。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置では、リッチ応答遅れ取得手段が、燃料噴射停止が解除されてから空燃比検出手段の出力が空気過剰率λ=1.0に到達するまでの時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリッチ応答遅れ時間を求めることが好ましい。
このようにすれば、燃料噴射停止からの復帰時に、空燃比検出手段の出力がリッチ方向に変化する際の空燃比の変化量に対するリッチ応答遅れ時間(すなわちリッチ応答遅れの傾き)を適切に取得することができる。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置では、診断値算出手段が、空燃比検出手段の出力を増幅した増幅値と、空燃比検出手段の出力をなましたなまし値との差分の面積を所定時間積算して上記診断値を算出することが好ましい。
このようにすれば、気筒間ばらつき異常の有無を判定するための診断値を、空燃比の変動に応じて適切に算出することができる。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置では、診断値補正手段が、リーン応答遅れ時間が大きくなるほどリーン応答補正量が大きくなるように設定されたリーン側応答補正テーブルを予め有しており、該リーン側応答補正テーブルに基づいて上記リーン応答補正値を求めることが好ましい。
このようにすれば、リーン応答遅れ時間に応じた適切な補正値(リーン応答補正値)を求めることができる。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置では、診断値補正手段が、リッチ応答遅れ時間が大きくなるほどリッチ応答補正量が大きくなるように設定されたリッチ側応答補正テーブルを予め有しており、該リッチ側応答補正テーブルに基づいて上記リッチ応答補正値を求めることが好ましい。
このようにすれば、リッチ応答遅れ時間に応じた適切な補正値(リッチ応答補正値)を求めることができる。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置は、所定の燃料噴射停止条件が成立した場合に、燃料噴射を停止する燃料噴射制御手段と、エンジンの排気ガス中の酸素濃度、未燃ガス濃度から混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、燃料噴射が停止されたときに、空燃比検出手段の出力がリーン方向に変化する際のリーン応答遅れ時間を取得するリーン応答遅れ取得手段と、燃料噴射停止からの復帰時に、空燃比検出手段の出力がリッチ方向に変化する際のリッチ応答遅れ時間を取得するリッチ応答遅れ取得手段と、空燃比検出手段により検出された空燃比の変動量に基づいて、気筒間ばらつき異常の有無を判定するための診断値を算出する診断値算出手段と、リーン応答遅れ時間に基づいてリーン応答補正値を求めるとともに、リッチ応答遅れに基づいてリッチ応答補正値を求め、該リーン応答補正値およびリッチ応答補正値で気筒間ばらつき異常の有無を判定するための判定しきい値を補正する判定しきい値補正手段と、診断値算出手段により算出された診断値が判定しきい値補正手段により補正された判定しきい値を超えている場合に、気筒間ばらつき異常が生じていると判定する異常判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る気筒間ばらつき異常検知装置によれば、燃料噴射が停止されたときにリーン応答遅れ時間が取得される。一方、燃料噴射停止からの復帰時にリッチ応答遅れ時間が取得される。また、リーン応答遅れ時間に基づいてリーン応答補正値が求められるとともに、リッチ応答遅れ時間に基づいてリッチ応答補正値が求められる。そして、リーン応答補正値およびリッチ応答補正値により気筒間ばらつき異常の有無を判定するための判定しきい値が補正される。そのため、応答性が全体的に(リッチ側もリーン側も)一様に悪化する形態(モード)だけでなく、リッチ側の応答性のみが悪化する形態や、リーン側の応答性のみが劣化する形態に対しても適切に判定しきい値を補正することができる。そして、空燃比の変動量に基づいて算出された診断値が補正後の判定しきい値を超えている場合に気筒間ばらつき異常が生じていると判定される。その結果、経年劣化等により空燃比検出手段の応答性が悪化した場合において、空燃比検出手段の劣化形態(劣化モード)にかかわらず、確実に気筒間ばらつき異常を検知することが可能となる。
本発明によれば、経年劣化等により空燃比センサの応答性が悪化した場合において、空燃比センサの劣化形態(劣化モード)にかかわらず、確実に気筒間ばらつき異常を検知することが可能となる。
