JP7428045B2 - エンジン装置 - Google Patents

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本発明は、エンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、エンジンの排気系に設けられた空燃比センサにより得られるセンサ空燃比と、エンジンの吸入空気量および燃料噴射量から推定される推定空燃比とを比較して、空燃比センサの故障診断を行なうものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-8794号公報
こうしたエンジン装置では、エンジンの排気系に取り付けられた排気を浄化する触媒の暖機のためなどに、エンジンにおいて、点火を行なわずに微小量の燃料噴射を行なう微小噴射制御を実行する場合がある。この場合、エンジンの実際の空燃比が空燃比センサの検出可能範囲よりもリーン側になると、エンジンの空燃比を空燃比センサにより検出することができないため、エンジンの空燃比を把握することができない。
本発明のエンジン装置は、エンジンの空燃比の把握範囲をよりリーン側に拡大することを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
エンジンと、前記エンジンの排気系に取り付けられた空燃比センサと、制御装置とを備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、
前記空燃比センサにより得られるセンサ空燃比が前記空燃比センサの出力上限値未満のときには、前記センサ空燃比を前記エンジンの把握空燃比として得て、
前記センサ空燃比が前記出力上限値に等しいときには、前記エンジンの吸入空気量および燃料噴射量に基づく推定空燃比を前記出力上限値で下限ガードした値を前記把握空燃比として得る、
ことを要旨とする。
本発明のエンジン装置では、空燃比センサにより得られるセンサ空燃比が空燃比センサの出力上限値未満のときには、センサ空燃比をエンジンの把握空燃比として得て、センサ空燃比が出力上限値に等しいときには、エンジンの吸入空気量および燃料噴射量に基づく推定空燃比を出力上限値で下限ガードした値を把握空燃比として得る。センサ空燃比が出力上限値に等しいときには、エンジンの空燃比は、出力上限値に等しいまたはそれよりも大きい(リーン側である)と想定される。このときに、推定空燃比を出力上限値で下限ガードした値を把握空燃比として得ることにより、エンジンの空燃比を出力上限値以上の把握空燃比として得ることができる。この結果、エンジンの空燃比の把握範囲をリーン側に拡大することができる。すると、上述の微小噴射制御を実行する場合など空燃比センサによりエンジンの空燃比を把握できない場合でも、エンジンの空燃比をより適切に把握することができる。
本発明のエンジン装置において、前記センサ空燃比が前記空燃比センサの出力下限値よりも大きいときには、前記センサ空燃比を前記把握空燃比として得て、前記センサ空燃比が前記出力下限値に等しいときには、前記推定空燃比を前記出力下限値で上限ガードした値を前記把握空燃比として得るものとしてもよい。センサ空燃比が出力下限値に等しいときには、エンジンの空燃比は、出力下限値に等しいまたはそれよりも小さい(リッチ側である)と想定される。このときに、推定空燃比を出力下限値で上限ガードした値を把握空燃比として得ることにより、エンジンの空燃比を出力下限値以下の把握空燃比として得ることができる。この結果、エンジンの空燃比の把握範囲をリッチ側に拡大することができる。
本発明のエンジン装置において、前記把握空燃比を得ると、前記把握空燃比で理論空燃比を除した値を基準値から減じた値に基づいて、前記エンジンの排気の酸素余剰量を演算するものとしてもよい。この場合、前記エンジンの回転数、負荷率、気筒間の燃料噴射量のインバランス程度のうちの少なくとも1つに基づいて前記基準値を設定するものとしてもよい。
本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。 空燃比センサ35aの特性の一例を示す説明図である。 電子制御ユニット70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 図5は、空気余剰率λa(=1/λf)と、基準値λast,λfstが値1のときの大気に対する酸素量の割合と、の関係の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。実施例のエンジン装置10は、一般的な自動車や各種のハイブリッド自動車に搭載され、図1や図2に示すように、エンジン12と、過給機40と、制御装置としての電子制御ユニット70とを備える。
エンジン12は、ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料を用いて動力を出力する複数気筒の内燃機関として構成されている。このエンジン12は、エアクリーナ22により清浄された空気を吸気管23に吸入してインタークーラ25、スロットルバルブ26、サージタンク27の順に通過させると共に吸気管23のサージタンク27よりも下流側で燃料噴射弁28から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ29を介して燃焼室30内に吸入し、点火プラグ31による電気火花によって爆発燃焼させる。そして、爆発燃焼によるエネルギにより押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト14の回転運動に変換する。燃焼室30から排気バルブ34を介して排気管35に排出される排気は、浄化装置37やPMフィルタ38を介して外気に排出される。浄化装置37は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒(三元触媒)37aを有する。PMフィルタ38は、セラミックスやステンレスなどにより多孔質フィルタとして形成されており、排気中の煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集する。なお、PMフィルタ38に代えて、三元触媒を有する浄化装置が用いられるものとしてもよいし、三元触媒の浄化機能と粒子状物質に対する捕集機能とを組み合わせた四元触媒が用いられるものとしてもよい。
過給機40は、ターボチャージャとして構成されており、タービン41と、コンプレッサ42と、ウェイストゲートバルブ44と、ブローオフバルブ45とを備える。タービン41は、排気管35における浄化装置37の上流側に配置されている。コンプレッサ42は、吸気管23におけるインタークーラ25の上流側に配置されていると共にタービン41に連結シャフト43を介して連結されている。したがって、コンプレッサ42は、タービン41により駆動される。ウェイストゲートバルブ44は、排気管35におけるタービン41の上流側と下流側とを連絡するバイパス管36に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。ブローオフバルブ45は、吸気管23におけるコンプレッサ42の上流側と下流側とを連絡するバイパス管24に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。
この過給機40では、ウェイストゲートバルブ44の開度の調節により、バイパス管36を流通する排気量とタービン41を流通する排気量との分配比が調節され、タービン41の回転駆動力が調節され、コンプレッサ42による圧縮空気量が調節され、エンジン12の過給圧(吸気圧)が調節される。ここで、分配比は、詳細には、ウェイストゲートバルブ44の開度が小さいほど、バイパス管36を流通する排気量が少なくなると共にタービン41を流通する排気量が多くなるように調節される。なお、ウェイストゲートバルブ44が全開のときには、エンジン12は、過給機40を備えない自然吸気タイプのエンジンと同様に動作する。
また、過給機40では、吸気管23におけるコンプレッサ42よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度大きいときに、ブローオフバルブ45を開弁させることにより、コンプレッサ42よりも下流側の余剰圧力を解放することができる。なお、ブローオフバルブ45は、電子制御ユニット70により制御されるバルブに代えて、吸気管23におけるコンプレッサ42よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高くなると開弁する逆止弁として構成されるものとしてもよい。
電子制御ユニット70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUに加えて、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。図2に示すように、電子制御ユニット70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。