実施形態に係る気筒間ばらつき異常検知装置の構成を示す図である。 燃料カット開始時のLAFセンサの出力変化を示す図である。 燃料カット復帰時のLAFセンサの出力変化を示す図である。 診断値の算出方法を説明するための図である。 リーン側応答補正テーブルの一例を示す図である。 リッチ側応答補正テーブルの一例を示す図である。 正常時および気筒間ばらつき異常時のLAFセンサの出力波形の一例を示す図である。 劣化していないLAFセンサの気筒間ばらつき異常時の出力波形と診断値の一例、及び、劣化したLAFセンサの気筒間ばらつき異常時の出力波形と診断値の一例を示す図である。 実施形態に係る気筒間ばらつき異常検知装置による気筒間ばらつき異常検知処理の処理手順を示すフローチャートである。 変形例に係る気筒間ばらつき異常検知装置の構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る気筒間ばらつき異常検知装置1の構成について説明する。図1は、気筒間ばらつき異常検知装置1および該気筒間ばらつき異常検知装置1が適用されたエンジン10の構成を示す図である。
エンジン10は、例えば水平対向型の4気筒ガソリンエンジンである。また、エンジン10は、シリンダ内(筒内)に燃料を直接噴射する筒内噴射式のエンジンである。エンジン10では、エアクリーナ16から吸入された空気が、吸気管15に設けられた電子制御式スロットルバルブ(以下、単に「スロットルバルブ」ともいう)13により絞られ、インテークマニホールド11を通り、エンジン10に形成された各気筒に吸入される。ここで、エアクリーナ16から吸入された空気の量は、エアクリーナ16とスロットルバルブ13との間に配置されたエアフローメータ14により検出される。また、インテークマニホールド11を構成するコレクター部(サージタンク)の内部には、インテークマニホールド11内の圧力(吸気マニホールド圧力)を検出するバキュームセンサ30が配設されている。さらに、スロットルバルブ13には、該スロットルバルブ13の開度を検出するスロットル開度センサ31が配設されている。
シリンダヘッドには、気筒毎に吸気ポート22と排気ポート23とが形成されている(図1では片バンクのみ示した)。各吸気ポート22、排気ポート23それぞれには、該吸気ポート22、排気ポート23を開閉する吸気バルブ24、排気バルブ25が設けられている。吸気バルブ24を駆動する吸気カム軸と吸気カムプーリとの間には、吸気カムプーリと吸気カム軸とを相対回動してクランク軸10aに対する吸気カム軸の回転位相(変位角)を連続的に変更して、吸気バルブ24のバルブタイミング(開閉タイミング)を進遅角する可変バルブタイミング機構26が配設されている。この可変バルブタイミング機構26により吸気バルブ24の開閉タイミングがエンジン運転状態に応じて可変設定される。
同様に、排気カム軸と排気カムプーリとの間には、排気カムプーリと排気カム軸とを相対回動してクランク軸10aに対する排気カム軸の回転位相(変位角)を連続的に変更して、排気バルブ25のバルブタイミング(開閉タイミング)を進遅角する可変バルブタイミング機構27が配設されている。この可変バルブタイミング機構27により排気バルブ25の開閉タイミングがエンジン運転状態に応じて可変設定される。
エンジン10の各気筒には、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタ12が取り付けられている。インジェクタ12は、高圧燃料ポンプ(図示省略)により加圧された燃料を各気筒の燃焼室内へ直接噴射する。
また、各気筒のシリンダヘッドには、混合気に点火する点火プラグ17、及び該点火プラグ17に高電圧を印加するイグナイタ内蔵型コイル21が取り付けられている。エンジン10の各気筒では、吸入された空気とインジェクタ12によって噴射された燃料との混合気が点火プラグ17により点火されて燃焼する。燃焼後の排気ガスは排気管18を通して排出される。
本実施形態では、排気管18として、排気を干渉させないようにするために、1番シリンダ(#1)と2番シリンダ(#2)、3番シリンダ(#3)と4番シリンダ(#4)をまず合流(集合)させ、その後1本に集合した4−2−1レイアウトを採用した。なお、4−2−1レイアウトに変えて、例えば、4−1レイアウト等を採用してもよい。
排気管18の集合部の下流かつ後述する排気浄化触媒20の上流には、空燃比センサ19が取り付けられている。空燃比センサ19としては、排気ガス中の酸素濃度、未燃ガス濃度に応じた信号(すなわち混合気の空燃比に応じた信号)を出力でき、空燃比をリニアに検出することができるリニア空燃比センサ(LAFセンサ)が用いられる。空燃比センサ(以下「LAFセンサ」ともいう)19は、特許請求の範囲に記載の空燃比検出手段として機能する。
より詳細には、LAFセンサ19は、例えばZrOなどの酸素イオン伝導体の一方の面に大気側電極が設けられるとともに、他方の面に拡散抵抗層および排気側電極が設けられた構造をしており、両電極の間に電圧が印加されると、リッチ領域においては、内部の大気からOが運ばれる(ポンピング)。一方、リーン領域においては、排ガス側から拡散抵抗層を通過してOが運ばれる。これらのOの移動に伴って流れるポンプ電流Ipは、リッチ領域では未燃ガス濃度に比例し、リーン領域では排気ガス中のO濃度に比例した値となる。そのため、LAFセンサ19は、リーン領域からリッチ領域まで、空燃比をリニアに検出することができる。なお、このような原理(構成)で空燃比を検出しているため、LAFセンサ19の劣化形態(劣化モード)には、応答性が全体的に(リッチ側もリーン側も)一様に悪化する形態(モード)だけでなく、リッチ側の応答性のみが悪化する形態や、リーン側の応答性のみが劣化する形態も生じ得る。
LAFセンサ19の下流には排気浄化触媒20が配設されている。排気浄化触媒20は三元触媒であり、排気ガス中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の酸化と、窒素酸化物(NOx)の還元を同時に行い、排気ガス中の有害ガス成分を無害な二酸化炭素(CO)、水蒸気(HO)及び窒素(N)に清浄化するものである。
上述したエアフローメータ14、LAFセンサ19、バキュームセンサ30、スロットル開度センサ31に加え、エンジン10のカムシャフト近傍には、エンジン10の気筒判別を行うためのカム角センサ32が取り付けられている。また、エンジン10のクランクシャフト10a近傍には、クランクシャフト10aの回転位置を検出するクランク角センサ33が取り付けられている。ここで、クランクシャフト10aの端部には、例えば、2歯欠歯した34歯の突起が10°間隔で形成されたタイミングロータ33aが取り付けられており、クランク角センサ33は、タイミングロータ33aの突起の有無を検出することにより、クランクシャフト10aの回転位置を検出する。カム角センサ32及びクランク角センサ33としては、例えば電磁ピックアップ式のものなどが用いられる。
これらのセンサは、電子制御装置(以下「ECU」という)50に接続されている。さらに、ECU50には、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ34、潤滑油の温度を検出する油温センサ35、アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセルペダルの開度を検出するアクセルペダル開度センサ36、及び、車両の速度を検出する車速センサ37等の各種センサも接続されている。
ECU50は、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び入出力I/F等を有して構成されている。また、ECU50は、インジェクタ12を駆動するインジェクタドライバ、点火信号を出力する出力回路、及び、電子制御式スロットルバルブ13を開閉する電動モータ13aを駆動するモータドライバ等を備えている。
ECU50では、カム角センサ32の出力から気筒が判別され、クランク角センサ33の出力から回転角速度およびエンジン回転数が求められる。また、ECU50では、上述した各種センサから入力される検出信号に基づいて、吸入空気量、吸気管負圧、アクセルペダル開度、混合気の空燃比、及びエンジン10の水温や油温等の各種情報が取得される。そして、ECU50は、取得したこれらの各種情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、及び、スロットルバルブ13等の各種デバイスを制御することによりエンジン10を総合的に制御する。
特に、ECU50は、経年劣化等によりLAFセンサ19の応答性が悪化した場合において、LAFセンサ19の劣化形態(劣化モード)にかかわらず、どのような劣化形態であっても確実に気筒間ばらつき異常を検知する機能を有している。そのため、ECU50は、燃料噴射制御部51、リーン応答遅れ取得部52、リッチ応答遅れ取得部53、診断値算出部54、診断値補正部55、および異常判定部56を機能的に備えている。ECU50では、ROMに記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより、燃料噴射制御部51、リーン応答遅れ取得部52、リッチ応答遅れ取得部53、診断値算出部54、診断値補正部55、および異常判定部56の各機能が実現される。
燃料噴射制御部51は、減速時等、所定の燃料噴射停止条件が成立した場合に、インジェクタ12の駆動を停止してエンジン10に対する燃料供給を停止(以下「燃料カット」ともいう)する。すなわち、燃料噴射制御部51は、特許請求の範囲に記載の燃料噴射制御手段として機能する。より具体的には、燃料噴射制御部51は、例えば次のような燃料カット開始条件(以下、単に「燃料カット条件」ともいう)が満足された場合、すなわち、アクセルペダルが全閉で、エンジン回転数Ne≧1000(rpm)であり、かつ、車速v≧10(km/h)の場合に、燃料カットを実行する。