電子制御ユニット70に入力される信号としては、例えば、エンジン12のクランクシャフト14の回転位置を検出するクランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrや、エンジン12の冷却水の温度を検出する図示しない水温センサからの冷却水温Tw、スロットルバルブ26の開度を検出するスロットルポジションセンサ26aからのスロットル開度THを挙げることができる。吸気バルブ29を開閉するインテークカムシャフトや排気バルブ34を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出する図示しないカムポジションセンサからのカムポジションθcaも挙げることができる。吸気管23におけるコンプレッサ42の上流側に取り付けられたエアフローメータ23aからの吸入空気量Qaや、吸気管23におけるコンプレッサ42の上流側に取り付けられた吸気圧センサ23bからの吸気圧Pin、吸気管23のコンプレッサ42とインタークーラ25との間に取り付けられた過給圧センサ23cからの過給圧Pcも挙げることができる。サージタンク27に取り付けられたサージ圧センサ27aからのサージ圧Psや、サージタンク27に取り付けられた温度センサ27bからのサージ温度Tsも挙げることができる。排気管35における浄化装置37の上流側に取り付けられた空燃比センサ35aからのセンサ空燃比AFsenや、排気管35における浄化装置37とPMフィルタ38との間に取り付けられた酸素センサ35bからの酸素信号O2も挙げることができる。大気圧センサ71からの大気圧Poutや、外気温センサ72からの外気温Toutも挙げることができる。
ここで、空燃比センサ35aについて説明する。図3は、空燃比センサ35aの特性の一例を示す説明図である。図3に示すように、空燃比センサ35aは、エンジン12の実空燃比、具体的には、排気管35における浄化装置37の上流側の排気の実空燃比が値AF1(例えば、11~13程度)からそれよりも大きい値AF2(例えば、17~19程度)に向かって増加するにつれて、センサ空燃比AFsenが値AF1から値AF2に向かってリニアに増加する。また、空燃比センサ35aは、実空燃比が値AF1よりも小さいときには、センサ空燃比AFsenが値AF1となり、実空燃比が値AF2よりも大きいときには、センサ空燃比AFsenが値AF2となる。したがって、空燃比センサ35aの出力値範囲は、値AF1以上で且つ値AF2以下の範囲となる。
電子制御ユニット70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット70から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ26への制御信号や、燃料噴射弁28への制御信号、点火プラグ31への制御信号を挙げることができる。ウェイストゲートバルブ44への制御信号、ブローオフバルブ45への制御信号も挙げることができる。
電子制御ユニット70は、クランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrに基づいてエンジン12の回転数Neを演算している。また、電子制御ユニット70は、エアフローメータ23aからの吸入空気量Qaとエンジン12の回転数Neとに基づいて負荷率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の割合)KLを演算している。
こうして構成された実施例のエンジン装置10では、電子制御ユニット70は、エンジン12の要求負荷率KL*に基づいて、スロットルバルブ26の開度を制御する吸入空気量制御や、燃料噴射弁28からの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御、点火プラグ31の点火時期を制御する点火制御、ウェイストゲートバルブ44の開度を制御する過給制御などを行なう。
燃料噴射制御は、例えば、吸入空気量Qaに基づいて後述の把握空燃比AFAFgrが目標空燃比AF*(例えば、理論空燃比)となるように燃料噴射弁28の目標燃料噴射量Qf*を設定し、設定した目標燃料噴射量Qf*を用いて燃料噴射弁28を制御することにより行なわれる。吸入空気量制御や点火制御、過給制御については、本発明の中核をなさないため、詳細な説明を省略する。なお、上述したように、ウェイストゲートバルブ44が全開のときには、エンジン12は、過給機40を備えない自然吸気タイプのエンジンと同様に動作する。
次に、こうして構成されたエンジン装置10の動作、特に、エンジン12の空燃比を把握空燃比AFgrとして得る際の処理について説明する。図4は、電子制御ユニット70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、繰り返し実行される。
図4の処理ルーチンでは、電子制御ユニット70は、最初に、センサ空燃比AFsenや、吸入空気量Qa、燃料噴射量Qfなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、センサ空燃比AFsetは、空燃比センサ35aの出力値が入力される。吸入空気量Qaは、エアフローメータ23aの出力値が入力される。燃料噴射量Qfは、燃料噴射弁28からの燃料噴射時間τfに基づいて推定された値が入力される。実施例では、吸入空気量Qaおよび燃料噴射量Qfは、何れも単位時間当たりの値である。