一方、燃料噴射制御部51は、燃料カットの実行中に上記燃料カット条件が満たされなくなったときには、燃料カットを中断し、インジェクタ12による燃料噴射を再開(燃料カットから復帰)する。なお、燃料噴射制御部51による燃料カット実行情報は、リーン応答遅れ取得部52およびリッチ応答遅れ取得部53に出力される。
リーン応答遅れ取得部52は、燃料カットが実行(燃料噴射が停止)されたときに、LAFセンサ19の出力がリーン方向に変化する際のリーン応答遅れ時間を取得する。すなわち、リーン応答遅れ取得部52は、特許請求の範囲に記載のリーン応答遅れ取得手段として機能する。より具体的には、リーン応答遅れ取得部52は、図2に示されるように、燃料カットが開始(燃料噴射が停止)されてからLAFセンサ19の出力(空燃比)がセンサの出力上限値に到達するまでの時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリーン応答遅れ時間(単位空燃比変化量あたりのリーン応答遅れ時間、すなわちリーン応答遅れの傾き)を取得する。
ここで、図2は、燃料カット開始時のLAFセンサ19の出力変化を示す図である。図2の横軸は時間(sec.)であり、縦軸は空気過剰率λ(空燃比)である。図2では、応答遅れがない正常(中心仕様)の場合の出力波形を実線で示した。また、中心仕様に対して25ms.の応答遅れ時間を有する場合の出力波形を破線で示した。同様に、中心仕様に対して50ms.の応答遅れ時間を有する場合の出力波形を一点鎖線で、中心仕様に対して100ms.の応答遅れ時間を有する場合の出力波形を二点鎖線でそれぞれ示した。なお、リーン応答遅れ取得部52により取得されたリーン応答遅れ時間は、診断値補正部55に出力される。
リッチ応答遅れ取得部53は、燃料カットからの復帰時に、LAFセンサ19の出力がリッチ方向に変化する際のリッチ応答遅れ時間を取得する。すなわち、リッチ応答遅れ取得部53は、特許請求の範囲に記載のリッチ応答遅れ取得手段として機能する。より具体的には、リッチ応答遅れ取得部53は、図3に示されるように、燃料カット(燃料噴射停止)が解除されてからLAFセンサ19の出力(空燃比)が空気過剰率λ=1.0に到達するまで(すなわちセンサの出力上限値からλ=1.0になるまで)の時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリッチ応答遅れ時間(単位空燃比変化量あたりのリッチ応答遅れ時間、すなわちリッチ応答遅れの傾き)を求める。
ここで、図3は、燃料カット復帰時のLAFセンサ19の出力変化を示す図である。図3の横軸は時間(sec.)であり、縦軸は空気過剰率λ(空燃比)である。図3では、図2と同様に、応答遅れがない正常(中心仕様)の場合の出力波形を実線で示した。また、中心仕様に対して25ms.の応答遅れ時間を有する場合の出力波形を破線で示した。同様に、中心仕様に対して50ms.の応答遅れ時間を有する場合の出力波形を一点鎖線で、中心仕様に対して100ms.の応答遅れ時間を有する場合の出力波形を二点鎖線でそれぞれ示した。なお、リッチ応答遅れ取得部53により取得されたリッチ応答遅れ時間は、診断値補正部55に出力される。
診断値算出部54は、LAFセンサ19により検出された空燃比の変動量に基づいて、気筒間ばらつき異常の有無を判定するための診断値を算出する。すなわち、診断値算出部54は、特許請求の範囲に記載の診断値算出手段として機能する。より具体的には、診断値算出部54は、図4に示されるように、LAFセンサ19の出力(波形、図4の破線参照)を増幅した増幅値(波形、図4の実線参照)と、LAFセンサ19の出力をフィルタ(LPF等)でなましたなまし値(波形、図4の一点鎖線参照)との差分の面積(図4のハッチング部分参照)を所定(一定)時間(例えば10秒程度)積算して診断値を算出する。ここで、図4は、診断値の算出方法を説明するための図である。なお、診断値算出部54により算出された診断値は、診断値補正部55に出力される。
診断値補正部55は、単位空燃比変化量あたりのリーン応答遅れ時間(リーン応答遅れの傾き)に基づいてリーン応答補正値を求めるとともに、単位空燃比変化量あたりのリッチ応答遅れ時間(リッチ応答遅れの傾き)に基づいてリッチ応答補正値を求める。そして、診断値補正部55は、リーン応答補正値およびリッチ応答補正値を用いて上記診断値を補正する。すなわち、診断値補正部55は、特許請求の範囲に記載の診断値補正手段として機能する。
より具体的には、ECU50のROM等には、予め、単位空燃比変化量あたりのリーン応答遅れ時間(リーン応答遅れの傾き)とリーン応答補正値(補正係数)との関係を定めたテーブル(リーン側応答補正テーブル)が記憶されており、診断値補正部55は、取得されたリーン応答遅れ時間に基づいて、リーン側応答補正テーブルを検索して、リーン応答補正値(補正係数)を取得する。ここで、リーン側応答補正テーブルの一例を図5に示す。図5において、横軸は単位空燃比変化量あたりのリーン応答遅れ時間(ms.)である。リーン側応答補正テーブルでは、図5に示されるように、上述した正常(中心仕様)の場合を基準にして、リーン応答遅れ時間が大きくなるほど(リーン応答遅れの傾きが小さくなるほど)、リーン応答補正値(補正係数)が大きくなるように設定されている。
同様に、ECU50のROM等には、予め、単位空燃比変化量あたりのリッチ応答遅れ時間(リッチ応答遅れの傾き)とリッチ応答補正値(補正係数)との関係を定めたテーブル(リッチ側応答補正テーブル)が記憶されており、診断値補正部55は、取得されたリッチ応答遅れ時間に基づいて、リッチ側応答補正テーブルを検索して、リッチ応答補正値(補正係数)を取得する。ここで、リッチ側応答補正テーブルの一例を図6に示す。図6において、横軸は単位空燃比変化量あたりのリッチ応答遅れ時間(ms.)である。リッチ側応答補正テーブルでは、図6に示されるように、上述した正常(中心仕様)の場合を基準にして、リッチ応答遅れ時間が大きくなるほど(リッチ応答遅れの傾きが小さくなるほど)、リッチ応答補正値(補正係数)が大きくなるように設定されている。
そして、診断値補正部55は、診断値に対して、取得したリーン応答補正値(補正係数)およびリッチ応答補正値(補正係数)をそれぞれ乗算することにより、診断値を補正する。
ここで、図7に、正常時(上段)および気筒間ばらつき異常時(下段)それぞれのLAFセンサの出力波形の一例を示す。また、図8に、劣化していないLAFセンサ19の気筒間ばらつき異常時(1気筒リーンインバランス発生時)の出力波形と診断値の一例(上段)、及び、両側応答遅れ(100ms.)が生じた(劣化した)LAFセンサ19の気筒間ばらつき異常時(1気筒リーンインバランス発生時)の出力波形と診断値の一例(下段)を示す。図7に示されるように、気筒間ばらつき異常が発生するとLAFセンサ19の出力波形の振幅(変動量)が、正常時に比べて大きくなる。しかしながら、LAFセンサ19の応答性が悪化すると、図8の下段のグラフに示されるように、LAFセンサ19の出力波形の振幅(変動量)が小さくなるため、診断値(補正前)の値も小さくなる。そのため、このままでは、気筒間ばらつき異常を検知することができないおそれがある。これに対して、診断値補正部55は、リーン応答補正値(補正係数)およびリッチ応答補正値(補正係数)を用いて、図8の下段のグラフに破線で示されるように、診断値を補正する。なお、診断値補正部55により補正された補正後の診断値は、異常判定部56に出力される。
異常判定部56は、診断値補正部55により補正された診断値が判定しきい値を超えている場合に、気筒間ばらつき異常が生じていると判定する。すなわち、異常判定部56は、特許請求の範囲に記載の異常判定手段として機能する。
次に、図9を参照しつつ、気筒間ばらつき異常検知装置1の動作について説明する。図9は、気筒間ばらつき異常検知装置1による気筒間ばらつき異常検知処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、ECU50において、所定のタイミングで繰り返して実行される。
まず、ステップS100では、LAFセンサ19により検出された空燃比が読み込まれる。次に、ステップS102では、燃料カットが実行中であるか否かについての判断が行われる。ここで、燃料カットが実行中の場合には、ステップS108に処理が移行する。一方、燃料カットが実行されていないときには、ステップS104に処理が移行する。
ステップS104では、燃料カット(開始)条件が成立したか否かについての判断が行われる。なお、燃料カット条件については上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。ここで、燃料カット条件が成立している場合には、ステップS106に処理が移行する。一方、燃料カット条件が成立していないときには、ステップS112に処理が移行する。
ステップS106では、インジェクタ12の駆動が停止されて、該インジェクタ12による燃料噴射が停止(すなわち燃料カットが実行)される。そして、燃料カットが開始されてからLAFセンサ19の出力がセンサの出力上限値に到達するまでの時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリーン応答遅れ時間(単位空燃比変化量あたりのリーン応答遅れ時間、すなわちリーン応答遅れの傾き)が取得される。その後、本処理から一旦抜ける。