こうしてデータを入力すると、吸入空気量Qaを燃料噴射量Qfで除して、エンジン12の空燃比の推定値である推定空燃比AFestを演算する(ステップS110)。続いて、センサ空燃比AFsenを上述の値AF1および値AF2と比較し(ステップS110)、センサ空燃比AFsenが値AF1よりも大きく且つ値AF2よりも小さいときには、センサ空燃比AFsenが正しいと判断し、センサ空燃比AFsenをエンジン12の空燃比の把握値である把握空燃比AFgrに設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。こうして得られた把握空燃比AFgrは、上述の燃料噴射制御や、浄化装置37の触媒37aの酸素濃度の推定などに用いられる。
ステップS120でセンサ空燃比AFsenが値AF1のときには、エンジン12の実空燃比が値AF1以下である(実空燃比を空燃比センサ35aにより正しく検出できない)と判断し、推定空燃比AFestを値AF1で上限ガードした値を把握空燃比AFgrに設定して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。これにより、センサ空燃比AFsenが値AF1のときに、エンジン12の実空燃比を値AF1以下の把握空燃比AFgrとして得ることができる。この結果、エンジン12の実空燃比の把握範囲をリッチ側に拡大することができる。
ステップS120でセンサ空燃比AFsenが値AF2のときには、エンジン12の実空燃比が値AF2以上である(実空燃比を空燃比センサ35aにより正しく検出できない)と判断し、推定空燃比AFestを値AF2で下限ガードした値を把握空燃比AFgrに設定して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。これにより、センサ空燃比AFsenが値AF2のときに、エンジン12の実空燃比を値AF2以上の把握空燃比AFgrとして得ることができる。この結果、エンジン12の実空燃比の把握範囲をリーン側に拡大することができる。
エンジン装置10では、浄化装置37の触媒37aの暖機などのために、エンジン12において、点火プラグ31により点火を行なわずに燃料噴射弁28から微小量の燃料噴射を行なう微小噴射制御を実行する場合がある。この場合、エンジン12の実空燃比が、30~50程度になる、即ち、空燃比センサ35aの検出可能範囲(値AF1よりも大きく且つ値AF2よりも小さい範囲)よりもリーン側になることがある。このときには、空燃比センサ35aによりエンジン12の実空燃比を検出することができない。これを踏まえて、実施例では、センサ空燃比AFsenが値AF2のときには、推定空燃比AFestを値AF2で下限ガードした値を把握空燃比AFgrに設定することにより、エンジン12の実空燃比を値AF2以上の把握空燃比AFgrとして得ることができる。この結果、エンジン12の実空燃比の把握範囲をリーン側に拡大することができるから、微小噴射制御を実行する場合でも、エンジン12の実空燃比をより適切に把握することができる。
以上説明した実施例のエンジン装置10では、センサ空燃比AFsenが値AF2のときには、推定空燃比AFestを値AF2で下限ガードした値を把握空燃比AFgrに設定する。これにより、センサ空燃比AFsenが値AF2のときに、エンジン12の実空燃比を値AF2以上の把握空燃比AFgrとして得ることができるから、エンジン12の実空燃比の把握範囲をリーン側に拡大することができる。また、センサ空燃比AFsenが値AF1のときには、推定空燃比AFestを値AF1で上限ガードした値を把握空燃比AFgrに設定する。これにより、センサ空燃比AFsenが値AF1のときに、エンジン12の実空燃比を値AF1以下の把握空燃比AFgrとして得ることができるから、エンジン12の実空燃比の把握範囲をリッチ側に拡大することができる。
実施例の電子制御ユニット70では、把握空燃比AFgrを得るものとしたが、こうして得た把握空燃比AFgrを用いて、排気管35における浄化装置37の上流側の排気の酸素余剰量Qeoを演算するものとしてもよい。酸素余剰量Qeoは、例えば、吸入空気量Qaと、把握空燃比AFgrを理論空燃比AFth(14.6)で除して得られる空気余剰率λaと、空気余剰率λaの基準値λastと、酸素余剰量Qeoの演算周期Δt1と、定数Cと、を用いて式(1)により演算することが考えられる。また、空気余剰率λaおよび基準値λastに代えて、理論空燃比AFthを把握空燃比AFgrで除して得られる(空気余剰率λaの逆数として得られる)燃料余剰率λf(=1/λa)および燃料余剰率λfの基準値λfstを用いて式(2)により演算することも考えられる。定数Cは、適宜設定され、基準値λastや基準値λfstとしては、例えば値1が用いられる。
Qeo=前回Qeo+Qa・(λa-λast)・C・Δt (1)
Qeo=前回Qeo+Qa・(λfst-λf)・C・Δt (2)