ステップS102において燃料カット実行中であると判定された場合、ステップS108では、燃料カット(開始)条件が満足されなくなったか否かについての判断が行われる。ここで、燃料カット条件が満足されている場合には、燃料カットが継続して実行された後、本処理から一旦抜ける。一方、燃料カット条件が満足されなくなったときには、ステップS110に処理が移行する。
ステップS110では、インジェクタ12の駆動が再開されて、該インジェクタ12による燃料噴射が実行される。そして、燃料カットが解除されてからLAFセンサ19の出力が空気過剰率λ=1.0に到達するまで(すなわちセンサの出力上限値からλ=1.0になるまで)の時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリッチ応答遅れ時間(単位空燃比変化量あたりのリッチ応答遅れ時間、すなわちリッチ応答遅れの傾き)が求められる。
ステップS112では、LAFセンサ19により検出された空燃比の変動量に基づいて、気筒間ばらつき異常の有無を判定するための診断値が算出される。なお、診断値の算出方法は上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
続いて、ステップS114では、単位空燃比変化量あたりのリーン応答遅れ時間(リーン応答遅れの傾き)に基づいてリーン応答補正値が求められるとともに、単位空燃比変化量あたりのリッチ応答遅れ時間(リッチ応答遅れの傾き)に基づいてリッチ応答補正値が求められる。ここで、リーン応答補正値およびリッチ応答補正値の求め方は上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、ステップS116では、ステップS114で求められたリーン応答補正値およびリッチ応答補正値を用いて診断値が補正される。そして、続くステップS118において、補正された診断値が判定しきい値を超えている場合に、気筒間ばらつき異常が生じていると判定される。その後、本処理から一旦抜ける。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、燃料カット開始時にリーン応答遅れ時間が取得される。一方、燃料カット復帰時にリッチ応答遅れ時間が取得される。また、リーン応答遅れ時間に基づいてリーン応答補正値が求められるとともに、リッチ応答遅れ時間に基づいてリッチ応答補正値が求められる。そして、リーン応答補正値およびリッチ応答補正値を用いて診断値が補正される。そのため、応答性が全体的に(リッチ側もリーン側も)一様に悪化する形態(モード)だけでなく、リッチ側の応答性のみが悪化する形態や、リーン側の応答性のみが劣化する形態に対しても適切に診断値を補正することができる。そして、補正後の診断値が判定しきい値を超えている場合に気筒間ばらつき異常が生じていると判定される。その結果、経年劣化等によりLAFセンサ19の応答性が悪化した場合において、LAFセンサ19の劣化形態(劣化モード)にかかわらず、確実に気筒間ばらつき異常を検知することが可能となる。
特に、本実施形態によれば、燃料カットが開始されてから、LAFセンサ19の出力がセンサの出力上限値に到達するまでの時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリーン応答遅れ時間が取得される。そのため、燃料カットが開始されたときに、LAFセンサ19の出力がリーン方向に変化する際の空燃比の変化量に対するリーン応答遅れ時間(すなわちリーン応答遅れの傾き)を適切に取得することができる。
また、本実施形態によれば、燃料カットが解除されてから、LAFセンサ19の出力が空気過剰率λ=1.0に到達するまでの時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリッチ応答遅れ時間が求められる。そのため、燃料カットからの復帰時に、LAFセンサ19の出力がリッチ方向に変化する際の空燃比の変化量に対するリッチ応答遅れ時間(すなわちリッチ応答遅れの傾き)を適切に取得することができる。
一方、本実施形態によれば、LAFセンサ19の出力を増幅した増幅値と、LAFセンサ19の出力をなましたなまし値との差分の面積を所定時間積算して診断値が算出される。そのため、気筒間ばらつき異常の有無を判定するための診断値を、空燃比の変動に応じて適切に算出することができる。
本実施形態によれば、リーン応答遅れ時間が大きくなるほど(リーン応答遅れの傾きが小さくなるほど)リーン応答補正量が大きくなるように設定されたリーン側応答補正テーブルが予め記憶されており、該リーン側応答補正テーブルに基づいてリーン応答補正値が求められる。そのため、リーン応答遅れ時間(リーン応答遅れの傾き)に応じた適切な補正値(リーン応答補正値)を求めることができる。