ここで、式(1)および式(2)について説明する。図5は、空気余剰率λa(=1/λf)と、基準値λast,λfstが値1のときの大気に対する酸素量の割合と、の関係の一例を示す説明図である。ここで、大気に対する酸素量の割合は、大気に含まれる酸素の質量割合(0.233)に対して排気に含まれる酸素の質量割合がどれだけである(何倍である)かを意味する。大気に対する酸素量の割合(以下、「酸素割合Ro」という)が0.0のときには、排気管35における浄化装置37の上流側の排気に酸素が含まれていないことを意味し、この割合が1.0のときには、この排気の酸素量の割合が大気の酸素量の割合と同一であることを意味する。図中、実線は式(1)により酸素余剰量Qeoを演算する場合の酸素割合Roであり、破線は式(2)により酸素余剰量Qeoを演算する場合の酸素割合Roである。空気余剰率λaが1.0よりも大きい領域において、式(1)により酸素余剰量Qeoを演算する場合の酸素割合Roは、把握空燃比AFgrの増加に従って線形で増加しており(実線参照)、式(2)により酸素余剰量Qeoを演算する場合の酸素割合Roは、把握空燃比AFgrの増加に従って増加量が小さくなりながら増加している(破線参照)。発明者らは、実験や解析により、式(2)により酸素余剰量Qeoを演算する場合の酸素割合Roが、式(1)により酸素余剰量Qeoを演算する場合の酸素割合Roに比して、実情により近いことを確認した。したがって、式(2)により酸素余剰量Qeoを演算するのが好ましい。
続いて、基準値λast,λfstについて説明する。一般に、空燃比センサ35aを通過する排気の状態や、空燃比センサ35aの経年変化、エンジン12の気筒間の燃料噴射量Qfのインバランスによる排気に含まれる炭化水素(HC)の影響などが空燃比センサ35aの検出精度に影響を与える場合がある。したがって、式(1)や(2)において、基準値λastや基準値λfstとして、値1を用いるのに代えて、空燃比センサ35aを通過する排気の状態などに関連する関連パラメータに応じた基準値λast,λfstを用いるのが好ましい。関連パラメータとしては、例えば、エンジン12の回転数Neや負荷率KL、エンジン12の気筒間の燃料噴射量Qfのインバランス程度などのうちの少なくとも1つが挙げられる。
実施例のエンジン装置10では、過給機40は、排気管35に配置されたタービン41と吸気管23に配置されたコンプレッサ42とが連結シャフト43を介して連結されたターボチャージャとして構成されるものとした。しかし、エンジン12やモータにより駆動されるコンプレッサが吸気管23に配置されたスーパーチャージャとして構成されるものとしてもよい。また、過給機40を備えないものとしてもよい。
実施例では、エンジン装置10は、一般的な自動車や各種のハイブリッド自動車に搭載されるものとした。しかし、自動車以外の車両に搭載されるものとしてもよいし、建設設備などの移動しない設備に搭載されるものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン12が「エンジン」に相当し、空燃比センサ35aが「空燃比センサ」に相当し、電子制御ユニット70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
10 エンジン装置、12 エンジン、14 クランクシャフト、14a クランクポジションセンサ、22 エアクリーナ、23 吸気管、23a エアフローメータ、23b 吸気圧センサ、23c 過給圧センサ、24 バイパス管、25 インタークーラ、26 スロットルバルブ、26a スロットルポジションセンサ、27 サージタンク、27a サージ圧センサ、27b 温度センサ、28 燃料噴射弁、29 吸気バルブ、30 燃焼室、31 点火プラグ、32 ピストン、34 排気バルブ、35 排気管、35a 空燃比センサ、35b 酸素センサ、36 バイパス管、37 浄化装置、37a 触媒、38 PMフィルタ、40 過給機、41 タービン、42 コンプレッサ、43 連結シャフト、44 ウェイストゲートバルブ、45 ブローオフバルブ、70 電子制御ユニット、71 大気圧センサ。

Claims (1)

  1. エンジンと、前記エンジンの排気系に取り付けられた空燃比センサと、制御装置とを備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、
    前記空燃比センサにより得られるセンサ空燃比が前記空燃比センサの出力上限値未満のときには、前記センサ空燃比を前記エンジンの把握空燃比として得て、
    前記センサ空燃比が前記出力上限値に等しいときには、前記エンジンの吸入空気量および燃料噴射量に基づく推定空燃比を前記出力上限値で下限ガードした値を前記把握空燃比として得る、
    エンジン装置。
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