同様に、本実施形態によれば、リッチ応答遅れ時間が大きくなるほど(リッチ応答遅れの傾きが小さくなるほど)リッチ応答補正量が大きくなるように設定されたリッチ側応答補正テーブルが予め記憶されており、該リッチ側応答補正テーブルに基づいてリッチ応答補正値が求められる。そのため、リッチ応答遅れ時間(リッチ応答遅れの傾き)に応じた適切な補正値(リッチ応答補正値)を求めることができる。
(変形例)
上述した実施形態では、リーン応答遅れ時間(リーン応答遅れの傾き)およびリッチ応答遅れ時間(リッチ応答遅れの傾き)に応じて診断値を補正したが、診断値を補正することに代えて、判定しきい値を補正する構成とすることもできる。そこで、次に、図10を用いて変形例に係る気筒間ばらつき検知装置1Bについて説明する。図10は、気筒間ばらつき異常検知装置1Bおよび該気筒間ばらつき異常検知装置1Bが適用されたエンジン10の構成を示す図である。なお、図10において上記実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
本変形例は、ECU50に代えてECU50Bが用いられている点で上述した実施形態と異なっている。また、ECU50Bは、診断値補正部55に代えて判定しきい値補正部55Bを有している点、および異常判定部56に代えて異常判定部56Bを有している点で上述した実施形態と異なっている。その他の構成は、上述した実施形態と同一または同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
判定しきい値補正部55Bは、リーン応答遅れ時間(リーン応答遅れの傾き)に基づいてリーン応答補正値を求めるとともに、リッチ応答遅れ時間(リッチ応答遅れの傾き)に基づいてリッチ応答補正値を求め、該リーン応答補正値およびリッチ応答補正値を用いて気筒間ばらつき異常の有無を判定するための判定しきい値を補正する。すなわち、判定しきい値補正部55Bは、特許請求の範囲に記載の判定しきい値補正手段として機能する。
なお、リーン応答補正値、リッチ応答補正値の求め方、および補正のしかたは、上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。ただし、上述した実施形態では、リーン/リッチ応答遅れ時間が大きくなるほど(リーン/リッチ応答遅れの傾きが小さくなるほど)、リーン/リッチ応答補正値(補正係数)が大きくなるように設定されていたが、本変形例では、リーン/リッチ応答遅れ時間が大きくなるほど(リーン/リッチ応答遅れの傾きが小さくなるほど)、リーン/リッチ応答補正値(補正係数)が小さくなるように設定されている。
異常判定部56Bは、診断値算出部54により算出された診断値が、判定しきい値補正部55Bにより補正された判定しきい値を超えている場合に、気筒間ばらつき異常が生じていると判定する。すなわち、異常判定部56Bは、特許請求の範囲に記載の異常判定手段として機能する。
本変形例によれば、リーン応答補正値およびリッチ応答補正値により気筒間ばらつき異常の有無を判定するための判定しきい値が補正される。そのため、応答性が全体的に(リッチ側もリーン側も)悪化する形態(モード)だけでなく、リッチ側の応答性のみが悪化する形態や、リーン側の応答性のみが劣化する形態に対しても適切に判定しきい値を補正することができる。そして、空燃比の変動量に基づいて算出された診断値が補正後の判定しきい値を超えている場合に気筒間ばらつき異常が生じていると判定される。その結果、経年劣化等によりLAFセンサ19の応答性が悪化した場合において、LAFセンサ19の劣化形態(劣化モード)にかかわらず、確実に気筒間ばらつき異常を検知することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明を4気筒エンジンに適用した場合を例にして説明したが、本発明は、2気筒以上のエンジンであれば、4気筒エンジンに限られることなく、適用することができる。また、本発明は、水平対向型のエンジンに限られず、直列型やV型等のエンジンにも適用することができる。さらに、上記実施形態では、本発明を筒内噴射式のエンジンに適用した場合を例にして説明したが、本発明は、ポート噴射式のエンジン等にも適用することができる。
上記実施形態では、リーン応答補正値/リッチ応答補正値を取得するために、リーン側応答補正テーブル/リッチ側応答補正テーブルを用いたが、演算によって求める構成としてもよい。
1,1B 気筒間ばらつき異常検知装置
10 エンジン
10a クランクシャフト
11 インテークマニホールド
12 インジェクタ
13 電子制御式スロットルバルブ
14 エアフローメータ
17 点火プラグ
19 空燃比センサ(LAFセンサ)
31 スロットル開度センサ
32 カム角センサ
33 クランク角センサ
33a タイミングロータ
50,50B ECU
51 燃料噴射制御部
52 リーン応答遅れ取得部
53 リッチ応答遅れ取得部
54 診断値算出部
55 診断値補正部
55B 判定しきい値補正部
56,56B 異常判定部

Claims (7)

  1. 所定の燃料噴射停止条件が成立した場合に、燃料噴射を停止する燃料噴射制御手段と、
    エンジンの排気ガス中の酸素濃度、未燃ガス濃度から混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    燃料噴射が停止されたときに、前記空燃比検出手段の出力がリーン方向に変化する際のリーン応答遅れ時間を取得するリーン応答遅れ取得手段と、
    燃料噴射停止からの復帰時に、前記空燃比検出手段の出力がリッチ方向に変化する際のリッチ応答遅れ時間を取得するリッチ応答遅れ取得手段と、
    前記空燃比検出手段により検出された空燃比の変動量に基づいて、気筒間ばらつき異常の有無を判定するための診断値を算出する診断値算出手段と、
    前記リーン応答遅れ時間に基づいてリーン応答補正値を求めるとともに、前記リッチ応答遅れ時間に基づいてリッチ応答補正値を求め、該リーン応答補正値およびリッチ応答補正値で前記診断値を補正する診断値補正手段と、
    前記診断値補正手段により補正された診断値が判定しきい値を超えている場合に、気筒間ばらつき異常が生じていると判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする気筒間ばらつき異常検知装置。
  2. 前記リーン応答遅れ取得手段は、燃料噴射が停止されてから前記空燃比検出手段の出力が前記空燃比検出手段の出力上限値に到達するまでの時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリーン応答遅れ時間を取得することを特徴とする請求項1に記載の気筒間ばらつき異常検知装置。
  3. 前記リッチ応答遅れ取得手段は、燃料噴射停止が解除されてから前記空燃比検出手段の出力が空気過剰率λ=1.0に到達するまでの時間および空燃比の変化量に基づいて、該空燃比の変化量に対するリッチ応答遅れ時間を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の気筒間ばらつき異常検知装置。
  4. 前記診断値算出手段は、前記空燃比検出手段の出力を増幅した増幅値と、前記空燃比検出手段の出力をなましたなまし値との差分の面積を所定時間積算して前記診断値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の気筒間ばらつき異常検知装置。
  5. 前記診断値補正手段は、前記リーン応答遅れ時間が大きくなるほど前記リーン応答補正量が大きくなるように設定されたリーン側応答補正テーブルを予め有しており、該リーン側応答補正テーブルに基づいて前記リーン応答補正値を求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の気筒間ばらつき異常検知装置。
  6. 前記診断値補正手段は、前記リッチ応答遅れ時間が大きくなるほど前記リッチ応答補正量が大きくなるように設定されたリッチ側応答補正テーブルを予め有しており、該リッチ側応答補正テーブルに基づいて前記リッチ応答補正値を求めることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気筒間ばらつき異常検知装置。
  7. 所定の燃料噴射停止条件が成立した場合に、燃料噴射を停止する燃料噴射制御手段と、
    エンジンの排気ガス中の酸素濃度、未燃ガス濃度から混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    燃料噴射が停止されたときに、前記空燃比検出手段の出力がリーン方向に変化する際のリーン応答遅れ時間を取得するリーン応答遅れ取得手段と、
    燃料噴射停止からの復帰時に、前記空燃比検出手段の出力がリッチ方向に変化する際のリッチ応答遅れ時間を取得するリッチ応答遅れ取得手段と、
    前記空燃比検出手段により検出された空燃比の変動量に基づいて、気筒間ばらつき異常の有無を判定するための診断値を算出する診断値算出手段と、
    前記リーン応答遅れ時間に基づいてリーン応答補正値を求めるとともに、前記リッチ応答遅れ時間に基づいてリッチ応答補正値を求め、該リーン応答補正値およびリッチ応答補正値で気筒間ばらつき異常の有無を判定するための判定しきい値を補正する判定しきい値補正手段と、
    前記診断値算出手段により算出された診断値が前記判定しきい値補正手段により補正された判定しきい値を超えている場合に、気筒間ばらつき異常が生じていると判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする気筒間ばらつき異常検知装置。
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